JP5703704B2 - 反射型マスクの製造方法 - Google Patents
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Description
このEUV露光用反射型マスク(以降、反射型マスクと記す)は、EUV光を反射する多層膜構造の反射層と、この反射層上にEUV光を吸収する吸収体パターンとを、少なくとも備えたマスクである。
なお、反射層の上には、反射層を保護するキャッピング層や、マスクパターン形成時の反射層へのエッチングダメージを防止するためのバッファ層が設けられていてもよい。ここで、キャッピング層の材料にRu(ルテニウム)を用いる場合には、Ruは上述のようなエッチングダメージを受けないため、バッファ層を設ける必要はない。
反射型マスクは、上述の反射型マスクブランクスの吸収層を、部分的に除去してマスクパターンとなる吸収体パターンを形成したものである。
なお、バッファ層を設けている場合には、上述の欠陥検査および欠陥修正を行った後に、吸収体パターン114Aから露出するバッファ層をエッチングして、反射型マスクを得ることになる。
まず、本発明に係る反射型マスクについて説明する。
図1に示すように、本発明に係る反射型マスク1においては、基板11の主面の上には、EUV光を反射する反射層12が形成されており、反射層12の上には、キャッピング層13が形成されており、キャッピング層13の上には、吸収体パターン14Bが形成されている。
本発明の反射型マスクを構成する基板11としては、パターン位置精度を高精度に保持するために低熱膨張係数を有し、高反射率および転写精度を得るために平滑性、平坦度が高く、マスク製造工程の洗浄などに用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましく、石英ガラス、SiO2−TiO2系の低熱膨張ガラス、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスなどのガラス基板、さらにはシリコンを用いることもできる。
基板11は、0.2nmRms以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることが高反射率および転写精度を得るために好ましい。マスクブランクスの平坦度としては、例えば、パターン領域において50nm以下が求められている。
反射層12は、EUV露光に用いられるEUV光を高い反射率で反射する材料が用いられ、Mo(モリブデン)層とSi(シリコン)層からなる多層膜が多用されており、例えば、2.8nm厚のMo層と4.2nm厚のSi層を各40層積層した多層膜よりなる反射層が挙げられる。それ以外には、特定の波長域で高い反射率が得られる材料として、Ru/Si、Mo/Be、Mo化合物/Si化合物、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜およびSi/Ru/Mo/Ru周期多層膜なども用いることができる。ただし、材料によって最適な膜厚は異なる。
Mo層とSi層からなる多層膜の場合、イオンビームスパッタ法により、まずSiターゲットを用いてSi層を成膜し、その後、Moターゲットを用いてMo層を成膜し、これを1周期として、30〜60周期、好ましくは40周期積層されて、多層膜の反射層が得られる。上記のように、EUV光を高い反射率で反射させるために、13.5nmのEUV光を入射角6.0度で入射したときの反射層12の反射率は、通常、60%以上を示すように設定されている。
反射層12の上には、反射層を保護するキャッピング層が設けられていても良い。
反射層12の反射率を高めるには屈折率の大きいMo層を最上層とするのが好ましいが、Moは大気で酸化され易く、反射率が低下するので、酸化防止やマスク洗浄時における保護のための保護層として、スパッタリング法などによりSiやRu(ルテニウム)を成膜し、キャッピング層を設けることが行われている。
例えば、キャッピング層としてSiを用いる場合は、反射層12の最上層に11nmの厚さで設けられる。また、キャッピング層としてRuを用いる場合は、反射層12の最上層に2.5nmの厚さで設けられる。
EUV露光に用いられるEUV光を吸収する吸収層14をドライエッチングなどの方法でパターンエッチングするときに、下層のキャッピング層がエッチングによるダメージを受ける材質の場合には、エッチングによる損傷を与えるのを防止するために、キャッピング層13と吸収層14との間にバッファ層を設けてもよい。
バッファ層の材料としてはSiO2、Al2O3、Cr、CrNなどが用いられる。CrNを用いる場合は、RFマグネトロンスパッタ法によりCrターゲットを用いてN2ガス雰囲気下で、上記の反射層の上にCrN膜を5nm〜15nm程度の膜厚で成膜するのが好ましい。
マスクパターンを形成し、EUV光を吸収する吸収層14の材料としては、Ta、TaN、TaB、TaBNなどのTaを主成分とする材料、Cr、Crを主成分としN、O、Cから選ばれる少なくとも1つの成分を含有する材料などが、膜厚20nm〜100nm程度の範囲で用いられる。
吸収層14の上には、吸収層のエッチングマスクとしてハードマスク層を設けても良い。ハードマスク層の材料としては、吸収層14のエッチングに耐性をもつものであって、反射型マスクの転写パターンに応じた微細加工に適したものを用いる必要がある。例えば、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニュウム(Hf)およびその窒化物、酸化物などである。
また、ハードマスク層の材料は、バッファ層と同一の材料であることが好ましい。この場合、吸収層14のエッチングの後に、ハードマスク層の除去とバッファ層の除去とを同一工程で除去できる。
ハードマスク層の厚さは、その材料のエッチング耐性や転写パターンのサイズに応じた加工精度にもよるが、例えば5nm〜15nmである。
ハードマスク層は、例えば、Arと窒素の混合ガス雰囲気下で、Crをスパッタ成膜することで、CrNからなるハードマスク層を設けることができる。
基板11の主面上に設けられた反射層12と相対する他方の面(裏面側)の上には、導電層が形成されていてもよい。この導電層は、反射型マスクの裏面を静電吸着するために、設けられるものである。この導電層は、導電性を示す金属や金属窒化物などの薄膜であって、例えば、クロム(Cr)や窒化クロム(CrN)などを厚さ20nm〜150nm程度に成膜して用いられる。
次に、本発明に係る反射型マスクの製造方法について説明する。
図2に示すように、本発明においては、まず、基板を準備し、その主面の上に、反射層を形成し、次いで、前記反射層の上にキャッピング層、続いて吸収層を形成して、本発明に係る反射型マスクブランクスを得る。
なお、バッファ層を設ける場合には、上述のキャッピング層を形成した後に、バッファ層を形成し、続いて吸収層を形成する。
なお、バッファ層を設けた場合には、上述の欠陥検査および欠陥修正を行った後に、吸収体パターンから露出するバッファ層をエッチングして、本発明に係る反射型マスクを得ることになる。
図3および図4は、本発明に係る反射型マスクの製造方法の一例を示す模式的工程図である。
なお、図示はしないが、バッファ層を設ける場合には、上述のキャッピング層13を形成した後に、バッファ層を形成し、続いて吸収層14を形成することになる。
具体的には、CHF3ガス(分圧5%)とHeガス(分圧95%)の混合ガスを用いたICP(誘導結合プラズマ)エッチングにより、上述の膜厚調整を達成する。なお、キャッピング層13あるいはバッファ層が存在しているため、この吸収体パターンの膜厚調整のためのエッチングを追加したとしても、反射層12に損傷を与えることは無い。
なお、図示はしないが、キャッピング層13の上にバッファ層を設けた場合には、上述の欠陥検査および欠陥修正を行った後に、吸収体パターン14Bから露出するバッファ層をエッチングして、本発明に係る反射型マスクを得ることになる。
基板として、光学研磨された大きさ6インチ角(厚さ0.25インチ)の合成石英基板を用い、その主面の上に、イオンビームスパッタ法により、Siターゲットを用いてSi膜を4.2nm成膜し、続いてMoターゲットを用いてMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層してMoとSiの多層膜よりなる反射層12を形成した後、最表面のMo膜の上にRu膜を2.5nm成膜してキャッピング層13を形成した。
そこで、測定で得られた膜厚(70nm)と所望の膜厚(65nm±1nm)との差分(D=4〜6nm)に基づいて、さらに前記吸収体パターン14Aを全面エッチングした。
得られた吸収体パターン14Bの膜厚をAFM(Veeco社、DimensionX3D)を用いて測定したところ、64nmであり、目的とする膜厚範囲(65nm±1nm)を満たすことができた。
最後に、欠陥検査および欠陥修正を行って、本発明に係る反射型マスク1を得た。
11、111 基板
12、112 反射層
13、113 キャッピング層
14、114 吸収層
14A、14B、114A 吸収体パターン
15A、115A レジストパターン
20、200 反射型マスクブランクス
Claims (1)
- 基板の上に、EUV光を反射する反射層を形成する工程と、前記反射層の上に、少なくともEUV光の一部を吸収する吸収層を形成する工程と、前記吸収層を部分的に除去して、所望の部位で前記反射層が露出するように吸収体パターンを形成する工程とを、少なくとも備えたEUV露光用の反射型マスクの製造方法であって、
前記吸収層をパターン状にエッチング加工して吸収体パターンを形成する工程の後に、前記吸収体パターンの膜厚を測定する工程と、
前記測定で得られる膜厚と所望の膜厚との差分に基づいて、さらに前記吸収体パターンを全面エッチングして、前記吸収体パターンの膜厚を所望の膜厚範囲に調整する工程と、
を有し、
前記吸収体パターンを全面エッチングして、前記吸収体パターンの膜厚を所望の膜厚範囲に調整する工程が、分圧5%のCHF3ガスと分圧95%のHeガスからなる混合ガスを用いたICP(誘導結合プラズマ)エッチング工程であり、
前記吸収体パターンが、前記EUV光の一部を、前記吸収体パターンから露出する反射層で反射される第1の反射光とは位相が反転した第2の反射光として放射することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
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