JP5692463B2 - ガラス強化用溶融塩 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス強化用溶融塩、強化ガラスの製造方法、及びガラス強化用溶融塩の寿命延長方法に関する。
デジタルカメラ、携帯電話およびPDA(Personal Digital Assistants)といったディスプレイ装置などのカバーガラスおよびディスプレイのガラス基板には、イオン交換等で化学強化処理したガラス(以下、化学強化ガラスともいう。)が用いられている。ガラスは理論強度が高いものの、傷がつくことで強度が大幅に低下する。化学強化ガラスは、未強化のガラスに比べて機械的強度が高く、ガラス表面に傷がつくのを防ぐため、これらの用途に好適である。
イオン交換による化学強化処理は、ガラス中に含まれる小さいイオン半径の金属イオン(例えば、Naイオン)とより大きいイオン半径の金属イオン(例えば、Kイオン)とを置換することにより、ガラス表面に圧縮応力層を生じさせてガラスの強度を向上させる処理である。
ガラス組成中にNaOを含む場合、Kイオンを含む溶融塩(無機カリウム塩)にガラスを浸漬し、ガラス中のNaイオンと溶融塩中のKイオンとをイオン交換する。溶融塩は強化処理温度で溶融状態となる無機カリウム塩が用いられるが、中でも硝酸カリウムが用いられることが多い。
化学強化ガラスの評価方法のひとつとして、表面圧縮応力(Compressive Stress:CS)が挙げられる。硝酸カリウムを主成分とする化学強化用溶融塩が、化学強化処理後にガラスに対して最高のCS値を付与することができるのは、イオン交換に供していない溶融塩(新しい溶融塩)を用いた時に限られ、実際には累積ガラス処理面積に応じて、得られるCS値は徐々に低下してしまう。
CS値が低下する要因は、イオン交換によりガラス中から溶出するNaイオンによって硝酸カリウム溶融塩が希釈されることに起因し、Naイオン濃度とCS値低下には相関があることが知られている。そこで、ある一定値以上のCS値が得られなくなったら、溶融塩のすべて又は一部を新しい溶融塩に交換する方法が考えられる。しかしながら、これらの方法では、溶融塩の交換頻度が高くなり、高コスト化や交換時のダウンタイムによる処理効率の低下が懸念される。
そこで、溶融塩の使用寿命(ライフ)を延長する方法が検討されている。例えば非特許文献1には硝酸カリウム溶融塩にあらかじめシリカを添加してNaイオンによる影響を緩和する方法が開示されている。
Nagaoka Gijutsu Kagaku Daigaku Kenkyu Hokoku(1982),4,1−4.
しかしながら、非特許文献1に記載されているシリカ添加による効果は、シリカ0.1%ドープに対し、硝酸カリウムに対する硝酸ナトリウムが0.2%、すなわちNaイオンが500ppmというごくわずかな量で混在している場合に溶融塩の寿命が長くなる旨の記載しかなく、Naイオン量が多い場合について言及されていない。
そこで本発明では、ガラスの化学強化に使用する硝酸カリウムを含む溶融塩について、使用寿命が十分に延長された溶融塩を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研鑽を積んだ結果、硝酸カリウムを含む溶融塩に、炭酸アニオン及びリン酸アニオンのうち少なくとも一方を含むように、炭酸カリウム及びリン酸カリウムのうち1以上をガラスの化学強化処理前にあらかじめ添加することにより、溶融塩の使用寿命が延長できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
<1>
イオン交換によりガラス表面に圧縮応力層を形成するために用いるガラス強化用溶融塩であって、
硝酸カリウムを含有し、さらに炭酸アニオン(ただし、固相を除く)及びリン酸アニオン(ただし、固相を除く)のうち少なくとも一方を含有するガラス強化用溶融塩。
<2>
硝酸カリウム、炭酸アニオン及びリン酸アニオンを含有する上記<1>に記載のガラス強化用溶融塩。
<3>
前記炭酸アニオンが、炭酸カリウムのアニオン種であり、前記リン酸アニオンが、オルトリン酸カリウム及びピロリン酸カリウムのうち少なくとも一方のアニオン種である上記<1>または<2>に記載のガラス強化用溶融塩。
<4>
前記炭酸カリウムの含有量が前記硝酸カリウムに対し3.5モル%以上である上記<3>に記載のガラス強化用溶融塩。
<5>
前記オルトリン酸カリウムの含有量が前記硝酸カリウムに対し0.8モル%以上である上記<3>または<4>に記載のガラス強化用溶融塩。
<6>
前記ピロリン酸カリウムの含有量が前記硝酸カリウムに対し1モル%以上である上記<3>〜<5>のいずれか1に記載のガラス強化用溶融塩
本発明に係る溶融塩によれば、ガラスから溶出するNaイオン濃度の増加により生じる表面圧縮応力(CS)の低下が抑制又は緩和され、溶融塩の使用寿命を延長することができる。その結果、溶融塩の交換頻度が下がり、化学強化処理の低コスト化やスループットの向上が可能となる。
図1は、硝酸カリウム溶融塩に他の無機カリウム塩を添加せずに化学強化処理を行った場合の、溶融塩中のNaイオン濃度とCS値との関係を示したグラフである。 図2は、硝酸カリウム溶融塩にオルトリン酸カリウムを添加して化学強化処理を行った場合の、硝酸カリウムに対するNa添加量と、得られたCS値との関係を示したグラフである。 図3は、溶融塩へのオルトリン酸カリウムの添加量と溶融塩の寿命比との関係を示したグラフである。 図4は、硝酸カリウム溶融塩に炭酸カリウムを添加して化学強化処理を行った場合の、硝酸カリウムに対するNa添加量と、得られたCS値との関係を示したグラフである。 図5は、溶融塩への炭酸カリウムの添加量と溶融塩の寿命比との関係を示したグラフである。 図6は、硝酸カリウム溶融塩にピロリン酸カリウムを添加して化学強化処理を行った場合の、硝酸カリウムに対するNa添加量と、得られたCS値との関係を示したグラフである。 図7は、溶融塩へのピロリン酸カリウムの添加量と溶融塩の寿命比の関係を示したグラフである。 図8は、溶融塩に添加したオルトリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム及び炭酸カリウムのアニオン種の全イオン交換能力と溶融塩の寿命比との関係を示したグラフである。 図9は、硝酸カリウム溶融塩にシリカを添加して化学強化処理を行った場合の、硝酸カリウムに対するNa添加量と、得られたCS値との関係を示したグラフである。 図10は、溶融塩へのシリカの添加量と溶融塩の寿命比の関係を示したグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお本明細書において“質量%”と“重量%”とは同義である。
<溶融塩>
本発明のガラス強化用溶融塩(以下、本発明の溶融塩とも称する。)は、無機カリウム塩を含有する。無機カリウム塩としては化学強化を行うガラスの歪点(通常500〜600℃)以下に融点を有するものが好ましく、本発明においては硝酸カリウム(融点330℃)を主成分として含有する。硝酸カリウムが主成分であれば、ガラスの歪点以下で溶融状態であり、かつ使用温度領域においてハンドリングが容易な点から、好ましい。ここで主成分とは50質量%以上含有することを意味する。
本発明の溶融塩はさらに、主成分である硝酸カリウムに加えて、炭酸アニオン及びリン酸アニオンのうち少なくとも一方を含有する。これにより、炭酸アニオン及びリン酸アニオンを含まない場合に比して溶融塩の使用寿命を延ばすことができる。
化学強化処理において同じ溶融塩を使用し続けると、化学強化処理に供していない溶融塩(以下、「初期状態の溶融塩」、または「新たな溶融塩」とも称する。)で化学強化した場合と比べて、ガラスに付与できるCS値が累積ガラス処理面積に応じて徐々に低下する。
本発明では、化学強化処理を行う前の溶融塩に、炭酸アニオン及びリン酸アニオンのうち少なくとも一方を含むように、予め炭酸カリウム及びリン酸カリウムのうち1以上を混合し、化学強化処理を行うことで、ナトリウム溶出初期ではあらかじめ溶融塩中に存在する炭酸アニオン、リン酸アニオンによりナトリウムがトラップされ、ガラス表面近傍のナトリウムイオン濃度が低下する。さらに炭酸アニオン、リン酸アニオンのナトリウム塩は飽和溶解度分を超えると析出するため、溶融塩中のナトリウムイオン濃度の上昇を抑制する。このような作用によって、溶融塩の寿命の延長が可能となると考えられる。
添加する炭酸カリウムやリン酸カリウム等による寿命延長能力を定量的に比較・評価するには次のように考えられる。たとえば、オルトリン酸カリウムの場合、オルトリン酸カリウムを構成するアニオンはPO 3−なので、3価のアニオンである。アニオンの価数が大きいほどカチオンを引き付ける力が強く、カチオンを保持しやすくなる。
オルトリン酸カリウムには1価のカチオンKが3つあるが、リン酸の酸解離定数(pKa1=1.83、pka2=6.43、pka3=11.46)より、溶融塩中でNaイオンと交換されるのは3つのカリウムのうち1つと考えると、オルトリン酸カリウム1モルあたりの潜在的なNa−Kイオン交換能力は、
潜在的なNa−Kイオン交換能力=(アニオン種の価数)×(交換可能なKイオン量)=3×1=3
と評価できる。これより、溶融塩へ添加したオルトリン酸カリウムの全イオン交換能力は、
全イオン交換能力=(オルトリン酸カリウム添加量)×(潜在的なNa―Kイオン交換能力)
により求めることができる。
この全イオン交換能力が高いほど、ガラスとイオン交換した溶融塩中のNaイオンがさらに、添加した無機カリウム塩のKイオンとイオン交換される確率が高くなり、溶融塩中のナトリウムによるイオン交換阻害を緩和し、溶融塩の寿命延長に貢献すると考えられる。
本発明では、溶融塩の使用寿命(ライフ)を定量的に評価するために以下の指標を用いる。まず、所望のCS値とは、初期状態の硝酸カリウムからなる溶融塩により得られるCS値を100%としたときの、90%以上のCS値と定義する。そして、化学強化処理で所望のCS値を得られなくなったとき、すなわち、所望のCS値に対してCS値が10%以上低下するときの溶融塩中のNaイオン濃度を、溶融塩の使用寿命と定義する。
なお、溶融塩の寿命は次のように評価することができる。まず、化学強化処理を繰返し行った後の状態を疑似的に作るため、Naイオン源として所定量の硝酸ナトリウムを溶融塩に意図的に添加する。そしてNaイオン源が添加された溶融塩でガラスを化学強化処理し、処理後のガラスのCS値が所望のCS値を下回ったとき、硝酸ナトリウムの添加量からNaイオン濃度を算出して、これを溶融塩の寿命の指標とすることができる。
本発明の溶融塩が炭酸カリウムを含有する場合、その含有量は溶融塩中の硝酸カリウムに対して3.5モル%〜24モル%(5.0質量%〜30質量%)が好ましく、8.0モル%〜24モル%(10.9質量%〜30質量%)がより好ましく、16.0モル%〜24モル%(21.5質量%〜30質量%)が特に好ましい。
硝酸カリウムに対する炭酸カリウムの添加量が30質量%以下であれば、融点が高い炭酸カリウムによる溶融塩中の固相量増加のおそれがなく、ハンドリングが良好である。また、イオン交換処理中に温度ムラが生じるおそれがなく、ガラス全体を均一にイオン交換できる。
リン酸カリウムとしては、オルトリン酸カリウム(KPO)、ピロリン酸カリウム(K)、メタリン酸カリウムが挙げられ、オルトリン酸カリウムが、添加したアニオン種の全イオン交換能力に対するライフ延長効率の点から好ましい。
リン酸カリウムとしてオルトリン酸カリウムを添加する場合、オルトリン酸カリウムは、水和物であっても脱水処理を行ったものであってもよい。また、溶融塩中のオルトリン酸カリウムの含有量は硝酸カリウムに対して0.8モル%〜13.5モル%(1.5質量%〜25質量%)が好ましく、1.5モル%〜13.5モル%(3.0質量%〜25質量%)がより好ましく、3.0モル%〜13.5モル%(6.0質量%〜25質量%)がさらに好ましく、6.0モル%〜13.5モル%(11.5質量%〜25質量%)が特に好ましい。下限がかかる範囲であれば所望のCS値が得られる溶融塩ライフを2倍以上に延長できるため好ましい。
また、オルトリン酸カリウムは融点が高く(>1000℃)、化学強化に使用する温度領域(<500℃)では硝酸カリウムに溶解する量はごくわずかである。そのため過剰量を添加すると容器の底に沈殿物が堆積して溶融塩のハンドリングが悪くなる。よって、硝酸カリウムに対して25質量%以下であれば、オルトリン酸カリウムの固相の割合が抑えられ、化学強化に使用可能な液相容積を十分確保でき、溶融塩中のリン酸カリウム沈殿物がガラスに接触しガラス表面の腐食を誘因するおそれがなく、好ましい。
リン酸カリウムとしてピロリン酸カリウムを添加する場合、溶融塩中の硝酸カリウムに対して3.5モル%〜9.0モル%(10.5質量%〜25質量%)であることが好ましく、7.5モル%以上(21.0質量%以上)であることがより好ましい。下限がかかる範囲であれば所望のCS値が得られる溶融塩ライフを2倍以上に延長できるため好ましい。
また、ピロリン酸カリウムもオルトリン酸カリウムと同様に、過剰量の添加により粉末が化学強化用ガラスに接触するとガラス表面を腐食するおそれがあるため、ピロリン酸カリウムの含有量の上限は25質量%とすることが好ましい。
なお、上記炭酸カリウムとリン酸カリウムを併用してもよい。その場合、炭酸カリウムとリン酸カリウムの各々の添加量は、それぞれ上記範囲を満たせば、いかなる組み合わせであってもよい。
本発明の溶融塩は、硝酸カリウム、炭酸カリウム及びリン酸カリウムの他に、本発明の効果を阻害しない範囲で他の化学種を含んでいてよく、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ硫酸塩や、アルカリ塩化塩などが挙げられる。なおこれらの複数種を組み合わせて用いてもよい。
<溶融塩の製造方法>
本発明の溶融塩は下記に示す工程により製造することができる。
工程1:硝酸カリウム溶融塩の調製
工程2:溶融塩への他の無機カリウム塩の添加
(工程1)
工程1では、硝酸カリウムを容器に投入し、融点以上の温度に加熱して溶融することで、溶融塩を調製する。硝酸カリウムは融点が330℃、沸点が500℃なので、その範囲内の温度で溶融を行う。特に溶融温度を350〜470℃とすることがガラスに付与できる表面圧縮応力と応力層深さのバランスおよび強化時間の点からより好ましい。
硝酸カリウムを溶融する容器は、金属、石英、セラミックスなどを用いることができる。中でも、耐久性の観点から金属材質が望ましく、耐食性の観点からはステンレススチール(SUS)材質が望ましい。
(工程2)
工程2では、工程1で調製した硝酸カリウム溶融塩中に、炭酸カリウム、リン酸カリウム等の、硝酸カリウム以外の無機カリウム塩を添加し、温度を一定範囲に保ちながら、攪拌翼などにより、全体が均一になるように混合する。炭酸カリウムとリン酸カリウムを併用する場合、添加順序は限定されず、いずれかを先に添加しても、同時に添加してもよい。温度は硝酸カリウムの融点以上、すなわち330℃以上が好ましく、350〜500℃がより好ましい。また、攪拌時間は1分〜10時間が好ましく、10分〜2時間がより好ましい。その後、析出物が沈殿するまで静置する。この析出物には、飽和溶解度を超えた炭酸カリウムやリン酸カリウム、また炭酸アニオンのナトリウム塩、リン酸アニオンのナトリウム塩が含まれる。
このように、本発明の溶融塩を製造することができる。
<化学強化処理>
次に、本発明の溶融塩を用いた化学強化処理方法を説明する。
化学強化処理は、ガラスを溶融塩に浸漬し、ガラス中の金属イオンを、溶融塩中のイオン半径の大きな金属イオンと置換することで行われる。このイオン交換によってガラス表面の組成を変化させ、ガラス表面層に圧縮応力を発生させることで、ガラスを強化することができる。
本発明における化学強化処理は、上記の溶融塩の製造方法(工程1、工程2)に続く以下に示す工程によって行うことができる。
工程3:ガラスの化学強化処理
工程4:溶融塩の廃棄
(工程3)
工程3では、ガラスを予熱し、前記工程1及び工程2で調製した溶融塩を、化学強化を行う温度に調整する。次いで予熱したガラスを溶融塩中に所定の時間浸漬したのち、ガラスを溶融塩中から引き上げ、放冷する。なお、ガラスには、化学強化処理の前に、用途に応じた形状加工、例えば、切断、端面加工および穴あけ加工などの機械的加工を行うことが好ましい。
ガラスの予熱温度は、溶融塩に浸漬する温度に依存するが、一般に100℃以上であることが好ましい。
化学強化温度は、被強化ガラスの歪点(通常500〜600℃)以下が好ましく、より高い圧縮応力層深さ(Depth of Layer:DOL)を得るためには特に350℃以上が好ましい。
ガラスの溶融塩への浸漬時間は10分〜12時間が好ましく、30分〜10時間がさらに好ましい。かかる範囲にあれば、強度と圧縮応力層の深さのバランスに優れた化学強化ガラスを得ることができる。
(工程4)
工程3を繰り返し行うと、溶融塩−ガラス間のイオン交換によって、溶融塩中のNaイオン濃度が高くなってくるために、ガラス処理面積が増えるに連れて溶融塩のイオン交換能力が低下し、所望のCS値が得られなくなる。そこで工程4では、溶融塩中のNaイオン濃度、又は化学強化後の表面圧縮応力(CS)値を測定することによって、溶融塩を継続使用して化学強化処理が可能であるか、溶融塩を廃棄するかを判断する。
<ガラス>
本発明で使用されるガラスはナトリウムを含んでいればよく、成形、化学強化処理による強化が可能な組成を有するものである限り、種々の組成のものを使用することができる。具体的には、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛ガラス、アルカリバリウムガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等が挙げられる。
ガラスの製造方法は特に限定されず、所望のガラス原料を連続溶融炉に投入し、ガラス原料を好ましくは1500〜1600℃で加熱溶融し、清澄した後、成形装置に供給した上で溶融ガラスを板状に成形し、徐冷することにより製造することができる。
なお、ガラスの成形には種々の方法を採用することができる。例えば、ダウンドロー法(例えば、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウン法およびリドロー法等)、フロート法、ロールアウト法およびプレス法等の様々な成形方法を採用することができる。
ガラスの厚みは、特に制限されるものではないが、化学強化処理を効果的に行うために、通常5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
本発明の化学強化用ガラスの組成としては特に限定されないが、例えば、以下のガラスの組成が挙げられる。
(i)モル%で表示した組成で、SiOを50〜80%、Alを2〜25%、LiOを0〜10%、NaOを0〜18%、KOを0〜10%、MgOを0〜15%、CaOを0〜5%およびZrOを0〜5%を含むガラス
(ii)モル%で表示した組成が、SiOを50〜74%、Alを1〜10%、NaOを6〜14%、KOを3〜11%、MgOを2〜15%、CaOを0〜6%およびZrOを0〜5%含有し、SiOおよびAlの含有量の合計が75%以下、NaOおよびKOの含有量の合計が12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス
(iii)モル%で表示した組成が、SiOを68〜80%、Alを4〜10%、NaOを5〜15%、KOを0〜1%、MgOを4〜15%およびZrOを0〜1%含有するガラス
(iv)モル%で表示した組成が、SiOを67〜75%、Alを0〜4%、NaOを7〜15%、KOを1〜9%、MgOを6〜14%およびZrOを0〜1.5%含有し、SiOおよびAlの含有量の合計が71〜75%、NaOおよびKOの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス
ガラスは、必要に応じて化学強化処理前に研磨してもよい。研磨方法としては、例えば研磨スラリーを供給しながら研磨パッドで研磨する方法が挙げられ、研磨スラリーには、研磨材と水を含む研磨スラリーが使用できる。研磨材としては、酸化セリウム(セリア)およびシリカが好ましい。
ガラスを研磨した場合、研磨後のガラスを洗浄液により洗浄する。洗浄液としては、中性洗剤および水が好ましく、中性洗剤で洗浄した後に水で洗浄することがより好ましい。中性洗剤としては市販されているものを用いることができる。
前記洗浄工程により洗浄したガラス基板を、洗浄液により最終洗浄する。洗浄液としては、例えば、水、エタノールおよびイソプロパノールなどが挙げられる。中でも水が好ましい。
前記最終洗浄ののち、ガラスを乾燥させる。乾燥条件は、洗浄工程で用いた洗浄液、およびガラスの特性等を考慮して最適な条件を選択すればよい。
以下に本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(ガラス組成)
化学強化するガラスには、ソーダライムガラス及びアルミノシリケートガラスの2種類のガラスを用いた。
ソーダライムガラス(モル%で表示した組成):SiO 72.0%、Al 1.1%、Na 12.6%、KO 0.2%、MgO 5.5%、CaO 8.6%
アルミノシリケートガラス(モル%で表示した組成):SiO 64.4%、Al 8.0%、Na 12.5%、KO 4.0%、MgO 10.5%、CaO 0.1%、SrO 0.1%、BaO 0.1%、ZrO 2.5%
(ガラスの評価)
ガラスの評価は、表面圧縮応力(CS)と圧縮応力層深さ(DOL)を測定することにより行った。CS及びDOLは、表面応力計(折原製作所製 FSM−6000LE)を用いガラス表面と内部の屈折率差を測定することで求めた。
参考例1:オルトリン酸カリウムの添加]
参考例1A−1〜1A−6)
参考例1A−1)
SUS製のカップに硝酸カリウム250gを加え、マントルヒーターで430℃まで加熱して溶融塩を調製した。こうして調製した溶融塩にオルトリン酸カリウム三水和物を30.4g(硝酸カリウムに対するKPO含有量:4.4mol%)添加し、撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、2時間静置した。その後ソーダライムガラスを100℃に予熱し、430℃の溶融塩に4時間浸漬して化学強化処理を行った。その後ガラスを100℃のイオン交換水で洗浄し、60℃で2時間乾燥した。化学強化処理後の当該ガラスのCS、DOLを各々測定した。
参考例1A−2)
参考例1A−1で化学強化処理を行った溶融塩に、硝酸ナトリウムを0.93g添加し、撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、2時間静置した。その後ソーダライムガラスを100℃に予熱し、430℃の溶融塩に4時間浸漬して化学強化処理を行った。ガラスを100℃のイオン交換水で洗浄し、60℃で2時間乾燥した。その後CS、DOLを各々測定した。
参考例1A−3)
参考例1A−2で化学強化処理を行った溶融塩に、さらに硝酸ナトリウムを0.92g添加し(硝酸ナトリウムの添加量は合計で1.85g)、撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、2時間静置した。その後ソーダライムガラスを100℃に予熱し、430℃の溶融塩に4時間浸漬して化学強化処理を行った。ガラスを100℃のイオン交換水で洗浄し、60℃で2時間乾燥した。その後CS、DOLを各々測定した。
参考例1A−4)
参考例1A−3で化学強化処理を行った溶融塩に、さらに硝酸ナトリウムを0.94g添加し(硝酸ナトリウムの添加量は合計で2.79g)、撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、2時間静置した。ソーダライムガラスを100℃に予熱し、430℃の溶融塩に4時間浸漬して化学強化処理を行った。ガラスを100℃のイオン交換水で洗浄し、60℃で2時間乾燥した。その後CS、DOLを各々測定した。
参考例1A−5)
参考例1A−4で化学強化処理を行った溶融塩に、さらに硝酸ナトリウムを1.93g添加し(硝酸ナトリウムの添加量は合計で4.72g)、撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、2時間静置した。ソーダライムガラスを100℃に予熱し、430℃の溶融塩に4時間浸漬して化学強化処理を行った。ガラスを100℃のイオン交換水で洗浄し、60℃で2時間乾燥した。その後CS、DOLを各々測定した。
参考例1A−6)
参考例1A−5で化学強化処理を行った溶融塩に、さらに硝酸ナトリウムを4.87g添加し(硝酸ナトリウムの添加量は合計で9.59g)、撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、2時間静置した。ソーダライムガラスを100℃に予熱し、430℃の溶融塩に4時間浸漬して化学強化処理を行った。ガラスを100℃のイオン交換水で洗浄し、60℃で2時間乾燥した。その後CS、DOLを各々測定した。
参考例1B−1〜1B−6)
ガラスをアルミノシリケートガラスに換えた以外は参考例1A−1〜1A−6と同様に、溶融塩を調製して、化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
[比較例1:硝酸カリウムのみ]
(比較例1A−1〜1A−6)
オルトリン酸カリウム三水和物を添加せず硝酸カリウムのみの溶融塩を用いた以外は実施例1A−1〜1A−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。(比較例1B−1〜1B−6)
オルトリン酸カリウム三水和物を添加せず硝酸カリウムのみの溶融塩を用いた以外は実施例1B−1〜1B−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
[実施例2:オルトリン酸カリウム添加]
(実施例2A−1〜2A−6)
オルトリン酸カリウム三水和物の添加量を6.7g(硝酸カリウムに対するKPO含有量:1mol%)とした以外は実施例1A−1〜1A−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
(実施例2B−1〜2B−6)
オルトリン酸カリウム三水和物の添加量を6.7g(硝酸カリウムに対するKPO含有量:1mol%)とした以外は実施例1B−1〜1B−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
参考例3:オルトリン酸カリウム添加]
参考例3A−1〜3A−6)
オルトリン酸カリウム三水和物の添加量を43.2g(硝酸カリウムに対するKPO含有量:6mol%)とした以外は参考例1A−1〜1A−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
参考例3B−1〜3B−6)
オルトリン酸カリウム三水和物の添加量を43.2g(硝酸カリウムに対するKPO含有量:6mol%)とした以外は参考例1B−1〜1B−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
参考例1、実施例2、参考例3の測定結果を表1に、比較例1の測定結果を表2に示す。
Figure 0005692463
Figure 0005692463
[実施例4:炭酸カリウム添加]
(実施例4A−1)
SUS製のカップに硝酸カリウム250gを加え、マントルヒーターで430℃まで加熱して溶融塩を調製した。こうして調製した溶融塩に炭酸カリウムを29.7g(硝酸カリウムに対するKCO含有量:8mol%)添加し、撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて10時間撹拌し、2時間静置した。その後ソーダライムガラスを100℃に予熱し、430℃の溶融塩に4時間浸漬して化学強化処理を行った。その後ガラスを100℃のイオン交換水で洗浄し、60℃で2時間乾燥した。化学強化処理後の当該ガラスのCS、DOLを各々測定した。
(実施例4A−2〜4A−6)
実施例1A−2〜1A−6と同様に、化学強化処理を行った溶融塩に順次硝酸ナトリウムを添加し、化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
(実施例4B−1〜4B−6)
ガラスをアルミノシリケートガラスに換えた以外は実施例4A−1〜4A−6と同様に、溶融塩を調製して、化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
[実施例5:炭酸カリウム添加]
(実施例5A−1〜5A−6)
炭酸カリウムの添加量を18.0g(硝酸カリウムに対するKCO含有量:5mol%)とした以外は実施例4A−1〜4A−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
(実施例5B−1〜5B−6)
炭酸カリウムの添加量を18.0g(硝酸カリウムに対するKCO含有量:5mol%)とした以外は実施例4B−1〜4B−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
参考例6:炭酸カリウム添加]
参考例6A−1〜6A−6)
炭酸カリウムの添加量を55.6g(硝酸カリウムに対するKCO含有量:14mol%)とした以外は実施例4A−1〜4A−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
参考例6B−1〜6B−6)
炭酸カリウムの添加量を55.6g(硝酸カリウムに対するKCO含有量:14mol%)とした以外は実施例4B−1〜4B−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
実施例4、5、参考例6の測定結果を表3に示す。
Figure 0005692463
参考例7:ピロリン酸カリウム添加]
参考例7A−1〜7A−6)
参考例7A−1)
SUS製のカップに硝酸カリウム250gを加え、マントルヒーターで430℃まで加熱して溶融塩を調製した。こうして調製した溶融塩にピロリン酸カリウム三水和物を30.4g(硝酸カリウムに対するK含有量:4.4mol%)添加し、撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、2時間静置した。その後ソーダライムガラスを100℃に予熱し、430℃の溶融塩に4時間浸漬して化学強化処理を行った。その後ガラスを100℃のイオン交換水で洗浄し、60℃で2時間乾燥した。化学強化処理後の当該ガラスのCS、DOLを各々測定した。
参考例7A−2〜7A−6)
参考例1A−2〜1A−6と同様に、化学強化処理を行った溶融塩に順次硝酸ナトリウムを添加し、化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
参考例7B−1〜7B−6)
ガラスをアルミノシリケートガラスに換えた以外は参考例7A−1〜7A−6と同様に、溶融塩を調製して、化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
[実施例8:ピロリン酸カリウム添加]
(実施例8A−1〜8A−6)
ピロリン酸カリウム三水和物の添加量を6.7g(硝酸カリウムに対するK含有量:1mol%)とした以外は実施例7A−1〜7A−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
(実施例8B−1〜8B−6)
ピロリン酸カリウム三水和物の添加量を6.7g(硝酸カリウムに対するK含有量:1mol%)とした以外は実施例7B−1〜7B−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
参考例9:ピロリン酸カリウム添加]
参考例9A−1〜9A−6)
ピロリン酸カリウム三水和物の添加量を43.2g(硝酸カリウムに対するK含有量:6mol%)とした以外は参考例7A−1〜7A−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
参考例9B−1〜9B−6)
ピロリン酸カリウム三水和物の添加量を43.2g(硝酸カリウムに対するK含有量:6mol%)とした以外は参考例7B−1〜7B−6と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
参考例7、実施例8、参考例9の測定結果を表4に示す。
Figure 0005692463
(溶融塩の寿命の評価)
比較例1の結果に基づき、硝酸カリウム溶融塩に他の無機カリウム塩を添加せずに化学強化処理を行った場合の、溶融塩中のNaイオン濃度(NaNOをA(mol)、KNOをB(mol)としたときのA/(A+B)の値)とCSとの関係を図1にまとめた。図1の結果から、化学強化ガラスのCSは、ソーダライムガラス(比較例1A)よりもアルミノシリケートガラス(比較例1B)の方が一様に高い値が得られたことが分かる。そこで、以下、無機カリウム塩の溶融塩への添加の効果を実証するために、アルミノシリケートガラスでの結果を用いて今後の考察を行う。
そして、比較例1Bにおいて、初期状態の溶融塩(比較例1B−1)により付与されたCS値が864MPaであったことから、これより約10%低下したCS値(800MPa)を劣化状態の基準とした。すなわち、CS値が800MPaとなるときの溶融塩中のNaイオン含有量(硝酸ナトリウムに対する添加量(mol%))を溶融塩の寿命の指標として、以後評価した。
(溶融塩へのオルトリン酸カリウム添加の効果)
参考例1B、実施例2B、及び参考例3Bの結果に基づき、硝酸カリウム溶融塩にオルトリン酸カリウムを添加して化学強化処理を行った場合の、硝酸カリウム(KNO)に対するNa添加量(質量ppm)と、得られたCSとの関係を図2にまとめた。比較のために、硝酸カリウムのみ、すなわち無機カリウム塩が未添加の場合の関係についても併せて示す(比較例1B)。
そして図2の各関係から、直線近似により、CS値が800MPaとなるときの溶融塩中のNaイオン含有量(硝酸ナトリウムに対する添加量(mol%))をそれぞれ算出した。さらに、当該Naイオン含有量から、溶融塩に硝酸カリウム以外の無機カリウム塩を添加しない場合(比較例1B−1)を溶融塩寿命の基準(1.00倍)とし、寿命比を算出した。
また、先述した方法により、オルトリン酸カリウム添加量に対応する全イオン交換能力を算出した。オルトリン酸カリウムはアニオンの価数が3であるから、交換可能なカリウムイオン数を1とすると、潜在的なNa−Kイオン交換能力は3である。
全イオン交換能力=(オルトリン酸カリウム添加量)×(潜在的なNa―Kイオン交換能力)
以上の結果を表5に示す。
さらに、硝酸カリウムに対するオルトリン酸カリウムの添加量(mol%)と、溶融塩の寿命比(硝酸カリウムのみの溶融塩の寿命を1.00倍としたときの比)の関係を図3に示す。
Figure 0005692463
図2より、溶融塩にオルトリン酸カリウムを添加しない場合、溶融塩中のNa量の増加に従って、強化ガラスのCSの低下が顕著であったのに対し(比較例1B)、オルトリン酸カリウムを溶融塩にあらかじめ添加することでCSの低下が非常に緩やかになった(参考例1B、実施例2B及び参考例3B)。また、図3より、オルトリン酸カリウムの添加量の増加に伴い、溶融塩の寿命延長効果が高まることが分かる。
以上より、オルトリン酸カリウムの添加が溶融塩の長寿命化に著しい効果を奏することが分かった。
(溶融塩への炭酸カリウム添加の効果)
実施例4B、実施例5B、及び参考例6Bの結果に基づき、硝酸カリウム溶融塩に炭酸カリウムを添加して化学強化処理を行った場合の、硝酸カリウム(KNO)に対するNa添加量(質量ppm)と、得られたCSとの関係を図4にまとめた。比較のために、硝酸カリウムのみ、すなわち無機カリウム塩が未添加の場合の関係についても併せて示す(比較例1B)。
図4の各関係から、上記と同様にして、直線近似により、CS値が800MPaとなるときの溶融塩中のNaイオン含有量を算出し、さらにNaイオン含有量から寿命比を算出した。
また、先述した方法により、炭酸カリウム添加量に対応する全イオン交換能力を算出した。炭酸カリウムはアニオンの価数が2であるから、交換可能なカリウムイオン数を1とすると、潜在的なNa−Kイオン交換能力は2である。
全イオン交換能力=(炭酸カリウム添加量)×(潜在的なNa―Kイオン交換能力)
以上の結果を表6に示す。
さらに、硝酸カリウム(KNO)に対する炭酸カリウムの添加量(mol%)と溶融塩の寿命比(硝酸カリウムのみの溶融塩の寿命を1.00倍としたときの比)の関係を図5に示す。
Figure 0005692463
図4より、溶融塩に炭酸カリウムを添加しない場合、溶融塩中のNa量が多くなるに従って、強化ガラスのCSの低下が顕著であったのに対し(比較例1B)、炭酸カリウムを溶融塩にあらかじめ添加することでCSの低下が緩やかになった(実施例4B、5B及び参考例6B)。また、図5より、炭酸カリウムの添加量の増加に伴い、溶融塩の寿命延長効果が高まることが分かる。
以上より、炭酸カリウムの添加が溶融塩の長寿命化に著しい効果を奏することが分かった。
(溶融塩へのピロリン酸カリウム添加の効果)
実施例4B、実施例5B、及び参考例6Bの結果に基づき、硝酸カリウム溶融塩にピロリン酸カリウムを添加して化学強化処理を行った場合の、硝酸カリウム(KNO)に対するNa添加量(質量ppm)と、得られたCSとの関係を図6にまとめた。比較のために、硝酸カリウムのみ、すなわち無機カリウム塩が未添加の場合の関係についても併せて示す(比較例1B)。
図6の各関係から、上記と同様にして、直線近似により、CS値が800MPaとなるときの溶融塩中のNaイオン含有量を算出し、さらにNaイオン含有量から寿命比を算出した。
また、先述した方法により、ピロリン酸カリウム添加量に対応する全イオン交換能力を算出した。ピロリン酸カリウムはアニオンの価数が4であるから、交換可能なカリウムイオン数を1とすると、潜在的なNa−Kイオン交換能力は4である。
全イオン交換能力=(ピロリン酸カリウム添加量)×(潜在的なNa―Kイオン交換能力)
以上の結果を表7に示す。
さらに、硝酸カリウム(KNO)に対するピロリン酸カリウムの添加量(mol%)と溶融塩の寿命比(硝酸カリウムのみの溶融塩の寿命を1.00倍としたときの比)の関係を図7に示す。
Figure 0005692463
図6より、溶融塩にピロリン酸カリウムを添加しない場合、溶融塩中のNa量が多くなるに従って、強化ガラスのCSの低下が顕著であったのに対し(比較例1B)、ピロリン酸カリウムを溶融塩にあらかじめ添加することでCSの低下が緩やかになった(参考例7B、実施例8B及び参考例9B)。また、図7より、ピロリン酸カリウムの添加量の増加に伴い、溶融塩の寿命延長効果が高まることが分かる。
以上より、ピロリン酸カリウムの添加が溶融塩の長寿命化に著しい効果を奏することが分かった。
以上を総括して、溶融塩に添加したリン酸カリウム又は炭酸カリウムの各無機カリウム塩(アニオン種)の全イオン交換能力(添加したアニオン種の価数×添加量(mol%))と溶融塩の寿命比(硝酸カリウムのみの溶融塩の寿命を1.00倍としたときの比)との関係を図8に示す。
図8より、硝酸カリウムを主成分とするガラス強化用溶融塩に対し、これら無機カリウム塩をあらかじめ添加することにより、寿命の長期化を実現することができる。中でも、オルトリン酸カリウムによる寿命延長効果は著しいことが分かる。
[比較例2:シリカ粉末添加]
(比較例2A−1〜2A−4)
(比較例2A−1)
SUS製のカップに硝酸カリウム250gを加え、マントルヒーターで430℃まで加熱して溶融塩を調製した。こうして調製した溶融塩にシリカ粉末を0.2g(硝酸カリウムに対するSiO含有量:0.1質量%)添加し、撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、2時間静置した。その後ソーダライムガラスを100℃に予熱し、430℃の溶融塩に4時間浸漬して化学強化処理を行った。その後ガラスを100℃のイオン交換水で洗浄し、60℃で2時間乾燥した。化学強化処理後の当該ガラスのCS、DOLを各々測定した。
(比較例2A−2〜2A−4)
実施例7A−2〜7A−4と同様に、化学強化処理を行った溶融塩に順次硝酸ナトリウムを添加し、化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
(比較例2B−1〜2B−4)
ガラスをアルミノシリケートガラスに換えた以外は比較例2A−1〜2A−4と同様に、溶融塩を調製して、化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
[比較例3:シリカ粉末添加]
(比較例3A−1〜3A−4)
シリカ粉末の添加量を25.1g(硝酸カリウムに対するSiO含有量:10質量%)とした以外は比較例2A−1〜2A−4と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
(比較例3B−1〜3B−4)
シリカ粉末の添加量を25.1g(硝酸カリウムに対するSiO含有量:10質量%)とした以外は比較例2B−1〜2B−4と同様に化学強化処理を行い、CS、DOLを各々測定した。
比較例2A、2B、3A及び3Bの測定結果を表8に示す。
Figure 0005692463
(溶融塩へのシリカ添加の効果)
比較例2B、3Bの結果に基づき、硝酸カリウム溶融塩にシリカを添加して化学強化処理を行った場合の、硝酸カリウム(KNO)に対するNa添加量(質量ppm)と、得られたCSとの関係を図9にまとめた。比較のために、硝酸カリウムのみ、すなわち無機カリウム塩が未添加の場合の関係についても併せて示す(比較例1B)。
そして図9の各関係から、直線近似により、CS値が800MPaとなるときの溶融塩中のNaイオン含有量(硝酸ナトリウムに対する添加量(mol%))をそれぞれ算出した。さらに、当該Naイオン含有量から、溶融塩に硝酸カリウム以外の無機カリウム塩を添加しない場合(比較例1B−1)を溶融塩寿命の基準(1.00倍)とし、寿命比を算出した。
以上の結果を表9に示す。
さらに、シリカの添加量(硝酸カリウムKNOに対するシリカSiOの添加量(質量%))と溶融塩の寿命比(硝酸カリウムのみの溶融塩の寿命を1.00倍としたときの比)の関係を図10に示す。
Figure 0005692463
図9より、溶融塩に無機塩を添加しない場合、溶融塩中のNa量が多くなるに従って、強化ガラスのCSの低下が顕著であり(比較例1B)、シリカを溶融塩にあらかじめ添加しても、CSの低下は顕著であった(比較例2B、3B)。また、図10より、シリカの添加量が増加しても、溶融塩の寿命延長効果はほとんど確認できないことが分かる。
以上より、シリカの添加は溶融塩の長寿命化に効果を奏しないことが分かった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2012年9月18日出願の日本特許出願(特願2012−205039)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明に係る溶融塩によれば、ガラスに付与するCS値を従来と同程度に保ったまま溶融塩の交換頻度を下げて、ガラスの化学強化処理に繰り返し適用することができる。その結果、ガラスの化学強化処理における低コスト化やスループットの向上が可能となる。

Claims (6)

  1. 溶融塩中でイオン交換を行うことによりガラス表面に圧縮応力層を形成する、ガラス強化に用いる溶融塩であって、
    硝酸カリウムを含有し、さらに炭酸アニオン及びリン酸アニオンのうち少なくとも一方を含有し、
    溶融塩の温度が硝酸カリウムの融点以上かつ600℃以下である、ガラス強化用溶融塩。ただし、固相の炭酸塩を含有する溶融塩及び固相のリン酸塩を含有する溶融塩を除く。
  2. 硝酸カリウム、炭酸アニオン及びリン酸アニオンを含有する請求項1に記載のガラス強化用溶融塩。
  3. 前記炭酸アニオンが、炭酸カリウムのアニオン種であり、前記リン酸アニオンが、オルトリン酸カリウム及びピロリン酸カリウムのうち少なくとも一方のアニオン種である請求項1または2に記載のガラス強化用溶融塩。
  4. 前記炭酸カリウムの含有量が前記硝酸カリウムに対し3.5モル%以上である請求項3に記載のガラス強化用溶融塩。
  5. 前記オルトリン酸カリウムの含有量が前記硝酸カリウムに対し0.8モル%以上である請求項3または4に記載のガラス強化用溶融塩。
  6. 前記ピロリン酸カリウムの含有量が前記硝酸カリウムに対し1モル%以上である請求項3〜5のいずれか1項に記載のガラス強化用溶融塩。
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