JP3584682B2 - 定着用部材およびそれを用いた定着装置ならびに画像形成方法 - Google Patents

定着用部材およびそれを用いた定着装置ならびに画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱及び冷却のサイクルや機械的な圧接を常時受ける電子写真方式に用いられる複写装置、プリンターその他の種々の画像形成装置等の定着部等に用いられる加熱ロールやベルト等の定着用部材とこの定着用部材を用いた定着装置、この定着装置を用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式に用いられる複写装置、プリンターその他の種々の画像形成装置等において、用紙上に形成されたトナー像を定着させる方法としては、通常、内部にランプ等の発熱体を配置することによって加熱され、かつ、互いに圧接された二つの回転体対間にトナー像が形成された紙等の担持体を通し、トナー像を支持体上に融着させる方法が採られている。
【0003】
このような方法で用いられる定着装置の例としては、図1に示されるように熱ロール定着装置が挙げられ、この熱ロール定着装置は加熱ロール1と加圧ロール11の一対のロールから構成される。加熱ロール1は、アルミニウム、鉄等の円筒状の中空芯金2の表面にフッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)等のフッ素系樹脂といった離型性に優れた耐熱性エラストマーまたは耐熱性樹脂からなる最外層4が被覆されている。また、加熱ロール1の内部には、ハロゲンランプ等の発熱体21が配置されてヒートロールの機能を有するようになっている。
【0004】
一方、加圧ロール11は、アルミニウム、鉄等の円筒状の中空芯金12の表面に加熱ロール1と同種または別種の離型性に優れた耐熱性エラストマーまたは耐熱性樹脂からなる最外層14が被覆されている。そして、加熱ロール1と加圧ロール11は、互いにバネ等により圧接されている。なお、図中、27はインレッと、28はアウトレットであり、29は加熱ロール1の表面に離型剤を塗布する離型剤塗布装置である。
【0005】
この熱ロール定着装置においては、表面にトナー像32を有する紙31は、加熱ロール1と加圧ロール11の間に搬送され、トナー像32は紙31上に定着された後、アウトレット28を経て一対のロール間より搬送される。
【0006】
ロール等の担体表面に被覆される定着用部材は、融着したトナー像の一部が回転体側に付着するホットオフセットといった現象や、トナー像が回転体から分離せずに担持体と共に回転体への巻き付きといった現象ができるだけ起こらないことが要求される。
【0007】
その一方で、装置の可動時には設定温度として200℃の高温に加熱され、停止時には室温まで冷却されるという加熱と冷却のサイクルが繰り返されるため、このサイクルにも耐えられることが要求されている。さらに、回転体の最表面では対向して取り付けられている定着用部材同士が圧接しており、また、用紙の巻きつきを防止するための分離爪が常時圧接している等の過酷な条件にさらされ、常時ストレスが加わっている。
【0008】
したがって、定着装置の回転体上に被覆される離型性に優れた耐熱性エラストマーまたは耐熱性樹脂はフッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等のシリコーン系またはフッ素系の高分子材料に限られている。しかし、これらの高分子材料は、離型性が良い反面金属等の担体との接着性が低く、加熱ローラとして製造する際に表面層として直接被覆することが困難である。
【0009】
そこで、接着性の低いフッ素樹脂を担体表面に被覆する方法として、フッ素樹脂層と金属表面の間にプライマーと呼ばれる接着部材を介在させる方法が提案されている。
【0010】
たとえば、フッ素樹脂としてPFA樹脂を用いる場合については、特開昭57−177067号公報には、無水ピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテル又はジアミノジフェニルエーテルまたはジアミノジフェニルメタン等の反応で得られるポリイミド前駆体ならびにPFA樹脂とを含有する接着用プライマーを介して中空芯金とPFA樹脂層とを接着させる方法が提案されている。特開昭63−112674号公報には、水溶性有機溶剤と水の混合溶媒中に主成分として無水ピロメリット酸と4,4′−ジアミノジフェニルスルホンとを反応させて得られる芳香族ポリイミド前駆体またはその遊離カルボン酸をアミン類で中和したものならびにPFA樹脂とを含有する接着用プライマーで、中空芯金とPFA樹脂層とを接着させる方法が提案されている。
【0011】
また、フッ素樹脂としてPFA樹脂ではなくPTFE樹脂を用いる場合については、米国特許4,049,863には、PTFE、コロイド状シリカ、及びポリアミドイミド(PAI)を含有し、PTFEとPAIの比が1:9であるプライマーが示されており、このプライマーを、グリッドブラスティング、金属もしくは金属酸化物の火炎溶射またはフリットコーティング、あるいはリン酸もしくはクロム酸等によって表面処理された金属コアロール上に乾燥膜厚が2〜15μmとなるように塗布することが提案されている。米国特許3,801,379では、熱水もしくは蒸気でコアロール表面を処理した後のアルミニウム基質に、5〜20%のPTFEを含有したポリ(アリーレンスルフィド)をコーティングすることが提案されている。カナダ国特許887,122では、PAIとPTFEをもちいて傾斜構造的にコーティングする事を提案している。更に英国特許1,512,495ではPTFE粉末を含有しているPAIコーティングにおいてPTFEとPAIの最小比率は1:7であると提案している。
【0012】
特に、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着部材において、プライマーによってフッ素樹脂層と金属等の担体を接着させた定着部材の例としては、特開昭64−1534号公報には、あらかじめフッ素樹脂を含むプライマーにより表面処理された円柱状部品にフィラーを含む熱流動性フッ素樹脂製チューブ加熱融着させてなるフッ素樹脂被覆円柱状部品が提案されている。また、特開平4−8543号公報、特開平4−45931号公報、そして特開平4−78533号公報では、ポリパラパン酸樹脂もしくはポリイミド樹脂を含むプライマー層を有する円柱状部品にフッ素樹脂製チューブ加熱融着させてなるフッ素樹脂被覆円柱状部品が提案されている。
【0013】
これらのプライマーは、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアリーレンスルフィド等といった耐熱性樹脂を主成分とするものであるが、上記の接着用プライマーを用いて担体とフッ素樹脂とを接着させた場合、またはプライマーによってフッ素樹脂層と金属等の担体を接着させた定着部材においては、フッ素樹脂層と金属等の担体間の接着性は初期段階においては良好な結果が得られるが、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着部材の過酷な使用条件の下では、経時劣化を起こし、担体とフッ素樹脂とが経時的に剥離しやすくなり長期間のライフが得られないといった問題点を有している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着部材であって、担体とフッ素樹脂層との間に、耐熱性や担体との接着性、ならびにフッ素樹脂層との接着性にも優れた接着層を設けて、前述した苛酷な条件下にあってもフッ素樹脂層が担体、特に金属から剥離しにくく、耐久性に優れる定着部材を提供する事にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、金属担体と最外層を形成するフッ素樹脂層との間に、フッ素樹脂およびシリコーン変性ポリイミドとを有する層を設けることにより、金属担体と最外層を形成するフッ素樹脂層との接着性が向上することを見出し本発明を完成するに到った。
【0016】
すなわち、本発明は、担体上に層を有する定着用部材において、該層として、第1のフッ素樹脂およびシリコーン変性ポリイミドを有する接着層と、第2のフッ素樹脂とからなる最外層とを有することを定着用部材である。
【0017】
本発明の定着用部材は、接着層金属等の担体との接着性に優れるシリコーン変性ポリイミドと第1のフッ素樹脂とで構成されていることから、最外層の第2のフッ素樹脂を加熱融着させる際に、第1のフッ素樹脂が第2のフッ素樹脂と相容化して最外層と接着層の境界で傾斜構造をなすので、従来の定着部材に比べ担体第2のフッ素樹脂との接着性が向上し、耐熱性、耐ヒートサイクル性、耐ストレス等に優れている。
【0018】
従って、本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着部材であって、加熱と冷却のサイクルや機械的なストレスに常時さらされているといった過酷な条件下においても、長期にわたって経時変化や金属からフッ素樹脂の剥離が生じず、従来のプライマーを用いたフッ素樹脂被覆定着部材に比べ、耐久性に優れる定着用部材が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
担体は、無機材料を基材とするものでもよく、充填材として無機材料を含む耐熱性樹脂を基材とするものでもよい。無機材料としては熱伝導性の良好なアルミニウムや銅、ニッケル等の金属、ステンレスや銀合金、ニッケル合金等の合金、もしくはセラミックス等が挙げられる。また、充填材として無機材料を含む耐熱性樹脂としては、金属やSiO、TiO、Al、MgO、CaO、Feなどの無機酸化物、SiC(炭化珪素)、BN(窒化ホウ素)の微粒子を添加したポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテル等の耐熱性樹脂が挙げられる。
【0020】
無機材料を充填材として耐熱性樹脂に添加する場合、担体における充填材である無機材料の含有量が、0.1重量%以上50重量%以下であることが好ましく、1重量%以上30重量%以下であることがより好ましい。また、充填材である無機材料の平均粒子径が、5μm以下の範囲に設定することが望ましい。平均粒子径が5μmを超えると、耐熱性樹脂から脱落しやすくなるおそれがある。さらに、分散性を考慮すれば、平均粒子径が0.001μm以上のものがより好ましい。
【0021】
担体が金属等の無機材料から構成される場合は、担体は、たとえば中空芯金等のロールやNi電鋳シート等のベルトといった形態で提供され、担体が無機材料を添加した耐熱性樹脂から構成される場合は、担体は、たとえばポリイミドフィルム等のベルトといった形態で提供されるが、これらに限定されるものではない。担体表面は、接着層を強固に接着させるために表面処理を行っても良い。例えば、金属表面の場合、有機溶剤等を用いた脱脂処理ならびにサンドブラスト等による粗面化処理を行うことができる。
【0022】
次に、担体上に形成される層のうち、接着層について説明する。本発明の接着層は、第1のフッ素樹脂とシリコーン変性ポリイミドとを有している。
【0023】
本発明の第1のフッ素樹脂としては、定着部材を加熱して200℃以上で連続使用可能とするために、耐熱性に優れたものが好ましく、例えば、PTFE、PFA、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が好ましい。その中でも、機械的ストレスに対する耐久性に優れるという点で、PFAが特に好ましい。
【0024】
このフッ素樹脂は、粉末もしくはディスパージョンという形でプライマーに配合される。プライマー中のフッ素樹脂は、最外層を形成するときにかける熱によって溶融して最外層のフッ素樹脂を相溶化する。そして、最外層と接着層の境界のフッ素樹脂の濃度が傾斜構造をなすことによりフッ素樹脂とプライマーが強固に接着することを目的として配合するものである。
【0025】
本発明のシリコーン変性ポリイミドとしては、ポリシロキサンユニットを含む下記の一般式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物とポリシロキサンユニットを含む下記の一般式(2)で示されるジアミンの少なくともどちらか一方をモノマーとして反応させて得られたものが好ましい。
一般式(1)
【0026】
【化3】
Figure 0003584682
【0027】
式中、Rは3価の脂肪族基または芳香族基で、酸無水物骨格は5員環または6員環で、炭素数は6〜50である。R,Rは1価の脂肪族基または芳香族基で、R,Rは互いに異なっていてもよい。nは1〜100の整数を表す。具体的には、R,Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert− ブチル基等の脂肪族基やフェニル基等の芳香族基が挙げられるが、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。また、担体との接着性と耐熱性の点からnは1から10の範囲が好ましい。
一般式(2)
【0028】
【化4】
Figure 0003584682
【0029】
式中、R,Rは2価の炭素数が1〜10脂肪族基または炭素数が6〜50の芳香族基で、R,Rは互いに異なっていてもよい。R,Rは1価の脂肪族基または芳香族基で、R,Rは互いに異なっていてもよい。nは1〜100の整数を表す。
具体的には、R,Rとしては、メチレン基、エチレン基、フェニレン基が挙げられるが、耐熱性の点からはフェニレン基が好ましい。R,Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert− ブチル基等の脂肪族基やフェニル基等の芳香族基が挙げられるが、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。また、担体との接着性と耐熱性の点からnは1から10の範囲が好ましい。
【0030】
モノマー成分の組み合わせとしては、一般式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物とその他のジアミン、もしくは一般式(2)で示されるジアミンとその他のテトラカルボン酸二無水物、もしくは一般式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物と一般式(2)で示されるジアミンの組み合わせがある。
【0031】
その他のテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2”,3,3”−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3”,4”−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、
【0032】
2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
また、その他のジアミンとしては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノメシチレン、4,4’−メチレンジ−o−トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4’−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、2,4−トルエンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルエタン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノ−ジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−ジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4”−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3”−ジアミノ−p−テルフェニル、
【0034】
ビス(p−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ジアミノ−シクロヘキサン、ピペラジン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジアミノアイコサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
これらシリコーン変性ポリイミドは、従来、接着層に用いられてきた耐熱性樹脂であるポリイミドに比べ、金属等の無機材料との接着性に優れていることから、担体と接着層を強固に結び付ける目的で配合されるものである。
【0036】
また、第1のフッ素樹脂とシリコーン変性ポリイミドとの配合割合は重量比で、90:10から10:90までの範囲にあることが好ましく、70:30から30:70までの範囲にあることがより好ましい。第1のフッ素樹脂の配合割合が重量比で9割を超えると担体と接着層との接着性が損なわれ、一方、シリコーン変性ポリイミドの配合割合が重量比で9割を超えると最外層のフッ素樹脂と接着層との接着性が損なわれるからである。
【0037】
本発明の接着層には、接着層の強度を向上させるために、充填材を適宜配合しても良い。これらの充填材は、担体と接着層ならびに接着層とフッ素樹脂層との接着性や定着部材として要求される離型性の程度が損なわれない限りに於て使用可能である。
【0038】
充填材としては、金属やSiO、TiO、Al、MgO、CaO、Feなどの無機酸化物、SiC(炭化珪素)、BN(窒化ホウ素)、Si(窒化ケイ素)等の無機材料の微粒子を用いることができる。その中でも、耐熱性・耐久性に優れ、安価であるという点で、Fe(ベンガラ)が特に好ましい。
無機充填材を接着層に添加する場合、接着層における無機充填材の含有量が、0.1重量%以上50重量%以下であることが好ましく、1重量%以上30重量%以下であることがより好ましい。また、無機充填材の平均粒子径が、5μm以下の範囲に設定することが望ましい。平均粒子径が5μmを超えると、接着層から脱落しやすくなるおそれがある。さらに、分散性を考慮すれば、平均粒子径が0.001μm以上のものがより好ましい。
【0039】
本発明の接着層は、前記シリコーン変性ポリイミドあるいはその前駆体と、前記フッ素樹脂の粉末あるいはそのディスパージョンとを、N−メチル−2−ピロリドン、フルフリルアルコール、ブタノール、イソプロパノール、エタノール等の水溶性有機溶剤に溶解・混合して得られた接着用プライマー液を、担体表面に塗布することで形成される。また、前記フッ素樹脂の分散性を向上させるために、ポリオキシエチレンフェニルエーテル等の界面活性剤を加えても良い。
【0040】
前記シリコーン変性ポリイミドは、モノマーである芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを完全に脱水縮合したポリイミド化の状態で接着用プライマー液に配合してもよく、または、部分的に脱水縮合した前駆体であるポリアミド酸の状態で接着用プライマーに配合してもよい。加工性や取扱い性の点では、ポリアミド酸の状態で接着用プライマーに配合するのが好ましい。
【0041】
コーティングの方法は、ディップ法、スピン法、スプレー法、ロールコート法等が使えるが、ディップ法、スプレー法が好ましい。
膜厚は、1〜50μmの範囲が好ましく、5〜20μmの範囲がさらに好ましい。乾燥は、加熱もしくは風乾によって行われる。
【0042】
次に、担体上に形成される層のうち、第2のフッ素樹脂とからなる最外層について説明する。
【0043】
本発明の最外層を形成する第2のフッ素樹脂としては、ローラを加熱して200℃以上で連続使用可能とするために、耐熱性に優れたものが好ましく、摩耗等の機械的ストレスに対する耐久性や離型性の点で、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリヘキサフルオロプロピレンが特に好ましい。
【0044】
本発明の最外層には、摩耗等の機械的ストレスに対する耐久性や耐熱性を高めるために、充填剤や他の樹脂を適宜配合しても良い。これらの充填材や他の樹脂は、担体と接着層ならびに接着層とフッ素樹脂層との接着性や定着部材として要求される離型性の程度が損なわれない限りに於て使用可能である。
【0045】
充填材としては、金属やSiO、TiO、Al、MgO、CaO、Feなどの無機酸化物、SiC(炭化珪素)、BN(窒化ホウ素)、Si(窒化ケイ素)等の無機材料の微粒子を用いることができる。その中でも耐熱性や摩耗等の機械的ストレスに対する耐久性に優れているという点で、SiC、BN、Siが特に好ましい。
無機充填材を最外層に添加する場合、最外層における無機充填材の含有量が、5重量%以上50重量%以下であることが好ましく、5重量%以上15重量%以下であることがより好ましい。また、無機充填材の平均粒子径は、必要膜厚に応じて適宜10μm以下の範囲に設定することが望ましい。平均粒子径が10μmを超えると、最外層から脱落しやすくなるおそれがある。さらに、分散性を考慮すれば、平均粒子径が0.001μm以上のものがより好ましい。
【0046】
他の樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテル、ポリケトン、芳香族ポリエステル、シリコーン樹脂等の耐熱性樹脂を用いることができ、その中でも、離型性を損なわないという点で、シリコーン樹脂やこれらの耐熱性樹脂の骨格中にパーフルオロアルキル基もしくはフッ素置換芳香環のどちらか一方を導入したポリマーが特に好ましい。
他の樹脂を最外層に添加する場合、最外層における他の樹脂の含有量が、1重量%以上50重量%以下であることが好ましく、5重量%以上20重量%以下であることがより好ましい。また、他の樹脂の熱による軟化点がフッ素樹脂の軟化点と同等もしくはそれより高いものであることが好ましい。
【0047】
本発明の最外層は、接着層を形成後、接着層が乾燥状態または湿潤状態下でフッ素樹脂層を被覆することで形成される。フッ素樹脂からなる最外層は、フッ素樹脂粉末もしくはフッ素樹脂粉末のディスパージョンをディップ法やスプレー法等の方法で均一に塗布した後、フッ素樹脂が溶融する温度で焼成することによって、もしくはフッ素樹脂チューブを加熱収縮させることによって形成される。
【0048】
最外層の厚みは、0.1〜100μmが好ましく、5〜40μmがより好ましい。この厚みが小さすぎると長期の使用で表面の離型層が摩耗して接着層や金属コアロール表面が露出してしまい離型性が大幅に低下してしまう。また、厚すぎると熱伝導性が悪くなり、ウォームアップ時間が長くかかってしまう。
【0049】
本発明の定着装置は、転写体上のトナー画像を加熱して定着を行う定着装置において、転写体上のトナー画像に接触する定着用部材が、担体上に層を有しており、該層として、第1のフッ素樹脂およびシリコーン変性ポリイミドを有する接着層と、第2のフッ素樹脂からなる最外層とを有している。
【0050】
転写体上のトナー画像に接触する定着用部材が、加熱源を有していることが好ましく、このような転写体上のトナー画像を加熱して定着を行う定着装置としては、加熱ロールと加熱ロールを圧接する加圧ベルトおよび加圧ベルトを背後から加圧する加圧ロールとを備える定着装置。加熱ロールと加熱ロールを圧接する加圧ロールとを備える定着装置。加熱ベルトと加熱ベルトを内側より圧接する加圧部材および加圧部材に対向する位置に加圧ロールを備える定着装置。加熱ベルトと加熱ベルトを内側より圧接する加圧部材および加圧部材に対向する位置に加圧ベルトを介して加圧ロールを備える定着装置等がある。
【0051】
すなわち、上記の定着装置中、転写体上のトナー画像に接触する加熱ロールまたは加熱ベルト上に、第1のフッ素樹脂およびシリコーン変性ポリイミドを有する接着層と、第2のフッ素樹脂からなる最外層とを有している。
【0052】
本発明の画像形成方法は、潜像保持体上に潜像を形成する工程、該潜像を現像剤を用いて現像する工程、現像剤を転写体上に転写する工程、該現像像を転写体上に定着する工程を有するものである。
【0053】
該現像像を転写体上に定着する工程において、担体上に層を有してなり、該層として、第1のフッ素樹脂およびシリコーン変性ポリイミドを有する接着層と、第2のフッ素樹脂からなる最外層とを有する定着用部材を用いていれば、特に制限はない。これらの各工程は、それ自体は一般的な工程であり、たとえば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
【0054】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
【0055】
実施例1
(接着用プライマー液の調製)
水とN−メチル−2−ピロリドンとフルフリルアルコールをそれぞれ4:2:1の割合で混合した溶媒100重量部に対し、シリコーン変性ポリイミドの前駆体として下記の式(3)に示すポリアミド酸を20重量部、濃度60wt%のPFA粒子(平均粒径0.2μm)ディスパージョンを15重量部および無機充填剤としていFe(ベンガラ、粒径0.1μm)を11重量部加えた後、均一に混合・分散させて、接着用プライマー液を調製した。
【0056】
【化5】
Figure 0003584682
【0057】
(図1における加熱ロール1の作製)
担体として、脱脂処理ならびにサンドブラストで粗面化処理した外径50mmφのアルミニウム製中空芯金2を用意し、上記接着用プライマー液をスプレーで塗布し150℃で5分乾燥させて接着層を形成した後、PFA粉末樹脂塗料を静電塗装法で均一に塗布し、375℃、30分の焼成条件で硬化処理ならびにPFA成膜化処理を行い最外層を形成した。焼成後表面を研磨フイルムで磨いて加熱ロール1を得た。なお、プライマー液乾燥後の膜厚は11〜13μmで、PFA成膜化を行った後のすべての膜厚は47〜52μmであった。
【0058】
(図1における加熱ロール1の評価)
この加熱ロール1を用いて、金属表面と接着層との剥離強度を測定した。剥離強度の評価は、図2(A)に示すロードセルを用いた剥離試験法により行った。ロードセルを用いた剥離試験法とは、被験体である加熱ロール1の表面をナイフで1cm幅に周方向に切り込みを入れ、担体である金属コア100の最外層104と接着層102の一部を剥がし、その端部106を剥離試験機のチャックに取付け周方向に90°で剥離した時の強度を測定するものである。その結果を表1に示す。また、加熱ロール1を複写機(Vivace550:富士ゼロックス社製)の図1と同様の構成からなる定着部に配置し、表面温度200℃にて通紙耐久試験を行ったところ50万枚でも異常を生じなかった。
【0059】
【表1】
Figure 0003584682
【0060】
実施例2
接着用プライマー液の調製において、シリコーン変性ポリイミドの前駆体を式(4)に示すポリアミド酸に変えた以外は、実施例1と全く同様にして、加熱ロール1の作製ならびに評価を行った。剥離強度の測定結果を表1に示す。また、通紙耐久試験では50万枚でも異常を生じなかった。
【0061】
【化6】
Figure 0003584682
【0062】
実施例3
接着用プライマー液の調製において、シリコーン変性ポリイミドの前駆体を式(5)に示すポリアミド酸に変えた以外は、実施例1と全く同様にして、加熱ロール1の作製ならびに評価を行った。剥離強度の測定結果を表1に示す。また、通紙耐久試験では50万枚でも異常を生じなかった。
【0063】
【化7】
Figure 0003584682
【0064】
実施例4
フッ素樹脂からなる最外層の形成においてPFAチューブを加熱収縮させて融着させる方法を用いた以外は、実施例1と全く同様に加熱ロール1の作製ならびに評価を行った。剥離強度の評価結果を表1に示す。また、通紙耐久試験では50万枚でも異常を生じなかった。
【0065】
実施例5
(図3における加熱ベルト6の作製)
担体として、SiO微粒子(一次粒子径約20nm)を充填材として20重量%の割合で添加した厚さ0.2mmのポリイミドフィルム製のベルトを用意し、実施例3と同じ接着用プライマー液をスプレーで塗布し150℃で5分で乾燥させて接着層を形成した後、PFA粉末樹脂塗料を静電塗装法で均一に塗布し、350℃で40分の焼成条件で硬化処理ならびにPFA成膜化処理を行い最外層を形成した。焼成後表面を研磨フイルムで磨いて加熱ベルト6を得た。なお、プライマー乾燥後の膜厚は11〜13μmで、PFA成膜化を行った後のすべての膜厚は47〜52μmであった。
【0066】
(図3における加熱ベルト6の作製)
この加熱ベルト6を用いて、ベルト表面と接着層との剥離強度を測定した。剥離強度の評価は、図2(B)に示すロードセルを用いた剥離試験法により行った。ロードセルを用いた剥離試験法とは、被験体である加熱ベルト6の表面をナイフで1cm幅に周方向に切り込みを入れ、担体であるベルト200の最外層204と接着層202の一部を剥がし、その端部206を剥離試験機のチャックに取付け周方向に90°で剥離した時の強度を測定するものである。その結果を表1に示す。複写機(Vivace550:富士ゼロックス社製)の定着部を図3と同様の構成からなる定着部と交換し、加熱ベルト6をその定着部に配置し、表面温度200℃にて通紙耐久試験を行ったところ50万枚でも異常を生じなかった。
【0067】
比較例1
(接着用プライマー液の調製)
シリコーン変性ポリイミドの前駆体の代わりに無水ピロメリット酸と4,4’−ジアミノジフェニルスルホン酸を反応させて生成した下記式(6)に示す従来のポリイミド前駆体を用いた以外は、実施例1と同様にして、接着用プライマー液を調製した。
【0068】
【化8】
Figure 0003584682
【0069】
(図1における加熱ロール1の作製)
実施例1と同様に、担体として、脱脂処理ならびにサンドブラストで粗面化処理した外径50mmφのアルミニウム製中空芯金2を用意し、上記接着用プライマー液をスプレーで塗布し150℃で5分乾燥させて接着層を形成した後、PFA粉末樹脂塗料を静電塗装法で均一に塗布し、375℃、30分の焼成条件で硬化処理ならびにPFA成膜化処理を行い最外層を形成した。焼成後表面を研磨フイルムで磨いて加熱ロール1を得た。なお、プライマー液乾燥後の膜厚は10〜12μmで、PFA成膜化を行った後のすべての膜厚は46〜51μmであった。
【0070】
(図1における加熱ロール1の評価)
評価は実施例1と同様に行った。剥離強度の評価結果を表1に示す。また、通紙耐久試験では30万枚を超えたところで担体と接着層間で剥離が生じた。
【0071】
比較例2
フッ素樹脂からなる最外層の形成においてPFAチューブを加熱収縮させて融着させる以外は、比較例1と全く同様に加熱ロール1の作製ならびに評価を行った。剥離強度の評価結果を表1に示す。また、通紙耐久試験では28万枚を超えたところで担体と接着層間で剥離が生じた。
【0072】
比較例3
接着用プライマー液の調製において、PFA粒子(平均粒径0.2μm)ディスパージョンを配合しなかったこと以外は、実施例3と全く同様にして、加熱ロール1の作製ならびに評価を行った。剥離強度の評価結果を表1に示す。また、通紙耐久試験では18万枚を超えたところで最外層と接着層間で剥離が生じた。
【0073】
比較例4
(図3における加熱ベルト6の作製)
実施例5と同様に、担体として、SiO微粒子(一次粒子径約20nm)を充填材として20重量%の割合で添加した厚さ0.2mmのポリイミドフィルム製のベルトを用い、比較例1と同じ接着用プライマー液をスプレーで塗布し150℃で5分で乾燥させて接着層を形成した後、PFA粉末樹脂塗料を静電塗装法で均一に塗布し、350℃で40分の焼成条件で硬化処理ならびにPFA成膜化処理を行い最外層を形成した。焼成後表面を研磨フイルムで磨いて加熱ベルト6を得た。なお、プライマー乾燥後の膜厚は10〜13μmで、PFA成膜化を行った後のすべての膜厚は46〜50μmであった。
【0074】
(図3における加熱ベルト6の評価)
評価は実施例7と同様に行った。剥離強度の評価結果を表1に示す。また、通紙耐久試験では28万枚を超えたところで担体と接着層間で剥離が生じた。
【0075】
【発明の効果】
本発明のフッ素被覆定着部材は、接着層が従来と較べて特に金属等の無機材料に対する接着性が格段に向上しており、耐熱性、耐ヒートサイクル性、耐ストレス等が優れている。従って、加熱と冷却のサイクルや機械的なストレスに常時さらされているといった過酷な条件下においても接着層の経時変化が起こりにくく、長期にわたり金属等の担体とフッ素樹脂間での剥離することがないといった効果を有し、従来の定着部材に比べライフが大幅に延び、信頼性の向上やランニングコストの低下が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の熱ローラー型定着装置の例を示す概略的断面図である。
【図2】図2は、接着層を介して担体に接着したPFA樹脂の接着強度を剥離試験により評価する剥離強度試験の概要を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施例5の定着方法に使用されるベルト組み込み型定着装置の例を示す概略的断面図である。である。
【符号の説明】
1 加熱ロール
2 中空芯金
4,14,104,204 最外層
6 加熱ベルト
11 加圧ロール
12 中空芯金
13 弾性体層
21,22,26 ヒーター
23 加圧パッド
24 ベルト駆動ロール
25 ベルト搬送ロール
27 インレット
28 アウトレット
29 離型剤塗布装置
31 紙
32 トナー像
100,200 担体
102,202 接着層
106,206 最外層の端部

Claims (11)

  1. 担体上に層を有する定着用部材において、該層として、第1のフッ素樹脂の粉末又はディスパージョンおよびシリコーン変性ポリイミドを有する接着層と、第2のフッ素樹脂からなる最外層とを有し、前記接着層により前記担体と前記最外層とが接着されたことを特徴とする定着用部材。
  2. 前記シリコーン変性ポリイミドが、下記の一般式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物と下記の一般式(2)で示されるジアミンの少なくともどちらか一方をモノマーとして反応させて得られたことを特徴とする請求項1に記載の定着用部材。
    一般式(1)
    Figure 0003584682
    式中、R1 は3価の脂肪族基または芳香族基で、酸無水物骨格は5員環または6員環で、炭素数は6〜50である。R2 ,R3 は1価の脂肪族基または芳香族基で、R2 ,R3 は互いに異なっていてもよい。nは1〜100の整数を表す。一般式(2)
    Figure 0003584682
    式中、R4 ,R5 は2価の炭素数が1〜10脂肪族基または炭素数が6〜50の芳香族基で、R4 ,R5 は互いに異なっていてもよい。R6 ,R7 は1価の脂肪族基または芳香族基で、R6 ,R7 は互いに異なっていてもよい。nは1〜100の整数を表す。
  3. 前記接着層が、無機充填材を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の定着用部材。
  4. 前記接着層における前記無機充填材の含有量が、0.1重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の定着用部材。
  5. 前記接着層における第1のフッ素樹脂とシリコーン変性ポリイミドとの配合比が、90:10から10:90までの範囲にあることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定着用部材。
  6. 前記無機充填材の平均粒子径が、5μm以下であることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の定着用部材。
  7. 前記第1のフッ素樹脂が、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の定着用部材。
  8. 前記第2のフッ素樹脂が、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリヘキサフルオロプロピレンから選ばれた樹脂であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の定着用部材。
  9. 前記最外層が、フッ素樹脂粉末もしくはディスパージョンを塗布した後焼成することによって形成された層、もしくはフッ素樹脂チューブを熱収縮させることによって形成された層であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の定着用部材。
  10. 転写体上のトナー画像を加熱して定着を行う定着装置において、転写体上のトナー画像に接触する定着部材が、担体上に層を有しており、該層として、第1のフッ素樹脂の粉末又はディスパージョンおよびシリコーン変性ポリイミドを有する接着層と、第2のフッ素樹脂からなる最外層とを有し、前記接着層により前記担体と前記最外層とが接着されたことを特徴とする定着装置。
  11. 潜像保持体上に潜像を形成する工程、該潜像を現像剤を用いて現像する工程、現像剤を転写体上に転写する工程、該現像像を転写体上に定着する工程を有する画像形成方法において、該定着工程が、担体上に層を有してなり、該層として、第1のフッ素樹脂の粉末又はディスパージョンおよびシリコーン変性ポリイミドを有する接着層と、第2のフッ素樹脂からなる最外層とを有有し、前記接着層により前記担体と前記最外層とが接着された定着用部材を用いて、前記現像像を転写体上に接触定着する工程であることを特徴とする画像形成方法。
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