JP5696648B2 - 溶融塩電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融塩を電解質に用いた溶融塩電池の製造方法に関し、より詳しくは、室温より高い温度で溶融する溶融塩を含み、高容量密度となる溶融塩電池の製造方法に関する。
近年、太陽光や風力等の自然エネルギーを利用した発電技術の開発、及び商業化が進展してきている。しかし、自然エネルギーによる発電では、その発電量は変動し易く、また電力需要に応じた発電量の制御が難しい。従って、自然エネルギーを利用して発電した電力を供給するには、二次電池を用いた充電・放電により、供給電力を平準化することが必要となる。ここにおいて、自然エネルギーの利用を更に促進させるためには、高容量密度で高効率となる二次電池が不可欠であり、このような二次電池として、溶融塩電池が着目されている(非特許文献1)。
溶融塩電池は、リチウム二次電池(特許文献1)と同様に、セパレータを介して、正極と負極が対向した構造をとる。さらに、正極と負極は、夫々、集電体、活物質、バインダー、及び必要に応じて導電助剤により構成される。そして、通常、正極活物質には、正負極間のイオン伝導をつかさどる元素(以下、伝導元素)を含有する化合物が用いられ、負極活物質には当該元素のイオン(以下、伝導イオン)をドープし得る化合物が使用される。ここにおいて、伝導元素はリチウム二次電池ではリチウムとなるが、溶融塩電池では伝導元素にナトリウムが主に用いられる。
なお、ドープとは、二次電池の充電時等に、負極の活物質中に伝導イオンが拡散して入り込むことを意味している。負極の活物質が錫(Sn)等の場合には、ドープにより、合金相を形成する。一方、脱ドープとは、ドープとは逆に、二次電池の放電時に、負極の活物質から伝導イオンが放出されることを意味している。
他方、伝導イオンの正負極間のイオン伝導は、電池に含有される電解質を媒体として為される。電解質には、リチウム二次電池では有機電解液が使用されるのに対して(特許文献1)、溶融塩電池では溶融塩電解液が使用される。溶融塩電解液としては、NaFSA(ナトリウム・ビスフルオロスルフォニルアミド)とKFSA(カリウム・ビスフルオロスルフォニルアミド)の混合物が知られている(非特許文献1)。
有機電解液が、安全上から60℃以下程度の室温近傍での使用に限定されるのに対し、当該溶融塩電解液は、室温を超える温度(通常は80℃以上)で使用される。
特開平07−235330号公報
SEI Today April 2011
二次電池の課題として、負極活物質における不可逆容量の存在がある(特許文献1)。
即ち、二次電池の充放電サイクルでの最初のサイクルにおいて、充電時に負極活物質にドープされた伝導元素が、放電時に、負極活物質から100%脱ドープされずに、活物質の種類により数%〜10数%程度残留する現象が起きる。この残留する伝導元素の量を不可逆容量と言うが、この不可逆容量を補うために、正極活物質を余分に充填しておく必要が生じる。また実際に電池駆動に寄与できる伝導イオン量も電池に充填した活物質量に比して制限される事となり、活物質の利用効率を低下させ、ひいては二次電池全体の容量密度の引き下げる要因となる。
特に、伝導元素をナトリウムとする溶融塩電池においては、高容量の負極活物質として、難黒鉛化炭素、及び錫が適しているが、その不可逆容量は大きく、20%近い値となる。この不可逆容量の低減が、溶融塩電池の高容量密度化の課題となる。
なお、不可逆容量の値は、充電電流と充電時間との積から放電電流と放電時間との積を除した値で一般的に表される。
正極活物質の充填量を増やさずに負極の不可逆容量を補う方法として、電池動作させる前に、負極活物質へ不可逆容量分の容量をあらかじめドープ(以下、プレドープ)しておくことが知られている(特許文献1)。プレドープの手法としては、プレドープ用電極(リチウム金属やナトリウム金属)を対極として、負極へ不可逆容量分だけを充電する事がある。
ここでは、電池に組み込む前にプレドープしておく事の他、電池組み立て時に、プレドープ用電極を電池内に仕込み、プレドープ用電極と負極との間で不可逆容量分を充電する事も考えられる。
しかし、前者においては、水分を嫌うアルカリ金属で処理した電極の取り扱いが難しくなる等、製造設備に掛かる費用が高くなる。また、後者においても、電池構成が複雑となるため、高コストとなると共に、容量密度の向上は望めない。
即ち、後者の場合においては、正負極以外に、プレドープ用のナトリウム(Na)金属等のアルカリ金属からなる電極を、別途、電池容器内に設けなければならない。ここにおいて、アルカリ金属を負極と電気的に接触させることが必要となるが、通常の電池環境においては、アルカリ金属は固体であるため、負極(集電体、及びバインダを含む活物質層)に単にアルカリ金属の塊を押し付けただけでは、十分に接触できない部分もでき、目的を達成することができない。
そこで、プレドープ用の集電体を設け、その上にナトリウム等のアルカリ金属を形成する構成をとる必要があり、かつプレドープ用の集電体と負極の集電体はプレドープ時のみに電気的に接続される様にする必要があり、電池全体の構成としては極めて複雑になる。
かかる課題に鑑み、本発明は、簡便にプレドープできる溶融塩電池の製造方法に関し、溶融塩電池の容量密度を向上させる事を目的とする。
(1)本発明の溶融塩電池の製造方法は、ナトリウムイオンを含有する溶融塩を電解質とし、室温より高い温度で駆動する溶融塩電池の製造方法であって、ナトリウムのドープ、および脱ドープが可能な負極活物質の層を有する負極と、正極を、互いにセパレータを介して向き合う方向に対向させた状態で、前記電解質、及びナトリウム金属と共に、電池容器に収納した後に、前記電池容器を加熱して、前記ナトリウム金属を溶融させ、前記ナトリウム金属を溶融させた状態で前記負極の負極活物質あるいは集電体と接触させることにより、前記負極活物質に、当該負極活物質においてドープしても脱ドープされない不可逆容量に相当する容量のナトリウムを、ドープすることを特徴とするものである。
ここにおいては、一定温度以上では、溶融塩電解液の液面上に、ナトリウム金属の切れ目のない均一な液層を形成させることができる。さらに、ナトリウム金属は液体であるので、固体である負極との良好な接触が可能となる。そして、電池内部では、負極とナトリウム金属とが電極間短絡の状態となり、生じた電位差の駆動力により、ナトリウム金属のイオン化、並びに溶融塩電解液への溶出、及び負極活物質へのドープが自動的に起きる。これにより、電池組み立て後に、簡便に負極へのプレドープを行うことが可能となる。
即ち、ナトリウム金属の融点は98℃であり、その温度以上で液体となる。その密度は、固体状態で0.968g/cmであり、液体状態で0.927g/cmとなる。
一方、溶融塩は室温を超える温度で液体となる。例えば、NaFSA(56モル%)とKFSA(44モル%)の混合物は57℃以上で液体となり、190℃まで熱的、化学的に安定である。また、その密度は1.4g/cm以上ある。
従って、これらを98℃以上の温度に加熱することにより、溶融塩電解液の表面に液状のナトリウム金属が浮かぶこととなる。さらに、当該溶融塩はナトリウムイオンを含むため、ナトリウム金属とは濡れ性が良い。このため、液状のナトリウム金属は溶融塩電解液上では薄い切れ目のない液層となり、一種の電極層を自動的に形成する。
また、ここでは、実際のプレドープの容量は、負極活物質における不可逆容量に対して、一定の範囲内に入っていれば良い。この範囲は、当該不可逆容量を基準にして、通常は0〜−25%以内であれば良く、好ましくは0〜−10%以内であれば良い。
0%を超えると、実際の充放電容量を侵食し、0%未満のマイナス値となり、不可逆容量より少なくなると、不可逆容量を補償する効果が薄れる。少なくとも−25%以上とすることにより、実質的な補償効果は保持することができる。
加えて、正極と負極の間にはセパレータが存在しており、ナトリウム金属と正極との接触を防ぐことができる。即ち、ナトリウム金属と正極とは接触しないことが好ましく、この接触により正極にナトリウム金属が析出する可能性がある。そして、析出したナトリウム金属が正極活物質と反応して、正極活物質の特性を劣化させる恐れがある。
(2)さらに、本発明の溶融塩電池の製造方法にあっては、前記セパレータを一方に開口を有する矩形の袋体として、前記負極、及び前記不可逆容量に相当する容量となる質量のナトリウム金属を、同じ前記袋体(以下、セパレータ袋体)に収納することができる。
これにより、ナトリウム金属と負極のみとの接触を、より確実なものとすることができる。ここで、セパレータは多孔質ポリマーであるが、ナトリウム金属との濡れ性の関係で、一定の材質、及び孔径のセパレータではナトリウム金属は透過しない。このため、正極との接触を確実に回避でき、正負極間の短絡を防止できる。
また、セパレータの形状を矩形として、その一方にのみに開口部を設けることで、ナトリウム金属のセパレータからの流出を防止することができる。
(3)本発明の溶融塩電池の製造方法にあっては、前記セパレータを一方に開口を有する袋体として、前記正極を前記袋体に収納し、前記不可逆容量に相当する容量となる質量のナトリウム金属を、前記袋体の外の前記電池容器内に収納することができる。
また、また、セパレータの形状を矩形として、その一方にのみに開口部を設けることで、ナトリウム金属のセパレータへの流入を防止することができる。
これにより、ナトリウム金属と負極のみとの接触を、より確実なものとすることができと共に、正極との接触を確実に回避でき、正負極間の短絡を防止できることとなる。
そして、この状態で、ナトリウム金属は負極と電気的に接続され、両者間に電位差が生じる。そして、ナトリウム金属のイオン化が起き、負極活物質へのナトリウムのプレドープが自動的に為される。
負極活物質は不可逆容量分のナトリウムを含むこととなるので、充放電サイクルの初期における充放電効率低下の問題は解決される。また、従来は、負極の不可逆容量分だけを余分に正極活物質量を多くしておく必要があり、電池容量、コストの問題もあったが、解消される。
溶融塩電池を組み立て後に、特段の部品の改造を必要とせず、簡便に負極へプレドープすることが可能となる。
溶融塩電池における発電要素の基本構造を示す略図である。 溶融塩電池の積層電極の収納状態を簡略に示す斜視図である。 図2についての、負極をセパレータ袋体に入れた場合のA−A面での横断面図である。 図2についての、負極をセパレータ袋体に入れた場合のB−B面での横断面図である。 本発明に係る溶融塩電池の製造工程の概要を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る溶融塩電池の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、溶融塩電池における発電要素の基本構造を示す略図である。図1において、発電要素は、正極1、負極2及びそれらの間に介在するセパレータ3を備えている。正極1は、正極集電体1aと、正極材1bとによって構成されている。負極2は、負極集電体2aと、負極材2bとによって構成されている。さらに併せて、ナトリウム金属8の液層が、セパレータ3の負極側内に形成されている様子を示しているが、ナトリウム金属8は、溶融塩電解液中にあってもよく、また負極表面に付着する場合もある。
正極集電体1aの素材は、例えば、アルミニウム多孔体(孔径200μm、気孔率95%)である。正極材1bは、正極活物質としての例えばNaCrOと、アセチレンブラック(導電助剤)と、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)と、N−メチル−2−ピロリドンとを、質量比85:10:5:50の割合で混練したものである。そして、このように混練したものを、アルミニウム不織布の正極集電体1aに充填し、乾燥後に、100MPaにてプレスして形成される。
一方、負極2においては、アルミニウム製の負極集電体2a上に、負極材1aの負極活物質としての例えば錫がメッキにより形成される。
また、負極材1aは、負極活物質としての難黒鉛化炭素と、PVDFと、N−メチル−2−ピロリドンとを、質量比90:10:50の割合で混練したものである。そして、このように混練したものを、アルミニウム製の負極集電体2aに塗布し、乾燥後に、100MPaにてプレスして形成される。負極集電体2aとしては、箔状のものであっても良く、また多孔体であっても良い。
正極1及び負極2の間に介在するセパレータ3には、多孔質ポリマーが使用される。ポリマーの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミドなどが挙げられる。また、ポリエチレンやポリプロピレンでは、耐熱性を向上させた架橋材とすることもできる。
多孔質ポリマーの孔径は、数10ナノメートル(nm)から数ミクロンメートル(μm)のものが使用され、多孔質ポリマーの気孔率は60%から80%程度である。孔径がこれ以上大きくなると、溶融したナトリウム金属が透過する可能性が出てくる。また、孔径が小さくなると、多孔質ポリマーの機械的強度の問題で、電池用には適さなくなる。気孔率も80%を超えると、機械的強度の問題が出てくる。他方、60%未満となると、電解質も含有量が減少し、イオン伝導特性の低下をまねき、電池特性上好ましくない。
そして、溶融塩からなる電解質4に発電要素が浸漬されている。
この溶融塩は、例えば、NaFSA(ナトリウム ビスフルオロスルフォニルアミド)56モル%と、KFSA(カリウム ビスフルオロスルフォニルアミド)44モル%との混合物であり、融点は57℃である。融点以上の温度では、溶融塩は溶融し、高濃度のイオンが溶解した溶融塩電解液となって、正極1及び負極2に触れている。
なお、上述した各部の材質・成分や数値は好適な一例であるが、これらに限定されるものではない。
例えば、溶融塩としては、上記の他、LiFSA−KFSA−CsFSAの混合物も好適である。また、他の塩を混合する場合もあり(有機カチオン等)、一般には、溶融塩は、(a)NaFSA、又は、LiFSAを含む混合物、(b)NaTFSA(ナトリウム ビストリフルオロメチルスルフォニルアミド)、又は、LiTFSA(リチウム ビストリフルオロメチルスルフォニルアミド)を含む混合物、が適する。これらの場合、各混合物の溶融塩は、比較的低融点となるので、少ない加熱で溶融塩電池を作動させることができる。
さらに、図1では、ナトリウム金属5の液層が電解質4の液面上に形成され、負極集電体2aと接触している概要を示している。この状態で、ナトリウム金属は負極と電気的に接続され、両者間に電位差が生じる。そして、ナトリウム金属のイオン化が起き、負極活物質へのナトリウムのプレドープが自動的に為される。
次に、より具体的な溶融塩電池の発電要素の構成について説明する。図2は、溶融塩電池の積層電極の収納状態を簡略に示す斜視図である。図3は、図2についての、負極をセパレータ袋体3に入れた場合のA−A面での横断面図である。
図2及び図3において、複数(図示しているのは5個)の矩形平板状の正極1と、セパレータ3の袋体に各々収容された複数(図示しているのは6個)の矩形平板状の負極2とが、互いに対向して積層方向に重ね合わせられ、積層構造を成している。これらの積層された電極等は、押さえ板6を介して、バネ5により電池容器7の壁面に押さえつけられる。
さらに、負極2、および正極1は、夫々、導電接続部21、11に接続され、電池容器7の外部の接続へ導出されるストラップ22、12につながる。
溶融塩電池の電池容器7は、例えばアルミニウム合金製で直方体状であり、電池としての物理的な一個体を成す。なお、図2においては、電池容器7は簡略して線で表しているが、実態は厚みのある構造体である。
セパレータ3は、隣り合う正極1と負極2との間に介在しており、言い換えれば、セパレータ3を介して、正極1及び負極2が交互に積層されていることになる。実際に積層する数は、例えば、正極1が20個、負極2が21個、セパレータ3は袋体としては21袋であるが、正極1・負極2間に介在する個数としては40個である。なお、セパレータ3は、袋状に限定されず、分離した40個であってもよい。
図4は、図2についての、負極2をセパレータ3の袋体に入れた場合のB−B面での横断面図である。図4では、セパレータ3が袋体であり、負極2を覆っている場合を示している。
また、図3においては、ナトリウム金属5の液層が溶融塩4上に形成されている状態を模式的に示している。図3では、負極の導電接続部21の近傍であって、セパレータ3の内側の溶融塩4の液面上に、ナトリウム金属8の液層が形成されている。
図3及び図4では、セパレータ袋体3に負極2を挿入した場合について説明している。この場合には、ナトリウム金属8はセパレータ袋体3の中に収納される。また、セパレータ袋体3には正極1を入れても良い。その場合には、ナトリウム金属8はセパレータ袋体8の外の負極側に置かれる。
なお、図1〜図4では、セパレータ3と負極2とが互いに離れているように描いているが、溶融塩電池の完成時には互いに密着する。正極1も、当然に、セパレータ3に密着しているが、セパレータの正極あるいは負極との密着部から離れた上部においては、隙間のある状態になっており、液体状のナトリウム金属を溜めることが可能となっている。
また、正極1の縦方向及び横方向それぞれの寸法は、デンドライトの発生を防止するために、負極2の縦方向及び横方向の寸法より小さくしてあり、正極1の外縁が、セパレータ3を介して負極2の周縁部に対向するようになっている。
上記のように構成された溶融塩電池は、外部の加熱手段を用いて溶融塩の融点以上になるように加熱される。ナトリウム8の負極2へのプレドープ時には、ナトリウム金属の融点以上の温度で加熱されるが、電池駆動時には、安定的な溶融状態とするため、全体が85℃〜95℃になるように加熱される。これにより、溶融塩が融解して、充電及び放電が可能な状態となる。
また、この素電池としての溶融塩電池を集めて組電池を構成することができる。例えば、素電池としての溶融塩電池を複数個、互いに直列又は並列に接続して成る組電池は、所望の電圧・電流の定格で使用することができる。
図5は、本発明に係る溶融塩電池の製造工程の概要を示す図である。この図にもとづき、製造の順序に従って、当該製造方法につき説明する。
まず、所定の形状の正極1、負極2、及びセパレータ3を準備する。そして、所定の枚数にてこれらを積層する。セパレータ3に一方向に開口を有する矩形の袋体を使用することができる。その場合には、セパレータ3の中に、正極1あるいは負極2を挿入し、当該開口部を上にして、これらを積層する。
ナトリウム金属8は、セパレータ袋体3に正極1あるいは負極2を挿入する段階に、個々に一緒に投入しても良い。また、積層したこれら電極類を電池容器7に収納した後に、ナトリウム金属8を個々に、負極2と接触する様に、セパレータ袋体3内に投入しても良い。
投入するナトリウム金属8の質量は、前もって、簡易的なセル(コイン型セル等)により決定する。即ち、同一ロットの正極及び負極にて、コイン型セルを組み立て、充放電サイクル試験を実施する。その最初のサイクルにおける不可逆容量を計測して、投入すべきナトリウム金属8の質量を決定する。
次に、溶融塩の電解質を準備し、溶融用容器内にて100℃〜110℃に加熱する。溶融した溶融塩を、積層電極が収納された電池容器7内に注ぎ込む。
続けて、電池容器7のふたを施して、電池を密閉する。密閉後、電池容器7に外部ヒータを設け、電池容器7全体をナトリウム金属8の溶融温度の98℃以上に加熱し、数10分程度保持し、負極へのプレドープを行う。
当該プレドープを行うことにより、従来、充放電サイクルにおける初回のサイクルの充放電効率(放電容量/充電容量)が80%程度であったものが、95%〜100%まで引き上げることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
情報通信基地局、オフィスビル、病院などや、太陽光や風力などの自然エネルギー利用のための電源、及び自動車用などに用いられる比較的大型の溶融塩二次電池に用いると、高エネルギー密度・高効率で大容量である。
1 正極
11 導電接続部
12 ストラップ
2 負極
21 導電接続部
22 ストラップ
3 セパレータ(袋体)
4 溶融塩
5 バネ
6 押さえ板
7 電池容器
8 ナトリウム金属

Claims (3)

  1. ナトリウムイオンを含有する溶融塩を電解質とし、室温より高い温度で駆動する溶融塩電池の製造方法であって、
    ナトリウムのドープ、および脱ドープが可能な負極活物質を含む層、および集電体を有する負極と、
    正極を、
    互いにセパレータを介して向き合う方向に対向させた状態で、
    前記電解質、及びナトリウム金属の固体片と共に、電池容器に収納した後に、
    前記電池容器を加熱して、前記ナトリウム金属を溶融させ、
    溶融した前記ナトリウム金属を、前記負極の負極活物質あるいは集電体と接触させることにより、
    前記負極活物質に、当該負極活物質においてドープしても脱ドープされない不可逆容量に相当する容量のナトリウムを、ドープすること
    を特徴とする溶融塩電池の製造方法。
  2. 前記セパレータを一方に開口を有する矩形の袋体として、前記負極、及び前記不可逆容量に相当する容量となる質量のナトリウム金属を、同じ前記袋体に収納すること
    を特徴とする請求項1に記載の溶融塩電池の製造方法。
  3. 前記セパレータを一方に開口を有する矩形の袋体として、前記正極を前記袋体に収納し、
    前記不可逆容量に相当する容量となる質量のナトリウム金属を、前記袋体の外の、前記電池容器内に収納すること
    を特徴とする請求項1に記載の溶融塩電池の製造方法。
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