JP5705783B2 - ガラス微粒子堆積用バーナおよびガラス微粒子堆積体の製造方法 - Google Patents

ガラス微粒子堆積用バーナおよびガラス微粒子堆積体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス微粒子堆積用バーナおよびガラス微粒子堆積体の製造方法に関する。
従来、光ファイバの製造に関して、ガラス原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガス及びシールガスをバーナから噴出させ、原料ガスを可燃性ガス及び助燃性ガスからなる火炎によりガラス微粒子を生成し、ガラス微粒子を基体に堆積させて光ファイバ用母材を製造する方法がある。図8は、ガラス微粒子堆積体105を堆積させる方法を示す図である。光ファイバの製造の際に、大型の光ファイバ母材を効率よく製造するためには、バーナ101に多量のガラス原料と熱を供給して短時間に反応させ、生成した多量のガラス微粒子をガラス微粒子堆積体105として基体103に堆積させる必要がある。
バーナ101として用いられるものには、複数の管が同軸に多重に配置されている多重管式バーナ(例えば、特許文献1参照)や、可燃性ガスの流出路の中に設けられた原料ガス流路口を取り囲むように複数の小口径助燃ガス流出口が環状に配置されているマルチノズルバーナ(例えば、特許文献2参照)がある。また、ガラス微粒子の堆積効率を向上させる手法として、マルチノズルバーナの小口径助燃ガス流出口を何重にも環状配置して各々の環状配置に焦点を持たせて其々の焦点を変えることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。多数の合成用バーナを並べる方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2002−29759号公報 特開2003−165737号公報 特開平5−323130号公報 特開平3−228845号公報
しかしながら、堆積速度向上の為に、多量のガラス原料と多量の熱をバーナ101に供給し、高速で多量のガラス微粒子を生成させると、ガラス粒子がバーナ101の先端や内壁付近に沈着・堆積し、バーナ101のガス流を乱して火炎が不安定となることがある。安定性を欠いた火炎で堆積を続けると、堆積中或いは堆積後のガラス微粒子堆積体105に亀裂が発生することがある。また、ガラス微粒子堆積体は問題なく製造できたとしても、ガラス微粒子堆積体を加熱炉で透明化して形成される透明ガラス体に亀裂が発生する等の問題が生じることがある。また、バーナ101内へのガラス微粒子の堆積が進行すると、バーナ101が閉塞状態となって破損に至るという問題もある。さらに、バーナ101の先端や内壁付近に沈着、堆積していたガラス微粒子がガス流で吹き飛び、ガラス微粒子堆積体105に付着することも問題となっている。
バーナ101内へのガラス微粒子の堆積の抑制については、特開平2−275725に2重火炎バーナにおいて内壁の支燃性ガスを150℃以上に加熱して流す方法が提案されている。しかし、こうした手法で多量のガスを供給する場合、加熱機器が大きくなり、反応容器内或いは反応容器近傍に配置する事が困難となる。加熱機器の設置位置が反応容器から遠くなると、配管系統を保温、加熱する必要があるため、装置の構成が複雑になる。また、配管温度管理をする必要があるため、製造手順も複雑になってしまう。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、バーナへのガラス微粒子の堆積を抑制し、ガラス微粒子堆積体の亀裂、バーナ破損を抑制できるガラス微粒子堆積用バーナおよびガラス微粒子堆積体の製造方法を提供することである。
前述した目的を達成するために、第1の発明は、光ファイバ用多孔質ガラス微粒子堆積体を製造する際にガスを噴出させるガラス微粒子堆積用バーナであって、バーナの中心部を含み、石英ガラス原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガスおよびシールガスを噴出させることが可能な第1の流出部群と、前記第1の流出部群の外側に隣接して位置し、流出口が前記第1の流出部群の最外層の流出口よりもガス流出方向前方に位置する還元性ガス流出部と、を有し、前記還元性ガス流出部は1層からなり、内部に空洞を含まず、前記還元性ガス流出部には、石英ガラスに対して還元方向に作用して酸素と反応する還元性ガス、または前記還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスを流すことを特徴とするガラス微粒子堆積用バーナである。
第1の発明では、例えば、前記第1の流出部群の最外層に、酸素または酸素を含むガスが流され、前記還元性ガス流出部に、前記還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスが流される。このとき、前記還元性ガスの濃度を2%以上50%以下とし、前記混合ガスの流速を2m/sec以上とする。
第1の発明のガラス微粒子堆積用バーナでは、前記還元性ガス流出部の外側に位置し、流出口が前記第1の流出部群の流出口および前記還元性ガス流出部の流出口よりもガス流出方向前方に位置する第2の流出部群をさらに設けてもよい。
第1の発明では、流出口が第1の流出部群の最外層の流出口よりもガス流出方向前方に位置する還元性ガス流出部に還元性ガスを流す。これにより、バーナ先端やバーナ内壁付近のガラス微粒子が堆積する部分での酸素濃度を低減するとともに、再生成したSiOを更に還元して、還元されたSiOを気相の状態で排出することができるため、ガラス微粒子の生成を抑制し、バーナ先端や内壁部への沈着や堆積を低減できる。
第2の発明は、光ファイバ用多孔質ガラス微粒子堆積体を製造する際にガスを噴出させるガラス微粒子堆積用バーナであって、バーナの中心部を含み、石英ガラス原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガスおよびシールガスを噴出させることが可能な第1の流出部群と、前記第1の流出部群の外側に位置し、流出口が前記第1の流出部群の流出口よりもガス流出方向前方に位置する第2の流出部群と、を有し、前記第1の流出部群の最外層には、可燃性ガスを流し、前記第2の流出部群の最内層は、石英ガラスに対して還元方向に作用して酸素と反応する還元性ガスまたは前記還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスを流すことが可能な還元性ガス流出部であることを特徴とするガラス微粒子堆積用バーナである。
第2の発明では、例えば、前記第2の流出部群の前記還元性ガス流出部の外周側の流出部に、シールガスが流される。このとき、前記還元性ガスの濃度を15%以上とする。
第2の発明では、第2の流出部群の最内層である還元性ガス流出部に還元性ガスまたは還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスを流す。これにより、バーナ先端やバーナ内壁付近のガラス微粒子が堆積する部分での酸素濃度を低減するとともに、再生成したSiOを更に還元して、還元されたSiOを気相の状態で排出することができるため、ガラス微粒子の生成を抑制し、バーナ先端や内壁部への沈着や堆積を低減できる。
第3の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のガラス微粒子堆積用バーナを用いた光ファイバ用多孔質ガラス微粒子堆積体を製造する方法であって、前記還元性ガス流出部から、前記還元性ガスまたは前記還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスを流しつつ、前記第1の流出部群から原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガスおよびシールガスを噴出して、ガラス微粒子をターゲットに堆積させる。
第3の発明では、還元性ガス流出部から、還元性ガスまたは還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスを流す。これにより、バーナ先端やバーナ内壁付近のガラス微粒子が堆積する部分での酸素濃度を低減するとともに、再生成したSiOを更に還元して、還元されたSiOを気相の状態で排出することができるため、ガラス微粒子の生成を抑制できる。ガラス微粒子の生成を抑制すれば、バーナ先端や内壁部への沈着や堆積を低減でき、ガラス微粒子堆積体の亀裂の発生や、バーナの破損を回避できる。
本発明によれば、バーナへのガラス微粒子の堆積を抑制し、ガラス微粒子堆積体の亀裂、バーナ破損を抑制できるガラス微粒子堆積用バーナおよびガラス微粒子堆積体の製造方法を提供できる。
堆積用バーナ1の概要図 製造条件および観察結果を示す表 堆積用バーナ1aの概要図 堆積用バーナ21の概要図 製造条件および観察結果を示す表 堆積用バーナ21aの概要図 製造条件および観察結果を示す表 ガラス微粒子堆積体105を堆積させる方法を示す図
以下、図面に基づいて、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。図1は、堆積用バーナ1の概要図である。図1(a)は、図1(b)に示す矢印Bの方向から堆積用バーナ1を見た図、図1(b)は、図1(a)に示す矢印A−Aによる堆積用バーナ1の断面図である。ただし、図1(b)においては、堆積用バーナ1にバーナフード9を装着した状態を示している。
図1に示すように、堆積用バーナ1は、第1の流出部群3、還元性ガス流出部5、第2の流出部群7等からなる。堆積用バーナ1は、例えば、石英ガラス製の多重管である。第1の流出部群3は、バーナの中心部を含み、中心部の流出部3−1、2層目の流出部3−2、3層目の流出部3−3、最外層の流出部3−4からなる。還元性ガス流出部5は、第1の流出部群の外側に位置する。第2の流出部群7は、還元性ガス流出部5の外側に位置し、最内層の流出部7−1、2層目の流出部7−2、3層目の流出部7−3、最外層の流出部7−4からなる。
第1の流出部群3の流出部3−1、3−2、3−3、3−4の流出口11−1、11−2、11−3、11−4は、同一面上に位置する。還元性ガス流出部5の流出口13は、第1の流出部群3の最外層である流出部3−4の流出口11−4よりも、ガス流出方向前方、すなわちバーナフード9に近い方向に位置する。第2の流出部群7の流出部7−1、7−2、7−3、7−4の流出口15−1、15−2、15−3、15−4は、還元性ガス流出部5の流出口13よりも、ガス流出方向前方に位置する。
バーナフード9は、第2の流出部群7の流出部7−4の外周に沿って配置される。バーナフード9の端部10は、流出部7−4の流出口15−4よりも、ガス流出方向前方に位置する。
バーナフード9は、例えば、石英ガラス製であり、バーナ火炎周辺を流れる風の流れの影響を低減して火炎の指向性を向上させる目的で適宜堆積用バーナ1に装着されて用いられる。なお、バーナフード9は、堆積用バーナ1に着脱可能に構成されており、バーナフード9と堆積用バーナ1の嵌合部分は、例えば、テーパ状の摺り合わせ嵌合構造になっている。また、図1(b)に示すように、バーナフード9の内径を堆積用バーナ1の外径よりも大きくすることでバーナフード9先端の熱による損耗を抑制する効果が得られる。
以下、図1に示す堆積用バーナ1を用いて、12種の条件でガラス微粒子堆積体を試験的に製造し、観察した結果について説明する。図2は、製造条件および観察結果を示す表である。
ガラス微粒子堆積体を製造する際、第1の流出部群3に流したガスの構成および流速は、全ての試験において共通である。中心部の流出部3−1からは、石英ガラス原料ガスであるSiClを5l/minで流した。流出部3−2からは、可燃性ガスであるHを15l/minで流した。流出部3−3からは、シールガスであるNを3l/minで流した。流出部3−4からは、助燃性ガスであるOを30l/minで流した。
還元性ガス流出部5からは、各試験毎に、構成および流速の異なるガスを流した。各試験におけるガスの構成、水素濃度およびガス流速は、図2に示す通りである。還元性ガス流出部5からは、不活性ガスであるN、還元性ガスであるH、助燃性ガスであるOを単独或いは混合して流した。
第2の流出部群7に流したガスの構成および流速は、全ての試験において共通である。流出部7−1からは、シールガスであるNを3l/minで流した。流出部7−2からは、可燃性ガスであるHを60l/minで流した。流出部7−3からは、シールガスであるNを15l/minで流した。流出部7−4からは、助燃性ガスであるOを50l/minで流した。
第1の実施の形態では、上述した製造条件で、試験No.1から試験No.12について計300時間の微粒子堆積を行った。そして、計300時間堆積後の流出部7−1の内壁先端部17の状況および還元性ガス流出部5の内壁先端部19の状況、計300時間堆積経過後のガラス微粒子堆積体を加熱して透明化した後のガラス微粒子堆積体(透明ガラス体)の状況を観察した。
図2に示すように、試験No.1、試験No.2、試験No.3、試験No.7、試験No.9では、還元性ガス流出部5から、NとHの混合ガスを流した。水素濃度とガス流速は、それぞれ、2.4%と2.1m/sec、4.8%と2.1m/sec、2.0%と5.1m/sec、50%と4.1m/sec、22%と8m/secである。これらの試験では、還元性ガス流出部5から還元性ガスであるHを流すことにより、ガラス微粒子の生成が抑制されたため、内壁先端部17の状況、内壁先端部19の状況、透明化後のガラス微粒子堆積体の状況とも良好であった。
試験No.4では、還元性ガス流出部5にNとHの混合ガスを流した。試験No.4では、混合ガスの水素濃度が71%と高いため、HとOとの反応が生じ、熱による内壁先端部19の結晶化と損傷が認められた。また、透明化後のガラス微粒子堆積体に僅かに気泡が認められた。
試験No.5では、還元性ガス流出部5にNとHの混合ガスを流した。試験No.5では、水素濃度が1・0%と低く、ガス流速が1m/secと遅いため、ガラス微粒子の生成が抑制されず、内壁先端部17への微粒子堆積が認められた。また、透明化後のガラス微粒子堆積体に僅かに気泡が認められた。
試験No.6では、還元性ガス流出部5にHのみを流した。試験No.6では、HとOとの反応が生じ、内壁先端部17への微粒子堆積、熱による内壁先端部19の損傷が認められた。また、透明化後のガラス微粒子堆積体に多数の気泡が認められた。
試験No.8では、還元性ガス流出部5にNとHの混合ガスを流した。試験No.8では、ガス流速が1m/secと遅いため、ガラス微粒子の生成が抑制されず、内壁先端部17への微粒子堆積、熱による内壁先端部19の損傷が認められた。また、透明化後のガラス微粒子堆積体に多数の気泡が認められた。
試験No.10では、還元性ガス流出部5にNのみを、試験No.11ではOのみを、試験No.12ではNおよびOを流した。これらではガラス微粒子の生成が抑制されず、内壁先端部17および内壁先端部19に微粒子の堆積が認められた。また、透明化後のガラス微粒子堆積体に気泡が認められた。
なお、計300時間経過後、条件によっては堆積用バーナ1の内壁先端部17に微粒子の堆積が認められたが、何れの条件もバーナ閉塞には至らなかった。透明化後のガラス微粒子堆積体の気泡は、堆積物によりガスの流れが乱れ、火炎が不安定になったために発生したと考える。
図2に示す結果から、第1の流出部群3の最外層の流出部3−4から助燃性ガスであるOを流した場合、流出部3−4の外側に隣接する還元性ガス流出部5に、還元性ガスであるHと不活性ガスであるNとの混合ガスを、水素濃度を2%以上50%以下、混合ガスの流速を2m/sec以上として流すことにより、内壁先端部17や内壁先端部19へのガラス微粒子の堆積を防ぎ、透明化後のガラス微粒子堆積体を良好な状態に製造できることがわかる。
堆積用バーナ1を用いた場合との比較試験として、堆積用バーナ1aを用いた場合について以下に説明する。図3は、堆積用バーナ1aの概要図である。図3(a)は、図3(b)に示す矢印Dの方向から堆積用バーナ1aを見た図、図3(b)は、図3(a)に示す矢印C−Cによる堆積用バーナ1aの断面図である。ただし、図3(b)においては、堆積用バーナ1aにバーナフード9を装着した状態を示している。
堆積用バーナ1aは、堆積用バーナ1とほぼ同様の構成であるが、還元性ガス流出部5を有しない点が異なっている。
堆積用バーナ1aを用いてガラス微粒子堆積体を製造する際には、第1の流出部群3の中心部の流出部3−1から、石英ガラス原料ガスであるSiClを5l/minで流した。流出部3−2からは、可燃性ガスであるHを14l/minで流した。流出部3−3からは、シールガスであるNを流した。流出部3−4からは助燃性ガスであるOを30l/minで流した。
第2の流出部群7の流出部7−1からは、シールガスであるNを3l/minで流した。流出部7−2からは、可燃性ガスであるHを60l/minで流した。流出部7−3からは、シールガスであるNを15l/minで流した。流出部7−4からは、助燃性ガスであるOを50l/minで流した。
堆積用バーナ1aを用いた比較試験では、上述した条件で、計100時間の微粒子堆積を行った。そして、堆積後の流出部7−1の内壁先端部17aの状況、計100時間堆積経過時のガラス微粒子堆積体を加熱して透明化した後のガラス微粒子堆積体の状況を観察した。計100時間堆積後、堆積用バーナ1aは閉塞には至らなかったものの、内壁先端部17aに著しい微粒子の堆積が認められ、透明化後のガラス微粒子堆積体に気泡が多数見受けられた。
第1の実施の形態では、ガラス微粒子堆積体を製造する際に、図1に示すような、第1の流出部群3の外側に隣接する還元性ガス流出部5を有し、還元性ガス流出部5の流出口13が第1の流出部群3の最外層の流出部3−4の流出口11−4よりもガス流出方向前方に位置する堆積用バーナ1を用いる。そして、還元性ガス流出部5にHとNとの混合ガスを流し、還元性ガス流出部5の内側に隣接する流出部3−4にOを流す。この時、還元性ガス流出部5に流す混合ガスの水素濃度を2%以上50%以下、混合ガスの流速を2m/sec以上に設定することにより、ガラス微粒子の生成を抑制することができる。ガラス微粒子の生成を抑制すれば、バーナ先端や内壁部への沈着や堆積を低減でき、ガラス微粒子堆積体の亀裂の発生や、バーナの破損を回避できる。
堆積用バーナの内壁先端部に微粒子が堆積する理由は、以下のように推定される。石英ガラスを合成する際に火炎内で合成された石英ガラスは、合成された後に更にバーナからの火炎等で強力に加熱されると、SiO→SiO+1/2Oという還元反応が起きる。この還元反応は、晒される温度が高くなるに従って、また、高温に晒される時間が長くなるに従って、より顕著となる。また、還元反応で生成したSiOは原料の流れ或いは合成された微粒子に伴って流れるだけではなく、その流れから逸れる方向へも拡散し、雰囲気中のOと反応し、SiOが再生成する。
高温雰囲気下で蒸気圧の高いSiOが反応し蒸気圧の低いSiOが再生成した場合、SiOが凝集して生成したガラス粒子がバーナの先端や内壁付近に沈着・堆積する。
したがって、還元性ガス流出部を設け、還元性ガス流出部に石英ガラスに対して還元方向に作用して酸素と反応する還元性ガスを流すことにより、堆積用バーナの内壁先端部に微粒子が堆積することを抑制できる。
なお、流出口13の位置は、第1の流出部群3の最外層の流出部3−4の流出口11−4と第2の流出部群7の流出部7−1、7−2、7−3、7−4の流出口15−1、15−2、15−3、15−4の間であればよいが、略半分の位置が最も好ましい。
なお、第1の実施の形態では、還元性ガス流出部に流す混合ガスの水素濃度を2%以上50%以下としたが、水素濃度はこの限りでない。例えば、第1の流出部群の最外層にシールガスを流す場合には、還元性ガス流出部に流す混合ガスの水素濃度の上限を100%としても、ガラス微粒子の生成抑制の効果が得られる。
また、本発明における堆積用バーナの構成は、図1に示すものに限らない。堆積用バーナは、第1の流出部群の外側に還元性ガス流出部を有し、還元性ガス流出部の流出口が第1の流出部群の最外層の流出口よりもガス流出方向前方に位置する構成であればよく、第2の流出部群は必須ではない。また、多重管式バーナでなく、マルチノズルバーナにも適用可能である。
次に、第2の実施の形態について説明する。図4は、堆積用バーナ21の概要図である。図4(a)は、図4(b)に示す矢印Fの方向から堆積用バーナ21を見た図、図4(b)は、図4(a)に示す矢印E−Eによる堆積用バーナ21の断面図である。ただし、図4(b)においては、堆積用バーナ21にバーナフード29を装着した状態を示している。
図4に示すように、堆積用バーナ21は、第1の流出部群23、還元性ガス流出部27−1を含む第2の流出部群27等からなる。堆積用バーナ21は、例えば、石英ガラス製のマルチノズルバーナである。第1の流出部群23は、バーナの中心部を含み、中心部の流出部23−1、2層目の流出部23−2、3層目の流出部23−3、流出部23−3の内部に配置される複数の小径の流出部23−4からなる。第2の流出部群27は、第1の流出部群23の外側に位置し、最内層の還元性ガス流出部27−1、2層目の流出部27−2、最外層の流出部27−3からなる。
第1の流出部群23の流出部23−1、23−2、23−3、23−4の流出口31−1、31−2、31−3、31−4は、同一面上に位置する。第2の流出部群27の還元性ガス流出部27−1の流出口35−1、流出部27−2、27−3の流出口35−2、35−3は、第1の流出部群23の流出口31−1、31−2、31−3、31−4よりも、ガス流出方向前方、すなわちバーナフード29に近い方向に位置する。複数の小径の流出部23−4は、流出部23−1の流出口31−1からガス流出方向前方に所定の長さ33離れた所に焦点を持つように配置される。焦点の位置は、第2の流出部群より原料流出方向に対して前方にあることが好ましい。
バーナフード29は、第2の流出部群27の流出部27−3の外周に沿って配置される。バーナフード29の端部30は、流出口35−3よりも、ガス流出方向前方に位置する。バーナフード29は、例えば、石英ガラス製であり、周りの気流影響を低減して火炎の指向性を向上させる目的で適宜堆積用バーナ21に装着されて用いられる。なお、バーナフード29は、堆積用バーナ21に着脱可能に構成されており、バーナフード29と堆積用バーナ21の嵌合部分は、例えば、テーパ状の摺り合わせ嵌合構造になっている。また、図4(b)に示すように、バーナフード29の内径を堆積用バーナ21の外径よりも大きくすることでバーナフード29先端の熱による損耗を抑制するという効果が得られる。
以下、図4に示す堆積用バーナ21を用いて、6種の条件でガラス微粒子堆積体を試験的に製造し、観察した結果について説明する。図5は、製造条件および観察結果を示す表である。
ガラス微粒子堆積体を製造する際、第1の流出部群23に流したガスの構成および流速は、全ての試験において共通である。中心部の流出部23−1からはガラス原料ガスであるSiClに加えて、助燃性ガスであるOをSiClと同量投入し、30m/secで流した。流出部23−2からは、シールガスであるNを流した。流出部23−3からは、可燃性ガスであるCHを30l/min流した。複数の小径の流出部23−3からは、助燃性ガスであるOを40m/secで流した。
第2の流出部群27の最内層の還元性ガス流出部27−1からは、各試験毎に、構成および流速の異なるガスを流した。各試験におけるガスの構成、水素濃度およびガス流速は、図5に示す通りである。還元性ガス流出部27−1からは、不活性ガスであるN、還元性ガスであるH、助燃性ガスであるOを単独或いは混合して流した。
第2の流出部群27の流出部27−2からは、シールガスであるNを1.2m/secで流した。流出部27−3からは、助燃性ガスであるOを4m/secの流速で流した。
第2の実施の形態では、上述した条件で、試験No.1から試験No.6について計1000時間の微粒子堆積を行った。そして、計1000時間堆積後の流出部27−1の内壁先端部37の状況、計1000時間堆積経過時のガラス微粒子堆積体を加熱して透明化した後のガラス微粒子堆積体の状況を観察した。
図5に示すように、試験No.13では、還元性ガス流出部27−1にHのみを流した。試験No.14、試験No.16では、NとHの混合ガスを、それぞれ水素濃度が50%、25%となるように流した。これらの試験では、還元性ガス流出部27−1から還元性ガスであるHを流すことにより、ガラス微粒子の生成が抑制されたため、内壁先端部37の状況、透明化後のガラス微粒子堆積体の状況とも良好であった。
試験No.15では、還元性ガス流出部27−1にNとOを流した。試験No.17、試験No.18ではNのみを流した。これらの試験では、ガラス微粒子の生成が抑制されず、内壁先端部37に微粒子堆積、堆積物固化、固化物欠損が認められた。また、透明化後のガラス微粒子堆積体に気泡が認められた。
なお、計1000時間経過後、条件によっては内壁先端部37にガラス微粒子が堆積して固化した様子、更には堆積固化物の一部が欠損している様子が確認出来たが、いずれもガラス微粒子の固化または堆積固化物の欠損の量は僅かであり、何れの条件でもバーナ火炎は安定していた。
図5に示す結果から、還元性ガス流出部27−1の内側に隣接する流出部23−3から可燃性ガスであるCHを流し、還元性ガス流出部27−1の外側に隣接する流出部27−2からシールガスであるNを流した場合、還元性ガス流出部27−1に、還元性ガスであるHと不活性ガスであるNとの混合ガスを、水素濃度を15%以上として流すことにより、内壁先端部37へのガラス微粒子の堆積を防ぎ、透明化後のガラス微粒子堆積体を良好な状態に製造できた。
一方、堆積用バーナ21を用いた場合との比較試験として、堆積用バーナ21aを用いた場合について以下に説明する。図6は、堆積用バーナ21aの概要図である。図6(a)は、図6(b)に示す矢印Hの方向から堆積用バーナ21aを見た図、図6(b)は、図6(a)に示す矢印G−Gによる堆積用バーナ21aの断面図である。ただし、図6(b)においては、堆積用バーナ21aにバーナフード29を装着した状態を示している。
堆積用バーナ21aは、堆積用バーナ21とほぼ同様の構成であるが、第2の流出部群27の代わりに第2の流出部群27aが設けられる。第2の流出部群27aは、流出部27a−1、27a−2からなり、還元性ガス流出部を有しない。また、複数の小径の流出部23−4は、流出部23−1の流出口31−1からガス流出方向前方に所定の長さ39離れた所に焦点を持つように配置される。
堆積用バーナ21aを用いてガラス微粒子堆積体を製造する際には、第1の流出部群23の中心部の流出部23−1から、ガラス原料ガスであるSiClに加えて、助燃性ガスであるOをSiClと同量投入した。流出部23−2からはシールガスであるNを流した。流出部23−3からは可燃性ガスであるCHを30l/minで流した。小径の流出部23−4には助燃性ガスであるOを40m/secの速さで流した。流出部27a−1からは、シールガスであるNを1.2m/secで流した。流出部27a−2からは、助燃性ガスであるOを4m/secで流した。
堆積用バーナ21aを用いた比較試験では、上述した条件で、計1000時間の微粒子堆積を行った。そして、堆積後の流出部27a−1の内壁先端部37aの状況、計1000時間堆積経過時のガラス微粒子堆積体を加熱して透明化した後のガラス微粒子堆積体の状況を観察した。計1000時間堆積後、内壁先端部37aに微粒子の堆積と堆積物の固化、更に固化物の欠損が多数認められ、計800時間堆積以降は、透明化後のガラス微粒子堆積体に多くの気泡が認められた。
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、図4に示す堆積用バーナ21を用いる。以下、堆積用バーナ21を用いて、12種の条件でガラス微粒子堆積体を試験的に製造し、観察した結果について説明する。図7は、製造条件および観察結果を示す表である。
ガラス微粒子堆積体を製造する際、第1の流出部群23に流したガスの構成および流速は、全ての試験において共通である。中心部の流出部23−1からはガラス原料ガスであるSiClに加えて、助燃性ガスであるOをSiClと同量投入し、30m/secで流した。流出部23−2からは、シールガスであるNを流した。流出部23−3からは、可燃性ガスであるHを流した。複数の小径の流出部23−4からは、助燃性ガスであるOを32m/secで流した。
第2の流出部群27の最内層の還元性ガス流出部27−1からは、各試験毎に、構成および流速の異なるガスを流した。各試験におけるガスの構成、水素濃度およびガス流速は、図7に示す通りである。還元性ガス流出部27−1からは、不活性ガスであるN、還元性ガスであるH、助燃性ガスであるOを単独或いは混合して流した。
第2の流出部群27の流出部27−2からは、シールガスであるNを1.2m/secで流した。流出部27−3からは、助燃性ガスであるOを4m/secで流した。
第3の実施の形態では、上述した条件で、試験No.1から試験No.12について計1000時間の微粒子堆積を行った。そして、計1000時間堆積後の流出部27−1の内壁先端部37の状況、計1000時間堆積経過時のガラス微粒子堆積体を加熱して透明化した後のガラス微粒子堆積体の状況を観察した。
図7に示すように、試験No.19、試験No.22では、還元性ガス流出部27−1からHのみを流した。試験No.20、試験No.21、試験No.25、試験No.28、試験No.30では、NとHの混合ガスを流した。混合ガスの水素濃度は、それぞれ50%、50%、17%、25%、20%である。これらの試験では、還元性ガス流出部27−1から還元性ガスであるHを流すことにより、ガラス微粒子の生成が抑制されたため、内壁先端部37の状況、透明化後のガラス微粒子堆積体の状況とも良好であった。
試験No.23、試験No.24では、還元性ガス流出部27−1からNのみを低速で流した。試験No.27、試験No.28では、還元性ガス流出部27−1からNとOとの混合ガスを流した。これらの試験では、ガラス微粒子の生成が抑制されず、内壁先端部37に微粒子堆積、堆積物固化、固化物欠損が認められた。また、透明化後のガラス微粒子堆積体に気泡が認められた。
試験No.29では、還元性ガス流出部27−1から、NとHの混合ガスを、水素濃度が10%となるように流した。試験No.29では、試験No.20、試験No.21、試験No.25、試験No.26、試験No.29よりも混合ガスの水素濃度が低く、ガラス微粒子の生成抑制効果が低かったため、内壁先端部37に若干の微粒子が堆積が発生し、堆積物の固化が認められた。但し、堆積物の量は僅かであり、固化物の欠損は認められなかった。また、透明化後のガラス微粒子堆積体は良好な状況であり、製品として全く問題のないものであった。
図7に示す結果から、還元性ガス流出部27−1の内側に隣接する流出部23−3から可燃性ガスであるHを流し、還元性ガス流出部27−1の外側に隣接する流出部27−2からシールガスであるNを流した場合、還元性ガス流出部27−1に、還元性ガスであるHと不活性ガスであるNとの混合ガスを、水素濃度を15%以上として流すことにより、内壁先端部37へのガラス微粒子の堆積を防ぎ、透明化後のガラス微粒子堆積体を良好な状態に製造できることがわかる。
一方、堆積用バーナ21を用いた場合との比較試験として、図6に示す堆積用バーナ21aを用いた場合について以下に説明する。
堆積用バーナ21aを用いてガラス微粒子堆積体を製造する際には、第1の流出部群23の中心部の流出部23−1から、ガラス原料ガスであるSiClに加えて、助燃性ガスであるOをSiClと同量投入した。流出部23−2からはシールガスであるNを投入した。流出部23−3からは可燃性ガスであるHを5m/secで流した。複数の小径の流出部23−4には助燃性ガスであるOを32m/secの速さで流した。流出部27a−1からは、シールガスであるNを1.2m/secで流した。流出部27a−2からは、助燃性ガスであるOを4m/secで流した。
堆積用バーナ21aを用いた比較試験では、上述した条件で、計1000時間の微粒子堆積を行った。そして、堆積後の流出部27a−1の内壁先端部37aの状況、計1000時間堆積経過時のガラス微粒子堆積体を加熱して透明化した後のガラス微粒子堆積体の状況を観察した。計1000時間堆積後、内壁先端部37aに微粒子の堆積と堆積物の固化、更に固化物の欠損が認められ、計800時間堆積以降は、透明化後のガラス微粒子堆積体に多くの気泡が認められた。
第2、第3の実施の形態では、ガラス微粒子堆積体を製造する際に、図4に示すような、第2の流出部群27の最内層に還元性ガス流出部27−1を有し、還元性ガス流出部27−1の流出口35−1が第1の流出部群23の流出口よりもガス流出方向前方に位置する堆積用バーナ21を用いる。そして、還元性ガス流出部27−1に、Hのみを、または、HとNとの混合ガスを流し、還元性ガス流出部27−1の内側に隣接する流出部23−3に可燃性ガスを流し、還元性ガス流出部27−1の外側に隣接する流出部27−2にシールガスを流す。この時、混合ガスの水素濃度を15%以上に設定することにより、バーナ先端やバーナ内壁付近のガラス微粒子が堆積する部分でのガラス微粒子の生成を抑制することができる。ガラス微粒子の生成を抑制すれば、バーナ先端や内壁部への沈着や堆積を低減でき、ガラス微粒子堆積体の亀裂の発生や、バーナの破損を回避できる。
なお、第2、第3の実施の形態では、還元性ガス流出部に流す混合ガスの水素濃度を15%以上としたが、水素濃度の範囲はこの限りでない。水素濃度の範囲は、還元性ガス流出部の外周側に隣接する流出部に流されるガスの種類に応じて、適切に設定される。
また、本発明における堆積用バーナの構成は、図4に示すものに限らない。堆積用バーナは、第1の流出部群の外側に位置し、流出口が第1の流出部群の流出口よりもガス流出方向前方に位置する第2の流出部群を有し、第2の流出部群の最内層が還元性ガス流出部である構成であればよい。また、マルチノズルバーナでなく、多重管式バーナにも適用可能である。
第1の実施の形態は、第1の流出部群を流れるガスの流速と第2の流出部群を流れるガスの流速の差が小さい時に好適に用いられ、第2、第3の実施の形態は第1の流出部群を流れるガスの流速と第2の流出部群を流れるガスの流速の差が大きい時に好適に用いられる。すなわち、第1の実施の形態は、中心を同じとした複数の層からなる多重管バーナに好適に適用され、第2、第3の実施の形態は、第2の流出部群に複数の小径の流出部が配置されたマルチノズルバーナに好適に適用される。
第1から第3の実施の形態では、石英ガラス原料ガスとしてSiCl、可燃性ガスとしてHやCH、助燃性ガスとしてO、シールガスおよび不活性ガスとしてN、還元性ガスとしてHを用いたが、ガスの種類はこれらに限定されない。例えば、石英ガラス原料ガスとしてTEOS、TMOS、OMCTSを、還元性ガスとしてCOを使う事も有効であり、本発明に含まれるものである。
また、バーナの材質も石英ガラスに限定されるものではない。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、21、21a………堆積用バーナ
3、7、23、27、27a………流出部群
3−1、3−2、3−3、3−4、7−1、7−2、7−3、7−4、23−1、23−2、23−3、23−4、27−2、27−3、27a−1、27a−2………流出部
5、27−1………還元性ガス流出部
11−1、11−2、11−3、11−4、13、15−1、15−2、15−3、15−4、31−1、31−2、31−3、31−4、35−1、35−2、35−3………流出口
17、17a、19、37、37a………内壁先端部

Claims (6)

  1. 光ファイバ用多孔質ガラス微粒子堆積体を製造する際にガスを噴出させるガラス微粒子堆積用バーナであって、
    バーナの中心部を含み、石英ガラス原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガスおよびシールガスを噴出させることが可能な第1の流出部群と、
    前記第1の流出部群の外側に隣接して位置し、流出口が前記第1の流出部群の最外層の流出口よりもガス流出方向前方に位置する還元性ガス流出部と、
    を有し、
    前記還元性ガス流出部は1層からなり、内部に空洞を含まず、
    前記還元性ガス流出部には、石英ガラスに対して還元方向に作用して酸素と反応する還元性ガス、または前記還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスを流すことを特徴とするガラス微粒子堆積用バーナ。
  2. 前記第1の流出部群の最外層には、酸素または酸素を含むガスが流され、
    前記還元性ガス流出部には、前記還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスが流され、
    前記還元性ガスの濃度が2%以上50%以下であり、
    前記混合ガスの流速が2m/sec以上であることを特徴とする請求項1記載のガラス微粒子堆積用バーナ。
  3. 前記還元性ガス流出部の外側に位置し、流出口が前記第1の流出部群の流出口および前記還元性ガス流出部の流出口よりもガス流出方向前方に位置する第2の流出部群をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載のガラス微粒子堆積用バーナ。
  4. 光ファイバ用多孔質ガラス微粒子堆積体を製造する際にガスを噴出させるガラス微粒子堆積用バーナであって、
    バーナの中心部を含み、石英ガラス原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガスおよびシールガスを噴出させることが可能な第1の流出部群と、
    前記第1の流出部群の外側に位置し、流出口が前記第1の流出部群の流出口よりもガス流出方向前方に位置する第2の流出部群と、
    を有し、
    前記第1の流出部群の最外層には、可燃性ガスを流し、
    前記第2の流出部群の最内層は、石英ガラスに対して還元方向に作用して酸素と反応する還元性ガスまたは前記還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスを流すことが可能な還元性ガス流出部であることを特徴とするガラス微粒子堆積用バーナ。
  5. 前記第2の流出部群の前記還元性ガス流出部の外周側の流出部には、シールガスが流され、
    前記還元性ガスの濃度が15%以上であることを特徴とする請求項4記載のガラス微粒子堆積用バーナ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のガラス微粒子堆積用バーナを用いた光ファイバ用多孔質ガラス微粒子堆積体を製造する方法であって、
    前記還元性ガス流出部から、前記還元性ガスまたは前記還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスを流しつつ、前記第1の流出部群から原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガスおよびシールガスを噴出して、ガラス微粒子をターゲットに堆積させることを特徴とするガラス微粒子堆積体の製造方法。
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