JP2006350034A - 露光装置および露光方法 - Google Patents

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芳宏 関本
Takuo Tanaka
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Abstract

【課題】 フォトマスクを用いずに、一括に広範囲を露光すると共に、下層の露光パターンの位置と上層パターンを形成するための露光位置との位置ずれを、高速かつ高精度に補正し得る露光装置および露光方法を提供する。
【解決手段】 2次元的に並び配された複数のミラー素子からなるDMD5の各ミラー素子にパターンデータを入力することによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できる露光ヘッド1aと、露光ヘッド1aと基板11とを相対的に走査させるためのステージ12とを備え、走査しながら露光を行う。基板11に形成された下層配線パターンを光の照射にてモニターすることにより下層配線パターンの位置を検出し、かつ検出結果に基づいて、DMD5の各ミラー素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正するコンピュータ7を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、露光装置および露光方法に関するものである。より詳しくは、例えば、液晶ディスプレイの基板や一般の回路基板に光ビームを照射し、所定のパターン形状をパターニングするための露光装置および露光方法に関するものである。
従来、例えば液晶ディスプレイや半導体集積回路の製造においては、基板上に樹脂や金属配線等を所定のパターン形状にパターニングしたものを順次積層してモジュールや回路基板を作成する。パターニングに際しては、レジスト膜の塗布工程、フォトマスクを用いた露光工程、およびレジストパターンの現像工程を含むフォトリソグラフィ技術が用いられる。
上記露光工程における露光パターン形成に使用される露光装置としては、所定のマスクパターンを基板上に投影する投影露光法を採用した、ステッパーと呼ばれる露光装置が広く用いられている。通常、これら液晶ディスプレイや半導体集積回路の露光パターン形成では、下層の露光パターンに上層の露光パターンを位置決めして重ねていくという、重ね露光が行なわれる。重ね露光では、下層の露光後に各種の熱処理等を実行することによって、基板に伸縮が発生する。このため、次の作業工程である上層露光時に、下層の露光パターンに対する上層の露光パターンの位置補正を行わなければ、下層の露光パターンに対して、重ねた上層の露光パターンの位置がずれてしまう。
この位置ずれに対応するため、従来のステッパーでは、下層の露光パターンの露光時に、素子の性能に関わる回路等のパターンが存在しない周辺部分(例えば、デバイス間のダイシング用スペース等)にアライメントマークを形成しておき、上層の露光パターンの露光時にこのアライメントマークの位置を検出し、上層の露光パターンが所定の位置からずれている場合には倍率や露光位置の補正を行った上で、上層の露光パターンの露光を行っている。
しかしながら、上述した各デバイスの周辺部に設けられたアライメントマークを位置基準とした場合、例えば、液晶パネルのような大型基板に対して、周辺のアライメントマークを利用するだけでは誤差が大きくなったり、マークを探すための走査時間が長くなったりするという問題がある。
そこで、これらの問題に対応するため、例えば特許文献1では、以下の方法を提案している。
すなわち、まず、あらかじめ下層の一部をアライメントマークとして検出しておく。そして、上層の露光パターンの露光時に、下層のアライメントマークの位置が所定の位置からずれている場合には、倍率や露光位置の補正を行って、上層の露光パターンの露光を行う。この方法により、露光位置近傍の位置を基準として上層の露光ができ、高精度の露光が可能となる。また、従来必要であった、被露光体であるウエハの所定位置に設けられた固有マーク位置と露光位置との間を走査するための時間を短縮できる。
一方、このような投影露光装置では、通常は1機種につき、高価なフォトマスクを複数枚必要とする。したがって、大量生産する場合には、フォトマスク代を1つ1つの製品の売価に振り分けることによって、製品1つあたりが負担するフォトマスク代を低く抑えることができる。しかし、近年ではユーザの価値観の多様化に伴い、製品仕様が多様化している。このため、少量多品種生産の場合には、フォトマスク代を振り分ける製品の数が、大量生産をする場合に比べて少ないので、製品1つあたりが負担するフォトマスク代が大きな金額になる。また、露光パターンの修正には、フォトマスクを作り直す必要があるため、金銭的にも時間的にも膨大なコストがかかる。さらに、フォトマスクの設計には一定の期間を必要とするため、市場のニーズに迅速に対応することが困難である。
そこで、露光時にフォトマスクを用いることによって生じる、金銭的、時間的なコストを減少させる手段として、近年では、DMD(Digital Micro-mirror Device)と呼ばれるミラーデバイスに代表される、2次元の空間光変調素子(SLM)を用いた露光装置が提案されている。この露光装置では、配線パターン等のCADデータに基づいて、フォトマスクを介することなく、所望の露光パターンを基板に照射できる。そのため、基板への露光パターンの直接描画が可能となっている。
また、フォトマスクを用いない露光装置として、例えば特許文献2では、直接描画装置の一つとしての電子ビーム描画装置が開示されている。この特許文献2の電子ビーム描画装置でも、前記同様、下層の露光後に行われる上層の露光に対して、下層の露光パターンの一部を、露光位置の補正のための目印として用いている。詳細には、露光位置の補正のための目印を、基板上を電子ビームで走査することによって検出し、検出した位置と所定の位置との誤差に応じて、電子ビームの照射位置を補正している。
これにより、露光位置近傍の位置を基準として上層の露光ができ、高精度の露光が可能となる。また、電子ビームの照射位置によって露光位置を補正できるため、高速の位置合わせも可能となる。
特開平11−145049号公報(平成11年5月28日公開) 特開平11−219878号公報(平成11年8月10日公開)
しかしながら、上記従来の特許文献1に記載された露光装置および露光方法では、下層露光パターンの位置を検出して、それを基準にステージを走査して位置合わせを行うため、位置合わせに多大な時間を要するという問題点を有している。また、特許文献1は、フォトマスクを用いるステッパーにおける位置合わせ方法に関するものであり、フォトマスクに関するコスト高等の上記課題を解決できるものではない。
一方、特許文献2に記載された露光装置および露光方法では、1本の電子ビームを用いて基板上に露光パターンを描画するため、一括に広範囲を露光することはできない。そのため、広範囲を一括に露光できる露光法に比べて、高速の露光が困難であるという問題点を有している。
また、特許文献2では、SLMを用いるような、同時に多数のパターンを露光できる装置に、電子ビーム露光の場合のようなスキャンによる位置補正手段を適用する例については、何ら記載されていない。仮に、SLMとスキャンによる照射位置補正手段とを組み合わせたとして、SLMの各素子に対応して膨大な数のスキャン機構がないと個別のパターン補正はできず、非現実的である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的はフォトマスクを用いずに、一括に広範囲を露光すると共に、下層の露光パターンの位置と上層パターンを形成するための露光位置との位置ずれを、高速かつ高精度に補正し得る露光装置を提供することにある。
本発明の露光装置では、上記課題を解決するために、2次元的に並び配された複数の光変調素子からなる2次元空間光変調素子を有し、該2次元空間光変調素子の各光変調素子にパターンデータを入力することによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できる露光ヘッドと、上記露光ヘッドと露光される被露光体とを相対的に走査させるための走査手段とを備え、走査しながら露光を行う露光装置において、上記被露光体における既に形成された下層パターンを光の照射によってモニターすることにより該下層パターンの位置を検出する下層パターン位置検出手段と、上記下層パターン位置検出手段の検出結果に基づいて、上記2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正する補正手段とを有することを特徴としている。
また、本発明の露光方法では、上記課題を解決するために、2次元的に並び配された複数の光変調素子からなる2次元空間光変調素子を有し、該2次元空間光変調素子の各光変調素子にパターンデータを入力することによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できる露光ヘッドと、露光される被露光体とを相対的に走査しながら露光を行う露光方法において、上記被露光体における既に形成された下層パターンを光の照射によってモニターすることにより該下層パターンの位置を検出すると共に、その下層パターンの位置の検出結果に基づいて、上記2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正すること特徴としている。
上記の発明によれば、下層パターン位置検出手段は、被露光体における既に形成された下層パターンを光の照射によってモニターすることにより該下層パターンの位置を検出する。
ここで、本発明では、露光ヘッドは、2次元的に並び配された複数の光変調素子からなる2次元空間光変調素子を有し、該2次元空間光変調素子の各光変調素子にパターンデータを入力することによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できるようになっている。
したがって、下層パターンの位置の検出結果に基づいて、補正手段によって、2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正することができる。
ここで、本発明では、2次元空間光変調素子は2次元的に並び配された複数の光変調素子からなるので、上層パターンを形成するための位置補正が、所定領域においては走査を伴わずに一括的に行われる。したがって、下層パターンと露光位置との位置合わせのために、被露光体自体をステージなどで移動させる時間を削減することができる。
また、不均一な収縮をおこした被露光体上での、下層パターン位置と上層パターンを形成するための露光位置との位置ずれの補正を行う場合でも、不均一な収縮による不均一な下層パターンの位置ずれに一致するように、各光変調素子からの光の出射状態が変更される。すなわち、不均一な位置ずれに対しても高精度な露光位置の補正をすることができる。
さらに、本発明によれば、2次元空間光変調素子を備えた露光ヘッドを用いて直接被露光体に露光を行うため、コストの高いフォトマスクを用いる必要がない。
また、露光ヘッドによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できるために、一本の電子ビームを用いて被露光体上に露光パターンを描画する電子ビーム描画装置よりも一度に広範囲の露光を行うことができる。つまり、上記電子ビーム描画装置による露光よりも高速の露光ができる。
さらに、本発明によれば、下層パターンの位置の検出結果に基づいて、補正手段によって、2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正することができる。したがって、2次元空間光変調素子にスキャンによる照射位置補正手段を組み合わせなくても上記露光位置の補正ができる。また、2次元空間光変調素子の各素子に対応した個別のパターン補正を容易にすることができる。
また、本発明の露光装置では、前記露光ヘッドにおける露光用の光の波長と、前記下層パターン位置検出手段における検出用の光の波長とが異なることが好ましい。
これにより、露光には露光に最適の波長が、位置検出には位置検出に最適な波長が選択できる。
また、本発明の露光装置では、前記露光用の光の波長成分と前記検出用の光の波長成分との両方を含む一つの光源を備えると共に、上記露光用の光の波長成分と前記検出用の光の波長成分とを分離するための分離手段が光路中に設けられていることが好ましい。
これにより、1つの光源から露光に最適の波長と位置検出に最適の波長とを分離して、それぞれ露光と位置検出を行うことができるので、露光ヘッドの部品を減らすことができる。
また、本発明の露光装置では、前記露光用の光の波長成分を有する第1光源と、前記検出用の光の波長成分を有する第2光源とがそれぞれ別個に設けられていると共に、上記露光用の光の波長成分と前記検出用の光の波長成分とを分離するための分離手段が光路中に設けられていることが好ましい。
また、本発明の露光方法は、前記露光用の光の波長成分を有する第1光源と、前記検出用の光の波長成分を有する第2光源とをそれぞれ別個に設け、上記第2光源による下層パターンの位置の検出を、上記第1光源による露光よりも時間的に先行させることが好ましい。
上記の発明によれば、露光工程とは独立して、下層パターンの位置検出を行うことができる。よって、位置検出した結果に基づいて補正した上層パターンを形成するための露光位置を導出し、2次元空間光変調素子の各光変調素子を制御するための時間をより多く確保できる。さらに、露光前に下層パターンの位置検出をすることができるため、より高精度の位置補正ができる。
また、本発明の露光装置では、前記分離手段は、ダイクロイックミラーからなっていることが好ましい。
上記の発明によれば、分離手段をダイクロイックミラーとすることにより、可視光(特に短波長側)および紫外光の特定域の光を反射し、その他の光を透過させたり、あるいはその他の光のうち赤外光を一部反射させつつ、残りを透過させるなど、使用目的に応じて膜特性を選択することにより、反射、透過の波長特性や光量分布を制御することができるため、効率的な光分離が可能となる。
また、本発明の露光装置では、前記検出用の光の波長が、赤外波長であることが好ましい。
すなわち、赤外波長はシリコン膜を透過する。したがって、検出用の光の波長を赤外波長とすることによって、例えば液晶ディスプレイや半導体集積回路の製造において使用されるシリコン膜の下層に存在する下層パターンを直接モニターできる。この結果、高精度の位置検出ができる。
また、本発明の露光装置では、下層パターン位置検出手段は、検出用の光の波長を受光する受光手段を備えていると共に、上記受光手段の前方には、可視波長以下の波長成分の光をカットするためのフィルターが設けられていることが好ましい。
これにより、位置検出に不要な露光用の波長成分の光をフィルターにてカットできる。よって、露光用の波長成分の混入による検出誤差を低下させ、高精度の位置検出ができる。
また、本発明の露光装置では、前記検出用の光の波長成分を有する第2光源は半導体レーザからなると共に、上記半導体レーザのスペックルノイズを低減するためのスペックル除去手段が光路中に設けられていることが好ましい。
これにより、スペックル除去手段にて、レーザの有する高い干渉性に起因して生じるスペックルノイズを低減することができる。
また、本発明の露光装置では、前記露光ヘッドは、複数個設けられていると共に、各露光ヘッドには、前記下層パターン位置検出手段と補正手段とがそれぞれ備えられていることが好ましい。
これにより、同時に複数の露光ヘッドを用いて露光を行うと共に、複数ある露光ヘッドのすべてにおいて独立に位置補正が行える。したがって、より高速の露光を高精度に行うことができる。
本発明の露光装置は、以上のように、被露光体における既に形成された下層パターンを光の照射によってモニターすることにより該下層パターンの位置を検出する下層パターン位置検出手段と、上記下層パターン位置検出手段の検出結果に基づいて、上記2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正する補正手段を備えているものである。
また、本発明の露光方法は、以上のように、被露光体における既に形成された下層パターンを光の照射によってモニターすることにより該下層パターンの位置を検出すると共に、その下層パターンの位置の検出結果に基づいて、上記2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正する方法である。
それゆえ、露光ヘッドは、2次元的に並び配された複数の光変調素子からなる2次元空間光変調素子を有し、該2次元空間光変調素子の各光変調素子にパターンデータを入力することによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できるようになっている。
この結果、下層パターンの位置の検出結果に基づいて、補正手段によって、2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正することができる。
ここで、本発明では、2次元空間光変調素子は2次元的に並び配された複数の光変調素子からなるので、上層パターンを形成するための位置補正が、所定領域においては走査を伴わずに一括的に行われる。したがって、下層パターンと露光位置との位置合わせのために、被露光体自体をステージなどで移動させる時間を削減することができる。
また、不均一な収縮をおこした被露光体上での、下層パターン位置と上層パターンを形成するための露光位置との位置ずれの補正を行う場合でも、不均一な収縮による不均一な下層パターンの位置ずれに一致するように、各光変調素子からの光の出射状態が変更される。すなわち、不均一な位置ずれに対しても高精度な露光位置の補正をすることができる。
さらに、2次元空間光変調素子を備えた露光ヘッドを用いて直接被露光体に露光を行うため、コストの高いフォトマスクを用いる必要がない。
また、露光ヘッドによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できるために、一本の電子ビームを用いて被露光体上に露光パターンを描画する電子ビーム描画装置よりも一度に広範囲の露光を行うことができる。つまり、上記電子ビーム描画装置による露光よりも高速の露光ができる。
さらに、下層パターンの位置の検出結果に基づいて、補正手段によって、2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正することができる。したがって、2次元空間光変調素子にスキャンによる照射位置補正手段を組み合わせなくても上記露光位置の補正ができる。また、2次元空間光変調素子の各素子に対応した個別のパターン補正を容易にすることができる。
したがって、フォトマスクを用いずに、一括に広範囲を露光すると共に、下層の露光パターンの位置と上層パターンを形成するための露光位置との位置ずれを、高速かつ高精度に補正し得る露光装置および露光方法を提供するという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本実施の形態における露光装置1の概略的構成を示す側面図であり、図2は、図1における光源および空間光変調素子(SLM:Spatial Light Modulator)の部分を示すX方向からの側面図である。図3は、DMD(Digital Micro-mirror Device)5の動作を模式的に示すための図である。図1〜図3を用いて露光装置1の概要を説明する。
本実施の形態における露光装置1は、図1に示すように、光源ユニット6を有し、被露光体としての基板11における所定領域に対して所望のパターンを一括的に露光できる露光ヘッド1aと、上記基板11を走査するための走査手段としてのステージ12、ステージ12を駆動制御するための走査駆動制御装置30とを備えている。
光源ユニット6を構成する部品は、すべてを図に表すと重なって見えにくくなるため、DMD5以外の部品は図示を省略している。
なお、本実施の形態では、基板11を露光ヘッド1aに対して走査すべく、ステージ12において基板11を載置する載置台12aを移動させるものとなっているが、必ずしもこれに限らず、例えば、基板11を載置する載置台12aを固定する一方、露光ヘッド1aの全体あるいはその一部を移動させる構造であってもよい。すなわち、本発明の走査手段は、基板11と露光ヘッド1a(正確には露光用ビーム)とを相対的に走査するものであれば足りる。
上記露光装置1の光源ユニット6は、図2に示すように、光源2、コリメーションレンズ3、ミラー4、および空間光変調素子(SLM)としてのDMD5を有している。
上記光源2は、レジスト等の露光に一般的に用いられる青色〜紫外の波長成分と、レジストが反応しない赤〜赤外の波長成分との両方を有するものとなっている。すなわち、本実施の形態では、露光装置1は、基板11における既に形成された下層パターンを光の照射によってモニターすることにより該下層パターンの位置を検出し、その下層パターンの位置検出に基づいて、後述する2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正して上層パターンを形成すべくレジスト等に露光できるようになっている。
このため、光源2においては、レジスト等の露光には青色〜紫外の波長成分が用いられる一方、下層パターンのモニターには赤〜赤外の波長成分が用いられる。さらに好ましくは、露光には紫外光が、モニター用には赤外光が用いられる。この理由は、露光用として、多くの場合は紫外光が用いられるためである。また、下層パターンのモニター用としては、詳細は後述するが、シリコン層を透過してモニターできるので、赤外成分を用いて照射するのがより望ましいためである。
上記DMD5は、図3に示すように、2次元的に並び配された複数の光変調素子としてのミラー素子5aからなる2次元空間光変調素子(SLM)であり、このDMD5の各ミラー素子5aにコンピュータ7からパターンデータを入力することによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できるようになっている。
すなわち、DMD5は、それぞれ個別に角度変調が可能な多数のミラー素子5aから構成され、2種類の角度設定によって、後述する投影レンズ8に入射するON状態と入射しないOFF状態とを設定できるようになっている。仮に、図3におけるミラー素子5aの列Rnとミラー素子5aの行LmとをON状態とすると、図1に示す投影レンズ8、および対物レンズ10によって縮小集光され、基板11に照射される。これにより、図3に示すように、DMD5のONパターンに対応した露光パターン11b・11cを基板11上のレジストに描くことができる。すなわち、DMD5は、可変マスクのようにして使うことができる。
なお、DMD5の1つのミラー素子5aは、10〜20μm程度のサイズを有しており、必要な解像度に応じて縮小倍率が得られるようにレンズ系を設計しておけば、DMD5の素子サイズよりも小さなパターンの描画も可能である。また、図3では8個×8個のミラー素子5aを例にして説明しているが、実際には1000個×1000個程度の多数のミラー素子5aを備えている。
なお、空間光変調素子(SLM)として、ここではDMD5を用いて説明するが、DMD5に限定される訳ではなく、液晶のような素子でもかまわない。また、空間的に分割されて個別に光のON/OFF制御ができるなら、他の素子でもかまわない。
上記露光装置1での露光およびモニター光照射における光の出射動作について説明する。
まず、光源2から出射された光は、コリメーションレンズ3によって平行光に変換され、ミラー4によって反射された後、DMD5に入射する。DMD5の各ミラー素子5aは、図1に示すコンピュータ7によって、露光すべきパターンデータに基づき、ON/OFF制御される。
DMD5によって生成された露光パターンに対応した光は、図1に示すように、投影レンズ8を通りダイクロイックミラー9に入射する。そして、一部がダイクロイックミラー9によって反射された後に、対物レンズ10に導入され、レジストが塗布された基板11上に結像される。この時、後述のようにダイクロイックミラー9によって紫外光成分はほぼ100%、赤外光成分は50%が反射される。基板11はステージ12の載置台12a上に設置されており、かつこの載置台12aは走査駆動制御装置30により進退移動可能に制御されるので、露光ビームに対して基板11が相対的に走査されるようになっている。また、露光に際して、基板11上に光を結像させるフォーカス調整のために、対物レンズ10を駆動するためのフォーカシング機構13を備えている。
一方、基板11に対して照射された光の一部は基板11によって反射され、再び対物レンズ10を通って分離手段としてのダイクロイックミラー9に戻る。ダイクロイックミラー9は、紫外光成分をほぼ100%反射する一方、赤外光成分に対しては50%を反射し、かつ50%を透過するように設計されている。したがって、基板11によって反射されて戻ってきた光のうち、紫外光成分はほぼ100%がダイクロイックミラー9に反射されて光源ユニット6側に戻る。一方、赤外光成分は半分が反射されるが、残りの半分が透過される。そして、ダイクロイックミラー9を透過した赤外光成分は、結像レンズ14を通った後、受光手段としてのCCDカメラ15に入射する。なお、本実施の形態では、分離手段としてのダイクロイックミラー9を使用しているが、本発明では、必ずしもこれに限らず、他の分離手段を採用することが可能である。例えば、最近では、サブ波長格子構造を用いた波長選択素子等も開発されてきており、ダイクロイックミラー以外の分離手段もある。
本実施の形態では、CCDカメラ15の手前には、UV〜可視光をカットするためのフィルター16が設けられている。ダイクロイックミラー9は、通常、誘電体多層膜等を材料にして作製され、紫外光成分をほぼ100%反射するように設計されているものの、わずかに漏れ光が透過してしまう。フィルター16は、このような、ダイクロイックミラー9によって反射できなかった、露光用に用いた紫外光成分がCCDカメラ15に入射するのを防ぐために挿入されている。
なお、投影レンズ8の前後に(図では後)シャッターなどの光変調器17を設けてもよい。この光変調器17は、ランプなど自分では変調手段を持たない光源2を用いる際に、無駄な光照射を避ける目的によって設けるものである。この光変調器17は、例えば基板11の周辺部など、もともとパターンがない領域を、DMD5によって生成された露光パターンに対応した光が通過するときに、光をブロックする目的として用いてもかまわない。後述するが、露光方法として、ステージ12を連続走査しながらパルス光を照射して露光したい場合など、この光変調器17は有効なデバイスとなる。
次に、本実施の形態の露光装置1での露光方法について図1〜図3を用いて説明する。
まず、図1に示すように、基板11はステージ12によって連続走査される。ステージ12は、高速で往復運動する主走査方向と、主走査方向とは垂直であり、かつ主走査の方向切り替え時にステップ移動する副走査方向とに基板11を載置した載置台12aを駆動可能であり、走査駆動制御装置30によって駆動制御される。主走査方向と副走査方向とのそれぞれの変位量は、図示しない変位検出手段によって、常に高精度にモニターされている。なお、本実施の形態では、ステージ走査を止めずに露光することができる点が、従来のステッパーとは異なる。すなわち、ステッパーにおいても、赤外光等を用いてアライメントマークをモニターし、ステージを走査して位置補正を行うが、露光は、通常はステージ走査を止めてから行う。また、液晶用の露光装置において、レンズスキャン方式とかミラースキャン方式とか呼ばれる、走査しながら露光を行う装置もある。しかし、ステッパーも含めてこれらはすべてフォトマスクを用いる方式であり、SLMを用いてパターンを露光するものとは異なる。
ところで、本実施の形態においては、載置台12aが主走査方向に移動している間、常に露光が行われている訳ではなく、図3に示すように、DMD5による所定領域としての露光領域18の走査が終了するごとに、パルス的に光が照射され、露光が行われる。このように、走査しながらパルス的に光が照射されることよって、各ミラー素子5aの露光領域が重複することなく、DMD5のすべてのミラー素子5aを有効に使うことができるため、高速の露光が可能となる。また、パルスの間隔に応じてDMD5の全ミラー素子5aのON/OFF切り替えを行えばよいため、後で述べる位置検出のための時間的余裕およびON/OFF切り替えのための時間的余裕を得ることができる。光源2としてランプを用いる場合は、上記の光変調器17によって、ランプからの照射光を高速で変調させ、ランプをパルス光源に変更して用いるようにすればよい。
以上のように、ステージの主走査、副走査を繰り返しながら、1パルスによる露光領域18での露光を、基板11の全露光対象領域に対して行い、1パルスによる露光領域18を1単位として基板11の全露光対象領域を埋め尽くすことによって、基板11全体の露光が完了する。
次に、下層パターンのモニターによる位置検出について、図4(a)〜(e)を用いて説明する。図4(a)は下層パターンとしての下層配線パターン19の例を示す図であり、図4(b)は基板11からの反射光をCCDカメラ15によって検出した場合のx方向の光強度分布を示す図であり、図4(c)はそれを2次微分することによって得られるエッジ検出信号を示す図であり、図4(d)は基板11からの反射光をCCDカメラ15によって検出した場合のy方向の光強度分布を示す図であり、図4(e)はそれを2次微分することによって得られるエッジ検出信号を示す図である。
同図(a)において、基板11上にすでに描画されている金属膜からなる下層配線パターン19に対してビームを照射すると、図1に示すように、その反射光のうちの赤外光成分がダイクロイックミラー9を透過し、CCDカメラ15に入射する。
赤外光成分は、レジストの反応にほとんど寄与せず、また、液晶パネル等に用いられるアモルファスシリコン層を透過できるため、下層配線パターン19の上にシリコン層があっても、下層配線パターン19を観察できる。下層が金属膜によって全面覆われている場合は、その下の層を観察することはできないが、下層配線パターン19の凹凸が金属膜上にも転写されているため、凹凸での回折による強度変化を検出すればよい。ただし、凹凸の転写が繰り返されると、形状の変化が生じやすく、検出精度が低下するため、なるべく下層配線パターン19を検出する方が望ましい。通常の基板11では、金属膜が最後まで全面を覆う可能性は少ないため、シリコン層を透過して下層を観察できる赤外光成分を用いるのが最も望ましい。
図4(a)に示すように、下層配線パターン19が金属であり、反射率が周囲よりも高いとすると、CCDカメラ15によって観察される画像は、図4(b)(d)に示すようになる。これを2次微分することによって、それぞれ、図4(c)(e)に示すようにエッジ検出ができるので、エッジが本来あるべき位置から、どれだけずれているかによって、これから形成しようとする上層パターンに対しての、下層配線パターン19の位置ずれが検出できる。
なお、本実施の形態においては、下層パターンとして金属配線パターンを例に説明しているが、これに限定される訳ではない。すなわち、本発明の下層パターンは、主に赤外光が用いられるモニター光を反射して、凹凸あるいは反射率差を検出できるパターンであればよい。したがって、下層パターンは配線である必要はなく、金属である必要もない。また、金属であるとしても、単一の金属原子だけでなく、その化合物でもよい。さらに、膜でなく、金属微粒子の集合体であってもよい。例えば、金属ナノ粒子を含有する溶剤をインクジェットで飛ばして配線パターンを形成する試みもなされている。また、赤外光等のモニター光を反射して、凹凸あるいは反射率差を検出できれば、セラミックス等のパターンでもかまわない。
このような上層パターンに対しての下層配線パターン19の位置ずれは、前工程での露光誤差や、熱処理による基板11の変形によって生じる。液晶パネル等においては、パターンの絶対位置よりもむしろ、上層パターンと下層配線パターン19との位置合わせが重要であることから、下層配線パターン19が露光誤差や基板の変形によってずれてしまったら、それに合わせて上層パターンをパターニングすることが行われている。したがって、下層配線パターン19の位置を検出し、その検出した下層配線パターン19に合わせて上層パターンの位置を補正する技術が重要である。
従来技術として説明したステッパーにおいては、フォトマスク(あるいはレチクル)によってすでにパターンが決まっているため、細かな補正をすることができず、全体的な位置ずれに対してはステージ駆動による位置補正が行われ、基板の伸縮に対しては光学系の倍率調整等が行われる。しかしながら、一方の端部で位置合わせしたら、他方の端部で位置がずれてしまったり、基板の伸縮が不均一だと補正ができなかったりする。
これに対して、DMD5等の空間光変調素子(SLM)を用いる本実施の形態の露光装置1では、各ミラー素子5aに入力するデータを修正するだけで、位置の補正を行うことができる。すなわち、下層配線パターン19の位置が1ミラー素子5a分(実際には縮小されるので、その倍率をかけた分)ずれたとすると、ONにすべきミラー素子5aを1列(あるいは1行)ずつずらしていけば良い。このように、ステージ駆動のような特別な機械的駆動を行うことなく、通常行われているミラー素子5aのON/OFF制御を用いて、各ミラー素子5aのデータを変更するだけで位置補正が行える。この結果、高速かつ高精度の位置合わせが可能となる。また、電子ビーム描画のように、1本ずつ位置補正しながら露光するのではなく、一定のエリアである露光領域18の位置補正を一度に行って露光できるので、高速の露光が可能となる。また、本実施の形態ではフォトマスクやレチクルを用いずに、CADデータに基づいて露光を行う方式である。したがって、下層配線パターン19が本来存在すべき位置のデータを、CADデータが保有しているため、位置ずれの量を容易に認識できる。なお、従来技術と同様に、専用のアライメントマークの位置を検出しても良いし、下層配線パターン19の位置(つまり位置のデータ)を検出しても良い。ただし、下層配線パターン19(位置のデータ)の位置を検出した方が、実際に露光する領域の位置ずれの量に近い値が検出できることから、きめ細かな位置補正が可能である。そして、露光の際に位置検出も行うので、わざわざ位置検出のためにステージ12での移動やビームの移動を行う必要がない。
次に、本実施の形態の露光装置1での、下層配線パターン19のモニター方法と露光のタイミングとについて、図5を用いて説明する。
図5は、走査しながらパルス的に露光ビームが基板11に照射される様子を示す概略図である。18a・18b・18cは各パルスによる露光領域を示し、この順に露光が進むものとする。19は下層配線パターンを示す。本実施の形態では、露光用と下層モニター用とは同じ光源2を用いているため、位置モニターだけをしたくても同時に露光がされてしまい、下層配線パターン19の位置に基づいて上層パターンの位置の補正をする時間が取れない。
そこで、露光領域18aを露光した際に、露光領域18a中に存在する下層配線パターン19の位置をモニターする。次に、露光領域18bの位置を露光するための走査が終了するまでの間に、位置ずれの演算と、それに基づいたデータの補正とを行う。さらに、DMD5の各ミラー素子5aへの補正データの転送とDMD5の切り替えとを行い、露光領域18bの位置にて次のパルスを照射して露光を行えばよい。同様に、露光領域18bの露光を行ったときに、露光領域18bの下層配線パターン19の位置をモニターして位置ずれの検出を行い、次の露光領域18cでの露光データにフィードバックすれば良い。
この場合、下層配線パターン19の位置をモニターする基板11上の位置と、下層配線パターン19の位置に基づいて次の露光位置の補正がなされる基板11上の位置とが、1ショット分ずれることになる。しかし、1ショットの領域は数百μm〜数mm程度と小さく、通常の基板11上では、1ショット分のずれの影響は問題にならない。また、一番最初のショットでは下層配線パターン19をモニターできていないことになるが、例えば、一番最初のみ、なるべく近傍の、露光されても影響のないアライメントマーク位置を検出すれば良い。
このように、本実施の形態の露光装置1および露光方法では、基板11上にすでに描画されている、下層パターンとしての下層配線パターン19に対して露光ビームを照射すると、その反射光のうちの赤外光成分がダイクロイックミラー9を透過し、CCDカメラ15に入射する。そして、各ミラー素子5aに入力するデータを修正するだけで、下層配線パターン19に対する上層の露光位置の補正が行える。すなわち、下層配線パターン19の位置が1ミラー素子5a分(実際には縮小されるので、その倍率をかけた分)ずれたとすると、ONにすべきミラー素子5aを1列(あるいは1行)ずつずらしていけば良い。
これにより、下層配線パターン19に対する上層の露光の位置ずれを補正し、高速かつ高精度に上層の露光を行うことが可能な露光装置1および露光方法を提供することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図6および図7に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6は、本実施の形態における露光装置1の概略的構成を示す側面図である。本実施の形態の露光装置1は、前記実施の形態1の露光装置1とは、露光ヘッド1aの代わりにモニター用の赤外光源20を別途備えている露光ヘッド1bを有する点が異なっている。
すなわち、本実施の形態における露光装置1では、図6に示すように、露光ヘッド1bが光源ユニット6、ダイクロイックミラー9等を備える点は実施の形態1の露光ヘッド1aと同じである。また、前記図2に示すように、光源ユニット6が、光源2、コリメーションレンズ3、ミラー4、および空間光変調素子(SLM)としてのDMD5を備えている点も同じである。
しかし、本実施の形態では、露光装置1は、光源2に赤外光成分を含む必要はなく、露光に用いる波長成分だけを含めば良いものとなっている点が実施の形態1と異なっている。また、ダイクロイックミラー9は紫外光を100%反射することは前記実施の形態1と同じであるが、本実施の形態では、赤外光を100%透過する特性が望ましい点が異なっている。これにより、ダイクロイックミラー9での赤外光のロスを低減できるものとなる。一方、ダイクロイックミラー9によって反射された露光用ビーム(紫外光)は、基板11上のレジストを露光するが、その反射光はCCDカメラ15にはほとんど到達しない。
上記構成を有する露光装置1における、下層配線パターン19をモニターする動作について説明する。なお、本実施形態の場合、下層配線パターン19のモニターは、図6に示すように、専用の赤外光源20を用いて行われる。
まず、赤外光源20から出射された赤外光は、ビームエキスパンダ21によって光束径を拡大されると同時に平行光にされ、集光レンズ22によって集光される。次いで、ハーフミラー23によって反射された成分がダイクロイックミラー9および対物レンズ10を通って、基板11に照射される。基板11によって反射された赤外光は、再び対物レンズ10、ダイクロイックミラー9を通り、さらにハーフミラー23を透過した成分は、結像レンズ14を通ってCCDカメラ15に入射する。集光レンズ22は、対物レンズ10の瞳面に赤外光が集光されるように設けられている。また、赤外光源20として半導体レーザを用いる場合は、レーザ光特有の高い干渉性に起因して生じるスペックルノイズが問題になる場合がある。このような場合は、光路中のたとえばビームエキスパンダ21と集光レンズ22との間にスペックル除去手段としてのスペックル除去部24を設けても良い。スペックル除去部24としては、拡散板やファイバーバンドールなどを用いるのが好ましい。
このように、露光用の光源2とは別途独立に、下層モニター専用の赤外光源20を用いることによって、露光工程とは独立して下層モニターを行うことが可能となる。もちろん、下層モニターの波長には、レジストの反応に寄与しない成分を用いる。
次に、本実施の形態の露光装置1での下層配線パターン19のモニターと上層パターンを形成するときの露光のタイミングとについて、図7を用いて説明する。図7は、走査しながらパルス的に露光ビームを基板11に照射する様子を示す概略図である。18d・18h・18iは各パルスによる露光領域を示し、この順に基板11上を露光領域が進むものとする。18e・18f・18gは18dと18hとの間の露光領域の位置の変化を示しているが、パルス的な露光ビームは照射されていない。25a・25b・25cは下層配線パターン19のモニターを行うモニター領域を示し、この順に下層配線パターン19のモニターが進むものとする。
露光領域18dの位置でパルス露光された後も、ステージ12の走査は進み、露光領域は18e、18f、18gと進む。ただし、これらの間、露光用のビームはOFFされている。この場合、すべてのミラー素子5aをOFFにしても良いし、光変調器17によって、全体をOFFしても良い。なお、同図では露光領域18e・18f・18gがy方向にもずれた状態として示しているが、これは図が重なると見にくいためである。実際には露光領域18e・18f・18gのy方向へのずれはなく、x方向のみに走査される。
露光領域18e・18f・18gでは露光用のビームはOFFされているが、下層配線パターン19のモニター用のビームは常にON状態であり、下層配線パターン19の位置を検出している。
例えば露光領域18eの先頭部分25aでは、次回に実際に露光を行う露光領域18h(これも図が複雑になるため、詳細のパターンは図示せず)の最初の部分26aの下層配線パターン19をモニターできる。次いで、露光領域18fの先頭部分25bでは、次回に実際に露光を行う露光領域18hの、上記最初の部分26aに続く次の部分26bの下層配線パターン19をモニターできる。同様にして、露光領域18gの先頭部分25cでは、次回に実際に露光を行う露光領域18hの、上記次の部分26bに続くさらに次の部分26cの下層配線パターン19をモニターできる。この動作を順次続けて露光領域18hの露光が行われる位置までステージ12が走査された時には、露光領域18h内の、下層の露光パターンの位置を、すべて(一番右端の1列分だけを除く)検出できていることになる。したがって、検出した位置ずれ情報に基づいて上層の露光データを補正し、露光領域18hの露光を行えば良い。すなわち、DMD5の各ミラー素子5aに入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正する。
同様に、露光領域18iでも、先行して取得した下層配線パターン19の位置データに基づいて、上層パターン形成のための露光位置を補正して露光をする。補正に時間がかかる場合は、下層配線パターン19を露光に先行して取得する位置モニター領域の範囲を拡げることにより、下層配線パターン19をモニターする回数を減らせばよい。下層配線パターン19をモニターする回数を減らしたとしても、1ショット分の先読みが必要であった実施の形態1と比べると、モニターした下層配線パターン19の位置と上層パターンを形成するための露光位置とのずれを低減でき、より高精度の補正が可能となる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲での種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の露光装置および露光方法は、下層パターンをモニターして位置情報を取得し、それに基づいて露光領域全体の露光データを補正することによって、位置ずれを補正できる。それゆえ、高速かつ高精度の重ね合わせ露光が可能となる。したがって、本発明は、液晶ディスプレイの基板や一般の回路基板等を製造する産業分野や、露光装置を製造する産業分野に好適に用いることができる。
本発明の実施の一形態における露光装置の概略的構成を示す側面図である。 上記露光装置における光源および空間光変調素子(SLM)としてのDMDの構成を示す平面図である。 上記DMDの動作を模式的に示すための図である。 (a)は下層配線パターンの例を示す図であり、(b)は基板からの反射光をCCDカメラによって検出した場合のx方向の光強度分布を示す図であり、(c)はそれを2次微分することによって得られるエッジ検出信号を示す図であり、(d)は基板からの反射光をCCDカメラによって検出した場合のy方向の光強度分布を示す図であり、(e)はそれを2次微分することによって得られるエッジ検出信号を示す図である。 上記露光装置における走査しながらパルス的に露光ビームを照射する様子を示す概略図である 本発明の他の実施の形態における露光装置の概略的構成を示す側面図である。 上記露光装置における走査しながらパルス的に露光ビームを照射する様子を示す概略図である。
符号の説明
1 露光装置
1a 露光ヘッド
1b 露光ヘッド
2 光源(第1光源)
3 コリメーションレンズ
4 ミラー
5 DMD(2次元空間光変調素子)
5a ミラー素子(光変調素子)
6 光源ユニット
7 コンピュータ(下層パターン位置検出手段、補正手段)
8 投影レンズ
9 ダイクロイックミラー(分離手段)
10 対物レンズ
11 基板(被露光体)
12 ステージ(走査手段)
12a 載置台
15 CCDカメラ(受光手段)
17 光変調器
18 露光領域(所定領域)
19 下層配線パターン(下層パターン)
20 赤外光源(第2光源)
21 ビームエキスパンダ
22 集光レンズ
23 ハーフミラー
24 スペックル除去部(スペックル除去手段)
25a〜25c モニター領域の部分
30 走査駆動制御装置

Claims (11)

  1. 2次元的に並び配された複数の光変調素子からなる2次元空間光変調素子を有し、該2次元空間光変調素子の各光変調素子にパターンデータを入力することによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できる露光ヘッドと、上記露光ヘッドと露光される被露光体とを相対的に走査させるための走査手段とを備え、走査しながら露光を行う露光装置において、
    上記被露光体における既に形成された下層パターンを光の照射によってモニターすることにより該下層パターンの位置を検出する下層パターン位置検出手段と、
    上記下層パターン位置検出手段の検出結果に基づいて、上記2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正する補正手段とを有することを特徴とする露光装置。
  2. 前記露光ヘッドにおける露光用の光の波長と、前記下層パターン位置検出手段における検出用の光の波長とが異なることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 前記露光用の光の波長成分と前記検出用の光の波長成分との両方を含む一つの光源を備えると共に、
    上記露光用の光の波長成分と前記検出用の光の波長成分とを分離するための分離手段が光路中に設けられていることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  4. 前記露光用の光の波長成分を有する第1光源と、前記検出用の光の波長成分を有する第2光源とがそれぞれ別個に設けられていると共に、
    上記露光用の光の波長成分と前記検出用の光の波長成分とを分離するための分離手段が光路中に設けられていることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  5. 前記分離手段は、ダイクロイックミラーからなっていることを特徴とする請求項3又は4記載の露光装置。
  6. 前記検出用の光の波長が、赤外波長であることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  7. 前記下層パターン位置検出手段は、検出用の光の波長を受光する受光手段を備えていると共に、
    上記受光手段の前方には、可視波長以下の波長成分の光をカットするためのフィルターが設けられていることを特徴とする請求項6記載の露光装置
  8. 前記検出用の光の波長成分を有する第2光源は半導体レーザからなると共に、
    上記半導体レーザのスペックルノイズを低減するためのスペックル除去手段が光路中に設けられていることを特徴とする請求項4記載の露光装置。
  9. 前記露光ヘッドは、複数個設けられていると共に、
    各露光ヘッドには、前記下層パターン位置検出手段と補正手段とがそれぞれ備えられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の露光装置。
  10. 2次元的に並び配された複数の光変調素子からなる2次元空間光変調素子を有し、該2次元空間光変調素子の各光変調素子にパターンデータを入力することによって、所定領域に対する所望のパターンを一括的に露光できる露光ヘッドと、露光される被露光体とを相対的に走査しながら露光を行う露光方法において、
    上記被露光体における既に形成された下層パターンを光の照射によってモニターすることにより該下層パターンの位置を検出すると共に、
    その下層パターンの位置の検出結果に基づいて、上記2次元空間光変調素子の各光変調素子に入力するパターンデータを補正することにより上層パターンを形成するための露光位置を補正すること特徴とする露光方法。
  11. 前記露光用の光の波長成分を有する第1光源と、前記検出用の光の波長成分を有する第2光源とをそれぞれ別個に設け、
    上記第2光源による下層パターンの位置の検出を、上記第1光源による露光よりも時間的に先行させることを特徴とする請求項10記載の露光方法。
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