JP5701434B1 - 表示装置および表示方法 - Google Patents
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Abstract
Description
パララックスバリア方式では、パララックスバリアと呼ばれる遮光部と開口部が交互かつ所定の繰り返しピッチで並んだマスクを利用する。レンチキュラーレンズ方式では、微小なレンズが所定の繰り返しピッチで並んだレンズアレイを利用する。
また、上記の表示装置は、前記光源をさらに備えていても良い。
また、本発明の一実施形態に係る表示方法は、透明材料からなる表示パネルと、前記表示パネルの表面または内部に設けられたドット状の反射要素を構成要素とし、全体として特定の表示パターンを表示する要素群と、を備えた表示装置を用いて、前記要素群を、予め設定された複数の視点毎にそれぞれ設け、各視点について設けた前記要素群は、その視点に向けて視差を与えるための光学素子を介さずに光源からの光を反射し、その反射光によって前記要素群が表示する前記表示パターンは前記設定された視点で視認され、設定されない視点では視認されない。
観察者の右目と左目に対して視差を反映させた表示パターンを視認させた場合には、立体視を実現できる。また、要素群ごとに異なる方向に、異なる表示パターンの光を照射させる場合には、観察者と表示パネルとの相対的な位置関係が変わるにしたがって、異なる表示パターンを観察者に視認させることができる。
図1は、第1実施形態の表示装置1の概念図である。また、図2〜図6は、第1実施形態の表示装置1のより具体的な構成について説明する図である。以下に、図1〜図6を基に表示装置1の概略構成、及び具体的な構成について説明を行う。
この表示装置1は、光源4から入射した光を、表示パネル3の前面3a側の特定方向に反射させ、表示パネル3の前面3a側から観察する観察者(例えば観察者O)の両目に異なる画像を認識させることにより、特定の表示パターンの立体視を実現する装置である。
本実施形態において、表示パネル3の厚み方向を±Z方向とし、+Z方向から観察者Oが観察するものとする。また、観察者Oは、表示パネル3と対向して直立し、観察者Oにとって左右方向(各視点が並ぶ方向)が±X方向であるとし、上下方向(即ち、両視点同士を結ぶ直線と直交する方向)が±Y方向であるとする。
表示パネル3の厚さは、特に限定されるものではないが、光源4の大きさを包含する厚さとすることが好ましい。表示パネル3の厚さをこのように設定することで、端面3cに入射されない又は入射後に表面から抜け出る漏れ光を抑制できる。点光源として直径1mm〜2mmのLEDを用いる場合には、表示パネル3の厚さは2mm〜5mm程度とすることが好ましい。
各表示パターン10A〜10Vは、特定の角度の反射面を持った反射要素2A〜2Dにより、光Lを特定の視点方向に反射する。これにより、各々の表示パターン10A〜10Dは、それぞれ設定された視点E1〜E4の方向にのみ光を反射する。これによって、観察者Oは、立体表示パターン10Vを認識する。
このように、第1〜第4表示パターン10A〜10Dを構成することで、視差を利用して立体表示パターン10Vを観察者に認識させることができる。
光源4として、表示パネル3を平面視した際に放射状に広がる点状光源ではなく、平行に伝播する平行光源を使用しても同様の効果が得られる。
なお、図1及び図3以降においては、各表示パターンが形成する描画をわかりやすく示すことを優先させて投影させた状態を正確に表示したものではない。
光源4から照射された光Lは、端面3cから表示パネル3に入射する。この光Lは、表示パネル3の内部を通過して第1〜第4表示パターン10A〜10Dに達する。
第1〜第4表示パターン10A〜10Dは、光源4が配される端面3cに対して距離Dに形成されている。
図3(b)に示すように、第2表示パターン10Bには、多数の第2反射要素2Bが配置されている。同様に第3表示パターン10Cには、多数の第3反射要素2Cが配置されている。第2表示パターン10Bと第3表示パターン10Cとが重なりあう重複部10BCでは、第2反射要素2Bと第3反射要素2Cとが、互いに独立して形成されている。
このように、各表示パターンは、反射要素の集合(要素群)として構成されている。
設定されない視点から認識されると、異なる表示パターンが一つの視点で同時に認識されてしまうため望ましくない。
また、設定された視点からわずかにずれた視点から表示パターンが認識されないことも、表示パターンを認識できる視野範囲が限定されるので望ましくない。
従って一つの反射要素に入射する光Lの表示パネル3の厚さ方向(Z軸方向)と直交する成分(X軸成分、Y軸成分)は、その角度分布を一定の範囲にすることが望ましい。
より具体的には、一つの反射要素に入射する光Lの広がり角は、表示パネルの厚さ方向と直交する方向に1°以上10°以下となるようにすることが好ましい。
図4(a)に示すように、第1〜第4反射要素2A〜2Dは、表示パネル3の前面3aと対向する面である後面3bに形成された切欠(窪み)である。表示パネル3の後面3bには、第1〜第4反射要素2A〜2Dが複数形成されている。
表示パネル3の内部を通過する光Lは、前面3a、後面3bにおいて全反射を繰り返して反射面2Aaに達する。これは、ここでは代表的な点光源としてLEDを仮定しており、LED光は通常、一定の広がり角を有するためである。
このように、反射光LBは、一定の広がり角を持って表示パネル3の前面3a側に射出される。したがって、図4(a)に示す視点Eに位置する観察者が、Y軸方向に所定の範囲で移動した場合であっても反射光LBを認識できることになる。
これに対し、例えば図1において、点光源4が表示パネルの左右方向(+X方向又は−Y方向)に配置され、左右方から光が入射される構成の場合は、反射要素で反射された光は左右方向に広がりを持つことになる。したがって、一つの反射要素から反射された光が複数の視点で観察されることになり、望ましくない。
観察者Oの視点の並ぶ方向と直交する方向から表示パネル3に光を入射させることで、一つの反射要素から反射された光が複数の視点で観察されることがない。加えて、観察者Oが上下方向(Y軸方向)に所定の範囲で移動した場合であっても、特定の反射光LBを認識できる。したがって、観察者Oが表示パネル3に正対して立体表示パターン10Vを観察する場合、光源4から表示パネル3への入光方向は、下方向または上方向から入射することが望ましい。
図5(a)は、第2反射要素2Bの斜視図であり、以下主に第2反射要素2Bについて説明を行う。なお、なお、各反射要素2A〜2Dは同様の構成を有しており、第2反射要素2Bの説明は、各反射要素2A〜2Dを代表するものである。
なお、反射要素の反射面に入射する光は、厚み方向に前述のようにある角度分布を持つので、入射光を特定の方向に反射する第1角αBと第2角βBの組み合わせは1種類ではない。第1角αBを一定として第2角βBのみを調整することで所定の方向へ射出することができれば簡便であるので望ましい。あるいは反射面への入射光の強度等を勘案して決定してもよい。
第3反射要素2Cは、反射面2Caを有し、この反射面2Caが後面3bに対し第1角αCで傾斜している。また、第3反射要素2Cは、表示パネル3の厚み方向の軸(Z軸と平行な軸)を中心に回転させたように、X軸に対して第2角βCで傾いて配置されている。
図5(b)に示す第3反射要素2Cの第2角βCは、図5(a)に示す第2反射要素2Bの第2角βBと逆向きの角度である。第2、第3反射要素2B、2Cが、このようそれぞれ逆向きの第2角βB、βCを有する場合に、第3反射要素2Cからの反射光LCと、第2反射要素2Bからの反射光LBは、X軸方向に反対向きに射出される。
同様に、第2表示パターン(第2要素群)10Bの第2反射要素2Bは、表示パネル3に入射した光Lを前面3a側(+Z方向)であって、+X軸側に傾いた方向に反射光LBとして反射させる。反射光LBは、特定の視点である第2視点E2に向かって射出される。この反射光LBは、第1表示パターン10Aの反射光LAと比較して、+X軸側への傾きが少ない。
同様に、第4表示パターン(第4要素群)10Dの第4反射要素2Dは、表示パネル3に入射した光Lを前面3a側(+Z方向)であって、−X軸側に傾いた方向に反射光LDとして反射させる。反射光LDは、特定の視点である第4視点E4に向かって射出される。この反射光LDは、第3表示パターン10Cの反射光LCと比較して、−X軸側への傾きが少ない。
図1に示す第1〜第4視点E1〜E4は、表示パネル3の前面3a側に位置する観察者の右目または左目となる視点である。本実施形態において、第1視点E1は、表示パネル3の正面に向かって最も右側(+X側)に位置する視点であり、この第1視点E1から―X方向に第2視点E2、第3視点E3、第4視点E4が順に配置されている。
例えば、第2視点E2を左目、第3視点E3を右目として、表示パネル3の前面3a側から表示パネル3を観察する観察者Oを想定する(図1参照)。観察者Oは第2視点E2(左目)で第2表示パターン10Bを認識し、第3視点E3(右目)で第3表示パターン10Cを認識する。第2表示パターン10Bから左目(第2視点E2)に達する反射光LBと、第3表示パターン10Cから右目(第3視点E3)に達する反射光LCとの交差点Cは、表示パネル3から離れた高さHに設定されている。これによって、観察者は、両目の視差により、表示パネル3から高さHに浮き上がる立体表示パターン10Vを認識する。
図6は、表示パネル3を光源4側から見たときの原理的な模式図である。また、図6においては、第2表示パターン10Bと第3表示パターン10Cに係る反射要素のみを図示する。第2表示パターン10Bの複数の反射要素2Bとして、4つの第2反射要素2B1、2B2、2B3、2B4を示し、第3表示パターン10Cの複数の反射要素として、4つの第3反射要素2C1、2C2、2C3、2C4を示す。本実施形態において、反射要素はこれより多く形成されているが、ここでは各表示パターン10B、10Cに含まれる要素を4つであるとして説明する。また、第1、第4表示パターン10A、10Dの反射要素2A、2Dについては省略する。
同様に、第3反射要素2C1〜2C4は、反射光LC1、LC2、LC3、LC4を表示パネル3の前面3a側に射出する。第3反射要素2C1〜2C4の反射面2Caは、それぞれの反射光LC1〜LC4が、観察者Oの右目である第3視点E3に射出されるように、その角度(図5(b)の第2角βC)が設定されている。
各交差点C1、C2、C3、C4は、表示パネル3から高さHの平面上に配置されている。
表示装置1は、このようにして立体視を実現できる。
例えば、第1視点E1と第2視点E2を左目、右目とする観察者からも立体視が可能である。即ち、表示パネル3に対して右方、左方の様々な角度にいる観察者から立体視が可能である。
また、第1視点E1と第4視点E4を左目、右目とする観察者からも立体視が可能である。この場合は、図1の観察者Oよりも表示パネル3に近づいた位置にいる観察者を想定することになる。即ち、観察者が表示パネル3に対して近づいた場合、離れた場合などにも立体視が可能である。
図5(a)、(b)に示すように、光LはXY平面内での広がり角γを有している。広がり角γが大きいと、反射面2Baによって反射された反射光LBのX軸成分(X−Z平面内での広がり角)が大きくなる。反射光LBのX軸成分が大きくなりすぎると、第2反射要素2Bから反射された反射光LBの認識可能範囲が広くなる。これにより、反射光LBが両目から認識されることになり、視差を利用した立体表示を行うことができない。また、広がり角γが小さすぎると、反射光LBの射出範囲が狭くなる。これによって、反射光LBを認識できる領域が狭くなりすぎて、観察者の位置によって画像を観察できなくなってしまう。したがって、反射面2Baに入射する光LのXY平面内での広がり角γは、1°以上10°以下とすることが好ましく、1°以上6°以下とすることがより好ましい。
このような条件では、反射光LA〜LDのX軸成分でありX−Z平面内での広がり角は、6°以下とすることで、観察者の一方の目のみに反射光LA〜LDが認識されるように構成することができる。反射光LA〜LDの広がり角を6°以下とするために、図5(a)に示す、反射要素2A〜2Dの反射面2Aa〜2Daに入射する光のXY平面内での広がり角γ(図5(a)、(b)参照)は、6°以下とすることが好ましい。
図7(a)〜(e)に、第1実施形態に適用可能な例として、反射要素21、22、23、24、25、を示す。
このような曲面を反射面と使用した場合には、反射要素21、22を形成するための各方法の選択肢を広げることができる。
第1実施形態の表示装置1は、光源4として、LEDに代表される点光源を使用する。これにより、単一の反射要素の反射面に入射する光の角度分布(即ち広がり角γ)を狭めている。このような場合には、入光部近傍の両側端部付近に光が届かない領域が発生するので、そのような領域には表示パターンを配置することができない。
これに対して、XY平面内での成分を予め平行に近づけた光(具体的には、XY平面内での広がり角を1°以上10°以下、好ましくは6°以下の光)を、表示パネル3の端面3cの全域に入射させても良い。このような例について、第1実施形態の第1変形例、第2変形例として図8、図9を基に説明する。
シリンドリカルレンズ42は、扇形状に形成されている。シリンドリカルレンズ42の扇形曲線部であるレンズ面42aは、表示パネル3の端面3cと対向するように配置されている。また、シリンドリカルレンズ42は、レンズ面42aと反対側でありレンズ面42aの焦点側に平坦面42bが形成されている。光源4は、平坦面42bに対向する位置であって、レンズ面42aの焦点と一致するように配置されている。
加えて、光源4から照射された光Lをシリンドリカルレンズ42によって、表示パネル3の端面3cの全域に分布させて入射させることができる。したがって、表示パネル3の両側端部近傍に形成された表示パターンの表示要素にも確実に光Lを入射させることができる。
なお、図8に示す表示装置41は、シリンドリカルレンズ42が表示パネル3と別体として構成されているが、光Lを平行光とすることに支障のない範囲で、これらは部分的に連結されていても良い。
また、表示装置41において、シリンドリカルレンズ42は、単数に限らず複数を並べる構成であっても良い。
図9は、第2変形例の表示装置44である。この表示装置44は、点光源である光源5から照射された光Lを反射させて平行光とする反射体45を有している。
反射体45は、透明材料からなる。また、反射体45は、その外形に放物線形状が形成された板状部材である。反射体45の厚さは、表示パネル3と略同じ厚さである。反射体45は、放物線状の反射曲面45aと、この反射曲面45aの反対側に形成される平坦面45bを有している。反射曲面45aには、反射体45の内側から入射する光が反射するように鏡面が形成されている。
加えて、反射体45の平坦面45bから射出された光Lは、表示パネル3の端面3cのいかなる位置においても、同じ距離の隙間を通過して表示パネル3に入射する。したがって、光Lは光度分布を持ちにくい。即ち、各表示パターン10A〜10Dに同等の光度の光を照射することができる。これにより、各表示パターン10A〜10Dによって、光の光度を一定にして、より鮮明に立体表示パターン10Vを視認させることが可能になる。
なお、図9に示す表示装置44は、反射体45が表示パネル3と別体として構成されているが、反射体45を表示パネル3の一部とし、表示パネル3の一部に反射曲面45aを形成しても良い。
また、表示装置44において、反射体45は、単数に限らず複数を並べる構成であっても良い。
第1実施形態の表示装置1は、光源4を表示パネル3の端面3c側に配置して、点光源から照射した光Lを端面3cから表示パネル3に入射させている。
これに対して、光源4を表示パネルの前面又は後面側に配置し、光源4からの光Lを前面又は後面から表示パネルに入射させても良い。このような例について第3、第4変形例として図10、図11を基に説明する。
反射要素72には、反射面72aが形成されている。反射面72aは、反射要素72の光源4に対向する側の面に形成されている。この反射要素72は、光を表示パネル73の前面73a側に反射するように鏡面が形成されている。
光源4から照射された光Lは、前面73aから表示パネル73に入射して、反射要素72の反射面72aに到達する。この光Lは、反射面72aによって反射されて、表示パネル73の前面73a側に射出される。さらに光Lは、表示パネル73の前面73a側の視点Eによって視認される。
各反射要素72の反射面72aは、光源4から表示パネル73に入射する方向(Y軸方向)に沿って、各々傾斜角(第1角α)が変えられていてもよい。各反射要素72の反射面72aは、光源4から入射した光を視点Eに向かって反射するように、第1角α(図示あり)と第2角β(図示を省略、図3(b)のβB、βCに相当)が各々調整される。
このような場合、反射要素72の反射面72aは常に全反射臨界角を外れるので、反射要素の反射面には鏡面処理を施す必要がある。
図11は、第1実施形態の第4変形例の表示装置81の断面模式図である。この表示装置81は、表示パネル83とその後面83b側に配置された光源4とを有している。表示パネル83の前面または後面または内部には、複数の反射要素82が形成されており、これらの反射要素82が複数の表示パターンを構成している。
反射要素82には、反射面82aが形成されている。反射面82aは、反射要素82の光源4に対向する側の面に形成されている。この反射要素82は、光を表示パネル83の前面83a側に反射するように鏡面が形成されている。
光源4から照射された光Lは、後面83bから表示パネル83に入射して、反射要素82の反射面82aに到達する。この光Lは、反射面82aによって反射されて、表示パネル83の前面83a側に射出される。さらに光Lは、表示パネル83の前面83a側の視点Eによって視認される。
各反射要素82の反射面82aは、光源4から表示パネル83に入射する方向(Y軸方向)に沿って、各々傾斜角(第1角α)が変えられていてもよい。各反射要素82の反射面82aは、光源4から入射した光を視点Eに向かって反射するように、第1角α(図示あり)と第2角β(図示を省略、図3(b)のβB、βCに相当)が各々調整される。
反射要素が、表示パネル83の後面に形成された窪みである場合には、反射要素82の反射面82aは常に全反射臨界角内であるので、反射面82aを鏡面処理する必要はない。
次に第2実施形態について説明する。
上述の第1実施形態においては、対応する反射要素同士の交差点は、表示パネル3の前面3aから一定の高さHに構成される。したがって、立体表示パターン10Vは、表示パネル3の前面3aから浮き上がって見えるものの、浮き上がった立体表示パターン10Vそのものは、平面的に視認される。
これに対し、対応する反射要素からの反射光の交差点を高さ方向にずらして配置してもよい。この場合には、立体表示パターンは、浮き上がって見えるのみならず、パターン自体が立体的に表現される。このような立体視を可能とする表示装置31について、第2実施形態として図12を基に説明する。
図12に示すように、表示装置31は、透明材料からなる表示パネル33と、この表示パネル33の端面33cから光を入射する点光源(光源)4とから概略構成されている。
この表示装置31は、光源4から入射した光を表示パネル33の前面33a側に反射させ表示パネル33の前面33a側から観察する観察者の左目(第1視点E1)、右目(第2視点E2)にそれぞれ入射させて、観察者Oに対して球(立体表示パターン、表示物)30Vを立体的に認識させる装置である。
第1表示パターン30Aは、表示パネル33から浮き上がった仮想的な球30Vに対して第1視点E1から表示パネル33の面上に描画された投影描画である。同様に第2表示パターン30Bは、球30Vに対して第2視点E2から表示パネル33の面上に描画された投影描画である。第1視点E1と第2視点E2をそれぞれ観察者の左目(第1視点E1)、右目(第2視点E2)から認識させることで、視差を利用して球30Vを認識させることができる。
第1表示パターン(第1要素群)30Aは、第1反射要素32Aが集合して構成されている。複数の第1反射要素32Aは、それぞれ光源4からの光Lを反射して、第1視点E1に入射させる。
同様に、第2表示パターン(第2要素群)30Bは、光Lを反射して第2視点E2に入射させる複数の第2反射要素32Bが集合して構成されている。
なお、第1反射要素32A及び第2反射要素32Bは、第1実施形態と同様に、表示パネル33の後面33bに形成されており、同様の形状を有している。
第1表示パターン30Aの反射要素32A1は、第1視点E1に向かって反射光LA1を射出する。第2表示パターン30Bの反射要素32B1は、第2視点E2に向かって反射光LB1を射出する。これら反射光LA1、LB1は、それぞれ他方の視点からは認識されない。したがって、観察者Oは、反射光LA1と反射光LB1との交差点C1に発光点があるかのように認識する。この交差点C1は、表示パネル33の前面33a側であって高さH1の位置に構成される。
反射要素32A2と反射要素32B2とからそれぞれ反射される反射光LA2、LB2は、表示パネル33の前面33a側であって、高さH2の位置で交差点C2を構成する。したがって、観察者Oは、高さH2の位置に発光点があるかのように認識する。
次に、2枚の表示パネルを有する第3実施形態の表示装置51について説明する。
図13は、第3実施形態の表示装置51の概念図である。上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
光源4Aと光源4Bとを交互に点灯させた場合には、所定のタイミングで切り替わる立体的な描画「A」と描画「B」とを表示することができる。このように、表示を切り替える手法によってアニメーションを表示させることもできる。
本実施形態においては、光源Aと光源Bとを異なる色の光を発する光源とすることで、2色の立体表現が可能となる。
さらに、第1、第2の表示パネル53、54に加え第3の表示パネルを用いて、それぞれに照射する光源の色を光の三原色である赤、緑、青としても良い。この場合は、第1、第2、第3の表示パネルで同じ描画(例えば描画「A」)を形成して、光源を切り替えることで、様々な色に発色する立体描画を表示させることができる。
次に第4実施形態について説明する。
図14は、第4実施形態の表示装置61の概念図である。上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図14に示すように、表示装置61は、透明材料からなる表示パネル63と、この表示パネル63の端面63cから光を入射する点光源(光源)4とから概略構成されている。
この表示装置61は、光源4から入射した光を表示パネル63の前面63a側に反射させ表示パネル63の前面63a側の互いに異なる方向に位置する第1観察者O1と第2観察者O2とに対して異なる表示パターン(それぞれ描画「A」、描画「B」)を視認させる装置である。
第1表示パターン60Aは、第1反射要素62Aの集合体(要素群)として、描画「A」を表示する。第1反射要素62Aは、光源4からの光Lを反射して、第1視点E1に入射させる。
第2表示パターン60Bは、第2反射要素62Bの集合体(要素群)として描画「B」を表示する。第2反射要素62Bは、光源4からの光Lを反射して、第2視点E2に入射させる。
第1、第2反射要素62A、62Bは、表示パネル63の後面63bに形成された切欠(窪み)であり、第1実施形態の各反射要素2A〜2Dと同様の形状を有する。
なお、第1反射要素62A及び第2反射要素62Bは、第1実施形態と同様に、表示パネル63の後面63bに形成されており、同様の形状を有している。
第1表示パターン60Aに含まれる複数の第1反射要素62Aの反射面62Aaと、第2表示パターン60Bに含まれる複数の第2反射要素62Bの反射面62Baとは、互いに異なった方向(第1観察者O1に向かう方向と、第2観察者O2に向かう方向)に反射光LA、LBを射出するように構成されている。
第1表示パターン60Aの第1反射要素62Aは、光源4からの光を反射し反射光LAを第1観察者O1に向けて射出する。複数の第1反射要素62Aの反射面62Aaは、第1観察者O1の右目E1R及び左目E1Lからそれぞれ視認される。また、この反射光LAの拡散は一定の範囲に収まっているため、反射光LAは第2観察者O2からは視認されない。
同様に、第2表示パターン60Bの反射要素は、光源4からの光を反射光LBとして第2観察者O2に視認される。また、この反射光LBは、第1観察者O1からは視認されない。
Claims (13)
- 透明材料からなる表示パネルと、
前記表示パネルの表面または内部に設けられたドット状の反射要素を構成要素とし、全体として特定の表示パターンを表示する要素群とを備え、
前記要素群を、予め設定された複数の視点毎にそれぞれ設け、各視点について設けた前記要素群は、その視点に向けて視差を与えるための光学素子を介さずに光源からの光を反射し、その反射光によって前記要素群が表示する前記表示パターンは前記設定された視点で視認され、設定されない視点では視認されない表示装置。 - 前記光源をさらに備える請求項1に記載の表示装置。
- 前記表示パネルが導光板であり、前記反射要素は導光板表面に設けられたドット状の窪みであり、導光板端面に前記光源が接続され、接続された前記光源は点状光源または平行光源である請求項2に記載の表示装置。
- 前記点状光源と導光板の間にシリンドリカルレンズまたは放物面鏡を配し、レンズまたは放物面鏡の焦点に前記点状光源が設置されることにより、前記点状光源から照射された光の前記表示パネルの厚さ方向と直交する成分を平行とする請求項3に記載の表示装置。
- 各視点について設けた前記要素群は、その視点から立体視される仮想的な特定の表示物を投影した前記表示パネル上の投影パターンを、前記表示パターンとして表示する請求項2から4の何れか一項に記載の表示装置。
- 前記光源が前記表示パネルに対し、前記設定された複数の視点が並ぶ方向に直交する方向から前記表示パネルに光を入射させる請求項5に記載の表示装置。
- 前記反射要素に入射する光の広がり角が、前記表示パネルの厚さ方向と直交する方向に1°以上10°以下である請求項3から6の何れか一項に記載の表示装置。
- 前記反射要素が、前記表示パネルの厚さ方向に沿った高さがhであり、厚さ方向に直交する幅がwであり、h/wが0.2以下である反射面を有する請求項3から7の何れか一項に記載の表示装置。
- 前記ドット状の反射要素の反射面が、平面、又は円筒面である請求項1から8の何れか一項に記載の表示装置。
- 前記光源が、前記表示パネルの前面側に配置され、前記光源からの光が前記表示パネルの前面から入射する請求項2に記載の表示装置。
- 前記光源が、前記表示パネルの後面側に配置され、前記光源からの光が前記表示パネルの後面から入射する請求項2に記載の表示装置。
- 前記表示パネルを複数備え、これらが互いに積層されている請求項1から11の何れか一項に記載の表示装置。
- 透明材料からなる表示パネルと、
前記表示パネルの表面または内部に設けられたドット状の反射要素を構成要素とし、全体として特定の表示パターンを表示する要素群と、を備えた表示装置を用いて、
前記要素群を、予め設定された複数の視点毎にそれぞれ設け、各視点について設けた前記要素群は、その視点に向けて視差を与えるための光学素子を介さずに光源からの光を反射し、その反射光によって前記要素群が表示する前記表示パターンは前記設定された視点で視認され、設定されない視点では視認されない、表示方法。
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