JP5632219B2 - 樹脂被覆セグメント及びこれによって構築されたシールドトンネル - Google Patents

樹脂被覆セグメント及びこれによって構築されたシールドトンネル Download PDF

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Description

本発明は、周方向及び軸方向に順次組み立てることによってシールドトンネルを構築する樹脂被覆セグメント及びこれによって構築されたシールドトンネルに関する。
一般に、道路や鉄道等のトンネルあるいは下水道管渠築造用のトンネルなどを構築する場合、シールド工法が広く採用されている。シールド工法は、先端に掘削刃を備えたシールドマシンを地中で推進させながらトンネル穴を掘削していくものである。そして、このシールドマシンで地盤を掘進しつつ、掘削部の周囲内壁面に沿ってセグメントを順次組み立てることによってトンネルの壁体を構築する。
この種のセグメントは、例えばトンネル内の内周を複数に分割する大きさであり、内周方向およびシールドトンネルの進路方向に順次接合されていく。鋼板のみで製造された鋼製のセグメントを用いた場合は、トンネル内面が鋼板を組み合わせた構造となるため、平滑となりにくいことがあり、水路トンネル等では流下機能を確保するためにコンクリートを打設(二次覆工)して内面の平滑性を確保するようにしなければならない。このため、セグメント組立(一次覆工)とコンクリート打設(二次覆工)の二工程を必要とし、工期の短縮に支障を招くことになる。
そこで、近時では、鋼板のみで製造された鋼製セグメントだけでなく、セグメントを組み立てると同時にトンネル内面がコンクリート面で平滑に形成される、コンクリート製セグメント、あるいは鋼殻部にコンクリートを中詰め充填したコンクリート中詰め鋼製セグメントなどが使用されることも多くなっている(例えば、特許文献1及び2等参照)。
このようなセグメントを採用することにより、トンネルの内壁面をコンクリートにてコーティングする二次覆工の工程を省略することができ、二次覆工によってトンネル断面が縮小してしまうことを回避して、経済的・工期的なデメリットを解消することが可能となっている。
しかし、下水道管渠築造用のトンネルにあっては、下水から発生する強酸(硫化水素)などによりコンクリートが劣化したり腐食したりする。かかる点から、内周面を樹脂で被覆した樹脂被覆セグメントを用いることがあり、強酸などによるコンクリートの劣化又は腐食を防止するようにしている。この樹脂被覆セグメントとしては、鉄筋コンクリートよりなり、かつ湾曲する内周面及び外周面を有するセグメント内部材と、このセグメント内部材の内周面を被覆する樹脂製被覆部材とを備えている。
ところで、複数のシールドトンネル同士を分岐又は合流させることがあり、その場合には、各シールドトンネルの分岐・合流部において当該各シールドトンネルの一部である重なり部分をそれぞれシールドマシンなどにより切削するようにしている。このとき、前記の樹脂被覆セグメントなどのように、セグメント内部材が鉄筋コンクリートよりなるものであると、鉄筋が障害となってセグメント内部材の切除が難しく、各シールドトンネルの重なり部分を簡単に切削することができない。しかも、切削作業時に騒音・振動が非常に大きなものとなる。もちろん、鋼製セグメントの場合も同様である。
そこで、鉄筋を含まないコンクリート(例えば、シールドマシンで切削可能な鋼繊維(例えばスチールファイバーなど)や有機繊維(例えばポリプロピレンなど)を混入したコンクリートなど)よりなるセグメント内部材と、このセグメント内部材の内周面及び外周面にそれぞれ接合される樹脂製被覆部材とを備えた樹脂被覆セグメントを構成し、この樹脂被覆セグメントを周方向及び軸方向に順次組み立てて複数のシールドトンネルを構築することで、当該各シールドトンネルの重なる部分の切削を簡単に行いつつ、切削作業時の騒音・振動を大幅に抑えるようにしたものが提案されている。この場合、樹脂被覆セグメントにおいて樹脂製被覆部材を鉄筋に代わる引張材とすることで、樹脂被覆セグメントの耐荷性能を確保するようにしている。
特開2001−220999号公報 特開2006−299792号公報
ところが、前記提案のものでは、樹脂製被覆部材を樹脂被覆セグメントの引張材としているため、セグメント内部材の内周面及び外周面に対する樹脂製被覆部材の接合強度が低ければ、セグメント内部材の内周面及び外周面から樹脂製被覆部材が離脱してしまい、樹脂被覆セグメントの耐荷性能を確保することができない。
すなわち、シールドトンネルを構築する際に組み立てられる各樹脂被覆セグメントでは、シールドトンネルに曲げモーメントが発生すると、セグメント内部材の内周面及び外周面と樹脂製被覆部材の接合面との間に応力が作用し、この応力によってセグメント内部材の内周面及び外周面から樹脂製被覆部材が離脱してしまう。特に、セグメント内部材の内周面が引っ張られる曲げモーメントが発生すると、そのセグメント内部材の内周面に接合される樹脂製被覆部材にその曲面形状に応じた剥離力が作用し、この剥離力によってセグメント内部材の内周面から樹脂製被覆部材が離脱してしまう。このため、セグメント内部材の内周面及び外周面から樹脂製被覆部材が離脱すると、樹脂製被覆部材が引張材として機能せず、樹脂被覆セグメントの耐荷性能を確保することができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、セグメント内部材の内周面及び外周面に対し樹脂製被覆部材を強固に接合して樹脂被覆セグメントの耐荷性能を確保することができる樹脂被覆セグメント及びこれによって構築されたシールドトンネルを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明では、 周方向及び軸方向に順次組み立てることによって複数のシールドトンネル同士が分岐又は合流する分岐・合流部において当該各シールドトンネルの一部である重なり部分を構築する樹脂被覆セグメントを前提とし、コンクリートよりなり、湾曲する内周面及び外周面を有するセグメント内部材と、このセグメント内部材の内周面及び外周面にそれぞれ接合される樹脂製被覆部材とを備えている。そして、前記セグメント内部材の内周面及び外周面に対する前記各樹脂製被覆部材の接合面に、前記セグメント内部材の内周面及び外周面に対し凹凸接合される凹凸部を設けている。前記凹凸部を、前記セグメント内部材の周方向に連続的に配置し、それぞれセグメント内部材の周方向と直交する方向に延ばしている。前記各樹脂製被覆部材として、硬質ウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂発泡体をガラス繊維で補強した板状部材を適用し、前記ガラス繊維を、前記樹脂被覆セグメントの周方向に延ばし、前記凹凸部の凹部の切削加工時に直交する向きで切断して、当該凹凸部の凸部の周方向の両端面より突出させている
この特定事項により、各樹脂製被覆部材は、コンクリート(例えば、シールドマシンで切削可能な鋼繊維や有機繊維を混入したコンクリートなど)よりなるセグメント内部材の内周面及び外周面に対し、その接合面に設けられた凹凸部によって凹凸接合され、セグメント内部材の内周面及び外周面の厚み方向に接合面積を確保して強固に接合される。このため、樹脂被覆セグメントを周方向及び軸方向に順次組み立てて構築されるシールドトンネルに発生する曲げモーメントによってセグメント内部材の内周面及び外周面と樹脂製被覆部材の接合面との間に応力が作用しても、その応力が凹凸部による凹凸接合によって各樹脂製被覆部材を剥離させることなく伝達される。しかも、セグメント内部材の内周面を引っ張る曲げモーメントによって樹脂製被覆部材の曲面形状に応じた剥離力が作用しても、その剥離力が凹凸部による凹凸接合によって各樹脂製被覆部材を剥離させることなく伝達される。これにより、セグメント内部材の内周面及び外周面からの樹脂製被覆部材の離脱が確実に防止され、樹脂製被覆部材を引張材として機能させて樹脂被覆セグメントの耐荷性能を確保することが可能となる。
また、前記凹凸部が、前記セグメント内部材の周方向に連続的に配置され、それぞれセグメント内部材の周方向と直交する方向に延びているので、セグメント内部材の内周面及び外周面と各樹脂製被覆部材の接合面との間に作用する荷重に対し、セグメント内部材の周方向で接触面積が拡大された凹凸部によってセグメント内部材の周方向において効果的に抗することができる。
更に、前記各樹脂製被覆部材として、硬質ウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂発泡体を無機繊維で補強した板状部材が適用されているので、引張材としての機能を備えかつ加工の容易な各樹脂製被覆部材によって、シールドトンネルの分岐又は合流する分岐・合流部での施工性を図ることができる。
また、前記凹凸部が、前記セグメント内部材の周方向と直交する方向にも連続的に配置され、それぞれセグメント内部材の周方向に延びていることが好ましい。この場合には、セグメント内部材の内周面及び外周面と各樹脂製被覆部材の接合面との間に作用する荷重に対し、セグメント内部材の周方向と直交する方向で接触面積が拡大された凹凸部によって効果的に抗することができる。
また、前記凹凸部、前記セグメント内部材の周方向に凹部と凸部とが交互に配置され、かつそれぞれ凹部と凸部とがセグメント内部材の周方向と直交する方向に延びる直交方向凹凸部とし、前記セグメント内部材の周方向と直交する方向に凹部と凸部と交互に配置し、かつそれぞれ凹部と凸部とをセグメント内部材の周方向に延ばした周方向凹凸部も備える。そして、前記直交方向凹凸部の凹部又は前記周方向凹凸部の凹部に、その凹部の凹量を増大させる溝部を設けていてもよい。
この場合には、セグメント内部材の内周面及び外周面と各樹脂製被覆部材の接合面との間に作用する荷重に対し、凹量の増大によりセグメント内部材の周方向又はその周方向と直交する方向で接触面積が拡大された溝部によって、セグメント内部材の周方向又はその周方向と直交する方向においてより効果的に抗することができる。
また、樹脂被覆セグメントを周方向及び軸方向に順次組み立てることによって分岐又は合流する分岐・合流部においてその一部である重なり部分が構築されたシールドトンネルとして、前記樹脂被覆セグメントが、湾曲する内周面及び外周面を有してコンクリートよりなるセグメント内部材と、このセグメント内部材の内周面及び外周面に対しそれぞれ凹凸接合されて当該セグメント内部材の周方向と直交する方向に延びる凹凸部を有し、硬質ウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂発泡体を補強するために前記樹脂被覆セグメントの周方向に延びるガラス繊維を前記凹凸部の凹部の切削加工時に直交する向きで切断して当該凹凸部の凸部の周方向の両端面より突出させた板状部材よりなる樹脂製被覆部材とを備える。そして、前記分岐・合流部においてその重なり部分を構築するように周方向及び軸方向に順次組み立てられる場合には、コンクリート(例えば、シールドマシンで切削可能な鋼繊維や有機繊維を混入したコンクリート)よりなるセグメント内部材の内周面及び外周面からの離脱を確実に防止する樹脂製被覆部材を引張材として機能させることで、耐荷性能を確保し得た樹脂被覆セグメントによってシールドトンネルの一部を円滑に構築することが可能となる。
以上、要するに、各樹脂製被覆部材を凹凸部によってセグメント内部材の内周面及び外周面に対し凹凸接合することで、セグメント内部材の内周面及び外周面の厚み方向に接合面積を確保して各樹脂製被覆部材を強固に接合し、セグメント内部材の内周面及び外周面からの樹脂製被覆部材の離脱を確実に防止して、樹脂製被覆部材を引張材として機能させた樹脂被覆セグメントの耐荷性能を確保することができる。また、セグメント内部材の内周面及び外周面からの離脱を確実に防止する樹脂製被覆部材を引張材として機能させることで、耐荷性能を確保し得た樹脂被覆セグメントによってシールドトンネルを円滑に構築することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る樹脂被覆セグメントと鉄筋コンクリートセグメントと兼用セグメントとによって構築されたシールドトンネルの正面図である。 図1のシールドトンネルの非切削部位に設置される鉄筋コンクリートセグメントの正面図である。 図2のA−A線における断面図である。 図1のシールドトンネルの切削部位に設置される樹脂被覆セグメントの正面図である。 図4の樹脂被覆セグメントを内周面側から見た内面図である。 図4の樹脂被覆セグメントの内周面付近の拡大図である。 図4の樹脂被覆セグメントの把持金物付近の拡大図である。 図4の樹脂被覆セグメントの端面を矢視X方向から見た矢視図である。 図1のシールドトンネルの切削・非切削部位兼用の非切削部位領域と切削部位領域とに区画された兼用セグメントの正面図である。 図9のB−B線における断面図である。 図4の樹脂被覆セグメント及び兼用のセグメントの切削部位領域に設置される樹脂製板状部材を模式的に示し、(a)は平面図、(b)はシールドトンネルの軸線方向から見た正面図(湾曲しているものを直線状に延ばして表記)、(c)は側面図である。 先行のシールドトンネルに対し後行のシールドトンネルを分岐又は合流させる際にシールドマシンによって先行のシールドトンネルの分岐・合流部を切削する状態を示す模式図である。 シールドマシンによって切削されるシールドトンネルの分岐・合流部の一部分を示す一部切り欠き正面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る樹脂被覆セグメントの樹脂製板状部材を模式的に示し、(a)は平面図、(b)はシールドトンネルの軸線方向から見た正面図(湾曲しているものを直線状に延ばして表記)、(c)は側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る樹脂被覆セグメントの樹脂製板状部材を模式的に示し、(a)は平面図、(b)はシールドトンネルの軸線方向から見た正面図(湾曲しているものを直線状に延ばして表記)、(c)は側面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る樹脂被覆セグメントの樹脂製板状部材を模式的に示し、(a)は平面図、(b)はシールドトンネルの軸線方向から見た正面図(湾曲しているものを直線状に延ばして表記)、(c)は側面図である。 本発明の変形例に係る樹脂被覆セグメントの樹脂製板状部材をシールドトンネルの軸線方向から見た一部切り欠き正面図(湾曲しているものを直線状に延ばして表記)である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1において、1は本発明の第1の実施の形態に係る樹脂被覆セグメントと一般的な鉄筋コンクリートセグメントと両セグメントを兼用する兼用セグメントとによって構築されたシールドトンネルを示し、このシールドトンネル1は、4つの第1セグメント11,11,…と、2つの第2セグメント12,12と、単一の第3セグメント13とで略真円環状に形成されている。つまり、前記各セグメント11〜13を周方向に順次組み立てることによって、シールドトンネル1を略真円環状に構築している。この場合、鉄筋コンクリートセグメントは、各セグメント11〜13のうちのシールドトンネル1の切削されない非切削部位に設置されている一方、樹脂被覆セグメントは、各セグメント11〜13のうちのシールドトンネル1の切削される切削部位に設置されている。
また、前記各セグメント11〜13は、その周方向の端面同士がシールドトンネル1の軸方向に連続しないように周方向に位相を異ならせて軸方向に順次組み立てることによって、シールドトンネル1を軸方向に構築している。この場合、第3セグメント13は周方向において各第1セグメント11及び各第2セグメント12を組み付けた後に組み付けられ、かかる点から、各第2セグメント12の第3セグメント13側端面は、第3セグメント13を半径方向外方から最期に組み付けられるように互いに平行に成形されている。そして、第3セグメント13の周方向の両端面も、各第2セグメント12の第3セグメント13側端面同士の間を挿通可能となるように互いに平行に成形されている。
前記各セグメント11〜13は、これらが複数のシールドトンネル同士が分岐又は合流する分岐・合流部10(図12に表れる)においてシールドマシンW(図12に表れる)により切削される部位にて組み立てられる切削部位専用の樹脂被覆セグメントと、切削されない部位にて組み立てられる非切削部位専用の鉄筋コンクリートセグメントとで互いの構成を異ならせている。
ここで、非切削部位に設置される鉄筋コンクリートセグメントよりなる第1セグメント11A(以下、鉄筋コンクリートセグメントについては符号にAを付す。)の構成を図2に基づいて説明する。なお、非切削部位に設置される鉄筋コンクリートセグメントよりなる各第2セグメント及び第3セグメントも同一構成となるので、第1セグメント11Aのみを例示して説明する。
図2において、非切削部位に設置される各第1セグメント11Aは、湾曲する内周面14及び外周面15を有する非切削部位専用セグメント内部材21と、この非切削部位専用セグメント内部材21の内部に配筋された鉄筋22とを備えている。そして、図3に示すように、前記鉄筋22は、非切削部位専用セグメント内部材21の内部において内外周面及び両側面よりなる周縁に沿うようにシールドトンネル1の周方向所定間隔おきに配筋された略環状の副筋221と、この副筋221の内周側に所定間隔おきに接合されてシールドトンネル1の周方向に延びる主筋222とからなる。この場合、非切削部位専用の各第1セグメント11Aは、図示しない型枠内に鉄筋22を配筋し、これに骨材を含有したコンクリートを打設することにより得られる。この場合、骨材としては、最大粗骨材の寸法が10mm〜15mm以下であることが好ましい。なお、図2中30は、非切削部位専用の各第1セグメント11Aを組み立てる際に所望位置まで搬送する搬送機材により把持するための把持金物であって、この把持金物30は、各第1セグメント11A、各第2セグメント及び第3セグメントの内周面14の略中間位置に取り付けられている。
次に、切削部位に設置される樹脂被覆セグメントよりなる第1セグメント11B(以下、樹脂被覆セグメントについては符号にBを付す。)の構成を図4に基づいて説明する。なお、切削部位に設置される樹脂被覆セグメントよりなる各第2セグメント及び第3セグメントも同一構成となるので、第1セグメント11Bのみを例示して説明する。
図4において、切削部位に設置される各第1セグメント11Bは、湾曲する内周面14及び外周面15を有する切削部位専用セグメント内部材31と、この切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15にそれぞれ接合された樹脂製被覆部材としての樹脂製板状部材32,32とを備えている。この切削部位専用セグメント内部材31は、鉄筋を含まない無筋コンクリート(例えば、シールドマシンWで切削可能な鋼繊維(例えばスチールファイバーなど)や有機繊維(例えばポリプロピレンなど)を混入した無筋コンクリートなど)よりなる。また、各樹脂製板状部材32としては、例えば硬質ウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂発泡体を無機繊維としてのガラス繊維で補強した複合材(積水化学工業株式会社製 エスロンネオランバーFFUなど)を適用している。この各樹脂製板状部材32のガラス繊維は、切削部位専用セグメント内部材31の周方向に延びている。そして、切削部位専用の各第1セグメント11Bは、図示しない型枠内において樹脂製板状部材32,32を互いに対面させた状態で打設される、骨材を含有したコンクリートにより得られる。この場合、型枠内に固定された各樹脂製板状部材32の互いの対向面には、例えばエポキシ樹脂を主剤としてポリアミド系の硬化剤を含有する接着剤(日米レジン株式会社製 アルプロンD−12など)が塗布されている。
更に、図5にも示すように、前記切削部位専用セグメント内部材31の正面及び背面のいずれか一方(図5では上面)には、シールドトンネル1の周方向9°毎に突出するピン16,16,…が設けられている。この各ピン16と対応する前記各セグメント内部材31の背面及び正面のいずれか他方(図5では下面)には、前記各ピン16が嵌挿される嵌挿孔(図示せず)が設けられている。そして、各第1セグメント11Bを軸方向に組み立てる際に、各ピン16を嵌挿孔に嵌挿させることによって、各第1セグメント11Bの組立がスムーズに行えるようになっている。この場合、非切削部位に設置される各第1セグメント11Aを軸方向に組み立てる際には、図示しないボルト部材などを用いて組み立てられる。なお、図4及び図5中30は、切削部位専用の各第1セグメント11Bを組み立てる際に搬送機材により把持される把持金物である。
また、図6及び図7に示すように、前記各樹脂製板状部材32は、3層を貼り合わせて構成されてなり、切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15に最も近い最内層321と、切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15から最も離れた最外層322と、この最外層322と前記最内層321との間に接着固定された中間層323とを備えている。前記切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15に対する各樹脂製板状部材32の接合面つまり最内層321の内面(図6では上面)には、前記切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15に対し凹凸接合される凹凸部35が設けられている。そして、各樹脂製板状部材32は、切削部位専用セグメント内部材31の湾曲する内周面14及び外周面15にそれぞれ接合される構成上、最内層321を切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15に則した曲率で湾曲させておき、この湾曲させた最内層321に中間層323を接着固定して切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15に則した曲率での湾曲状態を仮保持させ、その湾曲状態を仮保持した中間層323に最外層322を接着することで、切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15に則した曲率での湾曲状態を保持させるようにしている。この場合、切削部位専用セグメント内部材31の内周面14は、前記非切削部位専用セグメント内部材21の内周面14よりも樹脂製板状部材32の径方向の厚み分だけ拡径されている一方、切削部位専用セグメント内部材31の外周面15は、前記非切削部位専用セグメント内部材21の外周面15よりも樹脂製板状部材32の径方向の厚み分だけ縮径され、非切削部位専用セグメント内部材21の内周面14及び外周面15に樹脂製板状部材32をそれぞれ接合した際に非切削部位専用の各第1セグメント11Aの内周面14及び外周面15と略一致させるようにしている。なお、各樹脂製板状部材32は、3層に限定されるものではなく、4層以上を貼り合わせて構成されていてもよい。
そして、互いに周方向で相隣る各第1セグメント11A,11Bの内周面14における周方向の両端には、その周方向の端部同士を連結する継手17がそれぞれ取り付けられている。この継手17としては、シールドマシンWによる切削が不能な金属製のものが用いられており、かかる点から、シールドマシンWによる切削を行う前に、切削部位に設置される各第1セグメント11Bの周方向端部同士を連結している継手17を取り外す必要がある。更に、前記各第1セグメント11A,11Bの周方向の端面には、シールドトンネル1の軸方向に延びる略半円形状の凹部18が設けられ、この各セグメント11A,11Bの周方向の端面同士が組み立てられた際に略真円となる凹部18,18に、内部にモルタルが充填された塩化ビニールなどによりなる管181が挿通されることで、前記継手17と相俟って各第1セグメント11A,11Bの組み立て状態を保持するようにしている。また、各第1セグメント11A,11Bの背面(図2及び図4では紙面奥側面)には、図8にも示すように、環状の樹脂製シール材を位置決めする背面シール溝191が周方向に連続して設けられている。そして、この各第1セグメント11A,11Bの背面側において組み立てられた各第1セグメント11A,11Bの正面との間で圧縮された樹脂製シール材によって、各第1セグメント11A,11Bの軸方向でのシールがなされている。また、各第1セグメント11A,11Bの一側面(図2及び図4では左側面)には、図8にも示すように、帯状の樹脂製シール材を位置決めする側面シール溝192が上記背面シール溝191の一側端より軸方向に連続して設けられている。そして、この各第1セグメント11A,11Bの一側面側において組み立てられた各第1セグメント11A,11Bの他側面との間で圧縮された樹脂製シール材によって、各第1セグメント11A,11Bの周方向でのシールがなされている。
また、図9及び図10に示すように、前記各第1セグメント11は、非切削部位専用の鉄筋コンクリートセグメントよりなる各第1セグメント11A及び切削部位専用の樹脂被覆セグメントよりなる各第1セグメント11Bの他、複数のシールドトンネル同士が分岐又は合流する分岐・合流部10においてシールドマシンWにより切削されない部位に位置する非切削部位領域11Cと、シールドマシンWにより切削される部位に位置する切削部位領域11Dとを有する兼用セグメントよりなる第1セグメント11E(以下、兼用セグメントについては符号にEを付す。)を備えている。
この非切削部位領域11Cと切削部位領域11Dとを有する兼用セグメントよりなる各第1セグメント11Eの構成を図9及び図10に基づいて説明する。なお、兼用セグメントよりなる各第2セグメント及び第3セグメントも同一構成となるので、第1セグメント11Eのみを例示して説明する。
図9において、兼用セグメントよりなる各第1セグメント11Eは、その周方向において、切削されない非切削部位領域11Cと、切削される切削部位領域11Dとに略5:4の比率で区画されている。この非切削部位領域11Cと切削部位領域11Dとの区画は、これに限定されるものではなく、組み立てられる位置での非切削部位領域と切削部位領域との比率に応じて適宜変更される。そして、前記非切削部位領域11Cは、図10にも示すように、湾曲する内周面14及び外周面15を有する無筋コンクリートからなる兼用セグメント内部材42の内部に配筋された鉄筋22を備えている。一方、切削部位領域11Dは、前記兼用セグメント内部材42の内周面14及び外周面15にそれぞれ接合された樹脂製板状部材32,32を備えている。この兼用セグメント内部材42は、前記切削部位専用セグメント内部材31と同様に、鉄筋を含まない無筋コンクリート(例えば、シールドマシンWで切削可能な鋼繊維(例えばスチールファイバーなど)や有機繊維(例えばポリプロピレンなど)を混入した無筋コンクリートなど)よりなる。そして、兼用の各第1セグメント11Eは、図示しない型枠内の非切削部位領域11Cに対応する部位において鉄筋22を配筋し、かつ切削部位領域11Dに対応する部位において樹脂製板状部材32,32を互いに対面させた状態で打設される、骨材を含有したコンクリートにより得られる。この場合においても、型枠内に固定された各樹脂製板状部材32の互いの対向面に上記接着剤が塗布されている。
前記切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内周面14及び外周面15は、切削部位領域11Dから非切削部位領域11C側に一部入り込んだ部位が樹脂製板状部材32の径方向の厚み分だけ鉄筋22側にそれぞれ入り込んで段差状に形成されている。そして、この切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内周面14及び外周面15の段差部分にはそれぞれ樹脂製板状部材32が接合され、この切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内周面14及び外周面15にそれぞれ接合した樹脂製板状部材32によって、前記非切削部位領域11Cに対応する兼用セグメント内部材42の内周面14及び外周面15と同一径となる。
また、前記兼用セグメント内部材42の正面及び背面のいずれか一方(図9では紙面手前側面)にも、シールドトンネル1の周方向9°毎に突出するピン16,16,…が設けられている。この各ピン16と対応する前記兼用セグメント内部材42の背面及び正面のいずれか他方(図9では紙面奥側面)には、前記各ピン16を嵌挿させる嵌挿孔(図示せず)が設けられている。また、各セグメント11Eの背面(図9では紙面奥側面)にも、環状の樹脂製シール材を位置決めする背面シール溝(図示せず)が周方向に連続して設けられているとともに、各セグメント11Eの一側面(図9では左側面)にも、帯状の樹脂製シール材を位置決めする側面シール溝192が上記背面シール溝の一側端より軸方向に連続して設けられている。
そして、図11の(a)〜(c)にも示すように、前記各樹脂製板状部材32の凹凸部35は、最内層321の内面より切削部位専用セグメント内部材31側(兼用セグメント内部材42側)に突出する凸部36,36,…と、この互いに相隣る凸部36,36同士の間に位置する凹部37,37,…とからなり、各凹部37を最内層321の内面に切削加工することによって構成されている。この各凸部36及び各凹部37は、前記切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向に連続的に配置され、それぞれ切削部位専用セグメント内部材31及び兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に延びている。この場合、各凸部36の周方向の両端面が、シールドトンネル1の軸線に沿って当該軸線から放射状に延びる面と略平行に形成されている。
次に、複数のシールドトンネル同士、例えば2つのシールドトンネル同士が分岐又は合流する分岐・合流部においてシールドマシンにより切削されない部位に配置された非切削部位専用の鉄筋コンクリートセグメント、切削される部位に配置された切削部位専用の樹脂被覆セグメント、及び上記両部位に跨って配置された兼用セグメントの一例を図12及び図13に基づいて説明する。
図12に示すように、先行のシールドトンネル1に対し後行のシールドトンネル1Aを分岐又は合流させる際に、後行のシールドトンネル1Aを掘削するシールドマシンWによって先行のシールドトンネル1の分岐・合流部10を切削している。このシールドトンネル1の分岐・合流部10の一部分を図13に示す。
この図13では、前記シールドトンネル1の分岐・合流部10でのシールドマシンWによる切削領域(一点鎖線で示す領域)を示している。前記切削領域に位置する第1セグメント11としては、切削部位専用のコンクリートセグメントよりなる第1セグメント11B及び兼用セグメントよりなる第1セグメント11Eがそれぞれ適用されている。前記兼用セグメントよりなる第1セグメント11Eは、その周方向において、切削されない非切削部位領域11Cと、切削される切削部位領域11Dとに略2:1の比率で区画され、その切削部位領域11Dのみが第1セグメント11Bと共に分岐・合流部10でのシールドマシンWによる切削領域に位置している。
一方、非切削領域に位置するセグメントとしては、非切削部位専用の鉄筋コンクリートセグメントよりなる第1セグメント11A、第2セグメント12A及び第3セグメント13Aがそれぞれ適用されている。この場合、互いに周方向で隣接する第1セグメント11A、第2セグメント12A及び第3セグメント13Aの内周面14における周方向の両端同士は、継手17によって連結されている。
したがって、本実施の形態では、各樹脂製板状部材32は、その接合面(最内層321の内面)に設けられた凹凸部35によって切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15に対し凹凸接合され、当該切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15の厚み方向に接合面積を確保して強固に接合される。このため、樹脂被覆セグメントを周方向及び軸方向に順次組み立てて構築されるシールドトンネル1に発生する曲げモーメントによって切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15と樹脂製板状部材32の接合面との間に応力が作用しても、その応力が凹凸部35による凹凸接合によって各樹脂製板状部材32を剥離させることなく伝達される。しかも、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内周面14を引っ張る曲げモーメントによって樹脂製板状部材32の曲面形状に応じた剥離力が作用しても、その剥離力が凹凸部35による凹凸接合によって各樹脂製板状部材32を剥離させることなく伝達される。これにより、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15からの各樹脂製板状部材32の離脱が確実に防止され、各樹脂製板状部材32を引張材として機能させて各セグメント11〜13の耐荷性能を確保することができる。
また、前記凹凸部35が、最内層321の本体側面より切削部位専用セグメント内部材31側(兼用セグメント内部材42側)に突出する凸部36,36,…と、この互いに相隣る凸部36,36同士の間に位置する凹部37,37,…とからなり、各凹部37を切削加工することによって構成されているので、切削部位専用セグメント内部材31の周方向に延びる各樹脂製板状部材32のガラス繊維が、各凹部37の切削加工時に直交する向きで切断され、各凸部36の周方向の両端面より突出することになる。このため、前記各凸部36の周方向の両端面より突出するガラス繊維によって切削部位専用セグメント内部材31に対する接触抵抗が増し、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15からの樹脂製板状部材32の離脱を確実に防止する上で非常に有利なものとなる。
また、前記凹凸部35の各凸部36及び各凹部37が、前記切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向に連続的に配置され、それぞれ切削部位専用セグメント内部材31及び兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に延びているので、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15と各樹脂製板状部材32の接合面との間に作用する荷重に対し、各セグメント内部材31,42の周方向で接触面積が拡大された凹凸部35によって効果的に抗することができる。
更に、シールドトンネル1の分岐・合流部10でのシールドマシンWによる切削領域に、切削部位専用のコンクリートセグメントよりなる第1セグメント11Bと兼用セグメントよりなる第1セグメント11Eの切削部位領域11Dとが位置し、これらの内周面14及び外周面15に接合される樹脂製板状部材32として、例えば硬質ウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂発泡体を無機繊維としてのガラス繊維で補強した複合材が適用されているので、引張材としての機能を備えかつ加工の容易な各樹脂製板状部材32によって、シールドトンネル1の分岐・合流部10での施工性を図ることができる。
なお、前記第1の実施の形態では、各凹部37を切削加工して凹凸部35を構成したが、切削部位専用セグメント内部材31(切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42)の内周面14及び外周面15に対する各樹脂製板状部材32の付着強度の基本的な性状を確認するために当該両者31,32間での付着強度について実験を行うことで、凹凸部35の各凸部36の寸法比率を詳細に規定してもよい。
一例として、各樹脂製板状部材32の接合面に接着剤が塗布されている場合に、各樹脂製板状部材32の接合面と切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15との間でのせん断抵抗強度が、3.3N/mm2 (コンクリート強度f’cが略50N/mm2 の場合)であり、各樹脂製板状部材32の接合面と切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15との間での直角方向の剥離抵抗強度が、3.6N/mm2 (コンクリート強度f’cが略50N/mm2 の場合)という結果が得られている。また、切削部位専用セグメント内部材31の引張強度については、コンクリート標準示方書の推定式ft=0.23f’c2/3 に則り、これに切削部位専用セグメント内部材31のコンクリート強度f’cが略50N/mm2 の場合を適用すると、ft=3.2N/mm2 となる。また、切削部位専用セグメント内部材31のせん断強度については、コンクリート標準示方書の付着強度に対する推定式τc=0.28f’c2/3 に則るものとし、これに切削部位専用セグメント内部材31のコンクリート強度f’cが略50N/mm2 の場合を適用すると、ft=3.9N/mm2 となる。このとき、各樹脂製板状部材32のガラス繊維直角方向の引張強度は、3.1N/mm2 であり、ガラス繊維直角方向のせん断強度は、4.0N/mm2 である。
このとき、樹脂製板状部材32の弾性係数が切削部位専用セグメント内部材31の弾性係数よりも小さいために、樹脂製板状部材32の各凸部36が切削部位専用セグメント内部材31に押されて変形し、剥離が生じると、各凸部36の断面、特に根元部分ではせん断力が発生するため、これに対するせん断抵抗が必要となる。また、湾曲する内周面14及び外周面15に則した円弧状の各樹脂製板状部材32では、切削部位専用セグメント内部材31の内周面14及び外周面15から剥離する力が働くことから、各凸部36の断面での引張力に対する引張抵抗が必要となる。加えて、前述の各凸部36の断面と同様に、切削部位専用セグメント内部材31の断面におけるせん断抵抗及び引張抵抗も必要となる。
そこで、各凸部36の形状を設定するに当たり、各凸部36の突起高H(半径方向の高さ)、各凸部36の周方向の幅B及び互いに相隣る凸部36,36間の周方向の距離Wを設定する。なお、ずれに対する各凸部36の側面でのひびわれ発生が破壊に関する指標となることから、ずれに対する各部の抵抗力を比較することによって各凸部36の形状を設定するものとする。
ここで、樹脂製板状部材32の各凸部36の幅Bと突起高Hとは、各凸部36の側面の剥離抵抗強度が3.6N/mm2 (コンクリート強度f’cが略50N/mm2 の場合)であれば、各凸部36の断面でのガラス繊維直角方向のせん断強度が4.0N/mm2 であることから、B:Hの比率がほぼ1:1.1となる場合が各凸部36の側面と各凸部36の断面の抵抗力とが釣り合った状態となる。
また、樹脂製板状部材32の各凸部36の幅Bと互いに相隣る凸部36,36間の周方向の距離Wとは、各凸部36の頂部横の切削部位専用セグメント内部材31の突起根元部のせん断強度が3.9N/mm2 (コンクリート強度f’cが略50N/mm2 の場合)であれば、各凸部36の断面の強度はガラス繊維直角方向のせん断強度が4.0N/mm2 であることから、B:Wの比率がほぼ1:1.0となる場合が各凸部36の頂部横の切削部位専用セグメント内部材31の突起根元部と各凸部36の断面の抵抗力とが釣り合った状態となる。
よって、各凸部36の幅Bと互いに相隣る凸部36,36間の距離Wと各凸部36の突起高Hとの釣り合い比率は、B:W:Hがほぼ1:1.0:1.1となる。
また、コンクリートのせん断強度と引張強度と同程度の強度を有する接着剤を用い、コンクリートの圧縮強度の範囲を30〜80N/mm2 の範囲とした場合の比率は、
B:W:Hがほぼ1:0.7〜1.5:0.9〜1.8となる。
このとき、各凸部36の突起幅Bと互いに相隣る凸部36,36間の距離Wとの和は、1つの凸部36の応力分担幅といえるものであり、できるだけ小さい方がよい。よって、互いに相隣る凸部36,36間の距離Wについては、コンクリートの充填性を考慮して最大粗骨材寸法以上が望ましく、20mm〜25mm以上であればよい。また、各凸部36の幅Bについては、材料加工時の精度確保の観点から、5mm以上であればよい。
次に、本発明の第2の実施の形態を図14に基づいて説明する。
この第2の実施の形態では、樹脂製板状部材の最内層の構成を変更している。なお、樹脂製板状部材の最内層を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
すなわち、本実施の形態では、図14の(a)〜(c)に示すように、樹脂製板状部材32の最内層51に設けられる凹凸部52は、最内層51の本体側面より切削部位専用セグメント内部材31側(切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42側)に突出する凸部53,53,…と、この互いに相隣る凸部53,53同士の間に位置する凹部54,54,…とからなり、各凹部54を切削加工することによって構成されている。この各凸部53及び各凹部54は、前記切削部位専用セグメント内部材31及び兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に連続的に配置され、それぞれ切削部位専用セグメント内部材31及び兼用セグメント内部材42の周方向に延びている。この場合、各凸部53の周方向と直交する軸方向の両端面が、シールドトンネル1の軸線と直交する面と略平行に形成されている。
したがって、本実施の形態においても、各樹脂製板状部材32は、その接合面に設けられた凹凸部52によって切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15に対しそれぞれ凹凸接合され、当該切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15の厚み方向に接合面積を確保して強固に接合される。このため、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15と樹脂製板状部材32の接合面との間に作用する応力や、樹脂製板状部材32の曲面形状に応じて作用する剥離力が、凹凸部52による凹凸接合によって樹脂製板状部材32を剥離させることなく伝達される。これにより、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15からの樹脂製板状部材32の離脱が確実に防止され、樹脂製板状部材32を引張材として機能させて各セグメント11〜13の耐荷性能を確保することができる。
しかも、凹凸部52の各凸部53及び各凹部54が、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に連続的に配置され、それぞれ切削部位専用セグメント内部材31及び兼用セグメント内部材42の周方向に延びているので、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15と各樹脂製板状部材32の接合面との間に作用する荷重に対し、各セグメント内部材31,42の周方向と直交する軸方向で接触面積が拡大された凹凸部52によって効果的に抗することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を図15に基づいて説明する。
この第3の実施の形態では、樹脂製板状部材の最内層の構成を変更している。なお、樹脂製板状部材の最内層を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
すなわち、本実施の形態では、図15の(a)〜(c)に示すように、樹脂製板状部材32の最内層61に設けられる凹凸部62は、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向に凸部631及び凹部632が交互に配置され、かつ凸部631及び凹部632がそれぞれ切削部位専用セグメント内部材31及び兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に延びる直交方向凹凸部63と、前記切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に凸部641及び凹部642が交互に配置され、その凸部641及び凹部642がそれぞれ切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向に延びる周方向凹凸部64とを備えている。
前記直交方向凹凸部63の各凸部631は、前記周方向凹凸部64の各凹部642によって、周方向から区画されて周方向と直交する軸方向に断続的に形成されている。また、前記周方向凹凸部64の各凸部641は、前記直交方向凹凸部63の各凹部632によって、周方向と直交する軸方向から区画されて周方向に断続的に形成されている。そして、前記直交方向凹凸部63の各凸部631及び前記周方向凹凸部64の各凸部641は、前記周方向凹凸部64の各凹部642及び前記直交方向凹凸部63の各凹部632により区画されて互いに兼用され、それぞれ平面視で略矩形状を呈している。この場合、直交方向凹凸部63の各凸部631の周方向の両端面は、シールドトンネル1の軸線に沿って当該軸線から放射状に延びる面と略平行に形成されている。また、周方向凹凸部64の各凸部641の周方向と直交する軸方向の両端面は、シールドトンネル1の軸線と直交する面と略平行に形成されている。
また、前記直交方向凹凸部63の各凹部632には、その各凹部632の凹量をそれぞれ略2倍に増大させる溝部65,65,…が設けられ、この各溝部65によって、当該直交方向凹凸部63の各凹部632が消失している。
したがって、本実施の形態では、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15と各樹脂製板状部材32の接合面との間に作用する荷重に対し、凹量の増大により切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向で接触面積がさらに拡大された各溝部65によってより効果的に抗することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態を図16に基づいて説明する。
この第4の実施の形態では、樹脂製板状部材の最内層の構成を変更している。なお、樹脂製板状部材の最内層を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
すなわち、本実施の形態では、図16の(a)〜(c)に示すように、樹脂製板状部材32の最内層67に設けられる凹凸部62は、直交方向凹凸部63と周方向凹凸部64とを備えている。前記直交方向凹凸部63の各凸部631は、前記周方向凹凸部64の各凹部642によって、周方向から区画されて周方向と直交する軸方向に断続的に形成されている。また、前記周方向凹凸部64の各凸部641は、前記直交方向凹凸部63の各凹部632によって、周方向と直交する軸方向から区画されて周方向に断続的に形成されている。そして、前記直交方向凹凸部63の各凸部631及び前記周方向凹凸部64の各凸部641は、前記周方向凹凸部64の各凹部642及び前記直交方向凹凸部63の各凹部632により区画されて互いに兼用され、それぞれ平面視で略矩形状を呈している。
また、前記周方向凹凸部64の各凹部642には、その各凹部642の凹量をそれぞれ略2倍に増大させる溝部66,66,…が設けられ、この各溝部66によって、当該周方向凹凸部64の各凹部642が消失している。
したがって、本実施の形態では、切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15と各樹脂製板状部材32の接合面との間に作用する荷重に対し、凹量の増大により切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向で接触面積がさらに拡大された各溝部66によってより効果的に抗することができる。
なお、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記各実施の形態では、凹凸部35の凸部36又は直交方向凹凸部63の各凸部631の周方向の両端面を、シールドトンネル1の軸線に沿って当該軸線から放射状に延びる面と略平行に、凹凸部52の凸部53又は周方向凹凸部64の凸部53,641の周方向と直交する軸方向の両端面を、シールドトンネル1の軸線と直交する面と略平行に形成したが、図17に示すように、樹脂製板状部材32の最内層71に設けられる凹凸部72の凸部73の周方向の両端面(図17では左右両端面)が、先端に行くに従い近付くようなテーパー面に形成されていてもよい。また、図示しないが、樹脂製板状部材の最内層に設けられる凹凸部の凸部の周方向と直交する軸方向の両端面が、先端に行くに従い近付くようなテーパー面に形成されていてもよい。これらの場合には、樹脂製板状部材32の凹凸部72の各凸部73が切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15から離脱し難い形状となり、凹凸部72による切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の内外周面14,15の厚み方向への接合面積の確保と相俟ってより強固に接合することが可能となる。
また、前記各実施の形態では、各樹脂製板状部材32の最内層321に凹凸部35,52、直交方向凹凸部63及び周方向凹凸部64を切削により形成したが、型枠内において互いに対向させた各樹脂製板状部材の対向面に、粒径が数ミリ単位の川砂などを接着剤(例えばポリエステル樹脂系など)により接着し、この川砂によって凹凸部が構成されていてもよい。
また、前記各実施の形態では、兼用の各第1セグメント11Eの周方向における非切削部位領域11Cと切削部位領域11Dとの比率を略5:4又は略2:1としたが、この兼用の各第1セグメントの周方向の比率は、シールドトンネルの分岐又は合流する分岐・合流部10での切削部位と非切削部位との占める割合に基づくものであり、これに限定されるものでないことはいうまでもない。
また、前記各実施の形態では、各樹脂製板状部材32を最内層321,51,61,67、最外層322及び中間層323の3層で構成したが、各樹脂製板状部材が単一層で構成されていてもよい。この場合には、各樹脂製板状部材を切削部位専用セグメント内部材及び兼用セグメント内部材の内外周面14,15に則した円弧状に形成しておく必要がある。
また、前記各実施の形態では、切削部位専用セグメント内部材31、非切削部位専用セグメント内部材21、及び兼用セグメント内部材42の正面並びに背面のいずれか一方から突出するピン16をシールドトンネル1の周方向9°毎に設けたが、切削部位専用セグメント内部材、非切削部位専用セグメント内部材、及び兼用セグメント内部材の背面並びに正面のいずれか一方にシールドトンネルの周方向に等間隔でピンが設けられていれば、その周方向での角度は何°であってもよい。この場合、このピンと対応する切削部位専用セグメント内部材、非切削部位専用セグメント内部材、及び兼用セグメント内部材の背面並びに正面のいずれか他方に、前記ピンを嵌挿させる嵌挿孔を設ける必要がある。
また、前記各実施の形態では、切削部位専用の各第1セグメント11B及び兼用の各第1セグメント11Eを、図示しない型枠内において互いに対面させた樹脂製板状部材32,32の対向面に接着剤を塗布した状態で打設される、骨材を含有したコンクリートにより得たが、予め型枠などにより成形された切削部位専用セグメント内部材及び兼用セグメント内部材の切削部位領域11Dの内外周面に炭素繊維やガラス繊維などの無機繊維を巻き立て、これに樹脂を含浸させて固めることで樹脂製板状部材が得られるようにしてもよい。
また、前記各実施の形態では、切削部位専用セグメント内部材31として、鉄筋を含まない鋼繊維や有機繊維を混入した無筋コンクリートを用いたが、混入物を含まない無筋コンクリートが適用されていてもよい。
また、前記第1の実施の形態では、各凸部36及び各凹部37をそれぞれ切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に延ばし、前記第2の実施の形態では、各凸部53及び各凹部54を切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に連続的に配置し、前記第3及び第4の実施の形態では、直交方向凹凸部63の凸部631及び凹部632をそれぞれ切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に延ばし、周方向凹凸部64の凸部641及び凹部642を切削部位専用セグメント内部材31及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材42の周方向と直交する軸方向に配置したが、各凸部及び各凹部が切削部位専用セグメント内部材及び切削部位領域11Dに対応する兼用セグメント内部材の周方向と略直交していてもよいのはいうまでもない。
更に、前記各実施の形態では、樹脂製板状部材32として、硬質ウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂発泡体をガラス繊維で補強した複合材を適用したが、硬質ウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂発泡体を無機繊維としての炭素繊維で補強した複合材が適用されていてもよい。また、樹脂製板状部材として、繊維と樹脂を用いてプラスチックを補強したFRPが適用されていてもよい。
1 シールドトンネル
11(11B) 第1セグメント(樹脂被覆セグメント)
14 内周面
15 外周面
31 切削部位専用セグメント内部材(セグメント内部材)
32 樹脂製板状部材(樹脂製被覆部材)
35 凹凸部
42 兼用セグメント内部材(セグメント内部材)
52 凹凸部
62 凹凸部
63 直交方向凹凸部
631 凸部
632 凹部
64 周方向凹凸部
641 凸部
642 凹部
65,66 溝部

Claims (4)

  1. 周方向及び軸方向に順次組み立てることによって複数のシールドトンネル同士が分岐又は合流する分岐・合流部において当該各シールドトンネルの一部である重なり部分を構築する樹脂被覆セグメントであって、
    コンクリートよりなり、湾曲する内周面及び外周面を有するセグメント内部材と、このセグメント内部材の内周面及び外周面にそれぞれ接合される樹脂製被覆部材とを備え、
    前記セグメント内部材の内周面及び外周面に対する前記各樹脂製被覆部材の接合面には、前記セグメント内部材の内周面及び外周面に対し凹凸接合される凹凸部が設けられ
    前記凹凸部は、前記セグメント内部材の周方向に連続的に配置され、それぞれセグメント内部材の周方向と直交する方向に延びており、
    前記各樹脂製被覆部材としては、硬質ウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂発泡体をガラス繊維で補強した板状部材が適用され、
    前記ガラス繊維は、前記樹脂被覆セグメントの周方向に延び、前記凹凸部の凹部の切削加工時に直交する向きで切断されて、当該凹凸部の凸部の周方向の両端面より突出していることを特徴とする樹脂被覆セグメント。
  2. 前記凹凸部は、前記セグメント内部材の周方向と直交する方向にも連続的に配置され、それぞれセグメント内部材の周方向に延びている請求項1に記載の樹脂被覆セグメント。
  3. 前記凹凸部は、前記セグメント内部材の周方向に凹部と凸部とが交互に配置され、かつそれぞれ凹部と凸部とがセグメント内部材の周方向と直交する方向に延びる直交方向凹凸部であり、前記セグメント内部材の周方向と直交する方向に凹部と凸部とが交互に配置され、かつそれぞれ凹部と凸部とがセグメント内部材の周方向に延びる周方向凹凸部も備え、
    前記直交方向凹凸部の凹部又は前記周方向凹凸部の凹部には、その凹部の凹量を増大させる溝部が設けられている請求項1に記載の樹脂被覆セグメント。
  4. 分岐又は合流する分岐・合流部においてその一部である重なり部分が樹脂被覆セグメントを周方向及び軸方向に順次組み立てることによって構築されたシールドトンネルであって、
    前記樹脂被覆セグメントが、
    湾曲する内周面及び外周面を有してコンクリートよりなるセグメント内部材と、
    このセグメント内部材の内周面及び外周面に対しそれぞれ凹凸接合されて当該セグメント内部材の周方向と直交する方向に延びる凹凸部を有し、硬質ウレタン樹脂からなる熱硬化性樹脂発泡体を補強するために前記樹脂被覆セグメントの周方向に延びるガラス繊維を前記凹凸部の凹部の切削加工時に直交する向きで切断して当該凹凸部の凸部の周方向の両端面より突出させた板状部材よりなる樹脂製被覆部材とを備え、
    前記分岐・合流部においてその重なり部分を構築するように周方向及び軸方向に順次組み立てられることを特徴とする樹脂被覆セグメントによって構築されたシールドトンネル。
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