JP5710415B2 - テープ生地製造装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、テープ幅を高精度に保持しつつテープ生地を切り出すことが可能であり、またテープ幅の変更も簡単且つ迅速に行えるようにして、従来の諸問題を解消除去できるようにしたテープ生地製造装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係るテープ生地製造装置は、複数本のロータと、少なくとも1本のロータを回転駆動するロータ用モータと、複数本のロータまわりに巻回装着されてロータ回転により回転する筒状生地の筒端から当該筒状生地の筒軸方向に沿って螺旋状となるように
テープ生地を切り出す裁断部と、複数本のロータまわりに巻回装着された筒状生地に対して筒軸方向に沿った移動力を加える位置調整機構と、複数本のロータまわりに巻回装着された筒状生地を検出対象にして前記裁断部が筒状生地を裁断すべき位置を検出する位置検出部と、前記ロータ用モータの作動中は前記位置検出部の出力に基づいて常に前記位置調整機構を制御する制御部と、を有していることを特徴とする。
前記位置調整機構は、少なくとも1本のロータのロータ外周面に対してロータ軸まわりの放射状配置で複数の巻掛け駆動手段が設けられたものであって、各巻掛け駆動手段はロータ軸の軸方向に沿って循環走行されるエンドレスベルトを有し、このエンドレスベルトの駆動によって前記筒状生地の内面に前記移動力を加える構成とするのが好適である。
複数本のロータが設けられた位置の下方には、これら複数本のロータまわりに一方の筒端が巻回装着されて垂れ下がった筒状生地を支持するための生地受台と、この生地受台を旋回駆動する旋回モータとが設けられており、前記制御部は、筒状生地が捻れを生じる回転量に達する前に当該回転量以内で生地受台を回転させるべく旋回モータを駆動させる構成とするのが好適である。
図1乃至図7は、本発明に係るテープ生地製造装置1の一実施形態を示している。このテープ生地製造装置1は、ベース部2を備えた縦型フレーム3により、筒状生地Wにおける一方の筒端を装着することのできるヘッド部4が、所定高さに支持された構成となっている。ヘッド部4は、装着後の筒状生地Wをその筒軸まわりで回転させることができ、また、筒状生地Wを回転させながら、この筒状生地Wの上周部からテープ生地Tを切り出すことができるようになっている。
以下、テープ生地製造装置1の細部構成について説明する。
ヘッド部4には、複数本のロータ(図例では符号7〜9で示す3本)が斜め下方へ突出する状態に設けられており、これらロータ(7〜9)のまわりを取り囲むように、筒状生
地Wにおける一方の筒端を巻回装着することになる。またヘッド部4には、装着された筒状生地Wの上周部に対応する配置で、裁断部12と、位置調整機構13と、位置検出部14とが設けられている。これに対し、ベース部2には、装着状態の筒状生地Wにおいて垂れ下がった部分(他方の筒端側)を支持するための生地受台15が設けられている。
まず、ロータ(7〜9)について説明する。
第1駆動ロータ7は他の2本のロータ(第2駆動ロータ8及びテンションロータ9)に比べて最も径大に形成されており、その外周面にはウレタンやゴムなどの弾性カバー(図示略)が貼り付けられている。この弾性カバーが設けられていることで、装着する筒状生地Wに対して擦過傷を生じさせるのを防止し、また筒状生地Wに回転力を伝える際のスリップが生じないようにしている。
この角度調節機構19は、筒状生地Wの上周部から切り出されるテープ生地Tのテープ幅を調節するためのもので、図7に示すように、第2駆動ロータ8のロータ軸8a(回転軸)とロータ用モータ21のモータ軸との継手部(連結部分)を収納するために設けられた箱形の継手ケース22から、ロータ軸8aと直交しつつ且つ継手ケース22の両側方へ向けて、前記した横軸18を突出させている。
また、継手ケース22を超えて反対側となる横軸18の他端部には、すり割り付きの軸
孔28aを有する軸受台28が設けられている。この軸受台28には、すり割りを締め込みむことのできるクランプレバー付きロックボルト29がネジ取り付けされており、ロックボルト29を緩め方向へ回転操作すれば横軸18を回転自在に解放することができ、ロックボルト29を締め方向へ回転操作すれば横軸18を回転不能にロックすることができる。
裁断部12は、図2〜図4に示すように、筒状生地Wの外周面を表裏両側(筒状生地Wの筒外と筒内)から挟持するように当接する回転刃25,26と、これらの回転刃25,26を回転させる切り出しモータ27(図1参照)とを有している。回転刃25,26は、歯車機構(図示略)などによって相対逆方向に連動回転するようになされ、この歯車機構に切り出しモータ27の駆動が入力されるようになっている。なお、切り出しモータ27には、ステッピングモータやサーボモータなどの制御用モータを採用することができる。DCブラシレスモータや一般的な(ブラシ付きの)モータ等を採用してもよい。
なお、回転刃25,26はいずれか一方だけを備える構成とすることができる。また、場合によっては、回転刃25,26を、レーザ裁断機やノッチ刃(レシプロ型)裁断機などと置換することも可能である。
位置調整機構13は、図4及び図5に示すように、第2駆動ロータ8のロータ外周面に対して、ロータ軸8aまわりの放射状配置で複数の巻掛け駆動手段30が設けられたものである。各巻掛け駆動手段30は、第2駆動ロータ8のロータ軸8aに対し、その先端部と基端部とに設けられたプーリ31を介してエンドレスベルト32が巻き掛けられた構造となっている。各巻掛け駆動手段30は、エンドレスベルト32のベルト面を、第2駆動ロータ8のロータ外周面に沿わせるように露出させた配置とされている。
面に対して筒軸方向に沿った移動力が加えられるものである。
そこで、これに伴い、各巻掛け駆動手段30に駆動力を分配する入力ホイル35には、第2駆動ロータ8のロータ軸8aと相対速度差が生じない回転速度(即ち、同一の回転速度)で回転する状態を、各巻掛け駆動手段30の停止状態として設定する必要が生じる。言い換えれば、入力ホイル35を回転駆動するための駆動モータ39は、入力ホイル35を第2駆動ロータ8のロータ軸8aと同一回転速度で回転させながら、この回転速度を増速させたときに各巻掛け駆動手段30に一方向駆動(例えば、筒状生地Wを下降させる方向の駆動)を行わせ、反対に、減速させたときに各巻掛け駆動手段30に他方向駆動(例えば、筒状生地Wを上昇させる方向の駆動)を行わせるものとなっている。
位置検出部14は、ロータ7〜9まわりに巻回装着された筒状生地Wを検出対象にして、裁断部12がこの筒状生地Wを裁断すべき位置(適正裁断位置)を検出するところである。この位置検出部14は、図3及び図4に示すように、筒状生地Wの回転方向(裁断部12に向けて筒状生地Wが送り込まれる方向)において、裁断部12の上流側となる位置(図3、図4において裁断部12の各右側)に配置されている。
なお、適位置センサ40と裁断部12との間には均し板44が設けられ、上限センサ42の上流位置には2本の抑え込みバー45が設けられている。これら均し板44及び抑え込みバー45は、いずれも筒状生地Wのバタツキを抑え、皺を除去し、且つ蛇行を防止する作用を奏するものである。従って、均し板44によって裁断部12による筒状生地Wの裁断が確実且つ綺麗に行われる効果が得られ、また抑え込みバー45によって位置検出部14による裁断ラインLの正確な検出が可能になる効果が得られるものとなる。
なお、筒状素材生地W0 を用いて1枚生地W1 を得ているのは、製作の容易性や高生産
性、低コスト性等の利点があるからであって、丸編機により筒状素材生地W0 を編成することが1枚生地W1 を得る手順(条件)として必須不可欠とされるものではない。
切り開き線α,β間を繋ぎ合わせる方法としては、縫着、接着、融着などを採用すればよい。また、裁断ラインLの元にする直線は、印刷以外にも、丸編機において筒状素材生地W0 を編成する際に、対応するコースおきにジャガード編みを行う方法や、着色糸による編成を入れる方法などの採用で、表示することができる。
判りやすく説明すると、一方側の切り開き線βに沿う生地側縁には、上から1本目と2本目の裁断ラインL,L間に「a」を表示し、以下、下方へ向けて「b」「c」「d」・・・といった具合に英小文字を仮に表示させるものとする。最も下の裁断ラインLとその上位の裁断ラインLとの間には「☆」印を表示しておく。
この表示を行った後、切り開き線α側の「A」と切り開き線β側の「a」とを合致させ、以下同様に、「B」と「b」、「C」と「c」、「D」と「d」・・・といった具合に合致させる。このような状態にして切り開き線α,β間を繋ぎ合わせて製作した筒状生地Wは、切り開き線α側の「★」印が上方へ突出し、切り開き線β側の「☆」印が下方へ突出しており、切り開き線β側の生地側縁は、切り開き線α側の生地側縁に対して上から1ピッチだけ下方へずれた状態となっている。
次に、生地受台15について説明する。
制御部16には、第1駆動ロータ7を回転駆動するためのロータ用モータ20と、第2駆動ロータ8を回転駆動するためのロータ用モータ21と、第2駆動ロータ8に組み込まれた位置調整機構13を駆動するための駆動モータ39と、裁断部12の回転刃25,26を回転駆動するための切り出しモータ27と、生地受台15を回転駆動するための旋回モータ47と、位置検出部14が備える3つのセンサ(適位置センサ40、下限センサ41、上限センサ42)とが、それらの駆動回路(ドライバ等)を介して接続されている。
数など)や、位置検出部14から出力される位置情報(筒状生地Wにおける裁断ラインLの位置)に基づき、位置調整機構13や裁断部12、更には生地受台15を制御するようになっているが、これらの制御の内容については、テープ生地製造装置1の動作状況の中で説明する。
生地受台15上にジグザグの折り畳み状態にした筒状生地Wを置き、この筒状生地Wから折り畳み上面にある一方の筒端を持ち上げて、第1駆動ロータ7、第2駆動ロータ8、及びテンションロータ9のまわりに巻回装着する。必要に応じて、角度調節機構19を操作して第2駆動ロータ8の角度を調節したり、取付アーム37によってテンションロータ9の傾斜角を調節したりする。
例えば、連続回転とする場合であれば、ロータ用モータ20,21の駆動で回転する筒状生地Wの回転数と、生地受台15の回転数とを同じとすればよい。また間欠回転とする場合であれば、筒状生地Wが1回転するのを待って、生地受台15を1回転させるようにすればよい。いずれにしても、筒状生地Wは、ヘッド部4と生地受台15との上下間において1回転以上の捻れを生じることがないので、結果として筒状生地Wには、捻れを原因として下方へ引っ張られる作用が付加されることがない。従って、筒状生地Wの捻れを原因とするようなテープ幅の変動は生じないことになる。
しかし、位置検出部14において適位置センサ40が非検出状態となり、下限センサ41又は上限センサ42が検出状態にあるとき(下限センサ41又は上限センサ42の一方が裁断ラインLの通過信号を検出後に非検出状態となっている場合を含む)には、適位置センサ40の検出ポイントに対して裁断ラインLが下限センサ41側又は上限センサ42側に位置ズレしていることになる。そこで制御部16は、このような位置検出部14からの信号を受けたときに、適位置センサ40が裁断ラインLを検出状態になるまで、位置調整機構13の駆動モータ39を増速又は減速させて、各巻掛け駆動手段30により筒状生地Wを下降移動又は上昇移動させるように制御する。
本発明に係るテープ生地製造装置1では、テープ生地Tのテープ幅をプラスマイナス1mm以内の高精度に収められることが確認されており、これによってこのテープ生地Tを用いた衣類の品質を飛躍的に向上させることができるものである。
例えば、本発明に係るテープ生地製造装置1において、筒状素材生地W0 を用いて1枚生地W1 を得ることが限定されるものではないことは、既に説明したところである。加えて、筒状素材生地W0 を用いない場合、1枚生地W1 を得るに際しては織り生地を採用することもできる。
筒状生地Wに対し、裁断ラインLを表示させることは限定されるものではなく、位置検出部14は、筒状生地Wの上周縁部を検出するように設けることもできる。また、前記実施形態において裁断ラインL,L間に英子文字や英大文字を表示したのは、説明を判りやすくするための便宜上のものであって、簡易化したり、省略したり、或いは別の記号などに置換したりできることは言うまでもない。
第1駆動ロータ7と第2駆動ロータ8を備えていれば、その他のロータ(テンションロータ9等)は、その採用本数が限定されるものではない。テンションロータ9を省略することもできる。
なお、第2駆動ロータ8の角度を変更すると、第1駆動ロータ7との間で巻回される筒状生地Wの張り角度も変化するようになるため、場合によっては、裁断部12の回転刃25,26との噛み合い位置へ向けた筒状生地Wの進入角度にズレが生じることも予測される。そこで、このような場合に対処するため、第2駆動ロータ8の取付ベース部50(図1参照)をそのベース面に沿った方向(第1駆動ロータ8のロータ軸と直交する方向)で移動可能とする構造を採用するのが好適となる。
2 ベース部
3 縦型フレーム
4 ヘッド部
7 第1駆動ロータ
8 第2駆動ロータ
8a ロータ軸
9 テンションロータ
12 裁断部
13 位置調整機構
14 位置検出部
15 生地受台
16 制御部
18 横軸
19 角度調節機構
20 ロータ用モータ
21 ロータ用モータ
22 継手ケース
23 交差型伝動部
24 操作ハンドル
24a ハンドル軸
25,26 回転刃
27 切り出しモータ
28 軸受台
28a すり割り付きの軸孔
29 クランプレバー付きロックボルト
30 巻掛け駆動手段
31 プーリ
32 エンドレスベルト
34 交差型伝動部
35 入力ホイル
36 伝動手段
37 取付アーム
38 プーリブラケット
39 駆動モータ
40 適位置センサ
41 下限センサ
42 上限センサ
44 均し板
45 抑え込みバー
47 旋回モータ
L 裁断ライン
T テープ生地
W 筒状生地
W0 筒状素材生地
W1 1枚生地
Claims (6)
- 複数本のロータと、
少なくとも1本のロータを回転駆動するロータ用モータと、
複数本のロータまわりに巻回装着されてロータ回転により回転する筒状生地の筒端から当該筒状生地の筒軸方向に沿って螺旋状となるようにテープ生地を切り出す裁断部と、
複数本のロータまわりに巻回装着された筒状生地に対して筒軸方向に沿った移動力を加える位置調整機構と、
複数本のロータまわりに巻回装着された筒状生地を検出対象にして前記裁断部が筒状生地を裁断すべき位置を検出する位置検出部と、
前記ロータ用モータの作動中は前記位置検出部の出力に基づいて常に前記位置調整機構を制御する制御部と、
を有していることを特徴とするテープ生地製造装置。 - 前記位置検出部は、筒状生地に対してテープ幅を1ピッチとして表示された螺旋状の裁断ラインを検出するセンサを有していることを特徴とする請求項1記載のテープ生地製造装置。
- 前記位置調整機構は、少なくとも1本のロータのロータ外周面に対してロータ軸まわりの放射状配置で複数の巻掛け駆動手段が設けられたものであって、各巻掛け駆動手段はロータ軸の軸方向に沿って循環走行されるエンドレスベルトを有し、このエンドレスベルトの駆動によって前記筒状生地の内面に前記移動力を加える構成とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のテープ生地製造装置。
- 前記裁断部は、筒状生地の外周面に当接する回転刃と、この回転刃を回転させる切り出しモータとを有しており、
前記制御部は、回転刃の周速が筒状生地の周速よりも高速となるように切り出しモータを制御する構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のテープ生地製造装置。 - 複数本のロータが設けられた位置の下方には、これら複数本のロータまわりに一方の筒端が巻回装着されて垂れ下がる筒状生地を支持するための生地受台と、この生地受台を旋回駆動する旋回モータを備えたベースとが設けられており、
前記制御部は、筒状生地が捻れを生じる回転量に達する前に当該回転量以内で生地受台を回転させるべく旋回モータを駆動させる構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のテープ生地製造装置。 - 前記ロータのうち少なくとも1本には、当該ロータのロータ軸を他のロータと角度可変で且つ変更後角度をロック可能にすることにより、複数本のロータまわりに巻回装着された筒状生地へ昇り回転力を生じさせる角度調節機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のテープ生地製造装置。
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