JP2005201009A - 山留壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘削面積を極力少なくして、掘削作業と掘削部側の横材の解体作業に要する労力の削減と時間の短縮を可能にする山留壁構造。
【解決手段】山留面Fに沿う複数本の親杭2と横矢板3から構成される山留壁1が、親杭2間にわたって横方向に配設された横材4と、その横材4と山側土壌の間に配設されたアンカー部材5により土圧に対抗するように支持されている山留壁構造で、横材4が、山留面Fに沿う方向視において、親杭2の厚み方向で重複するように配置されて親杭2に固定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、山留面に沿う複数本の親杭と横矢板から構成される山留壁が、前記親杭間にわたって横方向に配設された横材と、その横材と山側土壌の間に配設されたアンカー部材により土圧に対抗するように支持されている山留壁構造に関する。
このような山留壁構造は、例えば、地中に地下構造物を構築するにあたり、土壌の一部を順次下方へ掘削して行く際、その掘削部側への土壌の崩落を防ぐためのもので、従来、親杭の表側、つまり、掘削部側に横材を配置し、さらに、その横材に貫通させたアンカー部材の基端部を横材から掘削部側へ突出させ、その突出させた基端部に固定用の部材を取り付けて、横材によりアンカー部材に作用する土圧対抗力を受け止めるように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2832508号公報
しかしながら、上記公報に記載の従来構造では、山留面に沿う方向から見ると、親杭の掘削部側の面から横材がその厚み分だけ完全に突出した状態となる。
したがって、さらに掘削を続ける場合には、その横材が掘削作業の邪魔になり、また、掘削部に地下構造物を構築する場合には、地下構造物を親杭の掘削部側の面に近接させて構築することができず、そのため、どうしても必要以上の面積にわたって掘削しなければならず、掘削作業に多大の労力と時間を要するという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、その目的は、掘削面積を極力少なくして、掘削作業に要する労力の削減と時間の短縮を可能にする山留壁構造を提供することである。
本発明の第1の特徴構成は、山留面に沿う複数本の親杭と横矢板から構成される山留壁が、前記親杭間にわたって横方向に配設された横材と、その横材と山側土壌の間に配設されたアンカー部材により土圧に対抗するように支持されている山留壁構造であって、前記横材が、前記山留面に沿う方向視において、前記親杭の厚み方向で重複するように配置されて前記親杭に固定されているところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、山留壁を支持する横材が、山留面に沿う方向視において、山留壁を構成する親杭の厚み方向で重複するように配置されて親杭に固定されているので、親杭の掘削部側の面から突出する横材の突出量は、少なくとも親杭への重複分だけ少なくなる。
したがって、掘削を続ける場合には、横材があまり掘削作業の邪魔になることもなく、掘削作業を容易に続行することができ、また、掘削部に地下構造物を構築する場合には、親杭側に比較的近接して地下構造物を構築することができる。
その結果、掘削面積を極力少なくして、掘削作業に要する労力の削減と時間の短縮を図ることができる。
本発明の第2の特徴構成は、前記親杭が型鋼で構成され、前記横材が鉄筋コンクリートで構成されているところにある。
本発明の第2の特徴構成によれば、親杭が型鋼で構成されているので、例えば、市販の型鋼を使用することができ、また、横材が鉄筋コンクリートで構成されているので、横材として必要な強度や剛性を確保することができ、アンカー部材に作用する土圧対抗力を確実に受け止めて、土圧による土留壁の倒壊を確実に防止することができる。
本発明の第3の特徴構成は、前記横材が、前記親杭を山留面に沿って建て込んだ後に、その親杭間に配筋してコンクリートを打設した現場打ち鉄筋コンクリートで構成されているところにある。
本発明の第3の特徴構成によれば、前記横材が、親杭を山留面に沿って建て込んだ後に、その親杭間に配筋してコンクリートを打設した現場打ち鉄筋コンクリートで構成されているので、例えば、鉄筋コンクリート製の横材を工場などで予め製作して現場へ搬入する場合のように、比較的長くて重量のある横材をいちいち現場へ搬入する必要がなく、横材の製作から組み付けまでを現場において一挙に行うことができる。
本発明の第4の特徴構成は、前記親杭と横材が、それぞれ型鋼で構成されているところにある。
本発明の第4の特徴構成によれば、親杭と横材が、それぞれ型鋼で構成されているので、現場へ搬入する手間は要るものの、現場打ち鉄筋コンクリートのような養生期間が不用で、土留壁構造の構築作業を短期間のうちに行うことができる。
本発明の第5の特徴構成は、前記横材が、前記山留面に沿う方向視において、上方ほど山側へ後退する傾斜受け面を備え、その傾斜受け面により前記アンカー部材に作用する土圧対抗力を受け止めるように構成されているところにある。
本発明の第5の特徴構成によれば、前記横材が、山留面に沿う方向視において、上方ほど山側へ後退する傾斜受け面を備え、その傾斜受け面によりアンカー部材に作用する土圧対抗力を受け止めるように構成されているので、アンカー部材を横材側に取り付けるための部材も、親杭の掘削部側の面から大きく突出することがなく、掘削作業を容易に行うことができるとともに、掘削部に地下構造物を構築する場合には、より一層親杭側に近接させて地下構造物を構築することができ、掘削面積を一層少なくして、掘削作業に要する労力の削減と時間の短縮を更に図ることができる。
本発明による山留壁構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この山留壁構造は、例えば、地中に地下構造物を構築するため、土壌の一部を順次下方へ掘削して行く際、その掘削側への土壌の崩落を防ぐためのもので、図1および図2に示すように、山留壁1は、山留面Fに沿って土中に建て込んだ多数本の親杭2と、その親杭2間にわたって配設された多数枚の横矢板3により構成されている。
例えば、親杭2はH型鋼により、また、横矢板3は鋼矢板により構成されて、各横矢板3の左右端部が、H型鋼からなる親杭2の溝内に嵌入配置されていて、このような構成の山留壁1が、横材4とアンカー部材5によって山側からの土圧に対抗するように支持されている。
山留壁1を支持する横材4は、通常「腹起し」と称される横架材に相当し、多数本の鉄筋4aにより補強された鉄筋コンクリート、つまり、後に詳しく説明するように、現場打ちによる鉄筋コンクリートにより構成されている。
その横材4は、図2に示すように、山留面Fに沿う方向視において、通常「根切り」と称される掘削部E側の面が親杭2の面とほぼ面一になる状態で、親杭2の厚み方向で完全に重複し、かつ、その一部が山側へ突出する状態に構成され、親杭2と一体化されて固定されている。さらに、その横材4には、山留面Fに沿う方向視において、上方ほど山側へ後退する傾斜受け面6が適当な間隔を置いて形成されている。
アンカー部材5は、例えば、アースアンカーと称される従来公知のもので、その先端部が、斜め下方に向けて山側土壌内に打ち込まれて固定され、その基端部が、横材4を貫通して傾斜受け面6から突出されている。
そして、そのアンカー部材5の突出基端部に締め付け用のナット部材7aが螺合され、かつ、そのナット部材7aが、座金7bを介して横材4の傾斜受け面6により支持されていて、アンカー部材5に作用する土圧対抗力が、横材4の傾斜受け面6により受け止められるように構成されている。
つぎに、この山留壁構造を構築する手順について説明する。
まず、図3や図4の(イ)に示すように、H型鋼の溝が山留面Fに沿うようにして、その山留面Fに沿って必要な本数の親杭2を土中に建て込み、その後、親杭2の表側、つまり、掘削部E側を掘削するとともに、親杭2の裏側も一部掘削する。
そして、横材4を構築した後に、各親杭2間に横矢板3を配設して親杭2の裏側を埋め戻す。さらに、横材4の下方を掘削して各親杭2間に横矢板3を配置して土壌の崩落を防止し、この作業を順次繰り返して下方へ掘削して行き、所定の深さまで掘削する。
横材4の構築に際しては、各親杭2間に鉄筋4aを配筋し、好ましくは、各鉄筋4aの端部を親杭2に穿設した配筋用孔2a内に通して固定する。
その後、少なくとも掘削部E側に主型枠8aと傾斜受け面6を形成するための補助型枠8bを組み付け、必要な場合には山側にも型枠を組み付け、かつ、アンカー部材5を山側土壌内に打ち込んで、型枠8a、8b内に生コンクリート4bを打設して養生する。
アンカー部材5は、横材4にアンカー部材5が通る穴を開けておき、生コンクリート4bが硬化した後に挿入して締め付けてもよい。
生コンクリート4bが硬化した後、型枠8a,8bを外し、図4の(ロ)に示すように、アンカー部材5の突出基端部に座金7bを挿通して締め付け用のナット部材7aを螺合し、そのナット部材7a締め付けて、アンカー部材5に作用する土圧対抗力が、傾斜受け面6により受け止められるように設定する。
このようにして山留壁1を構築し、かつ、その山留壁1を横材4とアンカー部材5により土圧に対抗するように支持することで、山側からの土壌の崩落が確実に防止される。
その後、さらに掘削部Eを掘削することになるが、上述したように、山留面Fに沿う方向視において、横材4の掘削部E側の面が親杭2の面とほぼ面一となり、さらに、アンカー部材5に螺合するナット部材7aも横材4の掘削部E側の面から大きく突出することがないので、その後の掘削作業を容易に行うことができる。
言い換えると、図5に示すように、掘削部Eに建屋の地下構造物Sなどを構築する場合、山留壁1の壁面ぎりぎりにまで地下構造物Sを構築することができるのであり、したがって、掘削部Eの掘削面積を必要最小限にとどめることができる。
〔別実施形態〕
(1)先の実施形態では、山留壁1を支持する横材4を現場打ちによる鉄筋コンクリートで構成した例を示したが、鉄筋コンクリート製の横材4を工場などで予め製作しておいて現場へ搬入し、現場において親杭2に固定するように構成することもできる。
また、横材4は特に鉄筋コンクリート製に限るものではなく、図6に示すように、例えば、横材4を親杭2と同じH型鋼で構成し、山留面Fに沿う方向視において、親杭2の厚み方向で完全に一致する状態に重複させて、図外のボルト・ナットまたは溶接により親杭2に固定して実施することもできる。
その場合、必要に応じて、傾斜受け面6を有する金属製ブロック9を配置し、アンカー部材5の突出基端部に螺合されるナット部材7aを傾斜受け面6に当接するように締め付けて実施することができる。
(2)先の実施形態では、親杭2をH型鋼で構成した例を示したが、H型以外の各種の型鋼で構成できるのはもちろん、例えば、鉄筋コンクリート製の杭を親杭2として使用することもでき、同様に、横矢板3に関しても、特に鋼矢板に限るものではなく、例えば、木製の板をはじめとして各種の板材で構成することができる。
また、山留面Fに沿う方向視において、横材4の掘削部E側の面が、親杭2の掘削部E側の面とほぼ面一になるように構成した例を示したが、横材4の掘削部E側の面が、親杭2の掘削部E側の面から多少突出するように構成することもできる。
山留壁構造の斜視図 山留壁構造の縦断側面図 山留壁構造の構築過程を示す縦断側面図 山留壁構造の構築過程を示す斜視図 山留壁構造の縦断側面図 別の実施形態による山留壁構造の縦断側面図
符号の説明
1 山留壁
2 親杭
3 横矢板
4 横材
5 アンカー部材
6 傾斜受け面
F 山留面

Claims (5)

  1. 山留面に沿う複数本の親杭と横矢板から構成される山留壁が、前記親杭間にわたって横方向に配設された横材と、その横材と山側土壌の間に配設されたアンカー部材により土圧に対抗するように支持されている山留壁構造であって、
    前記横材が、前記山留面に沿う方向視において、前記親杭の厚み方向で重複するように配置されて前記親杭に固定されている山留壁構造。
  2. 前記親杭が型鋼で構成され、前記横材が鉄筋コンクリートで構成されている請求項1に記載の山留壁構造。
  3. 前記横材が、前記親杭を山留面に沿って建て込んだ後に、その親杭間に配筋してコンクリートを打設した現場打ち鉄筋コンクリートで構成されている請求項2に記載の山留壁構造。
  4. 前記親杭と横材が、それぞれ型鋼で構成されている請求項1に記載の山留壁構造。
  5. 前記横材が、前記山留面に沿う方向視において、上方ほど山側へ後退する傾斜受け面を備え、その傾斜受け面により前記アンカー部材に作用する土圧対抗力を受け止めるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の山留壁構造。
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