JP5692040B2 - 蓄電システム - Google Patents

蓄電システム Download PDF

Info

Publication number
JP5692040B2
JP5692040B2 JP2011276196A JP2011276196A JP5692040B2 JP 5692040 B2 JP5692040 B2 JP 5692040B2 JP 2011276196 A JP2011276196 A JP 2011276196A JP 2011276196 A JP2011276196 A JP 2011276196A JP 5692040 B2 JP5692040 B2 JP 5692040B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
power storage
internal resistance
error
parallel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011276196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013128340A (ja
Inventor
裕之 海谷
裕之 海谷
高橋 賢司
賢司 高橋
勇二 西
勇二 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2011276196A priority Critical patent/JP5692040B2/ja
Publication of JP2013128340A publication Critical patent/JP2013128340A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5692040B2 publication Critical patent/JP5692040B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Description

本発明は、電流遮断器をそれぞれ有する複数の蓄電素子が並列に接続された蓄電ブロックにおいて、電流遮断器の作動状態を判別する蓄電システムに関する。
特許文献1に記載の集合電池では、複数の電池を並列に接続した構成において、並列に接続された各単電池に対してヒューズ等の電流遮断器を接続している。過大な電流が流れたときに電流遮断器によって単電池の電流経路が遮断され、電池が保護される。
特許文献2に記載の技術では、電流遮断機構を備える単電池が複数並列に接続された単電池群において、電流遮断機構が作動したことによる単電池群の内部抵抗の増加に基づいて、電流遮断機構が作動していない単電池群の内部抵抗を基準として、測定された単電池群の内部抵抗と基準の内部抵抗とを比較することで、単電池群に含まれる電流遮断機構の作動を検出している。
特開平05−275116号公報 特開2008−182779号公報 特開2011−135657号公報
電流遮断機構を備える単電池において、電流遮断機構が作動したか否かを検出するには各単電池に電流が流れているかを確認すればよいが、単電池群に流れる電流を検出しても、並列に接続された各単電池に流れる電流を監視することができないので、電流遮断機構の作動を検出することができない。一方、並列接続される各単電池それぞれに電流センサを設けて、単電池に流れる電流を監視することが考えられるが、複数の電流センサを設けることはコストアップとなる。
そこで、特許文献2に記載のように、単電池群に流れる電流を電流センサで検出し、単電池群単位で内部抵抗を監視すれば、単電池群の各単電池に電流センサを設けずに、電流遮断機構の作動状態を検出することができる。
しかしながら、監視される単電池群の内部抵抗には検出誤差が存在する。例えば、電流センサ及び電圧センサによって検出される各検出値にはセンサ誤差が含まれるので、これら検出値から取得される内部抵抗には、検出誤差が含まれることになる。このため、単電池群の内部抵抗の検出誤差によって電流遮断機構が作動状態にある単電池の検出漏れが生じるおそれがあり、単電池群における電流遮断機構の作動状態が精度よく検出できない。
つまり、電流遮断機構が作動していても、電流遮断機構が作動していない状態の単電池群の内部抵抗に比べて内部抵抗の変化が小さいと、その内部抵抗の変化が検出誤差によるものなのか、電流遮断機構の作動によるものなのかが把握(識別)できず、電流遮断機構の作動状態の検出精度が低下してしまう。
特に、並列に接続される単電池の数が多い単電池群において、電流遮断機構の作動数が少ないと、電流遮断器が作動していない状態の単電池群の内部抵抗に対して電流遮断機構が作動したことによる内部抵抗の変化が少なく、検出誤差に対して単電池群における電流遮断機構の作動状態が精度よく検出できない。
本願第1の発明である蓄電システムは、複数の蓄電素子が複数並列に接続され、蓄電素子それぞれに蓄電素子の内部における電流経路を遮断する電流遮断器が設けられた蓄電装置と、蓄電装置の電圧及び蓄電装置を流れる電流の各検出値から取得される検出抵抗値を用い、電流遮断器の作動前後における検出抵抗値の上昇に基づいて電流遮断器の作動状態を検出するコントローラと、を含んで構成されるとともに、蓄電装置は、蓄電素子が並列に接続された蓄電素子群を1つの蓄電ブロックとして蓄電ブロックが並列に複数接続されて構成されている。そして、蓄電ブロック内の並列に接続される蓄電素子の数は、並列に接続される蓄電素子の数に応じた電流遮断器の作動前後の蓄電ブロックの検出抵抗値の変化量が、検出抵抗値の検出誤差に基づく電流遮断器の作動前の検出抵抗値の誤差の上限値よりも大きくなるように規定されており、かつ並列に接続される蓄電ブロックそれぞれに、蓄電ブロックを流れる電流を検出する電流センサが設けられている。
本願第1の発明によれば、蓄電装置の検出抵抗値の検出誤差に対し、電流遮断器の作動前後の抵抗の変化量を検出可能な単電池の並列接続数を規定した蓄電システムが構成されるので、電流遮断器の作動状態を精度よく検出することができる。
蓄電装置を構成する蓄電素子の並列接続数は、検出誤差を含む電流遮断器の作動後の検出抵抗値の下限値が、検出誤差を含む電流遮断器の作動前の検出抵抗値の上限値よりも大きい変化量となるように規定することができる。
変化量は、少なくとも1つの電流遮断器が作動する前後の蓄電ブロックの検出抵抗値の差分を用いることができる。
検出誤差は、蓄電ブロックを流れる電流を検出する電流センサおよび蓄電ブロックの端子間電圧を検出する電圧センサの各センサ誤差に対する検出抵抗値の誤差を用いることができる。
コントローラは、検出誤差を含む電流遮断器の作動前の検出抵抗値の上限値よりも検出誤差を含む電流遮断器の作動後の検出抵抗値の下限値が大きい場合、電流遮断器の作動状態を検出することができる。
並列に接続される蓄電素子の数は、並列に接続される蓄電素子の数に応じた電流遮断器の作動前後の蓄電ブロックの検出抵抗値の変化量が、蓄電素子の製造バラツキに基づく並列に接続される単電池間の誤差及び蓄電素子の劣化に基づく並列に接続される蓄電素子間の誤差の少なくとも一方と、検出誤差とに基づく電流遮断器の作動前の検出抵抗値の上限値よりも大きくなるように規定することができる。
電流遮断器として、溶断によって前記電流経路を遮断するヒューズ、温度上昇に伴う抵抗の上昇によって電流経路を遮断するPTC素子又は、蓄電素子の内圧が上昇することに応じて変形し、電流経路を遮断する電流遮断弁を用いることができる。
電池システムの構成を示す図である。 組電池の構成を示す図である。 単電池の構成を示す図である。 各電池ブロックのブロック抵抗の変化と検出誤差の関係を示す一例である。 電池ブロックの単電池の並列接続数とブロック抵抗の検出誤差に対する監視単位との関係を示す図である。 単電池の並列接続数と電流センサとの関係を示す図である。 複数の電池ブロックが並列に接続された組電池10の電池システムの一例である。 電流遮断器作動検出処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1である電池システム(蓄電システムに相当する)について、図1を用いて説明する。図1は、電池システムの構成を示す図である。本実施例の電池システムは、車両に搭載されている。
車両としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車は、車両を走行させる動力源として、後述する組電池に加えて、エンジン又は燃料電池を備えている。電気自動車は、車両を走行させる動力源として、後述する組電池だけを備えている。
組電池10の正極端子と接続された正極ラインPLには、システムメインリレーSMR−Bが設けられている。システムメインリレーSMR−Bは、コントローラ40からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。組電池10の負極端子と接続された負極ラインNLには、システムメインリレーSMR−Gが設けられている。システムメインリレーSMR−Gは、コントローラ40からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。
システムメインリレーSMR−Gには、システムメインリレーSMR−Pおよび電流制限抵抗Rが並列に接続されている。システムメインリレーSMR−Pおよび電流制限抵抗Rは、直列に接続されている。システムメインリレーSMR−Pは、コントローラ40からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。電流制限抵抗Rは、組電池10を負荷(具体的には、後述する昇圧回路32)と接続するときに、突入電流が流れるのを抑制するために用いられる。
組電池10を負荷と接続するとき、コントローラ40は、システムメインリレーSMR−B,SMR−Pをオフからオンに切り替える。これにより、電流制限抵抗Rに電流を流すことができ、突入電流が流れるのを抑制することができる。
次に、コントローラ40は、システムメインリレーSMR−Gをオフからオンに切り替えた後に、システムメインリレーSMR−Pをオンからオフに切り替える。これにより、組電池10および負荷の接続が完了し、図1に示す電池システムは、起動状態(Ready-On)となる。一方、組電池10および負荷の接続を遮断するとき、コントローラ40は、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gをオンからオフに切り替える。これにより、図1に示す電池システムの動作は停止する。
昇圧回路32は、組電池10の出力電圧を昇圧し、昇圧後の電力をインバータ33に出力する。また、昇圧回路32は、インバータ33の出力電圧を降圧し、降圧後の電力を組電池10に出力することができる。昇圧回路32は、コントローラ40からの制御信号を受けて動作する。本実施例の電池システムでは、昇圧回路32を用いているが、昇圧回路32を省略することもできる。
インバータ33は、昇圧回路32から出力された直流電力を交流電力に変換し、交流電力をモータ・ジェネレータ34に出力する。また、インバータ33は、モータ・ジェネレータ34が生成した交流電力を直流電力に変換し、直流電力を昇圧回路32に出力する。モータ・ジェネレータ34としては、例えば、三相交流モータを用いることができる。
モータ・ジェネレータ34は、インバータ33からの交流電力を受けて、車両を走行させるための運動エネルギを生成する。組電池10の出力電力を用いて車両を走行させるとき、モータ・ジェネレータ34によって生成された運動エネルギは、車輪に伝達される。
車両を減速させたり、停止させたりするとき、モータ・ジェネレータ34は、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギ(交流電力)に変換する。インバータ33は、モータ・ジェネレータ34が生成した交流電力を直流電力に変換し、直流電力を昇圧回路32に出力する。昇圧回路32は、インバータ33からの電力を組電池10に出力する。これにより、回生電力を組電池10に蓄えることができる。
図2は、組電池10の構成を示す。組電池10は、直列に接続された複数の電池ブロック(蓄電ブロックに相当する)11を有する。複数の電池ブロック11を直列に接続することにより、組電池10の出力電圧を確保することができる。ここで、電池ブロック11の数は、組電池10に対して要求される電圧を考慮して、適宜設定することができる。
各電池ブロック11は、並列に接続された複数の単電池(蓄電素子に相当する)12を有する。複数の単電池12を並列に接続することにより、電池ブロック11(組電池10)の満充電容量を増やすことができ、組電池10の出力を用いて車両を走行させるときの距離を延ばすことができる。
複数の電池ブロック11は、直列に接続されているため、各電池ブロック11には、等しい電流が流れる。各電池ブロック11では、複数の単電池12が並列に接続されているため、各単電池12に流れる電流値は、電池ブロック11に流れる電流値を、電池ブロック11を構成する単電池12の数(総数)で除算した電流値となる。具体的には、電池ブロック11を構成する単電池12の総数がN個であり、電池ブロック11に流れる電流値がIsであるとき、各単電池12に流れる電流値は、Is/Nとなる。なお、本実施例では、電池ブロック11を構成する複数の単電池12において、内部抵抗のバラツキが発生していないものとしている。
単電池12としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることができる。例えば、単電池12としては、18650型の電池を用いることができる。18650型の電池は、いわゆる円筒型の電池であり、直径が18[mm]であり、長さが65.0[mm]である。円筒型の電池とは、電池ケースが円筒状に形成されており、電池ケースの内部には、充放電を行う発電要素が収容されている。発電要素の構成については、後述する。
単電池12は、図3に示すように、発電要素12aおよび電流遮断器12bを有する。発電要素12aおよび電流遮断器12bは、単電池12の外装を構成する電池ケースに収容されている。発電要素12aは、充放電を行う要素であり、正極板と、負極板と、正極板および負極板の間に配置されるセパレータとを有する。正極板は、集電板と、集電板の表面に形成された正極活物質層とを有する。負極板は、集電板と、集電板の表面に形成された負極活物質層とを有する。正極活物質層は、正極活物質や導電剤などを含んでおり、負極活物質層は、負極活物質や導電剤などを含んでいる。
単電池12としてリチウムイオン二次電池を用いるときには、例えば、正極板の集電板をアルミニウムで形成し、負極板の集電板を銅で形成することができる。また、正極活物質としては、例えば、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2を用い、負極活物質としては、例えば、カーボンを用いることができる。セパレータ、正極活物質層および負極活物質層には、電解液がしみ込んでいる。電解液を用いる代わりに、正極板および負極板の間に、固体電解質層を配置することもできる。
電流遮断器12bは、単電池12の内部における電流経路を遮断するために用いられる。すなわち、電流遮断器12bが作動することにより、単電池12の内部における電流経路が遮断される。電流遮断器12bとしては、例えば、ヒューズ、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子又は、電流遮断弁を用いることができる。これらの電流遮断器12bは、個別に用いることもできるし、併用することもできる。
電流遮断器12bとしてのヒューズは、ヒューズに流れる電流に応じて溶断する。ヒューズを溶断させることにより、単電池12の内部における電流経路を機械的に遮断することができる。これにより、発電要素12aに過大な電流が流れるのを防止して、単電池12(発電要素12a)を保護することができる。
電流遮断器12bとしてのPTC素子は、単電池12の電流経路に配置されており、PTC素子の温度上昇に応じて抵抗を増加させる。PTC素子に流れる電流が増加すると、ジュール熱によってPTC素子の温度が上昇する。PTC素子の温度上昇に応じて、PTC素子の抵抗が増加することにより、PTC素子において、電流を遮断することができる。これにより、発電要素12aに過大な電流が流れるのを防止して、単電池12(発電要素12a)を保護することができる。
電流遮断器12bとしての電流遮断弁は、単電池12の内圧上昇に応じて変形し、発電要素12aとの機械的な接続を断つことにより、単電池12の内部における電流経路を遮断することができる。単電池12の内部は、密閉状態となっており、過充電などによって発電要素12aからガスが発生すると、単電池12の内圧が上昇する。発電要素12aからガスが発生しているときには、単電池12(発電要素12a)は異常状態となる。単電池12の内圧が上昇することに応じて、電流遮断弁を変形させることにより、発電要素12aとの機械的な接続を断つことができる。これにより、異常状態にある発電要素12aに充放電電流が流れるのを阻止し、単電池12(発電要素12a)を保護することができる。
図1に示す監視ユニット20は、各電池ブロック11の電圧を検出し、検出結果をコントローラ40に出力する。電流センサ31は、組電池10に流れる電流値を検出し、検出結果をコントローラ40に出力する。例えば、組電池10を放電しているときには、電流センサ31によって検出された電流値として、正の値を用いることができる。また、組電池10を充電しているときには、電流センサ31によって検出された電流値として、負の値を用いることができる。電流センサ31は、組電池10に流れる電流値を検出できればよく、正極ラインPLではなく、負極ラインNLに設けることもできる。
コントローラ40は、メモリ41を内蔵しており、メモリ41は、コントローラ40を動作させるためのプログラムや、特定の情報を記憶している。メモリ41は、コントローラ40の外部に設けることもできる。
次に、本実施例の電池システムにおける処理について説明する。本実施例は、並列に接続された複数の単電池12で構成された電池ブロック11において、各単電池12それぞれに設けられる電流遮断器12bの作動を検出する。
単電池12の内部抵抗R、電池ブロック11を構成する単電池12の総数(単電池12の並列接続数)がN個である場合、電流遮断器12bが作動していない電池ブロック11の内部抵抗Raは、下記の式1のように表すことができる。
(式1)Ra=R/N
そして、単電池12の総数N個のうち電流遮断器12bがx個作動した場合、電流遮断器12bが作動していない残りの単電池12は、(N−x)個となるので、電流遮断器12bが作動した後の電池ブロック11の内部抵抗Rbは、
(式2)Rb=R/(N−x)
となる。そして、式1及び式2より、電流遮断器12bが作動していない電池ブロック11の内部抵抗Raと、電流遮断器12bがx個作動した後の電池ブロック11の内部抵抗Rbとは、下記の式3に示す関係を有する。
(式3)Rb=Ra×N/(N−x)
式1〜式3において、xは、各電池ブロック11において、作動状態にある電流遮断器12bの数(遮断数)を示す。電流遮断器12bは、各単電池12に設けられているため、遮断数xは、作動状態にある電流遮断器12bを有する単電池12の数となる。電池ブロック11において、すべての電流遮断器12bが作動していないときには、遮断数xが0となる。
電流遮断器12bが作動すると、作動状態にある電流遮断器12bの数に応じて、電池ブロック11の内部抵抗が上昇する。すなわち、式3に示すように、電流遮断器12bが作動した後の電池ブロック11の内部抵抗Rbは、電流遮断器12bが作動する前の電池ブロック11の内部抵抗Raに対して、N/(N−x)倍となる。「N/(N−x)」の値は、1よりも大きい値となるため、内部抵抗Rbは、内部抵抗Raよりも高くなる。
各電池ブロック11の内部抵抗を監視し、例えば、電流遮断器12bが作動する前の電池ブロック11の内部抵抗Raを基準にして、電池ブロック11の内部抵抗が基準の内部抵抗Raよりも上昇している場合、電池ブロック11において電流遮断器12bの作動状態を検出することができる。
電池ブロック11の内部抵抗は、監視ユニット20によって検出される検出電圧Vと、電流センサ31によって検出される検出電流Iと、を用いて算出することができる。例えば、所定のタイミング(周期)で取得される検出電圧V及び検出電流Iから各電池ブロック11の内部抵抗を算出することができる。
このとき、算出される電池ブロック11の内部抵抗には、検出誤差aが含まれる。例えば、監視ユニット20によって検出される検出電圧Vには、センサ誤差bが含まれ、さらに電流センサ31によって検出される検出電流Iには、センサ誤差cが含まれる。このため、各検出値から算出される電池ブロック11の内部抵抗は、センサ誤差b、cに基づく電池ブロック11の内部抵抗に対する検出誤差aを含むことになる。センサ誤差b、cは、センサ毎に予め分かっている値なので、電池ブロック11の内部抵抗に対する検出誤差aは、各センサ誤差から予め把握(算出)することができる。
この電池ブロック11の内部抵抗に対する検出誤差aは、電流遮断器12bの作動前後における電池ブロック11の内部抵抗の上昇を検出して電流遮断器12bの作動状態を検出する場合、検出精度に影響を与える。
例えば、単電池12の内部抵抗Rが100Ω、並列に接続される単電池12の数が20個だとすると、電流遮断器12bの作動前の電池ブロック11の内部抵抗Raは、式1により5Ωと算出することができる。つまり、並列に接続される単電池12の数が多いほど、電池ブロック11の内部抵抗は小さくなり、並列に接続される単電池12の数が少ないと、電池ブロック11の内部抵抗は大きくなる。
したがって、並列に接続される単電池12の数が多い状態で電流遮断器12bが作動する前と後での電池ブロック11の内部抵抗の変化は小さくなり、並列に接続される単電池12の数が少ない状態で電流遮断器12bが作動する前と後での電池ブロック11の内部抵抗の変化は大きくなる。
具体的には、並列に接続される単電池12の数が20個の電池ブロック11を一例に説明すると、電流遮断器12bが1つ作動した電池ブロック11の単電池12の数、言い換えれば、並列に接続される複数の単電池12のうち電流遮断器12bが作動していない残りの単電池12の数は、並列に接続される単電池12の数から電流遮断器12bが作動した遮断数を差し引いた数なので、19個となる。したがって、電流遮断器12bが作動する前の電池ブロック11の内部抵抗は5Ω、電流遮断器12が1つ作動した後の電池ブロック11の内部抵抗は5.26Ωとなり、内部抵抗差が、0.26Ωとなる。
一方、並列に接続される単電池12の数が5個の電池ブロック11では、電流遮断器12bが作動する前の電池ブロック11の内部抵抗は20Ω、電流遮断器12bが1つ作動した後の電池ブロック11の内部抵抗は25Ωとなり、内部抵抗差が、5Ωとなる。
このように並列に接続される単電池12の数が多い状態(電流遮断器12bが作動していない状態の単電池12の並列接続数が多い状態)から少なくとも1つの電流遮断器12bが作動した場合に表れる内部抵抗の変化は、並列に接続される単電池12の数が少ない状態で少なくとも1つの電流遮断器12bが作動した場合に表れる電池ブロック11の内部抵抗の変化よりも小さくなる。
電流遮断器12bが作動する前と後での電池ブロック11の内部抵抗の変化が小さいと、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差に対し、電流遮断器12bの作動による電池ブロック11の内部抵抗の変化を正確に検出することができない。したがって、電池ブロック11を構成する並列に接続された単電池12の数が多いと、電池ブロック11において電流遮断器12bが作動していない状態から少なくとも1つの電流遮断器12bの作動状態を精度よく検出することができない。
図4は、電池ブロック11の電流遮断器12bが作動する前と作動した後の内部抵抗と検出誤差aとの関係を示した図である。
図4に示すように、電池ブロック11の電流遮断器12bが作動する前の内部抵抗Raは、検出誤差aにより、(1−a)Ra〜(1+a)Raの範囲の値となる。一方、電池ブロック11において電流遮断器12bが1つ作動した状態の内部抵抗Rbは、(1−a)Rb〜(1+a)Rbの範囲の値となる。このため、例えば、(1−a)Rbが(1+a)Raの一部に含まれる場合、内部抵抗Raに対する内部抵抗Rbの変化は、内部抵抗Raの検出誤差aの範囲内となり、電流遮断器12bが作動したことによる電池ブロック11の内部抵抗の変化を把握できず、電流遮断器12bの作動状態を精度よく検出できない。
したがって、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差aに対して以下の式4を満たせば、検出誤差aの影響を受けずに電流遮断器12bが作動したことによる電池ブロック11の内部抵抗の変化を正確に検出することができることになる。
(式4)(1−a)Rb>(1+a)Ra
式4によれば、検出誤差aを含む内部抵抗Raの上限値Ra(1+a)よりも、検出誤差を含む内部抵抗Rbの下限値(1−a)Rbが大きければ、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差aの影響を受けずに、少なくとも1つの電流遮断器12bの作動状態を内部抵抗の変化によって検出することができる。
そして、式4を上記式1,2を用いて変形すると、下記の式5を得ることができる。
(式5)(1−a)×R×(1/(N−x))>(1+a)×R/N
式5をNについて展開すると、
(式6)N<((1+a)/2a)×x
となる。
式6において、並列に接続される単電池12の数Nに対して遮断数x=1が、内部抵抗の変化が最も小さいので、検出誤差aに対して並列に接続される単電池12の数Nが下記の式7を満たす場合、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差aの影響を受けずに、電流遮断器12bの作動状態を正確に検出できることになる。
(式7)N<(1+a)/2a
例えば、検出誤差a=0.05である場合、式7からN=10.5となるので、電池ブロック11を構成する単電池12の数の上限値は、N=10となり、検出誤差a=0.05に対して電流遮断器12bの作動状態を正確に検出するための電池ブロック11を構成する単電池12の数が算出できる。
電流遮断器12bの作動前と1つの電流遮断器12bの作動後との間の単電池12の数に応じた内部抵抗の変化量に対し、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差aを考慮して並列に接続される単電池12の数を決定することで、検出誤差aの影響を受けないで電流遮断器12bの作動状態を検出可能な電池ブロック11(電池システム)を構成することができる。つまり、内部抵抗の検出誤差aは、並列に接続される単電池12の数に応じた電流遮断器12bの作動前と1つの電流遮断器12bの作動後との間の内部抵抗の変化量に対する検出限界を示すものであり、並列に接続された単電池12を含む電池ブロック11において電流センサ31で検出される検出電流を用いて電流遮断器12bの作動状態を検出可能な監視単位を示している。
図5は、電池ブロック11における単電池12の並列接続数と内部抵抗の検出誤差aに対する監視単位との関係を示す図である。図5に示すように、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差aは、電流センサ31のセンサ誤差に依存するので、式7で規定される検出誤差aに対する並列に接続される単電池12の数は、1つの電流センサ31を用いて電流遮断器12bの作動状態を検出可能な監視単位となり、監視単位毎に電流センサ31を設けることで、電流遮断器12bの作動前と1つの電流遮断器12bの作動後との間の内部抵抗の変化を検出誤差aの影響を受けずに精度よく検出可能な電池システムを構成することができる。
例えば、図6に示すように、検出誤差aを用いて規定される電池ブロック11の単電池12の並列接続数を超えると、電流遮断器12bの作動状態を精度よく検出できないので、並列に接続された複数の単電池12のうちN>((1+a)/2a)を超える単電池12は、別の電流センサ31によって検出するように電池ブロック11を構成する。1つの電流センサ31を用いて電流遮断器12bの作動状態を検出可能な監視単位(並列に接続される単電池12の数)毎に電池ブロック11を構成しつつ、監視単位で区分された各電池ブロックそれぞれに電流センサ31を1つずつ設けた電池システムを構成することで、検出誤差aの影響を抑制して精度よく電流遮断器12bの作動状態を検出することができる。
図7は、複数の電池ブロック11が並列に接続された電池システムの一例を示す図である。図7に示すように、1つの電流センサ31で並列に接続される電池ブロック11全体の電流値を検出するのではなく、1つの電流センサ31を用いて電流遮断器12bの作動状態を検出可能な監視単位毎に区分された電池ブロック11それぞれに電流センサ31が設けられている。
なお、図2の例において、組電池10が複数の電池ブロック11を直列に接続した態様を一例に示しているが、例えば、それぞれが電流遮断器12bを備えて並列に複数接続された単電池12を含む1つの電池ブロック11が組電池10として構成されてもよい。この場合においても、電流遮断器12bの作動前と1つの電流遮断器12bの作動後との間の単電池12の数に応じた内部抵抗の変化量に対し、組電池10の内部抵抗の検出誤差aを考慮して並列に接続される単電池12の数を規定した組電池10を含む電池システムを構成でき、組電池10の電流遮断器12bの作動状態を精度よく検出することができる。
図8は、本実施例の電流遮断器12bの作動状態を検出する処理を示すフローチャートである。図8に示す処理は、所定の周期で行われ、コントローラ40によって実行される。図8に示す処理は、各電池ブロック11に対して行われる。
ステップS101において、コントローラ40は、各電池ブロック11の検出電圧V及び電流センサ31によって検出される検出電流Iを取得する。取得した情報は、メモリ41に記憶される。
ステップS102において、コントローラ40は、電池ブロック11の内部抵抗を算出する。内部抵抗は、取得した検出電圧V及び検出電流Iを用いて算出することができる。
ステップS103において、コントローラ40は、メモリ41に予め記憶されている検出誤差aを読み出し、算出した内部抵抗R2と前回算出した内部抵抗R1とを比較して、算出した内部抵抗R2が、前回算出された内部抵抗R1の(1+a)/(1−a)倍よりも大きい値か否かを判別する。
なお、前回算出された内部抵抗R1が存在しない場合、電流遮断器12bが作動していない単電池12で構成された電池ブロック11の内部抵抗Raを用いることができる。内部抵抗Raは、基準内部抵抗値として予めメモリ41に保持することができる。
コントローラ40は、ステップS103において、電流遮断器12bが作動したことによる電池ブロック11の内部抵抗の上昇を検出できなかった場合、ステップS105に進み、電池ブロック11に含まれる単電池12の電流遮断器12bが作動していないと検出する。コントローラ40は、ステップS106において、今回算出した内部抵抗R2を前回算出した過去の内部抵抗R1としてメモリ41に記憶する。
一方、ステップS103において電流遮断器12bが作動したことによる電池ブロック11の内部抵抗の上昇が検出された場合、ステップS104に進み、電池ブロック11に含まれる単電池12の電流遮断器12bが作動している状態であることを検出する。
なお、電池ブロック11に含まれる単電池12の電流遮断器12bが作動している状態であることを検出した場合、コントローラ40は、出力上限値を低く設定した組電池10の充放電を行うなどの充放電制御を行うことができる。
(実施例2)
本発明の実施例2である電池システムについて説明する。実施例1では電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差aとして、監視ユニット20及び電流センサ31の少なくとも一方又は両方のセンサ誤差を一例に説明したが、本実施例は、さらに製造バラツキによる単電池12の内部抵抗Rの初期抵抗誤差を考慮して電流遮断器12bの作動状態を検出する電池システム例である。なお、電池システムを構成する電池ブロック11、単電池12及び電流遮断12bの各構成は、実施例1と同様である。
電流遮断器12bが設けられる単電池12それぞれの内部抵抗Rは、実際には製造時のバラツキによって各々相違する。製造時の単電池12の内部抵抗Rのバラツキは、製造された単電池12の内部抵抗を予め測定し、製造上の基準内部抵抗に対する初期抵抗誤差を算出することで、取得することができる。
したがって、単電池12の内部抵抗Rは、初期抵抗誤差dに対して(1−d)R〜(1+d)Rの範囲の値となる。ここで、電池ブロック11を構成する並列に接続された複数の単電池12のうち、内部抵抗(1+d)Rの単電池がm個、内部抵抗(1−d)Rの単電池12が(N−m)個であるとした場合、電流遮断器12bの作動前後の電池ブロック11の内部抵抗の変化量が最も小さくなる単電池12は、内部抵抗(1+d)Rの単電池となる。
すなわち、初期抵抗誤差dを含む内部抵抗Rが大きい単電池12の電流遮断器12bが作動した場合、電流遮断器12bの作動前後における内部抵抗の変化量が最も小さくなる。例えば、3つの単電池12が並列に接続された電池ブロック11において、各単電池12の内部抵抗が、R1=100Ω、R2=200Ω、R3=50Ωの内部抵抗Raは、28.6Ωとなる。このとき、内部抵抗R2の単電池12の電流遮断器12bが作動した後の電池ブロック11の内部抵抗Rbは33.3Ω、内部抵抗R1の単電池12の電流遮断器12bが作動した後の電池ブロック11の内部抵抗Rbは40Ω、内部抵抗R3の単電池12の電流遮断器12bが作動した後の電池ブロック11の内部抵抗Rbは66.7Ωとなる。並列に接続される単電池12のうち内部抵抗の最も大きい単電池12の電流遮断器12bが作動する前後の電池ブロック11の内部抵抗の変化量が最も小さいことが分かる。
したがって、初期抵抗誤差dに対する内部抵抗が最も高い(1+d)Rの単電池12に設けられた電流遮断器12が作動する前後の電池ブロック11の内部抵抗の変化量が、初期抵抗誤差dと区分可能な変化量となる単電池12の並列接続数の電池ブロック11を構成することで、初期抵抗誤差dの影響を受けずに、電流遮断器12bの作動状態を検出することができる。
電流遮断器12bの作動前の電池ブロック11の内部抵抗Raは、
(式8)1/Ra=m/(1+d)R+(N−m)/(1−d)R
であり、(1+d)Rの単電池12に設けられた電流遮断器12が作動した後の電池ブロック11の内部抵抗Rbは、
(式9)1/Rb=(m−1)/(1+d)R+(N−m)/(1−d)R
となる。
そして、式8,式9で表した各内部抵抗Ra、Rbを用いて式4の関係を表すと、
(式10)
Figure 0005692040
となり、式10をNで展開すると、
(式11)
Figure 0005692040
となる。
式11において、並列に接続される単電池12の数Nに対して内部抵抗(1+d)Rの単電池の数m=0の場合、並列に接続される単電池12の内部抵抗に製造時の初期抵抗誤差によるバラツキがなく、全ての単電池12間で同じの初期抵抗誤差dを含む内部抵抗となる(各単電池12において初期抵抗誤差が一定であり、単電池12間でバラツキがない)。一方、式11において、並列に接続される単電池12の数Nが最小となる並列に接続される単電池12の数Nに対する内部抵抗(1+d)Rの単電池12の数は、m=1である。したがって、実施例1の検出誤差a及び製造バラツキによる単電池12の内部抵抗の初期抵抗誤差dに対し、電流遮断器12bの作動状態を正確に検出するための電池ブロック11を構成する単電池12の数は、式11から算出することができる。
本実施例では、電流遮断器12bの作動前と1つの電流遮断器12bの作動後との間の単電池12の数に応じた内部抵抗の変化量に対し、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差a及び並列に接続された単電池12のうちの各内部抵抗の製造バラツキに応じた単電池12間の初期抵抗誤差dを考慮して並列に接続される単電池12の数を決定することで、検出誤差aに加えて製造バラツキによる単電池12の内部抵抗の初期抵抗誤差の影響を受けないで電流遮断器12bの作動状態を検出可能な電池ブロック11(電池システム)を構成することができる。
そして、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差a及び並列に接続された単電池12のうちの各内部抵抗の製造バラツキに応じた単電池12間の初期抵抗誤差dを考慮して決定された数の並列に接続される単電池12で構成される電池ブロック11において、コントローラ40は、実施例1に示したように、検出した電池ブロック11の内部抵抗と前回算出した電流遮断器12の作動前の内部抵抗とを比較し、検出した電池ブロック11の内部抵抗が、前回算出された内部抵抗の(1+a)/(1−a)倍よりも大きい場合、電流遮断器12が作動状態であることを検出する。
(実施例3)
本発明の実施例3である電池システムについて説明する。実施例2では、製造バラツキによる単電池12間での内部抵抗Rの初期抵抗誤差を考慮して電流遮断器12bの作動状態を検出する電池システム例を示したが、本実施例は、単電池12の充放電に伴う電池劣化を考慮した電流遮断器12bの作動状態を検出する電池システム例である。なお、電池システムを構成する電池ブロック11、単電池12及び電流遮断12bの各構成は、実施例1,2と同様である。
電流遮断器12bが設けられる単電池12それぞれの内部抵抗Rは、充放電などの使用により劣化して上昇することが知られている。同じ使用条件であれば、各単電池12それぞれの内部抵抗の上昇は同じとなるので、並列に接続される単電池12の劣化に伴って上昇する内部抵抗間にバラツキが生じることは少ないが、実際には各単電池12に対する負荷(使用環境温度など)が単電池12間で異なるので、劣化(摩耗劣化)に伴う内部抵抗の上昇が単電池12間でバラつく。
単電池12間での劣化に伴う内部抵抗のバラツキは、電池ブロック11の充放電履歴や環境温度の情報を用い、予め作成される環境温度と使用時間等に応じた単電池12の内部抵抗の上昇マップから劣化に伴う内部抵抗の上昇値を算出し、算出された上昇値を劣化抵抗誤差eとして取得することができる。劣化抵抗誤差e等の情報は、メモリ41に保持される。
このため、単電池12の劣化を伴う内部抵抗Rは、劣化抵抗誤差eに対して(1−e)R〜(1+e)Rの範囲の値となる。さらに、実施例2で述べた製造バラツキに対する単電池12の初期抵抗誤差dを考慮すると、単電池12の劣化を伴う内部抵抗Rは、(1――d)R〜(1+d+e)Rの範囲の値となる。なお、単電池12の劣化によって内部抵抗は上昇(増加するので)、単電池12の劣化に伴う内部抵抗の下限値には、劣化抵抗誤差eが含まれないものとして表すことができる。
そして、実施例2同様に、電池ブロック11を構成する並列に接続された複数の単電池12のうち、内部抵抗(1+d+e)Rの単電池がm個、内部抵抗(1−d)Rの単電池12が(N−m)個であるとした場合、電流遮断器12bの作動前後の電池ブロック11の内部抵抗の変化量が最も小さくなる単電池12は、内部抵抗(1+d+e)Rの単電池となる。
したがって、初期抵抗誤差d及び劣化抵抗誤差eに対する内部抵抗が最も高い(1+d+e)Rの単電池12に設けられた電流遮断器12が作動する前後の電池ブロック11の内部抵抗の変化量が、初期抵抗誤差d及び劣化抵抗誤差eと区分可能な変化量となる単電池12の並列接続数の電池ブロック11を構成することで、初期抵抗誤差dに加えて劣化抵抗誤差eの影響を受けずに、電流遮断器12bの作動状態を検出することができる。
電流遮断器12bの作動前の電池ブロック11の内部抵抗Raは、
(式12)1/Ra=m/(1+d+e)R+(N−m)/(1−d)R
であり、(1+d+e)Rの単電池12に設けられた電流遮断器12が作動した後の電池ブロック11の内部抵抗Rbは、
(式13)1/Rb=(m−1)/(1+d+e)R+(N−m)/(1−d)R
となる。
そして、式12,式13で表した各内部抵抗Ra、Rbを用いて式4の関係を表すと、
(式14)
Figure 0005692040
となり、式14をNで展開すると、
(式15)
Figure 0005692040
となる。
式15において、並列に接続される単電池12の数Nに対して内部抵抗(1+d+e)Rの単電池の数m=0の場合、並列に接続される単電池12それぞれにおいて劣化に伴う内部抵抗のバラツキがなく、全ての単電池12間で同じの劣化抵抗誤差eを含む内部抵抗となる(各単電池12において劣化抵抗誤差eが一定であり、単電池12間でバラツキがない)。一方、式15において、並列に接続される単電池12の数Nに対して内部抵抗(1+d+e)Rの単電池の数m=1の場合、並列に接続される単電池12の数Nが最小となるので、実施例2の初期抵抗誤差d及び劣化抵抗誤差eに対し、電流遮断器12bの作動状態を正確に検出するための電池ブロック11を構成する単電池12の数は、式12から算出することができる。
本実施例では、電流遮断器12bの作動前と1つの電流遮断器12bの作動後との間の単電池12の数に応じた内部抵抗の変化量に対し、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差a、電池ブロック11を構成する単電池12間の初期抵抗誤差d及び劣化抵抗誤差eを考慮して並列に接続される単電池12の数を決定することで、実施例2の初期抵抗誤差dに加えて単電池12の使用等に伴う劣化抵抗誤差の影響を受けないで電流遮断器12bの作動状態を検出可能な電池ブロック11(電池システム)を構成することができる。
コントローラ40は、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差a、単電池12間の初期抵抗誤差d及び劣化抵抗誤差eを考慮して決定された数の並列に接続される単電池12で構成される電池ブロック11において、コントローラ40は、実施例1に示したように、検出した電池ブロック11の内部抵抗と前回算出した電流遮断器12の作動前の内部抵抗とを比較し、検出した電池ブロック11の内部抵抗が、前回算出された内部抵抗の(1+a)/(1−a)倍よりも大きい場合、電流遮断器12が作動状態であることを検出する。
なお、本実施例では、実施例2の初期抵抗誤差dを加味した単電池12の使用等に伴う劣化抵抗誤差eの影響を受けないで電流遮断器12bの作動状態を検出可能な電池ブロック11について説明したが、単電池12の使用等に伴う劣化抵抗誤差eと検出誤差aの影響を受けない電流遮断器12bの作動状態を検出可能な電池ブロック11(電池システム)を構成することもできる。
このように実施例1〜3における電池システムは、電流経路を遮断する電流遮断器12bを有する単電池12が複数並列に接続された電池ブロック11によって構成される組電池10において、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差、各単電池12の製造バラツキによる初期抵抗誤差、又は使用等による摩耗劣化のバラツキによる劣化抵抗誤差に対し、単電池12の数に応じた電流遮断器12bの作動前後の電池ブロック11の内部抵抗の変化量が検出可能な電池ブロック11を構成する並列に接続された単電池12の数を規定しているので、電池ブロック11での電流遮断器12bの作動状態を精度よく検出することができる。
特に、並列に接続される単電池12の数が多いと、電流遮断器12の作動後の電池ブロック11の内部抵抗の変化量が小さいので、電池ブロック11の内部抵抗の検出誤差、各単電池12の製造バラツキによる初期抵抗誤差、又は使用等による摩耗劣化のバラツキによる劣化抵抗誤差に対し、電流遮断器12bの作動前後の単電池12の数に応じた内部抵抗の変化の検出限界に基づく単電池12の並列接続数を規定した電池システムを構築することで、電流遮断器12bの作動状態を精度よく検出することができる。
10:組電池
11:電池ブロック
12:単電池
12b:電流遮断器
20:監視ユニット
31:電流センサ
32:昇圧回路
33:インバータ
34:モータ・ジェネレータ
40:コントローラ
41:メモリ

Claims (7)

  1. 複数の蓄電素子が複数並列に接続され、前記蓄電素子それぞれに前記蓄電素子の内部における電流経路を遮断する電流遮断器が設けられた蓄電装置と、
    前記蓄電装置の電圧及び前記蓄電装置を流れる電流の各検出値から取得される検出抵抗値を用い、前記電流遮断器の作動前後における検出抵抗値の上昇に基づいて前記電流遮断器の作動状態を検出するコントローラと、を含み、
    前記蓄電装置は、前記蓄電素子が並列に接続された蓄電素子群を1つの蓄電ブロックとして前記蓄電ブロックが並列に複数接続されて構成されており、
    前記蓄電ブロック内の並列に接続される前記蓄電素子の数に応じた前記電流遮断器の作動前後の前記蓄電ブロックの検出抵抗値の変化量が、前記検出抵抗値の検出誤差に基づく前記電流遮断器の作動前の検出抵抗値の誤差の上限値よりも大きくなるように、前記蓄電ブロック内の並列に接続される前記蓄電素子の数が規定されているとともに、並列に接続される前記蓄電ブロックそれぞれに、前記蓄電ブロックを流れる電流を検出する電流センサを設けたことを特徴とする蓄電システム。
  2. 前記検出誤差を含む前記電流遮断器の作動後の検出抵抗値の下限値が、前記検出誤差を含む前記電流遮断器の作動前の検出抵抗値の上限値よりも大きい前記変化量となるように、前記蓄電素子の数が規定されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
  3. 前記変化量は、少なくとも1つの前記電流遮断器が作動する前後の前記蓄電ブロックの検出抵抗値の差分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電システム。
  4. 前記検出誤差は、前記蓄電ブロックを流れる電流を検出する前記電流センサおよび前記蓄電ブロックの端子間電圧を検出する電圧センサの各センサ誤差に対する前記検出抵抗値の誤差であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄電システム。
  5. 前記コントローラは、前記検出誤差を含む前記電流遮断器の作動前の検出抵抗値の上限値よりも前記検出誤差を含む前記電流遮断器の作動後の検出抵抗値の下限値が大きい場合、前記電流遮断器の作動状態を検出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の蓄電システム。
  6. 並列に接続される前記蓄電素子の数に応じた前記電流遮断器の作動前後の前記蓄電ブロックの検出抵抗値の変化量が、前記蓄電素子の製造バラツキに基づく前記並列に接続される蓄電素子間の誤差及び前記蓄電素子の劣化に基づく前記並列に接続される蓄電素子間の誤差の少なくとも一方と前記検出誤差とに基づく前記電流遮断器の作動前の検出抵抗値の誤差の上限値よりも大きくなるように、前記蓄電素子の数が規定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の蓄電システム。
  7. 前記電流遮断器は、溶断によって前記電流経路を遮断するヒューズ、温度上昇に伴う抵抗の上昇によって前記電流経路を遮断するPTC素子又は、前記蓄電素子の内圧が上昇することに応じて変形し、前記電流経路を遮断する電流遮断弁であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の蓄電システム。
JP2011276196A 2011-12-16 2011-12-16 蓄電システム Active JP5692040B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011276196A JP5692040B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 蓄電システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011276196A JP5692040B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 蓄電システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013128340A JP2013128340A (ja) 2013-06-27
JP5692040B2 true JP5692040B2 (ja) 2015-04-01

Family

ID=48778570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011276196A Active JP5692040B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 蓄電システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5692040B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6760133B2 (ja) * 2017-03-01 2020-09-23 トヨタ自動車株式会社 電池システム
JP2019091626A (ja) * 2017-11-15 2019-06-13 トヨタ自動車株式会社 電源装置
CN109920964B (zh) * 2017-12-13 2024-09-13 比亚迪股份有限公司 电池系统及电动汽车
KR20210039705A (ko) 2019-10-02 2021-04-12 주식회사 엘지화학 병렬 연결 셀의 연결 고장 검출 방법 및 시스템
JP2020074320A (ja) * 2020-01-28 2020-05-14 均 桝谷 積層型蓄電池及びこれを用いた蓄電池システム

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05275116A (ja) * 1992-03-26 1993-10-22 Ngk Insulators Ltd 集合電池の過電圧保護装置
JP3389670B2 (ja) * 1994-03-11 2003-03-24 日産自動車株式会社 2次電池の直列接続回路
JP2006197790A (ja) * 2004-12-15 2006-07-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電源装置
US7492122B2 (en) * 2006-01-03 2009-02-17 Castle Creations, Inc. Method and apparatus for detecting the cell count in a battery pack
JP4840154B2 (ja) * 2007-01-23 2011-12-21 パナソニック株式会社 電源機器
EP2075893B1 (en) * 2007-10-15 2016-03-09 Black & Decker, Inc. Bottom based balancing in a lithium ion battery system
JP2011135657A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Sanyo Electric Co Ltd バッテリシステム及びこれを備える車両並びにバッテリシステムの電流制限状態検出方法
WO2011118112A1 (ja) * 2010-03-26 2011-09-29 パナソニック株式会社 充電状態検出回路、電池電源装置、及び電池情報モニター装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013128340A (ja) 2013-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9933491B2 (en) Electric storage system
JP5440708B2 (ja) 電池システムおよび、電池システムの制御方法
JP5682708B2 (ja) 蓄電システム
CN103493255B (zh) 改善的安全性的电池组
JP5962762B2 (ja) 蓄電システム
JP5692040B2 (ja) 蓄電システム
CN103782468A (zh) 改善的安全性的电池组
JP2013145175A (ja) 電池システムおよび短絡検出方法
JP2012085455A (ja) 電池の故障判定装置
JP2016005304A (ja) 車両
JP5626190B2 (ja) 蓄電システム
WO2014109319A1 (ja) 組電池装置、電池モジュール及び電池モジュールシステム
WO2013176085A1 (ja) 電池状態判定方法、電池制御装置、及び電池パック
JP5626195B2 (ja) 蓄電システム
JP5794205B2 (ja) 蓄電システムおよび断線判別方法
JP5472472B2 (ja) 蓄電システムおよび蓄電ブロックの状態を判別する方法
JP6017790B2 (ja) 蓄電システム
JP5920078B2 (ja) 電池監視装置
JP2013013245A (ja) 蓄電システム
JP5737200B2 (ja) 蓄電システム
JP2015061505A (ja) 蓄電システム
JP6032135B2 (ja) 蓄電システム
JP5870907B2 (ja) 蓄電システム
JP5678879B2 (ja) 蓄電システムおよび異常判定方法
JP5692047B2 (ja) 蓄電システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150119

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5692040

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151