JP5695361B2 - 立坑の壁構造 - Google Patents
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Description
このシールド工法は、まず、シールドマシンの出発点及び到達点に、それぞれ立坑を設け、出発点側の立坑内にシールドマシンをセットして発進側の立坑から到達側の立坑に向かって孔を掘削しながら、セグメントを組み立ててトンネルを形成するようになっている。
しかし、従来の立坑は、周壁全体が鉄筋コンクリートで形成されていたため、シールドマシンで周壁に孔をあけると、すぐに切刃が磨耗してしまう。したがって、シールドマシンで土中にトンネルを形成するにあたり、まず、周壁のシールドマシン通過位置にあたる部分を、シールドマシン以外の機器を用いて切除したり、手作業によって切除することによって、予めシールドマシンが通過可能な孔を穿設しておく必要がある。
したがって、従来の立坑の壁構造では、トンネル形成に余分な作業が必要で作業性が悪いという問題がある。
したがって、上記立坑の壁構造の場合、仕切り壁部を厚肉化しなくてはならず、材料コストの面で問題があるとともに、仕切り壁部の重量が重くなり、立坑施工現場において先行エレメント形成枠を組み立てる際に作業性が悪くなるという問題がある。
補強芯材部の易切削材料以外の部分は、立坑が、周囲の土圧等に耐えることができる強度を確保できれば、特に限定されないが、一般に鉄筋かごが用いられる。
また、仕切り壁部は、板状の仕切り壁本体と、この仕切り壁本体の幅方向の両側縁に沿って立坑の周壁とほぼ同じ間隔に設けられた板状をしたコンクリートのはみ出し防止部とを備える断面略H型をしていることが好ましい。
また、間隔保持材と仕切り壁部とは、間隔保持材の長手方向の端面が仕切り壁部に当接するとともに、アルミニムまたはアルミニウム合金製の略L字型をした固定金具を間隔保持材と仕切り壁部とコーナー部に沿わせ、この固定金具と、間隔保持材と仕切り壁部とを易切削材料からなるボルトナットを介して連結固定することが好ましい。
図1は、本発明にかかる立坑の壁構造の1つの実施の形態をあらわしている。
第2先行エレメントW2は、後で詳述する第2先行エレメント形成枠2と、コンクリートCとから形成されている。
第2後行エレメントW4は、後で詳述する第2後行エレメント補強材4と、コンクリートCとから形成されている。
なお、図3では、第1先行エレメント形成枠1及び第1後行エレメント補強材3を実線であらわしているが、実際は、コンクリートに埋設されているため、壁Wの内側からは視認できない。
第1仕切り壁部11は、上部難切削材料部11aと、下部難切削材料部11bと、易切削材料部11cと、を備えている。
仕切り壁本体111は、その外側の壁面にH型鋼を溶接固定することによって、後述する後行エレメント形成時の生コンクリート注入ホース(図示せず)のガイド113aが設けられている。
2つのはみ出し防止部112は、平行になっていて、その外寸間隔がほぼ得ようとする立坑Hの壁Wの厚みと同じになっている。
仕切り壁本体114と、はみ出し防止部115とは、はみ出し防止部115にL字の一辺が溶接固定されることによって、間欠的に設けられた略L字形をした複数のアルミニウムまたはアルミニウム合金製の固定金具115aのL字の他片を繊維強化プラスチック製のボルト115a、ナット115bを用いて仕切り壁本体114に固定することによって一体化されている。
薄肉部114bは、上部難切削材料部11aの仕切り壁本体111の下端に重ねあわされた状態に配置され、ボルト118a及びナット118bを用いて、上部難切削材料部11aの仕切り壁本体111に固定されている。
厚肉部114aの外壁面側には、図4及び図9に示すように、ガイド113aと連設されるガイド114cが設けられている。
ガイド114cは、易切削材料であるアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されている2つのC型チャンネルを背中合わせにして上記ガイド113aと同じ断面形状となるようにした状態でボルト114d、ナット114eを用いて厚肉部114aに一体固定されている。
上部補強部13a及び下部補強部13bは、それぞれ難切削材料である鉄筋かごで形成されていて、鉄筋かごの側端が上部難切削材料部11a及び下部難切削材料部11bと、第2仕切り壁部12とに溶接固定されている。
本体部131は、易切削材料であるFFUの100mm厚の10枚の板材134が立坑の壁の厚み方向に接着剤を介して貼り合わされて形成されている。
その他の板材134は、2枚おきにその上下でその一側面が、補強板132の厚み及び補強板132の長さ分切り欠かれている。
なお、各補強板132の上下方向の長さは、各補強板132の端縁が、後述するように、本体部131のシールドマシンによって切削される部分の外縁にできるだけ沿う長さに設定されている。
そして、本体部131と6つの補強板132とは、図7及び図8に示すように、一方の切欠131a側の補強板132に設けられたボルト挿通孔から他方の切欠131a側の補強板132に設けられたボルト挿通孔に向かって、ボルト135aを挿通し、他方の切欠131a側の補強板132から突出したボルト135aの先端部にナット135bを螺合することによって一体化されている。
そして、各機械式継手132aには、ネジ鉄筋(ネジ状の異形鉄筋)136が、連結されている。
ネジ鉄筋136は、上部補強部13aを構成する鉄筋かごの下端あるいは下部補強部13bを構成する鉄筋かごの上端に上記のような機械式継手を用いる、あるいは溶接されることによって連結されている。
すなわち、間隔保持材15は、FFUで形成された細幅の板材で形成されていて、一端が、本体部131に繊維強化プラスチック製のボルト151を介して固定され、他端が、繊維強化プラスチック製のボルト151及びナット152によって、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の略L字形をした固定金具16のL字の一辺に固定されている。
また、固定金具16のL字の他辺は、繊維強化プラスチック製のボルト151及びナット152によって、易切削材料部11cに固定されている。
第2後行エレメント補強材4は、全て鉄筋かごで形成されている。
(1)地面の第1先行エレメントW1及び第2先行エレメントW2を形成する位置に、立坑Hの上下高さとほぼ同じ深さで短手方向が得ようとする壁Wの厚みとほぼ同じである長方形をした先行エレメント用掘削穴5aをそれぞれ公知の掘削機械を用いて掘削する。
(2)予め組み立てられた第1先行エレメント形成枠1及び第2先行エレメント形成枠2を生コンクリートのはみ出し防止用樹脂シート(図示せず)を後述する仕切り壁Wに装着した状態で先行エレメント用掘削穴5aに挿入する。
(3)仕切り壁Wと仕切り壁Wとの間に生コンクリートを充填したのち、生コンクリートを硬化させて第1先行エレメントW1及び第2先行エレメントW2を作製する。
なお、生コンクリートの充填時において、第1仕切り壁部11及び第2仕切り壁部12には、生コンクリートの荷重によって、外側に膨らもうとする力がかかるが、第1仕切り壁部11の大部分及び第2仕切り壁部12が鉄鋼で形成されているので、外側に膨らむことがない。また、第1易切削補強部13cと易切削材料部11cとの間隔とが、複数の間隔保持材15を介して所定間隔に保持されているので、易切削材料部11cが間隔保持材15によって支持されて、易切削材料部11cも外側に膨らむことがない。
(4)地面の上記のようにして作製された第1先行エレメントW1と、第1先行エレメントW1の第1仕切り壁部11側に隣接する第2先行エレメントW2との間に第1後行エレメント用掘削穴5bを掘削する。また、第1先行エレメントW1と、第1先行エレメントW1の第2仕切り壁部12側に隣接する第2先行エレメントW2との間、及び各第2先行エレメントW2と第2先行エレメントW2との間にそれぞれ第2後行エレメント用掘削穴5cを掘削する。
なお、第1後行エレメント用掘削穴5b及び第2後行エレメント用掘削穴5cは、上記先行エレメント用掘削穴5aと同じ長方形形状の3つの掘削穴をその端部が同じ幅で重なるとともに、同じ角度で交差するように掘削することによって形成される。
(5)第1後行エレメント用掘削穴5bに第1後行エレメント補強材3を挿入し、第2後行エレメント用掘削穴5cに第2後行エレメント補強材4を挿入する。
(6)生コンクリート供給ホースをガイド113aを介して第1後行エレメント用掘削穴5b及び第2後行エレメント用掘削穴5cの底まで到達するように挿入し、生コンクリートを第1後行エレメント用掘削穴5b及び第2後行エレメント用掘削穴5cにそれぞれ充填したのち、生コンクリートを硬化させて第1後行エレメントW3及び第2後行エレメントW4を作製し、壁Wを形成する。
(7)壁Wの内側の土を掘削し、立坑Hを完成する。
上記の実施の形態では、第1先行エレメント形成枠の第1仕切り壁部側にのみ易切削材料で形成された部分を備えていたが、両仕切り壁部に易切削材料で形成された部分を設け、シールドマシンによって、両仕切り壁部に易切削材料を切削するようにしても構わない。このような場合、両仕切り壁部と各仕切り壁部に隣接する易切削補強部とを間隔保持材を介して所定の間隔に保持する必要がある。
W 壁(立坑Hの壁)
W1 第1先行エレメント
W2 第2先行エレメント
W3 第1後行エレメント
W4 第2後行エレメント
S シールドマシン
1 第1先行エレメント形成枠
2 第2先行エレメント形成枠
3 第1後行エレメント補強材
4 第1後行エレメント補強材
5a 先行エレメント用掘削穴(第1掘削穴)
5b 第1後行エレメント用掘削穴(第2掘削穴)
5c 第2後行エレメント用掘削穴(第2掘削穴)
13 補強芯材部
15 間隔保持材
16 固定金具
114 仕切り壁本体
115 はみ出し防止部
152,152,154 ボルト(易切削材料からなるボルト)
153,155 ナット(易切削材料からなるナット)
Claims (7)
- 補強芯材部と、この補強芯材部を両側から挟むように設けられた仕切り壁部とを備える先行エレメント形成枠と、後行エレメント補強材とが、壁の周囲方向に交互に配置されるとともに、壁を構成するコンクリートに埋設されて、前記コンクリートが前記先行エレメント形成枠および後行エレメント補強材によって補強されたサークル状の周壁を備え、
前記仕切り壁部の一部を含む前記先行エレメント形成枠の一部がシールドマシンによって切削容易な易切削材料で形成され、
前記後行エレメント補強材の一部がシールドマシンによって切削容易な易切削材料で形成されていて、
前記周壁の、前記先行エレメント形成枠の前記易切削材料で形成された部分および前記後行エレメント補強材の前記易切削材料で形成された部分によって補強された部分をコンクリートとともに切削してシールドマシンの発進孔または到達孔を設けるようにした立坑の壁構造であって、
前記易切削材料は、繊維強化発泡ウレタン樹脂、アルミニウム、アルミニウム合金、ガラス繊維強化コンクリートやカーボン繊維強化コンクリートから選ばれてなり、
前記先行エレメント形成枠は、前記易切削材料で形成された前記仕切り壁部の一部と、
前記易切削材料で形成された前記補強芯材部の一部とが、
前記壁の上下方向に間欠的に配置された前記易切削材料からなる複数の間隔保持材を介して間隔を保持した状態で連結されていることを特徴とする立坑の壁構造。
- 仕切り壁部及び補強芯材部を構成する易切削材料が繊維強化された発泡ウレタン樹脂製板材もしくは繊維強化された無機材料製板材である請求項1に記載の立坑の壁構造。
- 補強芯材部の易切削材料以外の部分が鉄筋かごである請求項1または請求項2に記載の立坑の壁構造。
- 仕切り壁部の易切削材料以外の部分が鋼材で形成されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の立坑の壁構造。
- 仕切り壁部が、板状の仕切り壁本体と、この仕切り壁本体の幅方向の両側縁に沿って立坑の周壁とほぼ同じ間隔に設けられた板状をしたコンクリートのはみ出し防止部とを備える断面略H型をしている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の立坑の壁構造。
- はみ出し防止部の易切削材料が繊維強化された発泡ウレタン樹脂、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくともいずれかである請求項5に記載に立坑の壁構造。
- 間隔保持材の長手方向の端面が仕切り壁部に当接し、間隔保持材と仕切り壁部とが、アルミニムまたはアルミニウム合金製の略L字型をした固定金具と易切削材料からなるボルト・ナットを介して連結されている請求項1〜請求項6のいずれかに記載の立坑の壁構造。
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