JP4657058B2 - ローラ乾燥装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、電子複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンターに用いる定着ローラを製造する際のローラ乾燥装置に関し、液体プライマー塗料を塗装した後に短時間で乾燥させるローラ乾燥装置に関する。
従来から、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリには未定着トナーをコピー用紙に定着させるための定着装置が設置されている。この定着装置内には、定着ローラや用紙を定着ローラに押し付けるための加圧ローラ等が組み込まれている。
前記定着ローラは鉄系材料やアルミニウム等金属製の芯金が多く用いられており、通常アルミニウムもしくは鉄系の金属製芯金の表面にPFAやPTFE等のフッ素樹脂を、あるいはプライマー層を下地としてその上にフッ素樹脂を離型層として形成している場合が多い。
定着ローラのプライマー塗料は、フッ素樹脂を主成分とするディスバージョンであるため、芯金をサンドブラスト等で粗面化した後にスプレーやディッピング等の手段により塗装される。さらに、このプライマー塗料を乾燥した後に、ディスバージョンならばスプレーで、粉体であるならば静電塗装でフッ素樹脂を塗装し、次の工程でフッ素樹脂の融点以上の温度で焼成するのが一般的である。
特許3570698号公報
しかしながら、プライマー塗装の次にフッ素樹脂の塗装、焼成をする場合、その焼成温度は通常330°C〜400°Cくらいが必要である。このため、塗料の乾燥が不十分で揮発成分が残っているまま、フッ素樹脂の焼成炉にローラを投入すると、形成されかけているフッ素樹脂層の下からプライマー塗料の揮発成分が噴出するため、フッ素樹脂層表面に噴出痕の欠陥が残るという不具合が起こることがある。
それらの表面欠陥は、例えば穴状のもの、あるいは中が空洞のドーム状などであり、最悪の場合は定着ローラに求められる重要な特性である離型層の密着度低下を来し、剥離現象を誘発しかねない。
この問題を避けるため、実際の生産工程ではプライマー塗料を完全乾燥、すなわちほとんど揮発成分が残留していない状態にするための乾燥工程が必要となっている。
一般的に行われている方法が、剣山と呼ばれている治具にローラを立てて、ファンにより風を当て、自然乾燥するやり方であるが、この方式の場合、ローラを回転させないと陰になる部分に乾燥むらができ易いという問題がある。
その場合、ローラ1本内の円周方向において、離型層膜としての稠密性に差が生じ、鉛筆硬度等の強度にむらが出る。その結果、分離爪が当接する箇所で異常磨耗を起こしたり、異物等を巻き込んで簡単に円周方向のキズが発生したりし、部品としての耐久性が犠牲になる。
さらに、どうしても一定量の仕掛品が発生してしまい、場所を必要とし、スペース効率が良いローラの1本流し生産方式には向かない。また、長い時間放置するため、浮遊している繊維くずが付着して、前述したような外観欠陥になりやすいという不具合が起こる。
一方、温風乾燥方式は、自然乾燥やファンによる冷風吹き付けよりも早い時間で完全乾燥まで達することが可能であるが、大型のファンや熱源を設置するスペースが必要であり、乾燥むらをなくすためのエアダクト形状を考慮しなくてはならないし、外径の違う多品種を平行生産するラインでは外径別にエアダクトを準備しなくてはならない。また、温風が吹き出ると、塗装ブースの室温が上昇して塗装の品質状態にも影響が出る。
また、温風乾燥は風速としては弱いながらも塗装直後のローラ表面に風を吹きつけることになるため、付着したプライマー塗料の粘度が低い場合などは、「流れ」などが生じ、膜厚の変化や、外観むらを引き起こすこともあり得る。
すなわち、定着ローラの塗装においては、芯金表面の粗面化の後、フッ素樹脂の下地であるプライマー塗料の塗布から次工程におけるフッ素樹脂塗装へ移行する前に、実質上の乾燥工程を必要とする。
従来は、剣山治具を用いて冷風乾燥や温風ファンによる温風乾燥を行ってきたが、仕掛品、滞留品の発生やそれらを仮置きするスペースの問題、乾燥むらの問題、長時間放置による外観欠陥誘発の問題、室温上昇の問題等があり、さらに塗装タクトから要求される乾燥時間短縮の課題などがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、所定工程内で乾燥を可能にし、設置場所も極めて狭いスペースでまかなうことができ、さらに室温の上昇も避けられ、効率の良い1本流し生産方式に貢献できる乾燥装置を、簡易な構成で、しかも離型層膜としての品質や外観を損ねることなしに、提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1のローラ乾燥装置は、金属製芯金を有するローラ表面に塗装されたプライマー塗料を乾燥させて薄膜層を形成するローラ乾燥装置において、前記ローラの乾燥位置に、前記プライマー塗料の塗装後の前記ローラを回転させながら、前記ローラに向けて光を輻射する輻射熱で前記プライマー塗料を乾燥させるハロゲンヒーターを設置すると共に、前記ローラの近傍に、前記ローラの表面温度を検知する温度検知手段を設置し、前記温度検知手段によって前記ローラ表面温度を計測しながら前記ローラ表面温度が所定温度となるように前記ハロゲンヒータの輻射を制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
本願の請求項2のローラ乾燥装置は、前記請求項1記載のローラ乾燥装置において、前記ローラに対して所定の位置に設置される第1ハロゲンヒーターユニットと、前記ローラに対して接近・離間可能に配備され、前記ローラの胴部外径や肉厚の相違に基づいて点灯時間や点灯させるか否かを設定、制御可能とした第2ハロゲンヒーターユニットを設置したことを特徴とする。
本願の請求項3のローラ乾燥装置は、前記請求項1、2何れか記載のローラ乾燥装置において、前記ハロゲンヒーターを点灯させて加熱乾燥した後、次のステップでエアノズルから前記ローラ表面に向けてエアブローをし、前記ローラを常温近傍の温度にまで冷却させることを特徴とする。
本願の請求項4のローラ乾燥装置は、請求項3のローラ乾燥装置において、前記冷却エアブローの吐出時間と流量が、任意に設定可能であることを特徴とする。
本願の請求項1のローラ乾燥装置によれば、ハロゲンヒーターの輻射熱で塗布面を表層から加熱するため、極めて短時間でプライマー塗料が完全乾燥の状態にまで到達し、また、表層の温度をモニターしながらヒーターの点灯を制御するため、ローラ間での乾燥むらが少なく、さらに、設置スペースを取らないため、効率の良い1本流し加工ラインを構築することが可能となる。
本願の請求項2のローラ乾燥装置によれば、第1ハロゲンヒーターユニットだけの場合に比べて乾燥時間を短縮することができる。あるいはまた、第2ハロゲンヒーターユニットの点灯時間を任意に設定できることで、外径や芯金肉厚、塗料付着量が違う多品種の条件設定に対応可能であり、必要最低限の消費電力でプライマー塗料を完全乾燥させることが可能となる。特に外径が大きく芯金重量も重い機種の乾燥にも対応でき、多品種少量生産ラインにおいても容易に対応することが可能である。さらに、第2ハロゲンヒーターユニットを可動式の構成としたことで、外径の大きいローラでも干渉することなく移載機等により搬送が可能となる。
本願の請求項3のローラ乾燥装置によれば、ハロゲンヒーターの加熱で高温状態になった定着ローラを、短時間で常温まで冷却することができ、設置スペースを取らないため生産のスペース効率を上げることができる。また、フッ素樹脂塗装工程でのハンドリングも安全なものとなる。
本願の請求項4のローラ乾燥装置によれば、冷却エアブローの吐出時間や流量を任意に設定できることで、外径や芯金肉厚が違う多品種の条件設定に対応可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態にかかるローラ乾燥装置を図面に基づいて説明する。このローラ乾燥装置はハロゲンヒーターの輻射熱を利用する乾燥装置である。このハロゲンヒーターは定着装置の製造に用いるもので、ローラの長さに略等しい。定着ローラプライマー塗料乾燥装置の概要を述べる。
図1に代表的なジャーナルタイプの定着ローラ1を記す。プライマー塗料は、定着ローラ1の胴部2にスプレーで塗布し、塗膜の乾燥後に、同一箇所にフッ素樹脂からなる離型層2を形成する。図2はハロゲンヒーター5を記す。ハロゲンヒーター5は、複写機の定着装置に用いられているもので、この実施の形態ではA3横サイズで100V仕様のものを採用した。定着装置内での使い方は定着ローラ1の内部に1本、もしくは、配光による温度制御が必要な場合は2本用いるのが一般的で、近年多く用いられている薄肉タイプの芯金であれば、180°C前後まで10秒程度で立ち上げることができる能力を有する。
図3に記すように、ハロゲンヒーター5は2本1組で並行に配設される。ハロゲンヒーター5の裏側すなわちハロゲンヒーター5を挟んで定着ローラ1と対極する位置には、輻射熱を極力多く定着ローラ1の表面に当てるために、凹面鏡形状の反射笠6が配設される。反射笠6は、ハロゲンヒーター5が発生する熱エネルギーを、効率よく定着ローラ1へ向けることができ、なおかつ、加熱する必要のない乾燥装置の壁や治具等を無駄に暖めることを予防できる。
乾燥装置は、定着ローラ1の把持やハンドリングをしやすいように、目的に合わせて横や縦方向に搬送する方式に設定する。本実施の形態ではスプレー塗装に合わせて、縦搬送方式を採用している。乾燥装置内には定着ローラ1を固定、回転させるための回転チャック7が配設されている。回転チャック7には、三つ爪タイプのもの、若しくは、エア圧によってゴム製バルーンを膨らませるエアバルーンチャック等を用いる。
図4は第1ハロゲンヒータユニット10の設置状態を示す。第1ハロゲンヒータユニット10は、回転チャック7の中心軸、すなわち定着ローラ1の中心軸と平行に、定着ローラ1の表面から所定の距離をおいて配設される。
第1ハロゲンヒーターユニット10は、定着ローラ1を移送する移送機が定着ローラ1を回転チャック7にセットした時から点灯可能とされる。第1ハロゲンヒータ5の点灯時間は、塗装装置や乾燥装置のヒータ制御手段12(マイクロコンピュータを用いた制御盤)で任意の秒数を設定し、入力できるものとする。
第1ハロゲンヒータユニット10に加えて、第2ハロゲンヒータユニット11が配設されている。第2ハロゲンヒータユニット11は、定着ローラ1が塗装ブースから移動してくる際に干渉しない場所を待機位置とする。第2ハロゲンヒータユニット11は、点灯、乾燥するときに回転チャック7を中心として、第1ハロゲンヒーターユニット10と同心円状の所定の位置まで移動可能とされている。
通常、肉厚0.6mm以下で芯金重量が100g程度以下の定着ローラ1は、第1ハロゲンヒータユニット10だけでも十分塗装タクト内で所望の乾燥状態が得られるが、高速機向けの定着ローラ1では外径がφ70〜φ80で芯金重量は1500gを超えるものもあり、このような太い定着ローラ1を乾燥させる場合には、極力乾燥時間を短縮するため、第2ハロゲンヒータユニット11も同時に点灯させる。
さらに、第1ハロゲンヒータユニット10の隣に、定着ローラ1の表面温度モニター用検知手段9(例えばサーミスタ等)を配設する。この表面温度検知手段9は、具体的には非接触の放射温度計が好ましく、定着ローラ1の表面温度は、上下で温度勾配がつくため、少なくとも軸方向に二つ以上設置するほうが良い。
これら、二つのハロゲンヒーターユニット10、11とローラ表面温度検知手段9及びヒータ制御手段12を用いれば、多種多様な定着ローラ1の芯金別、すなわち外径と肉厚で決定される熱容量別に第2ハロゲンヒータユニット11使用の有無、及び点灯時間を設定できる。図6はこの様子を記す。図7は制御ブロック図を記す。
プライマー塗装は、部品が要求する膜厚に見合った塗料付着量を塗布する。そして、プライマー塗料は乾燥した状態でローラ表面に膜として付着、形成される固形成分と、スプレーで霧化したとき、及び塗布後の乾燥で揮発していく揮発成分とに分かれる。完全乾燥はこの揮発成分が全て無くなった状態をいう。
乾燥状態を評価する指標として、ある時点における塗料付着量残分を、塗装直後の付着量で割った値を乾燥度と定義する。すなわち、乾燥度(%)=(残留付着量の質量/塗装後付着量)×100 となる。スプレー塗装の場合、その性質上、乾燥度はプライマー塗料の固形分率プラスαまでしか低下しない。定着ローラ1の乾燥条件としては、ハロゲンヒーター5の点灯時間及びワット数、ヒーターとワーク間の距離、そして第2ハロゲンヒータユニット11の使用の有無を設定することになる。
しかし、実際は乾燥装置として、ワット数と第1ハロゲンヒータユニット10のヒーターワーク間距離は固定となるため、点灯時間ならびに第2ハロゲンヒータユニット11の使用の有無で乾燥度を制御する。
この実施の形態においては、2本で1200Wのハロゲンヒーターでヒーターワーク間距離50mm、φ40、芯金重量70gの定着ローラ1において、ヒーター点灯時間20秒で乾燥度27(%)を得ることができた。
次に冷却について述べる。乾燥装置内の上記ハロゲンヒーターユニット10、11を配設したステーションの下流に前述した回転チャック7をもう一組配設する。回転チャック7に固定された定着ローラ1の胴部2に向けて扇状に冷却エアを吹きつけることができるエアノズル8を、回転チャック7のローラ表面から所定の距離に配設する。
エアノズル8には工場内エアを供給し、冷却エアのブロー時間をヒーター制御手段12等の制御盤等で任意に設定、入力できるように構成する。また、エアレギュレーターで冷却エア流量も任意に設定可能である構成とする。
実験によれば、前記φ40、芯金重量70gの定着ローラ1では、ハロゲンヒーターで加熱、乾燥した直後はローラ表面が場所によっては最大100°C程度まで上昇することが判り、回転チャックの材質が、例えば上述したようなエアバルーンチャックであれば、ゴム材を保護するために、冷却は有効と言える。
例えばフッ素樹脂塗装工程が自動化されておらず、人手によって定着ローラ1を供給する方式である場合には、手で把持する時点で定着ローラ1が常温に戻っていることは、安全上最低限の条件となる。よって、該冷却エアブローを用いれば、フッ素樹脂塗装工程へ移行する前に定着ローラ1の表面温度を、塗装タクト内で常温まで戻すことが可能となる。
このように、定着ローラ1のプライマー塗装工程とフッ素樹脂塗装工程の間に、ハロゲンヒーター5を用いた乾燥工程と、エアブローを用いた冷却工程を併設することによって、塗装のタクト内で所望の乾燥度を得て、スペース効率の良い1本流しの生産ライン設計が可能となる。
また、ローラ1本内での乾燥むらがなくなり、稠密性に富んだプライマー塗料層や離型層膜を形成することができ、その結果、耐久性と膜密着強度が良い部品を供給でき、さらに、外観品質も良好なローラを量産することが可能となる。
上述のように、この実施の形態の定着ローラ1乾燥装置は、金属製芯金を有する定着ローラ1に塗装されたプライマー塗料を乾燥させて薄膜層を形成する定着ローラ1の乾燥装置であり、定着ローラ1の乾燥位置にハロゲンヒーターユニット10と定着ローラ1の表面温度を検知する温度検知手段9を設置し、塗装後の定着ローラ1を回転すると共に、温度検知手段9によって定着ローラ1の表面温度を計測しながら所定温度となるようにハロゲンヒータユニット10の輻射をヒータ制御手段12で制御する。
この定着ローラ1の乾燥装置によれば、所定の時間内で乾燥を可能にし、設置場所も極めて狭いスペースでまかなうことができ、室温の上昇も避けられ、効率の良い1本流し生産方式に貢献できる。
ハロゲンヒーターユニット10の輻射熱で定着ローラ1のプライマー塗料の塗布面を表層から加熱するので、極めて短時間でプライマー塗料が完全乾燥の状態にまで到達する。また、温度検知手段9で表層の温度をモニターしながらヒータ制御手段12でヒーターの点灯を制御するため、定着ローラ1の塗膜に乾燥むらが少なく、さらに、設置スペースを取らないため、効率の良い1本流し加工ラインを構築可能となる。
また、第2ハロゲンヒータユニット11も用いると、第1ハロゲンヒーターユニット10だけの場合に比べて乾燥時間を短縮することができる。第2ハロゲンヒーターユニット11の点灯時間を任意に設定できることで、外径や芯金肉厚、塗料付着量が違う多品種の条件設定に対応可能であり、必要最低限の消費電力でプライマー塗料を完全乾燥可能となる。特に外径が大きく芯金重量も重い機種の乾燥にも対応でき、多品種少量生産ラインにおいても容易に対応することが可能である。第2ハロゲンヒーターユニット11を可動式の構成としたことで、外径の大きい定着ローラ1でも干渉することなく移載機等により定着ローラ1の搬送が可能となる。
また、ハロゲンヒーターの加熱で高温状態になった定着ローラ1を、短時間で常温まで冷却することができ、設置スペースを取らないため生産のスペース効率を上げることができ、フッ素樹脂塗装工程でのハンドリングも安全なものとなる。
さらに、冷却エアブローの吐出時間や流量を任意に設定できることで、外径や芯金肉厚が違う多品種の条件設定に対応可能である。しかも、プライマー塗料がほぼ完全に、かつ定着ローラ1内の場所によるむらがない状態に乾燥されるため、稠密な離型層膜を形成でき、そのため、爪磨耗や円周状キズの少なく、耐久性や膜密着強度に優れ、極めて信頼性の高いものとなる。さらには、乾燥前のプライマー塗料流れによる膜厚ばらつきや外観欠陥、そしてさらに焼成中の揮発成分による表面欠陥を低減することにも貢献できる。しかも、それを生産ラインのスペース効率が良いため、低コストで提供可能となる。
図8はハロゲンヒータ点灯時間と乾燥度を示したグラフを示す。このグラフに示されるように、φ40、芯金重量70gの定着ローラ1において、所望の乾燥度27%以下を達成することができた。
この乾燥工程では、第1、第2ハロゲンヒーターユニット10、11とも、650Wと550Wのハロゲンヒーター各々1本ずつ計2本使用して1200Wとした。乾燥工程では、第2ハロゲンヒータユニット11は使用しなかった。ヒーター点灯時間は20秒であり、このときのワーク表面到達温度は82°Cだった。第1ハロゲンヒータユニット10とワークである定着ローラ1の間の距離は50mmであった。定着ローラ1のワーク回転数は毎分20回転であった。
冷却行程では、冷却エア流量(流速)は毎秒20m(20m/sec)であり、エアレギュレータ設定圧は0.30MPaであった。エアブロー時間は30秒であり、乾燥工程時間と同一とした。冷却乾燥時のワーク回転数は毎分20回転であった。また、エアノズル8と定着ローラ1の間の距離は100mmであった。
このグラフに示されるように、20秒以上ハロゲンヒーター5を点灯する場合、1200Wの電力を供給すると、800Wを供給する場合よりも、乾燥度が進む程度が高くなり、効率的であるが、30秒近くなると、乾燥度の減少度は鈍化しており、20秒乃至25秒程度が効率的である。
図1は本発明の実施の形態にかかる定着ローラの構成を示す図。 ハロゲンヒーターの構成を示す図。 第1ハロゲンヒーターユニットの配置を示す図。 定着ローラ近傍に第1ハロゲンヒーターユニットを配置した図。 定着ローラ近傍にエアノズルを配置した状態を示す図。 定着ローラ近傍に第1ハロゲンヒーターユニット、第2ハロゲンヒーターユ ニットを配置した状態を示す断面図。 定着ローラの近くに第1ハロゲンヒーターユニットと温度検知手段を配置し、ヒーター制御手段で制御するブロック図。 ハロゲンヒータ点灯時間と乾燥度を示したグラフ。
符号の説明
1 定着ローラ
2 胴部、離型層
3 ジャーナル
小判カット
5 ハロゲンヒータ
6 反射笠
7 回転チャック
8 エアノズル
9 温度検知手段
10 第1ハロゲンヒータユニット
11 第2ハロゲンヒータユニット
12 ヒータ制御手段

Claims (4)

  1. 金属製芯金を有するローラ表面に塗装されたプライマー塗料を乾燥させて薄膜層を形成するローラ乾燥装置において、
    前記ローラの乾燥位置に、前記プライマー塗料の塗装後の前記ローラを回転させながら、前記ローラに向けて光を輻射する輻射熱で前記プライマー塗料を乾燥させるハロゲンヒーターを設置すると共に、前記ローラの近傍に、前記ローラの表面温度を検知する温度検知手段を設置し、前記温度検知手段によって前記ローラ表面温度を計測しながら前記ローラ表面温度が所定温度となるように前記ハロゲンヒータの輻射を制御する制御手段を設けたことを特徴とするローラ乾燥装置。
  2. 前記請求項1記載のローラ乾燥装置において、
    前記ローラに対して所定の位置に設置される第1ハロゲンヒーターユニットと、前記ローラに対して接近・離間可能に配備され、前記ローラの胴部外径や肉厚の相違に基づいて点灯時間や点灯させるか否かを設定、制御可能とした第2ハロゲンヒーターユニットを設置したことを特徴とするローラ乾燥装置。
  3. 前記請求項1、2何れか記載のローラ乾燥装置において、
    前記ハロゲンヒーターを点灯させて加熱乾燥した後、次のステップでエアノズルから前記ローラ表面に向けてエアブローをし、前記ローラを常温近傍の温度にまで冷却させることを特徴とするローラ乾燥装置。
  4. 請求項3のローラ乾燥装置において、
    前記冷却エアブローの吐出時間と流量が、任意に設定可能であることを特徴とするローラ乾燥装置。
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