JP5138415B2 - 打ち込み工具 - Google Patents
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Description
この種の打ち込み工具では適応する打ち込み具として、直線状(ピン形)のものやステープルと称されるU字形(コ字形)をなすものが対象となる。通常、この打ち込み具は線径が細い(例えば、1.5mm以下)ため打ち込み時に曲がりやすく、その結果打ち損じを発生しやすい。打ち損じが発生すると打ち込み通路内で打ち込み具が詰まってしまういわゆるジャミングを発生しやすい。
ところが、下記の特許文献1に開示されているように、ドライバガイドの射出口周辺が一体で構成されている場合には、ジャミングが発生した場合にこれを取り除く作業が極めて面倒になる。この問題を解消するための技術が例えば下記の特許文献2,3に開示されている。これらの改良技術によれば、ドライバガイドの射出口周辺をベースプレートにカバープレートを重ね合わせて、両プレート間に打ち込み通路を設けることにより、ジャミングが発生した場合には、カバープレートを取り外して打ち込み通路を露出させることによりその取り除き作業を簡単に行えることができる。
本発明は、係る従来の問題を解消するためになされたもので、従来通りジャミングに対して手間を掛けることなく迅速に対応できるとともに、射出口付近における打ち込み具の打ち込み姿勢の安定化を図ることを目的とする。
第1の発明は、工具本体のドライバガイドの打ち込み通路内に供給した打ち込み具を打ち込み具打撃用のドライバで打撃して射出口から打ち出す打ち込み工具であって、前記ドライバガイドはベースプレートとカバープレートが相互に重ね合わせ状態で固定されて構成され、該両プレート間に前記打ち込み通路が形成され、かつ当該ドライバガイドの先端にさね打ち用の案内面が形成されており、前記打ち込み具の供給位置よりも前記射出口側で前記カバープレートを前記ベースプレートに対して固定ボルトで取り外し可能に固定したことを特徴とする。
第1の発明によれば、打ち込み具の供給位置よりも射出口側であって、当該射出口の近傍においてベースプレートとカバープレートが固定ボルトで相互に重ね合わせ状態で固定されているため、当該射出口近傍においてベースプレートとカバープレートが強固に固定されている。このため、打ち込み具の打撃に伴う衝撃によって両プレートが相対変位して打ち込み通路が広がってしまうことがなく、これにより打ち込み具の打ち込み姿勢を安定化して打ち損じをなくすことができる。また、固定ボルトを緩めてベースプレートからカバープレートを取り外せば、従来通り射出口付近において打ち込み通路を露出(開放)することができ、これにより詰まった打ち込み具を手間を掛けることなく簡単に除去することができる(ジャミング対策)。
第2の発明は、第1の発明において、前記ドライバガイドの先端に平打ち用のアダプタを装着可能なことを特徴とする。
第2の発明によれば、例えば壁際において床材に45°斜め方向に打ち込み具を打ち込む、いわゆる「さね打ち」を行う場合にはドライバガイドの先端からアダプタを取り外し、通常の平打ち(例えば床材に対して直角に打ち込み具を打ち込む作業)を行う場合には、ドライバガイドの先端にアダプタを装着することにより、2種類の作業形態に対応することができ、この点で当該打ち込み具の汎用性を高めることができる。
ハンドル部21は、工具本体20の側部から側方へ突き出す状態に設けられている。このハンドル部21の先端に圧縮エア供給用のホース接続口26が設けられている。ハンドル部21の基部には、使用者が指先で引き操作するトリガ形式のスイッチレバー27が設けられている。このスイッチレバー27の操作によりトリガバルブ28がオンオフ作動し、これにより工具本体20側への給排気がなされてピストン23がシリンダ29内を図示上下に往復動する。ピストン23が上下に往復動することにより、ドライバ24が打ち込み通路31内を上下に往復動する。ドライバ24が打ち込み通路31内を下動する過程で、マガジン22から打ち込み通路31内に供給された1本の打ち込み具1(図5及び図6参照)が打撃されて打ち出される。
マガジン22は、ドライバガイド30とハンドル部21の先端部間に跨った状態に支持されている。このマガジン22には、U字形(コ字形)をなす多数の打ち込み具1〜1を並列に接着連結された連結打ち込み具(図では省略されている。)が収容される。収容した連結打ち込み具は、図示省略したばね付勢力によってドライバガイド30側に(図3において右から左に向けて)送られる。
図5及び図6に示すように、本実施形態の打ち込み工具10で用いることができる打ち込み具1は、頭部1aと、その両側から同じ方向にほぼ平行に延びる左右の脚部1b,1cを有するU字形の打ち込み具(いわゆるステープル)となっている。
本実施形態に係る打ち込み工具10は、ドライバガイド30について特徴を有するものであり、工具本体20、ハンドル部21及びマガジン22の基本的な構成については従来と同様で足り、特に変更を要するものではないので詳細な説明を省略する。
このベースプレート32に対してカバープレート33がその板厚方向に重ね合わせられた状態で取り付けられている。相互に重ね合わされたベースプレート32とカバープレート33との間に打ち込み通路31が形成されている。カバープレート33は、2本の固定ボルト34,34によってベースプレート32に取り外し可能な状態で固定されている。両固定ボルト34,34は、打ち込み通路31内に供給された打ち込み具1であってマガジン22に装填可能な最も長い打ち込み具よりも下方(射出口40側)においてベースプレート32側に締め込まれている。図4及び図5には、装填可能な最も長い打ち込み具の長さが寸法Lで示されている。図4及び図5では、左右の脚部1b,1cが寸法Lよりも短い打ち込み具1が例示されている。両固定ボルト34,34は、図中の最大長さL寸法の下限よりも下側において締め込まれている。
なお、本例では両固定ボルト34,34がベースプレート32側に締め込まれる構成を例示したが、逆にカバープレート側に締め込んで当該両プレート32,33を相互に重ね合わせ状態で固定する構成としてもよい。
このように、ベースプレート32に対してカバープレート33が固定ボルト34,34によって固定されていることから、両固定ボルト34,34を緩めて外せば、カバープレート34をベースプレート32から分離することができ、これにより打ち込み通路31を露出させることができる。このため、射出口40の手前で打ち込み通路31内に詰まった打ち込み具1の除去作業を簡単に行うことができる(いわゆるジャミング対策)。この点、例えば特許文献1に開示されているようにドライバガイドの特に射出口付近について打ち込み通路を露出できない一体構成とした場合には、打ち込み具の詰まりが発生した場合にこれを取り除く作業が極めて面倒になる問題があった。
この点、上記したように本実施形態では射出口40の近傍において、固定ボルト34,34によりベースプレート32とカバープレート33が結合されているため、射出口40における両プレート32,33の分離方向の開きを確実に防止することができ、ひいては打ち込み具1の姿勢を安定させて上記スキップオフを未然に回避して確実な打ち込みを実現することができる。この点で、本実施形態では、ドライバガイド30の射出口40付近をベースプレート32とカバープレート33の分離可能な重ね合わせ構造としたことにより新たな不具合が発生することがないようになっている。
一方、図1に示すように射出口40には、平打ち用の樹脂製アダプタ41を装着することにより、ドライバガイド30の先端部(射出口)を尖っていない平坦面にして通常の平打ち(例えば床材に打ち込み具を直角に打ち込む作業)に対応させることができる。このアダプタ41は、素材の弾性を利用して射出口40に取り付けられ、逆に取り外すことができる。射出口40から取り外したアダプタ41は、図3において二点鎖線で示すようにマガジン22の後部に設けた保持台座部42に保管しておくことができる。この保持台座部42に保管しておくことによりアダプタ41を紛失する心配がなく、必要時にはすぐに利用することができる。また、保持台座部42がマガジン22の後部であってハンドル部21側の端縁に配置されていることから、当該打ち込み工具1の使用時に邪魔にならない状態でアダプタ41を保管しておくことができる。
前記したようにベースプレート32は、工具本体20側の台座ベース20aに対して一定の範囲で打ち込み方向に沿って上下動可能に支持されている。このため、ベースプレート32に固定されたカバープレート33も、工具本体20に対して一定の範囲で上下動可能に設けられている。このベースプレート32とカバープレート33で構成されるドライバガイド30の先端側(射出口40側)が工具本体20に対して一定の範囲で上下動可能に支持された可動射出口を構成している。この可動射出口は、図示省略したばねによって下向きに付勢されている。この可動射出口は、図示省略したレバーを介して前記スイッチレバー27に連係されている。
打ち込み作業時において、工具本体20を打ち込み材に向けて押し付けることにより可動射出口を相対的に上動させると、スイッチレバー27の引き操作が有効になって打ち込み動作がなされる。これに対して、工具本体20を打ち込み材から持ち上げると、可動射出口がばね付勢力により相対的に下動し、この状態ではスイッチレバー27の引き操作が無効となって工具本体20が作動せず、従って打ち込み動作がなされないようになっている。
しかも、打ち込み具1の供給位置よりも下方(射出口40側)において、ベースプレート32とカバープレート33が固定ボルト34,34で結合されているため、当該打ち込み具1が打撃されて下動することによる衝撃に対して十分な強度を有している。このため、打ち込み動作時の衝撃等によってベースプレート32とカバープレート33が相互に変位して打ち込み通路31が広がってしまうことがなく、これによりいわゆるスキップオフ等を回避して打ち込み具1を安定した姿勢で確実に打ち込むことができる。
このように、本実施形態の打ち込み工具10によれば、従来のジャミング対策を満足しつつ、射出口40の強度(耐衝撃性)を高めて打ち込み具1の打ち込み姿勢の安定化を図ることができ、これにより打ち込み不良を低減することができる。
さらに、相互に一体化されたベースプレート32とカバープレート33が工具本体20に対して上下に移動可能に支持されて可動射出口を構成し、当該可動射出口によりスイッチレバー27の操作の有効、無効を判定する構成を例示したが、係る機能を省略してもよい。省略する場合には、ベースプレートとカバープレートを共に工具本体20側に対して上下に移動不能に固定すれば足り、これによりドライバガイド周辺の構成の簡略化を図ることができる。
また、ドライバガイド30の先端部を約90°に尖った角形に形成して、いわゆるさね打ちに適した打ち込み工具10を例示したが、ドライバガイドの先端部を打ち込み方向に対して直交する平坦面に形成した通常の平打ち用の打ち込み工具についても同様に適用することができる。
さらに、打ち込み具1としていわゆるステープルを例示したが、直線状のピンを打ち込み具とする打ち込み工具(ピンタッカー)についても同様に適用することができる。
1…打ち込み具、1a…頭部、1b,1c…脚部
2…工具本体
3…ドライバ
4…ドライバガイド
5…打ち込み通路
10…打ち込み工具
20…工具本体、20a…台座ベース、20b…打ち込み具供給口
22…マガジン
23…ピストン
24…ドライバ
30…ドライバガイド
31…打ち込み通路
32…ベースプレート
33…カバープレート
40…射出口
41…平打ち用のアダプタ
42…保持台座部
Claims (3)
- 工具本体のドライバガイドの打ち込み通路内に供給した打ち込み具を打ち込み具打撃用のドライバで打撃して射出口から打ち出すステープル用の打ち込み工具であって、
前記ドライバガイドはベースプレートとカバープレートが相互に重ね合わせ状態で固定されて構成され、該両プレート間に前記打ち込み通路が形成され、かつ当該ドライバガイドの先端にさね打ち用の案内面が形成されており、前記打ち込み具の供給位置よりも前記射出口側で前記カバープレートを前記ベースプレートに対して固定ボルトで取り外し可能に固定され、前記案内面はベースプレートとカバープレートのそれぞれの下端に設けられている面であり、当該案内面は打ち込み方向に対して相互に反対側に45度に傾斜していることにより、ドライバガイドの先端部が90度の角度で尖った角形に形成されている打ち込み工具。 - 請求項1に記載の打ち込み工具であって、前記打ち込み通路はベースプレートに設けられた打ち込み方向に沿った凹部内に、カバープレートに設けられた打ち込み方向に沿った凸部を嵌め込むことによって打ち込み通路が形成される打ち込み工具。
- 請求項1又は2に記載の打ち込み工具であって、前記ドライバガイドの先端に平打ち用のアダプタを装着可能な打ち込み工具。
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