JP5696699B2 - 面状発熱体およびそれを具備する画像定着装置 - Google Patents

面状発熱体およびそれを具備する画像定着装置 Download PDF

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Description

本発明は、面状発熱体およびそれを具備する画像定着装置に関する。
複写機やレーザービームプリンタなどの画像形成装置には画像定着装置が組み込まれている。画像定着装置には発熱体が組み込まれており、当該発熱体を未定着画像に圧接して定着画像を形成する(特許文献1〜3を参照)。発熱体は、例えば、図5に示されるような発熱定着ベルトとして提供される。図5における発熱定着ベルト10は、パイプ状部材であって、第1絶縁層1と、比抵抗発熱体層2と、第2絶縁層3と、離型層4と、電極層5と、を有する。図5Aは、発熱定着ベルト10のパイプの軸方向に沿った断面図であり、図5Bは、図5AにおけるII−II線に沿った断面図である。
発熱定着ベルト10の比抵抗発熱体層2は、マトリックス樹脂であるポリイミド樹脂と、金属微粒子やカーボン材料などの導電性物質が含まれている。また、電極層5は、比抵抗発熱体層2に、ポリイミド樹脂をマトリックスとする導電性ペーストなどを塗布して形成される。
特開2006−294604号公報 特開2009−92785号公報 特開2009−109987号公報
前述の通り、発熱定着ベルトにおける電極層を、導電性ペーストから形成することが知られている。ところが、導電性ペーストから形成された電極層は、その機械的強度が低い場合がある。また前記電極層には、通常、100〜240Vの電圧が印加される。この時、前記発熱定着ベルトの温度は、200℃を超えるが、電気の供給を止めると、数秒で常温まで冷却される。前記発熱定着ベルトは、前述のような過酷な環境の変化に曝される。このため、発熱定着ベルトを繰り返し使用するうちに亀裂が生じたり、発生するスパークによって欠陥穴が生じたりすることがある。
そこで、発熱定着ベルトにおける電極層を金属板とすることが考えられる。しかしながらこの場合、前記の繰り返し使用により、金属板である電極層と比抵抗発熱体層とが剥がれることがあった。そこで本発明は、導電性物質と樹脂とを含む導電性樹脂組成物からなる面状成形物と、前記面状成形物に接着する一対の板状金属電極との接合強度が高く、繰り返し使用によっても性能低下の少ない面状発熱体を提供することを目的とする。
また本発明は、前記面状発熱体を有する画像定着装置を提供することを、別の目的とする。
すなわち、本発明の第一は、以下に示す面状発熱体に関する。
[1] 少なくとも、導電性物質と樹脂とを含む導電性樹脂組成物からなる面状成形物と、前記面状成形物の端部に接着する一対の板状金属電極とを有する面状発熱体であって、
前記面状成形物の端部では、シランカップリング剤を介して前記面状成形物を前記板状金属電極の上に接着させており、
前記面状成形物の端部を研磨して露出させた、前記板状金属電極表面からの距離が1μm以下の前記面状成形物の部位において、最も多く含有される金属イオンMとケイ素原子Siのピークの面積比(Si/M)が1/100〜1であり、
前記ピークは、前記部位へX線を照射したときに前記部位から発生するX線をSEM−EDSによって測定して得られることを特徴とする面状発熱体。
] 前記樹脂がポリイミドであることを特徴とする[1]に記載の面状発熱体。
] 前記面状成形物がパイプ状成形物であって、
前記一対の板状金属電極は、それぞれリング状の形状を有し、前記パイプ状成形物の両端部に接着していることを特徴とする[1]または[2]に記載の面状発熱体。
] 前記面状成形物が外面を覆う弾性体層を有するものであることを特徴とする[1]〜[]のいずれか1項に記載の面状発熱体。
] 前記面状成形物が外面を覆う離型層を有するものであることを特徴とする[1]〜[]のいずれか1項に記載の面状発熱体。
本発明の第二は、以下に示す画像定着装置に関する。
] 前記[1]〜[]のいずれか一項に記載の面状発熱体を備える画像定着装置。
本発明によれば、一対の金属電極と、樹脂を含有する発熱体とを有する面状発熱体であるにも係わらず、金属電極と発熱体との接着性が高い面状発熱体が提供される。従って、繰り返し使用されても劣化しにくい面状発熱体が提供される。本発明の面状発熱体は、例えば、電子写真画像形成装置の画像定着装置の定着部材として好ましく用いられる。
面状発熱体の構成の一例を示す図である。 面状発熱体の製造フローの一例を示すフロー図である。 導電性樹脂ドープを塗布する塗布装置の構成を示す図である。 画像定着装置の構成の一例を示す図である。 従来の発熱定着ベルトの構成を示す図である。
1.面状発熱体
本発明に係る面状発熱体は、少なくとも、導電性樹脂組成物からなる面状成形物と、面状成形物の両端に接着する一対の板状金属電極とを含むものであり、さらに、面状成形物の外面を覆う補強層や、弾性体層や、離型層を有していてもよい。本発明に係る面状発熱体の構成の一例が、図1A、1Bに示される。図1Aは面状発熱体100の外観斜視図であり、図1Bは、図1における面状発熱体100のX−X線の断面図である。図1A、1Bに示される面状発熱体100はパイプ状であり、その内層側から、板状金属電極110−1および110−2、面状成形物120、補強層130、弾性体層140、離型層150の順に積層されている。
図1に示されるようなパイプ状の面状発熱体100の内径は、その用途に応じて適宜設定されるが、通常の画像定着装置の定着部材として用いられる場合には、例えば10〜120mmである。
一対の板状金属電極は、それぞれ面状発熱体の端部に結合していることが好ましい。一対の板状金属電極に電位差を設けることで、面状発熱体を発熱することができる。板状金属電極の材質の例には、ステンレス(SUS)、アルミニウム、銅、銀、鉄、ニッケルなどが挙げられ、電気抵抗率が低く、耐熱性、耐酸化性が高いという観点から、ステンレスまたはニッケルを用いることが好ましく、特に、ステンレスがより好ましい。
ステンレスには、鉄−クロム合金であるクロム鋼や、鉄−クロム−ニッケル合金であるクロム−ニッケル鋼などが含まれる。図1に示されるようなパイプ状の面状発熱体100における板状金属電極110−1および110−2は、面状成形物120がパイプ状の形状を有していることからリング状であることが好ましい。リング状の板状金属電極の厚みは、面状成形物の厚みよりも薄いことが好ましく、例えば20〜200μmである。
面状成形物は、導電性物質と樹脂とを含む導電性樹脂組成物からなる。面状成形物を構成する導電性樹脂組成物における樹脂の含有量は30〜80質量%であることが好ましく、導電性物質の含有量は20〜70質量%であることが好ましい。
本発明でいう面状成形物である導電性樹脂組成物に含まれる樹脂は、耐熱性樹脂であることが好ましく、例えばポリイミド樹脂を含む。ポリイミド樹脂とは、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物との縮合重合体である。前記樹脂は、ポリイミド樹脂以外の第二の樹脂も含んでいてもよい。
ポリイミド樹脂を構成するためのジアミンは芳香族ジアミンであることが好ましく;芳香族ジアミンの例には、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニル、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン及び9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンなどが含まれる。
ポリイミド樹脂を構成するためのテトラカルボン酸二無水物は芳香族テトラカルボン酸二無水物であることが好ましく;芳香族テトラカルボン酸二無水物の例には、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス[3,4−(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、オキシジフタル酸無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホキシド二無水物、チオジフタル酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、および9,9−ビス[4−(3,4’−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物などが含まれる。
また、前述した第二の樹脂は、短期的耐熱性が200℃以上、長期的耐熱性が150℃以上である耐熱性樹脂であることが好ましい。このような耐熱性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリサルフォン樹脂(PSF)、ポリエーテルサルフォン樹脂(PES)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)などが挙げられる。
なお、前記短期的耐熱性とは、樹脂の物理的性状が保持できる上限の耐熱温度である。前記長期的耐熱性とは、10万時間、一定の温度で大気中に暴露された場合に、初期の物性値が半減するときの前記一定の温度、である。第二の樹脂の含有量は、導電性樹脂組成物を構成する樹脂全体の50体積%以下であることが極めて好ましい。
また、前記樹脂は、上記の耐熱性樹脂以外の第三の樹脂を含んでいてもよい。第三の樹脂の含有量は、導電性樹脂組成物を構成する樹脂全体の40体積%未満であることが極めて好ましい。
導電性樹脂組成物に含まれる導電性物質は、樹脂中に分散されている。導電性物質の例には、各種形状および粒径の黒鉛、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイルなどのカーボン材料粒子、ニッケル粉や銀粉などの金属粒子、ステンレス粉などの金属合金粒子、炭化タングステンや炭化タンタル、硼化タングステン等の金属間化合物、銀コートカーボンなどの金属被覆粉等の導電性粒子が含まれる。導電性物質の形状は、例えば繊維状であってもよい。
面状成形物は発熱体層として機能するので、その厚みは目的とする発熱量を得るように設定されればよく;面状成形物に含まれる導電性物質の量および種類、板状金属電極との接触幅などに応じて設定されることが好ましい。ただし前述の通り、面状成形物の厚みは板状金属の厚みよりも厚いことが好ましい。
前記面状成形物の端部を研磨して露出させた、板状金属電極の表面からの距離が1μm以下である面状成形物の部位の金属元素及びケイ素元素をSEM−EDSで検出したときに、検出された金属元素のうちの最大の金属元素のピーク(M)と、ケイ素のピーク(Si)との面積比(Si/M)は、1/100〜1である。前記ピークは、前記部位へX線を照射したときに前記部位から発生するX線をSEM−EDSによって測定して得られる。SEM−EDS(走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置)は、走査型電子顕微鏡であり、試料に電子線を照射した際に発生する特性X線を検出し、含有元素の有無と量との情報を得る装置である。例えば0.5〜4nmの分解能を有し、10nm単位の高倍率、高解像度の画像を得ることができる。SEM−EDSは、試料の表面の元素の同定と定量のみならず、表面から15μm程度の深さの試料内部の元素の同定及び定量が可能である。金属元素は、通常、金属イオンとして検出される。
ピーク比(Si/M)が1/100未満であると、板状金属電極と面状成形物との接合強度が十分に得られないことがある。前記ピーク比が1を超えると、板状金属電極と面状成形物との間にケイ素を含有する層が形成されて、板状金属電極と面状成形物とが剥離することがある。
SEM−EDSの分析時の試料は、板状金属電極と重なる部分の面状成形物を研磨し、板状金属電極の表面からの距離が1μm以下である部位を露出させることによって用意することができる。SEM−EDSによる測定箇所は、一箇所であってもよいし、複数箇所の測定結果の平均値としてもよい。
面状発熱体は、面状成形物を覆う補強層を有していてもよい。補強層は、耐熱性樹脂を含むことが好ましく、例えば面状成形物に含まれる耐熱性樹脂と同様の樹脂から構成されていればよい。面状成形物の厚みが薄いために、面状発熱体の機械的強度が十分に得られない場合などに、補強層を設けることで面状発熱体の強度を得ることができる。
面状発熱体は、面状成形物、又は補強層を有する場合では補強層、を覆う弾性体層を有していてもよい。弾性体層は、硬度の低く柔らかいゴム、例えばシリコーンゴムを含むことが好ましい。より具体的には、例えばJIS−A硬度で3〜50度のシリコーンゴムなどが好適である。弾性体層の厚さは100〜500μmであることが好ましい。弾性体層を設けることで、面状発熱体を画像定着装置の定着部材としたときに、定着ムラや光沢ムラのない、より高い画像を得ることができる。
面状発熱体は、面状成形物、補強層を有する場合では補強層、又はさらに弾性体層を有する場合では弾性体層、を覆う離型層を有することが好ましい。離型層は面状発熱体の最外層に配置されている。離型層は、フッ素樹脂またはフッ素ゴムを含むことが好ましく、特にフッ素樹脂を含むことが好ましい。フッ素樹脂の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが含まれ、単体で又は混合して用いることがより好ましい。離型層の厚みは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。離型層を設けることで、面状発熱体を画像定着装置の定着部材としたときに、離型層が画像に直接接触するので、画像が定着部材に転写することが抑制される。
本発明の面状発熱体は、一対の板状金属の表面に、シランカップリング剤を塗布する工程Aと;一対の板状金属を支持材にセットする工程Bと;一対の板状金属と支持材の外表面に、導電性樹脂ドープを塗布して発熱層(面状成形物に相当)を成膜する工程Cと、を含む方法によって製造することができる。前記製造方法は、さらに、発熱層に補強層、弾性体層、離型層を積層する工程Dと、支持材を除去する工程Eと、を含んでいてもよい。もちろん、本発明の面状発熱体が得られる限り、その製造方法は限定されない。
シランカップリング剤は、導電性樹脂組成物中の前記樹脂に作用する官能基Aと、板状金属電極の金属材料に作用するシラノールを生成する官能基Bとが、ケイ素原子を介して結合してなる。シランカップリング剤中の官能基Aの数及び官能基Bの数は、いずれも特に限定されない。シランカップリング剤は、官能基A及び官能基B以外の他の官能基(例えば疎水性を調整するアルキル基等の官能基等)をさらに含んでいてもよい。
前記シランカップリング剤は、例えば、下記一般式(A)で表すことができる。式(A)中、Xは、前述した官能基Aに該当し、例えばビニル基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリル基、ハロゲン基、イソシアネート基またはメルカプト基である。式(A)中、OR(Oは酸素原子)は、前述した官能基Bに該当し、例えばメトキシ基やエトキシ基である。式(A)中、ORは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
Figure 0005696699
前記シランカップリング剤は、さらに式(1)または式(2)で表すことができる。
Figure 0005696699
式(1)におけるXはフェニル基またはアミノ基を表し、式(2)におけるYはメチルアミノ基を表す。式(1)および式(2)で表される化合物はトリメトキシシリル基を有し、トリメトキシシリル基と置換基XおよびYとを連結する基が比較的長く、3以上のメチレン基を含む。このような化合物を板状金属電極と樹脂を含む面状成形物との接着のためのカップリング剤として用いることで、両者の接着強度を高めることができ;特に、発熱を繰り返したときの接着強度の低下や、剥離を抑制することができる。
このようなシランカップリング剤の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、および3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、が挙げられる。
図2A〜Eには、図1に示される面状発熱体100を製造するためのフローが示される。図2Aには、式(1)または式(2)で表される化合物が塗布されたリング状の板状金属210−1および210−2が示される。図2Bには、芯金からなる支持材300に、リング状の板状金属210−1および210−2をセットした状態が示される。図2Cには、図2Bに示された支持材300およびリング状の板状金属210−1および210−2に、導電性樹脂ドープを塗布して発熱層220を成膜した状態が示される。図2D(断面図)には、発熱層220に、補強層230、弾性体層240、離型層250を積層した状態が示される。図2E(断面図)は、図2Dに示される構造物から支持材300を抜き取って、面状発熱体100を得た状態を示す。
工程Aにおける一対の板状金属210−1および210−2は、面状発熱体における一対の板状金属電極となる部材であり、例えば図2Aに示されるようにリング状の部材であるが、特に限定されない。工程Aにおいて、板状金属210−1および210−2の表面にシランカップリング剤を塗布する。シランカップリング剤の塗布は、液状のシランカップリング剤そのもの、又はシランカップリング剤を含む溶液に板状金属を浸漬させたり、シランカップリング剤を含む溶液を板状金属にスプレーしたりすればよい。
一対の板状金属の全表面ではなく、一部の表面にシランカップリング剤を塗布してもよい。具体的には、板状金属の少なくとも一方の面にシランカップリング剤を塗布すればよく、より具体的には工程Cで導電性樹脂ドープを塗布される領域にシランカップリング剤を塗布すればよい(図2Aにおける領域αおよび領域βを参照)。前記シランカップリング剤の塗布量は、1×10−3〜1×10−2g/mmであることが好ましい。板状金属へのシランカップリング剤の塗布量を多くすることによってピーク比(Si/M)を大きくすることができ、塗布量を少なくすることによってピーク比(Si/M)を小さくすることができる。
工程Bにおいて、一対の板状金属がセットされる支持材は、板状金属を支持できる形状を有していれば特に限定されない。支持材の材質は特に制限されないが、例えばステンレスなどの金属である。支持材は、その表面を清浄かつ平滑に処理しておくことが好ましい。工程Eにおいて支持材を除去するためである。
板状金属がリング状である場合には、支持材は金属製の芯(芯金)などであり、リング状の板状金属が隙間なく嵌め込まれる径を有することが好ましい。支持材である芯金の両端に、リング状の板状金属を嵌め込めばよい(図2B参照)。
工程Cにおいて、支持材の表面と、支持材にセットされた一対の板状金属の表面とに、面状成形物の原料である導電性樹脂ドープを塗布する。導電性樹脂ドープには、樹脂またはその前駆体と、導電性物質と、溶媒とが含まれる。導電性樹脂ドープに含まれる導電性物質は、前記面状成形物に含まれる導電性物質と同様である。導電性樹脂ドープに含まれる樹脂は、前記面状成形物に含まれる樹脂と同様であり、ポリイミドなどである。樹脂の前駆体とは、例えばポリイミド前駆体であり、例えばポリアミック酸である。
導電性樹脂ドープに含まれる溶媒は特に限定されないが、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸に組み合わせる溶媒の好ましい例には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム及びトリグライムなどが含まれる。
工程Cにおける導電性樹脂ドープの塗布は、例えば特開2012−37823号公報に記載の製造装置を用いて行うことができる。この製造装置9c1は、図3に示されるように、保持装置9c11、塗布装置9c12、及び硬化装置9c13を有している。
保持装置9c11は、駆動用モーター9c113及び受け部9c114によって円筒状の支持材9c2を回転可能に保持する。円筒状の支持材9c2の端部には、板状金属のリングが嵌められている。円筒状の支持材9c2は、保持部材9c21、9c22を介して駆動用モーター9c113及び受け部9c114に接続されている。駆動用モーター9c113は第1保持台9c111上に配置され、受け部9c114は第2保持台9c112上に配置されている。
塗布装置9c12は、回転する支持材9c2の周面に導電性樹脂ドープを塗布する。ノズル9c121が、支持材9c2の周面に導電性樹脂ドープを塗布する。ノズル9c121は、取り付け部9c124を介して、支持材9c2の軸方向に平行に配置されている2本のガイドレール9c125に案内される。ガイドレール9c125は、ガイドレール取り付け板9c127に取り付けられている。ノズル9c121は、ノズル9c121側の雌ネジ9c126に螺合する雄ネジ9c128の回転によって、支持材9c2の軸方向に沿って移動する。雄ネジ9c128は、回転方向自在な回転駆動部9c122に接続されている。導電性樹脂ドープは、供給管9c123を介してノズル9c121に供給される。
硬化装置9c13は、回転する支持材9c2に塗布された導電性樹脂ドープを硬化させる装置である。硬化装置9c13は、例えば導電性樹脂ドープの塗膜を加熱して硬化させるヒータである。
前記塗膜の厚さは、導電性樹脂ドープの粘度や、支持材9c2の回転速度によって調整することができる。
導電性樹脂ドープの塗布膜を形成したら乾燥させて、さらに硬化させることで、本発明でいう面状成形物を構成する発熱層が形成される。硬化とは、例えばポリアミック酸をポリイミドとすることである。通常、工程Aから工程Cの過程で、シランカップリング剤のカップリング反応によって、板状金属電極と発熱層とが接合する。
工程Cにおいて、面状成形物の原料である導電性樹脂ドープは、支持材にセットされた板状金属表面の外面(露出面)の全面に塗布してもよいし、一部に塗布してもよい。いずれにしても、導電性樹脂ドープが塗布される面には、工程Aにおいてシランカップリング剤が塗布されている。また、板状金属表面と発熱層との接着力を高めるために、金属表面と発熱層との重なり面積は、一定以上(例えば200mm以上)とすることが好ましい。同じ理由で、発熱層の軸方向における金属表面と発熱層との重なり長さを2mm以上とすることが好ましい。一方、板状金属のうち、導電性樹脂ドープが塗布されない領域は、外部デバイス(電源など)と接続するための接続部となる。
工程Dでは、発熱層に、補強層、弾性体層および離型層を積層すればよい。各層用の塗布液を、図3に示される塗布装置を用いて塗布、乾燥、必要に応じて硬化させる。
工程Eでは、支持材を除去して面状発熱体を得る。支持材と、一対の板状金属および発熱層とは接触している。支持材の除去を容易にするためには、支持材と一対の板状金属および発熱層とが固着しないようにする必要がある。そのため、支持材と接触する板状金属表面には、シランカップリング剤を塗布しないほうがよい場合がある。
2.面状発熱体の用途
面状発熱体は、画像定着装置の一部材として用いられうる。画像定着装置は、例えば電子写真画像形成装置において、未定着のトナー画像を熱定着させる装置である。
画像定着装置の一例が、図4に示される。図4に示される画像定着装置は、パイプ状の面状発熱体400と、加圧ロール410と、加圧ロール410のシャフト420と、電源430と、リード線440とを有する。加圧ロール410のシャフト420は駆動モーター(図示せず)に連結されている。
本発明の面状発熱体は、図4に示される画像定着装置の面状発熱体400として用いられうる。面状発熱体400の両端部に設けた一対の電極(板状金属電極)450−1および450−2は、面状発熱体400の発熱層に給電をし、発熱層を発熱させる。図4に示される画像定着装置では、加圧ロール410の回転によって、加圧ロール410と圧接された面状発熱体400も従動して回転し、加圧ロール410と面状発熱体400とのニップ部に、未定着の画像が形成された複写紙が順次送り込まれて熱定着がなされる。
以上説明したように、本発明は、板状金属電極と面状成形物との接続部における金属イオンの含有量とSi原子の含有量とを、SEM−EDSによって検出される前記金属のピークとSiのピークとの比によって定量的に特定する。前記ピークは、前記接続部にX線を照射することによって検出される。本発明では、前記接続部で適度な接着強度が確保されるとともに、トナー定着に最適な発熱温度が得られる電気特性(導電性、或いは絶縁性)を有する面状発熱体が得られる。
[板状金属電極の調製]
厚さ50μmの市販のSUS304板を公知の方法で加工することにより、幅20mm、内径30.05mmのリング形状の板状金属電極を作製した。前記リング形状の板状金属電極を、
(1)アセトン中で30分間超音波洗浄し、
(2)10%塩酸水溶液により10分間室温でエッチングし、
(3)水道水、イオン交換水の順で洗浄した。
これを板状金属電極1とする
前記板状金属電極1を、前記リングの端から15mmの部分まで、下記式(3)に示す化合物3の液に1分間浸漬し、その後、熱風炉中で3分間乾燥した。これを板状金属電極2とする。
Figure 0005696699
前記板状金属電極1を、前記リングの端から15mmの部分まで、下記式(4)に示す化合物4の液に1分間浸漬し、その後、熱風炉中で3分間乾燥した。これを板状金属電極3とする。
Figure 0005696699
前記板状金属電極1を、前記リングの端から15mmの部分まで、化合物3の液に1分間浸漬し、その後、熱風炉中で3分間乾燥した。そして、リングの浸漬と乾燥とをもう一度繰り返すことにより、リングの端部に化合物3を二回塗布した。これを板状金属電極4とする。
前記板状金属電極1を、前記リングの端から15mmの部分まで、化合物3の1%アルコール溶液に1分間浸漬し、その後、熱風炉中で3分間乾燥した。これを板状金属電極5とする。
[発熱層用ドープ液の調製]
面状形成物を作製するための発熱層用ドープ液(導電性物質と樹脂原料を含有する導電性樹脂形成用溶液)を以下の手順で作製した。
ポリイミド樹脂前駆体であるポリアミド酸溶液(宇部興産社製 U−ワニスS301)100gに、導電性物質である市販の黒鉛繊維XN−100(日本グラファイトファイバー社製)18gを投入し、プライミックス社製TKホモディスパー2.5型を用いて、5,000rpmで15分間、攪拌、混合を行った。得られた混合液を発熱層用ドープ液とする。
[弾性体層形成用塗布液の調製]
シリコーンゴムKE1379(信越化学(株)製)とシリコーンゴムDY356013(東レダウコーニングシリコーン社製)とを2:1(シリコーンゴムKE1379:シリコーンゴムDY356013、質量比)の割合で混合した。得られた混合液の粘度は、東機産業(株)製TVB10形を使用して温度25℃で測定したところ、50Pa・sであった。得られた前記混合液を弾性体層形成用塗布液とする。
[離型層形成用塗布液の準備]
PTFE樹脂とPFA樹脂を7:3(PTFE樹脂:PFA樹脂、質量比)の割合で混合し、固形分濃度45%、粘度:110mPa・sに調整したフッ素樹脂ディスパーション(デュポン社製商品名「855−510」)を離型層形成用塗布液として準備した。
[実施例1]
(発熱層及び補強層の作製)
長さ380mm、外径30.0mmのステンレス鋼製芯金の両端に板状金属電極2を装着した。板状金属電極2は、化合物3の塗布部が芯金の中央側に位置するように装着される。次いで、発熱層用ドープ液を、給電用の電極とする板状金属電極2の端部(非塗布部)を残して、板状金属電極2の外周面及び前記芯金の外周面に塗布した。発熱層用ドープ液は、図3に示す装置で、厚さ0.8mmとなる様に以下に示す条件で塗布される。塗布後、芯金を回転速度40rpmで回転させながら、120℃で40分間加熱し、塗布された発熱層用ドープ液を乾燥させた。次いで、発熱層用ドープ液に換えてポリアミド酸溶液(宇部興産社製 U−ワニスS301)を、厚さ0.8mmになるよう同様に、発熱層用ドープ液の塗布膜に重ねて塗布した。その後、芯金を回転速度40rpmで回転させながら、120℃で40分間加熱し、塗布されたポリアミド酸溶液を乾燥させた。その後、これらの溶液が塗布された芯金を、450℃で20分間加熱し、発熱定着ベルトの発熱層及び補強層を形成した。なお、芯金の回転速度は、(株)小野測器製HT−4200製で測定した値である。
(塗布条件)
塗布液(発熱層用ドープ液、ポリアミド酸溶液)の温度:25℃
ノズルの吐出口の形状:円錐状ノズル
ノズルの吐出口の口径:2mm
ノズルの吐出口と芯金の周面との距離:5mm
ノズルからの塗布液の吐出量:5mL/min
ノズルの、芯金の回転軸方向への移動速度:1mm/sec
芯金の回転速度:40rpm
(弾性体層の作製)
前記ポリアミド酸溶液に換えて弾性体層形成用塗布液を、図3に示す装置を使用して、補強層の上に、以下に示す条件で塗布し、乾燥後の膜厚200μmの弾性体層形成用塗膜を形成した。その後、芯金を回転速度40rpmで回転させながら、150℃で30分間一次加硫し、さらに200℃で4時間ポスト加硫を行い、補強層の上に弾性体層を形成した。
(塗布条件)
弾性体層形成用塗布液の温度:25℃
ノズルの吐出口の形状:円錐状ノズル
ノズルの吐出口の口径:2mm
ノズルの吐出口と補強層の周面との距離:5mm
ノズルからの弾性体層形成用塗布液の吐出量:5mL/min
ノズルの、芯金の回転軸方向への移動速度:1mm/sec
芯金の回転速度:40rpm
(離型層の作製)
弾性体層形成用塗布液に換えて離型層形成用塗布液を、図3に示す装置を使用して、弾性体層の上に、以下に示す条件で塗布し、乾燥後の膜厚30μmの離型層形成用塗膜を形成した。その後、室温で30分間乾燥した後、芯金を回転速度(周速度)0.1m/secで回転させながら、230℃で30分間加熱し、さらに270℃で10分間加熱し、弾性体層の上に離型層を形成した。
(塗布条件)
離型層形成用塗布液の温度:25℃
ノズルの吐出口の形状:円錐状ノズル
ノズルの吐出口の口径:2mm
ノズルの吐出口と発熱層の周面との距離:5mm
ノズルからの、離型層形成用塗布液の吐出量:5mL/min
ノズルの芯金の回転軸方向への移動速度:1mm/min
芯金の回転速度:40rpm
離型層の引張強度は10MPaであった。離型層の引張強度は、インストロン ジャパン カンパニイ リミテッド製5988を用いて測定した値である。離型層の摩擦係数は、0.1であった。摩擦係数は、ポータブル摩擦計「ミューズ TIPE:94i−II(新東科学株式会社製)」を用いて測定した値である。尚、摩擦係数は、離型層上の、ランダムに選ばれる10点から30点の測定点の摩擦係数の平均値である。
(芯金の抜き取り)
離型層を形成した後、芯金を冷却し、抜き取ることで、図2D、2Eに示す構成(発熱層/補強層/弾性体層/離型層)を有する発熱定着ベルトを作製した。
(Siピークの測定)
(1)発熱定着ベルトの研磨
発熱定着ベルトの板状金属電極上に位置する樹脂層を研磨した。
中尾研磨剤工業株式会社製、ユニットタイプフィルム方式超仕上げ盤SM25型を用い、以下の条件で、発熱定着ベルトを、前記板状金属電極の表面上から1μm以下の位置まで研磨した。前記板状金属電極の表面からの研磨面の距離は、株式会社キーエンス製レーザー顕微鏡VK−9500によって確認した。
(条件)
研磨フィルム:3M製トライザクトダイヤモンドラッピングフィルム662XA 粒度2ミクロン 及び 粒度0.5ミクロン
走行速度:30mm/min
振動回数:450cpm
(2)発熱層におけるSi元素の存在量の測定
走査型電子顕微鏡(SEM)と、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)とが組み合わされた走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分析装置(SEM−EDS)を用いて、前記の樹脂層の研磨によって露出した部分における元素を分析した。X線を前記板状金属電極と重なる部分の前記の樹脂層の研磨後の表面に照射し、元素分析を行った。そして、検出された金属元素のピークのうちの最大の金属イオンのピーク(M)に対する、Siのピーク(Si)の面積の比(ピーク比、Si/M))を求めた。
(耐久性の評価)
発熱定着ベルトの耐久前後の電気抵抗を測定し、耐久前後における電気抵抗の差の割合を求めた。耐久試験では、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhubC550に、発熱定着ベルトを装着して、印字率5%の画像を90万枚コピーした。発熱定着ベルトの両端のリングに測定用の電極を接続し、発熱定着ベルトの電気抵抗を測定した。リングと発熱層との剥離が生じると電気抵抗が大きくなる。下記の基準に従って評価した。
○:{|耐久後抵抗−初期抵抗|/初期抵抗}×100<1%
△:1%≦{|耐久後抵抗−初期抵抗|/初期抵抗}×100<3%
×:{|耐久後抵抗−初期抵抗|/初期抵抗}×100≧3%
結果を表1に示す。
[実施例2及び比較例1〜3]
板状金属電極2を板状金属電極3に換えた以外は実施例1と同様に発熱定着ベルトを作製し、評価した(実施例2)。
また、板状金属電極2を板状金属電極4に換えた以外は実施例1と同様に発熱定着ベルトを作製し、評価した(比較例1)。
また、板状金属電極2を板状金属電極5に換えた以外は実施例1と同様に発熱定着ベルトを作製し、評価した(比較例2)。
また、板状金属電極2を板状金属電極1に換えた以外は実施例1と同様に発熱定着ベルトを作製し、評価した(比較例3)。
結果をそれぞれ表1に示す。
[比較例4]
板状金属電極を用いず、芯金の端部で発熱層が露出するようにした以外は、実施例1と同様に、発熱層、補強層、弾性体層、及び離型層を作製した。そして、発熱層が露出している部分に銀ペーストを塗布して電極を作製し、発熱定着ベルトを得た。得られた発熱定着ベルトを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005696699
実施例の発熱定着ベルトでは、耐久試験前後の電気抵抗の変化率が1%未満、と非常に小さいことがわかる。これは、電極と発熱層との接合状態が変化しなかったためであると考えられる。
本発明の面状発熱体は、板状金属電極と発熱層(面状成形物)との接着力が強いので、発熱と冷却とを繰り返しても金属電極と発熱層との剥離が生じにくい。そのため、本発明の面状発熱体は、画像形成装置の画像定着装置における定着部材として好適に用いられる。
1 第1絶縁層
2 比抵抗発熱体層
3 第2絶縁層
4、150、250 離型層
5 電極層
9c1 製造装置
9c11 保持装置
9c111 第1保持台
9c112 第2保持台
9c113 駆動用モーター
9c114 受け部
9c12 塗布装置
9c121 ノズル
9c122 回転駆動部
9c123 供給管
9c124 取り付け部
9c125 ガイドレール
9c126 雌ネジ
9c127 ガイドレール取り付け板
9c128 雄ネジ
9c13 硬化装置
9c2 支持材
9c21、9c22 保持部材
10 発熱定着ベルト
100、400 面状発熱体
110−1、110−2 板状金属電極
120 面状成形物
130、230 補強層
140、240 弾性体層
210−1、210−2 板状金属
220 発熱層
300 支持材
410 加圧ロール
420 シャフト
430 電源
440 リード線
450−1、450−2 電極

Claims (6)

  1. 少なくとも、導電性物質と樹脂とを含む導電性樹脂組成物からなる面状成形物と、前記面状成形物の端部に接着する一対の板状金属電極とを有する面状発熱体であって、
    前記面状成形物の端部では、シランカップリング剤を介して前記面状成形物を前記板状金属電極の上に接着させており、
    前記面状成形物の端部を研磨して露出させた、前記板状金属電極表面からの距離が1μm以下の前記面状成形物の部位において、最も多く含有される金属イオンMとケイ素原子Siのピークの面積比(Si/M)が1/100〜1であり、
    前記ピークは、前記部位へX線を照射したときに前記部位から発生するX線をSEM−EDSによって測定して得られることを特徴とする面状発熱体。
  2. 前記樹脂がポリイミドであることを特徴とする請求項1に記載の面状発熱体。
  3. 前記面状成形物がパイプ状成形物であって、
    前記一対の板状金属電極は、それぞれリング状の形状を有し、前記パイプ状成形物の両端部に接着していることを特徴とする請求項1または2に記載の面状発熱体。
  4. 前記面状成形物が外面を覆う弾性体層を有するものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の面状発熱体。
  5. 前記面状成形物が外面を覆う離型層を有するものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の面状発熱体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の面状発熱体を備えることを特徴とする画像定着装置。
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