ところで、例えば、アプリケーションプログラムに組み込まれるアドインツールバーなどでは、アイコンのクリックにより印刷装置の印刷設定を行うものがある。このようなアドインでは、例えば、固定のレイアウトでしか機能を配置することができなかったり、選択しやすい場所に利用しないアイコンが配置されていたり、ウインドウのサイズによってはすべての機能が配置されず、使用したい機能のアイコンが隠れてしまう場合があったりすることがあり、ユーザーにとって使い勝手がよくないことがあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、印刷処理における設定項目の選択をより容易にすることができる情報処理プログラム及び情報処理装置を提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の情報処理プログラムは、
アプリケーションプログラムのユーザーインターフェイスを制御する情報処理プログラムであって、
複数のユーザーによる複数の印刷処理の設定項目の使用頻度を格納した使用頻度情報をネットワークを介して取得する取得部と、
前記取得した使用頻度情報に基づいて、該使用頻度の高さに応じた配置位置となるように該設定項目を配置させる配置部と、
前記配置された設定項目を表示出力させる表示出力部と、
を備えたものである。
この情報処理プログラムでは、複数のユーザーによる複数の印刷処理の設定項目の使用頻度を格納した使用頻度情報をネットワークを介して取得する。次に、取得した使用頻度情報に基づいて、使用頻度の高さに応じた配置位置となるように設定項目を配置させ、配置された設定項目を表示出力させる。このように、ネットワークを介して他のユーザーの使用頻度を含む使用頻度情報を取得し、これに合わせて設定項目を配置することから、例えば、一般的に使用される設定項目が優先的な位置に配置される。したがって、設定項目の選択をより容易にすることができる。ここで、使用頻度情報に基づいて使用頻度の高さに応じた配置位置となるように設定項目を配置させるに際して、使用頻度がより高くなると優先度がより高い配置位置となるように設定項目を配置させるものとしてもよい。
本発明の情報処理プログラムにおいて、前記配置部は、情報処理プログラムが起動した際に、前記取得した使用頻度情報に基づいて前記設定項目を配置させ、前記情報処理プログラムが起動した後には、前記取得した使用頻度情報に基づいて前記設定項目を配置させることを禁止する禁止部を更に備えるものとしてもよい。このとき、前記禁止部は、ユーザーからの指示を受けるまで、前記取得した使用頻度情報に基づいて前記配置部が前記設定項目を配置させることを禁止するものとしてもよい。こうすれば、ユーザーの意図に応じて設定項目の選択をより容易にすることができる。あるいは、前記禁止部は、情報処理プログラムの終了から、次に前記情報処理プログラムが起動するまでの期間に応じて、前記取得した使用頻度情報に基づいて前記配置部が前記設定項目を配置させることを禁止するか否かを判断するものとしてもよい。こうすれば、情報処理プログラムを起動する間隔に応じて設定項目の選択をより容易にすることができる。このとき、前記禁止部は、情報処理プログラムの終了から次に前記情報処理プログラムが起動するまでの期間が所定の更新期間を超えていないときには前記使用頻度情報に基づく前記設定項目の配置を禁止する一方、前記所定の更新期間を超えているときには前記使用頻度情報に基づいて前記設定項目を配置させるよう判定するものとしてもよい。ここで、「所定の更新期間」は、例えば、1日、1週間、1月、1年など定期的な期間としてもよいし、情報処理プログラムの起動のたびとしてもよいし、情報処理プログラムの更新のたびとしてもよい。
本発明の情報処理プログラムにおいて、前記印刷処理の設定項目には、主設定項目と該主設定項目に付随する副設定項目とを含んでおり、前記配置部は、前記取得した使用頻度に基づいて、前記主設定項目と該主設定項目に付随する副設定項目の少なくとも1つとが隣り合うように該主設定項目と該副設定項目とを配置させるものとしてもよい。こうすれば、主設定項目を選択したのちは副設定項目を設定することが多いことから、設定項目の選択を更に容易にすることができる。主設定項目と副設定項目との少なくとも1つが隣り合う近傍の配置位置とするに際して、主設定項目と副設定項目とを混在させて配置してもよいし、1つの主設定項目に対して1つの副設定項目を配置するものとしてもよいし、1つの主設定項目に対して複数の副設定項目を配置するものとしてもよい。このとき、前記配置部は、前記主設定項目がユーザに選択されたあと該主設定項目に付随する副設定項目を該主設定項目の隣に配置させるものとしてもよい。こうすれば、主設定項目の選択前には主設定項目の配置領域をより大きくすることが可能であり、主設定項目の選択が容易となると共に、その後の副設定項目の選択をも容易とすることができる。また、前記配置部は、主設定項目がユーザに選択されたあと副設定項目を主設定項目の隣に配置させるに際して、前記使用頻度情報に基づいて優先度が高い配置位置となるように複数の主設定項目を配置させ、該主設定項目が選択されたあと、該主設定項目に付随する複数の副設定項目を、前記使用頻度情報に基づいて優先度が高い配置位置となるよう配置させてもよい。このとき、選択されていない主設定項目の表示位置に副設定項目を配置させるものとしてもよい。こうすれば、主設定項目の選択前には主設定項目の配置領域をより大きくすることが可能である。
本発明の情報処理プログラムにおいて、前記配置部は、前記アプリケーションプログラムにおいて利用する印刷装置の機種及び前記アプリケーションプログラムを利用する地域の少なくともいずれかに対応する使用頻度情報を用いて前記設定項目を配置させるものとしてもよい。こうすれば、利用する印刷装置に応じた設定項目の選択をより容易にすることができる。このとき、印刷装置の機種が変更されるたび、該変更後の印刷装置の機種に対応する使用頻度情報を用いて前記設定項目を配置させるものとしてもよい。
本発明の情報処理プログラムにおいて、前記取得部は、地域に対応する複数の設定項目の使用頻度を格納した使用頻度情報をネットワークを介して取得するものとしてもよい。こうすれば、利用されている地域に応じた使用頻度を用いて設定項目の選択をより容易にすることができる。
本発明の情報処理プログラムにおいて、前記配置部は、前記設定項目に対応するアイコン画像を配置させ、前記表示出力部は、前記アイコン画像を配置したツールバーを表示出力させるものとしてもよい。アイコン画像を配置したツールバーは、印刷設定に用いられることが多いため、本発明を適用する意義が高い。
本発明の情報処理プログラムは、アプリケーションプログラムのユーザーインターフェイスに組み込まれ印刷設定を受け付けるアドインとしての情報処理プログラムであるものとしてもよい。
本発明の情報処理装置は、
アプリケーションプログラムを備えた情報処理装置であって、
画像を表示可能な表示手段と、
複数のユーザーによる複数の印刷処理の設定項目の使用頻度を格納した使用頻度情報をネットワークを介して取得する取得手段と、
前記取得した使用頻度情報に基づいて、該使用頻度の高さに応じた配置位置となるように該設定項目を配置させる配置手段と、
前記配置された設定項目を前記表示手段に表示出力させる表示出力手段と、
を備えたものである。
この情報処理装置では、上述した情報処理プログラムと同様に、ネットワークを介して他のユーザーの使用頻度を含む使用頻度情報を取得し、これに合わせて設定項目を配置することから、例えば、一般的に使用される設定項目が優先的な位置に配置される。したがって、設定項目の選択をより容易にすることができる。なお、この情報処理装置において、上述した情報処理プログラムの種々の態様を採用してもよいし、また、上述した情報処理プログラムの各機能を実現するような構成を備えるものとしてもよい。
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である情報管理システム10の構成の概略を示す構成図である。本実施形態の情報管理システム10は、図1に示すように、データを処理して画面表示するユーザーパソコン(PC)20と、ユーザーPC20から印刷ジョブを受けて印刷処理を実行するプリンター40,45と、プリンターに関する情報を管理する情報管理サーバー60とを備えている。この情報管理システム10では、ユーザーPC20やプリンター40,45のほか、ユーザーPC50,54、プリンター52,56などがインターネット12を介して情報管理サーバー60に通信可能に接続されている。このユーザーPC20やユーザーPC50、ユーザーPC54などは、同じ地域、あるいは異なる地域にあるものとしてもよい。この「地域」は、市町村などの地域としてもよいし、関東地域や関西地域としてもよいし、日本やアメリカなど各国地域としてもよいし、アジア地域や北アメリカ地域などとしてもよい。
ユーザーPC20は、ユーザーが使用する情報処理装置として構成されたパソコンである。このユーザーPC20は、各種制御を実行するCPU22や各種制御プログラムを記憶するフラッシュROM23、データを一時記憶するRAM24などを備えたコントローラー21を備えている。また、ユーザーPC20は、各種アプリケーションプログラム(以下単にアプリケーションと称する)や各種データファイルを記憶する不揮発性の大容量メモリーであるHDD25、ネットワークに接続された外部機器との間で信号の送受信が可能な図示しないネットワークインタフェース(I/F)などを備えている。HDD25には、実行プログラムである第1アプリケーション16(例えば文書編集プログラム)や、第2アプリケーション17(例えば表計算プログラム)などが記憶されている。なお、アプリケーションとしては、このほかウェブブラウザーや画像編集プログラム、プレゼンテーションプログラム、電子メールプログラムなどが挙げられる。また、HDD25には、第1アプリケーション16にアドインされるツールバーを制御するアドイン制御プログラム30(本発明の情報処理プログラム)や、アプリケーションと連携しプリンター40の印刷処理実行に関する処理を行う印刷ドライバ18などが記憶されている。
アドイン制御プログラム30は、ユーザーインターフェイスに組み込まれ印刷設定を受け付けるアドインであるアドイン用ツールバーを制御するプログラムである。このアドイン制御プログラム30は、取得部31や配置部32、表示出力部33、情報送信部34、頻度計測部35、頻度計測情報36、配置設定情報37及び禁止部38などにより構成されている。取得部31は、複数のユーザーによる複数の印刷処理の設定項目の使用頻度を格納した使用頻度情報をネットワークを介して取得する機能を有する。印刷処理の設定項目には、例えば、割付の有無及び割付枚数、両面印刷の有無及びとじ方、カラーかモノクロかの色情報、印刷部数、プリンターの機種情報などが含まれている。配置部32は、取得した使用頻度情報に基づいて、使用頻度がより高くなると優先度がより高い配置位置となるように印刷処理の設定項目を配置させる機能を有する。この配置部32は、印刷処理の設定項目に含まれる主設定項目とこの主設定項目に付随する副設定項目とが近傍の配置位置となるようにこれらを配置させる機能を有している。主設定項目と副設定項目との関係としては、例えば、両面印刷実行と、長辺閉じ、短辺閉じ及び裏写り濃度調整との関係や、割付印刷と、割付頁数、割付順及び用紙方向の関係などが挙げられる。表示出力部33は、配置された印刷処理の設定項目をディスプレイ26に表示出力させる機能を有している。情報送信部34は、ユーザーPC20に登録されているプリンター40,45などに関する情報を情報管理サーバー60へ送信出力する機能を有する。頻度計測部35は、印刷処理の設定項目の選択回数をカウントすることにより、ユーザーPC20での印刷処理の設定項目の使用頻度を計測する機能を有する。頻度計測情報36は、頻度計測部35により計測されたユーザーPC20での印刷処理の設定項目の使用頻度を格納した情報である。この頻度計測情報36では、プリンター40,45が設置されている地域と、プリンターの機種と、設定項目の使用頻度とが各々対応付けられている。また、情報送信部34の機能により、この頻度計測情報36を所定のタイミングで情報管理サーバー60へ送信する。配置設定情報37は、表示画面27に表示するアドイン用ツールバーに配置するアイコンと配置位置とを対応付けた情報を格納した情報である。配置部32の機能により、この配置設定情報37を用いてアドイン用ツールバーのアイコン画像の配置を行う。禁止部38は、所定の更新期間を超えたか否かに基づいて、ネットワークを介して取得した使用頻度情報に応じた印刷処理の設定項目の配置を禁止する処理を行う。
印刷ドライバ18は、プリンター40を制御し、アプリケーションに対して抽象化したインターフェースを提供するデバイスドライバであり、印刷条件などを格納した印刷設定情報を有している。印刷設定情報は、現在設定されている印刷条件を格納したデータであり、アドイン用ツールバーなどアプリケーション側から設定項目の指定があると、その指定内容に基づいて書き換えられる。ユーザーPC20は、印刷ドライバ18を用い、印刷設定情報に格納されている印刷設定内容でプリンターに印刷処理を実行させる。
このユーザーPC20は、各種情報を表示画面27に表示するディスプレイ26や、ユーザーが各種指令を入力するキーボード及びマウス等の入力装置28などを備えている。このユーザーPC20は、ディスプレイ26に表示されたカーソル等をユーザーが入力装置28を介して入力操作するとその入力操作に応じた動作を実行する機能を有する。コントローラー21やHDD25、ディスプレイ26及び入力装置28は、バス29によって電気的に接続され、各種制御信号やデータのやり取りができるよう構成されている。このユーザーPC20は、インストールされたプログラムによりプリンター40に対して印刷処理を指令したりプリンター40の情報を表示したりする。なお、ユーザーPC50,54については、ユーザーPC20と同様の機能を有するものとし、その説明を省略する。
プリンター40は、各種処理プログラムを記憶したROMと一時的にデータを記憶するRAMとを備え、CPUを中心とするマイクロプロセッサーとして装置全体の制御を司るコントローラー41と、記録紙Sへ画像を印刷処理する印刷機構42と、を備えている。また、プリンター40は、ネットワークに接続された外部機器との間で信号の送受信が可能な図示しないI/Fを備えている。コントローラー41や印刷機構42などは、図示しないバスによって電気的に接続されている。印刷機構42は、図示しないが、各色のインクに圧力をかけ、この加圧されたインクを記録紙Sに吐出して印刷処理を実行するインクジェット方式の機構である。なお、インクへ圧力をかける機構は、圧電素子の変形によるものとしてもよいしヒーターの熱による気泡の発生によるものとしてもよい。プリンター45は、プリンター40と同様のコントローラーと、電子写真方式の印刷機構とを備えているものとした。また、プリンター52,56については、プリンター40と同様の機能を有するものとし、その説明を省略する。なお、印刷機構は、インクジェット方式、ドットインパクト方式、電子写真方式及び熱転写方式などのいずれとしてもよい。
情報管理サーバー60は、ネットワークに接続された各地域に存在するプリンターの印刷処理の設定項目の使用頻度を管理するネットワークサーバーとして構成されている。この情報管理サーバー60は、各種処理プログラムを記憶したROMと一時的にデータを記憶するRAMとを備え、CPUを中心とするマイクロプロセッサーとして装置全体の制御を司るコントローラー61や、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する大容量メモリであるHDD62、ネットワークに接続された外部機器との間で信号の送受信が可能な図示しないI/Fなどを備えている。この情報管理サーバー60は、インターネット12を介してユーザーPC20やプリンター40などとデータを送受信する際には、RAMの所定領域に設けられた受信バッファ及び送信バッファを利用して行う。ここでは、ネットワークをインターネット12としたが、イントラネットとしてもよいし、LANとしてもよい。HDD45には、印刷処理の設定項目の使用頻度を含む使用頻度情報65を格納した使用頻度データベース64などが記憶されている。図2は、使用頻度データベース64の説明図である。この使用頻度データベース64は、図2に示すように、複数のプリンター機種(例えば第1機種、第2機種など)に対応する使用頻度情報65が格納されている。この使用頻度情報65は、印刷設定項目とその使用頻度とがそのプリンターの利用されている地域に対応付けられて格納されている。この地域は、例えば、A地域を関東地域とし、B地域を関西地域としてもよいし、A地域を日本国とし、B地域をアメリカ合衆国としてもよいし、A地域を東アジアとし、B地域を北アメリカとしてもよい。この使用頻度データベース64は、各地域にある各種プリンターの印刷設定状況を、ユーザーの了解のもと、収集して更新されているものとした。また、使用頻度情報65には、両面印刷や割付印刷などを含む主設定項目66と、主設定項目67に付随する設定項目であり長辺閉じや割付枚数などを含む副設定項目67とが含まれている。情報管理サーバー60は、使用頻度データベース64に格納されている情報をユーザーPC20,50,54などから受信した情報により更新し、使用頻度データベース64に格納されている情報をユーザーPC20,50,54などへ提供する処理を行う。
次に、こうして構成された本実施形態の情報管理システム10の動作、まず、ユーザーPC20で印刷処理の設定項目の使用頻度を計測する際の動作について説明する。図3は、頻度計測通知処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。図4は、アドイン用ツールバー80を含む表示画面27の説明図である。ここでは、文書編集を行う第1アプリケーション16が起動されたあとに、第1データウインドウ72及び第2データウインドウ74が開かれている場合について説明する。頻度計測通知処理ルーチンは、HDD25に記憶されたアドイン制御プログラム30に格納されており、ユーザーPC20が起動されたあとCPU22によって繰り返し実行される。このルーチンを実行すると、まず、CPU22は、アドイン用ツールバー80(図4参照)や印刷ドライバ18の図示しない設定画面上で印刷処理の設定項目が選択されたか否かを判定する(ステップS100)。この判定は、例えば、アドイン用ツールバー80上のアイコンがクリックされたか否かや、印刷ドライバ18の設定画面上で印刷処理の設定項目が選択された旨の通知が印刷ドライバ18からあったか否かなどに基づいて行うことができる。なお、プリンターの利用地域は、プリンター40の購入後に登録してあるものとする。
ここで、アドイン用ツールバー80について説明する。このアドイン用ツールバー80は、詳しくは後述するアドイン制御処理ルーチンにより、設定項目の使用頻度に応じて作成され表示出力される。図4に示すように、アプリケーションウインドウ70の上部に設けられたツールバー領域には、図示しないタブにより切替可能なアドイン用ツールバー80が配置されている。このアドイン用ツールバー80には、印刷実行アイコン82、割付印刷アイコン83、両面印刷アイコン84、カラー印刷アイコン85、印刷部数アイコン86及び機種アイコン87などが配置されている。印刷実行アイコン82は、クリックするとその右に表示されているアイコンの内容でそのまま印刷が実行されるものである。割付印刷アイコン83は、クリックすると、予め設定されている割付条件で割付印刷を実行する印刷条件となるものである。両面印刷アイコン84は、クリックすると予め設定されている両面印刷条件で両面印刷を実行する印刷条件となるものである。カラー印刷アイコン85は、クリックすると、カラー印刷を実行する印刷条件となるものである。印刷部数アイコン86は、印刷部数を設定するボタンであり、アイコン内のコンボボックスに印刷部数を入力可能となっている。機種アイコン87は、印刷を行うプリンターの機種を設定するボタンであり、アイコン内のコンボボックスにプリンターの機種名を入力可能となっている。ここでは、第1機種プリンター(プリンター40)及び第2機種プリンター(プリンター45)を利用可能であるものとした。
さて、ステップS110で印刷処理の設定項目が選択されたときには、CPU22は、利用されているプリンターの機種と利用している地域とに対応付けて、選択された設定項目の頻度計測情報36を更新する(ステップS110)。使用頻度の更新は、例えば、1回選択されると1カウント使用回数をインクリメントすることにより更新するものとしてもよい。このようにして、ユーザーPC20において、プリンター40やプリンター45の設定項目の使用頻度を計測するのである。ステップS110のあと、または、ステップS100で印刷処理の設定項目が選択されていないときには、CPU22は、使用頻度を通知するタイミングであるか否かを判定する(ステップS120)。このタイミングは、特に限定されず、アドイン制御プログラム30の起動時のたびとしてもよいし、定期的な期間毎(例えば1週間、1ヶ月、1年など)としてもよいし、アドイン制御プログラム30の更新のたびとしてもよい。使用頻度を通知するタイミングでないときには、CPU22は、そのままこのルーチンを終了する。一方、使用頻度を通知するタイミングであるときには、CPU22は、情報送信部34の機能により、頻度計測情報36に格納された各プリンターの設定項目の使用頻度を情報管理サーバー60へ通知し(ステップS130)、このルーチンを終了する。このように、情報管理サーバー60において、使用頻度データベース64を更新することにより、多数のユーザーの設定項目の利用状態を把握するのである。
次に、ユーザーPC20でアプリケーションのツールバーを利用して印刷指令する際の動作について説明する。図5は、CPU22によって実行されるアドイン制御処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。図6は、アドイン用ツールバー80の変遷を表す説明図である。アドイン制御処理ルーチンは、HDD25に記憶されたアドイン制御プログラム30に格納されており、アドインされているアプリケーションが起動されたあとCPU22によって実行される。このルーチンを実行すると、まず、CPU22は、使用頻度情報65の取得タイミングであるか否かを判定する(ステップS200)。このタイミングは、特に限定されず、アドイン制御プログラム30の起動時のたびとしてもよいし、定期的な期間毎(例えば1週間、1ヶ月、1年など)としてもよいし、アドイン制御プログラム30の更新のたびとしてもよいし、アドイン制御プログラム30の初回起動時のみとしてもよい。使用頻度情報65の取得タイミングであるときには、取得部34の機能により、情報管理サーバー60へアクセスし、各プリンター機種毎の使用頻度情報65をインターネット12を介して情報管理サーバー60から取得する(ステップS210)。ここでは、ユーザーPC20は、現在利用中のプリンター40及びプリンター45に対応する機種の使用頻度情報65を取得するものとした。
次に、CPU22は、取得した使用頻度情報65に格納された使用頻度に基づいて、配置部32により、アイコン画像の配置設定をプリンター機種毎に構築し(ステップS220)、構築した配置設定により、配置設定情報37を更新する処理を行う(ステップS230)。配置設定の構築は、以下に例示する方法で行うことができる。例えば、主設定項目66についての使用頻度の高い順、副設定項目67についての使用頻度の高い順、及び主設定項目66や副設定項目67ではない単独設定項目についての使用頻度の高い順を検出する。次に、主設定項目66及び単独設定項目のうち、使用頻度の高い順を検出し、その使用頻度の高い順に優先度の高い配置位置にアイコン画像が配置されるように設定するものとした。ここでは、使用頻度は、ユーザーPC20により利用されているプリンターの配置されている地域の値を用いるものとした。また、使用頻度の高低の判定は、使用回数の大小に基づいて行うことができる。また、配置位置の優先度は、アドイン用ツールバー80の左側ほど高いものとして設定されている。また、ここでは、副設定項目67は、使用頻度の高低にかかわらず、初期画面には表示しない設定になっているものとした。なお、印刷実行アイコン82を左端に固定し、機種選択アイコン87を右端に固定するものとしてもよい。なお、ここでは、使用頻度取得タイミングを所定の更新期間として用い、使用頻度取得タイミングでないときには、設定項目の配置位置の更新を禁止するものとしている。続いて、CPU22は、配置部32の機能により、配置設定情報37に基づいてアイコン画像を配置してアドイン用ツールバー80を作成し、表示出力部33の機能により、作成したアドイン用ツールバー80を表示出力する(ステップS240)。ここでは、図4に示すように、印刷実行アイコン82及び機種選択アイコン87が両端に配置され、割付印刷アイコン83、両面印刷アイコン84、カラー印刷アイコン85の順に使用頻度が高くなっており、この優先度にしたがって、設定項目に対応付けられたアイコンを配置するものとした。また、機種選択アイコン87において選択されているプリンター機種に対応する使用頻度を用いてアイコンの配置が行われるものとした。この使用頻度は、地域ごとの多数のユーザーの使用状況が反映されていることから、他のユーザーは利用しているが、本ユーザーが利用したことのない機能のアイコンが表示される場合がある。このため、ユーザーの知らなかった機能を、ユーザーに利用してもらう機会を増やすことができる。
続いて、CPU22は、アイコンが選択されたか否かを、いずれかのアイコン上にカーソル71が配置されてクリックされたか否かに基づいて判定する(ステップS250)。アイコンが選択されていないときには、CPU22は、アプリケーションが終了したか否かを判定する(ステップS260)。アプリケーションが終了したときには、CPU22は、そのままこのルーチンを終了し、アプリケーションが終了していないときには、ステップS240以降の処理を実行する。即ち、アドイン用ツールバー80を表示し、アイコンが選択されるのを待機するのである。一方、ステップS250でアイコンが選択されたときには、CPU22は、選択されたアイコンが機種変更(機種選択アイコン87)であるか否かを判定する(ステップS270)。選択されたアイコンが機種変更であるときには、CPU22は、アイコンの配置位置を定める機種を変更し(ステップS280)、ステップS240以降の処理を実行する。即ち、変更した機種の使用頻度に応じた配置位置にアイコン画像を配置してアドイン用ツールバー80を作成し、作成したアドイン用ツールバー80を表示出力する処理を行うのである。
一方、ステップS270で、選択されたアイコンが機種変更でないときには、CPU22は、選択されたアイコンが印刷実行(印刷実行アイコン82)であるか否かを判定する(ステップS290)。選択されたアイコンが印刷実行でないときには、CPU22は、選択されたアイコンが設定項目であるかを判定する(ステップS300)。この処理では、選択されたのが主設定項目66であるか、主設定項目66以外の設定項目(副設定項目67及び単独設定項目)であるか、詳しくは後述する前の画面に戻る(図6の「戻るアイコン92」参照)であるかを判定するものとした。選択されたアイコンが主設定項目66であるときには、CPU22は、配置部32の機能により、この主設定項目66に付随する副設定項目67と主設定項目66とが近傍の配置位置となるアドイン用ツールバー80を作成し、これを表示出力する(ステップS310)。ここでは、図6に示すように、主設定項目66に付随する1以上の副設定項目67のうち、使用頻度情報65による使用頻度が最も高い1つのアイコン画像を、主設定項目66に隣接して配置するものとした。また、主設定項目66の選択前の画面に戻るための、戻るアイコン92も配置するものとした。また、副設定項目67は、選択されていない他の主設定項目及び単独設定項目のアイコン画像に代えて配置されるものとした。このように、主設定項目66を選択すると、その近傍に使用頻度の高い副設定項目67が動的に表示されるため、ユーザーは、設定項目の選択を行いやすい。
ステップS300で戻る(戻るアイコン92)が選択されたときには、CPU22は、ステップS240以降の処理を実行する。即ち、配置設定情報37に基づいて、1つ前に表示したアドイン用ツールバー80を表示画面27に表示するのである。ステップS310のあと、または、ステップS300で、選択されたアイコンが主設定項目66以外の設定項目であるときには、選択されたアイコンに対応する設定項目を印刷条件に設定する(ステップS320)。即ち、主設定項目66以外が選択された場合、副設定項目67が選択されると、副設定項目67(例えば裏写り濃度調節の実行)を印刷条件に設定し、単独設定項目が選択されると、単独設定項目(例えばカラー印刷の実行)を印刷条件に設定する。そして、ステップS260で、アプリケーションが終了したときには、CPU22は、そのままこのルーチンを終了し、アプリケーションが終了していないときには、ステップS240以降の処理を実行する、即ち、アドイン用ツールバー80を表示し、アイコンが選択されるのを待機するのである。
一方、ステップS290で、選択されたアイコンが印刷実行であるときには、図示しない印刷設定情報に格納された印刷条件に基づいて印刷処理を開始する(ステップS300)。印刷処理の開始は、例えば、CPU22が印刷ドライバ18を実行し、アプリケーションで現在アクティブなファイルの画像を印刷データへ変換させるなどの処理を行う。また、プリンター40の印刷処理では、印刷機構42がキャリッジをインク吐出位置へ移動すると共に印刷データに基づいて印刷ヘッドからインクを記録紙Sへ吐出する処理を実行する。このように、アドイン用ツールバー80を利用してより容易に印刷設定を行い、設定した印刷条件を用いて印刷を実行するのである。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のアドイン制御プログラム30が本発明の情報処理プログラムに相当し、このうち、取得部31が取得部及び取得手段に相当し、配置部32が配置部及び配置手段に相当し、表示出力部33が表示出力部及び表示出力手段に相当し、使用頻度情報65が使用頻度情報に相当し、インターネット12がネットワークに相当し、主設定項目66が主設定項目に相当し、副設定項目67が副設定項目に相当し、ディスプレイ26が表示手段に相当する。なお、本実施形態では、ユーザーPC20の動作を説明することにより本発明の情報処理方法の一例も明らかにしている。
以上詳述した本実施形態のユーザーPC20によれば、複数のユーザーによる複数の印刷処理の設定項目の使用頻度を格納した使用頻度情報65をネットワークとしてのインターネット12を介して取得する。次に、取得した使用頻度情報65に基づいて、使用頻度がより高くなると優先度がより高い配置位置となるように設定項目に対応するアイコン画像を配置させ、配置されたアイコン画像をツールバーとして表示出力させる。このように、ネットワークを介して他のユーザーの使用頻度を含む使用頻度情報を取得し、これに合わせて設定項目を配置することから、例えば、一般的に使用される設定項目が優先的な位置に配置される。したがって、設定項目の選択をより容易にすることができる。また、使用頻度情報65は、多数のユーザーの使用状況が反映されているから、他のユーザーは利用しているが、本ユーザーが利用したことのない機能のアイコンを表示可能であるため、ユーザーの知らなかった機能をユーザーに利用してもらう機会を増やすことができる。
また、主設定項目66とこの主設定項目66に付随する副設定項目67とが近傍に配置されるため、主設定項目を選択したのちは副設定項目を設定することが多く、設定項目の選択を更に容易にすることができる。このとき、1つの主設定項目に対して使用頻度の高い1つの副設定項目を配置するため、配置領域の効率化を図ることができ、副設定項目も設定しやすい。更に、主設定項目66がユーザに選択されたあとこの主設定項目66に付随する副設定項目67を主設定項目66の近傍に配置させるため、主設定項目66の選択前には主設定項目66の配置領域をより大きくすることが可能であり、主設定項目66の選択が容易となると共に、その後の副設定項目67の選択をも容易とすることができる。更にまた、当初は主設定項目67や単独設定項目などが表示され、その後、選択されていない主設定項目66の表示位置に副設定項目67が表示されるため、設定項目の選択の順番に応じて配置領域の効率化を図ることができる。そして、アプリケーションプログラムにおいて利用するプリンターの機種に対応する使用頻度情報65を用いて設定項目を配置させるため、利用するプリンターに応じた設定項目の選択をより容易にすることができる。そしてまた、地域に対応する複数の設定項目の使用頻度を格納した使用頻度情報65をネットワークを介して取得するため、利用されている地域に応じた使用頻度を用いて設定項目の選択をより容易にすることができる。そして更に、アイコン画像を配置したツールバーは、印刷設定に用いられることが多いため、本発明を適用する意義が高い。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、設定項目に対応するアイコン画像を配置したアドイン用ツールバー80としたが、設定項目が選択可能に配置されるものとすれば、特にアイコンに限定されず、例えば、文字列の配置(ハイパーリンクなど)としてもよい。こうしても、印刷処理における設定項目の選択をより容易にすることができる。
上述した実施形態では、主設定項目66と副設定項目67と単独設定項目とを含む設定項目とし、当初は副設定項目67を配置しないものとしたが、使用頻度に応じた優先度で設定項目を配置するものとすれば、特にこれに限定されない。例えば、主設定項目66や副設定項目67に関係せず、使用頻度(使用回数)の高いものから順に優先度の高い配置位置に配置するものとしてもよい。即ち、主設定項目と副設定項目とを混在させて配置してもよい。上述した実施形態では、主設定項目66が選択されたあと、これに付随する副設定項目67を配置するものとしたが、特にこれに限定されず、図7に示すように、主設定項目66に隣接して副設定項目67を1つ配置したものを、各主設定項目66の種別毎に配置させたアドイン用ツールバー80Bとしてもよい。このアドイン用ツールバー80Bでは、割付印刷アイコン83の近傍(隣)に、割付印刷アイコン83に付随する副設定項目67である4頁割付アイコン93が配置されるものとした。また、1つの主設定項目66に対して1つの副設定項目67を配置するものとしたが、1つの主設定項目66に対して複数の副設定項目67を配置するものとしてもよい。また、選択されていない主設定項目の代わりに副設定項目67を配置するものとしたが、副設定項目67を配置した新たなアドイン用ツールバーを、アドイン用ツールバー80に替えて、あるいはこれに加えて表示させるものとしてもよい。
上述した実施形態では、プリンターの種別に応じた設定項目を使用頻度に応じて優先度を定めて配置するものとしたが、種別に関係せず、使用頻度の高い設定項目から順に優先度の高い配置位置に配置するものとしてもよい。こうしても、印刷処理における設定項目の選択をより容易にすることができる。このとき、機種選択アイコン87を省略してもよい。また、プリンターの種別にかかわらない使用頻度情報65を取得するものとしてもよい。あるいは、上述した実施形態では、利用している地域に応じて優先度を定めて設定項目を配置するものとしたが、地域に関係せず、使用頻度の高い設定項目から順に優先度の高い配置位置に配置するものとしてもよい。こうしても、印刷処理における設定項目の選択をより容易にすることができる。このとき、地域にかかわらない使用頻度情報65を取得するものとしてもよい。
上述した実施形態では、使用頻度取得タイミングであるか否かに応じて配置設定情報37の更新を禁止するものとしたが、配置設定情報37の更新の禁止は、特にこれに限定されない。例えば、最初にアドイン制御プログラム30が起動した際に、配置設定情報37の更新を行い、アドイン制御プログラム30が起動した後には、禁止部38は、配置設定情報37の更新を禁止するものとしてもよい。こうすれば、頻繁な配置設定情報37の更新に伴うアイコン位置の頻繁な変更を抑制することができる。このとき、禁止部38は、ユーザーからの指示を受けるまで、配置設定情報37の更新を禁止するものとしてもよい。こうすれば、ユーザーの意図に応じて設定項目の選択をより容易にすることができる。あるいは、禁止部38は、アドイン制御プログラム30の終了から次にアドイン制御プログラム30が起動するまでの期間に応じて、配置設定情報37の更新を禁止するものとしてもよい。こうすれば、アドイン制御プログラム30を起動する間隔に応じて設定項目の選択をより容易にすることができる。このとき、禁止部38は、アドイン制御プログラム30の終了から次にアドイン制御プログラム30が起動するまでの期間が所定の更新期間を超えていないときには配置設定情報37の更新を禁止する一方、所定の更新期間を超えているときには配置設定情報37の更新を行うものとしてもよい。
上述した実施形態では、優先度が高くなると、より左側の配置位置に設定項目を配置するものとしたが、特にこれに限定されず、優先度が高いのが、より上側の配置位置としてもよいし、より右側としてもよいし、より下側としてもよい。
上述した実施形態では、アドイン制御プログラムは、アプリケーションプログラムの表示画面に表示されるツールバーを制御するものとしたが、設定項目の選択をユーザーができるものとすれば、特にこれに限定されず、ツールバー以外であってもよい。また、上述した実施形態では、アドイン制御プログラムはアプリケーションプログラムに組み込まれるものとして説明したが、特にこれに限定されない。例えば、アプリケーションに組み込まれるアドインではなく、アプリケーション自体のツールバーとし、アプリケーション自体が、上述したアドイン制御プログラムの内容を実行するものとしてもよい。