JP5696350B2 - ガラス成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスプリフォームを加熱成形してなるガラス成形体の製造方法に関する。詳細には、ガラスプリフォームを加熱成形することによって作製されるレンズなどの光学ガラス部品として好適なガラス成形体の製造方法に関する。
各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラやデジタルカメラの撮影用レンズ、光インターコネクトに使用されるマイクロレンズアレイといった光学ガラス部品として、非球面形状などの特殊形状を有するものが多く使用されている。これらレンズは、例えばガラスプリフォームをプレス成形することにより作製される。一般に、プレス成形型の材質としては超硬金属が使用されるが、超硬金属は酸化により劣化しやすいため、通常、真空または窒素などの非酸化性気体の雰囲気下で使用される。
ところで、近年、光学ガラス部品の材料として、より高屈折率なガラスが使用されるようになってきている。高屈折率ガラスを用いることにより、集光効率を向上させることができ、レンズを含む光学系の小型化が可能となる。このようなガラスは、高屈折率特性を達成するために、ランタンなどの遷移金属元素を多く含有する傾向にある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−362938号公報
高屈折率のガラスプリフォームを真空または非酸化性気体雰囲気下で加熱成形すると、ガラス中の遷移金属元素の配位数や価数変化などの構造変化が起きて、得られる光学ガラス部品が着色してしまうという問題がある。光学ガラス部品が着色すると、デジタルカメラ等の撮像用レンズとしての使用に支障をきたすのは当然のことながら、透過率が低下するため、光インターコネクト用途においても光損失の原因となるおそれがある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、着色が低減された、あるいは着色がないガラス成形体を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、真空または非酸化性気体雰囲気下でガラスプリフォームを加熱成形するガラス成形体の製造方法において、加熱成形後のガラス成形体に対して特定の処理を施すことにより前記課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明は、窒素雰囲気下で、Laを7質量%以上、ZnOを10質量%以上、Ta4.0質量%以上含有するガラスプリフォームを加熱成形する工程を含むガラス成形体の製造方法であって、加熱成形後のガラス成形体を酸化性気体雰囲気下で加熱処理することを特徴とするガラス成形体の製造方法に関する。
既述のように、ガラスの高屈折率化を達成するために、ガラスプリフォーム中に遷移金属元素を多く含有させると、真空または非酸化性気体雰囲気下で加熱成形した際に、ガラス中の遷移金属元素の配位数や価数変化などの構造変化が起きて、得られるガラス成形体が着色してしまう。この着色は、主にガラス成形体の表層で生じる。本発明によると、加熱成形後のガラス成形体に対して酸化性雰囲気下で加熱処理を施すことにより、着色が低減し、透過率特性に優れたガラス成形体を製造することが可能となる。したがって、デジタルカメラ等の撮像用レンズや光インターコネクトの光接続部品の用途に好適な光部品を、高精度かつ高い透過特性を維持した状態で作製することができる。
なお、ガラスプリフォームが加熱成形により着色するメカニズム、および加熱成形後のガラス成形体を酸化性雰囲気下で加熱処理することにより着色が低減する(または着色がなくなる)メカニズムについては、詳細には解明されておらず、現在調査中である。
第二に、本発明のガラス成形体の製造方法において、ガラス成形体の加熱処理を、当該ガラス成形体の歪点および軟化点の間のいずれかの温度で行うことが好ましい。
ガラス成形体の加熱処理を、当該ガラス成形体を構成するガラスの歪点以上で行えば、着色を十分に低減できると同時に、ガラスの歪を取り除くことができ、後切断や研削を行う際の割れ等の破損を防止することができる。また着色の低減と徐冷とを同時に行うことになるため、工程数を減らすことができる。一方、加熱処理を軟化点以下で行うことにより、ガラス成形体の熱変形を抑制し、金型による精密形状を維持することが可能となる。
第三に、本発明のガラス成形体の製造方法において、酸化性気体が空気または酸素であることが好ましい。
に、本発明におけるガラス成形体は、屈折率ndが1.65以上であることが好ましい。
に、本発明におけるガラス成形体は、波長380〜1600nmにおける透過率が70%以上であることが好ましい。
本発明におけるガラス成形体は、このように可視域〜赤外域の透過率が高いため、光の散乱や吸収によるロスが少なく集光効率が良好である。したがって、各種光ディスクシステム、デジタルカメラ等のレンズや光インターコネクトの光接続部品等の用途に好適である。
なお、本発明においてガラス成形体の透過率は、反射を含まない分光透過率であり、ガラス成形体に光線を入射した際の入射光に対する透過光の割合をいう。
第六に、本発明におけるガラス成形体は、質量%で、B 1〜45%、La 7〜55%、ZnO 10〜50%、Gd 0〜35%、SiO 0〜30%、LiO 0〜10%、Ta 4.0〜40%、ZrO 0〜15%、WO 0〜25%、Nb 0〜25%の組成を含有することが好ましい。
第十一に、本発明は、ガラスプリフォームを加熱成形してなるガラス成形体であって、波長380〜1600nmにおける透過率が95%以上であることを特徴とするガラス成形体に関する。
本発明において、ガラスプリフォームの加熱成形は真空または非酸化性気体雰囲気下で行われる。非酸化性気体としては、例えば水素等の還元性ガス、あるいは窒素、アルゴン等の不活性ガスが挙げられる。なかでも、取扱いが比較的容易であり、かつ安価であることから窒素を用いることが好ましい。
非酸化性雰囲気において、雰囲気中の酸素分圧は10Pa以下、好ましくは5Pa以下、より好ましくは1Pa以下、さらに好ましくは0.6Pa以下である。雰囲気中の酸素分圧が10Paを超えると、成形に用いる金型が酸化され劣化しやすく、継続してガラス成形体を製造することが困難となる傾向がある。
ガラスプリフォームの加熱成形は、所望の形状を得るために、金型を用いて適切な圧力をかける(プレス成形)ことが好ましい。加熱成形の温度は、一般に、ガラスプリフォームの軟化点付近の温度で行われる。加熱成形により得られたガラス成形体は、必要に応じて加熱装置より取り出せる温度まで冷却される。
なお、ガラスプリフォームの製造方法は特に限定されず、例えば次のような方法により作製することができる。まず、後述するような所望の組成を有するように調合したガラス原料を溶融し、溶融ガラスとする。次に、溶融ガラスをインゴット状に成形して硝材を作製し、さらに、得られた硝材を切断、研磨して所望の形状のガラスプリフォームを作製する。あるいは、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して一旦液滴状ガラスを作製し、当該液滴状ガラスを冷却しながら略球形に成形することによりプリフォームガラスを作製してもよい。
次に、ガラス成形体に対して加熱処理が施される。当該加熱処理は、酸化性気体雰囲気で行われる。酸化性気体としては、例えば酸素や空気などが挙げられる。酸化性気体として空気を用いれば、ボンベ等での気体の購入が不要なため、低コストでガラス成形体を製造可能となる。酸化性気体における酸素の含有割合は、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上である。
加熱処理温度は、ガラス成形体の歪点から軟化点の間のいずれかの温度で行われ、特にガラス転移点Tg付近で行うことが好ましい。加熱処理温度がガラス成形体の歪点より低いと、着色低減の効果が十分に得られにくい。また、加熱処理後のガラス成形体に歪が残ってしまうため、後加工の際に割れ等の問題が発生しやすい。一方、加熱処理温度がガラス成形体の軟化点より高いと、着色低減の効果は得られるものの、ガラス成形体が熱変形して金型による精密形状を維持することが困難となる。
加熱処理の時間は特に限定されず、例えば1分〜10時間、さらには10分〜5時間、特に30分〜2時間の範囲で適宜選択すればよい。
加熱処理後、室温まで徐冷して歪を十分に取り除き、所望のガラス成形体を得る。
本発明のガラス成形体は、屈折率ndが1.65以上、好ましくは1.70以上、より好ましくは1.75以上、より好ましくは1.80以上、より好ましくは1.85以上、さらに好ましくは1.90以上である。光学ガラスの屈折率ndが1.65未満であると、所望の集光効率が得られにくく、焦点距離が長くなる傾向があるため、レンズを含む光学系の小型化が困難になる。
本発明のガラス成形体の組成系は特に限定されないが、前記屈折率ndを満たすものであることが好ましい。特に、La、Gd、Ta、ZrO、WO、Nb等の遷移金属元素を含む成分を含有することが好ましい。このような組成系として、例えば、B−ZnO−La系ガラス、TeO−B−WO−La系ガラスなどがあげられる。なかでも、B−ZnO−La系ガラスを用いることにより、高屈折率であり、かつ高温多湿環境下での耐久性が高く、長期信頼性の高いガラス成形体の提供が可能となる。なお、本発明において「〜系ガラス」とは、該当する成分を必須成分として含有するガラスをいう。
−ZnO−La系ガラスとしては、質量%で、B 1〜45%、La 1〜55%、ZnO 1〜50%、Gd 0〜35%、SiO 0〜30%、LiO 0〜10%、Ta 0〜40%、ZrO 0〜15%、WO 0〜25%、Nb 0〜25%の組成を含有するものが好ましい。各成分の含有量をこのように限定した理由を以下に示す。
はガラスの骨格成分であり、耐失透性を向上させる効果がある。また、ガラスの軟化点を低下させることができる。さらに、Bはガラスの塩基性度を低下させる作用もあり、モールドプレス成形におけるガラスと金型の融着防止にも効果がある。Bの含有量は1〜45%、好ましくは5〜45%、より好ましくは8〜29%、さらに好ましくは10〜24%、特に好ましくは12〜21%である。Bの含有量が45%を超えると、ガラスの化学的耐久性が低下し、耐候性が著しく悪化する傾向がある。一方、Bの含有量が1%より少ないと、ガラスの耐失透性が低下し、安定してガラスを得ることが困難となる傾向がある。
Laはガラスの十分な作業温度範囲を確保するための成分であり、また屈折率を高める効果がある。さらに、ガラスの軟化点の上昇を抑え、また耐候性を向上させる効果もある。ただし、高屈折率を得るために多量に添加すると、失透しやすくなる傾向がある。Laの含有量は1〜55%、好ましくは5〜40%、より好ましくは5〜25%、さらに好ましくは7〜24.5%、特に好ましくは9〜24.2%である。Laの含有量が55%を超えると失透しやすくなり、液相温度が上昇するため、作業性が大幅に低下する傾向がある。一方、Laの含有量が1%より少ないと、屈折率が低下し、また耐候性が悪化する傾向がある。
ZnOはガラスの屈折率および化学的耐久性を高め、かつ軟化点を低下させることができる成分である。また、BとLaを多量に含むガラスは失透しやすいが、ZnOは当該失透を抑制する効果がある。ZnOの含有量は1〜50%、好ましくは10〜45%、より好ましくは15.5〜30%、さらに好ましくは16〜21%、特に好ましくは16〜20%である。ZnOの含有量が50%を超えるとガラスの分相傾向が強くなり、均質なガラスが得られにくくなる。一方、ZnOの含有量が1%より少ないとガラスの屈折率が低下し、また失透抑制効果が得られず、液相温度が上昇し作業温度範囲を十分に確保できなくなる傾向がある。
Gdはガラスの屈折率を高める成分である。Gdを含有することにより、Laの含有量を低減することができることから、結果として耐失透性の向上に効果がある。また、Gdは耐失透性を向上させる効果があり、作業温度範囲を拡大することができる成分である。ただし、Gdを多量に含有するとガラスの分相傾向が強くなり、均質なガラスが得られにくくなる。このような観点から、Gdの含有量は0〜35%、好ましくは0〜25%、より好ましくは0.5〜24%、さらに好ましくは1〜15%、特に好ましくは2〜10%、最も好ましくは3〜9.5%である。
SiOはガラスの骨格を構成する成分であり、耐失透性を向上させ、作業範囲を広げる効果がある。また、ガラスの耐候性を向上させる効果もある。SiOの含有量は0〜30%、好ましくは0〜20%、より好ましくは1〜15%、さらに好ましくは2〜10%である。SiOの含有量が30%を超えるとガラスの屈折率が著しく低下したり、ガラス転移点Tgが650℃を超えモールドプレスが困難になる可能性がある。
LiOはガラスの軟化点を低下させるための成分である。LiOの含有量は0〜10%、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは0.5〜4%である。LiOの含有量が10%を超えると、ガラスの液相温度が著しく上昇して作業温度範囲が狭くなり、量産性に悪影響を与える傾向がある。また、ガラスの耐候性が著しく悪化する傾向がある。
Taはガラスの屈折率、化学的耐久性および耐失透性を高める効果がある。Taの含有量は0〜40%、好ましくは0〜20%、より好ましくは0.5〜15%、さらに好ましくは1〜10%である。Taの含有量が40%を超えると、逆に失透しやすくなり、またコストが高くなる傾向がある。
ZrOはガラスの屈折率を高める成分である。また、中間酸化物としてガラスを形成するため、耐失透性と化学的耐久性を向上させる効果もある。ただし、ZrOの含有量が多すぎるとガラスの軟化点が上昇し、モールドプレス成形性が悪化する傾向がある。このような観点から、ZrOの含有量は0〜15%、好ましくは0.5〜10%、より好ましくは1〜8%である。
WOはガラスの屈折率を高める効果がある。また、中間酸化物としてガラスを形成するため、耐失透性を向上させる効果もある。WOの含有量は0〜25%、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0.5〜4%、特に好ましくは1〜3.5%である。WOの含有量が25%を超えるとガラスが着色して透過率が低下してしまい、所望の光学特性を得ることが困難となる。
Nbはガラスの屈折率を高める成分である。Nbの含有量は0〜25%、好ましくは0〜15%、より好ましくは0.5〜10%、さらに好ましくは1〜8%である。Nbの含有量が25%を超えるとガラスの可視光透過率が低下してしまい、所望の光学特性を得ることが困難となる。
また、上記成分以外にも種々の成分、例えばYやSb等を添加することが可能である。
はアッベ数を低下することなく屈折率を高める成分であり、Laとの置換により耐失透性を改善することができる。Yの含有量は0〜15%、好ましくは1〜10%、より好ましくは2〜8%である。Yの含有量が15%を超えると失透しやすくなり、作業温度範囲が狭くなる傾向がある。
Sbは清澄剤としての添加される成分である。Sbの含有量は0〜1%、好ましくは0.1〜0.5%である。Sbの含有量が1%を超えると、ガラスが着色し透過率が低下する傾向がある。
なお、B−ZnO−La系ガラスのより好ましい組成範囲としては、質量%で、B 5〜45%、La 5〜25%、ZnO 10〜45%、Gd 0〜25%、SiO 0〜20%、LiO 0〜10%、Ta 0〜20%、ZrO 0〜15%、WO 0〜5%、Nb 0〜15%を含有するものが挙げられる。
TeO−B−WO−La系ガラスとしては、B 0.1〜45%、La 5〜55%、ZnO 0〜15%、TeO 0.1〜40%、WO 0.1〜45%、SiO 0〜20%、ZrO 0〜15%の組成を含有するものが挙げられる。各成分の含有量をこのように限定した理由を以下に示す。
はガラスを安定化させる成分である。Bの含有量は0.1〜45%、好ましくは4〜45%である。Bの含有量が0.1%未満であると、前記効果が得られにくい。一方、Bの含有量が45%を超えると、ガラスの屈折率が低下しやすくなる。
Laはガラスの骨格を形成する成分であり、屈折率を向上させる成分である。Laの含有量は5〜55%、好ましくは10〜50%、より好ましくは15〜40%である。Laの含有量が5%未満であると、十分な屈折率が得られない傾向がある。一方、Laの含有量が55%を超えると、ガラスが不安定になる傾向がある。
ZnOはガラスを熱的に安定化させる成分である。ZnOの含有量は0〜15%、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは1〜5%である。ZnOの含有量が15%を超えるとガラス化を顕著に妨げる傾向がある。
TeOは高屈折率のガラスを得るのに有効な成分であり、またガラス転移点Tgを下げる成分でもある。TeOの含有量は0.1〜40%、好ましくは1〜35%、より好ましくは5〜30%、より好ましくは10〜25%である。TeOの含有量が0.1%未満であると、前記効果が得られにくい。一方、TeOの含有量が40%を超えると、モールドプレス成形時の金型劣化が激しくなる傾向がある。
WOは屈折率を高めるとともに、ガラスを安定化させる成分である。WOの含有量は0.1〜45%、好ましくは1〜40%、より好ましくは5〜40%である。WOの含有量が0.1%未満であると、前記効果が得られにくい。一方、WOの含有量が45%を超えると、ガラスが熱的に不安定になる傾向がある。
SiOはガラスを安定化させる成分である。SiOの含有量は0〜20%、好ましくは0.1〜10%である。SiOの含有量が20%を超えると、ガラスが熱的に不安定になる傾向がある。
ZrOはガラスの屈折率を高める成分である。ZrOの含有量は0〜15%、好ましくは0.1〜10%である。ZrOの含有量が15%を超えると、ガラス化を顕著に妨げる傾向がある。
また、上記成分に加えて、Nb、TiO、Al、Ta、SrO、CaO、BaO、LiO、NaO、KO、GeO、P等を添加することができる。具体的には、これらの成分を合量で0〜30%、好ましくは1〜20%の範囲で含有することができる。
本発明のガラス成形体のガラス転移点Tgは、モールドプレス成形が容易に行える点で、好ましくは650℃以下、より好ましくは640℃以下、さらに好ましくは630℃以下である。
本発明のガラス成形体の波長380〜1600nmにおける透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上である。波長380〜1600nmにおける透過率70%未満であると、光の散乱や吸収によるロスが大きくなり、例えばレンズとして用いた場合に集光効率に劣る傾向がある。
また、本発明のガラス成形体をフォトダイオード等の光検出器に紫外線硬化樹脂を用いて接着する場合、ガラス成形体を介して紫外光が紫外線硬化樹脂に照射される。したがって、ガラス成形体の紫外域の透過率が高いほど、紫外線硬化樹脂への光照射量が多くなり硬化しやすくなるため好ましい。具体的には、本発明のガラス成形体は、波長330〜380nmにおける透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上である。
本発明のガラス成形体をプレス成形により作製した場合、ガラス成形体表面に線状突起部が形成される場合がある。これは、金型表面における研磨傷等がガラス成形体表面に転写されてできたものであると考えられる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例(No.4〜7)及び参考例(No.13、8、9))
表1および2の各ガラス組成になるようにガラス原料を調合し、白金ルツボを用いて溶融を行った。なお、No.1〜7については1300℃で2時間、No.8、9については1080℃で2時間溶融した。溶融後、融液をインゴット状に成形し、アニールを行った。
インゴットを所望の寸法に切断および研磨を行いプレス用のガラスプリフォームを作製した。ガラスプリフォームをプレス装置の金型内に充填し、真空雰囲気にてガラスの軟化点付近まで加熱し、レンズ形状が形成されるまで圧力を印加しプレス成形を行った。プレス成形後、プレス装置内で室温まで徐冷し、レンズ(ガラス成形体)を得た。プレス成形後のレンズは表面が灰色に着色していた。
作製されたレンズを金型より取り出し、電気炉に入れ、大気(空気)雰囲気中にてガラス転移点Tg付近で1時間保持して加熱処理を行った後、1℃/minで室温まで降温した。加熱処理後のレンズは無色であった。
プレス成形後および加熱処理後のレンズの800nmにおける透過率を表1および2に示す。
なお、各実施例および参考例について、プレス成形を窒素雰囲気で行った場合でも、真空雰囲気の場合と同様に灰色の着色が見られ、プレス後に大気雰囲気中にて加熱処理を行うことで無色のガラスとなった。

Claims (6)

  1. 窒素雰囲気下で、Laを7質量%以上、ZnOを10質量%以上、Ta4.0質量%以上含有するガラスプリフォームを加熱成形する工程を含むガラス成形体の製造方法であって、加熱成形後のガラス成形体を酸化性気体雰囲気下で加熱処理することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  2. ガラス成形体の加熱処理を、当該ガラス成形体の歪点および軟化点の間のいずれかの温度で行うことを特徴とする請求項1に記載のガラス成形体の製造方法。
  3. 酸化性気体が空気または酸素であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス成形体の製造方法。
  4. ガラス成形体の屈折率ndが1.65以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  5. ガラス成形体の波長380〜1600nmにおける透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
  6. ガラス成形体が、質量%で、B 1〜45%、La 7〜55%、ZnO 10〜50%、Gd 0〜35%、SiO 0〜30%、LiO 0〜10%、Ta 4.0〜40%、ZrO 0〜15%、WO 0〜25%、Nb 0〜25%の組成を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラス成形体の製造方法。
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