JP5698090B2 - テープ生地の製造方法 - Google Patents
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Description
即ち、本発明に係るテープ生地の製造方法は、編成された1枚生地のコース方向両側に生じている対向2側縁を、コース方向と直交するウエール方向へずらした状態で繋ぎ合わせることにより筒軸方向で螺旋状に捻れた筒状生地を作成し、筒状生地の捻れ方向に合わせて一方の筒端から当該筒状生地の筒軸方向に螺旋状となるように切り出しを行うことによりテープ生地を製造することを特徴とする。
前記切り出しを行うのに先立ち、前記筒状生地から切り出し位置を検出するための裁断ラインを、前記筒状生地を製作する前の1枚生地に対して印刷により表示しておくのが好ましい。
ス方向とが平行するようにしてテープ生地を切り出すことができるものであり、これによって衣類への取付状態において生じていた従来の諸問題を解消除去できるようになっている。
本発明に係るテープ生地の製造方法は、図2に示すように、基本的には、筒状生地Wにおける一方の筒端外周面から所定のテープ幅に合わせてテープ生地Tを切り出すようにする。テープ生地Tの切り出しは、実際には筒状生地Wをその筒軸まわりに回転させながら行うようにすればよい。
筒状生地Wには、テープ生地Tを切り出す際に、適正な切り出し位置の検出に用いるため、テープ幅を1ピッチとする螺旋状の裁断ラインLを表示させてある。この裁断ラインLは、筒状生地Wを作成する前の1枚生地W1 (すなわち、筒状素材生地W0 を切り開いたもの)に対してインクジェット印刷などを行うことで表示させたものである。
一方、1枚生地W1 には、切り開き線α,βを繋ぎ合わせる際のずらし位置を指示するため、位置合わせマークを表示させてある。この位置合わせマークについても、1枚生地
W1 に対してインクジェット印刷などを行うことで表示させたものである。
判りやすく説明すると、一方側の切り開き線βに沿う生地側縁には、上から1本目と2本目の裁断ラインL,L間に「a」を表示し、以下、下方へ向けて「b」「c」「d」・・・といった具合に英小文字を仮に表示させるものとする。最も下の裁断ラインLとその上位の裁断ラインLとの間には「☆」印を表示しておく。
このような位置合わせマークの表示を行っておけば、切り開き線α側の「A」と切り開き線β側の「a」とを合致させ、以下同様に、「B」と「b」、「C」と「c」、「D」と「d」・・・といった具合に合致させることで、切り開き線α,β間の位置合わせが簡単且つ正確に行えるものである。
このテープ生地製造装置1は、図1に示すように、ベース部2を備えた縦型フレーム3により、筒状生地Wにおける一方の筒端を装着することのできるヘッド部4が、所定高さに支持された構成となっている。ヘッド部4は、装着後の筒状生地Wをその筒軸まわりで回転させることができ、また、筒状生地Wを回転させながら、この筒状生地Wの上周部からテープ生地Tを切り出すことができるようになっている。
ヘッド部4には、複数本のロータ(図例では符号7〜9で示す3本)が斜め下方へ突出する状態に設けられており、これらロータ(7〜9)のまわりを取り囲むように、筒状生地Wにおける一方の筒端を巻回装着することになる。またヘッド部4には、装着された筒状生地Wの上周部に対応する配置で、裁断部12と、位置調整機構13と、位置検出部14とが設けられている。これに対し、ベース部2には、装着状態の筒状生地Wにおいて垂れ下がった部分(他方の筒端側)を支持するための生地受台15が設けられている。
まず、ロータ(7〜9)について説明する。
図1、図2及び図4に示すように、ロータ(7〜9)としては、第1駆動ロータ7、第2駆動ロータ8、及びテンションロータ9が設けられており、このうち少なくとも1本が回転駆動されるようになっている。本実施形態では、第1駆動ロータ7がロータ用モータ20によって回転駆動され、第2駆動ロータ8がロータ用モータ21によって回転駆動されるものとしてある。
第1駆動ロータ7は他の2本のロータ(第2駆動ロータ8及びテンションロータ9)に比べて最も径大に形成されており、その外周面にはウレタンやゴムなどの弾性カバー(図示略)が貼り付けられている。この弾性カバーが設けられていることで、装着する筒状生
地Wに対して擦過傷を生じさせるのを防止し、また筒状生地Wに回転力を伝える際のスリップが生じないようにしている。
この角度調節機構19は、筒状生地Wの上周部から切り出されるテープ生地Tのテープ幅を調節するためのもので、図7に示すように、第2駆動ロータ8のロータ軸8a(回転軸)とロータ用モータ21のモータ軸との継手部(連結部分)を収納するために設けられた箱形の継手ケース22から、ロータ軸8aと直交しつつ且つ継手ケース22の両側方へ向けて、前記した横軸18を突出させている。
また、継手ケース22を超えて反対側となる横軸18の他端部には、すり割り付きの軸孔28aを有する軸受台28が設けられている。この軸受台28には、すり割りを締め込みむことのできるクランプレバー付きロックボルト29がネジ取り付けされており、ロックボルト29を緩め方向へ回転操作すれば横軸18を回転自在に解放することができ、ロックボルト29を締め方向へ回転操作すれば横軸18を回転不能にロックすることができる。
裁断部12は、図2〜図4に示すように、筒状生地Wの外周面を表裏両側(筒状生地Wの筒外と筒内)から挟持するように当接する回転刃25,26と、これらの回転刃25,26を回転させる切り出しモータ27(図1参照)とを有している。回転刃25,26は、歯車機構(図示略)などによって相対逆方向に連動回転するようになされ、この歯車機
構に切り出しモータ27の駆動が入力されるようになっている。なお、切り出しモータ27には、ステッピングモータやサーボモータなどの制御用モータを採用することができる。DCブラシレスモータや一般的な(ブラシ付きの)モータ等を採用してもよい。
なお、回転刃25,26はいずれか一方だけを備える構成とすることができる。また、場合によっては、回転刃25,26を、レーザ裁断機やノッチ刃(レシプロ型)裁断機などと置換することも可能である。
位置調整機構13は、図4及び図5に示すように、第2駆動ロータ8のロータ外周面に対して、ロータ軸8aまわりの放射状配置で複数の巻掛け駆動手段30が設けられたものである。各巻掛け駆動手段30は、第2駆動ロータ8のロータ軸8aに対し、その先端部と基端部とに設けられたプーリ31を介してエンドレスベルト32が巻き掛けられた構造となっている。各巻掛け駆動手段30は、エンドレスベルト32のベルト面を、第2駆動ロータ8のロータ外周面に沿わせるように露出させた配置とされている。
そこで、これに伴い、各巻掛け駆動手段30に駆動力を分配する入力ホイル35には、第2駆動ロータ8のロータ軸8aと相対速度差が生じない回転速度(即ち、同一の回転速度)で回転する状態を、各巻掛け駆動手段30の停止状態として設定する必要が生じる。言い換えれば、入力ホイル35を回転駆動するための駆動モータ39は、入力ホイル35を第2駆動ロータ8のロータ軸8aと同一回転速度で回転させながら、この回転速度を増速させたときに各巻掛け駆動手段30に一方向駆動(例えば、筒状生地Wを下降させる方向の駆動)を行わせ、反対に、減速させたときに各巻掛け駆動手段30に他方向駆動(例えば、筒状生地Wを上昇させる方向の駆動)を行わせるものとなっている。
位置検出部14は、ロータ7〜9まわりに巻回装着された筒状生地Wを検出対象にして、裁断部12がこの筒状生地Wを裁断すべき位置(適正裁断位置)を検出するところであ
る。この位置検出部14は、図3及び図4に示すように、筒状生地Wの回転方向(裁断部12に向けて筒状生地Wが送り込まれる方向)において、裁断部12の上流側となる位置(図3、図4において裁断部12の各右側)に配置されている。
なお、適位置センサ40と裁断部12との間には均し板44が設けられ、上限センサ42の上流位置には2本の抑え込みバー45が設けられている。これら均し板44及び抑え込みバー45は、いずれも筒状生地Wのバタツキを抑え、皺を除去し、且つ蛇行を防止する作用を奏するものである。従って、均し板44によって裁断部12による筒状生地Wの裁断が確実且つ綺麗に行われる効果が得られ、また抑え込みバー45によって位置検出部14による裁断ラインLの正確な検出が可能になる効果が得られるものとなる。
図1に示すように、ロータ7〜9の下方に設けられた生地受台15は、ロータ7〜9まわりに巻回装着されて垂れ下がった筒状生地Wを、ジグザグの折り畳み状態で支持できる上面広さとして形成されている。この生地受台15を支えるベース部2には、この生地受台15を旋回駆動するための旋回モータ47が設けられている。なお、この旋回モータ47には、DCブラシレスモータや一般的な(ブラシ付きの)モータ等を採用すればよい。
制御部16には、第1駆動ロータ7を回転駆動するためのロータ用モータ20と、第2駆動ロータ8を回転駆動するためのロータ用モータ21と、第2駆動ロータ8に組み込まれた位置調整機構13を駆動するための駆動モータ39と、裁断部12の回転刃25,26を回転駆動するための切り出しモータ27と、生地受台15を回転駆動するための旋回モータ47と、位置検出部14が備える3つのセンサ(適位置センサ40、下限センサ41、上限センサ42)とが、それらの駆動回路(ドライバ等)を介して接続されている。
次に、テープ生地製造装置1の動作状況を説明する。
切り出しモータ27を作動させ、回転刃25,26を相対逆回転させる。このとき制御部16は、ロータ用モータ20,21の駆動で回転する筒状生地Wの周速に比べ、回転刃25,26の周速の方が高速となるように制御する。
例えば、連続回転とする場合であれば、ロータ用モータ20,21の駆動で回転する筒状生地Wの回転数と、生地受台15の回転数とを同じとすればよい。また間欠回転とする場合であれば、筒状生地Wが1回転するのを待って、生地受台15を1回転させるようにすればよい。いずれにしても、筒状生地Wは、ヘッド部4と生地受台15との上下間において1回転以上の捻れを生じることがないので、結果として筒状生地Wには、捻れを原因として下方へ引っ張られる作用が付加されることがない。従って、筒状生地Wの捻れを原因とするようなテープ幅の変動は生じないことになる。
しかし、位置検出部14において適位置センサ40が非検出状態となり、下限センサ41又は上限センサ42が検出状態にあるとき(下限センサ41又は上限センサ42の一方が裁断ラインLの通過信号を検出後に非検出状態となっている場合を含む)には、適位置センサ40の検出ポイントに対して裁断ラインLが下限センサ41側又は上限センサ42側に位置ズレしていることになる。そこで制御部16は、このような位置検出部14からの信号を受けたときに、適位置センサ40が裁断ラインLを検出状態になるまで、位置調整機構13の駆動モータ39を増速又は減速させて、各巻掛け駆動手段30により筒状生地Wを下降移動又は上昇移動させるように制御する。
ため、テープ生地Tをその長手方向へ引っ張ったときにコース方向に沿った直線的な伸縮が生じることになって、捻れが生じないという利点が得られるものである。これにより、このテープ生地Tを衣類(例えば、パンツのウエスト部)へ取り付けたときに、衣類の撚れ防止などが得られるものであり、衣類への取付状態において生じていた従来の諸問題を解消除去できるようになっている。
例えば、筒状生地Wに対し、裁断ラインLや位置合わせマークを表示させることは限定されるものではなく、これらを簡易化したり又は省略したりすることもできる。殊に位置合わせマークに関しては、別の記号やカラーマークなどとして、1組みだけ設けるようなことが可能である。
2 ベース部
3 縦型フレーム
4 ヘッド部
7 第1駆動ロータ
8 第2駆動ロータ
8a ロータ軸
9 テンションロータ
12 裁断部
13 位置調整機構
14 位置検出部
15 生地受台
16 制御部
18 横軸
19 角度調節機構
20 ロータ用モータ
21 ロータ用モータ
22 継手ケース
23 交差型伝動部
24 操作ハンドル
24a ハンドル軸
25,26 回転刃
27 切り出しモータ
28 軸受台
28a すり割り付きの軸孔
29 クランプレバー付きロックボルト
30 巻掛け駆動手段
31 プーリ
32 エンドレスベルト
34 交差型伝動部
35 入力ホイル
36 伝動手段
37 取付アーム
38 プーリブラケット
39 駆動モータ
40 適位置センサ
41 下限センサ
42 上限センサ
44 均し板
45 抑え込みバー
47 旋回モータ
L 裁断ライン
T テープ生地
W 筒状生地
W0 筒状素材生地
W1 1枚生地
Claims (4)
- 編成された1枚生地のコース方向両側に生じている対向2側縁を、コース方向と直交するウエール方向へずらした状態で繋ぎ合わせることにより筒軸方向で螺旋状に捻れた筒状生地を作成し、
筒状生地の捻れ方向に合わせて一方の筒端から当該筒状生地の筒軸方向に螺旋状となるように切り出しを行うことによりテープ生地を製造する
ことを特徴とするテープ生地の製造方法。 - 前記1枚生地の対向2側縁を繋ぎ合わせるのに先立ち、この対向2側縁を繋ぎ合わせる際のずらし位置を指示する位置合わせマークを、前記1枚生地に対して印刷により表示することを特徴とする請求項1記載のテープ生地の製造方法。
- 前記切り出しを行うのに先立ち、前記筒状生地から切り出し位置を検出するための裁断ラインを、前記筒状生地を製作する前の1枚生地に対して印刷により表示することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテープ生地の製造方法。
- 前記1枚生地は、丸編機によって編成した筒状素材生地をその筒軸方向で切り開くことにより作成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のテープ生地の製造方法。
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