JPH10340022A - 定着用部材およびそれを用いた定着装置ならびに画像形成方法 - Google Patents

定着用部材およびそれを用いた定着装置ならびに画像形成方法

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JPH10340022A
JPH10340022A JP15143197A JP15143197A JPH10340022A JP H10340022 A JPH10340022 A JP H10340022A JP 15143197 A JP15143197 A JP 15143197A JP 15143197 A JP15143197 A JP 15143197A JP H10340022 A JPH10340022 A JP H10340022A
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JP
Japan
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layer
fixing member
fluororesin
coupling agent
carrier
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JP15143197A
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English (en)
Inventor
Daisuke Okuda
大輔 奥田
Yoshio Shoji
佳男 庄子
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れる、電子写真方式に用いられる
複写装置、プリンターその他の種々の画像形成装置等の
定着部等に用いられる加熱ロールやベルト等の定着用部
材の提供。 【解決手段】 担体上に層を有する定着用部材におい
て、該層として、含フッ素ポリイミド樹脂を有する接着
層と、フッ素樹脂からなる最外層とを有することを特徴
とする定着用部材である。前記接着層が、さらに、カッ
プリング剤を有することを特徴とする定着用部材であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱及び冷却のサ
イクルや機械的な圧接を常時受ける電子写真方式に用い
られる複写装置、プリンターその他の種々の画像形成装
置等の定着部等に用いられる加熱ロールやベルト等の定
着用部材とこの定着用部材を用いた定着装置、この定着
装置を用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式に用いられる複写装置、プ
リンターその他の種々の画像形成装置等において、用紙
上に形成されたトナー像を定着させる方法としては、通
常、内部にランプ等の発熱体を配置することによって加
熱され、かつ、互いに圧接された二つの回転体対間にト
ナー像が形成された紙等の担持体を通し、トナー像を支
持体上に融着させる方法が採られている。
【0003】このような方法で用いられる定着装置の例
としては、図1に示されるように熱ロール定着装置が挙
げられ、この熱ロール定着装置は加熱ロール1と加圧ロ
ール11の一対のロールから構成される。加熱ロール1
は、アルミニウム、鉄等の円筒状の中空芯金2の表面に
フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフル
オロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)等の
フッ素系樹脂といった離型性に優れた耐熱性エラストマ
ーまたは耐熱性樹脂からなる最外層4が被覆されてい
る。また、加熱ロール1の内部には、ハロゲンランプ等
の発熱体21が配置されてヒートロールの機能を有する
ようになっている。
【0004】一方、加圧ロール11は、アルミニウム、
鉄等の円筒状の中空芯金12の表面に加熱ロール1と同
種または別種の離型性に優れた耐熱性エラストマーまた
は耐熱性樹脂からなる最外層14が被覆されている。そ
して、加熱ロール1と加圧ロール11は、互いにバネ等
により圧接されている。なお、図中、27はインレッ
と、28はアウトレットであり、29は加熱ロール1の
表面に離型剤を塗布する離型剤塗布装置である。
【0005】この熱ロール定着装置においては、表面に
トナー像32を有する紙31は、加熱ロール1と加圧ロ
ール11の間に搬送され、トナー像32は紙31上に定
着された後、アウトレット28を経て一対のロール間よ
り搬送される。
【0006】ロール等の担体表面に被覆される定着用部
材は、融着したトナー像の一部が回転体側に付着するホ
ットオフセットといった現象や、トナー像が回転体から
分離せずに担持体と共に回転体への巻き付きといった現
象ができるだけ起こらないことが要求される。
【0007】その一方で、装置の可動時には設定温度と
して200℃の高温に加熱され、停止時には室温まで冷
却されるという加熱と冷却のサイクルが繰り返されるた
め、このサイクルにも耐えられることが要求されてい
る。さらに、回転体の最表面では対向して取り付けられ
ている定着用部材同士が圧接しており、また、用紙の巻
きつきを防止するための分離爪が常時圧接している等の
過酷な条件にさらされ、常時ストレスが加わっている。
【0008】したがって、定着装置の回転体上に被覆さ
れる離型性に優れた耐熱性エラストマーまたは耐熱性樹
脂はフッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等のシリ
コーン系またはフッ素系の高分子材料に限られている。
しかし、これらの高分子材料は、離型性が良い反面金属
等の担体との接着性が低く、加熱ローラとして製造する
際に表面層として直接被覆することが困難である。
【0009】そこで、接着性の低いフッ素樹脂を担体表
面に被覆する方法として、フッ素樹脂層と金属表面の間
にプライマーと呼ばれる接着部材を介在させる方法が提
案されている。
【0010】たとえば、フッ素樹脂としてPFA樹脂を
用いる場合については、特開昭57−177067号公
報には、無水ピロメリット酸とジアミノジフェニルエー
テル又はジアミノジフェニルエーテルまたはジアミノジ
フェニルメタン等の反応で得られるポリイミド前駆体な
らびにPFA樹脂とを含有する接着用プライマーを介し
て中空芯金とPFA樹脂層とを接着させる方法が提案さ
れている。特開昭63−112674号公報には、水溶
性有機溶剤と水の混合溶媒中に主成分として無水ピロメ
リット酸と4,4′−ジアミノジフェニルスルホンとを
反応させて得られる芳香族ポリイミド前駆体またはその
遊離カルボン酸をアミン類で中和したものならびにPF
A樹脂とを含有する接着用プライマーで、中空芯金とP
FA樹脂層とを接着させる方法が提案されている。
【0011】また、フッ素樹脂としてPFA樹脂ではな
くPTFE樹脂を用いる場合については、米国特許4,
049,863には、PTFE、コロイド状シリカ、及
びポリアミドイミド(PAI)を含有し、PTFEとP
AIの比が1:9であるプライマーが示されており、こ
のプライマーを、グリッドブラスティング、金属もしく
は金属酸化物の火炎溶射またはフリットコーティング、
あるいはリン酸もしくはクロム酸等によって表面処理さ
れた金属コアロール上に乾燥膜厚が2〜15μmとなる
ように塗布することが提案されている。米国特許3,8
01,379では、熱水もしくは蒸気でコアロール表面
を処理した後のアルミニウム基質に、5〜20%のPT
FEを含有したポリ(アリーレンスルフィド)をコーテ
ィングすることが提案されている。カナダ国特許88
7,122では、PAIとPTFEをもちいて傾斜構造
的にコーティングする事を提案している。更に英国特許
1,512,495ではPTFE粉末を含有しているP
AIコーティングにおいてPTFEとPAIの最小比率
は1:7であると提案している。
【0012】特に、電子写真方式の画像形成装置に用い
られる定着部材において、プライマーによってフッ素樹
脂層と金属等の担体を接着させた定着部材の例として
は、特開昭64−1534号公報には、あらかじめフッ
素樹脂を含むプライマーにより表面処理された円柱状部
品にフィラーを含む熱流動性フッ素樹脂製チューブ加熱
融着させてなるフッ素樹脂被覆円柱状部品が提案されて
いる。また、特開平4−8543号公報、特開平4−4
5931号公報、そして特開平4−78533号公報で
は、ポリパラパン酸樹脂もしくはポリイミド樹脂を含む
プライマー層を有する円柱状部品にフッ素樹脂製チュー
ブ加熱融着させてなるフッ素樹脂被覆円柱状部品が提案
されている。
【0013】これらのプライマーは、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリアリーレンスルフィド
等といった耐熱性樹脂を主成分とするものであるが、上
記の接着用プライマーを用いて担体とフッ素樹脂とを接
着させた場合、またはプライマーによってフッ素樹脂層
と金属等の担体を接着させた定着部材においては、フッ
素樹脂層と金属等の担体間の接着性は初期段階において
は良好な結果が得られるが、電子写真方式の画像形成装
置に用いられる定着部材の過酷な使用条件の下では、経
時劣化を起こし、担体とフッ素樹脂とが経時的に剥離し
やすくなり長期間のライフが得られないといった問題点
を有している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電子
写真方式の画像形成装置に用いられる定着部材であっ
て、担体とフッ素樹脂層との間に、耐熱性や担体との接
着性、ならびにフッ素樹脂層との接着性にも優れた接着
層を設けて、前述した苛酷な条件下にあってもフッ素樹
脂層が担体から剥離し難く、耐久性に優れる定着部材を
提供する事にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】発明者等は、鋭意検討を
重ねた結果、担体と最外層を形成するフッ素樹脂層との
間に、含フッ素ポリイミド樹脂を有する層を設けること
により、担体と最外層を形成するフッ素樹脂層との接着
性が向上すること、および、含フッ素ポリイミド樹脂と
シランカップリング剤等のカップリング剤とを併用する
と、さらに担体と最外層を形成するフッ素樹脂層との接
着性が向上することを見出し本発明を完成するに到っ
た。すなわち、本発明は、担体上に層を有する定着用部
材において、該層として、含フッ素ポリイミド樹脂を有
する接着層と、フッ素樹脂からなる最外層とを有するこ
とを特徴とする定着用部材であり、前記接着層が、さら
に、カップリング剤を有することを特徴とする定着用部
材である。
【0016】本発明の定着用部材は、接着層が、共有結
合によって金属と有機材料間との接着を強化するシラン
カップリング剤と、最外層のフッ素樹脂を加熱融着させ
る際にフッ素樹脂と相容化してプライマーとフッ素樹脂
間の接着性が向上する含フッ素ポリイミドで構成されて
いることから、従来の定着部材に比べ金属とフッ素樹脂
との接着性が向上し、耐熱性、耐ヒートサイクル性、耐
ストレス等が優れている作用を有する。
【0017】従って、本発明によれば、電子写真方式の
画像形成装置に用いられる定着部材であって、加熱と冷
却のサイクルや機械的なストレスに常時さらされている
といった過酷な条件下においても、長期にわたって経時
変化や金属からフッ素樹脂の剥離が生じず、従来のプラ
イマーを用いたフッ素樹脂被覆定着部材に比べ、耐久性
に優れる定着用部材が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
担体は、無機材料を基材とするものでもよく、充填材と
して無機材料を含む耐熱性樹脂を基材とするものでもよ
い。無機材料としては熱伝導性の良好なアルミニウムや
銅、ニッケル等の金属、ステンレスや銀合金、ニッケル
合金等の合金、もしくはセラミックス等が挙げられる。
また、充填材として無機材料を含む耐熱性樹脂として
は、金属やSiO2 、TiO2 、Al2 3 、MgO、
CaO、Fe2 3 などの無機酸化物、SiC(炭化珪
素)、BN(窒化ホウ素)の微粒子を添加したポリアミ
ド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリーレンス
ルフィド、ポリエーテル等の耐熱性樹脂が挙げられる。
【0019】無機材料を充填材として耐熱性樹脂に添加
する場合、担体における充填材である無機材料の含有量
が、0.1重量%以上50重量%以下であることが好ま
しく、1重量%以上30重量%以下であることがより好
ましい。また、充填材である無機材料の平均粒子径は、
5μm以下の範囲に設定することが望ましい。平均粒子
径が、5μmを超えると脱落するおそれがあるからであ
る。さらに、分散性の点で、平均粒子径が0.001μ
m以上のものが好ましく用いられる。
【0020】担体が金属等の無機材料から構成される場
合は、担体は、たとえば中空芯金等のロールやNi電鋳
シート等のベルトといった形態で提供され、担体が無機
材料を添加した耐熱性樹脂から構成される場合は、担体
は、たとえばポリイミドフィルム等のベルトといった形
態で提供されるが、これらに限定されるものではない。
担体表面は、接着層を強固に接着させるために表面処理
を行っても良い。例えば、金属表面の場合、有機溶剤等
を用いた脱脂処理ならびにサンドブラスト等による粗面
化処理を行うことができる。
【0021】次に、担体上に形成される層のうち、接着
層について説明する。本発明の接着層は、含フッ素ポリ
イミド樹脂を有している。本発明の含フッ素ポリイミド
樹脂は、少なくともモノマーである芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミンのどちらか一方の骨格中に少な
くともパーフルオロアルキル基とフッ素置換芳香環のど
ちらか一方を導入したものである。パーフルオロアルキ
ル基もしくはフッ素置換芳香環を導入した芳香族テトラ
カルボン酸二無水物あるいはジアミンの例として、表1
に示すようなものが挙げられる。
【0022】
【表1】
【0023】パーフルオロアルキル基もしくはフッ素置
換芳香環が、一方のモノマーであるジアミンのみに含ま
れている場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物として
は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,
3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,3’,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン
酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカル
ボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラ
カルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テ
トラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7
−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,
2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,
2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメ
チル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレ
ン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,
6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカル
ボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,
7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラ
カルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナ
フタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水
物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3’,4−ジフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−p−テルフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2”,3,3”
−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3”,4”−p−テルフェニルテトラカルボン酸二
無水物、
【0024】2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビ
ス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二
無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,
8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−
4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、ペリ
レン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無水
物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン
酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テトラ
カルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,1
0−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−
2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジ
ン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオ
フェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、
4,4’−オキシジフタル酸二無水物等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0025】また、パーフルオロアルキル基もしくはフ
ッ素置換芳香環が、一方のモノマーである芳香族テトラ
カルボン酸二無水物のみに含まれている場合、ジアミン
としては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミ
ン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,
4−ジアミノメシチレン、4,4’−メチレンジ−o−
トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジ
ン、4,4’−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、
2,4−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノ−ジフェ
ニルプロパン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルプロパ
ン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルエタン、3,3’
−ジアミノ−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−
ジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルスルフィド、
3,3’−ジアミノ−ジフェニルスルフィド、4,4’
−ジアミノ−ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ
−ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−ジフェニ
ルエーテル、3,3’−ジアミノ−ジフェニルエーテ
ル、ベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,
3’−ジメトキシベンジジン、4,4”−ジアミノ−p
−テルフェニル、3,3”−ジアミノ−p−テルフェニ
ル、
【0026】ビス(p−アミノ−シクロヘキシル)メタ
ン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エー
テル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベ
ンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)
ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペ
ンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,
6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−
t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m
−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5
−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレン
ジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミ
ノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジ
アゾール、1,4−ジアミノ−シクロヘキサン、ピペラ
ジン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレン
ジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプ
タメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレン
ジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4
−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジ
アミン、ノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレ
ンジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、
デカメチレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10
−ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,
12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジアミノアイ
コサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
【0028】また、本発明の含フッ素ポリイミド樹脂と
しては、表2に示すような骨格を有するものが好まし
い。
【0029】
【表2】
【0030】その中でも、加工性や接着性の点で、下記
の式(2)に示すような末端にナジック酸を導入した含
フッ素ポリイミドや、式(3)に示すような末端にアセ
チレンを導入した含フッ素ポリイミドのような熱硬化型
のものが特に好ましい。
【0031】
【化2】
【0032】これら含フッ素ポリイミドは、担体に対す
る接着性に優れると同時に、分子中にフッ素原子を導入
していることから、上記プライマーを塗布した後に形成
される最外離型層のフッ素樹脂と相容化しやすく、フッ
素樹脂とプライマーが強固に接着することを目的として
配合するものである。
【0033】前記含フッ素ポリイミドは、モノマーであ
る芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応
させ、完全に脱水縮合したポリイミドの状態で接着用プ
ライマーに配合してもよく、または、部分的に脱水縮合
した前駆体であるポリアミド酸の状態で接着用プライマ
ーに配合してもよい。加工性や取扱い性の点ではポリア
ミド酸の状態で接着用プライマーに配合するのが好まし
い。
【0034】本発明の接着層は、さらに、カップリング
剤を有していることが好ましい。本発明のカップリング
剤としては、Ti,Al,Zn系等の無機材料からなる
カップリング剤を用いることもできるが、担体が無機材
料で形成されている場合、有機材料であるフッ素樹脂層
と無機材料である担体とを強固に接着させるにはSiを
持ったシランカップリング剤が好ましく、その中でも、
下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤が特
に好ましい。一般式(1)
【0035】
【化3】
【0036】式中、Rはメチル基もしくはエチル基であ
り、Xがビニル基、エポキシ基、メタクリル基、メルカ
プト基、アミノ基、エトキシ基、メチル基含んでいても
よい一価有機基である。nは2から4の整数を表す。
【0037】シランカップリング剤は分子中に2個以上
の異なった反応性基をもち、有機材料と無機材料を化学
的に結合させる働きがある。この接着のメカニズムを、
一般式(1)で表されるシランカップリング剤で説明す
ると、シランカップリング剤のアルコキシル基(−O
R)が水あるいは湿気により、加水分解され水酸基(−
OH)になる。この水酸基と無機材料表面との水酸基が
脱水縮合反応により、Si−O−M結合を形成する。ま
た、一方の反応基(−X)は、有機材料と結合あるいは
相溶化し、結果的に有機材料と無機材料の両方を化学的
に結合させる事ができる。
【0038】シランカップリング剤を用いる狙いは、結
合エネルギーの大きさの違いに注目するものであり、従
来のプライマーのような一部共有結合の接着もしくは水
素結合や、ファンデルワールス力等の弱い結合力の接着
ではなく、共有結合の強い結合エネルギーを使う点にあ
る。
【0039】前記シランカップリング剤の接着層への添
加方法には、大きく分けて2つの方法がある。1つはイ
ンテグラルブレンド法と呼ばれるもので、樹脂および無
機材料を接着させる際に、シランカップリング剤を同時
に添加混合する方法で、製造工程に組み込みやすく、作
業性に優れている。しかし、この方法は無機質表面への
直接処理に比較して効果がでにくいため、使用量が多い
事がある。他の1つは、前処理法と呼ばれるものであり
担体をあらかじめシランカップリング剤で表面処理して
おく方法で、シランカップリング剤の結果が得やすく、
特に湿式で処理した場合、処理効率が高く、均一な処理
ができるため、広く工業的に利用されている。本発明の
場合、強固な接着力を得られる点で、湿式前処理法によ
りシランカップリング剤を添加するのがより好ましい。
【0040】シランカップリング剤は、1種又は2種以
上のシランカップリング剤を組み合せて用いてもよく、
溶剤で1〜20%に希釈して用いることもできる。この
時の溶剤としてはアルコール類、トルエン、キシレン、
酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、またはア
ルコールと水の混合系などほとんどの有機溶剤を用いる
ことができる。
【0041】また、前記接着層において、インテグラル
ブレンド法によって前記カップリング剤を添加混合した
場合の含有量が、1重量%以上20重量%以下であるこ
とが好ましく、1重量%以上10重量%以下であること
がより好ましい。前記カップリング剤の含有量が、20
重量%を超えると均一に配合することが困難であり、ま
た、経済的にも好ましくない。一方、1重量%より少な
いと接着性の向上が不十分となる。
【0042】本発明の接着層には、接着層の強度を向上
させるために、充填材を適宜配合しても良い。これらの
充填材は、担体と接着層ならびに接着層とフッ素樹脂層
との接着性や定着部材として要求される離型性の程度が
損なわれない限りに於て使用可能である。
【0043】充填材としては、金属やSiO2 、TiO
2 、Al2 3 、MgO、CaO、Fe2 3 などの無
機酸化物、SiC(炭化珪素)、BN(窒化ホウ素)、
Si 3 4 (窒化珪素)等の無機材料の微粒子を用いる
ことができる。その中でも、耐熱性・耐久性に優れ、安
価であるという点で、Fe2 3 (ベンガラ)が特に好
ましい。無機充填材を接着層に添加する場合、接着層に
おける無機充填材の含有量が、0.1重量%以上50重
量%以下であることが好ましく、1重量%以上30重量
%以下であることがより好ましい。また、充填材である
無機材料の平均粒子径は、5μm以下の範囲に設定する
ことが望ましい。平均粒子径が、5μmを超えると脱落
するおそれがあるからである。さらに、分散性の点で、
平均粒子径が0.001μm以上のものが好ましく用い
られる。
【0044】本発明の接着層は、湿式前処理法によりシ
ランカップリング剤を添加する場合、処理済みの担体表
面に含フッ素ポリイミドあるいはその前駆体を、N−メ
チル−2−ピロリドン、フルフリルアルコール、ブタノ
ール、イソプロパノール、エタノール等の水溶性有機溶
剤に溶解させた接着用プライマー液を、担体表面に塗布
することで形成される。また、インテグラルブレンド法
によりシランカップリング剤を添加する場合、上記の含
フッ素ポリイミドあるいはその前駆体とシランカップリ
ング剤とを混合して水溶性有機溶剤に溶解させた接着用
プライマー液を、担体表面に塗布することで形成され
る。
【0045】コーティングの方法は、ディップ法、スピ
ン法、スプレー法、ロールコート法等が使えるが、ディ
ップ法、スプレー法が好ましい。乾燥は、加熱もしくは
風乾によって行われる。乾燥後の膜厚は、1〜15μm
が好ましく、3〜8μmがさらに好ましい。
【0046】次に、担体上に形成される層のうち、フッ
素樹脂からなる最外層について説明する。
【0047】本発明の最外層を形成するフッ素樹脂とし
ては、ローラを加熱して200℃以上で連続使用可能と
するために、耐熱性に優れたものが好ましく、摩耗など
の機械的ストレスに対する耐久性や離型性の点で、パー
フルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチ
レン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、
ポリヘキサフルオロプロピレンが特に好ましい。
【0048】本発明の最外層には、摩耗などの機械的ス
トレスに対する耐久性や耐熱性を高めるために、充填剤
や他の樹脂を適宜配合しても良い。これらの充填材や他
の樹脂は、担体と接着層ならびに接着層とフッ素樹脂層
との接着性や定着部材として要求される離型性の程度が
損なわれない限りに於て使用可能である。
【0049】充填材としては、金属やSiO2 、TiO
2 、Al2 3 、MgO、CaO、Fe2 3 などの無
機酸化物、SiC(炭化珪素)、BN(窒化ホウ素)、
Si 3 4 (窒化珪素)等の無機材料の微粒子を用いる
ことができる。その中でも、耐熱性や摩耗などの機械的
ストレスに対する耐久性に優れているという点で、Si
C、BN、Si3 4 が特に好ましい。無機充填材を最
外層に添加する場合、最外層における無機充填材の含有
量が、1重量%以上50重量%以下であることが好まし
く、1重量%以上15重量%以下であることがより好ま
しい。また、無機充填材の平均粒子径は、必要膜厚に応
じて適宜10μm以下の範囲に設定することが望まし
い。平均粒子径が10μmを超えると脱落しやすくなる
おそれがある。さらに、分散性の点で、平均粒子径が
0.001μm以上のものが好ましく用いられる。
【0050】他の樹脂としては、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ
アリーレンスルフィド、ポリエーテル、ポリケトン、芳
香族ポリエステル、シリコーン樹脂等の耐熱性樹脂を用
いることができ、その中でも、離型性を損なわないとい
う点で、シリコーン樹脂やこれらの耐熱性樹脂の骨格中
にパーフルオロアルキル基もしくはフッ素置換芳香環の
どちらか一方を導入したポリマーが特に好ましい。他の
樹脂を最外層に添加する場合、最外層における他の樹脂
の含有量が、1重量%以上50重量%以下であることが
好ましく、5重量%以上20重量%以下であることがよ
り好ましい。また、他の樹脂の熱による軟化点がフッ素
樹脂の軟化点と同等もしくはそれより高いものであるこ
とが好ましい。
【0051】本発明の最外層は、接着層を形成後、接着
層が乾燥状態または湿潤状態下でフッ素樹脂層を被覆す
ることで形成される。フッ素樹脂からなる最外層は、フ
ッ素樹脂粉末もしくはフッ素樹脂粉末のディスパージョ
ンをディップ法、スプレー法等の方法で均一に塗布した
後、フッ素樹脂が溶融する条件で焼成することによっ
て、もしくはフッ素樹脂チューブを加熱収縮させること
によって形成される。
【0052】最外層の厚みは、0.1〜100μmが好
ましく、5〜40μmがより好ましい。この厚みが小さ
すぎると長期の使用で表面の離型層が摩耗して接着層や
金属コアロール表面が露出してしまい離型性が大幅に低
下してしまう。また、厚すぎると熱伝導性が悪くなり、
ウォームアップ時間が長くかかってしまう。
【0053】本発明の定着装置は、転写体上のトナー画
像を加熱して定着を行う定着装置において、転写体上の
トナー画像に接触する定着用部材が、担体上に層を有し
ており、該層として、含フッ素ポリイミド樹脂を有する
接着層と、フッ素樹脂からなる最外層とを有している。
【0054】転写体上のトナー画像に接触する定着用部
材が、加熱源を有していることが好ましく、このような
転写体上のトナー画像を加熱して定着を行う定着装置と
しては、加熱ロールと加熱ロールを圧接する加圧ベルト
および加圧ベルトを背後から加圧する加圧ロールとを備
える定着装置。加熱ロールと加熱ロールを圧接する加圧
ロールとを備える定着装置。加熱ベルトと加熱ベルトを
内側より圧接する加圧部材および加圧部材に対向する位
置に加圧ロールを備える定着装置。加熱ベルトと加熱ベ
ルトを内側より圧接する加圧部材および加圧部材に対向
する位置に加圧ベルトを介して加圧ロールを備える定着
装置等がある。
【0055】すなわち、上記の定着装置中、転写体上の
トナー画像に接触する加熱ロールまたは加熱ベルト上
に、含フッ素ポリイミド樹脂を有する接着層と、フッ素
樹脂からなる最外層とを有している。
【0056】本発明の画像形成方法は、潜像保持体上に
潜像を形成する工程、該潜像を現像剤を用いて現像する
工程、現像剤を転写体上に転写する工程、該現像像を転
写体上に定着する工程を有するものである。
【0057】該現像像を転写体上に定着する工程におい
て、担体上に層を有してなり、該層として、含フッ素ポ
リイミド樹脂を有する接着層と、フッ素樹脂からなる最
外層とを有する定着用部材を用いていれば、特に制限は
ない。これらの各工程は、それ自体は一般的な工程であ
り、たとえば、特開昭56−40868号公報、特開昭
49−91231号公報等に記載されている。なお、本
発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファ
クシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することがで
きる。
【0058】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例をあげて具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものでない。
【0059】実施例1 (接着用プライマー液の調製)水とN−メチル−2−ピ
ロリドンとフルフリルアルコールをそれぞれ4:2:1
の割合で混合した溶媒100重量部に対し、含フッ素ポ
リイミドの前駆体として下記の式(4)に示すポリアミ
ド酸を17重量部、無機充填剤としてFe2 3 (ベン
ガラ、粒径0.1μm)を11重量部加えた後、均一に
混合・分散させて、接着用プライマー液を調製した。
【0060】
【化4】
【0061】(図1における加熱ロール1の作製)担体
として、脱脂処理ならびにサンドブラストで粗面化処理
した外径50mmφのアルミニウム製中空芯金2を用意
し、接着用プライマー液をスプレーで塗布し150℃で
5分乾燥させて接着層を形成した後、PFA粉末樹脂塗
料を静電塗装法で均一に塗布し、375℃、30分の焼
成条件で硬化処理ならびにPFA成膜化処理を行い最外
層を形成した。焼成後表面を研磨フイルムで磨いて加熱
ロール1を得た。なお、プライマー液乾燥後の膜厚は1
0〜13μmで、PFA成膜化を行った後のすべての膜
厚は47〜53μmであった。
【0062】(図1における加熱ロール1の評価)この
加熱ロール1を用いて、金属表面と接着層との剥離強度
を測定した。剥離強度の評価は、図2(A)に示すロー
ドセルを用いた剥離試験法により行った。ロードセルを
用いた剥離試験法とは、被験体である加熱ロール1の表
面をナイフで1cm幅に周方向に切り込みを入れ、担体
である金属コア100の最外層104と接着層102の
一部を剥がし、その端部106を剥離試験機のチャック
に取付け周方向に90°で剥離した時の強度を測定する
ものである。その結果を表3に示す。また、加熱ロール
1を図1と同様の構成からなる複写機(Vivace5
50:富士ゼロックス社製)の定着部に配置し、表面温
度200℃にて通紙耐久試験を行ったところ50万枚で
も異常を生じなかった。
【0063】
【表3】
【0064】実施例2 接着用プライマー液の調製において、含フッ素ポリイミ
ドの前駆体を式(5)に示すポリアミド酸に変えた以外
は、実施例1と全く同様にして、加熱ロール1の作製な
らびに評価を行った。剥離強度の測定結果を表3に示
す。また、通紙耐久試験では50万枚でも異常を生じな
かった。
【0065】
【化5】
【0066】実施例3 (接着用プライマー液の調製)実施例1と同様にして、
接着用プライマー液を調製した。 (図1における加熱ロール1の作製)担体として、脱脂
処理ならびにサンドブラストで粗面化処理した外径50
mmφのアルミニウム製中空芯金2を用意し、カップリ
ング剤として、ビニル系シランカップリング剤「KBM
1003」(信越化学社製)を用い、これをスプレー塗
布して、温度105°Cで5分加熱乾燥させた。その
後、接着用プライマー液をスプレーで塗布し150℃で
5分乾燥させて接着層を形成した後、PFA粉末樹脂塗
料を静電塗装法で均一に塗布し、375℃、30分の焼
成条件で硬化処理ならびにPFA成膜化処理を行い最外
層を形成した。焼成後表面を研磨フイルムで磨いて加熱
ロール1を得た。なお、プライマー液乾燥後の膜厚は1
1〜14μmで、PFA成膜化を行った後のすべての膜
厚は48〜53μmであった。
【0067】(図1における加熱ロール1の評価)この
加熱ロール1を用いて、実施例1と同様に評価を行っ
た。剥離強度の測定結果を表3に示す。また、通紙耐久
試験では50万枚でも異常を生じなかった。
【0068】実施例4 カップリング剤を、エポキシ系シランカップリング剤で
ある「KBM403」(信越化学社製)に変えた以外
は、実施例2と全く同様に加熱ロール1の作製ならびに
評価を行った。剥離強度の評価結果を表3に示す。ま
た、通紙耐久試験では50万枚でも異常を生じなかっ
た。
【0069】実施例5 フッ素樹脂からなる最外層の形成においてPFAチュー
ブを加熱収縮させて融着させる以外は、実施例2と全く
同様にテストロールの作製ならびに評価を行った。剥離
強度の評価結果を表3に示す。また、通紙耐久試験では
50万枚でも異常を生じなかった。
【0070】実施例6 カップリング剤を、エポキシ系シランカップリング剤で
ある「KBM403」(信越化学社製)に変えた以外
は、実施例5と全く同様にテストロールの作製ならびに
評価を行った。剥離強度の評価結果を表3に示す。ま
た、通紙耐久試験では50万枚でも異常を生じなかっ
た。
【0071】実施例7 (図3における加熱ベルト6の作製)担体として、Si
2 微粒子(一次粒子径約20nm)を充填材として2
0重量%の割合で添加した厚さ0.2mmのポリイミド
フィルム製のベルトを用い、カップリング剤として、ビ
ニル系シランカップリング剤「KBM1003」(信越
化学社製)を用い、これをスプレー塗布して、温度10
5°Cで5分加熱乾燥させた。その後、実施例3と同じ
プライマー液をスプレーで塗布し150℃で5分で乾燥
させて接着層を形成した後、PFA粉末樹脂塗料を静電
塗装法で均一に塗布し、350℃で40分の焼成条件で
硬化処理ならびにPFA成膜化処理を行い最外層を形成
した。焼成後表面を研磨フイルムで磨いて加熱ベルト6
を得た。なお、プライマー乾燥後の膜厚は11〜13μ
mで、PFA成膜化を行った後のすべての膜厚は47〜
52μmであった。
【0072】(図3における加熱ベルト6の評価)この
加熱ベルト6を用いて、ベルト表面と接着層との剥離強
度を測定した。剥離強度の評価は、図2(B)に示すロ
ードセルを用いた剥離試験法により行った。ロードセル
を用いた剥離試験法とは、被験体である加熱ベルト6の
表面をナイフで1cm幅に周方向に切り込みを入れ、担
体であるベルト200の最外層204と接着層202の
一部を剥がし、その端部206を剥離試験機のチャック
に取付け周方向に90°で剥離した時の強度を測定する
ものである。その結果を表3に示す。複写機(Viva
ce550:富士ゼロックス社製)の定着部を図3と同
様の構成からなる定着部と交換し、加熱ベルト6をその
定着部に配置し、表面温度200℃にて通紙耐久試験を
行ったところ50万枚でも異常を生じなかった。
【0073】実施例8 カップリング剤を、エポキシ系シランカップリング剤で
ある「KBM403」(信越化学社製)に変えた以外
は、実施例7と全く同様に加熱ベルト6の作製ならびに
評価を行った。剥離強度の評価結果を表3に示す。ま
た、通紙耐久試験では50万枚でも異常を生じなかっ
た。
【0074】比較例1 (接着用プライマー液の調製)含フッ素ポリイミド前駆
体の代わりに無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホン酸を反応させて生成した式(6)に
示す従来のポリイミド前駆体用いた以外は、実施例1と
同様にして、接着用プライマー液を得た。
【0075】
【化6】
【0076】(図1における加熱ロール1の作製)実施
例1と同様に、担体として、脱脂処理ならびにサンドブ
ラストで粗面化処理した外径50mmφのアルミニウム
製中空芯金2を用意し、シランカップリング剤処理をせ
ず、上記接着用プライマー液をスプレーで塗布し150
℃で5分乾燥させて接着層を形成した後、PFA粉末樹
脂塗料を静電塗装法で均一に塗布し、375℃、30分
の焼成条件で硬化処理ならびにPFA成膜化処理を行い
最外層を形成した。焼成後表面を研磨フイルムで磨いて
加熱ロール1を得た。なお、プライマー液乾燥後の膜厚
は10〜12μmで、PFA成膜化を行った後のすべて
の膜厚は45〜50μmであった。
【0077】(図1における加熱ロール1の評価)評価
は実施例1と同様に行った。剥離強度の評価結果を表4
に示す。また、通紙耐久試験では21万枚を超えたとこ
ろで中空芯金と接着層間だけでなく最外層と接着層間で
も剥離が生じた。
【0078】
【表4】
【0079】比較例2 プライマー液にインテグラルブレンド法により5wt%
の濃度でビニル系シランカップリング剤である「KBM
1003」(信越化学社製)を混ぜて使用したこと以外
は、比較例1と全く同様に加熱ロール1の作製ならびに
評価を行った。剥離強度の評価結果を表4に示す。ま
た、通紙耐久試験では27万枚を超えたところで中空芯
金と接着層間だけでなく最外層と接着層間でも剥離が生
じた。
【0080】比較例3 最外層の形成においてPFAチューブを加熱収縮させて
融着させる以外は、比較例1と全く同様に加熱ロール1
の作製ならびに評価を行った。剥離強度の評価結果を表
4に示す。また、通紙耐久試験では22万枚を超えたと
ころで中空芯金と接着層間だけでなく最外層と接着層間
でも剥離が生じた。
【0081】比較例4 プライマー液にインテグラルブレンド法により5wt%
の濃度でビニル系シランカップリング剤である「KBM
1003」(信越化学社製)を混ぜて使用したこと以外
は、比較例3と全く同様に加熱ロール1の作製ならびに
評価を行った。剥離強度の評価結果を表4に示す。ま
た、通紙耐久試験では26万枚を超えたところで中空芯
金と接着層間だけでなく最外層と接着層間でも剥離が生
じた。
【0082】比較例5 (図3における加熱ベルト6の作製)実施例6と同様
に、担体として、SiO2 微粒子(一次粒子径約20n
m)を充填材として20重量%の割合で添加した厚さ
0.2mmのポリイミドフィルム製のベルトを用い、シ
ランカップリング剤処理をせず、比較例1と同じプライ
マー液をスプレーで塗布し150℃で5分で乾燥させて
接着層を形成した後、PFA粉末樹脂塗料を静電塗装法
で均一に塗布し、350℃で40分の焼成条件で硬化処
理ならびにPFA成膜化処理を行い最外層を形成した。
焼成後表面を研磨フイルムで磨いて加熱ベルト6を得
た。なお、プライマー乾燥後の膜厚は10〜13μm
で、PFA成膜化を行った後のすべての膜厚は46〜5
0μmであった。
【0083】(図3における加熱ベルト6の評価)評価
は実施例7と同様に行った。剥離強度の評価結果を表4
に示す。また、通紙耐久試験では23万枚を超えたとこ
ろでベルトと接着層間だけでなく最外層と接着層間でも
剥離が生じた。
【0084】比較例6 プライマー液にインテグラルブレンド法により5wt%
の濃度でビニル系シランカップリング剤である「KBM
1003」(信越化学社製)を混ぜて使用したこと以外
は、比較例5と全く同様に加熱ベルト6の作製ならびに
評価を行った。剥離強度の評価結果を表4に示す。ま
た、通紙耐久試験では22万枚を超えたところで担体で
あるベルトと接着層間だけでなく最外層と接着層間でも
剥離が生じた。
【0085】以上の結果から、本発明の定着部材は、フ
ッ素樹脂層が担体から剥離し難く、苛酷な使用条件下に
あっても耐久性に優れていることが分かる。
【発明の効果】本発明のフッ素被覆定着部材は、接着層
が従来と較べて特に金属等の無機材料に対する接着性が
格段に向上しており、耐熱性、耐ヒートサイクル性、耐
ストレス等が優れている。従って、加熱と冷却のサイク
ルや機械的なストレスに常時さらされているといった過
酷な条件下においても接着層の経時変化が起こりにく
く、長期にわたり金属とフッ素樹脂間での剥離すること
がないといった効果を有し、従来の定着部材に比べライ
フが大幅に延び、信頼性の向上やランニングコストの低
下が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の熱ローラー型定着装置の例を示
す概略的断面図である。
【図2】図2は、接着層を介して担体に接着したPFA
樹脂の接着強度を剥離試験により評価する剥離強度試験
の概要を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施例7の定着方法に使用さ
れるベルト組み込み型定着装置の例を示す概略的断面図
である。
【符号の説明】
1 加熱ロール 2 中空芯金 4,14,104,204 最外層 6 加熱ベルト 11 加圧ロール 12 中空芯金 13 弾性体層 21,22,26 ヒーター 23 加圧パッド 24 ベルト駆動ロール 25 ベルト搬送ロール 27 インレット 28 アウトレット 29 離型剤塗布装置 31 紙 32 トナー像 100,200 担体 102,202 接着層 106,206 最外層の端部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体上に層を有する定着用部材におい
    て、該層として、含フッ素ポリイミド樹脂を有する接着
    層と、フッ素樹脂からなる最外層とを有することを特徴
    とする定着用部材。
  2. 【請求項2】 前記含フッ素ポリイミド樹脂が、モノマ
    ー成分として、パーフルオロアルキル基もしくはフッ素
    置換芳香族環を有する、芳香族テトラカルボン酸二無水
    物もしくはジアミンを有してなることを特徴とする請求
    項1に記載の定着用部材。
  3. 【請求項3】 前記接着層が、さらに、カップリング剤
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の定
    着用部材。
  4. 【請求項4】 前記カップリング剤が、シランカップリ
    ング剤であることを特徴とする請求項3に記載の定着用
    部材。
  5. 【請求項5】 前記シランカップリング剤が下記一般式
    (1)で表されるシランカップリング剤であることを特
    徴とする請求項4に記載の定着用部材。一般式(1) 【化1】 式中、Rはメチル基もしくはエチル基であり、Xがビニ
    ル基、エポキシ基、メタクリル基、メルカプト基、アミ
    ノ基、エトキシ基、メチル基含んでいてもよい一価有機
    基である。nは2から4の整数を表す。
  6. 【請求項6】 前記接着層が、無機充填材を含有するこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着
    用部材。
  7. 【請求項7】 前記接着層における前記無機充填材の含
    有量が、0.1重量%以上50重量%以下であることを
    特徴とする請求項6に記載の定着用部材。
  8. 【請求項8】 前記無機充填材の平均粒子径が、5μm
    以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の
    定着用部材。
  9. 【請求項9】 前記接着層における前記カップリング剤
    の含有量が、1重量%以上20重量%以下であることを
    特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の定着用部
    材。
  10. 【請求項10】 前記担体を前記カップリング剤で前処
    理した後、前記含フッ素ポリイミド樹脂を必須成分とす
    る組成物を塗布、乾燥後、フッ素樹脂からなる最外層を
    形成してなることを特徴とする請求項1から9のいずれ
    かに記載の定着用部材。
  11. 【請求項11】 前記フッ素樹脂が、パーフルオロアル
    キルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合
    体、ポリテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロ
    ピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリヘキサ
    フルオロプロピレンから選ばれた樹脂であることを特徴
    とする請求項1から10のいずれかに記載の定着用部
    材。
  12. 【請求項12】 前記最外層が、フッ素樹脂粉末もしく
    はディスパージョンを塗布した後焼成することによって
    形成された層、もしくはフッ素樹脂チューブを熱収縮さ
    せることによって形成された層であることを特徴とする
    請求項1から11のいずれかに記載の定着用部材。
  13. 【請求項13】 転写体上のトナー画像を加熱して定着
    を行う定着装置において、転写体上のトナー画像に接触
    する定着部材が、担体上に層を有しており、該層とし
    て、含フッ素ポリイミド樹脂を有する接着層と、フッ素
    樹脂からなる最外層とを有することを特徴とする定着装
    置。
  14. 【請求項14】 潜像保持体上に潜像を形成する工程、
    該潜像を現像剤を用いて現像する工程、現像剤を転写体
    上に転写する工程、該現像像を転写体上に定着する工程
    を有する画像形成方法において、該定着工程が、担体上
    に層を有してなり、該層として、含フッ素ポリイミド樹
    脂を有する接着層と、フッ素樹脂からなる最外層とを有
    する定着用部材を用いて、前記現像像を転写体上に接触
    定着する工程であることを特徴とする画像形成方法。
JP15143197A 1997-05-02 1997-06-09 定着用部材およびそれを用いた定着装置ならびに画像形成方法 Pending JPH10340022A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011186461A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Xerox Corp 定着器部材および画像形成装置
JP2014149407A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Fuji Xerox Co Ltd 定着ベルト、定着ベルトの製造方法、定着装置、及び画像形成装置
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