JP2004268548A - 円筒状ゴム部材の成形組立て方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送装置を用いることなく成形ドラムに直接転写させて円筒状ゴム部材を成形組立てることが出来るので、狭いスペースで組立て作業を効率良く行うことが出来る円筒状ゴム部材の成形組立て方法及びその装置を提供する。
【解決手段】１は供給ヘッド２ａを備えたストリップ材供給装置２から連続的に供給されるストリップ材Ｗを成形ドラム４の周長に対応した長さで巻付ける円柱状の成形ロール、３は成形ロール１上で成形された筒状体Ｗｘを螺旋状に所定幅に切断する切断装置、４はタイヤの成形ドラムを示している。成形ドラム４は、成形ロール１の近傍に配設され、回転駆動モータ１１により所定の速度で回転駆動可能で、かつ角度調整手段１２により成形ロール１の外周面に対して接近・離反可能に構成され、更に成形ロール１上で切断されるシート状材料Ｗｚの螺旋角度αと直交する向きにドラム軸４ａの角度調整可能に構成されている。
【選択図】 図１
【解決手段】１は供給ヘッド２ａを備えたストリップ材供給装置２から連続的に供給されるストリップ材Ｗを成形ドラム４の周長に対応した長さで巻付ける円柱状の成形ロール、３は成形ロール１上で成形された筒状体Ｗｘを螺旋状に所定幅に切断する切断装置、４はタイヤの成形ドラムを示している。成形ドラム４は、成形ロール１の近傍に配設され、回転駆動モータ１１により所定の速度で回転駆動可能で、かつ角度調整手段１２により成形ロール１の外周面に対して接近・離反可能に構成され、更に成形ロール１上で切断されるシート状材料Ｗｚの螺旋角度αと直交する向きにドラム軸４ａの角度調整可能に構成されている。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、タイヤ構成材料として使用するベルト材等の円筒状ゴム部材の成形組立て方法及びその装置に係わり、更に詳しくは成形ロール上で補強スチールコードを未加硫ゴムでゴム引きしたストリップ材により成形した筒状体を所定幅の螺旋状に切断し、この切断したシート状材料を所定の角度に調整した成形ドラムに直接転写して巻取り、円筒部材を成形組立てる円筒状ゴム部材の成形組立て方法及びその装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、タイヤ成形工程において、タイヤ成形ドラム上に貼付けたカーカス材料の上に組立てるベルト材の製造方法は、ベルトドラム上でスチール補強コードにゴム引きしたシート状材料を巻付けて筒状体に形成し、この筒状体を成形ドラムに挿入してカーカス材料に嵌合することにより組立ていた。
【０００３】
また、近年では補強コードを未加硫ゴムでゴム引きした細幅のストリップ材をベルトドラム上にジグザグ状に巻付ける方法も行われている（例えば、特許文献１）。
【０００４】
【特許文献１】
特開平１０−２９６８７３号公報（第３頁、図１）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来のベルト材の製造方法は、ベルトドラム上でストリップ材により円筒状のベルト材を製造した後、ベルトドラムからベルト材を取外し、搬送装置によりタイヤ成形ドラムに搬送して挿入する方法であったため、ベルト製造装置とタイヤ成形ドラムとの間には、ベルト材を搬送するための搬送装置が必ず必要であり、またそのための広いスペースも必要であった。
【０００６】
また、未加硫状態のベルト材を把持して搬送するために、ベルト材を変形させてしまう等の問題があり、このため成形ドラムへの組立てを円滑に行うことが出来なかったり、タイヤの品質に影響を与えると言う問題があった。
【０００７】
この発明はかかる従来の問題点に着目し、成形ロール上で成形されたシート状材料を搬送装置を用いることなく成形ドラムに直接転写させて円筒状ゴム部材を成形組立てることが出来るので、狭いスペースで組立て作業を効率良く行うことが出来ると共に、高品質のタイヤを製造することが出来る円筒状ゴム部材の成形組立て方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、この発明の円筒状ゴム部材の成形組立て方法は、ストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を回転かつ軸方向に移動可能な成形ロール上に供給して成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付けると共に、少なくとも一層以上の筒状体を成形し、この筒状体を成形ロール上において切断装置により螺旋状に切断して所定幅のシート状材料に形成する一方、前記成形ロールと近接した位置に配設した回転自在な成形ドラムのドラム中心軸を前記シート材料の螺旋切断角度と直交する向きに調整し、この状態で成形ドラムを前記成形ロール上のシート状材料の一端に圧接させ、成形ロールと成形ドラムとを同期回転させながら螺旋状に切断されたシート状材料を成形ドラム上に直接転写させながら巻付けて円筒状ゴム部材を組立てることを要旨とするものである。
【０００９】
ここで、ストリップ材とは、補強スチールコードを未加硫ゴムでゴム引きした材料であり、前記成形ロール上の筒状体の螺旋切断角度に対応させて成形ドラムのドラム中心軸を任意に調整することが可能であり、また前記成形ロールのシート状材料の巻出し速度と、成形ドラムの巻取り速度とを一定に制御しながら成形ドラムに巻取るものである。
【００１０】
このように、成形ロール上で成形した材料を、成形ドラムに直接転写させて巻付けて組立るようにしたので、材料を搬送する装置や、広いスペースを必要とせず、効率良く円筒状ゴム部材を成形組立てることが出来る。
【００１１】
また、この発明の円筒状ゴム部材の成形組立て装置は、ストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付ける回転かつ軸方向に移動可能な成形ロールと、この成形ロール上で成形された筒状体を螺旋状に所定幅に切断する切断装置と、前記成形ロールの外周面に対して接近・離反可能に配設され、かつ成形ロール上で切断されるシート状材料の螺旋角度と直交する向きにドラム軸の角度調整可能な成形ドラムとで構成したことを要旨とするものである。
【００１２】
前記成形ドラムのドラム軸に角度調整手段を設け、更に前記成形ロールの巻出し速度と、成形ドラムの巻取り速度とを制御装置を介して制御可能に構成するものである。
【００１３】
このように、従来のようなベルト成形装置と成形ドラムとの間に材料を搬送するための広いスペースや、搬送装置が必要でなく、省スペース化を図ることが出来ると共に、装置全体の構成や動作を簡略化することが出来る。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【００１５】
図１は、この発明にかかる円筒状ゴム部材の成形組立て方法を実施するための成形組立て装置全体の概略構成図を示し、１は供給ヘッド２ａを備えたストリップ材供給装置２から連続的に供給されるストリップ材Ｗを成形ドラム４の周長に対応した長さで巻付ける円柱状の成形ロール、３は成形ロール１上で成形された筒状体Ｗｘを螺旋状に所定幅に切断する切断装置、４はタイヤの成形ドラムを示している。
【００１６】
前記ストリップ材供給装置２では、補強スチールコードを未加硫ゴムでゴム引きした狭幅のストリップ材Ｗを成形ロール１上に連続的に押し出す装置であり、成形ロール１は、駆動モータ５及び移動シリンダー等の移動装置６を介して回転駆動可能でＸ軸方向に所定の速度で移動可能に構成され、更に成形ロール１の表面には、長手方向に螺旋状の切断ガイド溝７が形成されている。
【００１７】
前記切断装置３は、成形ロール１の側面に配設され、前記切断ガイド溝７に沿ってストリップ材Ｗにより形成された筒状体Ｗを所定幅Ｈに切断する円板状カッター８と、この円板状カッター８を回転駆動する駆動モータ９と、円板状カッター８を成形ロール１に対して前進または後退させる前後シリンダー１０とで構成されている。
【００１８】
また、前記成形ドラム４は、成形ロール１の近傍に配設され、回転駆動モータ１１により所定の速度で回転駆動可能で、かつ角度調整手段１２により成形ロール１の外周面に対して接近・離反可能に構成され、更に成形ロール１上で切断されるシート状材料Ｗｚの螺旋角度αと直交する向きにドラム軸４ａの角度調整可能に構成されている。
【００１９】
また、前記成形ロール１の巻出し速度、即ち、駆動モータ５の巻出し回転速度と、成形ドラム４の巻取り速度、即ち、回転駆動モータ１１の巻取り回転速度とを制御装置１３を介して制御可能になっている。
【００２０】
次に、上記のような構成から成る成形組立て装置により、円筒状ゴム部材の成形組立て方法について説明する。
【００２１】
先ず、成形ロール１を所定の回転速度で回転駆動させると共に、軸方向に所定の速度で移動させながら、成形ロール１の近傍に設置されたストリップ材供給装置２から連続的に供給される紐状またはリボン状のストリップ材Ｗを成形ロール１の長手方向の一端側上に供給し、成形ドラム４の周長に対応した長さで少なくとも一層以上螺旋状に巻付ける。
【００２２】
そして、成形ロール１において、所定の長さのストリップ材Ｗによる筒状体Ｗｘを成形し後、この筒状体Ｗｘを成形ロール１上においてその一端側から切断装置３により螺旋状に切断して所定幅のシート状材料Ｗｚに形成する。
【００２３】
即ち、筒状体Ｗｘを成形した成形ロール１の切断カイド溝７に、切断装置３の回転駆動可能な円板状カッター８を押し当てて、成形ロール１を軸方向、即ち、Ｘ軸方向に所定の速度で移動させることにより、筒状体Ｗｘは所定の螺旋角度αでシート状材料Ｗｚに切断される。
【００２４】
一方、前記成形ロール１と近接した位置に配設した回転自在な成形ドラム４のドラム軸４ａの中心線Ｙ−Ｙを、図２及び図３に示すように、前記シート材料Ｗｚの螺旋切断角度αと直交する向きに角度調整手段１２により調整し、この状態で成形ドラム４を前記成形ロール１上の切断されたシート状材料Ｗｚの一端に圧接させ、成形ロール１と成形ドラム４とを回転駆動モータ１１及び制御装置１３を介して同期回転させながら螺旋状に切断されたシート状材料Ｗｚを成形ドラム１上に直接転写させながら巻付ける。
【００２５】
従って、シート状材料Ｗｚは成形ドラム１のドラム軸４ａの中心線Ｙ−Ｙに対して直交する向きに巻付けられ、また螺旋状に切断されるシート状材料Ｗｚの長さは、予め成形ドラム４の周長と同一に設定してあるため、成形ドラム４に巻付けられたシート状材料Ｗｚの両端末部は一致し、この端末部をスプライスすることで、端末部にずれのない円筒状ゴム部材を形成することが出来る。
【００２６】
更に、予め成形ドラム４に巻付けられている他の材料、例えば、カーカス材料Ｋ等の上に円筒状ゴム部材を組立てることが出来る。
【００２７】
なお、この実施形態では、成形ロール１上で成形された筒状体Ｗｘを切断装置３により螺旋状に切断した後、成形ドラム４を圧着させて巻付ける方法をとっているが、切断装置３により切断しながら成形ドラム４で順次巻付けるようにすることも可能である。
【００２８】
このように、成形ロール１上で成形された筒状体Ｗｘを切断装置３により螺旋状に切断した後、シート材料Ｗｚの螺旋切断角度αと直交する向きに調整した成形ドラム４によりシート状材料Ｗｚを直接転写させて巻取るので、シート材料Ｗｚの搬送装置や、その搬送装置を設置するためのスペースが不要となり、生産性の向上を図ることが可能である。
【００２９】
【発明の効果】
この発明は、上記のようにストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を回転かつ軸方向に移動可能な成形ロール上に供給して成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付けると共に、少なくとも一層以上の筒状体を成形し、この筒状体を成形ロール上において切断装置により螺旋状に切断して所定幅のシート状材料に形成する一方、前記成形ロールと近接した位置に配設した回転自在な成形ドラムのドラム中心軸を前記シート材料の螺旋切断角度と直交する向きに調整し、この状態で成形ドラムを前記成形ロール上のシート状材料の一端に圧接させ、成形ロールと成形ドラムとを同期回転させながら螺旋状に切断されたシート状材料を成形ドラム上に直接転写させながら巻付けて円筒状ゴム部材を組立てるので、材料を搬送するための搬送装置や、広いスペースを必要とせず、効率良く円筒状ゴム部材を成形組立てることが出来、高品質のタイヤを製造することが出来る効果がある。
【００３０】
また、ストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付ける回転かつ軸方向に移動可能な成形ロールと、この成形ロール上で成形された筒状体を螺旋状に所定幅に切断する切断装置と、前記成形ロールの外周面に対して接近・離反可能に配設され、かつ成形ロール上で切断されるシート状材料の螺旋角度と直交する向きにドラム軸の角度調整可能な成形ドラムとで構成したので、従来のようなベルト成形装置と成形ドラムとの間に材料を搬送するための広いスペースや、搬送装置が必要でなく、省スペース化を図ることが出来ると共に、装置全体の構成や動作を簡略化することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明にかかる円筒状ゴム部材の成形組立て方法を実施するための成形組立て装置全体の概略構成図である。
【図２】円筒状ゴム部材の成形組立て方法の作動説明図である。
【図３】成形ドラムにシート状材料を巻付ける工程の説明図である。
【符号の説明】
１ 成形ロール ２ ストリップ材供給装置
２ａ 供給ヘッド ３ 切断装置
４ 成形ドラム ４ａ ドラム軸
５ 駆動モータ ６ 移動装置
７ 切断ガイド溝 ８ 円板状カッター
９ 駆動モータ １０ 前後シリンダー
１１ 回転駆動モータ １２ 角度調整手段
１３ 制御装置 Ｗ ストリップ材
Ｗｘ 筒状体 Ｗｚ シート状材料
α 螺旋角度 Ｈ 所定幅
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、タイヤ構成材料として使用するベルト材等の円筒状ゴム部材の成形組立て方法及びその装置に係わり、更に詳しくは成形ロール上で補強スチールコードを未加硫ゴムでゴム引きしたストリップ材により成形した筒状体を所定幅の螺旋状に切断し、この切断したシート状材料を所定の角度に調整した成形ドラムに直接転写して巻取り、円筒部材を成形組立てる円筒状ゴム部材の成形組立て方法及びその装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、タイヤ成形工程において、タイヤ成形ドラム上に貼付けたカーカス材料の上に組立てるベルト材の製造方法は、ベルトドラム上でスチール補強コードにゴム引きしたシート状材料を巻付けて筒状体に形成し、この筒状体を成形ドラムに挿入してカーカス材料に嵌合することにより組立ていた。
【０００３】
また、近年では補強コードを未加硫ゴムでゴム引きした細幅のストリップ材をベルトドラム上にジグザグ状に巻付ける方法も行われている（例えば、特許文献１）。
【０００４】
【特許文献１】
特開平１０−２９６８７３号公報（第３頁、図１）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来のベルト材の製造方法は、ベルトドラム上でストリップ材により円筒状のベルト材を製造した後、ベルトドラムからベルト材を取外し、搬送装置によりタイヤ成形ドラムに搬送して挿入する方法であったため、ベルト製造装置とタイヤ成形ドラムとの間には、ベルト材を搬送するための搬送装置が必ず必要であり、またそのための広いスペースも必要であった。
【０００６】
また、未加硫状態のベルト材を把持して搬送するために、ベルト材を変形させてしまう等の問題があり、このため成形ドラムへの組立てを円滑に行うことが出来なかったり、タイヤの品質に影響を与えると言う問題があった。
【０００７】
この発明はかかる従来の問題点に着目し、成形ロール上で成形されたシート状材料を搬送装置を用いることなく成形ドラムに直接転写させて円筒状ゴム部材を成形組立てることが出来るので、狭いスペースで組立て作業を効率良く行うことが出来ると共に、高品質のタイヤを製造することが出来る円筒状ゴム部材の成形組立て方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、この発明の円筒状ゴム部材の成形組立て方法は、ストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を回転かつ軸方向に移動可能な成形ロール上に供給して成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付けると共に、少なくとも一層以上の筒状体を成形し、この筒状体を成形ロール上において切断装置により螺旋状に切断して所定幅のシート状材料に形成する一方、前記成形ロールと近接した位置に配設した回転自在な成形ドラムのドラム中心軸を前記シート材料の螺旋切断角度と直交する向きに調整し、この状態で成形ドラムを前記成形ロール上のシート状材料の一端に圧接させ、成形ロールと成形ドラムとを同期回転させながら螺旋状に切断されたシート状材料を成形ドラム上に直接転写させながら巻付けて円筒状ゴム部材を組立てることを要旨とするものである。
【０００９】
ここで、ストリップ材とは、補強スチールコードを未加硫ゴムでゴム引きした材料であり、前記成形ロール上の筒状体の螺旋切断角度に対応させて成形ドラムのドラム中心軸を任意に調整することが可能であり、また前記成形ロールのシート状材料の巻出し速度と、成形ドラムの巻取り速度とを一定に制御しながら成形ドラムに巻取るものである。
【００１０】
このように、成形ロール上で成形した材料を、成形ドラムに直接転写させて巻付けて組立るようにしたので、材料を搬送する装置や、広いスペースを必要とせず、効率良く円筒状ゴム部材を成形組立てることが出来る。
【００１１】
また、この発明の円筒状ゴム部材の成形組立て装置は、ストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付ける回転かつ軸方向に移動可能な成形ロールと、この成形ロール上で成形された筒状体を螺旋状に所定幅に切断する切断装置と、前記成形ロールの外周面に対して接近・離反可能に配設され、かつ成形ロール上で切断されるシート状材料の螺旋角度と直交する向きにドラム軸の角度調整可能な成形ドラムとで構成したことを要旨とするものである。
【００１２】
前記成形ドラムのドラム軸に角度調整手段を設け、更に前記成形ロールの巻出し速度と、成形ドラムの巻取り速度とを制御装置を介して制御可能に構成するものである。
【００１３】
このように、従来のようなベルト成形装置と成形ドラムとの間に材料を搬送するための広いスペースや、搬送装置が必要でなく、省スペース化を図ることが出来ると共に、装置全体の構成や動作を簡略化することが出来る。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【００１５】
図１は、この発明にかかる円筒状ゴム部材の成形組立て方法を実施するための成形組立て装置全体の概略構成図を示し、１は供給ヘッド２ａを備えたストリップ材供給装置２から連続的に供給されるストリップ材Ｗを成形ドラム４の周長に対応した長さで巻付ける円柱状の成形ロール、３は成形ロール１上で成形された筒状体Ｗｘを螺旋状に所定幅に切断する切断装置、４はタイヤの成形ドラムを示している。
【００１６】
前記ストリップ材供給装置２では、補強スチールコードを未加硫ゴムでゴム引きした狭幅のストリップ材Ｗを成形ロール１上に連続的に押し出す装置であり、成形ロール１は、駆動モータ５及び移動シリンダー等の移動装置６を介して回転駆動可能でＸ軸方向に所定の速度で移動可能に構成され、更に成形ロール１の表面には、長手方向に螺旋状の切断ガイド溝７が形成されている。
【００１７】
前記切断装置３は、成形ロール１の側面に配設され、前記切断ガイド溝７に沿ってストリップ材Ｗにより形成された筒状体Ｗを所定幅Ｈに切断する円板状カッター８と、この円板状カッター８を回転駆動する駆動モータ９と、円板状カッター８を成形ロール１に対して前進または後退させる前後シリンダー１０とで構成されている。
【００１８】
また、前記成形ドラム４は、成形ロール１の近傍に配設され、回転駆動モータ１１により所定の速度で回転駆動可能で、かつ角度調整手段１２により成形ロール１の外周面に対して接近・離反可能に構成され、更に成形ロール１上で切断されるシート状材料Ｗｚの螺旋角度αと直交する向きにドラム軸４ａの角度調整可能に構成されている。
【００１９】
また、前記成形ロール１の巻出し速度、即ち、駆動モータ５の巻出し回転速度と、成形ドラム４の巻取り速度、即ち、回転駆動モータ１１の巻取り回転速度とを制御装置１３を介して制御可能になっている。
【００２０】
次に、上記のような構成から成る成形組立て装置により、円筒状ゴム部材の成形組立て方法について説明する。
【００２１】
先ず、成形ロール１を所定の回転速度で回転駆動させると共に、軸方向に所定の速度で移動させながら、成形ロール１の近傍に設置されたストリップ材供給装置２から連続的に供給される紐状またはリボン状のストリップ材Ｗを成形ロール１の長手方向の一端側上に供給し、成形ドラム４の周長に対応した長さで少なくとも一層以上螺旋状に巻付ける。
【００２２】
そして、成形ロール１において、所定の長さのストリップ材Ｗによる筒状体Ｗｘを成形し後、この筒状体Ｗｘを成形ロール１上においてその一端側から切断装置３により螺旋状に切断して所定幅のシート状材料Ｗｚに形成する。
【００２３】
即ち、筒状体Ｗｘを成形した成形ロール１の切断カイド溝７に、切断装置３の回転駆動可能な円板状カッター８を押し当てて、成形ロール１を軸方向、即ち、Ｘ軸方向に所定の速度で移動させることにより、筒状体Ｗｘは所定の螺旋角度αでシート状材料Ｗｚに切断される。
【００２４】
一方、前記成形ロール１と近接した位置に配設した回転自在な成形ドラム４のドラム軸４ａの中心線Ｙ−Ｙを、図２及び図３に示すように、前記シート材料Ｗｚの螺旋切断角度αと直交する向きに角度調整手段１２により調整し、この状態で成形ドラム４を前記成形ロール１上の切断されたシート状材料Ｗｚの一端に圧接させ、成形ロール１と成形ドラム４とを回転駆動モータ１１及び制御装置１３を介して同期回転させながら螺旋状に切断されたシート状材料Ｗｚを成形ドラム１上に直接転写させながら巻付ける。
【００２５】
従って、シート状材料Ｗｚは成形ドラム１のドラム軸４ａの中心線Ｙ−Ｙに対して直交する向きに巻付けられ、また螺旋状に切断されるシート状材料Ｗｚの長さは、予め成形ドラム４の周長と同一に設定してあるため、成形ドラム４に巻付けられたシート状材料Ｗｚの両端末部は一致し、この端末部をスプライスすることで、端末部にずれのない円筒状ゴム部材を形成することが出来る。
【００２６】
更に、予め成形ドラム４に巻付けられている他の材料、例えば、カーカス材料Ｋ等の上に円筒状ゴム部材を組立てることが出来る。
【００２７】
なお、この実施形態では、成形ロール１上で成形された筒状体Ｗｘを切断装置３により螺旋状に切断した後、成形ドラム４を圧着させて巻付ける方法をとっているが、切断装置３により切断しながら成形ドラム４で順次巻付けるようにすることも可能である。
【００２８】
このように、成形ロール１上で成形された筒状体Ｗｘを切断装置３により螺旋状に切断した後、シート材料Ｗｚの螺旋切断角度αと直交する向きに調整した成形ドラム４によりシート状材料Ｗｚを直接転写させて巻取るので、シート材料Ｗｚの搬送装置や、その搬送装置を設置するためのスペースが不要となり、生産性の向上を図ることが可能である。
【００２９】
【発明の効果】
この発明は、上記のようにストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を回転かつ軸方向に移動可能な成形ロール上に供給して成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付けると共に、少なくとも一層以上の筒状体を成形し、この筒状体を成形ロール上において切断装置により螺旋状に切断して所定幅のシート状材料に形成する一方、前記成形ロールと近接した位置に配設した回転自在な成形ドラムのドラム中心軸を前記シート材料の螺旋切断角度と直交する向きに調整し、この状態で成形ドラムを前記成形ロール上のシート状材料の一端に圧接させ、成形ロールと成形ドラムとを同期回転させながら螺旋状に切断されたシート状材料を成形ドラム上に直接転写させながら巻付けて円筒状ゴム部材を組立てるので、材料を搬送するための搬送装置や、広いスペースを必要とせず、効率良く円筒状ゴム部材を成形組立てることが出来、高品質のタイヤを製造することが出来る効果がある。
【００３０】
また、ストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付ける回転かつ軸方向に移動可能な成形ロールと、この成形ロール上で成形された筒状体を螺旋状に所定幅に切断する切断装置と、前記成形ロールの外周面に対して接近・離反可能に配設され、かつ成形ロール上で切断されるシート状材料の螺旋角度と直交する向きにドラム軸の角度調整可能な成形ドラムとで構成したので、従来のようなベルト成形装置と成形ドラムとの間に材料を搬送するための広いスペースや、搬送装置が必要でなく、省スペース化を図ることが出来ると共に、装置全体の構成や動作を簡略化することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明にかかる円筒状ゴム部材の成形組立て方法を実施するための成形組立て装置全体の概略構成図である。
【図２】円筒状ゴム部材の成形組立て方法の作動説明図である。
【図３】成形ドラムにシート状材料を巻付ける工程の説明図である。
【符号の説明】
１ 成形ロール ２ ストリップ材供給装置
２ａ 供給ヘッド ３ 切断装置
４ 成形ドラム ４ａ ドラム軸
５ 駆動モータ ６ 移動装置
７ 切断ガイド溝 ８ 円板状カッター
９ 駆動モータ １０ 前後シリンダー
１１ 回転駆動モータ １２ 角度調整手段
１３ 制御装置 Ｗ ストリップ材
Ｗｘ 筒状体 Ｗｚ シート状材料
α 螺旋角度 Ｈ 所定幅
Claims (7)
- ストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を回転かつ軸方向に移動可能な成形ロール上に供給して成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付けると共に、少なくとも一層以上の筒状体を成形し、この筒状体を成形ロール上において切断装置により螺旋状に切断して所定幅のシート状材料に形成する一方、前記成形ロールと近接した位置に配設した回転自在な成形ドラムのドラム中心軸を前記シート材料の螺旋切断角度と直交する向きに調整し、この状態で成形ドラムを前記成形ロール上のシート状材料の一端に圧接させ、成形ロールと成形ドラムとを同期回転させながら螺旋状に切断されたシート状材料を成形ドラム上に直接転写させながら巻付けて円筒状ゴム部材を組立てる円筒状ゴム部材の成形組立て方法。
- 前記ストリップ材は、補強スチールコードを未加硫ゴムでゴム引きした材料である請求項１に記載の円筒状ゴム部材を組立てる円筒状ゴム部材の成形組立て方法。
- 前記成形ロール上の筒状体の螺旋切断角度に対応させて成形ドラムのドラム中心軸を任意に調整する請求項１または２に記載の円筒状ゴム部材の成形組立て方法。
- 前記成形ロールのシート状材料の巻出し速度と、成形ドラムの巻取り速度とを一定に制御しながら成形ドラムに巻取る請求項１，２または３に記載の円筒状ゴム部材の成形組立て方法。
- ストリップ材供給装置から連続的に供給されるストリップ材を成形ドラムの周長に対応した長さで螺旋状に巻付ける回転かつ軸方向に移動可能な成形ロールと、この成形ロール上で成形された筒状体を螺旋状に所定幅に切断する切断装置と、前記成形ロールの外周面に対して接近・離反可能に配設され、かつ成形ロール上で切断されるシート状材料の螺旋角度と直交する向きにドラム軸の角度調整可能な成形ドラムとで構成して成る円筒状ゴム部材の成形組立て装置。
- 前記成形ドラムのドラム軸に角度調整手段を設けた請求項５に記載の円筒状ゴム部材の成形組立て装置。
- 前記成形ロールの巻出し速度と、成形ドラムの巻取り速度とを制御装置を介して制御可能に構成した請求項５または６に記載の円筒状ゴム部材の成形組立て装置。
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