JP6649639B2 - 溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法及び溶銑の精錬方法 - Google Patents

溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法及び溶銑の精錬方法 Download PDF

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本発明は、溶銑鍋などの溶銑処理容器内に機械撹拌式溶銑脱硫装置を用いて脱硫剤を添加する方法、ならびに溶銑の精錬方法に関するものであって、特に効率の良い溶銑脱硫を行なうために有効な方法について提案する。
高炉から出銑された溶銑は、鋼の品質に悪影響を及ぼす燐(P)や硫黄(S)等の不純物を高い濃度で含んでいるため、これらを除去する必要がある。近年の精錬プロセスでは、転炉での脱炭精錬に先立って、溶銑に含まれるPやSを除去するための処理、即ち溶銑の予備処理を行なうことが一般的である。
このうち、溶銑の脱硫処理については、溶銑鍋に溶銑を受け入れた後、その溶銑に対し脱硫剤を添加し、次いで、インペラーと称する撹拌羽根を溶銑内に浸漬して回転させ、該溶銑を撹拌することによって脱硫反応を促進させる方法(機械撹拌式溶銑脱硫法)がよく知られている。このときに使用する脱硫剤としては、石灰(CaO)粉を主成分とする脱硫剤やカルシウムカーバイド(CaC)などが用いられるが、特に処理コストの面からCaO粉を主成分とする脱硫剤の使用が一般的である。
このCaOによる脱硫反応は一般に次式にて表される。
[S]+CaO=(CaS)+[O]
ここで、[S]は溶銑中の硫黄、(CaS)はスラグ中のCaS、[O]は溶銑中の酸素を示す。
前記機械撹拌式溶銑脱硫法において、溶銑内での脱硫剤の分散と脱硫反応の促進を実現する方法として、例えば、特許文献1には、脱硫剤を分割し、その一部を溶銑浴面上に上置き添加し、残りを撹拌羽根によって撹拌されている溶銑の浴面に投射ランスを介して添加(投射)する方法が開示されている。この特許文献1に記載された技術によれば、フッ素を含まない脱硫剤でも脱硫反応を促進させることができるとしている。
特許文献2には、溶銑を撹拌しながら、シュートを介して石灰を投入する脱硫方法が開示されている。
特許文献3には、脱硫剤の一部を溶銑浴面上に上置き添加すると共に、その残りを溶銑浴面の上方から投射ランスを介して添加する溶銑の脱硫方法が開示されている。この方法は、脱硫処理中に溶銑の浴面から発生するダストを排ガスとともに集塵設備に導くダクトの途中で該排ガスの温度を測定し、投射された石灰系脱硫剤の投射歩留りを排ガスの温度と溶銑の温度に基づいて連続的に推定し、脱硫処理の条件を調整することにより、投射の歩留りを向上させるという方法である。
特許文献4には、電気炉からの出湯流に対し、溶融させた精錬剤を溶射バーナーを使って添加する脱硫方法が開示されている。
特許文献5および特許文献6には、より多くの石灰を添加する方法として、石灰を投射と上置きの両方の方法で添加して脱硫処理する方法が開示されている。特に、特許文献5には、石灰を投射と上置きを同時に添加する方法が、特許文献6には、石灰系脱硫剤を上置き終了後、投射添加する方法が開示されている。
さらに、特許文献7には、脱珪処理された溶銑にランスを浸漬して、石灰を含むフラックスと固体酸素とを吹き込みながら、投射ランスから気体酸素を溶銑の表面に吹き付けながら脱硫と脱燐を行う溶銑の予備処理方法が開示されている。
特開2009− 79261号公報 特開2005−232530号公報 特開2011−162809号公報 特開平09−316525号公報 特開2013− 43994号公報 特開2011−149064号公報 特開2002−105520号公報
上述したように、被処理溶銑に対し投射ランスを介して石灰系脱硫剤を添加する従来の脱硫方法は、反応効率の向上に対して一定の効果はあるものの、たとえ脱硫剤の添加量を増やしたとしても脱硫効率の飽和を招くことが知られている。また、処理時間のさらなる短縮のために、脱硫反応を促進させるための有効な技術の開発と精錬効率の向上を図る技術の確立が求められていた。
発明者らは、従来技術が抱えている前述の課題について検討する中で、機械攪拌式溶銑脱硫装置の撹拌羽根によって撹拌されている溶銑浴面上の流れをよく観察したところ、溶銑は撹拌羽根の回転に伴って円周方向に回転するだけでなく、すり鉢状となる浴面形状には、その中心に向かって、渦巻状の流れが生じていることを突き止めた。
即ち、溶銑浴面上に吹き込まれた脱硫剤というのは、溶銑浴面の前記の流れに乗って、撹拌羽根の回転軸を中心とした溶銑の旋回する流れに乗って次第に巻き込まれ拡散していくようになる。このような脱硫剤の吹き込み(投射)添加は、その吹き込み位置が同じ位置(円周上)であっても、浴面は常に新鮮な溶銑面となっており、添加の効果が上がることが判った。
本発明は、このような知見に基づいて開発した方法である。即ち、本発明は、機械攪拌式脱硫装置を付帯する溶銑処理容器内に収容した溶銑中及びその浴面に対し、脱硫剤を投射ランスを使って添加するに当たり、複数の投射ランスを使い、前記脱硫剤の溶銑浴面への落着点から見て、前記機械攪拌式脱硫装置の駆動によって生じる溶銑旋回流の上流側の位置から、かつ該旋回流を指向する斜め上方の複数個所から該脱硫剤の投射を行うことを特徴とする溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法である。
なお、前記のように構成される本発明に係る脱硫剤の添加方法では、
a.前記脱硫剤は、前記溶銑旋回流がなす浴面流れの円周上に略等間隔に配置された複数の前記投射ランスを介して投射すること、
b.前記脱硫剤の投射は、水平面に対し60度以上85度未満の傾斜角度(θ)に保持した投射ランスから、溶銑の旋回流に沿った下り傾斜となる向きから行なうこと、
c.前記各投射ランスの水平面内における投射の向きは、撹拌羽根の回転軸中心と前記落着点を通る半径方向の線分と、各投射ランスと前記落着点を結ぶ線分とのなす角(θ)が70〜135度となる方向であること、
d.前記脱硫剤は、複数種の異なる脱硫剤を混合した後に分配器を介して略等量に分配してから前記各投射ランスに供給すること、
e.前記脱硫剤は、分配器で分配する前に輸送配管の途中において予め合流させて混合すること、
f.前記脱硫剤は、石灰とアルミニウム含有材料とからなる石灰系脱硫剤であって、その混合はまず、アルミニウム含有材料を輸送配管内に供給し、次いで、該輸送配管内に石灰を供給する順序にて合流させたものであること、
g.前記脱硫剤の供給速度は、溶銑トン当たり0.6kg/min〜3.0kg/minであること、
h.前記脱硫剤は、アルミニウム含有材料を5〜20mass%含有している石灰系脱硫剤であること、
がより好ましい実施形態になりうるものと考えられる。
また、本発明は、溶鋼の製造に先立つ溶銑の処理に当たり、前記(0015〜0016段落)の脱硫剤の添加方法に従って、溶銑処理容器内溶銑中への脱硫剤の添加を行なうことにより、脱硫処理することを特徴とする溶銑の精錬方法を提案する。
前述した構成にかかる本発明方法によれば、攪拌によって新鮮な溶銑浴面となる溶銑の攪拌流(旋回流)に対し、その流れに逆らわない複数の個所から、脱硫剤の投射を行うことになるから、脱硫剤の円滑な大量供給を導いて効率のよい溶銑脱硫が可能になり、しかも脱硫処理時間の短縮、ひいては精錬の効率化を実現して製鋼生産性の向上が実現できる。
また、本発明によれば、脱硫剤の投射を溶銑浴面上の略等間隔となる複数の位置から行うことにより、溶銑中への脱硫剤の円滑な大量供給が可能になり、脱硫効率がより向上すると共に、脱硫剤の投射方向を所定の範囲に収めることにより、脱硫剤やスラグ、溶銑の飛散、周辺設備への付着などの悪影響を及ぼすことなく、脱硫処理することができる。
さらに本発明によれば、石灰に所定量のアルミニウム含有材料を輸送配管中で混合することにより、脱硫剤の滓化を簡便に促進することができるので、脱硫効率が向上するというだけでなく、このことを通じて溶銑の精錬効率の向上を図ることができる。
機械撹拌式脱硫装置を上からみた模式図である。 機械撹拌式脱硫装置を横からみた模式図である。
図1は、本発明に係る各方法を説明するための図である。この図に示すように、本発明においては、溶銑処理容器である溶銑鍋2に収容した溶銑3を、機械撹拌式脱硫装置のインペラー4と称する撹拌羽根で撹拌しながら、複数の投射ランス5−1、5−2、5−3から略等量に分配された脱硫剤6(以下、主として「石灰系脱硫剤」の例で説明する)を所望の方法により投射することで脱硫し、ひいては溶銑の精錬につなげる方法である。
ところで、高炉から出銑された溶銑3は、図2に示すように、まず溶銑鍋2に収容される。その溶銑鍋2は、台車1に搭載されて機械撹拌式脱硫装置下に運ばれる。その機械撹拌式脱硫装置は、溶銑鍋2に収容された溶銑3中に浸漬して用いるもので、溶銑3を撹拌するためのインペラー4が付帯させてある。このインペラー4は、溶銑鍋2のほぼ中心に配設して用いられる。また、このインペラー4は、昇降装置(図示せず)によって、ほぼ鉛直方向に昇降し、かつ、回転装置(図示せず)によって軸4aを中心として回転し、溶銑3を一定方向に流動(旋回)させながら攪拌するものである。そして、この機械撹拌式脱硫装置には、脱硫剤6を溶銑鍋2に収容された溶銑3に向けて上吹き(投射)して添加するための投射ランス5−1、5−2、5−3が複数配設されている。なお、かかる脱硫剤6の上吹き投射には、還元性ガス、非酸化性ガス、または窒素やアルゴンなどの不活性なガスが搬送ガスとして用いられる。
投射ランス5−1、5−2、5−3を介して吹き込まれる脱硫剤6の溶銑浴面上への着浴位置(落着点)は、溶銑鍋2の浴面近傍の内壁半径をD、インペラー4の回転軸4a中心から羽根先端までの水平距離をR、溶銑鍋2中心から投射した脱硫剤の着浴の中心までの水平距離をAとしたとき、下記式に示す関係を満足することが望ましい。
(式)
R≦A≦(1/2)×D
ここで、インペラー4の回転軸4a中心と、溶銑鍋2の中心は、ほぼ一致しているものとする。
前記投射ランス5−1、5−2、5−3を介して吹き込む脱硫剤6の溶銑浴面上への着浴位置(落着点)は、投射した脱硫剤6の着浴中心が、図1に示すように、撹拌羽根の回転軸4aを中心としたほぼ同一円周上となる位置であって、前記脱硫剤の溶銑浴面への落着点(着浴位置)5−1p、5−2p、5−3pから見て、前記機械攪拌式脱硫装置のインペラー4の駆動によって生じる溶銑旋回流の上流側の位置で、かつ該旋回流を指向する向きの斜め上方の複数個所から、望ましくは吹き込まれた脱硫剤の影響がなくなる程度に離間した位置の複数個所(図示例では3ヶ所)から該脱硫剤の投射を行うことが望ましい。例えば、溶銑3を攪拌することによって生ずる旋回流の方向に沿ったほぼ等間隔となる複数の位置から行うことが上記の影響を最小化する上で好ましい。
前記投射ランス5−1、5−2、5−3の前記傾斜角度(θ)は、図2に示すように、水平面(湯面)に対して60度以上85度程度とし、傾斜方向は、脱硫剤の投射が溶銑浴面の旋回流に沿った方向(旋回流の接線方向)となるようにすることが好ましく、それと逆方向では溶銑撹拌力を損なうばかりでなく、脱硫剤や溶銑が鍋から噴きこぼれるおそれがある。前記傾斜角度(θ)が60度より小さくなると、脱硫剤が鍋外に粉じんとなって、飛び出す割合が増加してしまう。なお、吹き出した脱硫剤などの粉じんや搬送ガスは、図2に示す集塵フード9に連結された排気ダクト(図示せず)を介して集塵機(図示せず)に吸引される。
また、前記投射ランスの水平面内での投射の向きは、図1に示すとおり、撹拌羽根の回転軸4a中心を通る半径方向の線分と、各投射ランス5−1、5−2、5−3と前記落着点(着浴位置)5−1p、5−2p、5−3pとを結んだ線分とのなす角(θ)が、70〜135度程度の傾きとなるようにし、イメージとして撹拌羽根側に向けて噴射する方向とすることが望ましい。その理由は、投射ランス5が鍋の壁側に向くと、鍋外に脱硫剤6が飛び出すおそれがあり、とくに135度より大きくなると、撹拌羽根の軸にスラグが付着するおそれがある。なお、脱硫剤の3つの前記落着点(5−1p、5−2p、5−3p)と回転軸4a中心とを結ぶ線分どうしとがなす角(θ)は、120°程度とすることが望ましい。
前記脱硫剤6の供給速度は、各投射ランス5−1、5−2、5−3からの合計量で溶銑トン当たり0.6〜3.0kg/min程度とすることが脱硫時間の短縮に有効である。その理由は、脱硫剤6の供給速度が合計で溶銑トン当たり0.6kg/min未満では、単独のランスと脱硫処理時間に差が見られないからである。一方、脱硫剤6の供給速度が合計で溶銑トン当たり3.0kg/minを超えると、脱硫剤6が粉じんとなって鍋外に流出する比率が増大する。従って、脱硫剤6の供給速度は、各ランスからの合計量で溶銑トン当たり3.0kg/min以下に制御することが望ましい。
前記脱硫剤6について、その構成成分の1つであるCaO粉末は、溶銑に対して濡れ性が悪いので、アルミナ(Al)などの滓化剤や金属Alなどの脱酸剤をアルミニウム含有材料として混合してなる石灰系脱硫剤の使用が好ましく、脱硫反応の促進に効果がある。例えば、金属Alおよびアルミナを含有するアルミドロスはとりわけ好適である。そのアルミドロスとしては、アルミナを50mass%以上含有するものが好ましく、脱硫剤の成分として、アルミドロスを5〜20mass%含有させることができる。5mass%未満では、滓化の効果が小さく、20mass%を超えると、CaOの比率が減少して、脱硫剤6を大量に必要としてしまう。なお、アルミドロスは、CaO粉末と混合して吹き付けると滓化効果が高い。
前記脱硫剤6は、1mm篩下程度の粒径のものを用いることが所望の反応界面積を確保する上で好ましい。より好ましくは日本工業規格のJIS Z 8801 およびJIS Z 8815に規定の方法によって測定された平均粒径(質量基準の中位径d50)を30〜400μmの範囲とすることである。
CaO粉末とアルミニウム含有材料とからなる石灰系脱硫剤は、予め所定の割合で混合したものをディスペンサー7などに格納したものを用いてもよいが、別々のディスペンサー7から切り出し装置8を介してで切り出し、輸送配管11内で混合したものであってもよい。それは、この段階で、混合比を可変にすることができる利点がある。また、混合用のディスペンサー7を配管経路内に置くことも可能である。なお、混合された石灰系脱硫剤は、分配器10を経由して、ほぼ等量に分配してから各投射ランス5−1、5−2、5−3に供給する。
次に、CaO粉末とアルミニウム含有材料との混合物からなる石灰系脱硫剤は、まず始めに、アルミニウム含有材料を切り出し装置8にて切り出して搬送し、別系統の搬送ガスによる輸送配管11に送り出し、次に、石灰を切り出し装置8にて切り出して搬送し、別系統の輸送配管11内にて合流させることが好ましい。その理由は、混合用のディスペンサーが不要になり、簡便だからである。
なお、前記投射ランスから搬送ガスによって投射することが難しい副原料の場合には、シュート等を用いて溶銑浴面上に自重落下させて上置きしてもよい。撹拌処理中に石灰系脱硫剤の投射添加と併用する場合には、同時に併用する複数の投射ランスからの添加位置と十分に離れた位置への留置が好ましい。
前述したようにして脱硫処理した溶銑は、次工程の処理として主として脱燐処理や脱珪処理、および脱炭精錬を施すことによって、所望の溶鋼とするための精錬を行なう。
(実施例1)
溶銑鍋に、C:4〜5mass%、Si:0.2〜0.6mass%、S:0.02〜0.04mass%、を含有し、その他Feおよび不可避不純物からなり、1300〜1400℃の溶銑を190〜210トン用意し、1本または複数の投射ランスから石灰系脱硫剤を投射して、鍋外に吹き出す脱硫剤の量を調査した。石灰系脱硫剤としては、石灰にアルミドロス10mass%を輸送配管中で混合したものを用いた。
投射ランスとしては、ノズル径が65mmのものを用い、ノズル先端の溶銑表面からの高さを700mmとして、搬送ガスに窒素を用い、石灰系脱硫剤を吹き込むようにした。図1に示すように、脱硫剤の3つの落着点(5−1p、5−2p、5−3p)と回転軸4a中心とを結ぶ線分どうしとがなす角(θ)がそれぞれ120度となるように配置した3本の投射ランス5−1、5−2、5−3を用い、そのうち1本のみから石灰系脱硫剤を供給するもの(比較例)、3本の投射ランス5−1、5−2、5−3にほぼ均等に石灰系脱硫剤を供給するもの(実施例)とした。なお、投射する石灰系脱硫剤の着浴中心(落着点)は、溶銑鍋の半径(内壁間距離の半分)の半分に当たる位置のほぼ同一円周上に位置させることが好ましい。また、その投射ランス5−1、5−2、5−3の水平面とのなす角は、75度とし、水平面上の向きは、インペラーの回転軸中心とする円周の接線方向(溶銑鍋半径に対し90度)とした。すなわち前記θはこの実施例では90度である。溶銑鍋は満たす溶銑の量にして310トンの容量のものを用い、4枚羽根のインペラー4を用いて撹拌した。結果を表1に示す。
Figure 0006649639
発明例4―6では、石灰系脱硫剤の総供給速度がほぼ同じ供給量の比較例に比べて、該石灰系脱硫剤の鍋外吹き出し量が抑制できている。一方、比較例1の供給量では、該石灰系脱硫剤の上置きと同様の石灰系脱硫剤の凝集がみられ、反応界面積の減少が懸念される。
(実施例2)
実施例1と同じ装置、同じ石灰系脱硫剤を用い、3本の投射ランスから1本当たり石灰系脱硫剤120kg/minの供給量(合計供給量360kg/min)で脱硫処理したところ18minで脱硫処理が完了し、溶銑の硫黄濃度は目標値以下に低減した。
(比較例)
実施例2とほぼ同じ条件で、1本のランスのみから石灰系脱硫剤120kg/minの供給量で脱硫処理したところ22minで脱硫処理が完了し、処理後の硫黄濃度は、発明例の場合と同等であった。
実施例2と比較例との比較から本発明により大量に短時間で脱硫剤を供給できたことで脱硫処理の時間の短縮が実現できた。
本発明に係る前述した技術は、脱硫を目的とした溶銑予備処理だけでなく、脱燐、脱珪などへの適用も可能である。
1 台車
2 溶銑鍋
3 溶銑
4 インペラー
5−1、5−2、5−3 投射ランス
5−1p、5−2p、5−3p 脱硫剤の落着点
6 脱硫剤(石灰またはアルミニウム含有材料)
7 ディスペンサー
8 切り出し装置
9 集塵フード
10 分配器
11 輸送配管

Claims (10)

  1. 機械攪拌式脱硫装置を付帯する溶銑処理容器内に収容した溶銑中及びその浴面に対し、脱硫剤を投射ランスを使って添加するに当たり、複数の投射ランスを使い、前記脱硫剤の溶銑浴面への落着点から見て、前記機械攪拌式脱硫装置の駆動によって生じる溶銑旋回流の上流側の位置から、かつ該旋回流を指向する斜め上方の複数個所から該脱硫剤の投射を行うことを特徴とする溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法。
  2. 前記脱硫剤は、前記溶銑旋回流がなす浴面流れの円周上に略等間隔に配置された複数の前記投射ランスを介して投射することを特徴とする請求項1に記載の溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法。
  3. 前記脱硫剤の投射は、水平面に対し60度以上85度未満の傾斜角度(θ)に保持した投射ランスから、溶銑の旋回流に沿った下り傾斜となる向きから行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法。
  4. 前記各投射ランスの水平面内における投射の向きは、撹拌羽根の回転軸中心と前記落着点を通る半径方向の線分と、各投射ランスと前記落着点とを結んだ線分とのなす角(θ)が70〜135度となる方向であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法。
  5. 前記脱硫剤は、複数種の異なる脱硫剤を混合した後に分配器を介して略等量に分配してから前記各投射ランスに供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法。
  6. 前記脱硫剤は、分配器で分配する前に輸送配管の途中において予め合流させて混合することを特徴とする請求項5に記載の溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法。
  7. 前記脱硫剤は、石灰とアルミニウム含有材料とからなる石灰系脱硫剤であって、その混合はまず、アルミニウム含有材料を輸送配管内に供給し、次いで、該輸送配管内に石灰を供給する順序にて合流させたものであることを特徴とする請求項6に記載の溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法。
  8. 前記脱硫剤の供給速度は、溶銑トン当たり0.6kg/min〜3.0kg/minであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法。
  9. 前記脱硫剤は、アルミニウム含有材料を5〜20mass%含有している石灰系脱硫剤であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の溶銑処理容器内への脱硫剤の添加方法。
  10. 溶鋼の製造に先立つ溶銑の処理に当たり、請求項1〜9のいずれか1に記載の方法に従い、溶銑処理容器内溶銑中への脱硫剤の添加を行なうことにより脱硫処理することを特徴とする溶銑の精錬方法。
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