JP5691207B2 - 溶銑の脱硫処理用精錬容器及び脱硫処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インペラーを備えた機械攪拌式脱硫装置を用いて溶銑を脱硫処理するための脱硫処理用精錬容器及び脱硫処理方法に関し、詳しくは、溶銑を収容する精錬容器底部に傾斜勾配を設けるなどして底部形状を精錬容器の中心軸に対して軸対称ではない形状とすることで、インペラーにより生成される渦流を乱し、この乱れによって添加した脱硫剤を効果的に溶銑中に分散させ、高い脱硫率で脱硫することのできる脱硫処理用精錬容器及び脱硫処理方法に関する。
高炉で溶製された溶銑から鋼を製造するにあたり、高炉から出銑された溶銑には、鋼の品質に悪影響を及ぼす硫黄(S)が0.04〜0.05質量%程度の高濃度で含まれている。しかも、次工程の転炉精錬工程では、酸化精錬による不純物の除去を目的としていることから、主として還元反応により除去される硫黄の除去は余り期待できず、そこで、他の含有成分などの影響から脱硫しやすい溶銑の段階において、要求される品質に応じて、種々の方法によって脱硫処理が行われている。
この溶銑の脱硫処理技術の1つとして、溶銑中に浸漬させたインペラー(「回転羽根」または「回転翼」とも呼ぶ)を機械的に回転させて溶銑を攪拌しながら脱硫剤を添加し、添加した脱硫剤を溶銑中に巻き込ませて脱硫する方法(「機械攪拌式脱硫法」という)が広く行われている。機械攪拌式脱硫法のうちで、インペラーを攪拌体(スターラー)として用いる方法はKR法とも呼ばれており、また、機械的に溶銑と脱硫剤とを攪拌させて脱硫する装置は、機械攪拌式脱硫装置と呼ばれている。この機械攪拌式脱硫法においては、脱硫剤として比較的安価な生石灰(CaO)を主成分とするものが用いられており、また、脱硫反応は還元性雰囲気で促進されることから、Alなどの脱酸剤の添加を併用する場合も行われている。
ところで、生石灰は溶銑に比べて比重が小さく且つ溶銑との濡れ性が悪いため、脱硫剤である生石灰が溶銑中に侵入・分散しにくく、反応効率が低いという課題がある。溶銑上で浮遊する生石灰は、ほとんど脱硫反応には寄与しない。そこで、溶銑中への生石灰の分散を促進させ、脱硫反応効率を向上させる技術が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、インペラーによる回転攪拌中の溶銑へ成分調整剤を添加するにあたり、溶銑を機械的に攪拌して溶銑の流れを形成するとともに、この流れの中に障害物を設け、該障害物の後方に惹起される乱流中へ成分調整剤を添加する方法が提案されている。特許文献1によれば、障害物の後方には乱流が形成され、この部分に投入された合金類或いは処理剤は溶銑と直ちに混合するとしている。
また、特許文献2には、インペラーによる機械攪拌式脱硫法において、攪拌強度を高めるべく、インペラーを精錬容器の中心に対して偏心させた状態で回転させる方法が提案されている。特許文献2によれば、溶銑の攪拌が乱れて乱流となり、脱硫効率が向上するとしている。
特開昭61−223115号公報 特開2001−262212号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
即ち、特許文献1では、邪魔板などの障害物を設置することで溶銑の流れを乱すことはできるものの、旋回する溶銑の多大な力が障害物に負荷され、障害物の寿命は極めて短く、場合によっては数回の脱硫処理で障害物そのものが消失してしまうという問題がある。つまり、障害物に関わるコストが嵩み、却って脱硫処理コストを増大させる恐れがある。
特許文献2では、インペラーの位置を一定の偏心した位置に合わせることが困難であり、偏心位置の違いによって脱硫効率が変動し、脱硫処理の安定性を欠くという問題がある。また、偏心した側の精錬容器の内張り耐火物の溶損量が、それ以外の部位の内張り耐火物の溶損量に比べて多くなり、精錬容器の寿命を劣化させるという問題もある。
このように、上記の従来技術は設備寿命や安定性などに課題があり、工業的規模での工程的な運用に至ったとの報告はなされていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、機械攪拌式脱硫装置を用いて溶銑を脱硫処理するにあたり、添加した脱硫剤を溶銑中に効率良く分散することができ、溶銑を従来に比べて高い脱硫率で脱硫処理することのできる、溶銑の脱硫処理用精錬容器及び脱硫処理方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る溶銑の脱硫処理用精錬容器は、内部に収容した溶銑を機械攪拌式脱硫装置で脱硫処理するための鍋型精錬容器であって、底部の内面形状が該精錬容器の中心軸に対して軸対称とはならないように、底部に施工される耐火物の施工厚みが施工箇所に応じて異なることを特徴とするものである。
第2の発明に係る溶銑の脱硫処理用精錬容器は、第1の発明において、前記鍋型精錬容器は、底部の外殻が下方に向かって凸状の曲面であり、且つ、それぞれ底部を2分割し、底部の中心位置を通って直行する2本の直線と平行な方向に成形煉瓦がワーク煉瓦として施工された精錬容器であって、前記2本の直線のうちの何れか一方の直線を境として、底部の片側の1/2の範囲は、厚みが一定の成形煉瓦がワーク煉瓦として施工され、底部の反対側の1/2の範囲は、前記厚みが一定の成形煉瓦よりも厚みが大きく、且つ、前記直線から離れるに伴って厚みの大きくなる成形煉瓦がワーク煉瓦として施工された鍋型精錬容器であることを特徴とするものである。
第3の発明に係る溶銑の脱硫処理用精錬容器は、第1の発明において、前記鍋型精錬容器は、底部外殻が下方に向かって凸状の曲面であり、且つ、底部の中心位置を中心として同心円の環状に成形煉瓦がワーク煉瓦として施工された精錬容器であって、少なくとも底部の中心位置から底部内面半径の1/2を超えた外周側では、底部の中心位置を通って底部を2分割する直線を境として、底部の片側の1/2の範囲は、厚みが一定の成形煉瓦がワーク煉瓦として施工され、底部の反対側の1/2の範囲は、前記厚みが一定の成形煉瓦よりも厚みが大きく、且つ、前記直線から離れるに伴って厚みの大きくなる成形煉瓦がワーク煉瓦として施工された鍋型精錬容器であることを特徴とするものである。
第4の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、内部に耐火物が施工された、ほぼ円形平断面の鍋型精錬容器に収容された溶銑に、前記精錬容器のほぼ中心位置でインペラーを浸漬させ、且つ該インペラーの回転軸をほぼ鉛直にして溶銑中で回転させ、溶銑上に添加された脱硫剤と溶銑とを攪拌して溶銑を脱硫処理するにあたり、前記精錬容器として、その底部の内面形状が該精錬容器の中心軸に対して軸対称ではない鍋型精錬容器を用いることを特徴とするものである。
第5の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、第4の発明において、前記鍋型精錬容器は、第1ないし第3の発明の何れか1つに記載の脱硫処理用精錬容器であることを特徴とするものである。
第6の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、第4の発明において、前記精錬容器として、底部外殻が下方に向かって凸状の曲面である鍋型精錬容器であって、底部内面の約1/2の範囲が水平面に対して傾斜する平坦状の1つの面となり、且つ、残りの範囲が下方に向かって凸状の曲面となるように、耐火物が施工された鍋型精錬容器を用いることを特徴とするものである。
第7の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、第6の発明において、前記底部の平坦状の1つの面は、前記鍋型精錬容器の鉛直方向に直線状の側壁鉄皮外面の下端位置と凸状の曲面である底部鉄皮外面の中心位置とを結ぶ直線が水平面に対して傾斜する角度に対して、更に、3°以上10°以下の範囲で傾斜していることを特徴とするものである。
第8の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、第4の発明において、前記精錬容器として、その底部の内面全体が、水平面に対して傾斜する平坦状の1つの面となるように、耐火物が施工された鍋型精錬容器を用いることを特徴とするものである。
第9の発明に係る溶銑の脱硫処理方法は、第8の発明において、前記底部の平坦状の1つの面は、水平面に対して3°以上10°以下の範囲で傾斜していることを特徴とするものである。
本発明によれば、機械攪拌式脱硫装置を用いて溶銑を脱硫処理する際に、溶銑を収容する鍋型精錬容器として、その底部の内面形状が該精錬容器の中心軸に対して軸対称ではない鍋型精錬容器を用いるので、インペラーの回転によって生成する渦流が偏心して乱れ、溶銑の攪拌が強化され、溶銑上に添加した脱硫剤と溶銑との攪拌・混合が向上して脱硫剤の溶銑中への分散が促進され、高い脱硫率での脱硫処理が実現される。その結果、脱硫剤の削減などにより製造コストが低減されるのみならず、脱硫スラグ発生量の減少に伴う廃棄物削減により環境への影響が緩和されるなど、顕著な効果がもたらされる。
4種類の水モデル実験での試験条件の概要及び結果を示す図である。 溶銑鍋の底部に耐火物を施工して本発明で使用する鍋型精錬容器に改造する例を示す図である。 本発明に係る精錬容器の底部のワーク煉瓦の施工方法の例を示す平面図である。 図3のX−X’矢視による断面図である。 本発明に係る精錬容器の底部のワーク煉瓦の施工方法の他の例を示す平面図である。 図5のY−Y’矢視による断面図である。 4種類の試験条件で溶銑の脱硫試験を実施した機械攪拌式脱硫装置の概略断面図である。 邪魔板攪拌、偏心攪拌及び底部勾配攪拌の試験条件で使用した溶銑鍋の形状及びインペラーと溶銑鍋との位置関係を示す図である。 実機での4種類の脱硫試験における試験結果を示す図である。 溶銑鍋底部の傾斜角度を変更して脱硫試験したときの結果を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、機械攪拌式脱硫法において脱硫剤の溶銑中への分散を促進させる方法について検討した。従来の知見から、インペラーの回転攪拌時に生成される渦流の形状を何らかの方法で乱すことで、脱硫剤の巻き込みが促進されることは分かっているが、前述したように、従来技術には工程的な通常運用には問題があった。そこで、本発明者らは、溶銑を収容する精錬容器そのものに改善を施すことで渦形状を乱すことができれば、邪魔板のような短寿命で終わることもなく、また、浸漬位置の偏心のように安定性を欠くこともなくなるのではと考えた。このような考えのもと、本発明者らは、渦形状を乱すための容器形状について検討した。
精錬容器形状の検討にあたっては、機械攪拌式脱硫法における脱硫剤の溶銑中への分散挙動を可視評価するために広く採り入れられている水モデル実験装置を用いて実験した。つまり、実機精錬容器を模擬したアクリル製容器に水を入れ、アクリル製インペラーを水中に浸漬させて回転攪拌を行いつつ、容器上方から擬似脱硫剤を添加した。擬似脱硫剤添加後の水中の状況を高速度カメラを用いて撮影し、水中に進入・分散している擬似脱硫剤の個数を数えて評価した。
このような評価検討を行った結果、容器の底部を水平面に対して傾斜させた平面とすることで、インペラーの回転により生成される渦流が偏心して、擬似脱硫剤の巻き込みが促進され、擬似脱硫剤の巻き込みは、邪魔板を設置した場合やインペラーの浸漬位置を偏心させた場合と同等になることを確認した。
図1に、水モデル実験で実施した4種類の試験条件の概要及び試験結果を示す。4種類の試験条件とは、図1に示すように、(1)水平面と平行な平面を底部とする容器の中心位置にインペラーを設置した場合(「通常攪拌」と称す)、(2)通常攪拌の条件下で更に容器の側壁に邪魔板を設置した場合(「邪魔板攪拌」と称す)、(3)水平面と平行な平面を底部とする容器の中心位置とは偏心させてインペラーを設置した場合(「偏心攪拌」と称す)、及び、(4)水平面に対して傾斜した平面を底部とする容器の中心位置にインペラーを設置した場合(「底部勾配攪拌」と称す)の4水準である。
回転するインペラーにより生成する渦形状は、「通常攪拌」ではインペラーの回転軸を中心に軸対称の渦が形成されたのに対し、「邪魔板攪拌」、「偏心攪拌」及び「底部勾配攪拌」では、何れも生成される渦流がインペラーの回転軸に対して対称ではなくなり、偏心した渦流が形成され、渦流が乱れる様子が観察された。また、擬似脱硫剤の巻き込み割合についても、「通常攪拌」では添加した擬似脱硫剤の10%であったのに対し、「邪魔板攪拌」、「偏心攪拌」及び「底部勾配攪拌」では添加した擬似脱硫剤の25%が巻き込まれることが確認できた。尚、擬似脱硫剤の巻き込み割合は、「(水中に巻き込まれた擬似脱硫剤の個数)×100/(添加した全擬似脱硫剤の個数)」で求めたものである。
このように水モデル実験においては、精錬容器の底部に傾斜勾配を設けることで渦流を乱すことができ、脱硫剤の巻き込みを増加させることが確認できたので、実機での可能性を確認するべく、実機試験を実施した。具体的には、精錬容器としてほぼ円形平断面の溶銑鍋を用い、溶銑鍋の底部全体の形状を耐火物の施工によって水平面に対して傾斜させた平坦状の面に変更し、機械攪拌式脱硫法での精錬容器に供した。その結果、実機の機械攪拌式脱硫装置においても、溶銑鍋の底部全体の形状を水平面に対して傾斜させた平坦状の面として、インペラーを精錬容器のほぼ中心位置でほぼ鉛直にして回転することで、脱硫効率が大幅に向上することが確認できた。これは、水モデル実験で確認されたように、実操業においても添加した脱硫剤の溶銑中への分散が促進され、脱硫反応に寄与し得る脱硫剤の割合が増加し、脱硫効率が向上したためである。
尚、実機溶銑鍋の底部は耐火物で施工されるので、「平面」に施工しようとしても幾何学的な平面を得ることは極めて困難であり、特に成形煉瓦で施工した場合には、細かい凹凸を有する面として施工されるが、全体的な形状は平坦状の1つの面と見て差し支えないので、ここでは、施工された耐火物により形成される上記形状の面を「平坦状の1つの面」と定義している。また、溶銑鍋の平断面は設計時には円形であるが、使用中に熱により変形し楕円形状になり、この変形した形状も含めて、「ほぼ円形平断面」と称している。また、インペラーの設置位置を、「精錬容器のほぼ中心位置」と表示しているが、インペラーの設置位置は目視で行われることが多く、本発明においては「目視による精錬容器の中心位置」にインペラーを設置すればよく、「精錬容器のほぼ中心位置」とは、幾何学的な中心位置ではなく、「目視による精錬容器の中心位置」という意味である。また更に、「インペラーをほぼ鉛直にして回転する」とは、幾何学的な鉛直方向であればもちろん好ましいが、鉛直方向に設計されても偏心などにより使用中に幾何学的な鉛直方向からずれることがあり、これを含むという意味である。
また、精錬容器底部の半分程度を「平坦状の1つの面」とした場合も、底部全体を傾斜させた場合と同等の脱硫率向上効果が得られることが確認できた。精錬容器の底部の半分程度を「平坦状の1つの面」とする場合には、既設の精錬容器であっても、改造のための耐火物の施工量が底部全体を平坦状にする場合に比べて少なくなることから望ましい。
更に、本発明者らは、容器底部の「平坦状の1つの面」の傾斜勾配の最適化範囲についても検討した。その結果、底部の全体が平坦状の精錬容器の場合は、「平坦状の1つの面」の水平面に対する傾斜角度は3°以上10°以下の範囲が好ましいことが分かった。水平面に対する傾斜角度が3°未満では生成する渦流の偏心程度が少なく、脱硫効率の改善効率が少なくなり、一方、水平面に対する傾斜角度が10°を越えると脱硫効率の改善効果は飽和してそれ以上の改善効果は得られず、逆に、精錬容器の収容容量が減少して生産性が低下するなどの問題が生ずる。
また、溶銑鍋のような底部の外殻形状が下方に向かって凸状の曲面である鍋型精錬容器の場合には、曲面形状の底部内面の勾配は外殻と同様に水平ではない。底部に施工される耐火物は外殻形状に添って施工されることから、この曲面形状の底部の勾配を、「当該鍋型精錬容器の鉛直方向に直線形状である側壁鉄皮の下端位置と、凸状の曲面形状である底部鉄皮の中心位置とを結ぶ直線が、水平面に対して傾斜する角度(この角度を「角度θs」と表示する)」と定義すると、「平坦状の1つの面」は、前記直線が水平面に対して傾斜する角度θsよりも更に3°以上10°以下傾斜することが好ましいことが分かった。3°未満では軸対称からの変位が小さいので生成する渦流の偏心程度が少なく、一方、10°を超えると脱硫効率の改善効果は飽和してそれ以上の改善効果は得られず、逆に、精錬容器の収容容量が減少して生産性が低下するなどの問題が生ずる。
図2に、底部の外殻形状が下方に向かって凸状の曲面である溶銑鍋2を精錬容器として使用した場合に、溶銑鍋2の底部に耐火物を施工し、溶銑鍋底部の全体を、水平面に対して傾斜角度θで傾斜させた、平坦状の1つの面とした例(図2(A))と、溶銑鍋底部の約半分を底部傾斜角度θsよりも更に傾斜角度θで傾斜させた、平坦状の1つの面とした例(図2(B))とを示す。図2(B)の直線X−X’が、溶銑鍋2の鉛直方向に直線形状である側壁鉄皮の下端位置と、凸状の曲面形状である底部鉄皮の中心位置と、を結ぶ直線である。
また更に、詳細に検討した結果、精錬容器底部の全体或いは半分程度を傾斜した「平坦状の1つの面」とするだけでなく、インペラーの回転により生成される渦流が、インペラーの回転軸に対して対称ではなくなり、偏心した渦流が形成されるような形状とすれば、脱硫剤の分散が促進されることを確認した。
即ち、溶銑鍋のような底部の外殻形状が下方に向かって凸状の曲面である精錬容器において、底部の耐火物の施工厚みを変化させ、底部全体の内面形状は曲面ではあるが曲率の異なる曲面とすることで、渦流がインペラーの回転軸に対して対称ではなくなり、偏心した渦流が形成されて、脱硫剤の分散が促進されることを確認した。
図3及び図4は、底部の外殻形状が下方に向かって凸状の曲面である精錬容器の底部に施工されるワーク煉瓦の厚みを変化させ、底部全体の内面形状は曲面ではあるが、底部の1/2の範囲における曲率を他の1/2の範囲での曲率とは変化させた例を示す図であり、図3は精錬容器の底部全体のワーク煉瓦の施工方法を示す平面図、図4は図3のX−X’矢視による断面図である。
図3及び図4に示すように、精錬容器13の外殻を形成する鉄皮14の内面側に、成形煉瓦からなる永久煉瓦15が施工され、その内面側に成形煉瓦からなるワーク煉瓦16が施工されている。この場合、底部には3層の永久煉瓦15が施工されているが、永久煉瓦15は3層に限るものではなく1層以上であれば構わない。また、底部において、永久煉瓦15は同一の厚みで施工されている。
この永久煉瓦15の内面側にワーク煉瓦16が、精錬容器13の底部を2分割し、底部の中心位置を通って直行する2本の直線(図3では紙面の上下方向の中心線及び左右方向の中心線)と平行な方向に規則的に施工されている。そして、上下方向の中心線よりも右側のワーク煉瓦16は厚みが160mmの一定であり、一方、上下方向の中心線よりも左側のワーク煉瓦16は、厚みが230mm、280mm、320mmの3種類であり、しかも、上下方向の中心線から離れるに伴って厚みの大きいワーク煉瓦16が施工されている。即ち、ワーク煉瓦16の稼働面(溶銑との接触面)の曲率が底部の他の1/2の範囲とは異なり、且つ、更に曲率の異なる範囲での曲率が徐々に変化するように、ワーク煉瓦16が施工されている。
この精錬容器13を用いて溶銑を脱硫処理した場合には、インペラーの回転により生成される渦流が、インペラーの回転軸に対して対称ではなくなり、偏心して乱れた渦流が形成され、脱硫剤の分散が促進される。
また、図5及び図6は、底部の外殻形状が下方に向かって凸状の曲面である精錬容器の底部ワーク煉瓦の厚みを変化させ、底部全体の内面形状は曲面ではあるが、底部の曲率を変化させた他の例を示す図であり、図5は精錬容器の底部全体のワーク煉瓦の施工方法を示す平面図、図6は図5のY−Y’矢視による断面図である。
図5及び図6に示すように、精錬容器13Aの外殻を形成する鉄皮14の内面側に、成形煉瓦からなる永久煉瓦15が施工され、その内面側に成形煉瓦からなるワーク煉瓦17が施工されている。この場合、底部には3層の永久煉瓦15が施工されているが、永久煉瓦15は3層に限るものではなく1層以上であれば構わない。また、底部において、永久煉瓦15は同一の厚みで施工されている。
この永久煉瓦15の内面側にワーク煉瓦17が、底部の中心位置を中心として同心円の環状に、円周方向に放射状に並んで施工されている。そして、少なくとも底部の中心位置から底部内面半径の1/2を超えた外周側では、同心円の円環に、底部の中心位置を通って底部を2分割する直線(図5では紙面の上下方向の中心線)を境として、底部の片側の1/2の範囲は、厚みが160mmの一定であるワーク煉瓦17が施工され、一方、底部の反対側の1/2の範囲は、厚みが230mm、280mm、320mmの3種類のワーク煉瓦17のうちの少なくとも2種類以上のワーク煉瓦17が、前記上下方向の中心線から離れるに伴って厚みが大きくなるように施工されている。即ち、底部のワーク煉瓦17の稼働面の曲率が位置によって異なり、且つ、その曲率が徐々に変化するように、ワーク煉瓦17が施工されている。
この精錬容器13Aを用いて溶銑を脱硫処理した場合には、インペラーの回転により生成される渦流が、インペラーの回転軸に対して対称ではなくなり、偏心して乱れた渦流が形成され、脱硫剤の分散が促進される。
尚、精錬容器13及び精錬容器13Aでは、4種類の厚みのワーク煉瓦を使用しているが、2種類以上であれば、インペラーの回転により生成される渦流に乱れが生ずることを確認しており、ワーク煉瓦の厚みは2種類であっても構わない。また、精錬容器13及び精錬容器13Aでは、ワーク煉瓦が1層であるが2層以上としても構わない。更に、永久煉瓦15の施工方法は、図3に示すような格子状であっても、また図5に示すような環状であってもどちらでも構わない。
このワーク煉瓦の稼働面の曲率を変化させる耐火物施工方法は、精錬容器底部の全体或いは一部を「平坦状の1つの面」とする場合に比較して成形煉瓦の種類を少なくすることができ、施工が容易であるのみならずコスト的にも好ましい。
このように、精錬容器の底部形状を、精錬容器の中心軸に対して軸対称ではない形状とすれば、インペラーの回転により生成される渦流も自ずと精錬容器の中心軸に対して軸対称ではなくなり、偏心した渦流が形成される。従って、精錬容器の底部形状を、傾斜する面と水平面とが交互に現れ、全体としては傾斜した構造や、一方側から他方側に向けて傾斜した曲面構造などとしても同等の効果を得ることができる。
本発明は上記知見に基づきなされたもので、本発明に係る溶銑の脱硫処理用精錬容器は、底部の内面形状が該精錬容器の中心軸に対して軸対称とはならないように、底部に施工される耐火物の施工厚みが施工箇所に応じて異なる鍋型精錬容器であり、本発明に係る脱硫処理方法は、内部に耐火物が施工された、ほぼ円形平断面の鍋型精錬容器に収容された溶銑に、前記精錬容器のほぼ中心位置でインペラーを浸漬させ、且つ該インペラーの回転軸をほぼ鉛直にして溶銑中で回転させ、溶銑上に添加された脱硫剤と溶銑とを攪拌して溶銑を脱硫処理するにあたり、前記精錬容器として、その底部形状が該精錬容器の中心軸に対して軸対称ではない鍋型精錬容器を用いることを特徴とする。
本発明の脱硫処理において、使用する脱硫剤としては、生石灰単独、或いは生石灰に滓化促進剤としてホタル石(CaF2)を混合したものを使用することができる。但し、フッ素の環境への影響を軽減する観点から、ホタル石を含有しない脱硫剤であることが望ましい。その他の脱硫剤としては、CaO系であれば、消石灰や石灰石を用いることができ、カルシウムカーバイト系やソーダ系、更にはドロマイト系の脱硫剤を使用することもできる。また更に、溶銑脱硫処理において発生する脱硫スラグを回収し、再度脱硫剤としてリサイクル使用することも可能である。
脱硫剤の添加方法は、ホッパー及びシュートなどからなる供給装置を用いて精錬容器内の溶銑上に上置き添加するのが一般的であるが、精錬容器の上方に設けた上吹きランスからArガス或いは窒素ガスなどを搬送用ガスとして、連続的に溶銑浴面に吹き付けて添加する方法であってもよい。
また、脱硫反応は雰囲気の酸素ポテンシャルが低いほど促進されるので、脱硫処理時に金属Al、フェロシリコンなどの金属系脱酸剤やAlドロスを精錬容器内に投入することが好ましい。また、溶銑浴面を還元性雰囲気とするために、プロパンガスのような炭化水素系ガスを精錬容器内に供給するようにしてもよい。
このようにして溶銑を脱硫処理することで、インペラーの回転によって生成される精錬容器内の渦流が偏心して乱れ、溶銑の攪拌が強化され、溶銑上に添加した脱硫剤と溶銑との攪拌・混合が向上して脱硫剤の溶銑中への分散が促進され、高い脱硫率での脱硫処理が実現される。その結果、脱硫剤の削減などにより製造コストが低減されるのみならず、脱硫スラグ発生量の減少に伴う廃棄物削減により環境への影響が緩和されるなど、顕著な効果がもたらされる。
容量が300トンの溶銑鍋を用い、通常の溶銑鍋を用いて溶銑鍋の中心位置にインペラーを設置した場合(通常攪拌)、通常攪拌の条件下で更に容器の側壁に邪魔板を設置した場合(邪魔板攪拌)、通常の溶銑鍋を用いて溶銑鍋の中心位置とは偏心させてインペラーを設置した場合(偏心攪拌)、及び、底部の約1/2を水平面に対して傾斜した平面とする溶銑鍋の中心位置にインペラーを設置した場合(底部勾配攪拌)の4水準により溶銑に対して脱硫試験を実施した。尚、溶銑鍋の底部外殻形状は、溶銑鍋の中心軸に対して軸対称な、下方に凸状の曲面で構成されている。上記の底部勾配攪拌が本発明例であり、その他は比較例である。
図7に、4水準の脱硫試験を実施した機械攪拌式脱硫装置の概略断面図を示す。尚、図7は、通常の溶銑鍋を使用した「通常攪拌」の例を示す図である。
図7に示すように、機械攪拌式脱硫裝置は、精錬容器である溶銑鍋2に収容された溶銑3に浸漬・埋没し、旋回して溶銑3を攪拌するための耐火物製のインペラー4を備えており、このインペラー4は、昇降装置(図示せず)によってほぼ鉛直方向に昇降し、且つ、回転装置(図示せず)によって軸4aを回転軸として旋回するようになっている。また、機械攪拌式脱硫裝置には、粒状または粉体状の脱硫剤7を溶銑鍋2に収容された溶銑3の浴面に上置き添加するための投入シュート6、並びに、粉体状の脱硫剤7Aを溶銑鍋2に収容された溶銑3に向けて搬送用ガスとともに上吹きして添加するための上吹きランス5が設置されている。更に、溶銑鍋2の上方位置には、集塵機(図示せず)に接続する排気ダクト口(図示せず)が備えられ、脱硫処理中に発生するガスやダストが排出されるようになっている。
投入シュート6は、粒状または粉体状の脱硫剤7を収容するホッパー10と、ホッパー10から定量切り出すためのロータリーフィーダー11とからなる供給装置と接続しており、投入シュート6から、粒状または粉体状の脱硫剤7を任意のタイミングで供給できる構造になっている。また、上吹きランス5は、粉体状の脱硫剤7Aを収容するホッパー8と、ホッパー8から定量切り出すための切出装置9とからなる供給装置と接続しており、上吹きランス5から、窒素ガスやArガスなどの搬送用ガスとともに、粉体状の脱硫剤7Aを任意のタイミングで供給できる構造になっている。
尚、脱硫剤を上吹きランス5から吹き込むか、投入シュート6から添加するかは、使用する脱硫剤の大きさなどから、適宜選択すればよい。本実施例では、条件をそろえるために投入シュート6から上置き添加した。溶銑鍋2は台車1に搭載されており、台車1の位置を調整することで、インペラー4の位置が決定される。但し、溶銑鍋2は台車1に対して常に一定の位置に搭載されるわけではなく、台車上での搭載位置に多少の余裕代があり、台車1の停車位置を一定に調整しても、インペラー4の位置は多少ではあるが前後左右にずれることになる。
通常攪拌を除く、邪魔板攪拌、偏心攪拌及び底部勾配攪拌の3水準のそれぞれの試験において使用した溶銑鍋の形状及びインペラーと溶銑鍋との位置関係を図8に示す。
邪魔板攪拌の場合には、図8(A)に示すように、溶銑鍋の側壁の一箇所に邪魔板12を設置した。この邪魔板12は、溶銑鍋の内径(半径)をDとすると、厚み及び幅ともにD/10とし、高さは溶銑浴の高さ以上とした。溶銑鍋の底部形状は通常の溶銑鍋と同一形状であり、インペラーは溶銑鍋のほぼ中心に配置した。
偏心攪拌の場合には、図8(B)に示すように、溶銑鍋の内径(半径)をDとすると、溶銑鍋の中心軸に対してD/4だけ偏心した位置にインペラーを配置した。溶銑鍋の底部形状は通常の溶銑鍋と同一形状である。
底部勾配攪拌の場合には、図8(C)に示すように、溶銑鍋底部の約1/2の耐火物の施工方法を通常とは変えてほぼ平坦状の面とし、且つこの面が底部傾斜角度θsよりも更に傾斜角度度θ=5°の角度で傾斜するように耐火物を施工した。インペラーは溶銑鍋のほぼ中心に配置した。
そして、化学成分が、C:3.9〜4.9質量%、Si:0.6質量%以下、Mn:0.05〜0.30質量%、P:0.030〜0.130質量%、S:0.020〜0.040質量%であり、温度が1230〜1350℃の溶銑に対して脱硫処理を施した。脱硫剤は生石灰単独とし、処理前の溶銑中硫黄濃度に応じて添加量を設定した。また、生石灰の添加前に金属Alを溶銑に添加し、脱硫反応を促進させた。
実験結果を図9に示す。図9の縦軸の「脱硫石灰効率」とは、溶銑中の硫黄が石灰と反応する化学式を「[S]+CaO=CaS+[O]」としたときに、下記の(1)式で定義される石灰の利用効率である。
脱硫石灰効率(%)={[処理前溶銑中S濃度(質量%)-処理後溶銑中S濃度(質量%)]×10×56/32}/[生石灰添加量(kg/t-溶銑)]…(1)
図9に示すように、邪魔板攪拌では通常攪拌と比較して脱硫石灰効率が約2倍以上に向上しているものの、4チャージ処理した後には、邪魔板が消失してしまった。
また、偏心攪拌では、脱硫石灰効率が大きくばらつく結果となり、試験チャンスによっては通常攪拌を下回るものも散見された。これは、インペラーの浸漬位置をD/4ずらすことを目標としたが、目視での位置合わせであるので偏心量を一定にはできず、そのために脱硫石灰効率のばらつきが大きくなったと考えている。
一方、底部勾配攪拌では、脱硫石灰効率は、邪魔板攪拌と同様に通常攪拌の約2倍程度に増加し、しかも、ばらつきも小さいことが確認された。また、底部勾配攪拌を同一の溶銑鍋で300チャージ処理したが、何ら問題は発生せず、通常の溶銑鍋と同等の寿命であり、溶銑受払いなどの脱硫処理以外の操業においても何ら問題は発生しなかった。
図7に示す機械攪拌式脱硫装置において、図8(C)に示す溶銑鍋を用い、傾斜した平面の傾斜角度θを変化させて溶銑の脱硫処理を実施した。傾斜角度θは、溶銑鍋底部の耐火物の施工量を変えることにより調整した。試験条件をそろえるために、化学成分が、C:4.4〜4.7質量%、Si:0.3〜0.4質量%、Mn:0.20〜0.30質量%、P:0.110〜0.130質量%、S:0.028〜0.032質量%、温度が1280〜1310℃の溶銑を用い、この溶銑に脱硫処理を施した。脱硫剤は生石灰単独とし、また、生石灰の添加前に金属Alを溶銑に添加し、脱硫反応を促進させた。図10に試験結果を示す。尚、図10には、比較のために、通常の溶銑鍋を使用して脱硫処理した通常攪拌のデータも併せて示している。
図10からも明らかなように、溶銑鍋の底部平面の傾斜角度θが3°よりも小さい、θ=1°及びθ=2°の場合には、通常攪拌の場合よりも脱硫石灰効率は高くなったが、その改善効果は少ないことが分かった。一方、θ=3°からθ=10°の範囲では、傾斜角度θを大きくするに伴って、微増ではあるが脱硫石灰効率が高くなることが確認された。しかしながら、傾斜角度θが10°を超える範囲では、脱硫石灰効率はほぼ一定で、脱硫石灰効率の改善効果は飽和していることが確認できた。
このように、傾斜角度θは3°以上10°以下の範囲が最適であることが確認できた。
1 台車
2 溶銑鍋
3 溶銑
4 インペラー
5 上吹きランス
6 投入シュート
7 脱硫剤
7A 脱硫剤
8 ホッパー
9 切出装置
10 ホッパー
11 ロータリーフィーダー
12 邪魔板
13 精錬容器
14 鉄皮
15 永久煉瓦
16 ワーク煉瓦
17 ワーク煉瓦

Claims (7)

  1. 内部に収容した溶銑を機械攪拌式脱硫装置で脱硫処理するための鍋型精錬容器は、底部の外殻が下方に向かって凸状の曲面であり、且つ、それぞれ底部を2分割し、底部の中心位置を通って直行する2本の直線と平行な方向に成形煉瓦がワーク煉瓦として施工された精錬容器であって、
    前記2本の直線のうちの何れか一方の直線を境として、底部の片側の1/2の範囲は、厚みが一定の成形煉瓦がワーク煉瓦として施工され、底部の反対側の1/2の範囲は、前記厚みが一定の成形煉瓦よりも厚みが大きく、且つ、前記直線から離れるに伴って厚みの大きくなる成形煉瓦がワーク煉瓦として施工された鍋型精錬容器であることを特徴とする、溶銑の脱硫処理用精錬容器。
  2. 内部に収容した溶銑を機械攪拌式脱硫装置で脱硫処理するための鍋型精錬容器は、底部外殻が下方に向かって凸状の曲面であり、且つ、底部の中心位置を中心として同心円の環状に成形煉瓦がワーク煉瓦として施工された精錬容器であって、
    少なくとも底部の中心位置から底部内面半径の1/2を超えた外周側では、底部の中心位置を通って底部を2分割する直線を境として、底部の片側の1/2の範囲は、厚みが一定の成形煉瓦がワーク煉瓦として施工され、底部の反対側の1/2の範囲は、前記厚みが一定の成形煉瓦よりも厚みが大きく、且つ、前記直線から離れるに伴って厚みの大きくなる成形煉瓦がワーク煉瓦として施工された鍋型精錬容器であることを特徴とする、溶銑の脱硫処理用精錬容器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の脱硫処理用精錬容器を用いる溶銑の脱硫処理方法であって、
    ほぼ円形平断面の鍋型精錬容器に収容された溶銑に、前記精錬容器のほぼ中心位置でインペラーを浸漬させ、且つ該インペラーの回転軸をほぼ鉛直にして溶銑中で回転させ、溶銑上に添加された脱硫剤と溶銑とを攪拌して溶銑を脱硫処理することを特徴とする、溶銑の脱硫処理方法。
  4. 部外殻が下方に向かって凸状の曲面である鍋型精錬容器であって、底部内面の約1/2の範囲が水平面に対して傾斜する平坦状の1つの面となり、且つ、残りの範囲が下方に向かって凸状の曲面となるように、内部に耐火物が施工され、ほぼ円形平断面の鍋型精錬容器に収容された溶銑に、前記精錬容器のほぼ中心位置でインペラーを浸漬させ、且つ該インペラーの回転軸をほぼ鉛直にして溶銑中で回転させ、溶銑上に添加された脱硫剤と溶銑とを攪拌して溶銑を脱硫処理することを特徴とする、溶銑の脱硫処理方法。
  5. 前記底部の平坦状の1つの面は、前記鍋型精錬容器の鉛直方向に直線状の側壁鉄皮外面の下端位置と凸状の曲面である底部鉄皮外面の中心位置とを結ぶ直線が水平面に対して傾斜する角度に対して、更に、3°以上10°以下の範囲で傾斜していることを特徴とする、請求項に記載の溶銑の脱硫処理方法。
  6. 部の内面全体が、水平面に対して傾斜する平坦状の1つの面となるように、内部に耐火物が施工され、ほぼ円形平断面の鍋型精錬容器に収容された溶銑に、前記精錬容器のほぼ中心位置でインペラーを浸漬させ、且つ該インペラーの回転軸をほぼ鉛直にして溶銑中で回転させ、溶銑上に添加された脱硫剤と溶銑とを攪拌して溶銑を脱硫処理することを特徴とする、溶銑の脱硫処理方法。
  7. 前記底部の平坦状の1つの面は、水平面に対して3°以上10°以下の範囲で傾斜して
    いることを特徴とする、請求項に記載の溶銑の脱硫処理方法。
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