JP5701658B2 - 打ち込み工具 - Google Patents
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Description
後者のマガジンの場合には、より多くの打ち込み具を装填可能とする一方、これをコンパクトに装備するため、工具本体のドライバガイドとハンドル部の先端との間に跨った状態で装備され、その結果マガジンは、その打ち込み具送り方向を打ち込み具の打ち込み方向に対して傾斜させた向きに装備されている。
このようにマガジンがその送り方向を打ち込み方向に対して傾かせた向きに装備される結果、これに合わせて連結打ち込み具Nは、図9に示すように各打ち込み具nをその軸方向に順次ずらせて相互に仮結合(斜め連結)した結果、概ね菱形の平板形状をなしている。
このため、図10に示すようにマガジンに対して誤った向き(装填方向Sの前後に反転させた向き)で装填されるおそれがあるが、従来この誤装填に対して特に対策がなされていなかった。連結打ち込み具Nを図10に示すように誤装填すると、打ち込み具nの軸方向と工具本体による打ち込み方向Hが一致しない状態で打撃動作がなされる結果、打ち込み具nが打ち込み通路内で詰まって動作不良を発生する。このことから、使用者は装填時に連結打ち込み具Nの装填向きを間違えないように注意する必要がある。
本発明では、マガジンに対して連結打ち込み具が誤った向きに装填(誤装填)されないようにするための対策を施すことを目的とする。
第1の発明は、複数本の打ち込み具を相互にその軸方向にずらせて並列に仮結合した斜め連結タイプの連結打ち込み具を装填するマガジンを備えた打ち込み工具であって、マガジンは、装填する連結打ち込み具の装填向きについて、打ち込み具の軸方向が打ち込み方向に一致した正しい装填向きであれば装填を許容し、打ち込み具の軸方向が打ち込み方向に一致しない誤った装填向きであれば装填を規制する装填規制部材を備えた打ち込み工具である。
第1の発明によれば、斜め連結タイプの連結打ち込み具の誤った向きでの装填が装填規制部材によって規制されて装填できないので、当該連結打ち込み具の装填が確実に正しい装填向きでなされることから、打ち込み案内通路内での打ち込み具の詰まり等の打ち込み不良を未然に防止し、当該打ち込み工具の動作不良を回避することができる。
第2の発明は、第1の発明において、装填規制部材は案内部と規制部を備えており、マガジンに装填される連結打ち込み具の装填向きが正しい装填向きであれば、この正しい装填向きの連結打ち込み具がその装填動作により規制部よりも案内部に先に係合することにより規制部が規制位置から退避してこの正しい装填向きでの装填動作が許容される一方、マガジンに装填される連結打ち込み具の装填向きが誤った装填向きであれば、この誤った装填向きの連結打ち込み具がその装填動作により案内部よりも規制部に先に係合してこの誤った装填向きでの装填動作が規制される構成とした打ち込み工具である。
第2の発明によれば、打ち込み具の軸方向が打ち込み方向に一致した正しい装填向きで連結打ち込み具をマガジンに装填しようとすると、当該正しい装填向きの連結打ち込み具が装填規制部材の案内部に規制部よりも先に係合することによりこの規制部が規制位置から退避位置に退避するため、当該正しい装填向きでの連結打ち込み具の装填が許容される。これに対して、打ち込み具の軸方向が打ち込み方向に一致しない誤った装填向きで連結打ち込み具をマガジンに装填しようとすると、当該誤った装填向きの連結打ち込み具が装填規制部材の規制部に案内部よりも先に係合するため、この誤った装填向きでの連結打ち込み具をマガジンに装填すること規制される。
このように、複数の打ち込み具をその軸方向に少しずつずらせて相互に仮結合した斜め連結タイプの連結打ち込み具は、装填方向に表裏反転させると、装填方向先端縁(打ち込み具の軸方向)が、打ち込み方向に一致する正しい装填向きと、打ち込み方向に一致しない誤った装填向きになる。このため、正しい装填向きと誤った装填向きとでは、装填方向先端縁の装填方向に対する傾斜角度の相違が発生する。第2の発明は、この傾斜角度の相違に着目して装填規制部材の案内部と規制部を配置する構成としたもので、連結打ち込み具をマガジンに装填しようとする装填動作の開始時に、正しい装填向きであれば、連結打ち込み具の装填方向先端部が装填規制部材の規制部よりも案内部に先に係合して規制部材が規制位置から退避位置に退避されることにより当該連結打ち込み具の装填が許容され、誤った装填向きであれば、連結打ち込み具の装填方向先端部が装填規制部材の案内部よりも規制位置に位置する規制部材に先に係合する結果、当該連結打ち込み具の装填が規制されて当該誤った装填姿勢での装填が回避されるようになっている。
第3の発明は、第2の発明において、装填規制部材は、案内部と規制部を一体に備えた打ち込み工具である。第3の発明によれば、案内部と規制部を単一部品化して当該装填規制部材の簡略化を図ることができる。
第4の発明は、第3の発明において、マガジンは、装填した連結打ち込み具の反送り方向への後退を規制するストッパ部材を備えており、このストッパ部材に装填規制部材を一体に備えた打ち込み工具である。第4の発明によれば、既存のストッパ部材に装填規制部材を単一部品化でき、これにより部品点数の削減及び組み付け性の向上を図ることができる。
ノーズ部4は、工具本体2の先端部(下端部)から下方(打ち込み方向)に延びる状態に取り付けられている。このノーズ部4の内周側をドライバ7が往復動可能に挿通されている。このノーズ部4内にマガジン10から1本ずつ打ち込み具nが供給される。
マガジン10は、ノーズ部4とハンドル部3の先端部間に跨った状態に装備されている。マガジン10は、図1中白抜き矢印Hで示す打ち込み具nの打ち込み方向に対してその後部の装填口11側(図1において右端部側)を上方へ変位させる方向に傾いた姿勢で装備されている。このため、このマガジン10に装填される連結打ち込み具Nは、多数本の打ち込み具n〜nを、送り方向後ろ側ほど頭部naが高くなるようにその軸方向njに少しずつずらせて相互に仮結合した斜め連結タイプの連結打ち込み具が対象とされる。従って、マガジン10に装填した連結打ち込み具Nの送り方向Sは打ち込み方向Hに対して直交する位置からその送り方向後ろ側を上方へ変位させる方向に傾斜した方向となっている。また、本実施形態では、装填口11に対する連結打ち込み具Nの装填方向はその送り方向Sに一致している。
打ち込み具収容スペース13には、装填した連結打ち込み具Nを打ち込み具送り方向Sに押すプッシャ12が備えられている。このプッシャ12は、打ち込み具収容スペース13に沿ってスライド可能に支持されており、図示省略したリーフスプリングによって打ち込み具送り方向Sに付勢されている。このプッシャ12には、装填した連結打ち込み具Nの後端部に係合してこの連結打ち込み具Nを打ち込み具送り方向に押すための送り爪を備えている。このプッシャ12によって、装填された連結打ち込み具Nが送り方向Sに打ち込み具1本分に相当する間隔でピッチ送りされて、ノーズ部4に打ち込み具nが1本ずつ供給される。
打ち込み具収容スペース13の送り方向後ろ側であって装填口11の近傍には、装填した連結打ち込み具Nの反送り方向(打ち込み具送り方向Sとは反対方向)への後退を規制するストッパ部材14が取り付けられている。このストッパ部材14は、その後部に設けたベース部14aを固定ねじ15で当該収容スペース13の底部に固定して、送り方向前側斜め上方に延びる状態に設けられている。
このストッパ部材14によって、連結打ち込み具Nの装填時における便宜が図られる。装填口11を経て収容スペース13内に連結打ち込み具Nを挿入する際には、ストッパ部材14が連結打ち込み具Nにより下方へ押されて退避することにより、当該連結打ち込み具Nの収容スペース13内への挿入が許容される。連結打ち込み具Nをストッパ部材14の上側を通過させてその送り方向前側へセットし、その後プッシャ12を後退させて連結打ち込み具Nの送り方向後ろ側へ移動させる際に、この連結打ち込み具Nの後退がストッパ部材14で規制されることから、使用者が連結打ち込み具Nを手で押え付ける等の手間を掛けることなく、プッシャ12を連結打ち込み具Nの送り方向後ろ側に入れ替えて当該連結打ち込み具Nの装填作業を簡単に行うことができる。
図1に示すようにマガジン10の装填口11付近には、装填規制部材20が取り付けられている。本実施形態では、ストッパ部材14のベース部14aにこの装填規制部材20が一体に設けられている。ストッパ部材14と装填規制部材20は、ばね性を有する薄板鋼板を素材として一体に形成されている。図9には、このストッパ部材14と装填規制部20の立体的形状が分かり易く示されている。
装填規制部材20は、ベース部14aの後部から反送り方向(打ち込み具送り方向Sの反対方向、以下後ろ側若しくは後部とも言う)に延びている。この装填規制部材20は、ベース14aの後部から反送り方向へ斜め上方に延びるアーム部21を備えている。このアーム部21の後部には、その幅方向(打ち込み具送り方向Sに直交する方向)により広い幅広の幅広部21aが形成されている。この幅広部21aの後部の図において手前側ほぼ半分の範囲からさらに反送り方向へ斜め下方に延びる案内部22が設けられている。幅広部21aの図において奥側のほぼ半分の範囲の後端部が規制部23とされている。
図4に示すように幅広部21aの収容スペース13内での高さ位置は、装填される連結打ち込み具Nよりも高い位置(上側)となるように設定されている。このため、連結打ち込み具Nに対して案内部22はその上面側から下面側に延びており、規制部23は上面側に位置している。
これに対して、図10に示すように誤った装填向きの連結打ち込み具Nでは、送り方向Sに対して各頭部na側を各先端部nb側よりも前側に変位させた向きとなる。このため、図7に示すように誤った装填向きで連結打ち込み具nを装填口11に挿入すると、各頭部na側が各先端部nb側に先行して収容スペース13内を移動する結果、当該連結打ち込み具Nの送り方向先端部が案内部22の上面側に当接するよりも先に規制部23の下側に入り込む。連結打ち込み具Nの送り方向先端部が規制部23の下側に入り込むと、当該連結打ち込み具Nの送り方向先端部は、規制部23の下面側から案内部22の上面側に至って食い込んだ状態となり、その結果装填規制部材20は下方へ押し下げられないため、当該誤った装填姿勢の連結打ち込み具Nをそれ以上収容スペース13内に挿入することができず、従ってその装填が規制された状態となる。
装填が規制された誤った装填姿勢の連結打ち込み具Nは、一旦収容スペース13から抜き出して送り方向前後に反転させれば図6及び図9に示す正しい装填姿勢に変更することができる。正しい装填姿勢では前記したように装填規制部材20の上側を通過させて連結打ち込み具Nを収容スペース13内に装填することができる。
これに対して、打ち込み具nの軸方向njが打ち込み方向Hに一致しない誤った装填向きで連結打ち込み具Nをマガジン10に装填しようとすると、当該誤った装填向きの連結打ち込み具Nが装填規制部材20の規制部23に案内部22よりも先に係合するため、この誤った装填向きでの連結打ち込み具Nをマガジン10に装填すること規制される。
このように、斜め連結タイプの連結打ち込み具Nは、装填方向Sに表裏反転させると、装填方向先端縁(打ち込み具nの軸方向nj)が、打ち込み方向Hに一致する正しい装填向きと、打ち込み方向Hに一致しない誤った装填向きになる。このため、正しい装填向きと誤った装填向きとでは、装填方向先端縁の装填方向Sに対する傾斜角度の相違が発生する。本実施形態では、この傾斜角度の相違に着目して装填規制部材20の案内部22と規制部23を配置する構成としたもので、連結打ち込み具Nをマガジン10に装填しようとする装填動作の開始時に、正しい装填向きであれば、連結打ち込み具Nの装填方向先端部が装填規制部材20の規制部23よりも案内部22に先に係合して規制部23が規制位置から退避位置に退避されることにより当該連結打ち込み具Nの装填が許容され、誤った装填向きであれば、連結打ち込み具Nの装填方向先端部が装填規制部材20の案内部22よりも規制位置に位置する規制部23に先に係合する結果、当該連結打ち込み具Nの装填が規制されて当該誤った装填姿勢での装填が回避されるようになっている。
このように、斜め連結タイプの連結打ち込み具Nの誤った向きでの装填が装填規制部材20の規制部23によって規制されるため、図6に示すように当該連結打ち込み具Nの装填が確実に正しい装填向きでなされる。このことから、ノーズ部4の打ち込み案内通路内での打ち込み具nの詰まり等の打ち込み不良を未然に防止し、当該打ち込み工具1の動作不良を未然に回避することができる。
また、例示した実施形態では、装填規制部材20は、案内部22と規制部23を一体に備えた構成であり、しかも装填した連結打ち込み具Nの反送り方向への後退を規制するストッパ部材14に一体に設けられている。このため、既存のストッパ部材14に装填規制部材20を単一部品化でき、これにより部品点数の増加を招くことがなく、また組み付け性の低下を招くことがない。
また、装填規制部材20について、アーム部21の後部により幅広の幅広部21aを設ける構成を例示したが、ベース部14aの後部から幅広の幅広部を後方へ延びる状態に設ける構成としてもよい。
さらに、多数本の打ち込み具n〜nが相互に直接仮結合された連結打ち込み具Nを例示したが、本発明は、樹脂シート材を介して連結したプラスチック連結タイプ、紙材を介して連結した紙連結タイプあるいはワイヤを介して連結したワイヤ連結タイプの連結打ち込み具であって、多数本の打ち込み具がこれら連結部材を介して送り方向に一定の間隔をおいてかつ軸方向にずれた状態で仮結合された斜め連結タイプの連結打ち込み具についても同様に適用することができる。
n…打ち込み具、na…頭部、nb…先端部
nj…打ち込み具の軸方向
H…打ち込み具の打ち込み方向、S…連結打ち込み具の送り方向
1…打ち込み工具
2…工具本体
3…ハンドル部、3a…エアホース接続用のプラグ
4…ノーズ部
5…スイッチレバー
6…ピストン
10…マガジン
11…装填口
12…プッシャ
13…打ち込み具収容スペース
14…ストッパ部材、14a…ベース部
15…固定ねじ
20…装填規制部材
21…アーム部、21a…幅広部
22…案内部
23…規制部
Claims (3)
- 複数本の打ち込み具を相互にその軸方向にずらせて並列に仮結合した斜め連結タイプの連結打ち込み具を装填するマガジンを備えた打ち込み工具であって、
前記マガジンは、装填する連結打ち込み具の装填向きについて、打ち込み具の軸方向が打ち込み方向に一致した正しい装填向きであれば装填を許容し、該正しい装填向きとは送り方向前後に反転させた装填向きであって、打ち込み具の軸方向が打ち込み方向に一致しない誤った装填向きであれば装填を規制する装填規制部材を備えており、
前記装填規制部材は案内部と規制部を備えており、前記マガジンに装填される連結打ち込み具の装填向きが前記正しい装填向きであれば、該正しい装填向きの連結打ち込み具がその装填動作により前記規制部よりも前記案内部に先に係合することにより前記規制部が規制位置から退避して該正しい装填向きでの装填動作が許容される一方、前記マガジンに装填される連結打ち込み具の装填向きが前記誤った装填向きであれば、該誤った装填向きの連結打ち込み具がその装填動作により前記案内部よりも前記規制部に先に係合して該誤った装填向きでの装填動作が規制される構成とした打ち込み工具。 - 請求項1記載の打ち込み工具であって、前記装填規制部材は、前記案内部と前記規制部を一体に備えた打ち込み工具。
- 請求項2記載の打ち込み工具であって、前記マガジンは、装填した連結打ち込み具の反送り方向への後退を規制するストッパ部材を備えており、該ストッパ部材に前記装填規制部材を一体に備えた打ち込み工具。
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