JP2010212470A - プリント配線板用銅箔およびその製造方法ならびにプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 銅箔1の表面上に設けられたシランカップリング処理層2における、グロー放電発光表面分析によって計測されるシランの成分分布のピーク面積Vを、当該プリント配線板用銅箔におけるシランカップリング処理層2が設けられた面における比表面積Sで除算した値V/Sを、0.03以上0.6以下とする。
【選択図】 図1
Description
また、シランカップリング処理層の厚さやその実質的な付着量を計測すること自体からして従来は困難であった。すなわち、シランカップリング処理によって付着されるシランの量は極めて微量であり、従ってシランカップリング処理層は極めて薄いものであり、ま
たシランカップリング処理層の主成分がシリコンであるため、一般的な銅箔の表面に形成される金属防錆層などの厚さや付着量を計測するために用いられるICP法などでは、シランカップリング処理層の厚さやそのシランの実質的な付着量を正確に計測することは困難ないしは不可能であった。
このため、従来のプリント配線板用銅箔およびその製造方法では、様々な表面形態や表面粗さを有している、異なった複数品種の銅箔に対して、同一の条件でシランカップリング処理を行うことを余儀なくされたり、あるいは逆に、同一品種の銅箔に対して施される実質的なシランカップリング処理の付着量に、無視できないばらつきが生じたりして、最適なシランカップリング処理を恒常的かつ確実に行うことができなかった。
また、例えば必要量を超えた過剰なシランカップリング剤を処理対象の銅箔の表面に塗布した場合、その銅箔の表面に絡まり付くようにして余剰なシランカップリング剤が付着し残存することとなる。そうすると、その銅箔の表面に、強固な力で吸着されているのではなくて、弱い力で絡まり付いているだけの、余剰なシランの存在が、銅箔と絶縁性基材との接合強度を低下させてしまう要因となる。また、そのような余剰なシランが弱い力で表面上に絡まり付いている銅箔は、エッチング法等によりパターン加工した後にも、その余剰なシランは残留しつづけている場合が多く、これが要因となって、作製されたプリント配線板における配線パターンにマイグレーションなどの不具合が発生する虞もある。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、シランカップリング処理による銅箔の表面またはその上の金属防錆層の表面へのシランの付着量を適正化して、有機材料からなる絶縁性基材の表面との接合強度の向上を達成したプリント配線板用銅箔およびその製造方法ならびにプリント配線板を提供することにある。
本発明のプリント配線板用銅箔の製造方法は、処理対象の銅箔の表面上にシランカップリング剤を用いたシランカップリング処理を施して、当該銅箔の表面上にシランを付着してなるシランカップリング処理層を設ける工程を有するプリント配線板用銅箔の製造方法であって、前記シランカップリング処理層におけるシランの付着量を、グロー放電発光表面分析によって計測される前記シランの成分分布のピーク面積と当該プリント配線板用銅箔における前記シランカップリング処理が施された面の比表面積との比によって規定して、前記シランカップリング処理を施す工程を含むことを特徴としている。
本発明のプリント配線板は、処理対象の銅箔の表面上にシランカップリング剤を用いたシランカップリング処理によってシランを付着してなるシランカップリング処理層が形成されたプリント配線板用銅箔の表面を、有機材料からなる絶縁性基材と対面するように張り合わせ、前記プリント配線板用銅箔をパターン加工して、所望の配線パターンを形成してなるプリント配線板であって、前記シランカップリング処理層におけるシランの付着量が、グロー放電発光表面分析によって計測される前記シランの成分分布のピーク面積と当該プリント配線板用銅箔における前記シランカップリング処理が施された面の比表面積との比によって規定されていることを特徴としている。
ここに、上記の「ピーク面積」とは、グロー放電発光表面分析(GDOES)によって得られる強度の深さ方向の和、または深さ方向プロファイル(Depth Profile)上の面積
を意味するものである。また、上記の「比表面積」とは、実際の表面積/測定面積を意味するものである。
図1は、本発明の実施の形態に係るプリント配線板用銅箔の主要な構成を示す図、図2は、シランカップリング処理によって銅箔のような無機材料の表面にシランが吸着〜脱水・化学結合する状況を模式的に示す図である。
一般に、この銅箔1における絶縁性基材3と張り合わされる表面の表面粗さが高いほど、引き剥がし強度は高くなるが、微細な配線の形成には不利になる傾向にある。また逆に、表面粗さが低いほど、微細な配線の形成には有利になるが、引き剥がし強度は低下する傾向にある。本発明の実施の形態に係るプリント配線板用銅箔に用いられる銅箔1としては、どのような表面粗さを有しているものであってもよい。
面に後述するような適正量のシランの付着量を以てシランカップリング処理を施した場合でも、銅箔1それ自体の表面に適正量のシランの付着量を以てシランカップリング処理を施した場合と同様に、シランの付着量を適正化して、有機材料からなる絶縁性基材3の表面との接合強度の向上を達成することが可能である。
このシランカップリング処理層2におけるグロー放電発光表面分析によって計測されるシランの成分分布のピーク面積を、シランカップリング処理が施された面の比表面積で除算(割り算)した値(つまりシランの成分分布のピーク面積の、シランカップリング処理が施された面の比表面積に対する割合)は、0.03以上0.6以下の範囲内の所定の値に設定されている。
ここで、上記の「ピーク面積」とは、グロー放電発光表面分析(GDOES)によって得られる強度の、計測対象の膜の深さ方向の和、または、その深さ方向プロファイル(Depth Profile)上の面積を意味するものである。また、上記の「比表面積」とは、実際の
表面積(表面の凹凸等を伸ばして平面化したときの、その実質的な全面積)/測定面積(見掛けの外形寸法等の測定値に基づいて算出される幾何学的な面積)を意味するものである。
また、その計測の際の各種設定としては、圧力600Paの作業雰囲気中で、光源設定を、出力35W、周波数25Hz、デューティサイクル0.1、実効値3.5Wとする。
そのようなアミノ基を有するシランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いることが可能である。これらのシランカップリング剤の一種類または複数種類を選択し、特定の濃度の水溶液として用いるのである。
ここで、一般に、シランカップリング剤の水溶液の濃度が高いほど、銅箔1の表面への付着量も増加する傾向にある。
シランカップリング剤の、銅箔1の表面への吸着は、図2に模式的に示したように、銅箔1の表面のOH基に対して行われる。このため、実際に銅箔1の最表面に吸着されるシランの量は限定される。そして、吸着されなかった余剰のシランカップリング剤の一部は、銅箔1の表面上に吸着したシランにあたかも絡まり付くようにして、銅箔1の表面上に弱い力で付着した状態で残留する。絶縁性基材3との接着時には、それら吸着したシランおよびそれに絡まり付いているシランが、絶縁性基材3の表面と結合することになる。
て、むしろ絶縁性基材3との接着力が低下する虞すらある。また逆に、銅箔1の表面上に余剰なシランが多く絡まり付くように付着することを回避しようとして、あらかじめ少なめに見積った量の、あるいは低濃度のシランカップリング剤を用いるようにすると、実質的に接合強度の強化に寄与するシランの量、つまり銅箔1の表面に確実に吸着されるシランの付着量が不足してしまい、やはり絶縁性基材3との接着力が低下する虞が高くなる。
しかし、本発明の実施の形態に係るプリント配線板用銅箔およびその製造方法ならびにプリント配線板では、実質的に接着力の強化に寄与できる適正なシランの付着量の設定として、シランカップリング処理層2におけるグロー放電発光表面分析によって計測されるシランの成分分布量のピーク面積(これをシランの付着量の指標としてVと表記する)を、シランカップリング処理が施された面における比表面積(これをSと表記する)で除算した値(V/S)が、0.03以上0.6以下の範囲内の値(0.03≦V/S≦0.6)となるように、処理対象の銅箔1の表面上にシランカップリング剤を用いてシランカップリング処理を施すようにしている。これにより、本発明の実施の形態に係るプリント配線板用銅箔およびその製造方法ならびにプリント配線板によれば、シランカップリング処理による銅箔の表面またはその上の金属防錆層の表面へのシランの付着量を適正化して、有機材料からなる絶縁性基材3の表面との接合強度の向上を達成することが可能となるのである。
そしてまた、上記の銅箔1の表面上におけるシランの付着量(V)は、GDOES(グロー放電発光表面分析)法によって、銅箔1の表面上におけるシランの成分分布量のピーク面積を計測し、それを指標として用いることにより、確実に正確な数値として把握することが可能となることを確認した。
また、シランカップリング処理の対象となる銅箔1の比表面積(S)は、レーザ顕微鏡を用いた計測によって、銅箔1における完全にフラットな表面の面積(銅箔1における処理対象領域の寸法に基づいた、いわゆる幾何学的な面積)に対する比として求められる。
シランの付着量が少なくなってV/Sの値が0.03未満になると、絶縁性基材3との引き剥がし強度(換言すれば接合強度)が顕著に低下する。また、銅箔1の表面に十分なシランが付着していないことから、長期保存時に酸化や湿度によって変色等の不具合も発生しやすい。
また、シランの付着量が過多となってV/Sの値が0.6超になると、余剰のシランの絡まり付きなどに起因して、絶縁性基材3との引き剥がし強度が低下する。また、銅箔1のパターン加工のためのエッチングの際などでも、残留している余剰のシランが除去しきれずに、いわゆるエッチング残りとなるなどして、その銅箔1をパターン加工してなる配線パターンにおけるマイグレーション不良等の要因となる虞が高くなる傾向にある。
よって、V/Sは、上記のように0.03以上0.6以下の範囲内の値とすることで、銅箔1の絶縁性基材3に対する接合強度を最適化することが可能となるのである。
ここで、銅箔1の表面には、一般に、粗面化処理が施される場合が多い。ところが、そうすると処理対象の銅箔1の実質的な表面積は、銅箔1の外形寸法のような単なる幾何学
的な面積ではなく、その面積を銅箔1の処理対象の面の比表面積Sで補正することが必要ということになる。このため、より実質的に適正なシランの付着量を設定するためには、比表面積Sで付着量Vを除算して、いわゆる計測工学的な確からしさを向上させるという観点からも、補正を掛けることが望ましいからである。
銅箔1の表面に、例えば電解めっき法等により粗化めっき処理を施した後、その表面に、ニッケルめっき、亜鉛めっき、クロメート処理等のような防錆処理を行って金属防錆層を形成する。
このようにして、銅箔1の表面上に、適正量のシランを付着してなるシランカップリング処理層2を形成して、本発明の実施の形態に係るプリント配線板用銅箔の主要部を製造することができる。
シランカップリング処理によるシランの付着量Vについては、GDOES(グロー放電発光表面分析、堀場製作所GD-Profiler2)による深さ方向分析を行い、シリコンのピークから得られるピーク面積を付着量Vの指標とした。このときのシリコンの測定波長は288.
158nm、フォトマルの感度をH.V.=999Vとした。また、その計測の際の各種設定
は、圧力600Paの作業雰囲気中で、光源を、出力35W、周波数25Hz、デューティサイクル0.1、実効値3.5Wとした。
引き剥がし強度の計測は、オートグラフ(島津製作所AGS-500A)を用いて、90°方向にクロスヘッド速度50mm/minで引き剥がした際に発生する荷重を計測することで行った。
圧延方式で製造された厚さ18μmの銅箔1の片面に粗化めっき処理を行った。その面の比表面積Sは1.3となった。
その銅箔1の表面に、ニッケルめっき、亜鉛めっき、クロメート処理の防錆処理を行って金属防錆層を形成した。そして、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APS)水溶液に浸漬させることで、金属防錆層の表面にシランカップリング処理層2を形成して、実施例1の試料を得た。この実施例1の試料のシラン付着量Vを計測したところ、0.16であった。従って、この実施例1の試料のV/S、つまりシランの比面積当たりの付着量V/S(表1では右端の欄に「シラン比面積付着量」として記載)は、0.12であった。
そして、この実施例1の試料の引き剥がし強度を計測した。この実施例1の試料では、引き剥がし強度は1.03N/mmであり、1.0N/mm以上の良好な引き剥がし強度が得られていることが確認された。この結果から、本発明に係る実施例1の試料は、十分な接合強度を有しているものと評価できる。
シラン付着量Vを0.49とし、実施例1と同様に銅箔の比表面積Sを1.3とすると共に、シランカップリング剤としてはAPSを用いて実施例2の試料を製造した。そして、この実施例2の試料におけるシラン比面積付着量V/Sを、実施例1と同様の手法によって計測したところ、0.38であった。
この実施例2の試料について、引き剥がし強度を計測した。その結果、引き剥がし強度は1.04N/mmであり、1.0N/mm以上の良好な引き剥がし強度が得られていることが確認された。この結果から、本発明に係る実施例2の試料は、十分な接合強度を有しているものと評価できる。
比表面積Sを1.7とし、シランカップリング剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPS)を用い、シラン付着量Vを0.13とした、実施例3の試料を製造した。この実施例3の試料におけるシラン比面積付着量V/Sは、0.1であった。
この実施例3の試料について、引き剥がし強度を計測した。その結果、引き剥がし強度は1.00N/mmであり、良好な引き剥がし強度が得られていることが確認された。この結果から、本発明に係る実施例3の試料は、1.0N/mm以上の十分な接合強度を有しているものと評価できる。
比表面積Sを1.7とし、シランカップリング剤としてAEAPSを用い、シラン付着量Vを0.78とした、実施例4の試料を製造した。この実施例4の試料におけるシラン比面積付着量V/Sは、0.46であった。
この実施例4の試料について、引き剥がし強度を計測した。その結果、引き剥がし強度は1.02N/mmであり、1.0N/mm以上の良好な引き剥がし強度が得られていることが確認された。この結果から、本発明に係る実施例4の試料は、十分な接合強度を有しているものと評価できる。
比表面積Sを1.7とし、シランカップリング剤としてAEAPSを用い、シラン付着量Vを0.46とした、実施例5の試料を製造した。この実施例5の試料におけるシラン比面積付着量V/Sは、0.27であった。
この実施例5の試料について、引き剥がし強度を計測した。その結果、引き剥がし強度は1.20N/mmであり、1.0N/mm以上の良好な引き剥がし強度が得られていることが確認された。この結果から、本発明に係る実施例5の試料は、十分な接合強度を有しているものと評価できる。
実施例1と同様に防錆処理までを行ったが、シランカップリング処理は敢えて行わないようにして、比較例1の試料を製造した。この比較例1の試料では、比表面積Sは1.1、シラン付着量Vは0であるから、シラン比面積付着量V/Sは0(つまり0.03未満の最も極端な例)である。
そして、上記の各実施例度同じ条件で引き剥がし強度を計測した。その結果、引き剥がし強度は1.0N/mm未満(約半分程度)の0.51となり、十分な強度を有しているとは言えないと評価せざるを得ないものとなった。
比表面積Sを1.3とし、シランカップリング剤としてAPSを用いてシラン付着量Vを0.03とした、比較例2の試料を製造した。この比較例2の試料では、シラン比表面積付着量V/Sは、0.02(つまり0.03未満)である。
そして、上記の各実施例度同じ条件で引き剥がし強度を計測した。その結果、引き剥がし強度は1.0N/mm未満の0.87となり、十分な強度を有しているとは言えないと評価せざるを得ないものとなった。
比表面積Sを1.3とし、シランカップリング剤としてAPSを用いてシラン付着量Vを0.98とした、比較例3の試料を製造した。この比較例3の試料では、シラン比表面積付着量V/Sは、0.75(つまり0.6超)である。
そして、上記の各実施例度同じ条件で引き剥がし強度を計測した。その結果、引き剥がし強度は1.0N/mm未満の0.96となり、十分な強度を有しているとは言えないと
評価せざるを得ないものとなった。
すなわち、特に、自動車用のフレキシブルプリント配線板などのような高信頼性・耐久性が求められる用途や、例えば配線幅が40μm以下の微細配線を備えたフレキシブルプリント配線板用に用いられる銅箔の場合、さらに高い接着性が要求されることがある。そのような場合には、シラン付着量を0.2以上0.35以下とすることによってさらに良好な接着強度を得ることで対応することができる。
2 シランカップリング処理層
3 絶縁性基材
Claims (9)
- シランカップリング剤を用いたシランカップリング処理によって、処理対象の銅箔の表面上にシランを付着してなるシランカップリング処理層が形成されたプリント配線板用銅箔であって、
前記シランカップリング処理層におけるシランの付着量が、グロー放電発光表面分析によって計測される前記シランの成分分布のピーク面積と当該プリント配線板用銅箔における前記シランカップリング処理が施された面の比表面積との比によって規定されている
ことを特徴とするプリント配線板用銅箔。 - 請求項1記載のプリント配線板用銅箔において、
前記シランカップリング処理層におけるグロー放電発光表面分析によって計測される前記シランの成分分布のピーク面積を当該プリント配線板用銅箔における前記シランカップリング処理が施された面の比表面積で除算した値が、0.03以上0.6以下である
ことを特徴とするプリント配線板用銅箔。 - 請求項1または2記載のプリント配線板用銅箔において、
前記処理対象の銅箔の表面に金属防錆層が設けられており、当該金属防錆層の表面に前記シランカップリング処理を施して前記シランカップリング処理層が形成されている
ことを特徴とするプリント配線板用銅箔。 - 請求項1ないし3のうちいずれか一つの項に記載のプリント配線板用銅箔において、
前記処理対象の銅箔の表面には、粗面化処理が施されている
ことを特徴とするプリント配線板用銅箔。 - 処理対象の銅箔の表面上にシランカップリング剤を用いたシランカップリング処理を施して、当該銅箔の表面上にシランを付着してなるシランカップリング処理層を設ける工程を有するプリント配線板用銅箔の製造方法であって、
前記シランカップリング処理層におけるシランの付着量を、グロー放電発光表面分析によって計測される前記シランの成分分布のピーク面積と当該プリント配線板用銅箔における前記シランカップリング処理が施された面の比表面積との比によって規定して、前記シランカップリング処理を施す工程を含む
ことを特徴とするプリント配線板用銅箔の製造方法。 - 請求項5記載のプリント配線板用銅箔の製造方法において、
前記シランカップリング処理を施す工程では、前記シランカップリング処理層におけるグロー放電発光表面分析によって計測される前記シランの成分分布のピーク面積を当該プリント配線板用銅箔における前記シランカップリング処理が施された面の比表面積で除算した値が0.03以上0.6以下となるように、前記シランカップリング剤を用いて前記シランカップリング処理を施す
ことを特徴とするプリント配線板用銅箔の製造方法。 - 処理対象の銅箔の表面上にシランカップリング剤を用いたシランカップリング処理によってシランを付着してなるシランカップリング処理層が形成されたプリント配線板用銅箔の表面を、有機材料からなる絶縁性基材と対面するように張り合わせ、前記プリント配線板用銅箔をパターン加工して、所望の配線パターンを形成してなるプリント配線板であって、
前記シランカップリング処理層におけるシランの付着量がグロー放電発光表面分析によって計測される前記シランの成分分布のピーク面積と当該プリント配線板用銅箔における前記シランカップリング処理が施された面の比表面積との比によって規定されている
ことを特徴とするプリント配線板。 - 請求項7記載のプリント配線板において、
前記シランカップリング処理層におけるグロー放電発光表面分析によって計測される前記シランの成分分布のピーク面積を当該プリント配線板用銅箔における前記シランカップリング処理が施された面の比表面積で除算した値が、0.03以上0.6以下である
ことを特徴とするプリント配線板。 - 請求項7または8記載のプリント配線板において、
前記処理対象の銅箔の表面に金属防錆層が設けられており、当該金属防錆層の表面に前記シランカップリング処理を施して前記シランカップリング処理層が形成されている
ことを特徴とするプリント配線板。
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