JP5703069B2 - 描画装置および描画方法 - Google Patents

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Description

この発明は、光学ヘッドから、光学ヘッドに対して相対的に移動する対象物に対して光を照射して、対象物にパターンを描画する技術に関する。
以下の説明において、「基板」とは、半導体基板、プリント基板、液晶表示装置に具備されるカラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置などのフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板等を指す。
感光材料が塗布された基板に対して光を照射して、基板にパターン(露光パターン)を描画することによって、基板に対する各種の露光プロセスを行う露光装置が従来から各種提案されているが、特に近年においては、フォトマスクを用いず、CADデータ等から基板上に直接にパターンを描画するタイプの露光装置(いわゆる、直接描画装置)が注目されている。直接描画装置は、例えば、特許文献1〜4に開示されている。
例えば、特許文献1に開示されている直接描画装置においては、空間変調素子であるDMD(Digital Micro-mirror Device:デジタル・マイクロミラー・デバイス)(登録商標)素子を、パターンを記述したCADデータに基づいて制御することによって、光源からの光を空間変調する。そして、空間変調された光を基板上に結像させることによって基板にパターンを描画する。
ところで、直接描画装置においては、描画位置を高精度にコントロールすることが要求される。例えば、多重露光を行う場合には、基板に先に形成された既設パターン(下地パターン)の上に高い精度で重ね合わさるように次のパターンを描画しなければならない。
ところが、下地パターンが形成された基板には、その後熱処理工程が施されるところ、この熱処理工程を経ることによって、基板には、歪み、収縮・膨張等の形状変化が生じてしまい、この形状変化によって、当該基板に形成された下地パターンも変化してしまう。また、異なる描画装置(露光機)によって、下地パターンを形成した場合、装置の機差や、精度によっても下地パターンは変化してしまう。変化した下地パターンの上に、高い精度で重ね合わせて次のパターンを描画することは容易なことではない。
下地パターンの変化に対応して、これに高い重ね合わせ精度で次のパターンを形成するための技術が、例えば特許文献1に開示されている。ここには、描画を実行する前に下地パターンの位置をモニターで検出して、下地パターンの位置ずれ量を特定し、特定した位置ずれ量に応じて新たに形成すべきパターンのCADデータを修正する構成が開示されている。この構成によると、修正後のCADデータを用いて光源からの光を空間変調して、空間変調された光を基板上に結像させることによって、位置ずれしている下地パターンに重ね合わさるようにパターンを描画することができる。
特開2006−350034号公報 特開平3−89511号公報 特開2001−176769号公報 特開2009−244446号公報
上述したとおり、パターンのCADデータに下地パターンの変化量に応じた修正を施す従来の技術を適用すれば、変化した下地パターンに重ね合わさるようにパターンを描画することができる。ただしこの場合、CADデータをいくら正確に修正しても、実際の描画位置は空間変調素子の画素単位でしか修正されない。つまり、空間変調素子の画素サイズより細かい精度で描画位置をコントロールすることは原理的に不可能である。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、対象物に対するパターンの描画位置を高精度にコントロールできる技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、光学ヘッドから、前記光学ヘッドに対して相対的に移動する対象物に対して光を照射して、前記対象物にパターンを描画する描画装置であって、前記光学ヘッドが、光源からの光を、前記対象物に描画すべきパターンを記述したパターンデータに基づいて空間変調する空間光変調部と、前記空間光変調部において空間変調された光の経路を、前記空間光変調部における空間変調の単位よりも細かい精度でシフトさせて描画位置を補正する光路補正部と、前記対象物における描画予定領域を撮像して得られた撮像データから前記対象物に先に形成された既設パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、前記空間変調された光の経路をシフトさせるべきシフト量を算出するシフト量算出部と、を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の描画装置であって、前記対象物に先に形成された既設パターンの形成位置に基づいて、前記パターンデータを補正するデータ補正部、をさらに備え、前記空間光変調部が、補正後の前記パターンデータに基づいて、前記光源からの光を空間変調する。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の描画装置であって、前記対象物に対して前記光学ヘッドが相対的に移動する移動方向について、前記光学ヘッドの前方側に設けられ、前記描画予定領域を撮像する撮像部、をさらに備える。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれかに記載の描画装置であって、前記空間光変調部が、一定方向に配列された複数の光変調素子、を備え、前記光源からの光を、前記光変調素子の画素単位で空間変調する。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の描画装置であって、前記光変調素子が、回折格子型の光変調素子である。
請求項に記載の発明は、請求項2に記載の描画装置であって、前記データ補正部が、前記対象物の代表位置を撮像して得られた撮像データに基づいて前記対象物に先に形成された既設パターンの形成位置を予測し、予測された前記既設パターンの形成位置に基づいて、前記パターンデータを補正する。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれかに記載の描画装置であって、前記光路補正部が、平行でない光学面を備えるプリズムを、前記空間変調された光の経路上に2個並べて配置した光学系と、前記2個のプリズムの離間距離を変更することにより、前記空間変調された光の経路をシフトさせるプリズム移動部と、を備える。
請求項に記載の発明は、対象物に対して光を照射して、前記対象物にパターンを描画する描画方法であって、a)光源からの光を、前記対象物に描画すべきパターンを記述したパターンデータに基づいて空間変調する工程と、b)空間変調された光の経路を、当該空間変調の単位よりも細かい精度でシフトさせて描画位置を補正する工程と、c)前記対象物における描画予定領域を撮像して得られた撮像データから前記対象物に先に形成された既設パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、前記空間変調された光の経路をシフトさせるべきシフト量を算出するシフト量算出工程と、を備える。
請求項1に記載の発明によると、光路補正部が、空間光変調部において空間変調された光の経路を、空間光変調部における空間変調の単位よりも細かい精度でシフトさせて描画位置を補正するので、対象物に対するパターンの描画位置を高精度にコントロールすることができる。また、描画予定領域を撮像して得られた撮像データから既設パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、空間変調された光の経路をシフトさせるべきシフト量を算出するので、既設パターンに対する描画位置を精確にコントロールすることができる。
請求項2に記載の発明によると、空間光変調部が既設パターンの形成位置に基づいて補正されたパターンデータに基づいて光を空間変調し、空間変調された光の経路を、光路補正部が、空間変調の単位よりも細かい精度でさらに補正する。この構成によると、既設パターンに対する描画位置を高精度に制御することができる。例えば、既設パターンに高精度に重ね合わされたパターンを描画することができる。
請求項に記載の発明によると、光学ヘッドの前方側(対象物に対して光学ヘッドが相対的に移動する移動方向について、前方側)に、対象物の描画予定領域を撮像する撮像部が設けられるので、光学ヘッドが描画を行う対象物内の領域に先に形成された既設パターンの形成位置を確実かつ効率的に実測することができる。
請求項に記載の発明によると、空間変調された光の経路を、空間変調の単位よりも細かい精度でシフトさせるので、対象物に対するパターンの描画位置を高精度にコントロールすることができる。また、描画予定領域を撮像して得られた撮像データから既設パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、空間変調された光の経路をシフトさせるべきシフト量を算出するので、既設パターンに対する描画位置を精確にコントロールすることができる。
描画装置の側面図である。 描画装置の上面図である。 先行撮像ユニット、および、アライメントユニットの各構成例を示す図である。 照明ユニットの構成例を示す図である。 描画ユニットの構成例を模式的に示す図である。 空間光変調器の構成例を模式的に示す図である。 電圧がオンされている状態の空間光変調素子を示す図である。 電圧がオフされている状態の空間光変調素子を示す図である。 光路補正部の構成を模式的に示す図である。 処理対象となる基板を模式的に示す図である。 描画装置において実行される一連の処理の流れを示す図である。 パターン描画処理中の光学ヘッド部と基板との様子を模式的に示す図である。 描画処理の動作を説明するための図である。 描画装置において実現される各機能を表すブロック図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照される各図には、各部材の位置関係や動作方向を明確化するために、共通のXYZ直交座標系が付されている。
<1.描画装置100の構成>
<1−1.全体構成>
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る描画装置100の構成を示した側面図および上面図である。描画装置100は、レジスト等の感光材料の層が形成された半導体基板(以下、単に「基板」という)Wの上面に光を照射して、所定のパターンを描画する装置(所謂「直接描画装置」)である。
描画装置100は、本体フレーム101にカバーが取り付けられることによって形成される本体内部と、本体フレーム101の外側である本体外部とに、その備える各種の構成要素を配置した構成となっている。
描画装置100の本体内部には、処理領域102と受け渡し領域103とが形成されている。処理領域102には、主として、基板Wを保持するステージ10、ステージ10を移動させるステージ移動機構20、ステージ10の位置を計測するステージ位置計測部30、基板Wの上面に光を照射する光学ヘッド部40、基板W上の描画予定領域を撮像する先行撮像ユニット50、および、基板W上のアライメントマークを撮像するアライメントユニット60が配置される。一方、受け渡し領域103には、処理領域102に対する基板Wの搬出入を行う搬送装置70が配置される。
また、描画装置100の本体外部には、アライメントユニット60に照明光を供給する照明ユニット61が配置される。また、本体外部には、描画装置100が備える各部と電気的に接続されて、これら各部の動作を制御する制御部90が配置される。
なお、描画装置100の本体外部であって、受け渡し領域103に隣接する位置には、カセットCを載置するためのカセット載置部104が配置される。受け渡し領域103に配置された搬送装置70は、カセット載置部104に載置されたカセットCに収容された未処理の基板Wを取り出して処理領域102に搬入するとともに、処理領域102から処理済みの基板Wを搬出してカセットCに収容する。カセット載置部104に対するカセットCの受け渡しは、図示しない外部搬送装置によって行われる。
<1−2.各部の構成>
<ステージ10>
ステージ10は、平板状の外形を有し、その上面に基板Wを水平姿勢に載置して保持する保持部である。ステージ10の上面には複数の吸引孔(図示省略)が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)を形成することによって、ステージ10上に載置された基板Wをステージ10の上面に固定保持することができるようになっている。
<ステージ移動機構20>
ステージ移動機構20は、ステージ10を主走査方向(Y軸方向)、副走査方向(X軸方向)、および、回転方向(Z軸周りの回転方向(θ軸方向))に移動させる機構である。ステージ移動機構20は、ステージ10を回転させる回転機構21と、ステージ10を回転可能に支持する支持プレート22と、支持プレート22を副走査方向に移動させる副走査機構23と、副走査機構23を介して支持プレート22を支持するベースプレート24と、ベースプレート24を主走査方向に移動させる主走査機構25とを備える。回転機構21、副走査機構23、および、主走査機構25は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じてステージ10を移動させる。
回転機構21は、支持プレート22上において、基板Wの上面に垂直な回転軸を中心としてステージ10を回転する。
副走査機構23は、支持プレート22の下面に取り付けられた移動子とベースプレート24の上面に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ23aを有している。また、支持プレート22とベースプレート24との間には、副走査方向にのびる一対のガイド部23bが設けられている。このため、リニアモータ23aを動作させると、ベースプレート24上のガイド部23bに沿って支持プレート22が副走査方向に移動する。
主走査機構25は、ベースプレート24の下面に取り付けられた移動子と描画装置100の基台106上に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ25aを有している。また、ベースプレート24と基台106との間には、主走査方向にのびる一対のガイド部25bが設けられている。このため、リニアモータ25aを動作させると、基台106上のガイド部25bに沿ってベースプレート24が主走査方向に移動する。
<ステージ位置計測部30>
ステージ位置計測部30は、ステージ10の位置を計測する機構である。ステージ位置計測部30は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じてステージ10の位置を計測する。
ステージ位置計測部30は、例えば、ステージ10に向けてレーザ光を照射し、その反射光と出射光との干渉を利用して、ステージ10の位置を計測する機構により構成することができる。この場合、ステージ位置計測部30は、例えば、レーザ光を出射する出射部31と、ビームスプリッタ32と、ビームベンダ33と、第1干渉計34と、第2干渉計35とを備える。出射部31、および、各干渉計34,35は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じてステージ10の位置を計測する。
出射部31から出射されたレーザ光は、まずビームスプリッタ32に入射し、ビームベンダ33に向かう第1分岐光と、第2干渉計35に向かう第2分岐光とに分岐される。第1分岐光は、ビームベンダ33により反射され、第1干渉計34に入射するとともに、第1の干渉計34からステージ10の第1の部位に照射される。そして、第1の部位において反射した第1分岐光が、再び第1干渉計34へ入射する。第1干渉計34は、ステージ10の第1の部位に向かう第1分岐光と第1の部位で反射された第1分岐光との干渉に基づいて第1の部位の位置に対応した位置パラメータを計測する。
一方、第2分岐光は、第2干渉計35に入射するとともに、第2干渉計35からステージ10の第2の部位(ただし、第2の部位は、第1の部位とは異なる位置である)に照射される。そして、第2の部位において反射した第2分岐光が、再び第2干渉計35へ入射する。第2干渉計35は、ステージ10の第2の部位に向かう第2分岐光とステージ10の第2の部位で反射された第2分岐光との干渉に基づいて第2の部位の位置に対応した位置パラメータを計測する。
制御部90は、第1干渉計34および第2干渉計35のそれぞれから、ステージ10の第1の部位の位置に対応した位置パラメータ、および、ステージ10の第2の部位の位置に対応した位置パラメータを取得する。そして、取得した各位置パラメータに基づいて、ステージ10の位置を算出する。
<光学ヘッド部40>
光学ヘッド部40は、ステージ10上に保持された基板Wの上面に光を照射する機構である。光学ヘッド部40は、ステージ10およびステージ移動機構20を跨ぐようにして基台106上に架設されたフレーム107に設けられる。
光学ヘッド部40は、レーザ光を出射するレーザ発振器41と、レーザ発振器41を駆動するレーザ駆動部42と、レーザ発振器41から出射された光(スポットビーム)を、強度分布が均一な線状の光(光束断面が線状の光)(ラインビーム)とする照明光学系43とを備える。これらの各部41,42,43は、フレーム107の天板を形成するボックスの内部に配置される。また、これらの各部41,42,43は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて動作する。
光学ヘッド部40は、さらに、フレーム107の+Y側に取り付けられた付設ボックスの内部に収容される描画ユニット401を備える。描画ユニット401は、レーザ発振器41から出射され、照明光学系43を介して入射した光にパターンデータに応じた空間変調を形成して、基板Wの上面に照射する。描画ユニット401の構成については、後に詳細に説明する。
<先行撮像ユニット50>
先行撮像ユニット50は、光学ヘッド部40と対応付けられており、対応する光学ヘッド部40の付近(具体的には、主走査の際に光学ヘッド部40が基板Wに対して相対的に移動する移動方向について定められた距離だけ上流側)に配置されて、対応する光学ヘッド部40が描画を行う予定の基板W上の領域(描画予定領域)を撮像する。先行撮像ユニット50の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、先行撮像ユニット50の構成例を示す図である。
先行撮像ユニット50は、例えばLEDにより構成される光源51と、鏡筒52と、対物レンズ53と、例えばリニアイメージセンサ(一次元イメージセンサ)により構成されるCCDイメージセンサ54とを備える。
光源51から出射される光は、鏡筒52を介して基板Wの上面に導かれ、その反射光は、対物レンズ53を介してCCDイメージセンサ54で受光される。これによって、基板Wの上面の撮像データが取得されることになる。CCDイメージセンサ54は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて撮像データを取得し、取得した撮像データを制御部90に送信する。
なお、先行撮像ユニット50は、さらに、対物レンズ53の位置を調整する駆動部と、基板Wの上面の高さ位置(Z軸方向に沿う位置)を検出する位置検出ユニットとから構成されるオートフォーカスユニットを備えてもよい。オートフォーカスユニットにオートフォーカスを行わせる場合、制御部90は、位置検出ユニットに基板Wの上面内の撮像予定位置の高さ位置を検出させ、取得された位置情報に基づいて駆動部を制御して、対物レンズ53が適切な位置に置かれるように調整する。
<アライメントユニット60>
アライメントユニット60は、基板Wの上面に形成されたアライメントマークAL(図10参照)を撮像する。アライメントユニット60は、先行撮像ユニット50とほぼ同様の構成を備えている。すなわち、アライメントユニット60は、図3に示すように、照明ユニット61と、鏡筒62と、対物レンズ63と、CCDイメージセンサセンサ64とを備える。アライメントユニット60が備えるCCDイメージセンサ64は、例えばエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)により構成される。
照明ユニット61は、鏡筒62とファイバー601を介して接続され、アライメントユニット60に対して照明用の光を供給する。照明ユニット61の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、照明ユニット61の構成例を示す図である。
照明ユニット61は、回転フィルタ612を介してファイバー601と接続されるハロゲンランプ611、ハロゲンランプ611から出射されファイバー601に入射する光Lの光路上に配置された回転フィルタ612、および、回転フィルタ612を回転させる回転モータ613を備える。ハロゲンランプ611、および、回転モータ613は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて動作する。
回転フィルタ612は、それぞれ異なる種類のフィルタがはめ込まれた複数の窓と、フィルタがはめ込まれていない1個の窓とを備える。各窓は、回転フィルタ612の回転軸を中心として放射状に配置されている。窓にはめ込まれている各種のフィルタは、それぞれ異なる領域の波長を透過するフィルタである。例えば、ある窓には可視光を透過するフィルタがはめ込まれており、別の窓には赤外光を透過するフィルタがはめ込まれている。
制御部90は、アライメントユニット60に供給すべき光の波長に応じて回転モータ613を制御して回転フィルタ612を回転させ、光路上(ハロゲンランプ611からファイバー601に入射する光の光路上)に配置する窓を変更する。例えば、アライメントユニット60に赤外光を供給すべき場合、制御部90は、回転モータ613を制御して、光路上に赤外光を透過するフィルタがはめ込まれた窓が配置されるように回転フィルタ612を回転させる。すると、ハロゲンランプ611から出射された光のうち、赤外光のみがフィルタを透過し、ファイバー601には赤外光のみが入射することになる。
再び図3を参照する。照明ユニット61からのびるファイバー601により導かれる光は、鏡筒62を介して基板Wの上面に導かれ、その反射光は、対物レンズ63を介してCCDイメージセンサ64で受光される。これによって、基板Wの上面の撮像データが取得されることになる。CCDイメージセンサ64は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて撮像データを取得し、取得した撮像データを制御部90に送信する。
なお、アライメントユニット60も、先行撮像ユニット50と同様、オートフォーカスユニットをさらに備えてもよい。
<制御部90>
再び図1、図2を参照する。制御部90は、各種の演算処理を実行しつつ、描画装置100が備える各部の動作を制御する。制御部90は、例えば、各種演算処理を行うCPU、ブートプログラム等を記憶するROM、演算処理の作業領域となるRAM、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶する記憶部(例えば、ハードディスク)、各種表示を行うディスプレイ、キーボード、および、マウスなどで構成される入力部、LAN等を介したデータ通信機能を有するデータ通信部、等を備えるコンピュータにより構成される。コンピュータにインストールされたプログラムにしたがってコンピュータが動作することにより、当該コンピュータが描画装置100の制御部90として機能する。制御部90において実現される各機能部は、コンピュータによって所定のプログラムが実行されることにより実現されてもよいし、専用のハードウエアによって実現されてもよい。
制御部90が備える記憶部には、基板Wに描画すべきパターンを記述したデータ(パターンデータ)が格納される。パターンデータは、例えば、CADを用いて生成されたCADデータである。制御部90は、基板Wに対する一連の処理に先だってパターンデータを取得して記憶部に格納している。なお、パターンデータの取得は、例えば、ネットワーク等を介して接続された外部端末装置から受信することにより行われてもよいし、記録媒体から読み取ることにより行われてもよい。
<2.描画ユニット401>
<2−1.全体構成>
光学ヘッド部40が備える描画ユニット401の構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、描画ユニット401の構成例を模式的に示す図である。なお、図5(a)には、描画ユニット401を−X方向から見た図が示されている。また、図5(b)には、描画ユニット401を+Y方向から見た図が示されている。
描画ユニット401は、照明光学系43(図1参照)からミラー431を介して定められた角度で入射した光を、パターンデータに基づいて空間変調する空間変調ユニット44と、空間変調ユニット44から出射される空間変調された光の経路をシフトさせることによってその経路を修正する光路補正部45と、光路補正部45においてその経路が修正された光を基板Wの表面に導いて当該表面に結像させる投影光学系46とを備える。描画ユニット401が備える各部44,45,46は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて動作する。
なお、描画ユニット401は、さらに、投影光学系46が備えるフォーカシングレンズ(対物レンズ)465の位置を調整する駆動部と、基板Wの上面の高さ位置を検出する位置検出ユニットとから構成されるオートフォーカスユニットを備えてもよい。オートフォーカスユニットにオートフォーカスを行わせる場合、制御部90は、位置検出ユニットに基板Wの上面内の描画予定位置の高さ位置を検出させ、取得された位置情報に基づいて駆動部を制御して、投影光学系46のフォーカシングレンズ465が適切な位置(光学ヘッド部40から照射される光を描画予定位置に結像させる位置)に置かれるように調整する。
<2−2.各部の構成>
描画ユニット401が備える各部44,45,46の構成を詳細に説明する。
<空間変調ユニット44>
空間変調ユニット44は、電気的な制御によって入射光を空間変調させる空間光変調器441を備える。ただし、光を空間変調させるとは、具体的には、光の空間分布(振幅、位相、および偏光等)を変化させることを意味する。
レーザ発振器41(図1参照)から出射されて照明光学系43(図1参照)においてラインビームとされた光は、ミラー431により空間光変調器441に導かれ、空間光変調器441上の変調動作の有効領域に照射される。具体的には、空間光変調器441には、後に説明するように、複数の空間光変調素子4411(図6参照)が副走査方向(X軸方向)に沿って並んで配置されており、照明光学系43から出射される光は、線状の光束断面を空間光変調素子441の配列方向に沿わせるようにして空間光変調器441に導かれ、ここに配列された複数の空間変調素子441に入射する。ただし、空間光変調器441は、その反射面の法線が入射光の光軸に対して傾斜して配置される。空間光変調器441では、以下に説明するように、ミラー431を介して入射する光が制御部90の制御に基づいて空間変調され、空間変調された光が投影光学系46に入射することになる。
空間光変調器441は、例えば、回折格子型の空間変調器(例えば、GLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(シリコン・ライト・マシーンズ(サンノゼ、カリフォルニア)の登録商標)等を利用して構成される。回折格子型の空間変調器は、格子の深さを変更することができる回折格子であり、例えば、半導体装置製造技術を用いて製造される。
空間光変調器441の構成について、図6を参照しながら具体的に説明する。図6は、空間光変調器441の構成例を模式的に示す図である。
空間光変調器441は、基板400上に、複数の可動リボン401と複数の固定リボン402とが、その長尺方向を互いに平行にして、それぞれ交互に配列された構成を備えている。なお、各リボン401,402の短尺方向に沿う幅は、略同一とされてもよいし、コントラストや反射率を考慮して、微量に異なるものとされてもよい。
ここで、互いに隣接する可動リボン401と固定リボン402とを「リボン対403」とすると、互いに隣接する3個以上(この実施の形態においては、4個)のリボン対403からなるリボン対集合404が、描画されるパターンの1つの画素(画素単位)に対応する。すなわち、1個のリボン対集合404が、1つの画素に対応する空間光変調素子4411を構成する。つまり、空間光変調器441は、複数の空間光変調素子4411を一次元に並べた構成となっている。なお、ここで例示する空間光変調器441により分割され、個々に変調された後、投影光学系46を通して露光面に縮小投影される描画光の画素サイズは「約2.5μm(マイクロメートル)」である。つまり、空間変調ユニット44は、入射光を「約2.5μm(マイクロメートル)」の単位(描画分解能)で空間変調することができる。
空間光変調素子4411の構成について、図7、図8を参照しながらより詳細に説明する。各リボン401,402の表面は、帯状の反射面を形成する。固定リボン402はスペーサ(図示省略)を介して基板400上に配設されており、基板400から一定の距離だけ離間した位置に固定されている。したがって、固定リボン402の表面は、基板400の表面(以下、「基準面400f」という)と平行な姿勢で基準面400fに対して固定された固定反射面402fを形成する。
一方、可動リボン401は、固定リボン402と同じ位置(すなわち、基板400から一定の距離だけ離間した位置)(図7参照)と、基準面400fの側に引き下げられた位置(図8参照)との間で移動可能とされている。したがって、可動リボン401の表面は、基準面400fと平行な姿勢を維持しつつ基準面400fに対して移動可能な、可動反射面401fを形成する。
空間光変調素子4411の動作は、可動リボン401と基板400との間に印加する電圧のオン/オフで制御される。
電圧がオフされている状態においては、可動リボン401は、基準面400fとの離間距離が固定リボン402と等しい位置にあり、可動反射面401fと固定反射面402fとが面一となる(図7に示す状態)。つまり、電圧がオフされている状態においては、空間光変調素子4411の表面は平面となっている。この状態で、空間光変調素子4411に光が入射すると、その入射光L1は回折せずに正反射する。これにより、正反射光(0次光)L2が発生する。
一方、電圧がオンされている状態においては、可動リボン401は、基準面400fの側に引き下げられた位置にあり、可動反射面401fが固定反射面402fよりも基準面400fの側に引き下がった状態となる(図8に示す状態)。つまり、電圧がオンされている状態においては、空間光変調素子4411の表面には、平行な溝が周期的に並んで複数本形成される。この状態で、空間光変調素子4411に光が入射すると、可動反射面401fで反射される反射光と、固定反射面402fで反射される反射光との間に光路差が生じる。ただし、空間光変調素子4411においては、以下に説明するように、この光路差(以下「d」で表す)が「d=(n+1/2)λ(ただし、λは入射光L1の波長、nは任意の整数値を取りうる)」となるようにされている。したがって、正反射光(0次光)は打ち消しあって消滅し、他の次数の回折光(±1次回折光、および、さらに高次の回折光)L3が発生する。より正確には、0次光の強度が最小となり、他の次数の回折光の強度が最大となる。
なお、上記においては、電圧がオフの時に可動リボン401と固定リボン402とが等しい位置(基準面400fから等しい距離だけ離間した位置であり、0次光が発生する位置)となる状態が形成されるとしたが、電圧と各リボン401,402の位置との関係は必ずしもこれに限られるものではなく、任意の電圧時に、等しい位置(0次光が発生する位置)となり、また、別の電圧時に、1次回折光が発生する位置となるように構成してもよい。
光路差dは、電圧がオンされた状態における可動反射面401fと固定反射面402fとの離間距離Df、入射光L1の波長λ、および、入射光L1の入射角αを用いて(式1)で規定される。ただし、「入射光L1の入射角α」は、入射光L1の光軸と、反射面401f,402fの法線方向とがなす角度をいう。
d=2Df・cosα ・・・(式1)
つまり、空間光変調素子4411においては、離間距離Df、および、入射光L1の入射角αは、(式2)の関係を満たす値に調整されている。
(n+1/2)λ=2Df・cosα ・・・(式2)
例えば、光路差dを「d=(7/2)λ」としたい場合、離間距離Dfは「(7/4)λ/cosα」とされる。
ただし、空間光変調素子4411に入射する入射光L1の光軸は、反射面401f,402fの法線方向に対して角度αだけ傾斜し、かつ、リボン401,402の配列方向(すなわち、各リボン401,402の長手方向と直交する方向)に垂直とされる。ここで、入射光L1は、光軸およびリボン401,402の配列方向に垂直な方向に関して僅かに集光しつつ、配列方向に関して平行な状態とされている。つまり、入射光L1は、光束断面が配列方向に長い線状の光とされている。
再び図6を参照する。空間光変調器441は、空間光変調器441が備える複数の空間光変調素子4411のそれぞれに対して独立に電圧を印加可能なドライバ回路ユニット4412を備える。
各空間光変調素子4411の表面状態は、ドライバ回路ユニット4412から当該空間光変調器441に印加される電圧(以下「入力電圧」という)に応じて、0次光L2を出射する状態(オフ状態)(図7に示される状態)と、1次、および、更に高次の回折光L3(±1次回折光、±2次回折光、±3次回折光、・・・)を出射する状態(オン状態)(図8に示される状態)との間で切り換えられる。各空間光変調素子4411から出射される光(0次光L2、あるいは1次回折光L3)は、光路補正部45を介して投影光学系46に導かれる。以下に説明するとおり、投影光学系46は、1次回折光L3を遮断し、0次光L2のみを通過させる。すなわち、0次光L2のみが基板Wの表面まで到達することになる。
ドライバ回路ユニット4412は、制御部90と接続されており、制御部90からの指示に応じて、指示された空間光変調素子4411に対して電圧を印加する。つまり、制御部90が、パターンデータに基づいてドライバ回路ユニット4412に指示を与え、ドライバ回路ユニット4412が指示された空間光変調素子4411に対して電圧を印加することによって、入射光に、パターンデータに応じた空間変調を形成することができる。
なお、光学ヘッド部40においては、空間光変調器441が、その備える空間光変調素子4411の配列方向が、副走査方向(X軸方向)に沿うように配置される。したがって、空間光変調器441が備える空間光変調素子4411の個数を「N個」とすると、空間光変調器441からは、副走査方向に沿うN画素分の、空間変調された光が出射されることになる。
後に説明するように、光学ヘッド部40は、副走査方向に沿うN画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けながら(すなわち、基板Wの表面にパルス光を繰り返して投影し続けながら)、主走査方向(Y軸方向)に沿って基板Wに対して相対的に移動する。したがって、光学ヘッド部40が主走査方向に沿って基板Wを1回横断すると、基板Wの表面に、副走査方向に沿ってN画素分の幅をもつ一本のパターン群が描画されることになる。この、N画素分の幅をもつ1本のパターン描画領域を、以下の説明では「1ストライプ分の領域」ともいう。
<光路補正部45>
光路補正部45について、図9を参照しながら説明する。図9は、光路補正部45の構成を模式的に示す図である。
光路補正部45は、空間変調ユニット44から出射される光(すなわち、パターンデータに応じた空間変調が形成された光)の経路を、副走査方向に沿ってシフトさせる。具体的には、光路補正部45は、1個以上の光学部品を備え、少なくとも1個の光学部品の位置(あるいは、姿勢)を変更することによって、入射光の光路を、空間変調ユニット44における空間変調の単位(具体的には、空間光変調器441の画素を投影光学系46を通して縮小投影した露光面上の画素単位)よりも細かい精度でシフトさせる。
光路補正部45は、例えば、2個のウェッジプリズム451と、一方のウェッジプリズム451を、他方のウェッジプリズム451に対して、入射光の光軸Lの方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させるウェッジプリズム移動機構452とから実現することができる。
ウェッジプリズム451は、非平行な光学面M1,M2を備えることにより入射光の光路を変更できるプリズムである。2個のウェッジプリズム451は、互いに略同一の構造(例えば、頂角、屈折率がいずれも同一となる構造)を有している。
2個のウェッジプリズム451は、固定ステージ4510、可動ステージ4511にそれぞれ固定され、対向する光学面M1が互いに平行となり、かつ、互いに逆向きとなるように、入射光の光軸Lの方向(Z軸方向)に沿って並んで配置される。各ウェッジプリズム451は、例えば固定バンド4512を用いて各ステージ4510,4511に固定される。
一方のウェッジプリズム451が配置される固定ステージ4510は、ベース部4521上に固定されている。
他方のウェッジプリズム451が配置される可動ステージ4511は、ベース部4521上に形成された一対のガイドレール4522に沿って移動可能とされている。ガイドレール4522は、ベース部4521上に、Z軸方向に沿って延在して形成されている。
ベース部4521には、回転モータ4523によって回転させられるボールネジ4524が配設されている。ボールネジ4524は、ガイドレール4522の延在方向に沿って延在しており、可動ステージ4511のブラケット45111の雌ねじ部に螺合されている。この構成において、ボールネジ4524が回転モータ4523によって回動されることで、可動ステージ4511がガイドレール4522に沿ってZ方向に移動する。すなわち、可動ステージ4511に固定されたウェッジプリズム451がZ方向に移動する(矢印AR45)。
つまり、可動ステージ4511、ガイドレール4522、回転モータ4523、および、ボールネジ4524により、一方のウェッジプリズム451(可動ステージ4511に固定されたウェッジプリズム451)を入射光の光軸Lの方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させるウェッジプリズム移動機構452が構成される。ウェッジプリズム移動機構452は、一方のウェッジプリズム451を、他方のウェッジプリズム451(固定ステージ4510に固定されたウェッジプリズム451)に対して光軸方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させることによって、2個のウェッジプリズム451の光軸方向に沿う離間距離を変化させる。
上記の構成を備える光路補正部45においては、2個のウェッジプリズム451の光軸に沿う離間距離を変化させることによって、ウェッジプリズム451に入射する光の経路をX軸方向に沿ってシフトさせることができる。ただし、このシフト量Δxは、各ウェッジプリズム451の離間距離に応じて定まる。
制御部90は、ウェッジプリズム移動機構452を制御して、2個のウェッジプリズム451のZ軸方向に沿う離間距離を調整することによって、空間変調ユニット44から出射される光の経路をX軸方向に沿ってシフトさせ、副走査方向(X軸方向)に沿う描画位置を補正する。
なお、上記に例示した光路補正部45によると、光路を「0.5μm(マイクロメートル)」以下、好ましくは、「約0.5μm(マイクロメートル)」の精度でシフトさせることができる。すなわち、制御部90は、ウェッジプリズム移動機構452を制御することによって、副走査方向(X軸方向)に沿う描画位置を「約0.5μm(マイクロメートル)」の精度で補正することができる。
<投影光学系46>
続いて、投影光学系46について、再び図5を参照しながら説明する。投影光学系46は、空間変調ユニット44において空間変調され、光路補正部45においてその経路が修正された光を、基板Wの表面に導いて、基板Wの表面に結像させる機能部であり、例えば、空間変調ユニット44側から順に、ゴースト光および高次回折光を遮断する遮光板461と、ズーム部を構成する2個のレンズ462,463と、高次回折光を遮断する絞り板464と、フォーカス部を構成するフォーカシングレンズ465とが配置される。
レンズ462,463を通過した光は、開口を有する絞り板464へと導かれる。ここで、一部の光(0次光L2(図7参照))は絞り板464の開口を通過してフォーカシングレンズ465へ導かれ、残りの光(±1次回折光L3(図8参照))は絞り板464により遮断される。フォーカシングレンズ465を通過した光(0次光L2)は、定められた倍率で基板Wの表面に導かれる。
なお、投影光学系46は、必ずしも、遮光板461、レンズ462,463、絞り板464、および、フォーカシングレンズ465により構成される必要はなく、他の光学素子が追加される等してもよい。
<3.処理の流れ>
<3−1.全体の流れ>
描画装置100において実行される一連の処理の流れについて説明する。なお、描画装置100において処理対象となる基板Wには、図10に示すように、格子状のスクライブライン121が形成されており、スクライブライン121によって囲まれた複数の露光領域122が規定されている。また、スクライブライン121上には、複数のアライメントマークALが形成されている。アライメントマークALは、例えば、基板Wの前後方向の位置合わせに用いられるマーク部分(基板Wの前後方向に沿う長尺のマーク部分)と、基板Wの左右方向の位置合わせに用いられるマーク部分(基板Wの左右方向に沿う長尺のマーク部分)とが重ねられた十字状のマークであり、例えば、一辺が約0.1mm(ミリメートル)の多層膜反射層(蒸着等の方法によって形成され、赤外線を効率よく反射する多層膜反射層)により形成される。なお、図においては2個のアライメントマークALが示されているが、基板Wにはさらに多くのアライメントマークALが形成されていてもよい。また、個別マークではなく、連続形式のパターンのマークが形成されていてもよい。
描画装置100において実行される一連の処理の流れについて、図11を参照しながら説明する。図11は、当該一連の処理の流れを示す図である。
搬送装置70が処理対象となる基板Wを搬入してステージ10に載置すると、当該基板Wに対する一連の処理が開始される(ステップS1)。
まず、アライメントマークALの撮像が行われる(ステップS2)。具体的には、ステージ移動機構20が、制御部90からの指示に応じてステージ10を移動させることによって基板Wをアライメントユニット60に対して相対的に移動させて、アライメントユニット60の下方に、基板Wの所定位置(アライメントマークALの形成位置)が置かれるように基板Wを移動させる。基板Wが目標位置まで移動させられると、アライメントユニット60は、制御部90からの指示に応じて、基板Wの表面を撮像する。これによって、アライメントマークALの撮像データが得られることになる。この動作は、定められた回数だけ繰り返され、これによって、基板W上の異なる位置にそれぞれ形成されたアライメントマークALの各撮像データが得られる。
続いて、ステージ10の位置調整が行われる(ステップS3)。この処理においては、制御部90は、まず、ステップS2で得られた複数の撮像データに基づいて、ステージ10に対する基板Wの位置および向きを特定する。ステージ10に対する基板Wの位置および向きが特定されると、制御部90は、ステージ位置計測部30およびステージ移動機構20を制御してステージ10の位置を調整する。具体的には、ステージ10に載置された基板Wが光学ヘッド部40に対して定められた位置および向きとなるように、ステージ10の位置を調整する。
なお、ステップS3の処理は、光学ヘッド部40に対する基板Wの位置が調整されるようにパターンデータを修正することで対応してもよい。すなわち、ステップS3の処理は、ステージ10の位置を調整するのではなく、パターンデータを補正処理することにより行われてもよい。
続いて、パターンデータの補正処理が行われる(ステップS4)。この処理においては、制御部90は、まず、ステップS2で得られた複数の撮像データからアライメントマークALの位置を検出する。そして、当該検出位置の理想位置(基板Wが変形していない場合に検出されるべきアライメントマークALの位置)からのズレの幅をズレ量として検出する。基板Wに変形(歪み、収縮・膨張等の形状変化)が生じている場合、これがズレ量として検出されることになる。基板Wが変形している場合、当該変形した基板Wに形成されている下地パターンの位置も、検出されたズレ量だけずれた位置にあると予測される。そこで、制御部90は、当該予測された下地パターンの形成位置と合致するように、パターンデータを補正する。つまり、パターンデータに記述されるパターンを検出されたズレ量分だけずらすように修正することによって、パターンデータに記述されるパターンを、基板Wと同じように変形させる。ここで得られた修正後のパターンデータを、以下「修正パターンデータ」という。なお、この処理は、ステップS3の処理と並行して行われてもよい。
ステップS3およびステップS4の処理が完了すると、ステップS4で得られた修正パターンデータに基づいて、基板Wに対するパターンの描画処理が行われる(ステップS5)。この処理については、後にさらに具体的に説明する。
基板Wに対するパターンの描画処理が終了すると、搬送装置70が処理済みの基板Wを搬出し、当該基板Wに対する一連の処理が終了する(ステップS6)。
<3−2.描画処理>
描画装置100において実行されるパターンの描画処理(図11のステップS5の処理)について、図12を参照しながら説明する。図12は、パターン描画処理中の光学ヘッド部40と基板Wとの様子を模式的に示す図である。
<3−2−1.全体の流れ>
基板Wに対するパターンの描画処理は、制御部90が、ステージ移動機構20を制御してステージ10に載置された基板Wを光学ヘッド部40に対して相対的に移動させるとともに、光学ヘッド部40から基板Wの上面に空間変調された光を照射させることにより行われる。
具体的には、ステージ移動機構20は、制御部90からの指示に応じて、ステージ10を主走査方向(+Y軸方向)に沿って移動させることによって、基板Wを光学ヘッド部40に対して主走査方向に沿って相対的に移動させる(矢印AR1)(主走査)。基板Wが主走査方向に沿って相対的に移動させられる間、光学ヘッド部40は、制御部90からの指示に応じて、修正パターンデータ(具体的には、ラスタライズされた修正パターンデータ)に応じた空間変調が形成された光を、基板Wに向けて照射する。
基板Wの+Y側の端部が光学ヘッド部40の下方を通過すると、1回の主走査が終了する。1回の主走査が終了すると、基板Wの表面に1ストライプ分の描画が行われることになる。
1回の主走査が終了すると、ステージ移動機構20が、ステージ10を主走査方向に沿って逆向き(−Y軸方向)に移動させて、基板Wを元の位置(主走査の開始位置)に移動させる(矢印AR2)。さらに、ステージ移動機構20は、ステージ10を副走査方向(X軸方向)に沿って、1ストライプの幅に相当する距離だけ移動させることによって、基板Wを光学ヘッド部40に対して副査方向に沿って相対的に移動させる(矢印AR3)(副走査)。
副走査が終了すると、再び主走査が行われる(矢印AR4)。ここでも、光学ヘッド部40は、制御部90からの指示に応じて、修正パターンデータに応じた空間変調が形成された光を、基板Wに向けて照射する。これによって、先の主走査で描画された1ストライプ分の描画領域の隣に、さらに1ストライプ分の領域の描画が行われることになる。このように、主走査と副走査とが繰り返して行われることによって、基板Wの表面の全域にパターンが描画されることになる。
<3−2−2.各ストライプの描画>
上述したとおり、描画処理においては1ストライプ分領域の描画が繰り返して実行されていくことによって、基板Wの全体にパターンが描画されていく。ここで、1ストライプ分の領域の描画に係る処理の流れについて、図13を参照しながら説明する。図13は、当該動作の流れを説明するための図である。
主走査方向に沿う走査が開始されると、制御部90は、記憶部に格納された修正パターンデータ(具体的には、修正パターンデータのうち、描画対象となる1ストライプ分の領域に描画すべきデータを記述した部分)を読み出してこれをラスタライズする(ステップS11)。
また、制御部90は、光学ヘッド部40に、ステップS11で読み出された修正パターンに応じた変調光を形成させる(ステップS12)具体的には、光学ヘッド部40のレーザ駆動部42を制御してレーザ発振器41からレーザ光を出射させて、空間変調ユニット44に光を入射させるとともに、修正パターンデータに基づいてドライバ回路ユニット4412を制御して、当該入射光に修正パターンデータに記述されたパターンに応じた空間変調を形成させる。
その一方で、主走査方向に沿う走査が開始されると、制御部90は、先行撮像ユニット50に、基板Wの表面の描画予定領域の撮像データを取得させる(ステップS21)。ただし、先行撮像ユニット50は、主走査の方向について、光学ヘッド部40から定められた距離Dだけ上流側に配置されている。したがって、先行撮像ユニット50においては、光学ヘッド部40が一定時間後(具体的には、基板Wが光学ヘッド部40に対して距離Dだけ移動した後)に描画を行う予定の基板W上の領域(描画予定領域)の撮像データが取得されることになる。
制御部90は、先行撮像ユニット50が取得した撮像データを解析して、描画予定領域に形成された下地パターンの位置を検出する。そして、当該検出位置を目標位置として記憶する。さらに、制御部90は、ステップS12で形成された変調光による描画予定位置が、副走査方向について目標位置からどれだけズレているかを算出し、算出された値をズレ量として取得する(ステップS22)。つまりここでは、描画予定位置と下地パターンとの副走査方向に沿うズレ幅が、ズレ量として検出される。例えば、下地パターンに微細なよれ等が生じている場合、これがズレ量として検出されることになる。
ステップS12で形成された変調光が光路補正部45に入射すると、制御部90は、ウェッジプリズム移動機構452を制御して、入射した光の経路を、ステップS22で取得されたズレ量分だけ副走査方向(X軸方向)に沿ってシフトさせて、描画位置を補正する(ステップS23)。描画予定位置からズレ量分だけ光路をシフトされた光は、目標位置(すなわち、下地パターンの形成位置)に結像することになる。つまり、描画位置が補正されることによって、下地パターンと高精度に重ね合わされたパターンが描画されることになる。
ただし、ある時刻tに撮像された描画予定領域に対する描画処理は、当該時刻tから「D/v(ただし、「D」は、先行撮像ユニット50と光学ヘッド部40との主走査の方向についての離間距離である。また、「v」は、光学ヘッド部40に対する基板Wの、主走査方向に沿う相対移動速度である)」が経過した時刻に実行される。したがって、制御部90は、ある時刻tに撮像された撮像データに基づいて算出されたズレ量を、当該時刻tから時間Δt=D/vが経過した時刻(t+Δt)に実行する描画処理に反映させる。
<4.機能ブロック>
ここで、描画装置100において実現される各機能について、図14を参照しながら整理しておく。図14は、描画装置100において実現される各機能を表すブロック図である。
上述した説明から明らかになったとおり、空間変調ユニット44は、制御部90からの指示に応じて、光源(レーザ発振器41)から照明光学系43を介して入射した光を、パターンデータに基づいて空間変調する。つまり、制御部90と空間変調ユニット44とが協働することにより、パターンデータに応じた変調光を形成する機能部(空間光変調処理部901)が実現されている。
また、光路補正部45は、制御部90からの指示に応じて、空間変調ユニット44において空間変調された光の経路を、空間変調ユニット44における空間変調の単位よりも細かい精度でシフトさせて描画位置を補正する。つまり、制御部90と光路補正部45とが協働することにより、空間変調された光の経路をシフトさせる機能部(光路補正処理部902)が実現されている。
また、制御部90には、基板Wに先に形成された下地パターンの形成位置(具体的には、アライメントユニット60が取得したアライメントマークALの撮像データに基づいて、予測された下地パターンの形成位置)に基づいてパターンデータを補正する、データ補正部903としての機能が実現されており、空間光変調処理部901は、補正後のパターンデータ(修正パターンデータ)に基づいて、変調光を形成する。
さらに、制御部90には、基板Wに先に形成された下地パターンの形成位置を検出し(具体的には、先行撮像ユニット50が取得した撮像データを解析することにより下地パターンの形成位置を検出し)、当該検出位置に基づいて、空間変調された光の経路をシフトさせるべきシフト量を算出するシフト量算出部904としての機能が実現されており、光路補正処理部902は、空間変調された光の経路を算出されたシフト量だけシフトさせて描画位置を補正する。
<5.効果>
パターンデータを補正することによって描画位置を補正しようとした場合、空間変調ユニット44における空間変調の単位(具体的には、空間光変調素子4411の画素幅)の精度でしか描画位置を補正できない。したがって、例えば、パターンデータを下地パターンと高精度に一致するように補正したとしても、空間光変調素子4411の画素幅より細かいレベルで目標位置と描画位置とのズレをなくすことは難しい。
上記の実施の形態に係る描画装置100によると、空間変調ユニット44において空間変調された光の経路を、光路補正部45が、空間変調ユニット44における空間変調の単位よりも細かい精度でシフトさせて描画位置を補正するので、パターンデータの補正では実現できないレベルで、描画位置を目標位置にあわせこむことができる。つまり、基板Wに対するパターンの描画位置を高精度にコントロールすることができる。
また、上記の実施の形態に係る描画装置100によると、まず、下地パターンの形成位置に基づいてパターンデータが補正され、空間変調ユニット44が補正後のパターンデータ(修正パターンデータ)に基づいて光を空間変調する。そして、光路補正部45が、当該空間変調された光の経路をさらに補正して描画位置の微調整を行う。つまり、空間変調の単位レベルでの補正と、これより細かい精度での補正とが2段階にわたって行われる。この構成によると、下地パターンに対する描画位置を高精度に制御することができる。例えば、下地パターンに高精度に重ね合わされたパターンを描画することができる。
また、上記の実施の形態に係る描画装置100によると、先行撮像ユニット50が描画予定領域の撮像データを取得し、制御部90が当該撮像データに基づいて下地パターンの形成位置を検出するとともに、当該検出位置に基づいて、空間変調された光の経路をシフトさせるべきシフト量を算出する。したがって、下地パターンに対する描画位置を精確にコントロールすることができる。
また、上記の実施の形態に係る描画装置100によると、光学ヘッド部40の前方側(対象物に対して光学ヘッドが相対的に移動する移動方向について、前方側)に、基板Wの描画予定領域を撮像する先行撮像ユニット50が設けられるので、光学ヘッド部40が描画を行う対象物内の領域に先に形成された下地パターンの形成位置を確実かつ効率的に実測することができる。
<6.変形例>
上記の実施の形態においては、光路補正部45は、2個のウェッジプリズム451とウェッジプリズム移動機構452とを備える構成としたが、光路補正部45は、必ずしもこのような構成でなくともよい。例えば、ガラス板と、ガラス板をY軸方向(すなわち、光軸方向(Z軸方向)および副走査方向(X軸方向)と直交する方向)に沿う回転軸に対して回転可能に支持する姿勢変更機構とから構成してもよい。この構成においては、ガラス板の姿勢を変化させて、ガラス板に入射する際の入射角を変化させることによって、ガラス板に入射する光の経路をX軸方向に沿ってシフトさせることができる。ただし、このシフト量は、ガラス板の回転角度に応じて定まる。
この場合、制御部90は、姿勢変更機構を制御して、ガラス板の回転角度を調整することによって、空間変調ユニット44から出射される光をX軸方向に沿ってシフトさせ、副走査方向(X軸方向)に沿う描画位置を補正する。
また、上記の実施の形態においては、光路補正部45を駆動する制御パラメータとなるズレ量を、先行撮像ユニット50によって取得する構成としたが、ズレ量を取得する構成はこれに限らなれるものではなく、下地パターンの位置を検出できる構成であればどのようなものであってもよい。
また、上記の実施の形態においては、空間光変調器441として、回折格子型の空間変調器を利用していたが、空間光変調器441の構成はこれに限らない。例えば、DMD(Digital Micromirror Device:デジタル・マイクロミラー・デバイス)を利用してもよい。
また、上記の実施の形態においては、処理対象となる基板Wは、半導体基板であるとしたが、その他の各種の基板(例えば、プリント基板、液晶表示装置に具備されるカラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置などのフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板等)が処理対象とされてもよい。
40 光学ヘッド部
44 空間変調ユニット
45 像位置調整部
46 投影光学系
90 制御部
100 描画装置
441 空間光変調器
451 ウェッジプリズム
452 ウェッジプリズム移動機構
4411 空間光変調素子
W 基板

Claims (8)

  1. 光学ヘッドから、前記光学ヘッドに対して相対的に移動する対象物に対して光を照射して、前記対象物にパターンを描画する描画装置であって、
    前記光学ヘッドが、
    光源からの光を、前記対象物に描画すべきパターンを記述したパターンデータに基づいて空間変調する空間光変調部と、
    前記空間光変調部において空間変調された光の経路を、前記空間光変調部における空間変調の単位よりも細かい精度でシフトさせて描画位置を補正する光路補正部と、
    前記対象物における描画予定領域を撮像して得られた撮像データから前記対象物に先に形成された既設パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、前記空間変調された光の経路をシフトさせるべきシフト量を算出するシフト量算出部と、
    を備える描画装置。
  2. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記対象物に先に形成された既設パターンの形成位置に基づいて、前記パターンデータを補正するデータ補正部、
    をさらに備え、
    前記空間光変調部が、
    補正後の前記パターンデータに基づいて、前記光源からの光を空間変調する描画装置。
  3. 請求項1または2に記載の描画装置であって、
    前記対象物に対して前記光学ヘッドが相対的に移動する移動方向について、前記光学ヘッドの前方側に設けられ、前記描画予定領域を撮像する撮像部、
    をさらに備える描画装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の描画装置であって、
    前記空間光変調部が、
    一定方向に配列された複数の光変調素子、
    を備え、
    前記光源からの光を、前記光変調素子の画素単位で空間変調する描画装置。
  5. 請求項4に記載の描画装置であって、
    前記光変調素子が、回折格子型の光変調素子である描画装置。
  6. 請求項2に記載の描画装置であって、
    前記データ補正部が、
    前記対象物の代表位置を撮像して得られた撮像データに基づいて前記対象物に先に形成された既設パターンの形成位置を予測し、予測された前記既設パターンの形成位置に基づいて、前記パターンデータを補正する描画装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の描画装置であって、
    前記光路補正部が、
    平行でない光学面を備えるプリズムを、前記空間変調された光の経路上に2個並べて配置した光学系と、
    前記2個のプリズムの離間距離を変更することにより、前記空間変調された光の経路をシフトさせるプリズム移動部と、
    を備える描画装置。
  8. 対象物に対して光を照射して、前記対象物にパターンを描画する描画方法であって、
    a)光源からの光を、前記対象物に描画すべきパターンを記述したパターンデータに基づいて空間変調する工程と、
    b)空間変調された光の経路を、当該空間変調の単位よりも細かい精度でシフトさせて描画位置を補正する工程と、
    c)前記対象物における描画予定領域を撮像して得られた撮像データから前記対象物に先に形成された既設パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、前記空間変調された光の経路をシフトさせるべきシフト量を算出するシフト量算出工程と、
    を備える描画方法。
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