JP2012037823A - 管状物の製造方法 - Google Patents

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淳二 氏原
Tadaaki Sumiya
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Abstract

【課題】ノズルを使用し円柱状の芯金の周面に塗布液を螺旋状に塗布し、塗膜を形成した後、芯金を抜き取り管状物を製造しても膜厚が均一の管状物を製造することが出来る製造方法の提供。
【解決手段】回転する円柱状の芯金の周面に、相対的に移動するノズルより樹脂層形成用塗布液を吐出して螺旋状に塗布し樹脂層形成用塗膜を形成し、前記樹脂層形成用塗膜の硬化処理を行い樹脂層を形成した後、前記芯金を抜き取り管状物を製造する管状物の製造方法において、前記硬化処理を行う前に、前記樹脂層形成用塗膜を形成した前記芯金を、振れ幅30μm未満で、回転速度(周速度)0.02m/secから0.2m/secで回転させ平坦化処理を行うことを特徴とする管状物の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真複写機、プリンター等の画像形成装置において、感光体上に形成されたトナー画像を転写紙等の転写材上に転写するための中間転写ベルト、及び転写紙等の転写材上に転写されたトナー画像を加熱により定着する定着部に用いられる定着ベルト等の管状物の製造方法に関するものである。
電子写真複写機、プリンターなどの電子写真方式の画像形成装置は、近年では高画質フルカラー化、高品質化の要求が強く求められている。電子写真方式の画像形成装置は、従来から知られている様に、感光体を一様に帯電する帯電部材、感光体上に静電潜像を形成する露光部材、静電潜像をトナー像で現像する現像部材、転写体に転写する転写部材、トナー像を転写体上に定着させる定着部材、感光体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング部材、感光体上の静電潜像を除去する除電部材等の構成部材を有している。
電子写真方式の画像形成装置は、帯電したトナーを感光体上の静電潜像に接触或いは非接触で供給し、静電潜像を顕像にする現像過程を経て形成したトナー像を転写工程で中間転写体に一次転写した後、転写材(例えば紙)に二次転写し、更に定着して最終画像を形成するものである。
中間転写体としては、基体に無端の管状基体を使用し、管状基体の上に各種の機能層を有する管状物として中間転写ベルトが使用されている。
又、転写材に二次転写されたトナー像を溶融して転写材上に定着し最終画像を形成するため、無端の管状基体の上に各種の機能層を有する管状物として定着ベルトが使用されている。
高画質フルカラー化、高品質化の要求に対して管状物である中間転写ベルト及び定着ベルトに共通した課題として膜厚の均一化が挙げられる。
中間転写ベルトで膜厚が不均一の場合、次の問題点が挙げられる。
1.抵抗値のバラツキにより感光体上に形成されたトナー像の転写性のバラツキにより出力画像が悪くなる。
2.ブレードの押圧が一定にならないため、転写体に転写した後のクリーニング性が悪くなる。
3.装置内での搬送性が悪く蛇行し擦れることで異物が発生し中間転写ベルトに付着し、付着した箇所が白抜け、異物付着等の画像欠陥なる。
定着ベルトで膜厚が不均一の場合、次の問題点が挙げられる。
1.押圧ローラーによる圧力が均一に掛からないため定着不良が発生する。
2.定着温度が不均一になり、定着不良が発生する。
3.装置内での搬送性が悪く蛇行し擦れることで異物が発生し定着ベルトに付着し、付着した箇所が異物付着の画像欠陥となる。
これら、中間転写ベルト及び定着ベルトに使用する管状物の製造方法として、円柱状の芯金の周面に樹脂塗布液を塗布し乾燥させ樹脂層を形成した後に芯金から樹脂を外す方法が知られている。例えば、特開2004−9495号公報に、円柱状又は円筒状型の外周面に、ノズルからポリアミド酸溶液を糸状に吐出させ、ノズルを円柱状又は円筒状型の外面から距離を隔てて相対的に固定した状態で、円柱状又は円筒状型を周方向に回転させながら回転軸方向に移動させることにより、吐出したポリアミド酸溶液を隙間なく螺旋状に付着させ、形成された塗膜を加熱して塗布したポリアミド酸溶液を硬化又は固化させた後、円柱状又は円筒状型から外すことでシームレス管状物を製造する方法が記載されている。
特開2005−59225号公報には、回転される金型の外周面にディスペンサーのノズルを当接させ金型の軸線方向に移動させながら液状で耐熱性を有する樹脂又はゴムをノズルより連続的に塗布し管状物を形成する方法が記載されている。
これらの方法は、何れも円柱状又は円筒状型の上に樹脂層を形成した後、引き続き樹脂層の上に同じ方法で機能層を積層することが出来、最終的に円柱状又は円筒状型を外すことで管状物を製造することが可能であるが次の問題点を有している。
1.円柱状又は円筒状型の真円度が悪い場合、回転に伴い振れが発生し、表面に塗布される塗膜の厚さにムラが発生し、膜厚の安定化が難しい。
2.回転装置側にも同じ様に振れが発生しない様に精度の高い管理が要求される。
この様な円柱状又は円筒状型の真円度に伴う回転時の振れ対策として検討がされてきた。例えば、真円度が悪い円筒状或いは円柱状芯体をその中心軸を水平にして回転させながら、芯体表面の樹脂溶液を塗布させようとする領域に、樹脂溶液を液ノズルから流下させて、樹脂溶液を付着させつつ、付着した樹脂溶液をエアーノズルからエアーを吹き付けることにより平坦化した樹脂膜を形成した後、樹脂膜を硬化させ円筒状或いは円柱状芯体を抜き取ることで無端ベルト(管状物に該当する)を製造する方法が知られている(特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1参照に記載の方法は次の欠点を有していることが判った。
1.真円度が悪い円筒状或いは円柱状芯体を回転させることで振れが発生するが、エアーノズルの位置を振れに対応して制御することが難しいため、エアーの吹き付けムラが発生し安定した膜厚が形成され難い。
2.エアーノズルからエアーの吹き付け圧、吹き付け量の安定化が難しく、特に塗布液の粘度が低い場合対応が難しい。
3.エアーの対流などの流れ方向によりムラが発生し、安定した膜厚が形成され難い。
この様な状況から、ノズルを使用し円柱状の芯金の周面に塗布液を螺旋状に塗布し、塗膜を形成した後、芯金を抜き取り管状物を製造しても膜厚が均一の管状物を製造することが出来る製造方法の開発が望まれている。
特開2006−55778号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、ノズルを使用し円柱状の芯金の周面に塗布液を螺旋状に塗布し、塗膜を形成した後、芯金を抜き取り管状物を製造しても膜厚が均一の管状物を製造することが出来る製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は下記の構成で達成された。
1.回転する円柱状の芯金の周面に、相対的に移動するノズルより樹脂層形成用塗布液を吐出して螺旋状に塗布し樹脂層形成用塗膜を形成し、前記樹脂層形成用塗膜の硬化処理を行い樹脂層を形成した後、前記芯金を抜き取り管状物を製造する管状物の製造方法において、前記硬化処理を行う前に、前記樹脂層形成用塗膜を形成した前記芯金を、振れ幅30μm未満で、回転速度(周速度)0.02m/secから0.2m/secで回転させ平坦化処理を行うことを特徴とする管状物の製造方法。
2.前記樹脂層の上に少なくとも1層の機能層を、前記1に記載の樹脂層の形成方法と同じ方法で順次形成することを特徴とする前記1に記載の管状物の製造方法。
3.前記ノズルの塗布液吐出口からの樹脂層形成用塗布液の吐出量が、0.5ml/minから200ml/minであることを特徴とする前記1又は2に記載の管状物の製造方法。
4.前記樹脂層形成用塗布液及び機能層形成用塗布液の粘度は、1Pa・sから1000Pa・sであることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の管状物の製造方法。
5.前記管状物が画像形成装置の中間転写ベルトであることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の管状物の製造方法。
6.前記管状物が画像形成装置の定着ベルトであることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の管状物の製造方法。
ノズルを使用し円柱状の芯金の周面に塗布液を螺旋状に塗布し、塗膜を形成した後、芯金を抜き取り管状物を製造しても膜厚が均一の管状物を製造することが出来る製造方法を提供することが出来た。
管状物の概略断面図である。 円柱状の芯金の周面にノズルを使用した塗布方法で樹脂層を形成し、管状物を製造する製造装置の概略図である。
本発明の実施の形態を図1から図3を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は管状物の概略断面図である。図1(a)は軸心と直角に交わる面で断裁した時の管状物の1例の概略断面図である。図1(b)は軸心と直角に交わる面で断裁した時の他の構成を有する管状物の1例の概略断面図である。
図1(a)に示す管状物の概略断面図に付き説明する。
図中、1は管状物を示す。1aは基材となる樹脂層を示す。1bは樹脂層1aの上に形成された弾性層を示す。1cは弾性層1bの上に形成された表面層を示す。尚、本図に示す管状物の層構成は必要に応じて変更することは可能である。
本図で示される管状物1は画像形成装置の中間転写ベルトとして使用することが可能である。中間転写ベルトとして使用する場合、樹脂層1aの厚さは、膜強度、転写性等を考慮し、20μmから100μmが好ましい。弾性層1bの厚さは、転写性を考慮し、100μmから800μmが好ましい。表面層1cの厚さは、耐久性と抵抗値とが両立することを考慮し、0.5μmから80μmが好ましい。
樹脂層の厚さ、弾性層の厚さ及び表面層の厚さは、フィッシャー・インストルメンツ(株)製MMSで測定した値を示す。
図1(b)に示す管状物の概略断面図に付き説明する。
図中、2は管状物を示す。2aは基材となる樹脂層を示す。2bは樹脂層2aの上に形成された発熱層を示す。2cは発熱層2bの上に形成された弾性層を示す。2dは弾性層2cの上に形成された表面層を示す。尚、本図に示す管状物の層構成は必要に応じて変更することは可能である。
本図で示される管状物2は画像形成装置の定着ベルトとして使用することが可能である。定着ベルトとして使用する場合、樹脂層2aの厚さは、耐久性を考慮し、20μmから100μmが好ましい。発熱層2bの厚さは、耐久性、抵抗値等を考慮し、20μmから150μmが好ましい。弾性層2cの厚さは、定着画像、熱伝導性等を考慮し、100μmから800μmが好ましい。表面層2dの厚さは、耐久性、熱伝導性等を考慮し、0.5μmから80μmが好ましい。
樹脂層の厚さ、発熱層の厚さ、弾性層の厚さ及び、表面層の厚さはフィッシャー・インストルメンツ(株)製MMSで測定した値を示す。
本図に本図に示す管状物も図1(a)と同じ様にして、樹脂層を形成した後、発熱層、弾性層、表面層を順次積層することで製造することが可能である。
図1に示す管状物の製造方法の詳細は、図2を参照しながら説明する。
図2は、円柱状の芯金の周面にノズルを使用した塗布方法で樹脂層を形成し、管状物を製造する製造装置の概略図である。図2(a)は円柱状の芯金の周面にノズルを使用した塗布方法で樹脂層を形成し、管状物を製造する製造装置の概略斜視図である。図2(b)は図2(a)に示される製造装置の概略正面図である。
図中、3は製造装置を示す。製造装置3は保持装置3aと塗布装置3bと硬化装置5とを有している。保持装置3aは第1保持台3a1と、第2保持台3a2と、駆動用モーター3a3とを有している。駆動用モーター3a3は第1保持台3a1上に配設されており、円柱状の芯金4の保持部材4aと接続部材を介して駆動用モーター3a3の回転軸に接続されている。第2保持台3a2には円柱状の芯金4の他方の保持部材4bを受ける受け部3a21が配設されており、これにより、駆動用モーター3a3の回転により円柱状の芯金4を回転及び停止が可能に保持することが可能となっている。
保持装置3aは、樹脂層形成用塗膜を芯金の周面の全面に形成した後、樹脂層形成用塗膜を有する芯金を連続して回転させる平坦化処理を行う装置を兼ねている。
平坦化処理の条件は、樹脂層形成用塗膜を有する芯金の回転時の振れは、30μm未満で、更に好ましくは20μm以下である。30μmを超える場合は、偏芯による塗膜の偏りにより、膜厚のバラツキが大きくなるため好ましくない。振れは、(株)キーエンス製LK−G5000で測定した値を示す。
又、回転速度(周速度)は0.02m/secから0.2m/secである。更に好ましくは、0.05m/secから0.15m/secである。
0.02m/sec未満では、樹脂層形成用塗膜が鉛直方向にズレて来るため膜厚のバラツキが大きくなるため好ましくない。
0.2m/secを超える場合は、特に低粘度の場合は流動性が高いため、膜厚のバラツキが大きくなるため好ましくない。
回転速度(周速度)は、小野測器製HT−4200で測定した値を示す。
塗布装置3bは、塗布手段3b1と、駆動部3b2とを有している。3b11は塗布手段3b1に樹脂層形成用塗布液を供給する塗布液供給管を示す。塗布手段3b1は取り付け部材3b12によりガイドレール3b4に円柱状の芯金4の回転軸に沿って平行に移動可能に取り付けられている。塗布手段3b1としては、ノズルが挙げられる。ノズルの樹脂層形成用塗布液の吐出口の形状は特に限定はなく、例えば、円形、矩形等が挙げられる。ノズルの樹脂層形成用塗布液の吐出口と円柱状の芯金4の周面までの距離は、塗布液の粘度、膜厚等を考慮し、1mmから100mmが好ましい。尚、本図では塗布手段3b1への樹脂層形成用塗布液供給部、制御部は省略してある。
本発明で使用する樹脂層形成用塗布液の粘度は、レベリング性、脱泡等のハンドリング性等を考慮し、1Pa・sから1000Pa・sが好ましい。
粘度は、ビスコテック(株)デジタル回転式粘度計で温度25℃で測定した値を示す。
又、樹脂層形成用塗布液に使用する溶媒の沸点は、乾燥速度を考慮し、70℃から250℃が好ましい。
本発明で使用する機能層形成用塗布液の粘度は、レベリング性、脱泡等のハンドリング性等を考慮し、0.1Pa・sから1000Pa・sが好ましい。又、機能層形成用塗布液に使用する溶媒の沸点は、乾燥速度を考慮し、70℃から250℃が好ましい。
駆動部3b2はモーター3b21とガイドレール取り付け板3b3とを有している。ガイドレール取り付け板3b3には、取り付け部材3b12を取り付け、保持装置3aに保持された円柱状の芯金4の回転軸と平行に塗布手段3b1を回転軸方向に往復移動(図中の矢印方向)させるための2本のガイドレール3b4が配設されている。
モーター3b21は、取り付け部材3b12の上に取り付けられたスライド用ネジ3b13と螺合し、取り付け部材3b12を保持装置3aに保持された円柱状の芯金4の幅よりも長く移動させる長さの雌ネジ3b22を有している。
モーター3b21を駆動させることで、スライド用ネジ3b13の回転に伴い、取り付け部材3b12に取り付けられた塗布手段3b1が円柱状の芯金4の回転軸と平行に回転軸方向に往復移動(図中の矢印方向)することが可能となっている。
硬化装置5は、円柱状の芯金4の周面に形成された樹脂塗膜を硬化させるために円柱状の芯金4の下に配設されている。硬化装置5としては塗布液に使用する樹脂により適宜変更することが可能である。例えば熱硬化性樹脂の場合は、赤外線ランプ、ニクロム線、熱風等の熱源が挙げられる。活性エネルギー線硬化樹脂の場合には、紫外線、電子線、γ線等で、形成された活性エネルギー線硬化型樹脂を活性化させるエネルギー源であれば制限なく使用出来るが、紫外線、電子線が好ましい。特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。又、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプ又はシンクロトロン放射光等も用いることが出来る。スポット状の活性エネルギー線を照射するには紫外線レーザーを使用することが好ましい。
本図に示す製造装置では、円筒状の芯金の周面に形成された樹脂塗膜の硬化を1つの製造装置に組み込んだ場合を示したが、保持装置3aを可動式として別工程で硬化処理を行う方式であってもよい。
又、使用する樹脂が熱硬化性の場合は、円筒状の芯金を内部から加熱する方式も可能である。
本図は円柱状の芯金を使用した場合を示しているが円筒状の芯金であってもよく、適宜選択することが可能である。
本図は、円筒状の芯金4の位置を固定した状態で回転させ、塗布手段3b1としてのノズルを円筒状の芯金4の回転軸方向に移動させる装置を示しているが、塗布手段3b1としてのノズルの位置を固定し、円筒状の芯金4を回転させながら、円筒状の芯金4の回転転軸方向に移動させる装置であってもよい。
本図に示す製造装置を使用し、管状物を製造するステップの概要を以下に示す。
ステップ1.保持装置3aに保持した円柱状の芯金4を回転した状態で、塗布手段3b1としてのノズルを芯金の回転軸に平行に、回転軸方向に移動させながら、芯金の塗布領域に樹脂塗布液をノズルより吐出し芯金の周面に螺旋状に塗布し樹脂層形成用塗膜を形成する。
ステップ2.保持装置3aを使用した平坦化処理により周面に形成した樹脂層形成用塗膜を平坦化する。
ステップ3.平坦化処理により平坦化した樹脂層形成用塗膜を硬化装置5で硬化処理を行い樹脂層を形成する。
ステップ4.芯金を抜き取ることで単層の樹脂層で出来た管状物が製造される。
尚樹脂層の上に機能層を積層する場合は、ステップ3で樹脂層が形成された後、樹脂層の上に機能層形成用塗布液を使用し、ステップ1からステップ3と同じ操作を行い機能層を形成し、この後芯金を抜き取ることで樹脂層の上に機能層を積層した管状物を製造することが可能である。更に複数の機能層を積層する場合も、機能層の上に機能層形成用塗布液を使用し、ステップ1からステップ3と同じ操作を行い複数の機能層を積層することが出来る。
本発明の管状物の製造方法により製造された管状物は中間転写ベルト及び定着ベルトに使用することが好ましい。
図1、図2に示す様に回転した状態の円柱状の芯金の周面に、ノズルを使用して樹脂塗布液を螺旋状に塗布した後、平滑処理し、硬化処理した後、円柱状の芯金を抜き取り管状物を製造する製造方法で次の効果が得られた。
1.バラツキの少ない管状物の製造が可能となった。
2.円柱状の芯金の真円度に対する許容範囲を広げることが可能となった。
3.樹脂層の上に機能層を樹脂層の形成方法と同じ方法で積層しても、膜厚のバラツキが少ない機能層の形成が出来、樹脂層の上に機能層を有する管状物の製造が可能となった。
4.樹脂層の上に機能層を有する管状物を中間転写ベルトとして使用しても、濃度ムラのバラツキが少ない安定した性能を有することを確認した。
5.樹脂層の上に機能層を有する管状物を定着ベルトとして使用しても、濃度ムラのバラツキが少ない安定した性能を有することを確認した。
次に、本発明の管状物の製造方法により製造された管状物が中間転写ベルト及び定着ベルトに使用される場合の材料に付き説明する。
中間転写ベルトの場合
〈樹脂層〉
樹脂層は、中間転写ベルト及び定着ベルトに使用される場合は基体となるので、クリーニング部材であるクリーニングブレードから中間転写ベルトに加わる負荷で中間転写体が変形することを回避し、転写部への影響を低減させる剛性を有するものである。樹脂基体は、ナノインデンテーション法により測定したヤング率が5.0GPaから15.0GPaの範囲内の材料を用いて形成することが好ましく、8.0GPaから15.0GPaの範囲内の材料がより好ましい。
この様な性能を発現する材料として、例えば、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリエーテル、エーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリアミド及びポリフェニレンサルファイド等のいわゆるエンジニアリングプラスチック材料を用いることが出来る。これらの中ではポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイドが好ましい。これらの樹脂材料のナノインデンテーション法により測定したヤング率は5.0GPaを超えるものであり、厚み50μmから200μmで、樹脂基体としての機械特性を満足する。更に、前述の樹脂材料と下記の弾性材料とをブレンドした材料を使用することも可能である。前記弾性材料としては、例えば、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
この中でも、ポリフェニレンサルファイド或いはポリイミド樹脂を含有することが好ましい。ポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸の加熱により形成される。又、ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物や、その誘導体とジアミンのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させることにより得られる。
尚、本発明では、樹脂基体にポリイミド系樹脂を使用する場合、樹脂基体におけるポリイミド系樹脂の含有率が51%以上であることが好ましい。
本発明に係る樹脂基体は、樹脂材料に導電性物質を添加して、電気抵抗値(体積抵抗率)を10Ω・cmから1011Ω・cmに調整したシームレスベルトやドラムが好ましい。
樹脂材料に添加する導電性物質としては、カーボンブラックを使用することが出来る。カーボンブラックとしては、中性又は酸性カーボンブラックを使用することが出来る。導電性物質の使用量は、使用する導電性物質の種類によっても異なるが中間転写体の体積抵抗値及び表面抵抗値が所定の範囲になる様に添加すればよく、通常、樹脂材料100質量部に対して10質量部から20質量部、好ましくは10質量部から16質量部である。
本発明に用いられる基体は、従来公知の一般的な方法により作製することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイを使用したインフレーション法により筒状に成形した後、輪切りにすることで環状の無端ベルト状の基体を作製することが出来る。
(弾性層)
弾性層としては、特に限定されるものではなく、任意のゴム材料、熱可塑性エラストマーを用いることが出来る。例えばスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ハイスチレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロロヒドリンゴム及びノルボルネンゴム等から選ぶことが出来る。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
一方、熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系、ポリウレタン系、スチレン−ブタジエントリブロック系、ポリオレフィン系などを用いることが出来る。
又、弾性層は基体に使用する樹脂材料と弾性材料とをブレンドした材料を用いて形成した層でもよい。
例えばシリコーンゴムの素材としては、ビニル基を含有したポリオルガノシロキサン組成物が用いられる。シリコーンゴムとしては、付加反応触媒により硬化可能な2液性の液状シリコーンゴムや過酸化物からなる加硫剤により加硫(硬化)可能な熱加硫型シリコーンゴムが用いられる。又、弾性体層には、シームレスベルトの使用目的、設計目的などに応じて、充填剤、増量充填剤、加硫剤、着色剤、導電性物質、耐熱剤、顔料等の種々の配合剤を添加することが出来る。又、配合剤の添加量などにより合成樹脂の可塑度は変化するが、硬化前の剛性樹脂の可塑度としては、120以下のものが好適に用いられる。
弾性層は、弾性材料に導電性物質を分散させて、電気抵抗値(体積抵抗率)を10Ω・cmから1011Ω・cmに調製することが出来る。
弾性層に添加する導電性物質としては、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素等を使用することが出来る。カーボンブラックとしては、中性又は酸性カーボンブラックを使用することが出来る。導電性物質の使用量は、使用する導電性物質の種類によっても異なるが弾性層の体積抵抗値及び表面抵抗値が所定の範囲になる様に添加すればよく、通常、弾性材料100質量部に対して10質量部から20質量部、好ましくは10質量部から16質量部である。
(表面層)
表面層としては、上記弾性層よりも高い弾性率を有する樹脂であれば特に限定はなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アルコール可溶性ナイロン、ポリカーボネート、ポリアリレート、フェノール、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリホスファゼン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテル、ポリパラバン酸、ポリアリルフェノール、フッ素、ポリ尿素、アイオノマー、シリコーン等の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂、及びこれら2種以上からなる混合物又は共重合体等を挙げることが出来る。特にフッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が好ましい。
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキビニルエーテル(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの共重合体(THV)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)などを使用することが出来る。上記フッ素樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
ウレタン樹脂としては塗料の分野において公知のポリウレタン樹脂が使用可能である。特に水系ポリウレタン樹脂が好ましい。ポリウレタン樹脂を構成するポリオール化合物としては、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール(ポリジエン系ポリオールを水素添加したポリオールを含む。)、ポリブタジエン系ポリオール、ポリイソプレン系ポリオール、アクリル樹脂系ポリオールなどがある。
ウレタン樹脂の硬化剤としては、ウレタン樹脂の原料として一般的に用いられているイソシアネート化合物を用いることが出来る。この場合、イソシアネート化合物とは、分子中に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物であり、この様なイソシアネート化合物として具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、リジンエステルジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート(LDI)、ウンデカントリイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及び上記イソシアネート化合物の重合体、誘導体、変性体、水素添加体等が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、2官能性(D単位)、3官能性(T単位)のシロキサン単位を10mol%以上、好ましくは主骨格として構成している公知の樹脂で、フェニル系シリコーン樹脂、メチル系シリコーン樹脂、メチルフェニル系シリコーン樹脂などが用いられるが、これらに限定されるものではない。更に硬化機構も加熱硬化型、室温硬化型に限定されるものではない。更にシリコーンゴムからなる層を用いることも出来る。シリコーンゴム層としては、公知のメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴムなどが用いられるが、これらに限定されるものではない。更にシリコーンゴムと添加物による過酸化反応、縮合反応、付加反応物を行うことによって、架橋構造を持たせてもよい。更にシリカなどの添加剤によって補強することも可能である。
アクリル系樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線の様な活性エネルギー線を照射することによって硬化させて形成される。特にバインダーとしてアクリル系の活性エネルギー線硬化樹脂を主成分とすることが好ましい。活性エネルギー線硬化アクリレート系樹脂としては、例えば、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂等が挙げられる。
アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、又はプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る。例えば、特開昭59−151110号公報に記載のものを用いることが出来る。例えば、ユニディック17−806(DIC(株)製)100部と、コロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることが出来、特開昭59−151112号公報に記載のものを用いることが出来る。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることが出来、特開平1−105738号公報に記載のものを用いることが出来る。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることが出来る。
これらの中で、バインダーの主成分として、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレートから選択されるアクリル系の活性エネルギー線硬化樹脂が好ましい。
活性光線硬化樹脂層の塗布組成物は、固形分濃度は10質量%から100質量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、又は混合して使用出来る。好ましくは、プロピレングリコールモノ(C1からC4)アルキルエーテル又はプロピレングリコールモノ(C1からC4)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、更に好ましくは5質量%から80質量%含有する溶媒が用いられる。
樹脂層には、必要に応じて樹脂又は無機の微粒子を含有させることが出来る。これら微粒子には各種の材料を使用することが出来る。例えばフッ素ゴム、フッ素エラストマー、及び、PTFE、PVDF、ETFE、PFA等のフッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂粒子、PE、PP、PS、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂微粒子、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化鉄などの無機粉体などであり、これらを単独又は複数混合して使用することも出来る。
微粒子の形状や粒径も特に限定されるものではなく球状、繊維状、板状、不定型などどの様な形状でも使用出来る。微粒子の粒径は制限はないものの分散性や諸特性を考慮すると0.01μmから30μmの範囲が望ましい。また、諸特性に問題を与えない範囲で分散剤を使用することも出来る。
樹脂層には導電剤を含んでいてもよい。導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト等の導電性炭素系物質:アルミニウム、銅合金等の金属又は合金:更には酸化錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物等の少なくとも1種の微粉末が用いられる。
これらの樹脂層形成材料の中で、後述する無機化合物層との密着性及び弾性率の面からフッ素樹脂又はウレタン樹脂又はシリコーン樹脂或いはこれらの混合物が好ましい樹脂として挙げられる。好ましくは、少なくともフッ素樹脂粒子を含んでなるウレタン系樹脂塗料組成物であり、樹脂層中に含まれるフッ素樹脂の含有量は特に限定されないが、ウレタン樹脂100質量部に対して30質量部から70質量部の範囲内にあることが好ましく、40質量部から60質量部の範囲内にあることがより好ましい。また樹脂層中には、フッ素樹脂以外からなる他の樹脂成分も含まれてもよい。
フッ素樹脂としては、先に挙げたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合(ECTFE)、ポリビニルフルオライド(PVF)、フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体及びフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体などの樹脂を挙げることが出来る。これらを単独、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
(塗布液の調製に使用する溶媒)
樹脂層にポリイミド系樹脂を使用する場合、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)やN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を使用する。表面層形成用の塗布液の調製に使用する場合は、例えばメタノールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやシクロヘキサノン等のケトン類を使用する。
(定着ベルト)
定着ベルトの樹脂層、弾性層、表面層の形成に使用する材料は、中間転写ベルトと同じである。発熱層を構成する材料としては、導電性セラミック、導電性カーボン、金属粉体等の種々の導電性材料と、絶縁性セラミックや耐熱性樹脂等の絶縁性材料とをそれぞれ1乃至数種類混合し若しくは化合して構成され、所定の体積抵抗値となる様に導電性材料を調整する。導電性材料としては、カーボンや、Ni、Au、Ag、Fe、Al、Ti、Pd、Ta、Cu、Co、Cr、Pt、Mo、Ru、Rh、W、In等の金属材料の他、VO、RuO、TaN、SiC、ZrO、InO、TaN、ZrN、NbN、VN、TiB、ZrB、HfB、TaB、MoB、CrB、BC、MoB、ZrC、VC、TiC、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ及びカーボンマイクロコイル、フィラメント状金属微粒子、Ag−Pd、Cu−Ni、Cu−Zn等の合金等が挙げられる。
耐熱性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等、或いはこれらの誘導体よりなる樹脂や種々の変性樹脂を挙げることが出来る。
更に、抵抗値制御や結着のために使用される絶縁性材料としては、AlN、SiN、Al、MgO、VO、SiO、ZrO、Bi、TiO、MoO、WO、NbO、ReO等のセラミック材料や上記耐熱性樹脂が使用される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
以下に示す方法で管状物を製造した。
(円柱状の芯金の準備)
アルミニウム製の、真円度25μm、直径30mm、長さ500mm、両端に保持部材を有した円柱状の芯金を準備した。真円度は、(株)ミツトヨ製RA−2200AHで測定した値を示す。
(樹脂層形成用塗布液の調製)
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとを、N−メチル−2−ピロリドン中で合成したポリイミド前駆体の18質量%濃度の溶液を用意した。粘度は、120Pa・sであった。
粘度は、ビスコテック(株)デジタル回転式粘度計で測定した値を示す。
(管状物の製造)
図2に示す製造装置を使用し、芯金の位置を固定し回転しながらノズルを芯金の回転軸方向に移動し、以下に示す条件で準備した芯金の周面全面に樹脂層形成用塗布液をノズルを使用して螺旋状に塗布し、樹脂層形成用塗膜を形成した後、表1に示す平坦化処理条件で平坦化処理を行った後、硬化処理し、樹脂層を形成した。この後、芯金を抜き取り外径30mmの管状物を製造し試料No.101から110とした。
尚、平坦化処理の時間は、5minとした。芯金の振れ幅は、(株)キーエンス製LK−G5000で測定した値を示す。芯金の回転速度は、(株)小野測器製HT−4200で測定した値を示す。
塗布条件
樹脂層形成用塗布液の温度:25℃
ノズルの樹脂層形成用塗布液吐出口の形状:円錐状ノズル
ノズルの樹脂層形成用塗布液吐出口の口径:2mm
ノズルの樹脂層形成用塗布液吐出口と芯金の周面までの距離:5mm
ノズルからの樹脂層形成用塗布液の吐出量:2ml/min
ノズルの芯金の回転軸方向への移動速度:60mm/min
芯金の回転速度(周速度):0.13m/sec
硬化処理
ポリイミド前駆体溶液が塗布された円柱状の芯金を水平のまま、0.1m/secで回転させながら、180℃で60分間加熱乾燥させた。その後、380℃で60分間加熱乾燥した。
(比較試料No.111の製造)
(円柱状の芯金の準備)
実施例1で準備した芯金と同じ芯金を準備した。
(樹脂層形成用塗布液の調製)
実施例1で準備した樹脂層形成用塗布液と同じ樹脂層形成用塗布液を調製した。
(製造装置の準備)
図2に示す製造装置に特開2006−55778号公報の図3に示されるエアーノズルと同じノズルを作製し、樹脂膜にエアーを吹き付けることが出来る様に特開2006−55778号公報の図3に示される様に配設し製造装置とした。
(管状物の製造)
準備した製造装置を使用し、芯金を回転しながら、ノズルを芯金の回転軸の方向に移動し、合わせてノズルよりエアーを吹き付け、塗布と平坦化処理を同時に行い、芯金の周面に樹脂塗膜を形成した後、硬化処理し、樹脂層を形成した。この後、芯金を抜き取り外径30mmの比較管状物を製造し試料No.111とした。尚、エアーノズルのエアー出口と樹脂塗膜迄の距離は10mmとした。
塗布条件
樹脂層形成用塗布液の温度:25℃
ノズルの樹脂層形成用塗布液吐出口の形状:円錐状ノズル
ノズルの樹脂層形成用塗布液吐出口の口径:2mm
ノズルの樹脂層形成用塗布液吐出口と芯金の周面までの距離:5mm
ノズルからの樹脂層形成用塗布液の吐出量:2ml/min
ノズルの芯金の回転軸方向への移動速度:60mm/min
芯金の回転速度(周速度):0.13m/sec
樹脂層形成用塗膜の厚さ:330μm
芯金の回転速度(周速度)は、試料No.101と同じ方法で測定した値を示す。
平坦化処理
エアーノズルからのエアーの風速:22m/s
エアーの温度:50℃
平坦化処理後の樹脂層形成用塗膜の厚さ:300μm
硬化処理
ポリイミド前駆体溶液が塗布された円柱状の芯金を水平のまま回転速度(周速度)0.1m/secで回転させながら、180℃で60分間加熱乾燥させた。その後、380℃で60分間加熱乾燥炉で乾燥した。
評価
製造した試料No.101から111に付き膜厚のバラツキ、表面平坦性を以下に示す方法で測定した結果を表1に示す。
膜厚のバラツキの測定方法
周長方向に18点、長手方向に80点を、フィッシャー・インストルメンツ(株)製MMSを使用して測定し、以下に示す式より計算で求めた。
膜厚のバラツキ=((最高膜厚−最低膜厚)/平均膜厚)×100
表面平坦性の測定方法
周長方向に10点、長手方向に10点を測定し、以下に示す式からうねり曲線のバラツキを計算で求め表面平坦性とした。うねり曲線は東京精密(株)製、表面粗さ形状測定機サーフコム1400Dで測定した。
うねり曲線のバラツキ(%)=((最大山高さ−最大谷深さ)/算術平均うねり)×100
Figure 2012037823
本発明の硬化処理を行う前に、樹脂層形成用塗膜を形成した真円度が25μmの芯金を、振れ幅30μm未満で、回転速度(周速度)0.02m/secから0.2m/secで回転させ平坦化処理を行い管状物を製造する管状物の製造方法で製造した試料No.102から105、107から109は、膜厚のバラツキ、うねり曲線のバラツキ(表面平坦性)の何れも優れた性能を示すことが確認された。
樹脂層形成用塗膜を形成した真円度が25μmの芯金を、振れ幅33μmで、回転速度(周速度)0.1m/secで回転させ平坦化処理を行い製造した試料No.101は、膜厚のバラツキが大きく、うねり曲線のバラツキ(表面平坦性)も劣る性能を示すことが確認された。
樹脂層形成用塗膜を形成した真円度が25μmの芯金を、振れ幅18μmで、回転速度(周速度)0.01m/secで回転させ平坦化処理を行い製造した試料No.106、膜厚のバラツキが大きく、うねり曲線のバラツキ(表面平坦性)も劣る性能を示すことが確認された。
樹脂層形成用塗膜を形成した真円度が25μmの芯金を、振れ幅18μmで、回転速度(周速度)0.3m/secで回転させ平坦化処理を行い製造した試料No.110は、膜厚のバラツキが大きく、うねり曲線のバラツキ(表面平坦性)も劣る性能を示すことが確認された。
真円度が25μmの芯金を使用して従来の管状物の製造方法で樹脂層形成用塗膜を形成し、振れ幅18μmで、回転速度(周速度)0.3m/secで回転させ平坦化処理を行い製造した試料No.111は、本発明の製造方法で製造した試料102から105、107から109に比べは膜厚のバラツキが大きく、うねり曲線のバラツキ(表面平坦性)も劣る性能を示すことが確認された。本発明の有効性が確認された。
実施例2
ノズル芯金の塗布液吐出口からの樹脂層形成用塗布液の吐出量を表3に示す様に変えた以外は実施例1で製造した試料No.と同じ方法で管状物を製造し、試料No.301から305とした。吐出量は送液ポンプの送液量を変えることで変化した。
評価
製造した試料No.201から205に付き膜厚のバラツキ、表面平坦性を実施例1と同じ方法で測定した結果を表2に示す。
Figure 2012037823
本発明の管状物の製造方法で、管状物を製造する時、ノズル芯金の塗布液流出口からの樹脂層形成用塗布液の吐出量を0.5ml/minから200ml/minの範囲で作製した試料No.202から204は膜厚のバラツキ、うねり曲線のバラツキ(表面平坦性)の何れも優れた性能を示した。本発明の有効性が確認された。
実施例3
芯金の周面に塗布する樹脂層形成用塗布液の粘度を表3に示す様に変えた以外は実施例1で製造した試料No.103と同じ方法で管状物を製造し、試料No.401から405とした。樹脂層形成用塗布液の粘度は、固形分濃度は変更せずに使用する樹脂の分子量(重量平均分子量)で変化した。粘度は実施例1に示す方法と同じ方法で測定した値を示す。
評価
製造した試料No.301から305に付き膜厚のバラツキ、表面平坦性を実施例1と同じ方法で測定した結果を表3に示す。
Figure 2012037823
本発明の管状物の製造方法で、管状物を製造する時、樹脂層形成用塗布液の粘度を1Pa・sから1000Pa・sの範囲で作製した試料No.302から304は膜厚のバラツキ、うねり曲線のバラツキ(表面平坦性)の何れも優れた性能を示した。本発明の有効性が確認された。
実施例4
以下に示す方法で樹脂層/弾性層/表面層の構成を有する中間転写ベルトとして使用する管状物を製造した。
(円柱状の芯金の準備)
アルミニウム製の、真円度25μm、直径274mm、長さ500mm、両端に保持部材を有した円柱状の芯金を準備した。尚、真円度は実施例1と同じ方法で測定した値を示す。
(樹脂層形成用塗布液の調製)
実施例1で調製した樹脂層形成用塗布液と同じ樹脂層形成用塗布液を調製した。
(弾性層形成用塗布液の調製)
ポリアルキルアルケニルシロキサンを主成分とするシリコーン混和物2種(商品名:XE15−B7354(A)を50重量部、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製とXE15−B7354(B)を50重量部、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)を混合し、弾性層形成用塗布液とした。粘度は、55Pa・sであった。粘度は、ビスコテック(株)デジタル回転式粘度計で測定した値を示す。
(表面層形成用塗布液の調製)
フッ素樹脂(PFA)ディスパージョン塗料(商品名:EN−710N、三井デュポンフロロケミカル社製)を表面層形成用塗布液とした。粘度は、0.4Pa・sであった。粘度は、ビスコテック(株)デジタル回転式粘度計で、温度25℃で測定した値を示す。
(管状物の製造)
樹脂層の形成
実施例1の試料No.108と同じ方法で樹脂層を形成した。
弾性層の形成
図2に示す製造装置を使用し、以下に示す条件で芯金の上に形成された樹脂層の周面全面に準備した弾性層形成用塗布液をノズルを使用して、樹脂層形成用塗膜を形成した時と同じ方法で弾性層形成用塗膜を形成し、平坦化処理を行った後、硬化処理し、弾性層を形成した。
塗布条件
弾性層形成用塗布液の温度:25℃
ノズルの弾性層形成用塗布液吐出口の形状:円錐状ノズル
ノズルの弾性層形成用塗布液吐出口の口径:2mm
ノズルの弾性層形成用塗布液吐出口と樹脂層の表面までの距離:10mm
ノズルからの弾性層形成用塗布液の吐出量:1ml/min
ノズルの芯金の回転軸方向への移動速度:60mm/min
芯金の回転速度(周速度):0.15m/sec
平坦化処理
芯金の振れ:20μm
芯金の回転速度(周速度):0.15m/sec
平坦化処理時間:10min
芯金の振れ幅は、(株)キーエンス製LK−G5000で測定した値を示す。芯金の回転速度(周速度)は、(株)小野測器製HT−4200で測定した値を示す。
硬化処理
弾性層形成用塗布液が塗布された円柱状の芯金を水平のまま回転速度(周速度)0.1m/secで回転させながら、80℃で20分間加熱乾燥させた。その後、200℃で120分間加熱乾燥炉で乾燥した。
表面層の形成
図2に示す製造装置を使用し、以下に示す条件で芯金の上に形成された弾性層の周面全面に準備した表面層形成用塗布液をノズルを使用して、樹脂層形成用塗膜を形成した時と同じ方法で表面層形成用塗膜を形成し、平坦化処理を行った後、硬化処理し、表面層を形成した。
塗布条件
表面層形成用塗布液の温度:25℃
ノズルの表面層形成用塗布液吐出口の形状:円錐状ノズル
ノズルの表面層形成用塗布液吐出口の口径:2mm
ノズルの表面層形成用塗布液吐出口と弾性層の表面までの距離:10mm
ノズルからの表面層形成用塗布液の吐出量:2ml/min
ノズルの芯金の回転軸方向への移動速度:60mm/min
芯金の回転速度(周速度):0.18m/sec
平坦化処理
芯金の振れ:20μm
芯金の回転速度数(周速度):0.18m/sec
平坦化処理時間:5min
芯金の振れ幅は、(株)キーエンス製LK−G5000で測定した値を示す。芯金の回転速度(周速度)は、(株)小野測器製HT−4200で測定した値を示す。
硬化処理
表面層形成用塗布液が塗布された円柱状の芯金を水平のまま回転速度(周速度)0.2m/secで回転させながら、80℃で10分間加熱乾燥させた。その後、250℃で180分間加熱乾燥炉で乾燥した。
表面層迄を形成した後、芯金を抜き取り、中間転写ベルトとして使用する管状物を製造し試料No.401とした。
評価
製造した試料No.401の膜厚のバラツキ、表面平坦性及び試料No.401をコニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製bizhub C360に装着し、中間転写ベルトとして、画像飛び散りを以下に示す方法で試験し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。尚、膜厚のバラツキ、表面平坦性は実施例1と同じ方法で試験し、同じ評価ランクに従って評価した。又、膜厚のバラツキは樹脂層/弾性層/表面層の全層の総厚のバラツキ(%)を示す。
総厚のバラツキ(%)の試験方法
フィッシャー・インストルメンツ(株)製MMSを使用し、幅手方向に20点、長さ方向に40点を測定し、以下に示す式に従い計算で求めた。
総厚のバラツキ(%)=((最大膜厚−最小膜厚)/平均膜厚)×100
画像飛び散りの試験方法
4ドットの横ラインを176ドットラインスペースにおき印字した横ラインパターンの画像飛び散りレベルを(株)キーエンス製デジタルマイクロハイスコープで評価した。
画像飛び散りの評価ランク
◎:拡大観察によっても画像飛び散りが見られない。
○:拡大観察により画像飛び散りが横ライン上の一部に見られる。
△:拡大観察により画像飛び散りが横ライン全域に見られるが、太さにムラはとつぶれは見られない。
×:飛び散りにより、ラインの太さムラとつぶれが見られる。
Figure 2012037823
本発明の管状物の製造方法で製造した中間転写ベルトは、膜厚のバラツキ、表面平坦性、画像飛び散りは何れも良好な性能を示すことが確認された。本発明の有効性が確認された。
実施例5
以下に示す方法で樹脂層/発熱層/弾性層/表面層の構成を有する定着ベルトとして使用する管状物を製造した。
(円柱状の芯金の準備)
実施例1と同じ円柱状の芯金を準備した。
(樹脂層形成用塗布液の調製)
実施例1で調製した樹脂層形成用塗布液と同じ樹脂層形成用塗布液を調製した。
(発熱層形成用塗布液の調製)
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとを、N−メチル−2−ピロリドン中で合成したポリイミド前駆体の18質量%濃度の溶液を用意し、その中にカーボンブラックSPECIAL BLACK4(Degussa社製)をサンドミルで2時間分散させて、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液を調製した。粘度は120Pa・sであった。
粘度は、ビスコテック(株)デジタル回転式粘度計で測定した値を示す。
(弾性層形成用塗布液の調製)
実施例4と同じ弾性層形成用塗布液を調製した。
(表面層形成用塗布液の調製)
実施例4と同じ表面層形成用塗布液を調製した。
(管状物の製造)
樹脂層の形成
実施例1の試料No.108と同じ方法で樹脂層を形成した。
発熱層の形成
図2に示す製造装置を使用し、以下に示す条件で準備した芯金の上に形成された樹脂層の周面全面に準備した発熱層形成用塗布液をノズルを使用して、樹脂層形成用塗膜を形成した時と同じ方法で発熱層形成用塗膜を形成し、平坦化処理を行った後、硬化処理し、発熱層を形成した。
塗布条件
発熱層形成用塗布液の温度:25℃
ノズルの発熱層形成用塗布液吐出口の形状:円錐状ノズル
ノズルの発熱層形成用塗布液吐出口の口径:2mm
ノズルの発熱層形成用塗布液吐出口と樹脂層の表面までの距離:10mm
ノズルからの発熱層形成用塗布液の吐出量:2ml/min
ノズルの芯金の回転軸方向への移動速度:60mm/min
芯金の回転速度(周速度):0.18mm/min
平坦化処理
芯金の振れ:25μm
芯金の回転速度数(周速度):0.18mm/min
平坦化処理時間:8min
芯金の振れ幅は、(株)キーエンス製LK−G5000で測定した値を示す。芯金の回転速度は、(株)小野測器製HT−4200で測定した値を示す。
硬化処理
発熱層形成用塗布液が塗布された円柱状の芯金を水平のまま0.2m/secで回転させながら、100℃で30分間加熱乾燥させた。その後、350℃で180分間加熱乾燥炉で乾燥した。
弾性層の形成
実施例4の弾性層の形成方法と同じ方法で発熱層の上に弾性層を形成した。
表面層の形成
実施例4の表面層の形成方法と同じ方法で弾性層の上に表面層を形成した。
表面層迄を形成した後、芯金を抜き取り、定着ベルトとして使用する管状物を製造し試料No.501とした。
評価
製造した管状物の膜厚のバラツキ、表面平坦性及び製造した管状物をコニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製bizhub C360に装着し、定着ベルトとして、濃度ムラを以下に示す方法で試験し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。尚、膜厚のバラツキ、表面平坦性は実施例1と同じ方法で試験し、同じ評価ランクに従って評価した。又、膜厚のバラツキは樹脂層/発熱層/弾性層/表面層の全層の総厚のバラツキを示す。
総厚のバラツキ(%)の試験方法
実施例4と同じ方法で試験し、同じ式に従い計算で求めた
濃度ムラ試験方法
マゼンタのハーフトーンを連続20枚目の印字画像を3×3の9等分に分割し、それぞれの画像を色差計CR−210(コニカミノルタ社製)を用いて色度の最大と最小との差であるΔEを求めた。
濃度ムラの評価ランク
◎:色差ΔE0.3未満(濃度ムラが確認できない)
○:色差ΔE0.3以上0.5未満である
△:色差ΔE0.5以上1.0未満である
×:色差ΔE1.0以上である
Figure 2012037823
本発明の管状物の製造方法で製造した定着ベルトは、膜厚のバラツキ、表面平坦性、濃度ムラは何れも良好な性能を示すことが確認された。本発明の有効性が確認された。
1、2 管状物
1a、2a 樹脂層
1b、2c 弾性層
1c、2d 表面層
2b 発熱層
3 製造装置
3a 保持装置
3a3 駆動用モーター
3b 塗布装置
3b1 塗布手段
4 芯金

Claims (6)

  1. 回転する円柱状の芯金の周面に、相対的に移動するノズルより樹脂層形成用塗布液を吐出して螺旋状に塗布し樹脂層形成用塗膜を形成し、前記樹脂層形成用塗膜の硬化処理を行い樹脂層を形成した後、前記芯金を抜き取り管状物を製造する管状物の製造方法において、前記硬化処理を行う前に、前記樹脂層形成用塗膜を形成した前記芯金を、振れ幅30μm未満で、回転速度(周速度)0.02m/secから0.2m/secで回転させ平坦化処理を行うことを特徴とする管状物の製造方法。
  2. 前記樹脂層の上に少なくとも1層の機能層を、請求項1に記載の樹脂層の形成方法と同じ方法で順次形成することを特徴とする請求項1に記載の管状物の製造方法。
  3. 前記ノズルの塗布液吐出口からの樹脂層形成用塗布液の吐出量が、0.5ml/minから200ml/minであることを特徴とする請求項1又は2に記載の管状物の製造方法。
  4. 前記樹脂層形成用塗布液及び機能層形成用塗布液の粘度は、1Pa・sから1000Pa・sであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の管状物の製造方法。
  5. 前記管状物が画像形成装置の中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の管状物の製造方法。
  6. 前記管状物が画像形成装置の定着ベルトであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の管状物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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