JP5697865B2 - ユニット式ルームの支柱、及びユニット式ルーム - Google Patents
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Description
ユニットバスは、防水パンの上に壁を四方に載せ、コーナー部分に長尺状の部材を縦に配し、その上に天井を載せて、ネジ等で固定して組立てるのが一般的な構造である。
(1) 閉断面、または略閉断面とされた断面略四角形の支柱。
(2) 断面略L字形状とされた長尺状の部材(所謂アングル)。
天井先組みが可能であると、施工性が良く、施工時の傷付き等のリスクが少なく、また、狭小空間でも組むことができるという利点がある。
請求項1に記載のユニット式ルームの支柱の固定構造は、床パネルの床面端縁から上方に向けて延びるフランジ部に対して連結可能とする固定片を備えているため、固定片をネジ等の連結部材を用いてフランジ部に連結することで、床パネルの上に倒れないように立てることができる。
例えば、床パネルが4角形の場合、床パネルの各コーナー部分に支柱を立てることで、4本の支柱の上に天井パネルを載せることができ、これにより、側部材を組み付ける前に天井パネルの荷重を支柱のみで支持することが可能となる。
なお、「支柱を倒れないように立てる」とは、天井パネルを載せても倒れることはなく、また、天井パネルを載せる前に、支柱に触れても倒れないことを意味する。
ここで、側部材とは、例えば、ユニット式ルームの壁部材(パネル)、ドア枠、窓枠等、床パネルの辺に沿って立てられる部材を意味する。
したがって、請求項1に記載のユニット式ルームの支柱を用いることで、壁部材等の側部材によって天井パネルを支持する必要が無くなり、天井先組みが可能となる。
また、このユニット式ルームの支柱は、長手方向直角断面が、4片からなる閉断面形状(角パイプ形状)の支柱とは異なり、少なくとも第1の長尺片及び第2の長尺片の2片、固定片が第1の長尺片及び第2の長尺片に沿って長尺形状とされていれば3片によって天井パネルの荷重を支持するので、4片からなる閉断面形状の支柱に比較して材料使用量が少なくて済み、また、軽量化にもなる。
なお、床パネルの形状は4角形に限らず、4角形以外の多角形であっても良い。また、床パネルのコーナー部分(角部分)に支柱を立てるが、天井パネルを支持できれば、全てのコーナー部分に支柱を立てなくても良い。
また、側部材は、床パネルの全ての辺に配置しなくても良い。例えば、床パネルの一部の辺については、屋外に開放するために側部材を取り付けない場合もある。
支柱の固定片に、床パネルのフランジに連結するための取付孔が形成され、長尺片の、該取付孔と対向する位置に丸孔又は切欠きが形成されているため、丸孔又は切欠き部分からドライバーのシャフトやビットを挿通させて、固定片の取付孔に挿通させたネジを容易に操作することができる。
支柱の第一の長尺片の固定編側の端縁に長手方向に沿って直線状に延びる切欠きが形成されているため、目視にて、側部材のエッジと切欠の端縁とが平行となるように側部材を支柱に固定することで、側部材の端面の長手方向と支柱の長手方向とを平行にすることができる。
固定片が支柱全長に渡って長尺状に形成されているため、天井の荷重を第1の長尺片、第2の長尺片、及び固定片の3片によって支持することができ、支柱の強度が向上し、第1の長尺片及び第2の長尺片の2片で支持するよりも、高荷重を支持可能となる。
支柱を立てるには、固定片は側縁の長手方向一方側のみに形成されていれば良く、長手方向一方側のみに形成された固定片を床パネルのフランジ部に固定すれば、床パネルの上に支柱を倒れないように立てることができる。
固定片を側縁の長手方向両側に形成することで、一方の固定片は床パネルのフランジ部との連結に用い、他方の固定片は天井パネルとの連結用に用いることができる。
また、固定片を側縁の長手方向両側に形成することで、支柱の上下の区別を無くすことも出来る。
固定片の支柱長手方向の寸法が、フランジ部の高さ寸法の50%未満になると、固定片が小さすぎてフランジ部に連結する部分としての剛性が不足する。剛性が低すぎると、側部材を連結する前に、変形する虞もある。
ンジ部に連結する部分としての剛性は十分足りており、材料の無駄となる。天井の荷重を
支持するための強度が支柱に足りていれば、固定片の長さを必要以上に設定する必要は無
い。また、固定片の支柱長手方向の寸法の上限は、支柱の全長と同じである。
支柱を床パネルのコーナー部分に立てる際に、互いに交差する方向に延びる2つのフランジ部に支柱を連結する方が、ひとつのフランジ部にのみ支柱を連結するよりも、支柱を床パネルに対して強固に連結することができ、何れかの方向の倒れに弱い、といった問題が無くなる。
請求項9に記載のユニット式ルームは、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のユニット式ルームの支柱を含んで構成されているため、例えば、支柱を床パネルのコーナー部分に倒れないように立てて天井パネルを搭載した後に、支柱に対して側部材の連結を行うことができ(所謂、天井先組み工法)、また、軽量化にもなる。
また、本発明のユニット式ルームによれば、天井先組みが可能となり、支柱の嵩も張らずに済む。
以下、図面を参照して本発明のユニット式ルームの第1の実施形態を説明する。
図1には、本実施形態のユニット式ルーム10の概略構成が斜視図にて示されており、図2には、ユニット式ルーム10が縦断面図にて示されている。
図1、及び図2に示すように、本実施形態ユニット式ルーム10は、矩形の床パネル(防水パン)12を備えている。床パネル12の床部12Aの4方の端縁には、各々上方向に延びるフランジ部12Bが床部12Aに対して一体的に形成されている。なお、フランジ部12Bは、略全体が一定高さに形成されているが、一部分、例えば、ドア等の取り付け部分等は、切欠が形成されてフランジ部12Bが部分的に除去、または他の部分よりも低く形成されたフランジ部12Bが形成される場合もある。
床部12Aの上には、支柱14と支柱14との間に壁パネル18が床部12Aに対して垂直に配置されている。
図3、及び図4に示すように、本実施形態の支柱14は、互いに交差する方向に延びる一方の壁パネル18の端面に沿って長尺状に形成されると共に、一方の壁パネル18の端面に固定される第1の長尺片14Aと、一方の壁パネル18の幅方向一方側の端縁に一方の壁パネル18とは交差する方向に延びると共に他方の壁パネル18の端面に沿って長尺状に形成され、他方の壁パネル18の端面に固定される第2の長尺片14Bと、第2の長尺片14Bと対向して平行配置されると共に第1の長尺片14Aの幅方向他方側の端縁に沿って長尺状に形成される固定片14Cと、を有し、金属板(鋼板等)を折り曲げ加工することで、長手方向端部から見た形状を略コ字形状としている。なお、なお、支柱14に鋼板を用いる場合には、メッキ等の防錆処理を施す。
固定片14Cには、ネジ等(図示せず)を挿通させる取付孔22が長手方向両側に一対形成されている。
(1) 先ず最初に、図1(A)に示すように、床パネル12の床部12Aのコーナー部分に床部12Aに対して垂直に支柱14を載せ、例えば、図4に示すように固定片14Cをネジ28によってフランジ部12Bに固定して支柱14を床部12Aの上に倒れないように立てる。
に必要としない。
各支柱14の間に壁パネル18を配置して、壁パネル18の端面を支柱14に固定することで、ユニット式ルーム10が完成する。
このように、本実施形態の支柱14を用いることで、壁パネル18によって天井パネル16を支持する必要が無くなり、天井先組みが可能なユニット式ルーム10となる。また、支柱14は、4片からなる閉断面形状(角パイプ形状)の支柱とは異なり材料使用量が少なくて済み、軽量化が図られる。
以下、図面を参照して本発明の支柱14の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と同一構成には同一符合を付し、その説明は省略する。
なお、本実施形態の支柱14の取付方法、及び作用効果は第1の実施形態と同様である。
以下、図面を参照して本発明の支柱14の第3の実施形態を説明する。なお、本実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と同一構成には同一符合を付し、その説明は省略する。
本実施形態では、第2の長尺片14Bに形成された切欠34を介してドライバーを差し込むことで、第2の長尺片14Bの反対側に配置された固定片14Cの取付孔22に挿通させたネジ28(図6では図示せず)を容易に操作することができる。
以下、図面を参照して本発明の支柱14の第4の実施形態を説明する。なお、本実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と同一構成には同一符合を付し、その説明は省略する。
第1の長尺片14Aに、2点鎖線で示す様に壁パネル18を取り付けると、壁パネル18のエッジ18Eが、切欠15の端縁15Eから若干(数ミリ程度)突出する。
以下、図面を参照して本発明の支柱14の第5の実施形態を説明する。なお、本実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と同一構成には同一符合を付し、その説明は省略する。
本実施形態では、固定片14Cに対して第2の長尺片14Bが対向していないため、固定片14Cの取付孔22に挿通させたネジ28をドライバーで容易に操作することができる。
なお、本実施形態の支柱14の取付方法、及び作用効果は第1の実施形態と同様である。
以下、図面を参照して本発明の支柱14の第6の実施形態を説明する。なお、本実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と同一構成には同一符合を付し、その説明は省略する。
なお、本実施形態の支柱14の取付方法、及び作用効果は第1の実施形態と同様である。
以下、図面を参照して本発明の支柱14の第7の実施形態を説明する。なお、本実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と同一構成には同一符合を付し、その説明は省略する。
本実施形態では、2つの覗き孔40の中心に、壁パネル18のエッジ18Eが見えるように壁パネル18を支柱14に固定することで、壁パネル18の端面の長手方向と支柱14の長手方向とを平行にすることが出来る。
なお、上記実施形態では、第2の長尺片14Bが、ドアの枠等の調整の為に第1の長尺片14Aよりも幅広に形成されていたが、壁パネル18のみを連結するのであれば第1の長尺片14Aと同等の幅であっても良い。
上記実施形態では、壁パネル18を支柱14に連結するために、壁パネル18を支柱14にネジ止めしたが、ボルト、釘、リベット、接着剤等、ネジ以外の連結部材で連結しても良く、壁パネル18に連結部材としてのフック等を取り付けて支柱14の孔にフックを引掛けて壁パネル18を支柱14に連結しても良い。
上記実施形態では、支柱14の取付孔22を通したネジ28をフランジ部12Bに固定したが、フランジ部12Bに丸孔を形成すると共に支柱14にバーリング加工等を施し、フランジ部12Bを通したネジ28をバーリング加工した孔に固定することで、支柱14をフランジ部12Bに固定することも出来る。
上記実施形態のユニット式ルーム10では、床パネル12の各コーナー部分(4箇所)に本発明の支柱14を配置したが、全てのコーナー部分に本発明の支柱14を用いなくても良く、特定のコーナー部分にのみに本発明の支柱14を用い、他の部分には本発明の支柱14とは異なる他の支柱を用いても良い。
なお、上記何れの支柱14においても、全長に渡って延びている片の数は3以下であり、従来の閉断面形状の支柱(片の数4)よりも片が少ないため、軽量化されている。
12 床パネル
12B フランジ部
12A 床部
14C 固定片
14 支柱(ユニット式ルームの支柱)
14A 第1の長尺片
14B 第2の長尺片
28 ネジ(連結部材)
Claims (9)
- ユニット式ルームの床パネルのコーナー部分に配置されて天井パネルの支持を行うと共に、互いに交差する方向に配置される2つの側部材の端部同士が接合されるユニット式ルームの支柱の固定構造であって、
長尺状に形成される第1の長尺片と、前記第1の長尺片の幅方向一方側の側縁に沿って、前記第1の長尺片と交差する方向に長尺状に形成される第2の長尺片と、前記第1の長尺片の幅方向他方側の側縁、及び前記第2の長尺片の前記第1の長尺片と逆側の側縁のうち、少なくとも一方側に形成される固定片と、
を有する支柱と、
側縁部に床面から上方向に延びるフランジ部を備え、前記フランジ部へ前記固定片が連結される床パネルと、
前記床面の側縁部に沿って配置され、前記第1の長尺片に端面が固定される第1の側部材と、
前記床面の側縁部に沿って配置され、前記第2の長尺片に端面が固定される第2の側部材と、
を備えたユニット式ルームの支柱の固定構造。 - 前記固定片には、前記フランジ部に連結するための取付孔が形成され、
前記第1の長尺片または前記第2の長尺片の、前記取付孔と対向する位置に丸孔又は切欠きが形成されている、
請求項1に記載のユニット式ルームの支柱の固定構造。 - 前記固定片が形成される側の前記第1の長尺片または前記第2の長尺片の側縁で、前記固定片が形成されない部分に、長手方向に沿って直線状に延びる切欠きが形成されている、
請求項1または請求項2に記載のユニット式ルームの支柱の固定構造。 - 前記固定片は、支柱に渡って長尺状に形成されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のユニット式ルームの支柱の固定構造。
- 前記固定片は、側縁の長手方向一方側のみに形成されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のユニット式ルームの支柱の固定構造。
- 前記固定片は、側縁の長手方向両側に形成されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のユニット式ルームの支柱の固定構造。
- 前記固定片の支柱長手方向の寸法は、前記フランジ部の高さ寸法の50〜2000%の範囲内に設定されている、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のユニット式ルームの支柱の固定構造。
- 前記固定片は、前記第1の長尺片と前記第2の長尺片の両方に設けられ、
前記第1の長尺片に設けられた前記固定片と前記第2の長尺片に設けられた前記固定片は夫々互いに交差する方向に延びると共に、前記床パネルの互いに交差する方向に延びる一方の前記フランジ部と他方の前記フランジ部にそれぞれ連結される、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のユニット式ルームの支柱の固定構造。 - 前記側部材の上部に配置される天井パネルと、
請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のユニット式ルームの支柱の固定構造により固定された、前記支柱、前記第1の側部材、前記第2の側部材、及び前記床パネルと、
を備え、
前記支柱が前記天井パネルを支持しているユニット式ルーム。
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