JP4846362B2 - ガラス光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
特に本発明は、高精度を要求される用途に適応したガラス光学素子を、高温硝材からであっても、所定の屈折率を有するように、かつ高い生産効率で製造できる方法を提供することを目的とする。
[1]加熱により軟化した、Tgが580℃以上であり、かつ屈折率ndが1.7以上であるガラス素材を成形型を用いて加圧成形し、冷却することを含むプレス成形工程の後、成形型から取り出した成形体に、再加熱と再冷却を施すアニールを行い、前記再加熱温度は(Tg−60℃)〜(Tg−20℃)の範囲とし、屈折率n3を有するガラス光学素子を得るガラス光学素子の製造方法において、
第一組成のガラス素材を用いて前記プレス成形工程及びアニールを経て得られるガラス光学素子の屈折率をn2とし、
前記一組成のガラス素材を規定条件下で処理したときの基準屈折率をn1とするとき、
屈折率n1と屈折率n2の差分に相当する量を、屈折率n3に加えた値の屈折率n4を、前記規定条件下で処理したときに有する、第二組成のガラス素材を用いて、プレス成形工程及びアニールによってガラス光学素子を得、かつ該プレス成形工程は前記第二組成のガラス素材が有する熱履歴を実質的に解消する条件で行うこと、及び、前記アニールは前記第一組成のガラス素材に対するものと同じ条件で行うことを特徴とする、前記製造方法。
[2]第二組成のガラス素材は、第一組成のガラス成分の少なくとも一種の含有量を減少、又は増加させることによって得られたガラスからなることを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[3]前記屈折率n1と屈折率n2の差分は、100×10-5以下であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記屈折率n3が、前記屈折率n1に等しいことを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記第二組成のガラス素材は、溶融状態のガラスを滴下、又は流下しつつ分離し、所定の形状に予備成形されたものであることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]前記第二組成のガラス素材は、前記予備成形の過程で、少なくとも軟化点から歪点−50℃の温度の範囲で、300℃〜1500℃/分の冷却速度で冷却されたものであることを特徴とする、[5]に記載の製造方法。
[7]前記第二組成のガラス素材の、前記プレス成形工程に供する前の屈折率は、同一組成のガラス素材の屈折率n4に対して、300×10-5以上低いことを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記ガラス光学素子は、光学有効径内全域における光軸方向の歪が、複屈折で0.01nm〜40nmの範囲であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
第一組成のガラス素材を用いて前記プレス成形工程及びアニールを経て得られるガラス光学素子の屈折率をn2とし、
前記第一所定組成のガラスを規定条件下で処理したときの基準屈折率をn1とするとき、
屈折率n1と屈折率n2の差分に相当する量を、屈折率n3に加えた値の屈折率n4を、前記規定条件下で処理したときに有する、第二組成のガラス素材を用いて、プレス成形工程及びアニールによってガラス光学素子を得、かつ該アニールは前記第一組成のガラス素材に対するものと同じ条件で行うことを特徴とする、前記製造方法である。
屈折率n1は、所定組成(第一組成という)を有するガラスを規定条件下で処理したときの屈折率である。本発明においては、規定条件下で処理して得られたガラスの屈折率を基準屈折率と称する。
本発明に適用できるガラス素材は、光学ガラスを所定の体積、形状に予備成形して得たものであることができ、その製法には限定されない。
本発明の製造方法に適用できるガラス素子として使用する光学ガラスについて、その組成は特に限定されない。所望の光学機器に適した光学恒数と、種々の物性を備えたものであればよい。但し、本発明にはアニールの工程が高温、及び/又は長時間となりやすいガラス素材について、本発明の効果がより顕著に得られる。例えばTgが580℃以上の高軟化点硝材からなるガラス素材からのガラス光学素子の製造には、本発明が有利に適用される。更には、Tgが590℃以上の硝材からなるガラス素材からのガラス光学素子の製造には、更に好適に適用される。こうした硝材には、高屈折、低分散(例えば、屈折率ndが1.7〜1.9、アッベ数νdが35〜65)の高付加価値ガラス(ガラスI)がある。
B2O3、La2O3およびZnOを含む光学ガラスであって、モル%表示で、
B2O3 20〜60%、SiO2 0〜20%、ZnO 22〜42%、La2O3 5〜24%、Gd2O3 0〜20%(ただし、La2O3とGd2O3の合計量が10〜24%)、ZrO2 0〜10%、Ta2O5 0〜10%、WO3 0〜10%、Nb2O5 0〜10%、TiO2 0〜10%、Bi2O3 0〜10%、GeO2 0〜10%、Ga2O3 0〜10%、Al2O3 0〜10%、BaO 0〜10%、Y2O3 0〜10%およびYb2O3 0〜10%、を含むガラスIbを挙げることができる。特に、このガラス組成を有し、かつリチウムの含有量がLi2O換算で0.5モル%未満であるもの(ゼロの場合を含む)、更には、アッベ数(νd)が40以上である光学ガラスが挙げられる。さらに、上記のガラス組成及び/又は特性を有し、かつ屈折率ndが1.79以上であるものが挙げられる。
本発明のプレス成形工程においては、例えば、ガラス素材を、その粘度が105.5〜109ポアズに相当する温度とし、ガラス素材が107〜1012ポアズの粘度を示す温度に予熱した成形型を用いて加圧成形することが適当である。上記の温度範囲を適用することにより、所望の光学素子の形状、肉厚精度が充分に得られる。この過程で、ガラス素材が有する熱履歴、またはその大部分を実質的に解消することができる。
本発明の製造方法においては、プレス成形工程の後、成形型から取り出した成形体に対して再加熱、再冷却を施すアニール工程を施す。本発明においてアニール工程は、再加熱、再冷却によりガラス内部の残留歪を低減させる工程である。アニール工程においてガラス成形体の屈折率は変動し、アニール工程終了後に得られたガラス光学素子は、所望の光学素子の屈折率であるn3を有するものになる。但し、屈折率n3の精度は±0.00010であり、好ましくは±0.00005である。
第一組成のガラス素材(ガラスA、Tg605℃)の組成はモル%表示で以下のとおりである。
B2O3 30.8%
SiO2 7.7%
ZnO 27.7%
La2O3 13.9%
Gd2O3 4.6%
ZrO2 3.1%
Ta2O5 4.6%
WO3 7.6%
Claims (8)
- 加熱により軟化した、Tgが580℃以上であり、かつ屈折率ndが1.7以上であるガラス素材を成形型を用いて加圧成形し、冷却することを含むプレス成形工程の後、成形型から取り出した成形体に、再加熱と再冷却を施すアニールを行い、前記再加熱温度は(Tg−60℃)〜(Tg−20℃)の範囲とし、屈折率n3を有するガラス光学素子を得るガラス光学素子の製造方法において、
第一組成のガラス素材を用いて前記プレス成形工程及びアニールを経て得られるガラス光学素子の屈折率をn2とし、
前記第一組成のガラス素材を規定条件下で処理したときの基準屈折率をn1とするとき、
屈折率n1と屈折率n2の差分に相当する量を、屈折率n3に加えた値の屈折率n4を、前記規定条件下で処理したときに有する、第二組成のガラス素材を用いて、プレス成形工程及びアニールによってガラス光学素子を得、かつ該プレス成形工程は前記第二組成のガラス素材が有する熱履歴を実質的に解消する条件で行うこと、及び、前記アニールは前記第一組成のガラス素材に対するものと同じ条件で行うことを特徴とする、前記製造方法。 - 第二組成のガラス素材は、第一組成のガラス成分の少なくとも一種の含有量を減少、又は増加させることによって得られたガラスからなることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記屈折率n1と屈折率n2の差分は、100×10-5以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記屈折率n3が、前記屈折率n1に等しいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記第二組成のガラス素材は、溶融状態のガラスを滴下、又は流下しつつ分離し、所定の形状に予備成形されたものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記第二組成のガラス素材は、前記予備成形の過程で、少なくとも軟化点から歪点−50℃の温度の範囲で、300℃〜1500℃/分の冷却速度で冷却されたものであることを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
- 前記第二組成のガラス素材の、前記プレス成形工程に供する前の屈折率は、同一組成のガラス素材の屈折率n4に対して、300×10-5以上低いことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記ガラス光学素子は、光学有効径内全域における光軸方向の歪が、複屈折で0.01nm〜40nmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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