JP5699958B2 - ゲート駆動回路 - Google Patents

ゲート駆動回路 Download PDF

Info

Publication number
JP5699958B2
JP5699958B2 JP2012027140A JP2012027140A JP5699958B2 JP 5699958 B2 JP5699958 B2 JP 5699958B2 JP 2012027140 A JP2012027140 A JP 2012027140A JP 2012027140 A JP2012027140 A JP 2012027140A JP 5699958 B2 JP5699958 B2 JP 5699958B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transistor
turn
gate
driving
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012027140A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013165381A (ja
Inventor
貴生 山本
貴生 山本
久登 加藤
久登 加藤
陽介 近藤
陽介 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012027140A priority Critical patent/JP5699958B2/ja
Publication of JP2013165381A publication Critical patent/JP2013165381A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5699958B2 publication Critical patent/JP5699958B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Power Conversion In General (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)

Description

本発明は、誘導性負荷を駆動するための還流ダイオードを有する電圧駆動型の駆動用トランジスタのゲートを駆動するゲート駆動回路に関する。
例えばモータの巻線などの誘導性負荷を駆動する負荷駆動回路として、直流電源の出力端子間に互いに直列接続された(ブリッジ状に接続された)2つの電圧駆動型トランジスタ(例えばMOSトランジスタ)を備える構成がある。上記負荷駆動回路は、2つのMOSトランジスタを相補的にオンオフ動作(スイッチング動作)させることにより、それらの相互接続ノードに接続された誘導性負荷を駆動する。具体的には、一方のMOSトランジスタがオンされた状態では、そのMOSトランジスタを通じて誘導性負荷からの回生電流が流れる(同期整流状態)。また、他方のMOSトランジスタがオンされた状態では、そのMOSトランジスタを通じて直流電源から誘導性負荷に電力が供給される(負荷通電状態)。また、2つのMOSトランジスタの双方がオフされた状態では、一方のMOSトランジスタに並列接続された還流ダイオードを通じて、誘導性負荷からの回生電流が流れる(ダイオード還流状態)。
このような構成の負荷駆動回路においては、MOSトランジスタのスイッチング動作に伴って生じるスイッチングノイズを低減するための工夫が必要となる。そのようなスイッチングノイズを低減するため、RCスナバ回路などの対策回路を設けるという構成が広く採用されている。このような構成によれば、同期整流状態からダイオード還流状態を経て負荷通電状態に移行する際、つまり他方のMOSトランジスタがターンオンする際、還流ダイオードの逆回復時に発生する電流(リカバリ電流)と回路の寄生インダクタンスとの相互作用により生じる電圧変動ノイズ(リンギング)が抑制される。しかし、この場合、回路を構成する部品点数が増え、それに伴い、回路面積およびコストが増加するという問題が生じる。
一方、特許文献1には、ゲートの電荷を引き抜く際に抵抗値が比較的低い経路と、比較的高い経路とを切り替える技術が開示されている。このような技術によれば、ターンオフ後においてゲートが誤ってオンされることに伴って生じる電圧変動を抑制することができる。また、特許文献2には、還流ダイオードの逆回復時に、還流ダイオードに並列接続されているMOSトランジスタのゲート・ドレイン間にコンデンサを接続するとともに、ゲート・ソース間に抵抗を接続する技術が開示されている。このような技術によれば、還流ダイオードの逆回復時にMOSトランジスタがオンされ、リンギングが抑制される。
特許第3659222号公報 特許第3891090号公報
特許文献1に記載の技術は、電圧変動を検出するための電圧変動検出回路と、各経路を切り替えるための切替制御回路が必要になる。また、特許文献1に記載の技術は、他方のMOSトランジスタがターンオンする際に発生する電圧変動(リンギング)を抑制する効果は得られない。一方、特許文献2に記載の技術は、コンデンサを付加する必要があり、回路面積およびコストが増加するという問題を有する。また、特許文献2に記載の技術は、ゲート・ソース間に抵抗が接続された状態であるため、同期整流時にゲートに印加される電圧波形が鈍くなる。そのため、同期整流時におけるスイッチングの速度が低下し、その結果、同期整流の効率が低下してしまう。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、一方の駆動用トランジスタのターンオン時間が長くなることを抑制しつつ、他方の駆動用トランジスタがターンオンされる際における電圧変動ノイズを低減することができるゲート駆動回路を提供することにある。
請求項1に記載の手段によれば、還流ダイオードを有する電圧駆動型の駆動用トランジスタのゲートを駆動するゲート駆動回路である。その駆動対象とされる駆動用トランジスタは、直流電源の出力端子間に互いに直列接続されるとともに、相補的にオンオフ動作することにより、それらの相互接続ノードに接続される誘導性負荷を駆動する2つの駆動用トランジスタのうち、誘導性負荷からの回生電流を流す際にオンされる一方の駆動用トランジスタである。上記したように直流電源の出力端子間にブリッジ状に接続された2つの駆動用トランジスタにより誘導性負荷が駆動される際には、通常、次のような3つの状態が存在する。すなわち、一方の駆動用トランジスタがオンされた状態では、その駆動用トランジスタを通じて誘導性負荷からの回生電流が流れる(同期整流状態)。また、他方の駆動用トランジスタがオンされた状態では、その駆動用トランジスタを通じて直流電源から誘導性負荷に電力が供給される(負荷通電状態)。また、2つの駆動用トランジスタの双方がオフされた状態では、一方の駆動用トランジスタに並列接続された還流ダイオードを通じて誘導性負荷からの回生電流が流れる(ダイオード還流状態)。
ゲート駆動回路は、CMOS回路およびターンオフ用抵抗を備えている。CMOS回路は、外部から与えられる制御信号に基づいて一方の駆動用トランジスタをターンオンするオン電圧またはターンオフするオフ電圧を一方の駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間に与える。CMOS回路は、一方の駆動用トランジスタをターンオンするときにオンされるターンオン用トランジスタと、一方の駆動用トランジスタをターンオフするときにオンされるターンオフ用トランジスタとを備えている。ターンオフ用抵抗は、CMOS回路の出力ノードからターンオフ用トランジスタを経由して一方の駆動用トランジスタのソースまたはエミッタに至る通電経路に介在する。すなわち、ターンオフ用抵抗は、CMOS回路の出力ノードとターンオフ用トランジスタとの間、またはターンオフ用トランジスタと一方の駆動用トランジスタのソースまたはエミッタとの間に介在する。
上記構成のゲート駆動回路によれば、同期整流状態からダイオード還流状態を経て、他方の駆動用トランジスタがターンオンされる際に生じる電圧変動ノイズ(リンギング)が次のように抑制される。すなわち、一方の駆動用トランジスタがターンオフされる際、その駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間には、オン状態のターンオフ用トランジスタおよびターンオフ用抵抗を介してオフ電圧が与えられる。そのため、一方の駆動用トランジスタがオフしている期間、つまりダイオード還流状態および負荷通電状態においては、一方の駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間にターンオフ用抵抗が接続された状態になっている。
このような状態において、他方の駆動用トランジスタがターンオンされると、各駆動用トランジスタの相互接続ノードの電圧(一方の駆動用トランジスタのドレインまたはコレクタ電圧)が上昇する。それにより、一方の駆動用トランジスタのドレイン・ゲート間容量またはコレクタ・ゲート間容量を充電する充電電流が流れる。その充電電流は、ゲート・ソース間に接続された状態のターンオフ用抵抗に流れる。すると、ターンオフ用抵抗の端子間には、充電電流に応じた電圧が生じる。ターンオフ用抵抗の端子間電圧が一方の駆動用トランジスタのしきい値電圧を超えると、一方の駆動用トランジスタは、ゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間の電圧に応じたドレイン電流またはコレクタ電流が流れるオン状態になる。これにより、相互接続ノードの電圧が低下に転じる。
相互接続ノードの電圧が低下すると、上記充電電流が減少するため、ターンオフ用抵抗の端子間電圧が低下する。すると、一方の駆動用トランジスタのオン状態が浅くなる(流せるドレイン電流またはコレクタ電流が小さくなる)。あるいは、一方の駆動用トランジスタがオフ状態となる。これにより、相互接続ノードの電圧が上昇に転じる。相互接続ノードの電圧が上昇すると、前述の動作が再度行われる。つまり、他方の駆動用トランジスタがターンオンされる際、一方の駆動用トランジスタは、相互接続ノードの電圧変動をキャンセルするように動作する。これにより、相互接続ノードの電圧(一方の駆動用トランジスタのドレインまたはコレクタ電圧)の変動が抑制され、それに伴う電流サージも解消される。
また、上記構成のゲート駆動回路によれば、誘導性負荷からの回生電流を流すために一方の駆動用トランジスタがターンオンされる際、一方の駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間には、オン状態のターンオン用トランジスタを介してオン電圧が与えられる。従って、一方の駆動用トランジスタのターンオン時間は、ゲート抵抗が存在しない構成と同程度の時間となる。つまり、ゲート抵抗が存在しない構成と同様に、高速な同期整流を行うことができる。なお、CMOS回路は、従来と同様の制御信号が与えられることにより、上記したように一方の駆動用トランジスタを駆動する。
このように、本手段によれば、新たな構成としてターンオフ用抵抗を付加するだけで、従来と同様の制御方法を用いて、一方の駆動用トランジスタのターンオン時間が長くなることを抑制しつつ、他方の駆動用トランジスタがターンオンされる際における電圧変動ノイズ(リンギング)の発生を低減することができる。
また、ターンオフ用抵抗の抵抗値Roffは、次式により得られる値とされる。ただし、一方の駆動用トランジスタのしきい値電圧をVthとし、一方の駆動用トランジスタのドレイン・ゲート間またはコレクタ・ゲート間の静電容量をCとし、一方の駆動用トランジスタのスイッチング速度をdv/dtとする。
Roff>Vth/(C・(dv/dt))
ターンオフ用抵抗の抵抗値を上記式により得られる値に設定すれば、他方の駆動用トランジスタをターンオンする際、相互接続ノードの電圧上昇に伴って、一方の駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間電圧が、確実にしきい値電圧を超えることになる。従って、本手段によれば、前述したリンギング抑制の効果を良好に得ることが可能となる。
請求項2に記載の手段のように、一方の駆動用トランジスタが形成される半導体チップにゲート駆動回路を形成すれば、回路の小型化を実現することができる。また、このように、一方の駆動用トランジスタおよびゲート駆動回路を1チップ化すれば、各配線、特にCMOS回路の出力ノードから一方の駆動用トランジスタのゲートに至る配線(ゲート配線)を短くすることが可能となる。つまり、本手段によれば、ゲート配線のインダクタンス成分が小さくなり、その分だけ上述した電圧変動ノイズが抑えられるという効果が得られる。また、ゲート配線による電圧降下が小さくなるという効果も得られる。
上述したように半導体チップにゲート駆動回路を形成する場合、ターンオフ用抵抗としては、半導体チップ内に形成される拡散抵抗(請求項3に記載の手段に相当)、または、半導体チップ上に設けられる配線による抵抗(請求項4に記載の手段に相当)を採用することができる。
請求項5に記載の手段によれば、ターンオフ用抵抗の抵抗値を調整するターンオフ用抵抗値調整手段を備えている。このような構成によれば、例えば製造段階において、駆動対象となる駆動用トランジスタの特性などに応じてターンオフ用抵抗の抵抗値を調整することが可能となり、電圧変動ノイズを一層低減することが可能となる。
請求項6に記載の手段によれば、ターンオン用抵抗およびターンオン用抵抗値調整手段を備えている。ターンオン用抵抗は、CMOS回路の出力ノードから一方の駆動用トランジスタのゲートに至る通電経路に介在する。ターンオン用抵抗値調整手段は、ターンオン用抵抗の抵抗値を調整する。このような構成によれば、例えば製造段階において、駆動対象となる駆動用トランジスタの特性などに応じて駆動用トランジスタのスイッチング速度(ターンオン時間)を任意の値に設定することができる。これにより、例えば、同期整流時における効率の低下を抑制しつつ、スイッチング動作に伴い発生するスイッチングノイズを低減することが可能となる。
請求項7に記載の手段によれば、2つの駆動用トランジスタは、LDMOSトランジスタである。そして、ゲート駆動回路は、それらLDMOSトランジスタが形成される半導体チップに形成される。また、ゲート駆動回路とLDMOSトランジスタとの間は、トレンチ絶縁分離されている。このように、2つの駆動用トランジスタおよびゲート駆動回路を1チップ化することにより、回路の小型化を一層図ることができるとともに、請求項2に記載の手段と同様の効果が得られる。
請求項8に記載の手段によれば、2つの駆動用トランジスタは、IGBTである。そして、ゲート駆動回路は、それらIGBTが形成される半導体チップに形成される。また、ゲート駆動回路とIGBTとの間は、トレンチ絶縁分離されている。このように、2つの駆動用トランジスタおよびゲート駆動回路を1チップ化することにより、回路の小型化を一層図ることができるとともに、請求項2に記載の手段と同様の効果が得られる。
請求項9に記載の手段によれば、還流ダイオードを有する電圧駆動型の駆動用トランジスタのゲートを駆動するゲート駆動回路である。その駆動対象とされる駆動用トランジスタは、直流電源の出力端子間に互いに直列接続されるとともに、相補的にオンオフ動作することにより、それらの相互接続ノードに接続される誘導性負荷を駆動する2つの駆動用トランジスタのうち、誘導性負荷からの回生電流を流す際にオンされる一方の駆動用トランジスタである。ゲート駆動回路は、CMOS回路およびインダクタを備えている。CMOS回路は、外部から与えられる制御信号に基づいて一方の駆動用トランジスタをターンオンするオン電圧またはターンオフするオフ電圧を一方の駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間に与える。CMOS回路は、一方の駆動用トランジスタをターンオンするときにオンされるターンオン用トランジスタと、一方の駆動用トランジスタをターンオフするときにオンされるターンオフ用トランジスタとを備えている。インダクタは、ターンオフ用トランジスタから一方の駆動用トランジスタのソースまたはエミッタに至る通電経路に介在する。
上記構成のゲート駆動回路によれば、一方の駆動用トランジスタがターンオフされる際、その駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間には、オン状態のターンオフ用トランジスタおよびインダクタを介してオフ電圧が与えられる。そのため、一方の駆動用トランジスタがオフしている期間、つまりダイオード整流状態および負荷通電状態においては、一方の駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間にインダクタが接続された状態になっている。
また、上記構成のゲート駆動回路によれば、誘導性負荷からの回生電流を流すために一方の駆動用トランジスタがターンオンされる際、一方の駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間には、オン状態のターンオン用トランジスタを介してオン電圧が与えられる。なお、この際、一方の駆動用トランジスタのゲートとインダクタとの間は、オフ状態のターンオフ用トランジスタにより電気的に分離されている。従って、一方の駆動用トランジスタをターンオンする際に、インダクタの影響によるスイッチングノイズが生じることはない。
また、インダクタの値Lは、一方の駆動用トランジスタのしきい値電圧をVthとし、インダクタの充電電流の時間変化量をdi/dtとしたとき、L>Vth/(di/dt)により得られる範囲の値にすると良い。本手段によっても、請求項1に記載の手段と同様の作用および効果が得られる。
第1の実施形態を示すもので、負荷駆動回路の概略的な構成図 負荷駆動回路が形成される半導体チップの断面を示す図 一方の駆動用トランジスタを駆動するゲート駆動回路の断面を示す図 素子内におけるCMOS回路のレイアウトを示す図 負荷駆動回路の各動作状態を示す図 負荷通電状態に移行する際の各部の波形を示す図 比較例における図6相当図 負荷通電状態に移行する際の一方の駆動用トランジスタの電圧波形を示す図 比較例における図8相当図 第2の実施形態を示す図1相当図 第3の実施形態を示す図1相当図 第3の実施形態の変形例を示す図1相当図 第4の実施形態を示す図3相当図 第5の実施形態を示す図1相当図 図2相当図 ターンオフ用抵抗の変形例を示す図3相当図
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について図1〜図9を参照しながら説明する。
図1に示す負荷駆動回路1は、直流電源2からの電力を供給して例えばモータの巻線などの誘導性負荷3を駆動する。負荷駆動回路1は、2つの電圧駆動型の駆動用トランジスタT1、T2と、それらのゲートを駆動するゲート駆動回路4、5とを備えている。駆動用トランジスタT1、T2は、Nチャネル型のLDMOS(Laterally Diffused MOS)トランジスタである。駆動用トランジスタT1、T2は、それぞれ逆並列接続された還流ダイオードD1、D2を備えている。直流電源2の出力電圧VBは、例えば12Vとなっている。直流電源2の高電位側の出力端子は、電源線6に接続されている。直流電源2の低電位側の出力端子は、グランド線7に接続されている。
駆動用トランジスタT1、T2は、電源線6およびグランド線7の間に、ブリッジ状に接続されている。つまり、駆動用トランジスタT1、T2は、直流電源2の出力端子間に互いに直列接続されている。誘導性負荷3は、駆動用トランジスタT1、T2の相互接続ノードN1とグランド線7と間に接続されている。
ゲート駆動回路4は、ブートストラップ回路およびCMOS回路(いずれも図示せず)を含んで構成されている。ゲート駆動回路4は、負荷駆動回路1の外部に設けられる制御回路8から与えられる制御信号Saに基づいて、駆動用トランジスタT1(他方の駆動用トランジスタに相当)をターンオンするオン電圧(例えば20V)またはターンオフするオフ電圧(0V)を、駆動用トランジスタT1のゲート・ソース間に与える。
ゲート駆動回路5は、CMOS回路9およびターンオフ用抵抗R1を備えている。CMOS回路9は、ターンオン用トランジスタM1およびターンオフ用トランジスタM2を備えている。ターンオン用トランジスタM1はPチャネル型であり、ターンオフ用トランジスタM2はNチャネル型である。ターンオン用トランジスタM1およびターンオフ用トランジスタM2の共通のゲート、つまりCMOS回路9の入力ノードN2には、制御回路8から出力される制御信号Sbが与えられる。
ターンオン用トランジスタM1は、駆動用トランジスタT2をターンオンするときにオンされるものである。ターンオン用トランジスタM1は、制御信号SbがHレベル(12V)のときにオフし、Lレベル(0V)のときにオンする。ターンオフ用トランジスタM2は、駆動用トランジスタT2をターンオフするときにオンされるものである。ターンオフ用トランジスタM2は、制御信号SbがHレベルのときにオンし、Lレベルのときにオフする。ターンオン用トランジスタM1およびターンオフ用トランジスタM2の共通のドレイン、つまりCMOS回路9の出力ノードN3は、駆動用トランジスタT2のゲートに接続されている。
このような構成により、CMOS回路9は、制御回路8から与えられる制御信号Sbに基づいて、駆動用トランジスタT2(一方の駆動用トランジスタに相当)をターンオンするオン電圧(12V)またはターンオフするオフ電圧(0V)を、駆動用トランジスタT2のゲート・ソース間に与える。なお、制御回路8から出力される制御信号Sa、Sbは、通常のスイッチング制御において用いられるものと同等のものでよい。つまり、制御回路8は、従来のものと同じものを用いることができる。
一方、ターンオフ用抵抗R1は、ターンオフ用トランジスタM2のソースと、駆動用トランジスタT2のソース(グランド線7)との間に接続されている。つまり、ターンオフ用抵抗R1は、ターンオフ用トランジスタM2から駆動用トランジスタT2のソースに至る通電経路に介在している。ターンオフ用抵抗R1の抵抗値Roffは、下記(1)式により得られる範囲の値となっている。ただし、駆動用トランジスタT2のしきい値電圧をVthとし、駆動用トランジスタT2のドレイン・ゲート間に存在する寄生容量(ドレイン・ゲート間容量)の値をCとし、駆動用トランジスタT1、T2のスイッチング速度をdv/dtとする。
Roff>Vth/(C・(dv/dt)) …(1)
図2に示すように、負荷駆動回路1を構成する各回路は、同一の半導体チップ10に形成されている。つまり、負荷駆動回路1は、1チップのIC(半導体集積回路装置)により構成されている。このような構成において、駆動用トランジスタT1とゲート駆動回路4との間は、トレンチ絶縁分離されている。また、駆動用トランジスタT2とゲート駆動回路5との間は、トレンチ絶縁分離されている。
上記構成のうち、ゲート駆動回路5は、図3に示すような構成となっている。ターンオン用トランジスタM1のソースとなるP型の拡散層11は、電源線6に接続される。ターンオン用トランジスタM1のゲート電極12およびターンオフ用トランジスタM2のゲート電極13は、共通接続されるとともに、CMOS回路9の入力ノードN2とされる。ターンオン用トランジスタM1のドレインとなるP型の拡散層14およびターンオフ用トランジスタM2のドレインとなるN型の拡散層15は、共通接続されるとともに、CMOS回路9の出力ノードN3とされる。ターンオフ用トランジスタM2のソースとなる拡散層16は、グランド線7に接続される。つまり、ターンオフ用抵抗R1は、ターンオフ用トランジスタM2のソースとなる拡散層(反転層)の抵抗(拡散抵抗)である。従って、ターンオフ用抵抗R1の抵抗値は、拡散層16の長さ(ゲート電極13との接続部分からグランド線7との接続部分に至るまでの長さ)に応じた値に設定される。
素子内におけるCMOS回路9のレイアウトは、図4(a)または図4(b)に示すようになっている。すなわち、CMOS回路9は、アクティブ領域17の外(フィールド領域)に配置されている。また、CMOS回路9を構成するターンオン用トランジスタM1およびターンオフ用トランジスタM2は、互いのゲートを接続するためのゲート配線18を挟んで隣接するように配置されている。これにより、ゲート配線18を短くすることができ、CMOS回路9における耐ノイズ性能などが向上する。
次に、上記構成の負荷駆動回路1の動作について図5〜図9も参照しながら説明する。
負荷駆動回路1は、2つの駆動用トランジスタT1、T2を相補的にオンオフ動作(スイッチング動作)させることにより、誘導性負荷3を駆動する。この際、図5に示す3つの動作状態が存在する。なお、図5では、ゲート駆動回路4および制御回路8の図示を省略している。
<負荷通電状態>
図5(a)に示すように、負荷通電状態は、駆動用トランジスタT1がオンされるとともに、駆動用トランジスタT2がオフされた状態である。この状態では、オンされた駆動用トランジスタT1を通じて直流電源2から誘導性負荷3に電力が供給される。また、この状態では、ゲート駆動回路5においてターンオフ用トランジスタM2がオンになっている。
<ダイオード還流状態>
ダイオード還流状態は、駆動用トランジスタT1、T2の双方がオンになって貫通電流が流れてしまうことを防止することを目的として設けられるデッドタイムにおける動作状態である。図5(b)および(d)に示すように、ダイオード還流状態は、駆動用トランジスタT1、T2の双方がオフされた状態である。この状態では、駆動用トランジスタT2に並列接続された還流ダイオードD2を通じて誘導性負荷3からの回生電流が流れる。また、この状態では、ゲート駆動回路5においてターンオフ用トランジスタM2がオンになっている。
<同期整流状態>
図5(c)に示すように、同期整流状態は、駆動用トランジスタT1がオフされるとともに、駆動用トランジスタT2がオンされた状態である。この状態では、オンされた駆動用トランジスタT2を通じて誘導性負荷3からの回生電流が流れる。また、この状態では、ゲート駆動回路5においてターンオン用トランジスタM1がオンになっている。
負荷駆動回路1が「…負荷通電状態(図5(a))→ダイオード還流状態(図5(b))→同期整流状態(図5(c))→ダイオード還流状態(図5(d))→負荷通電状態(図5(a))…」というように各動作状態を遷移し、誘導性負荷3が駆動される。
さて、このような負荷駆動回路1によれば、同期整流状態(図5(c))からダイオード還流状態(図5(d))を経て、負荷通電状態(図5(a))に移行する際に生じる電圧変動ノイズ(リンギング)が次のように抑制される。すなわち、駆動用トランジスタT2がターンオフされる際、そのゲート・ソース間には、オン状態のターンオフ用トランジスタM2およびターンオフ用抵抗R1を介してオフ電圧が与えられる。そのため、駆動用トランジスタT2がオフしている期間、つまりダイオード還流状態(図5(b)および(d))および負荷通電状態(図5(a))においては、駆動用トランジスタT2のゲート・ソース間にターンオフ用抵抗R1が接続された状態になっている。
このような状態において、駆動用トランジスタT1がターンオンされると、相互接続ノードN1の電圧(駆動用トランジスタT2のドレイン電圧)が上昇する。それにより、駆動用トランジスタT2のドレイン・ゲート間容量を充電する充電電流I(=C・(dv/dt))が流れる。その充電電流Iは、ゲート・ソース間に接続された状態のターンオフ用抵抗R1に流れる。すると、ターンオフ用抵抗R1の端子間には、充電電流Iに応じた電圧が生じる。ターンオフ用抵抗R1の端子間電圧が駆動用トランジスタT2のしきい値電圧Vthを超えると、駆動用トランジスタT2はオン状態になる。このとき、駆動用トランジスタT2は、ゲート・ソース間の電圧に応じたドレイン電流を流すことができる状態になっている。
駆動用トランジスタT2のドレイン電流が流れることにより、相互接続ノードN1の電圧は低下に転じる。相互接続ノードN1の電圧が低下すると、充電電流Iが減少するため、ターンオフ用抵抗R1の端子間電圧が低下する。すると、駆動用トランジスタT2が流せるドレイン電流が減少する、つまり駆動用トランジスタT2のオン状態が浅くなる。あるいは、駆動用トランジスタT2がオフ状態に転じる。これにより、相互接続ノードN1の電圧が再び上昇に転じる。相互接続ノードN1の電圧が上昇すると、前述の動作が再度行われて、相互接続ノードN1の電圧が低下に転じる。つまり、駆動用トランジスタT1がターンオンされる際、駆動用トランジスタT2は、相互接続ノードN1の電圧変動をキャンセルする(小さくする)ように動作する。これにより、相互接続ノードN1、つまり誘導性負荷3の一方の端子の電圧の変動が抑制され、それに伴う電流サージも解消される。
図6は、ターンオフ用抵抗R1の抵抗値を(1)式により得られる値(例えば30Ωまたは50Ω)に設定した場合(本実施形態の構成)において、ダイオード整流状態から負荷通電状態へ移行する際の各部の波形を示すものである。一方、図7は、ターンオフ用抵抗R1の抵抗値を0Ωに設定した場合(比較例)を示す図6相当図である。図6および図7では、誘導性負荷3に流れる電流(駆動用トランジスタT2のドレイン電流)をILで示し、駆動用トランジスタT2のドレイン・ソース間電圧をVDSで示し、駆動用トランジスタT2のゲート・ソース間電圧をVGSで示している。図7に示すように、ターンオフ用抵抗R1の抵抗値が0Ωの場合、つまりターンオフ用抵抗R1が存在しない場合、つまり従来と同様の構成では、激しいリンギングが生じている。これに対し、図6に示すように、本実施形態の負荷駆動回路1では、リンギングの発生が抑えられていることが分かる。
図8および図9は、図6および図7のそれぞれに対し、ドレイン・ソース間電圧VDSおよびゲート・ソース間電圧VGSを詳しく示したものである。図9に示すように、従来と同様の構成では、ドレイン・ソース間電圧VDS(相互接続ノードN1の電圧)の変動にかかわらず、ゲート・ソース間電圧VGSは一定値(0V)となっている。そのため、ドレイン・ソース間電圧VDSが激しく変動している。これに対し、図8に示すように、本実施形態の負荷駆動回路1では、ドレイン・ソース間電圧VDSの変化に追従するようにゲート・ソース間電圧VGSが変化している。そのため、従来の構成に比べ、ドレイン・ソース間電圧VDSの変動が抑えられている。
また、本実施形態の負荷駆動回路1によれば、同期整流の速度は、ゲート抵抗(ターンオフ用抵抗R1)が存在しない従来の構成と同等の速度を維持することができる。その理由は次のとおりである。すなわち、誘導性負荷3からの回生電流を流すために駆動用トランジスタT2がターンオンされる際(同期整流状態に移行する際)、そのゲート・ソース間には、オン状態のターンオン用トランジスタM1を介してオン電圧が与えられる。従って、駆動用トランジスタT2のターンオン時間は、ゲート抵抗が存在しない構成と同程度の時間となる。つまり、負荷駆動回路1は、ゲート抵抗が存在しない従来の構成と同様に、高速な同期整流を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、新たな構成としてターンオフ用抵抗R1を付加するだけで、従来と同様の制御方法を用いて、駆動用トランジスタT2のターンオン時間が長くなることを抑制しつつ、駆動用トランジスタT1がターンオンされる際における電圧変動ノイズ(リンギング)の発生を低減することができる。
負荷駆動回路1を構成する各回路は、同一の半導体チップ10に形成されている。つまり、負荷駆動回路1は、1チップのICとして構成されるため、回路の小型化を実現することができる。また、各配線、特にCMOS回路9の出力ノードN3から駆動用トランジスタT2のゲートに至る配線(ゲート配線)を短くすることができる。そのため、ゲート配線のインダクタンス成分が小さくなり、その分だけ上述した電圧変動ノイズが抑えられるという効果も得られる。また、ゲート配線による抵抗成分が小さくなり、その分だけゲート駆動信号の電圧降下が抑えられるという効果も得られる。
ターンオフ用抵抗R1の抵抗値を上記(1)式により得られる範囲の値に設定した。これにより、駆動用トランジスタT1をターンオンする際、相互接続ノードN1の電圧上昇に伴って、駆動用トランジスタT2のゲート・ソース間電圧が、確実にしきい値電圧を超えることになる。そのため、前述したリンギング抑制の効果を良好に得ることが可能となる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図10を参照して説明する。
図10に示す本実施形態の負荷駆動回路21は、図1に示した第1の実施形態の負荷駆動回路1に対し、ゲート駆動回路5に代えてゲート駆動回路22を備えている点が異なっている。ゲート駆動回路22が備えるCMOS回路23は、図1に示したCMOS回路9に対し、PNが逆になっている。すなわち、ターンオン用トランジスタM21がPチャネル型であり、ターンオフ用トランジスタM22がNチャネル型である。
このような構成の負荷駆動回路21によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。さらに、同期整流状態に移行する際、Nチャネル型のターンオン用トランジスタM21により駆動用トランジスタT2がターンオンされることにより、同期整流のさらなる高効率化および高速化を図ることが可能となる。その理由としては、一般に、Pチャネル型のMOSトランジスタよりも、Nチャネル型のMOSトランジスタのほうが、オン抵抗などの各種特性が良好であるためである。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図11および図12を参照して説明する。
図1に示した第1の実施形態の負荷駆動回路1は、ロウサイド側の駆動用トランジスタT2により同期整流を行っていた。これに対し、図11に示す本実施形態の負荷駆動回路31は、ハイサイド側の駆動用トランジスタT1により同期整流を行う。そのため、本実施形態では、誘導性負荷3は、駆動用トランジスタT1および駆動用トランジスタT2の相互接続ノードN1と電源線6との間に接続されている。なお、本実施形態では、駆動用トランジスタT1が一方の駆動用トランジスタに相当し、駆動用トランジスタT2が他方の駆動用トランジスタに相当する。
ゲート駆動回路32は、ブートストラップ回路33、CMOS回路34およびターンオフ用抵抗R31を備えている。ブートストラップ回路33は、直流電源2の出力電圧(12V)よりも高い電圧(例えば20V)を出力する。CMOS回路34は、図1に示したCMOS回路9と同様の構成である。CMOS回路34の入力ノードN31には、制御回路8から出力される制御信号Saが与えられる。このような構成により、CMOS回路34は、制御回路8から与えられる制御信号Saに基づいて、駆動用トランジスタT1をターンオンするオン電圧(20V)またはターンオフするオフ電圧(0V)を、駆動用トランジスタT1のゲート・ソース間に与える。
ターンオフ用抵抗R31は、ターンオフ用トランジスタM2のソースと、駆動用トランジスタT1のソース(相互接続ノードN1)との間に接続されている。つまり、ターンオフ用抵抗R31は、ターンオフ用トランジスタM2から駆動用トランジスタT1のソースに至る通電経路に介在している。
ゲート駆動回路35は、CMOS回路(図示せず)を含んで構成されている。ゲート駆動回路35は、制御回路8から与えられる制御信号Sbに基づいて、駆動用トランジスタT2をターンオンするオン電圧(12V)またはターンオフするオフ電圧(0V)を、駆動用トランジスタT2のゲート・ソース間に与える。
なお、ハイサイド側の駆動用トランジスタとしてPチャネル型のものを用いることも考えられる。その場合、図12に示す負荷駆動回路36のように、ゲート駆動回路の構成を変更すればよい。すなわち、Pチャネル型の駆動用トランジスタT31(一方の駆動用トランジスタに相当)を駆動するゲート駆動回路37としては、ゲート駆動回路32の構成に対し、ブートストラップ回路33を省略することができる。また、CMOS回路34を構成する各トランジスタM1、M2の役割が反対になる。つまり、Pチャネル型のトランジスタM1がターンオフ用トランジスタとなり、Nチャネル型のトランジスタM2がターンオン用トランジスタとなる。
これに伴い、ターンオフ用抵抗R31の接続位置も変更される。すなわち、ターンオフ用抵抗R31は、ターンオフ用トランジスタであるトランジスタM1のソースと、駆動用トランジスタT31のソース(電源線6)との間に接続されている。つまり、この場合も、ターンオフ用抵抗R31は、ターンオフ用トランジスタ(トランジスタM1)から駆動用トランジスタT31のソースに至る通電経路に介在している。
このように、ハイサイド側の駆動用トランジスタT1またはT31により同期整流を行う構成であっても、負荷通電状態に移行する際におけるリンギングの発生を抑制するとともに、高速な同期整流を実行することが可能となる。つまり、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図13を参照して説明する。
図13に示すように、本実施形態のゲート駆動回路41は、図3に示した第1の実施形態のゲート駆動回路5に対し、ターンオフ用抵抗の構成が変更されている点が異なっている。図13に示すターンオフ用抵抗R41は、ターンオフ用抵抗R1と同様に、ターンオフ用トランジスタM2のソースとなる拡散層16により構成されている。ただし、ターンオフ用抵抗R41が構成される拡散層16には、複数の金属製のコンタクトCn1〜Cn10が設けられている。
コンタクトCn1〜Cn10のうち、いずれか1つがグランド線7に接続される。つまり、ターンオフ用抵抗R41の抵抗値は、グランド線7に接続されるコンタクトの位置に応じた値に設定(調整)される。具体的には、ゲート電極13に近いコンタクトに接続されるほど抵抗値が低く設定され、ゲート電極から遠いコンタクトに接続されるほど抵抗値が高く設定される。このように、コンタクトCn1〜Cn10は、ターンオフ用抵抗R41の抵抗値を調整するターンオフ用抵抗値調整手段に相当する。
このような構成によれば、例えば製造段階において、駆動対象となる駆動用トランジスタの特性などに応じてターンオフ用抵抗R41の抵抗値を調整することが可能となり、電圧変動ノイズを一層低減することが可能となる。しかも、コンタクトの接続位置を変更するだけで、上記抵抗値の調整を実施することができるため、製造工程を簡単化することができるという効果も得られる。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図14および図15を参照して説明する。
図14に示す本実施形態の負荷駆動回路51は、図1に示した第1の実施形態の負荷駆動回路1に対し、駆動用トランジスタの種類が変更されている点が異なる。駆動用トランジスタT51、T52は、Nチャネル型のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。駆動用トランジスタT51、T52(電圧駆動型の駆動用トランジスタに相当)は、それぞれ逆並列接続された還流ダイオードD51、D52を備えている。
図15に示すように、負荷駆動回路51を構成する各回路は、同一の半導体チップ52に形成されている。つまり、負荷駆動回路51は、1チップのIC(半導体集積回路装置)により構成されている。なお、駆動用トランジスタT51、T52は、横型のIGBT(Lateral-IGBT)である。このような構成において、駆動用トランジスタT51とゲート駆動回路4との間は、トレンチ絶縁分離されている。また、駆動用トランジスタT52とゲート駆動回路5との間は、トレンチ絶縁分離されている。
IGBTを駆動用トランジスタとして用いる本実施形態は、LDMOSトランジスタを駆動用トランジスタとして用いる上記各実施形態と同様の作用および効果が得られるとともに、同様の変形が可能である。ただし、駆動用トランジスタに関する記載について、ソースをエミッタに読み替えるとともに、ドレインをコレクタに読み替える必要がある。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
ターンオフ用抵抗(R1、R31、R41)に代えてまたは加えて、CMOS回路(9、23、34)の出力ノードとターンオフ用トランジスタ(M2、M22)のドレインとの間に接続されたターンオフ用抵抗を設けてもよい。つまり、ターンオフ用抵抗は、CMOS回路の出力ノードからターンオフ用トランジスタを経由して駆動用トランジスタ(T2、T31、T52)のソースまたはエミッタに至る通電経路に介在していればよい。
上記各実施形態では、負荷駆動回路を1チップ化する例を示したが、これに限らずともよい。すなわち、負荷駆動回路は、ディスクリート部品により構成してもよいし、各回路をそれぞれ別々の半導体チップに形成してもよい。ただし、少なくとも、一方の駆動用トランジスタ(T2、T31、T52)と、それを駆動するゲート駆動回路(5、22、32、37、41)とを同一の半導体チップに形成すれば、ゲート駆動回路を構成するCMOS回路の出力ノードから一方の駆動用トランジスタのゲートに至るゲート配線を短くすることができるため、それによる前述した効果が得られる。
半導体チップに一方の駆動用トランジスタを駆動するゲート駆動回路を形成する場合、ターンオフ用抵抗(R1、R31、R41)は、半導体チップ内に形成される拡散抵抗に限らずともよい。図16に示すように、半導体チップ上に設けられる配線61による抵抗(Poly抵抗、Poly−Si抵抗、CrSi抵抗など)を採用することもできる。
ターンオフ用抵抗(R1、R31、R41)に代えてインダクタを用いることが可能である。インダクタを用いた場合であっても、ターンオフ抵抗を用いた場合と同様の作用および効果が得られる。ただし、その場合、インダクタの挿入位置は以下のとおり限定される。例えば、図1の構成におけるターンオフ用抵抗に代えてインダクタを用いる場合、インダクタは、ターンオフ用トランジスタM2から駆動用トランジスタT2のソースに至る通電経路に介在する位置に挿入する必要がある。言い換えると、インダクタは、CMOS回路9の出力ノードN3とターンオフ用トランジスタM2のドレインとの間に挿入することはできない。その理由は、次のとおりである。
すなわち、同期整流時に駆動用トランジスタT2がターンオンされる際、駆動用トランジスタT2のゲートに対し、インダクタが接続された状態であると、そのインダクタの影響によりスイッチングノイズが生じるおそれがあるためである。上述したとおり、インダクタの挿入位置を限定すれば、同期整流時、駆動用トランジスタT2のゲートとインダクタとの間がオフ状態のターンオフ用トランジスタM2により電気的に分離されるため、上記スイッチングノイズの発生を抑えることができる。
また、充電電流Iが流れることによりインダクタに生じる電圧Vindは、充電電流Iの時間変化量をdi/dtとすると、下記(2)式により表される。
Vind=L・(di/dt) …(2)
そこで、インダクタの値Lは、電圧Vindが駆動用トランジスタのしきい値電圧Vthより高くなる値とすればよい(Vind>Vth)。つまり、インダクタの値Lは、下記(3)式により得られる範囲の値にするとよい。
L>Vth・(dt/di) …(3)
本発明は、ゲート駆動回路を構成するCMOS回路の出力ノードから一方の駆動用トランジスタのゲートに至る通電経路に介在するターンオン用抵抗を備える構成にも適用できる。このような構成によれば、ターンオン用抵抗の抵抗値に応じてスイッチング速度が抑制されるため、スイッチング動作に伴い発生するスイッチングノイズを低減することが可能となる。ただし、上記したスイッチングノイズは、同期整流時における効率とトレードオフの関係にある。そこで、ターンオン用抵抗の抵抗値を調整するターンオン用抵抗値調整手段を備えるとよい。なお、ターンオン用抵抗調整手段としては、図13に示したコンタクトCn1〜Cn10を用いたターンオフ用抵抗値調整手段と同様の手段を採用することができる。このような構成によれば、例えば製造段階において、駆動対象となる駆動用トランジスタの特性などに応じて駆動用トランジスタのスイッチング速度(ターンオン時間)を所望の値に設定することができる。従って、例えば、同期整流時における効率の低下を抑制しつつ、スイッチング動作に伴い発生するスイッチングノイズを低減することが可能となる。
図面中、2は直流電源、3は誘導性負荷、5、22、32、37、41はゲート駆動回路、9、23、34はCMOS回路、10、52は半導体チップ、D1、D2、D51、D52は還流ダイオード、M1、M21はターンオン用トランジスタ、M2、M22はターンオフ用トランジスタ、R1、R31、R41はターンオフ用抵抗、T1、T2、T31、T51、T52は駆動用トランジスタを示す。

Claims (9)

  1. 直流電源の出力端子間に互いに直列接続されるとともに、相補的にオンオフ動作することにより、それらの相互接続ノードに接続される誘導性負荷を駆動する2つの還流ダイオードを有する電圧駆動型の駆動用トランジスタのうち、前記誘導性負荷からの回生電流を流す際にオンされる一方の駆動用トランジスタのゲートを駆動するゲート駆動回路であって、
    外部から与えられる制御信号に基づいて前記一方の駆動用トランジスタをターンオンするオン電圧またはターンオフするオフ電圧を前記一方の駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間に与えるものであり、前記一方の駆動用トランジスタをターンオンするときにオンされるターンオン用トランジスタと、前記一方の駆動用トランジスタをターンオフするときにオンされるターンオフ用トランジスタと、を備えたCMOS回路と、
    前記CMOS回路の出力ノードから前記ターンオフ用トランジスタを経由して前記一方の駆動用トランジスタのソースまたはエミッタに至る通電経路に介在するターンオフ用抵抗と、を備え、
    前記ターンオフ用抵抗の抵抗値Roffは、前記一方の駆動用トランジスタのしきい値電圧をVthとし、前記一方の駆動用トランジスタのドレイン・ゲート間またはコレクタ・ゲート間の静電容量をCとし、前記一方の駆動用トランジスタのスイッチング速度をdv/dtとすると、次式により得られる値とされることを特徴とするゲート駆動回路。
    Roff >Vth/(C・(dv/dt))
  2. 前記一方の駆動用トランジスタが形成される半導体チップに形成されることを特徴とする請求項1に記載のゲート駆動回路。
  3. 前記ターンオフ用抵抗は、前記半導体チップ内に形成される拡散抵抗であることを特徴とする請求項2に記載のゲート駆動回路。
  4. 前記ターンオフ用抵抗は、前記半導体チップ上に設けられる配線による抵抗であることを特徴とする請求項2に記載のゲート駆動回路。
  5. 前記ターンオフ用抵抗の抵抗値を調整するターンオフ用抵抗値調整手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のゲート駆動回路。
  6. 前記CMOS回路の出力ノードから前記一方の駆動用トランジスタのゲートに至る通電経路に介在するターンオン用抵抗と、
    前記ターンオン用抵抗の抵抗値を調整するターンオン用抵抗値調整手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のゲート駆動回路。
  7. 前記2つの駆動用トランジスタは、LDMOSトランジスタであり、
    前記LDMOSトランジスタが形成される半導体チップに形成され、
    前記LDMOSトランジスタとの間はトレンチ絶縁分離されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のゲート駆動回路。
  8. 前記2つの駆動用トランジスタは、IGBTであり、
    前記IGBTが形成される半導体チップに形成され、
    前記IGBTとの間はトレンチ絶縁分離されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のゲート駆動回路。
  9. 直流電源の出力端子間に互いに直列接続されるとともに、相補的にオンオフ動作することにより、それらの相互接続ノードに接続される誘導性負荷を駆動する2つの還流ダイオードを有する電圧駆動型の駆動用トランジスタのうち、前記誘導性負荷からの回生電流を流す際にオンされる一方の駆動用トランジスタのゲートを駆動するゲート駆動回路であって、
    外部から与えられる制御信号に基づいて前記一方の駆動用トランジスタをターンオンするオン電圧またはターンオフするオフ電圧を前記一方の駆動用トランジスタのゲート・ソース間またはゲート・エミッタ間に与えるものであり、前記一方の駆動用トランジスタをターンオンするときにオンされるターンオン用トランジスタと、前記一方の駆動用トランジスタをターンオフするときにオンされるターンオフ用トランジスタと、を備えたCMOS回路と、
    前記ターンオフ用トランジスタから前記一方の駆動用トランジスタのソースまたはエミッタに至る通電経路に介在するインダクタと、を備え、
    前記インダクタの値Lは、前記一方の駆動用トランジスタのしきい値電圧をVthとし、前記インダクタの充電電流の時間変化量をdi/dtとすると、次式により得られる範囲の値にされることを特徴とするゲート駆動回路。
    L>Vth/(di/dt)
JP2012027140A 2012-02-10 2012-02-10 ゲート駆動回路 Expired - Fee Related JP5699958B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012027140A JP5699958B2 (ja) 2012-02-10 2012-02-10 ゲート駆動回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012027140A JP5699958B2 (ja) 2012-02-10 2012-02-10 ゲート駆動回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013165381A JP2013165381A (ja) 2013-08-22
JP5699958B2 true JP5699958B2 (ja) 2015-04-15

Family

ID=49176497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012027140A Expired - Fee Related JP5699958B2 (ja) 2012-02-10 2012-02-10 ゲート駆動回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5699958B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6361610B2 (ja) * 2015-08-31 2018-07-25 株式会社デンソー スイッチング素子駆動装置
KR102559377B1 (ko) * 2018-01-22 2023-07-26 삼성전자주식회사 교류 터미네이션 및 능동 인덕터를 포함하는 전자 장치 및 그것의 인터페이스 설정 방법
WO2023157569A1 (ja) * 2022-02-15 2023-08-24 ローム株式会社 駆動回路、トランジスタ駆動システム、およびトランジスタモジュール

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0758615A (ja) * 1993-08-13 1995-03-03 Toshiba Corp 半導体集積回路
JP4151163B2 (ja) * 1999-07-08 2008-09-17 株式会社豊田自動織機 Mosトランジスタのドライブ回路
JP2001145370A (ja) * 1999-11-19 2001-05-25 Mitsubishi Electric Corp 駆動回路
JP2003339151A (ja) * 2002-05-22 2003-11-28 Hitachi Ltd Mosゲート駆動回路
JP4094984B2 (ja) * 2003-04-24 2008-06-04 三菱電機株式会社 半導体装置
JP4055707B2 (ja) * 2003-12-25 2008-03-05 株式会社豊田自動織機 駆動回路
JP4668679B2 (ja) * 2005-05-16 2011-04-13 日立オートモティブシステムズ株式会社 回転電機制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013165381A (ja) 2013-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9966871B2 (en) Rectification device, alternator, and power conversion device
US9595602B2 (en) Switching device for power conversion and power conversion device
JP5979998B2 (ja) 半導体装置及びそれを用いたシステム
JP5267616B2 (ja) 駆動制御装置
JP6819256B2 (ja) 駆動回路及び該回路を含んでなる半導体モジュール
US20030107905A1 (en) Load drive circuit using flywheel diode
US7705638B2 (en) Switching control circuit with reduced dead time
CN110138367B (zh) 降低功率器件反向恢复电流的栅极驱动电路
US11522453B2 (en) Dead-time conduction loss reduction for buck power converters
JP2013070530A (ja) ゲート駆動回路、電力変換回路、3相インバータ、及びゲート駆動方法
JP5293831B2 (ja) 高耐圧半導体装置および駆動回路
JP2011035292A (ja) 半導体装置及び電源回路
JP5699958B2 (ja) ゲート駆動回路
JP2015177579A (ja) 絶縁ゲート型デバイスの駆動回路
JP5534076B2 (ja) 駆動制御装置
US5933034A (en) High speed biCMOS gate driver for MOSFETs incorporating improved injection immunity
US8033721B2 (en) Temperature sensor circuit
JP2010028522A (ja) 半導体装置
JP5968598B2 (ja) 半導体装置
WO2014133138A1 (ja) 半導体装置
JP4830829B2 (ja) 絶縁ゲートトランジスタの駆動回路
JP2017055255A (ja) パワー半導体装置
CN110635687B (zh) 降压转换器电路以及降压转换方法
JP5482630B2 (ja) ゲート駆動回路
US8525559B2 (en) Non-overlap circuit

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150202

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5699958

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees