JP5689212B2 - 電磁回転装置、エンジンアッセンブリー、エンジン車両 - Google Patents

電磁回転装置、エンジンアッセンブリー、エンジン車両 Download PDF

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Description

この発明は、レシプロエンジンのスターターモーターなどに利用される電磁回転装置、この電磁回転装置からなるスターターモーターを有するエンジンアッセンブリー、このエンジンアッセンブリーを有するエンジン車両、に関するものである。
本願は、2012年9月26日に、日本に出願された特願2012−213008号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、エンジン車両である自動車やモーターサイクルなどでは、たとえば、レシプロエンジンを電磁回転装置であるスターターモーターで始動している。たとえば、とくに単気筒のレシプロエンジンでは、スムースに始動するためには、そのシリンダーの略上死点にピストンが位置するときに点火する必要がある。このような点火タイミングは、通常はレシプロエンジンのクランクセンサなどにより検出しているが、本出願人はレシプロエンジンに直結したスターターモーターで検出することを提案している(たとえば、特許文献1参照)。
このようなスターターモーター300を、一従来例として図13ないし図15を参照して以下に説明する。なお、図13は、スターターモーターの内部構造を示す平面図、図14は、一従来例のスターターモーターのローターの複数のマグネットの磁極と磁極検出素子であるホールIC(Integrated Circuit)との位置関係および検出信号を示す模式図、図15は、センサユニットの構造を示す分解斜視図、である。
ここで一従来例として例示するスターターモーター300は、図13に示すように、ステータ310と、ローター320と、四個の磁極検出素子であるホールIC341〜344と、を主要部分として有している。ステータ310は、円環状に配列されている複数の電磁石311を有している。これらステータ310の複数の電磁石311は、放射状に配列されており、外部から適宜供給される電力により外側にS極およびN極の磁力を逆転自在に各々発生する。
ローター320は、上述のような構造のステータ310の複数の電磁石311の外周に、円環状に配列されている複数のマグネット331〜333を有している。これらのマグネット331〜333は、図13および図14(b)に示すように、ステータ310の電磁石311と対向する、図示する内周側がS極で図示しない外周側がN極のマグネット331と、内周側がN極で外周側がS極のマグネット332とが、交互に配置されている。ただし、内周側がS極の特定の一個のマグネット333のみ、軸線方向の一端の部分334の磁極がN極に逆転している。
上述のようなローター320の複数のマグネット331〜333は、円環状に配列されており、これらのマグネット331〜333からなる円環状のローター320は、円筒状のステータ310の外周に回転自在に支持されている。
そして、従来のスターターモーター300では、上述のように回転自在なローター320の複数のマグネット331,332の内周側の交互に位置するS極およびN極を検出する位置に、四個のホールIC341〜344が配置されている。
より具体的には、図14(a)(b)に示すように、U相のホールIC341,V相のホールIC342,W相のホールIC343は、図15に示すように、センサユニット340のセンサケース345に収容されており、図13に示すように、このセンサユニット340がステータ310に固定されている。
このように配置されていることにより、U相のホールIC341,V相のホールIC342,W相のホールIC343は、複数のマグネット331,332の一個を、共通に検出することができる。また、U相のホールIC341,V相のホールIC342,W相のホールIC343は、複数のマグネット331,332の隣接する二個を、二個で個別に検出することもできる。
さらに、特定の一個であるP相のホールIC344は、通常はU相のホールIC341と同一のマグネット333の磁極を検出するように、回転方向で配置されている。ただし、このP相のホールIC344は、特定の一個のマグネット333の部分334の逆転しているN極を検出するように、図14および図15に示すように、U相のホールIC341,V相のホールIC342,W相のホールIC343より図中上方に配置されている。
このため、相対回転によりP相のホールIC344が、内周側がS極の特定の一個のマグネット333の、上端の部分334の逆転しているN極を“1”として検出しているときに、U相のホールIC341が、二個前のマグネット332の相違する磁極であるS極を“0”として検出し、V相のホールIC342およびW相のホールIC343が、一個前のマグネット332の同一の磁極であるN極を“1”として検出するときがある。
上述のような構成において、従来のスターターモーター300は、図14(a)(b)に示すように、円環状に配列されている複数のマグネット331〜333の交互に位置するS極およびN極の一方を、相対回転する第一から第三のホールIC341〜343の一個で検出するとともに、U相のホールIC341と同一の磁極をP相のホールIC344が検出する。
このとき、図14(b)に示すように、四個のホールIC341〜344は、“1011,1001,1101,…”のように、最初と最後が同一の4ビットの信号を出力するので、従来のスターターモーター300は、上述のような四個のホール素子341〜344の出力信号に対応して、ステータ310に円環状に配列されている複数の電磁石320に供給する電力の極性を逆転させる。
すると、この複数の電磁石320の適宜逆転する磁力と、複数のマグネット331〜333の磁力との相互作用により、ローター120がステータ310の外周を回転駆動されることになる。ただし、このスターターモーター300は、たとえば、モーターサイクルに、いわゆる単気筒のレシプロエンジンとともにエンジンアッセンブリーの一部として搭載される。このようなレシプロエンジンは、スムースに始動するためにはピストンがシリンダーの略上死点に位置するときに点火する必要がある。
そこで、このスターターモーター300は、レシプロエンジンのピストンがシリンダーの略上死点に位置するときに、P相のホールIC344が特定の一個のマグネット333の部分334の逆転しているN極を検出しており、たとえば、U相のホールIC341が、二個前のマグネット332の相違する磁極であるS極を検出し、V相のホールIC342およびW相のホールIC343が、一個前のマグネット332の同一の磁極であるN極を検出するように設定されている。
このとき、本来ならP相のホールIC344がマグネット333の逆転していないS極を検出するので、その検出信号は“0110”となる。しかしながら、P相のホールIC344が特定の一個のマグネット333の部分334の逆転しているN極を検出するとともに、U相のホールIC341が、二個前のマグネット332の相違する磁極であるS極を検出し、V相のホールIC342およびW相のホールIC343が、一個前のマグネット332の同一の磁極であるN極を検出するので、その検出信号は“0111”となる。
そこで、従来のエンジンアッセンブリーは、スターターモーター300が上述の“0111”の検出信号を出力したタイミングで、レシプロエンジンを点火する。このとき、レシプロエンジンはシリンダーの略上死点にピストンが位置するので、スムースに始動することになる。
特開2010−200417号公報
上述のようなスターターモーター300は、一回転の一点を特異点として検出することができるので、たとえば、レシプロエンジンをスムースに始動させるようなことができる。しかしながら、上述したスターターモーター300は、一回転の一点を特異点として検出するために、磁極検出素子として四個のホールIC341〜344を必要としている。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、磁極検出素子の個数を削減することができる電磁回転装置、この電磁回転装置からなるスターターモーターを有しているエンジンアッセンブリー、このエンジンアッセンブリーを有しているエンジン車両、電磁回転装置のマグネット、を提供するものである。
本発明の一の態様によれば、電磁回転装置は、円環状に配列されている複数のマグネットの個々に位置するN極およびS極の一方を相対回転する三個の磁極検出素子の一個が検出するときに他方を残余の二個が検出する電磁回転装置であって、相対回転により特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を三個の前記磁極検出素子の特定の一個が検出するときに残余の二個の前記磁極検出素子が他の前記マグネットの同一の磁極を検出し、前記マグネットは、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、三個の前記磁極検出素子の特定の一個が特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出するときに残余の二個の前記磁極検出素子によって他の前記マグネットの磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングとの間に一定の時間間隔が生じるように形成されている。
したがって、この電磁回転装置では、円環状に配列されている複数のマグネットの交互に位置するN極およびS極の、一方を相対回転する三個の磁極検出素子の一個で検出するとともに、他方を残余の二個で検出する。ただし、マグネットの特定の一個の磁極が部分的に逆転しており、この特定の一個のマグネットの一部の逆転している磁極を、相対回転により三個の磁極検出素子の特定の一個が検出するとき、残余の二個の磁極検出素子が他のマグネットの同一の磁極を検出する。つまり、通常は三個の磁極検出素子が一個と二個との組み合わせで相違する磁極を検出するが、特定の一個のマグネットの一部の逆転している磁極を特定の一個の磁極検出素子が検出するときのみ、三個の磁極検出素子が同一の磁極を検出する。このため、三個の磁極検出素子で相対回転の一回転での一つの特異点が検出される。
また、仮に、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、残余の二個の前記磁極検出素子によって他の前記マグネットの磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングとが、それぞれ変動したとしても、その変動が上記一定の時間間隔の範囲内であれば、これらのタイミングの時系列順が逆転することがなくなる。このため、電磁回転装置の動作を安定化させることが可能になる。
本発明の他の態様によれば、電磁回転装置は、N極およびS極が交互に位置するように複数のマグネットが円環状に配列されており、円環状に配列されている複数の前記マグネットのN極およびS極の一方を相対回転する三個の磁極検出素子の一個が検出するときに他方を残余の二個が検出する電磁回転装置であって、磁極が部分的に逆転している特定の一個の前記マグネットと、相対回転により特定の一個の前記マグネットの逆転している磁極を検出する位置に配置されている特定の一個の前記磁極検出素子と、相対回転により特定の一個の前記磁極検出素子が特定の一個の前記マグネットの逆転している磁極を検出するときに他の前記マグネットの同一の磁極を検出する位置に配置されている残余の二個の前記磁極検出素子と、を有し、前記マグネットは、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、三個の前記磁極検出素子の特定の一個が特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出するときに残余の二個の前記磁極検出素子によって他の前記マグネットの磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングとの間に一定の時間間隔が生じるように形成されている。
したがって、この電磁回転装置では、円環状に配列されている複数のマグネットの交互に位置するN極およびS極の一方を、相対回転する三個の磁極検出素子の一個で検出するとともに、他方を残余の二個で検出する。ただし、マグネットの特定の一個の磁極が部分的に逆転しており、この特定の一個のマグネットの一部の逆転している磁極を、相対回転により三個の磁極検出素子の特定の一個が検出するとき、残余の二個の磁極検出素子が他のマグネットの同一の磁極を検出する。つまり、通常は三個の磁極検出素子が一個と二個との組み合わせで相違する磁極を検出するが、特定の一個のマグネットの一部の逆転している磁極を特定の一個の磁極検出素子が検出するときのみ、三個の磁極検出素子が同一の磁極を検出する。
また、仮に、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、残余の二個の前記磁極検出素子によって他の前記マグネットの磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングとが、それぞれ変動したとしても、その変動が上記一定の時間間隔の範囲内であれば、これらのタイミングの時系列順が逆転することがなくなる。このため、電磁回転装置の動作を安定化させることが可能になる。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様によれば、特定の一個の前記マグネットは、軸線方向の一部で磁極が逆転しており、相対回転により特定の一個の前記マグネットの逆転している磁極を検出する軸線方向の位置に特定の一個の前記磁極検出素子が配置されており、相対回転により特定の一個の前記マグネットの逆転していない磁極を検出する軸線方向の位置に残余の二個の前記磁極検出素子が配置されている。
したがって、この電磁回転装置では、相対回転により、特定の一個のマグネットの軸線方向の一部で逆転している磁極を、特定の一個の磁極検出素子が検出し、残余の二個の磁極検出素子は逆転していない磁極を検出する。このため、特定の一個のマグネットの一部の逆転している磁極を特定の一個の磁極検出素子が検出するときのみ、三個の磁極検出素子が同一の磁極を検出し、通常は三個の磁極検出素子が一個と二個との組み合わせで相違する磁極を検出する。このため、三個の磁極検出素子で相対回転の一回転での一つの特異点が検出される。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様としては、特定の一個の前記マグネットは、回転方向の一部で磁極が逆転している。したがって、この電磁回転装置では、特定の一個のマグネットの磁極が回転方向の一部で逆転しているので、特定の一個の磁極検出素子は、相対回転により特定の一個のマグネットの磁極を検出するとき、その回転方向の一部で逆転している磁極を検出する。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様としては、特定の一個の前記マグネットは、回転方向の中央部分で磁極が逆転している。したがって、この電磁回転装置では、特定の一個のマグネットの磁極が回転方向の中央部分で逆転しているので、特定の一個の磁極検出素子は、相対回転により特定の一個のマグネットの磁極を検出するとき、その回転方向の中央部分で逆転している磁極を検出する。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様としては、円環状に配列されている複数の前記マグネットと対向する位置に円環状に配列されていて磁極が個々に適宜逆転される複数の電磁石と、複数の前記マグネットおよび複数の前記電磁石の一方が装着されているステータと、複数の前記マグネットおよび複数の前記電磁石の一方が装着されていて前記ステータに回転自在に支持されているローターとを、さらに有している。
したがって、この電磁回転装置では、複数の電磁石は、円環状に配列されている複数のマグネットと対向する位置に円環状に配列されていて磁極が個々に適宜逆転される。ステータは、複数のマグネットおよび複数の電磁石の一方が装着されている。ローターは、複数のマグネットおよび複数の電磁石の一方が装着されていてステータに回転自在に支持されている。このため、複数の電磁石の磁極を個々に適宜変化させることにより、ローターをステータに対して回転駆動する。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様としては、例えば、三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が第1状態から第2状態に切り替わった後に、第1状態から第2状態に切り替わり、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が第2状態から第1状態に切り替わった後に、第2状態から第1状態に切り替わる。
したがって、この電磁回転装置では、仮に、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が第1状態から第2状態に切り替わるタイミングと、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が第1状態から第2状態に切り替わるタイミングとが相対的に変動したとしても、その変動が上記一定の時間間隔の範囲内であれば、これらのタイミングの時系列順が逆転することがなくなる。このため、電磁回転装置の動作を安定化させることが可能になる。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様としては、例えば、三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が第1状態から第2状態に切り替わった後に、第1状態から第2状態に切り替わり、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号は、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号が第2状態から第1状態に切り替わった後に、第2状態から第1状態に切り替わる。
したがって、この電磁回転装置では、仮に、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が第1状態から第2状態に切り替わるタイミングと、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が第1状態から第2状態に切り替わるタイミングとが相対的に変動し、また、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が第2状態から第1状態に切り替わるタイミングと、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が第2状態から第1状態に切り替わるタイミングとが相対的に変動したとしても、その変動が上記一定の時間間隔の範囲内であれば、これらのタイミングの時系列順が逆転することがなくなる。このため、電磁回転装置の動作を安定化させることが可能になる。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様としては、例えば、三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が立ち下がった後に、立下り、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号は、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号が立ち上がった後に、立ち上がる。
したがって、この電磁回転装置では、仮に、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が立ち下がるタイミングと、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が立ち下がるタイミングとが相対的に変動し、また、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が立ち上がるタイミングと、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が立ち上がるタイミングとが相対的に変動したとしても、その変動が上記一定の時間間隔の範囲内であれば、これらのタイミングの時系列順が逆転することがなくなる。このため、電磁回転装置の動作を安定化させることが可能になる。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様としては、例えば、三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が立ち上がった後に、立ち上がり、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号は、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号が立ち下がった後に、立ち下がる。
したがって、この電磁回転装置では、仮に、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が立ち上がるタイミングと、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が立ち上がるタイミングとが相対的に変動し、また、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が立ち下がるタイミングと、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が立ち下がるタイミングとが相対的に変動したとしても、その変動が上記一定の時間間隔の範囲内であれば、これらのタイミングの時系列順が逆転することがなくなる。このため、電磁回転装置の動作を安定化させることが可能になる。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様としては、例えば、三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子とし、前記第1磁極検出素子と前記第2磁極検出素子との間の回転角をα1とし、前記第1磁極検出素子と前記第3磁極検出素子との間の回転角をα2とし、
前記複数のマグネット間に位置する変極点間の回転角をβ1とし、前記変極点から前記特定の一個のマグネットの部分的に逆転している磁極の一端までの回転角をβ2とし、前記変極点から前記特定の一個のマグネットの部分的に逆転している磁極の他端までの回転角をβ3としたときに、前記回転角α1は、β3<α1<β1なる条件を満足し、且つ、前記回転角α2は、β1<α2<β1+β2なる条件を満足する。
したがって、この電磁回転装置では、β3<α1<β1なる条件から、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングは、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が遷移するタイミングよりも時系列的に先になる。また、β1<α2<β1+β2なる条件から、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングは、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が遷移するタイミングよりも時系列的に後になる。これにより、仮に、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が遷移するタイミングとが相対的に変動し、また、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が遷移するタイミングとが相対的に変動したとしても、それらの変動が一定の時間間隔の範囲内であれば、それらのタイミングの時系列順が逆転することがなくなる。このため、電磁回転装置の動作を安定化させることが可能になる。
したがって、この電磁回転装置では、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号は、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が遷移するタイミング以降に異なる状態に遷移し、且つ、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が遷移するタイミング以前に元の状態に遷移する。これにより、仮に、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が遷移するタイミングとが相対的に変動し、また、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が遷移するタイミングとが相対的に変動したとしても、それらの変動が一定の時間間隔の範囲内であれば、それらのタイミングの時系列順が逆転することがなくなる。このため、電磁回転装置の動作を安定化させることが可能になる。
上述のような電磁回転装置において、本発明の他の態様としては、例えば、三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号は、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号が第1状態から第2状態に切り替わった後に、第1状態から第2状態に切り替わり、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が第2状態から第1状態に切り替わった後に、第2状態から第1状態に切り替わる。
したがって、この電磁回転装置では、仮に、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が第1状態から第2状態に切り替わるタイミングと、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が第1状態から第2状態に切り替わるタイミングとが相対的に変動し、また、第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号が第2状態から第1状態に切り替わるタイミングと、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が第2状態から第1状態に切り替わるタイミングとが相対的に変動したとしても、それらの変動が上記一定の時間間隔の範囲内であれば、これらのタイミングの時系列順が逆転することがなくなる。このため、電磁回転装置の動作を安定化させることが可能になる。
本発明の他の態様によれば、エンジンアッセンブリーは、上記した本発明の各態様のいずれかの態様に係る電磁回転装置からなるスターターモーターによりレシプロエンジンが始動されるエンジンアッセンブリーであって、前記レシプロエンジンは、少なくとも一個のピストンがシリンダーの内部を往復し、前記スターターモーターは、少なくとも一個の前記ピストンが前記シリンダーの上死点に位置したときに特定の一個の前記磁極検出素子が特定の一個の前記マグネットの逆転している磁極を検出し、この検出のタイミングで上死点に前記ピストンが位置する前記シリンダーを点火する点火手段を有している。
したがって、このエンジンアッセンブリーでは、レシプロエンジンの少なくとも一個のシリンダーの内部を往復するピストンが上死点に位置したとき、特定の一個の磁極検出素子が特定の一個のマグネットの逆転している磁極を検出し、この検出のタイミングで上死点にピストンが位置するシリンダーを点火手段が点火する。
本発明の他の態様によれば、エンジン車両は、上記した本発明の態様に係るエンジンアッセンブリーと、前記エンジンアッセンブリーの前記スターターモーターで始動される前記レシプロエンジンの駆動力で少なくとも一部が回転駆動される複数の車輪と、を有している。したがって、このエンジン車両では、複数の車輪の少なくとも一部がスムースに始動されるレシプロエンジンで回転駆動される。
本発明の他の態様によれば、マグネットは、上記した本発明の各態様のいずれかの態様に係る電磁回転装置の特定の一個の前記マグネットであって、軸線方向の一部かつ回転方向の中央部分で磁極が部分的に逆転している。
なお、本発明の態様に係る各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素を一個の部材として形成していること、一つの構成要素を複数の部材で形成していること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
また、本発明で云う“円環状に配列されている複数のマグネットの交互に位置するN極およびS極の、一方を相対回転する三個の磁極検出素子の一個で検出するとともに、他方を残余の二個で検出する”とは、“101,100,110,…”のように、二つが同一で一つのみ相違する3ビットの信号が出力されることを意味している。
上記した本発明の態様によれば、三個の磁極検出素子で、相対回転の一回転での一つの特異点を検出することができる。
本発明の実施形態における電磁回転装置であるスターターモーターのローターの複数のマグネットの磁極と磁極検出素子であるホールICとの位置関係および検出信号を示す模式図である。 本発明の実施形態におけるスターターモーターの内部構造を示す平面図である。 本発明の実施形態におけるスターターモーターの三個のホールICからなるセンサユニットの構造を示す組立図である。 本発明の実施形態におけるスターターモーターの三個のホールICからなるセンサユニットの構造を示す組立図である。 本発明の実施形態におけるスターターモーターの三個のホールICからなるセンサユニットの構造を示す組立図である。 本発明の実施形態におけるエンジン車両であるモーターサイクルの構造を示す模式図である。 本発明の実施形態の変形例における電磁回転装置が備えるマグネットと回転角との関係を説明するための図である。 本発明の実施形態の変形例における電磁回転装置が備える磁極検出素子と回転角との関係を説明するための図である。 本発明の実施形態の変形例における電磁回転装置が備える磁極検出素子により検出された信号と回転角との関係を説明するための図である。 本発明の実施形態の第1変形例における電磁回転装置を説明するための図である。 本発明の実施形態の第3変形例における電磁回転装置を説明するための図である。 本発明の実施形態の第4変形例における電磁回転装置を説明するための図である。 本発明の実施形態の第5変形例における電磁回転装置を説明するための図である。 本発明の実施形態の第6変形例における電磁回転装置を説明するための図である。 一従来例のスターターモーターの内部構造を示す平面図である。 一従来例のスターターモーターのローターの複数のマグネットの磁極と磁極検出素子であるホールICとの位置関係および検出信号を示す模式図である。 一従来例のスターターモーターのセンサユニットの構造を示す分解斜視図である。
つぎに、本発明の一実施形態に関して図1ないし図4を参照して以下に説明する。なお、図1は、本実施形態の電磁回転装置であるスターターモーターのローターの複数のマグネットの磁極と磁極検出素子であるホールICとの位置関係および検出信号を示す模式図、図2は、スターターモーターの内部構造を示す平面図、図3Aから図3Cは、三個のホールICからなるセンサユニットの構造を示す組立図、図4は、エンジン車両であるモーターサイクルの構造を示す模式図、である。
まず、本実施形態のスターターモーター100も、詳細に関しては後述するが、図4に示すように、エンジン車両であるモーターサイクル200のエンジンアッセンブリー210の一部として、レシプロエンジン220の始動に利用される。このため、本実施形態のスターターモーター100は、図2に示すように、ステータ110と、ローター120と、複数の電磁石111と、複数のマグネット131〜133と、三個の磁極検出素子であるホールIC141〜143と、を主要部分として有している。
ステータ110は、複数の電磁石111が円環状に配列されている。これらの電磁石111は、たとえば、3×n(nは自然数)個である18個が放射状に配列されており、外部から適宜供給される電力により、外側にN極およびS極の磁力を逆転自在に各々発生する。ローター120は、上述のような構造のステータ110の複数の電磁石111の外周に、円環状に配列されている複数のマグネット131〜133からなる。これらのマグネット131〜133は、図2および図1(b)に示すように、ステータ110の電磁石111と対向する、図示する内周側がN極で図示しない外周側がS極のマグネット131と、内周側がS極で外周側がN極のマグネット332とが、交互に配置されている。
ただし、内周側がN極の特定の一個のマグネット133のみ、軸線方向の一端と回転方向の中央の部分134の内周側の磁極がS極に逆転している。このようなマグネット133は、たとえば、図中奥側の外側がN極で図中手前の内側がS極のマグネット133の図中上部に四角柱状の凹部を形成し、この凹部に図中奥側の外側がS極で図中手前の内側がN極の四角柱状のマグネットを接合することにより実現できる。
上述のようなローター120のマグネット131〜133は、2×m(mは自然数)個である12個が円環状に配列されており、これらのマグネット131〜133からなる円環状のローター120は、円筒状のステータ110の外周に回転自在に支持されている。そして、本実施形態のスターターモーター100では、上述のように回転自在なローター120の複数のマグネット131,132の内周側の交互に位置するN極およびS極を検出する位置に、三個のホールIC(ホール素子)141〜143が配置されている。
より具体的には、図1(a)(b)に示すように、W相のホールIC141,V相のホールIC142,U相のホールIC143は、図3Aから図3Cに示すように、センサユニット140のセンサケース144に収容されており、図2に示すように、このセンサユニット140がステータ110に固定されている。
このように配置されていることにより、W相のホールIC141,V相のホールIC142,U相のホールIC143は、複数のマグネット131,132の一個を、共通に検出することができる。また、W相のホールIC141,V相のホールIC142,U相のホールIC143は、複数のマグネット131,132の回転方向に隣接する二個を、二個で個別に検出することもできる。
ただし、特定の一個であるU相のホールIC143は、特定の一個のマグネット133の部分134の逆転しているS極を検出するように、図1および図3Aから図3Cに示すように、W相のホールIC141およびV相のホールIC142より図中上方に配置されている。このため、相対回転によりU相のホールIC143が、内周側がN極の特定の一個のマグネット133の、上端中央の部分134の逆転しているS極を検出するとき、W相のホールIC141およびV相のホールIC142は、隣接するマグネット332の同一の磁極であるS極を検出する。
上述のような構造のスターターモーター100は、図4に示すように、エンジンアッセンブリー210の一部としてレシプロエンジン220とともにモーターサイクル200に搭載されている。このモーターサイクル200は、二個の車輪201,202が前後に直列に配置されており、レシプロエンジン220の駆動力で後方の車輪202を回転駆動する。
そのレシプロエンジン220は、たとえば、一個のシリンダー221の内部を一個のピストン222が往復する、いわゆる単気筒に形成されている。ピストン222はクランクシャフト223にクランクアーム224で連結されており、クランクシャフト223の回転によりピストン222がシリンダー221の内部を往復する。そのクランクシャフト223にスターターモーター100が直結されている。
そして、このレシプロエンジン220のピストン222がシリンダー221の略上死点に位置したときに、スターターモーター100は、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133の部分134の逆転しているS極を検出する。そこで、エンジンアッセンブリー220は、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133の部分134の逆転しているS極を検出したタイミングで、略上死点にピストン222が位置するシリンダー221を点火する点火手段(図示せず)を有している。
上述のような構成において、本実施形態のスターターモーター100は、図1(a)(b)に示すように、円環状に配列されている複数のマグネット131〜133の交互に位置するN極およびS極の一方を、相対回転する三個のホールIC141〜143の一個で検出するとともに、他方を残余の二個で検出する。なお、このように複数のマグネット131〜133のN極およびS極を三個のホールIC141〜143で検出すると、図1(b)に示すように、三個のホールIC141〜143は、“101,100,110,…”のように、二つが同一で一つのみ相違する3ビットの信号を出力することになる。
このとき、本実施形態のスターターモーター100は、上述のような三個のホール素子141〜143の出力信号に対応して、ステータ110に円環状に配列されている複数の電磁石111に供給する電力の極性を逆転させる。すると、この複数の電磁石111の適宜逆転する磁力と、複数のマグネット131〜133の磁力との相互作用により、ローター110がステータ110の外周を回転駆動される。
ただし、本実施形態のスターターモーター100は、図4に示すように、モーターサイクル200に、いわゆる単気筒のレシプロエンジン220とともにエンジンアッセンブリー210の一部として搭載されている。このようなレシプロエンジン220は、スムースに始動するためにはピストン222がシリンダー221の略上死点に位置するときに点火する必要がある。そこで、本実施形態のスターターモーター100は、レシプロエンジン220のピストン222がシリンダー221の略上死点に位置するときに、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133の部分134の逆転しているS極を検出するように設定されている。
このとき、本来ならU相のホールIC143がマグネット133の逆転していないN極を検出するとともに、W相のホールIC141およびV相のホールIC142が隣接するマグネット332の同一のS極を検出するので、その検出信号は“100”となる。しかしながら、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133の部分134の逆転しているS極を検出するとともに、W相のホールIC141およびV相のホールIC142が隣接するマグネット332の同一のS極を検出するので、その検出信号は“000”となる。
つまり、前述のようにスターターモーター100の三個のホールIC141〜143の3ビットの検出信号は、通常は二つが同一で一つのみ相違しているが、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133の部分134の逆転しているS極を検出するときのみ、その検出信号は“000”と三つが同一の特異点となる。
そこで、本実施形態のエンジンアッセンブリー210は、スターターモーター100が上述の“000”の検出信号を出力したタイミングで、レシプロエンジン220を点火する。このとき、レシプロエンジン220はシリンダー221の略上死点にピストン222が位置するので、スムースに始動する。このようにスムースに始動されたレシプロエンジン220の駆動力により、モーターサイクル200は後方の車輪202を駆動してスムースに走行を開始することができる。
しかも、本実施形態のスターターモーター100では、U相のホールIC143が検出する特定の一個のマグネット133は、回転方向の中央の部分のみS極で、その両側はN極となっている。このため、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133を検出するとき、全体的にはN極として検出されるので、U相のホールIC143の検出結果を従来と同等とすることができる。
次に、上述した本発明の実施形態による効果をまとめる。
上述の本発明の実施形態による電磁回転装置では、マグネットの特定の一個の磁極が部分的に逆転しており、この特定の一個のマグネットの一部の逆転している磁極を、相対回転により三個の磁極検出素子の特定の一個が検出するとき、残余の二個の磁極検出素子が他のマグネットの同一の磁極を検出する。つまり、通常は三個の磁極検出素子が一個と二個との組み合わせで相違する磁極を検出するが、特定の一個のマグネットの一部の逆転している磁極を特定の一個の磁極検出素子が検出するときのみ、三個の磁極検出素子が同一の磁極を検出する。このため、上述した本発明の実施形態によれば、三個の磁極検出素子で、相対回転の一回転での一つの特異点を検出することができる。
また、上述の本発明の実施形態によれば、特定の一個のマグネットの一部の逆転している磁極を特定の一個の磁極検出素子が検出するときのみ、三個の磁極検出素子が同一の磁極を検出することができ、通常は三個の磁極検出素子が一個と二個との組み合わせで相違する磁極を検出することができる。
また、上述の本発明の実施形態によれば、特定の一個のマグネットの磁極が回転方向の一部で逆転しているので、特定の一個の磁極検出素子は、相対回転により特定の一個のマグネットの磁極を検出するとき、その回転方向の一部で逆転している磁極を検出することができる。
また、上述の本発明の実施形態によれば、特定の一個のマグネットの磁極が回転方向の中央部分で逆転しているので、特定の一個の磁極検出素子は、相対回転により特定の一個のマグネットの磁極を検出するとき、その回転方向の中央部分で逆転している磁極を検出することができる。
上述の本発明の実施形態において、複数の電磁石は、円環状に配列されている複数のマグネットと対向する位置に円環状に配列されていて磁極が個々に適宜逆転される。ステータは、複数のマグネットおよび複数の電磁石の一方が装着されている。ローターは、複数のマグネットおよび複数の電磁石の一方が装着されていてステータに回転自在に支持されている。このため、上述の本発明の実施形態によれば、複数の電磁石の磁極を個々に適宜変化させることにより、ローターをステータに対して回転駆動することができる。
上述の本発明の実施形態において、本発明の実施形態に係るスターターモーターは、レシプロエンジンの少なくとも一個のシリンダーの内部を往復するピストンが上死点に位置したとき、特定の一個の磁極検出素子が特定の一個のマグネットの逆転している磁極を検出する。このため、上述の本発明の実施形態によれば、特定の一個の磁極検出素子が特定の一個のマグネットの逆転している磁極を検出するタイミングで上死点にピストンが位置するシリンダーを点火することにより、そのレシプロエンジンをスムースに始動させることができる。
上述の本発明の実施形態において、本発明の実施形態に係るエンジンアッセンブリーは、レシプロエンジンの少なくとも一個のシリンダーの内部を往復するピストンが上死点に位置したとき、特定の一個の磁極検出素子が特定の一個のマグネットの逆転している磁極を検出し、この検出のタイミングで上死点にピストンが位置するシリンダーを点火手段が点火する。このため、上述の本発明の実施形態によれば、そのシリンダーでは上死点にピストンが位置する状態で点火されることになり、そのレシプロエンジンをスムースに始動させることができる。
上述の本発明の実施形態において、本発明の実施形態に係るエンジン車両は、複数の車輪の少なくとも一部が、スムースに始動されるレシプロエンジンで回転駆動されるので、上述の本発明の実施形態によれば、走行をスムースに開始することができる。
<変形例>
次に、上述した本発明の実施形態の変形例を説明する。
上述した本発明の実施形態では、磁極検出素子であるホールIC141〜143の検出信号の遷移のタイミングが、例えばマグネットの着磁のばらつきやホールICの組み付け誤差などにより変動すると、レシプロエンジン220のピストン222がシリンダー221の略上死点に位置するときの上述の特異点を検出する際に、ホールIC141〜143の検出信号からマグネット131〜133の各位置を正しく把握することが困難になる可能性がある。この場合、複数の電磁石111の各励磁電流を転流させるタイミングが変動し、電磁回転装置であるスターターモーター100の動作が不安定になる可能性がある。以下の変形例では、このようなタイミングの変動があったとしても、スターターモーター100の動作を安定化させる。
概略的には、以下に説明する第1変形例から第6変形例におけるスターターモーター100は、三個のホールIC(磁極検出素子)141〜143のうち、特定の一個のホールIC143によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SUが遷移するタイミングと、特定の一個のホールIC143が特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出するときに残余の二個のホールIC141,142によって他のマグネット131,132の磁極を検出して得られる検出信号SW,SVが遷移するタイミングとの間に一定の時間間隔が生じるように、複数のマグネット131〜133が形成されている。その他の構成は、上述の本発明の実施形態と同様である。
変形例を詳細に説明する前に、図5から図7を参照して、各変形例において用いる回転角α1,α2,β1,β2,β3の意味を説明しておく。
図5は、本発明の実施形態の変形例における電磁回転装置であるスターターモーター100が備えるマグネット131〜133と回転角との関係を説明するための図である。図5において、マグネット131、マグネット132、マグネット133は、図1(b)に示すマグネット131、マグネット132、マグネット133に対応している。また、変極点P(P1,P2,P3,…)は、複数のマグネット131〜133のうち、隣り合う二個のマグネット間で磁界の向きが切り替わる位置を指している。例えば、図5の例では、変極点P1は、磁界の向きがマグネット131の磁界の向きからマグネット132の磁界の向きに切り替わる位置を指し、変極点P2は、マグネット132の磁界の向きからマグネット133の磁界の向きに切り替わる位置を指し、変極点P3は、マグネット133の磁界の向きからマグネット132の磁界の向きに切り替わる位置を指し、変極点P4は、マグネット132の磁界の向きからマグネット131の磁界の向きに切り替わる位置を指している。また、軌跡OB1は、マグネット131〜133を備えたローター120が相対回転することにより、ホールIC141,142がマグネット131〜133に対して相対移動するときの軌跡を示し、軌跡OB2は、ホールIC143がマグネット131〜133に対して相対移動するときの軌跡を示している。
図5を参照すると、回転角β1は、複数の変極点P(P1,P2,P3,…)のうち、隣り合う二つの変極点間の回転角を指し、例えば、ホールIC143がマグネット131とマグネット132との間の変極点P1を通過してから、マグネット132とマグネット133との間の変極点P2を通過するまでの期間に相当する。回転角β2は、マグネット132とマグネット133との間の変極点P2から特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134の一端(前端)E1までの回転角を指し、ホールIC143がマグネット133の直前の変極点P2を通過してから、マグネット133の部分134の一端(前端)E1を検出するまでの期間に相当する。回転角β3は、マグネット132とマグネット133の間の変極点P2から特定の一個のマグネット133の部分134の他端(後端)E2までの回転角を指し、ホールIC143がマグネット133の直前の変極点P2を通過してからマグネット133の部分134の他端(後端)E2を検出するまでの期間に相当する。
図6は、本発明の実施形態の変形例における電磁回転装置であるスターターモーター100が備えるホールIC(磁極検出素子)141〜143と回転角との関係を説明するための図である。図6を参照すると、回転角α1は、U相のホールIC143(第1磁極検出素子)とV相のホールIC142(第2磁極検出素子)との間の回転角を指し、U相のホールIC143がマグネット133の直前の変極点P2を通過してからV相のホールIC142がマグネット133の直前の変極点P2を通過するまでの期間に相当する。回転角α2は、U相のホールIC143(第1磁極検出素子)とW相のホールIC141(第3磁極検出素子)との間の回転角を指し、U相のホールIC143がマグネット131とマグネット132との間の変極点P1を通過してからW相のホールIC141が同じ変極点P1を通過するまでの期間に相当する。
図7は、本発明の実施形態の変形例における電磁回転装置であるスターターモーター100が備えるホールIC(磁極検出素子)141〜143により検出された検出信号SU,SV,SWと上述の回転角α1,α2,β1,β2,β3との関係を説明するための図である。図7に示す波形は、前述の図1(a)に示す波形に対応している。図7を参照すると、ホールIC141,142,143の検出信号SU,SV,SWの各波形は、上述の回転角α1,α2,β1,β2,β3を用いて次のように表される。U相のホールIC143がマグネット133の磁界を検出する場合、U相の検出信号SUの波形は、ホールIC143がマグネット131と132との間の変極点P1を通過する時刻t0を基準として回転角β1に相当する時間が経過した時刻t2で立ち上がり、その後、時刻t2を基準として回転角β2に相当する時間の経過後の時刻t3で立下り、その後、時刻t2を基準として回転角β3に相当する時間の経過後の時刻t4で立ち上がり、その後、時刻t2を基準として回転角β1に相当する時間の経過後の時刻t5で立ち下がる波形となる。
また、V相のホールIC142がマグネット133の磁界を検出する場合、V相の検出信号SVの波形は、ホールIC142がマグネット131とマグネット132との間の変極点P1を通過する時刻t1を基準として回転角β1に相当する時間が経過した時刻t6(=t4)、即ち、上述のU相の検出信号SUが立ち上がる時刻t2を基準として回転角α1に相当する時間の経過後の時刻t6(=t4)で立ち上がる波形となる。また、W相のホールIC141がマグネット133の磁界を検出する場合、W相の検出信号SWの波形は、上述のU相のホールIC143がマグネット131とマグネット132との間の変極点P1を通過する時刻t0を基準として回転角α2に相当する時間の経過後の時刻t7(=t3)で立下り、その後、時刻t7を基準として回転角β1に相当する時間の経過後の時刻t8で立ち上がる波形となる。
・第1変形例
次に、図8を参照して第1変形例によるスターターモーター100を説明する。
図8は、本発明の実施形態の第1変形例における電磁回転装置であるスターターモーター100を説明するための図である。
図8において、信号論理状態値LUは、U相のホールIC143の検出信号SUの論理信号レベルを指し、信号論理状態値LVは、V相のホールIC142の検出信号SVの論理信号レベルを指し、信号論理状態値LWは、W相のホールIC141の検出信号SWの論理信号レベルを指す。また、ステージ番号「0」〜「6」は、上述の信号論理状態値LU,LV,LWの各値の組み合わせによって特定され、複数のマグネット131〜133と複数の電磁石111(または、ホールIC141〜143)との間の位置関係を表している。ここで、ステージ番号「0」は、上述の特異点に対応したマグネット131〜133と電磁石111(または、ホールIC141〜143)との間の位置関係を表している。第1変形例では、電磁石111の励磁電流の転流を制御する場合、ステージ番号「0」はステージ番号「2」と読み替えられる。後述の他の変形例でも同様である。この位置関係を示すステージ番号「0」〜「6」に基づいて、電磁石111に供給される励磁電流の転流のタイミングが制御される。なお、以下では、説明の便宜上、信号論理状態値LU,LV,LWの3ビットの値を“XYZ”と表す。ここで、Xは、信号論理状態値LUの値“0”または“1”であり、Yは、信号論理状態値LVの値“0”または“1”であり、Zは、信号論理状態値LWの値“0”または“1”である。従って、例えば、信号論理状態値LUの値が“0”であり、信号論理状態値LVの値が“1”であり、信号論理状態値LWの値が“0”である場合、信号論理状態値LU,LV,LWの各値は、“010”と表される。
第1変形例のスターターモーター100によれば、ホールIC143が特定の一個のマグネット133の磁界を検出する場合、ホールIC143(第1磁極検出素子)によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)は、ホールIC141(第3磁極検出素子)によって検出される検出信号SW(第3信号)が信号論理状態値“1”(第1状態)から信号論理状態値“0”(第2状態)に切り替わった時刻t3の後、時刻t3から一定の時間間隔を置いた時刻t31に信号論理状態値“1”(第1状態)から信号論理状態値“0”(第2状態)に切り替わり、ホールIC142(第2磁極検出素子)によって検出される検出信号SV(第2信号)は、ホールIC143(第1磁極検出素子)によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)が信号論理状態値“0”(第2状態)から信号論理状態値“1”(第1状態)に切り替わった時刻t32の後、一定の時間間隔をおいた時刻t4に信号論理状態値“0”(第2状態)から信号論理状態“1”(第1状態)に切り替わる。
換言すれば、第1変形例におけるスターターモーター100によれば、ホールIC143が特定の一個のマグネット133の磁界を検出する場合、ホールIC143(第1磁極検出素子)によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)は、ホールIC141(第3磁極検出素子)によって検出される検出信号SW(第3信号)が立ち下がった後に、立下り、また、ホールIC142(第2磁極検出素子)によって検出される検出信号SV(第2信号)は、ホールIC143によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)が立ち上がった後に、立ち上がる。この場合、回転角α1は、β3<α1<β1なる条件を満足し、且つ、回転角α2は、β1<α2<β1+β2なる条件を満足する。
第1変形例では、U相の検出信号SUは、W相の検出信号SWが立ち下がる規定の時刻t3を基準として一定時間だけ遅れた時刻t31で立下り、V相の検出信号SVが立ち上がる規定の時刻t4を基準として一定時間だけ早い時刻t32で立ち上がる。このようなU相の検出信号SUの波形が得られるように、特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134の一端(前端)E1と他端(後端)E2が形成されている。
このように、第1変形例では、U相の検出信号SUの立ち下がりのタイミングを時刻t3から時刻t31に一定時間だけ遅らせることにより、W相の検出信号SWの立下りのタイミングとU相の検出信号SUの立ち上がりのタイミングとの間に一定の時間間隔を設けると共に、U相の検出信号SUの立ち上がりのタイミングを時刻t4から時刻t32に一定時間だけ早めることにより、U相の検出信号SUの立ち上がりのタイミングとV相の検出信号SVの立ち上がりのタイミングとの間に一定の時間間隔を設けている。このような一定の時間間隔は、例えば、検出信号SU,SV,SWの各信号の遷移のタイミングの変動量を考慮して適切に設定され、例えば、そのような変動量がステージ番号「1」〜「6」の序列に影響を及ぼさないように設定される。
第1変形例によれば、U相の検出信号SUの立ち下がりのタイミングを、W相の検出信号SWが立ち下がる時刻t3から時刻t31に遅らせることにより、時刻t3から時刻t31までの期間、信号論理状態値LU,LV,LWは、ステージ番号「2」を示す“100”となる。その後、時刻t31から時刻t32までの期間、信号論理状態値LU,LV,LWは、ステージ番号「2」と見做される“000”となる。更にその後、U相の検出信号SUの立ち上がりのタイミングを、V相の検出信号SVが立ち上がる時刻t4から時刻t32に早めることにより、時刻t32から時刻t4までの期間、信号論理状態値LU,LV,LWは、ステージ番号「2」を示す“100”となる。従って、検出信号SU,SV,SWを入力する例えば車両側のエンジン制御ユニットにおいて、検出信号SU,SV,SWの信号論理状態値“000”が示すステージ番号「0」をステージ番号「2」と見做せば、時刻t3から時刻t4までの期間、信号論理状態値LU,LV,LWはステージ番号「2」を示すものとなる。従って、スターターモーター100の電磁石111の励磁電流の転流のタイミングを変更することなく、スターターモーター100の駆動が可能となる。
また、第1変形例によれば、例えば、W相の検出信号SWの立ち下りのタイミングが時刻t3を中心として変動したとしても、その変動の大きさが上記の一定の時間間隔(t31−t3)の範囲内であれば、W相の検出信号SWが立ち下がってからU相の検出信号SUが立ち下がるまでの期間、信号論理状態値LU,LV,LWはステージ番号「2」を示す“100”となる。また、V相の検出信号SVが立ち上がるタイミングが時刻t4を中心として変動したとしても、その変動の大きさが上記の一定の時間間隔(t4−t32)の範囲内であれば、U相の検出信号SUが立ち上がってからV相の検出信号SVが立ち上がるまでの期間、信号論理状態値LU,LV,LWは、ステージ番号「2」を示す“100”となる。また、U相の検出信号SUの立下りおよび立ち上がりの各タイミングがV相の検出信号SVとW相の検出信号SWに対して変動した場合も同様である。また、第1変形例によれば、ステージ番号「2」の後のステージ番号「3」の検出が遅れることもない。
従って、第1変形例によれば、マグネットの着磁のバラツキや、ホールICの組み付け誤差などが生じたとしても、時刻t3から時刻t4の期間、検出信号SU,SV,SWの信号論理状態値LU,LV,LWはステージ番号「2」を示すので、スターターモーター100の電磁石111の励磁電流の転流のタイミングを誤ることがなく、上述の特異点“000”を検出する際のスターターモーター100の動作を安定化させることができる。
また、第1変形例によれば、回転角α1がβ3<α1<β1の範囲内にあるため、V相のホールIC142がマグネット132とマグネット133との間の変極点P2を通過して検出信号SVが立ち上がる時刻t4は、U相のホールIC143がマグネット133の部分134の他端(後端)E2を通過して検出信号SUが立ち上がる時刻t32よりも遅くなる。これにより、V相のホールIC142がマグネット133のN極を検出する前に、U相のホールIC143は、それと同一の磁極(N)を検出することができる。また、回転角α2がβ1<α2<β1+β2の範囲内にあるため、W相のホールIC141が変極点P1を通過してマグネット132のS極を検出する時刻t3は、U相のホールIC143がマグネット133の部分134のS極を検出する時刻t31よりも先になる。これにより、W相のホールIC141がマグネット132のS極を検出した後に、U相のホールIC143は、それと同一の磁極(S)を検出することができる。このように各マグネットの磁極の検出が行われることにより、時刻t31と時刻t32との間の期間において、三個のホールIC141,142,143は、確実に同一磁極(S極)の磁束を検出することができる。従って、第1変形例によれば、ホールIC143,142,141の検出信号SU,SV,SWの信頼性が向上するので、確実に上述の特異点“000”を検出することができ、スターターモーター100の駆動時の転流のタイミングの誤動作を防止することができる。
・第2変形例
次に、本発明の実施形態の第2変形例を説明する。
上述の第1変形例では、ホールIC141,142が、それぞれ、マグネット131のN極、マグネット132のS極、マグネット133のN極を検出し、ホールIC143が、マグネット131のN極、マグネット132のS極、マグネット133のN極、マグネット133の部分134を検出するものとしたが、第2変形例では、これらの磁極の極性を反転させ、磁極が反転されたマグネット131〜133の各磁極をホールIC141〜143により検出する。第2変形例では、上述の第1変形例で用いた図8を援用する。ただし、図8において、検出信号SU、SV,SWを示す各波形の信号論理状態値(信号レベル)が入れ替えられる。従って、第2変形例では、図8において、例えば、検出信号SUは、時刻t0で立ち上がり、時刻t2で立ち下がり、時刻t31で立ち上がり、時刻t32で立ち下がり、時刻t5で立ち上がる波形となる。また、検出信号SVは、例えば、時刻t1で立ち上がり、時刻t4で立ち下がる波形となる。また、検出信号SWは、例えば、時刻t3で立ち上がる波形となる。
第2変形例のスターターモーター100によれば、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133を検出する場合、ホールIC143(第1磁極検出素子)によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)は、W相のホールIC141(第3磁極検出素子)によって検出される検出信号SW(第3信号)が立ち上がった時刻t3の後の時刻t31で立ち上がり、V相のホールIC142(第2磁極検出素子)によって検出される検出信号SV(第2信号)は、U相のホールIC143によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)が立ち下がった時刻t32の後の時刻t4で立ち下がる。
第2変形例では、信号論理状態値LU,LV,LWの各値が反転しているため、例えば、車両側のエンジン制御ユニットにおいて、各信号論理状態値を反転させて処理すれば、第2変形例によっても第1変形例と同様の効果を得ることができる。
・第3変形例
次に、本発明の実施形態の第3変形例を説明する。
図9は、本発明の実施形態の第3変形例における電磁回転装置であるスターターモーター100を説明するための図である。第3変形例におけるスターターモーター100によれば、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133の磁界を検出する場合、W相のホールIC141(第3磁極検出素子)によって検出される検出信号SW(第3信号)は、U相のホールIC143(第1磁極検出素子)によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)が信号論理状態値“1”(第1状態)から信号論理状態値“0”(第2状態)に切り替わった後に、信号論理状態値“1”(第1状態)から信号論理状態値“0”(第2状態)に切り替わり、U相のホールIC143(第1磁極検出素子)によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)は、V相のホールIC142(第2磁極検出素子)によって検出される検出信号SV(第2信号)が信号論理状態値“0”(第2状態)から信号論理状態値“1”(第1状態)に切り替わった後に、信号論理状態値“0”(第2状態)から信号論理状態値“1”(第1状態)に切り替わる。
また、第3変形例では、U相の検出信号SUは、W相の検出信号SWが立ち下がる規定の時刻t3を基準として一定時間だけ早い時刻t21で立下り、V相の検出信号SVが立ち上がる規定の時刻t4を基準として一定時間だけ遅い時刻t41で立ち上がる。このようなU相の検出信号SUの波形が得られるように、特定の一個のマグネット133の部分134の一端E1と他端E2が形成されている。
このように、第3変形例では、U相の検出信号SUの立ち下がりのタイミングを時刻t3から時刻t21に早めることにより、W相の検出信号SWの立ち下りのタイミングとU相の検出信号SUの立ち下がりのタイミングとの間に一定の時間間隔を設けると共に、U相の検出信号SUの立ち上がりのタイミングを時刻t4から時刻t41に遅らせることにより、U相の検出信号SUの立ち上がりのタイミングとV相の検出信号SVの立ち上がりのタイミングとの間に一定の時間間隔を設けている。このような一定の時間間隔は、前述した第1変形例と同様に、例えば、検出信号SU,SV,SWの各信号の遷移のタイミングの変動量を考慮して適切に設定される。
第3変形例によれば、スターターモーター100の回転に伴い、検出信号SU,SV,SWの各信号論理状態値LU,LV,LWが、時刻t2から、“101”、“001”、“000”、“010”、“110”のように順次変化する。この場合、検出信号SU,SV,SWを入力する例えば車両側のエンジン制御ユニットにおいて、信号論理状態値“101”の後の信号論理状態値“001”によって示されるステージ番号「6」をステージ番号「1」と読み替え、信号論理状態値“000”によって示されるステージ番号「0」をステージ番号「2」と見做し、信号論理状態値“010”によって示されるステージ番号「4」をステージ番号「3」と読み替えれば、電磁石111の励磁電流の転流のタイミングを変更することなく、スターターモーター100の駆動が可能となる。従って、第3変形例によっても第1変形例と同様の効果を得ることができ、マグネットの着磁のバラツキや、ホールICの組み付け誤差などが生じたとしても、上述の特異点を確実に検出し、電磁回転装置であるスターターモーター100の動作を安定化させることができる。
・第4変形例
次に、本発明の実施形態の第4変形例を説明する。
図10は、本発明の実施形態の第4変形例における電磁回転装置であるスターターモーター100を説明するための図である。第4変形例では、前述の第1変形例と同様に、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133の磁界を検出する場合、U相の検出信号SUの立下りのタイミングをW相の検出信号SWの立下りのタイミングよりも後に設定し、V相の検出信号SVの立ち上がりのタイミングをU相の検出信号SUの立ち上がりのタイミングの後に設定するが、第4変形例では、U相の検出信号SUを基準として、W相の検出信号SWのタイミングとV相の検出信号SVのタイミングとを調整している。
具体的には、第4変形例によるスターターモーター100によれば、U相のホールIC143が特定の一個のマグネット133の磁界を検出する場合、W相のホールIC141(第3磁極検出素子)によって検出される検出信号(第3信号)は、U相のホールIC143(第1磁極検出素子)によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)が立ち下がる規定の時刻t3の前の時刻t22で立下り、V相のホールIC142(第2磁極検出素子)によって検出される検出信号SV(第2信号)は、U相のホールIC143によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)が立ち上がった規定の時刻t3の後の時刻t42で立ち上がる。
このように、第4変形例では、W相の検出信号SWは、U相の検出信号SUが立ち下がる規定の時刻t3を基準として一定時間だけ早い時刻t22で立下り、V相の検出信号SVは、U相の検出信号SUが立ち上がる規定の時刻t4を基準として一定時間だけ遅い時刻t42で立ち上がる。このようなW相の検出信号SWおよびV相の検出信号SVの各波形が得られるように、特定の一個のマグネット133と、それを挟む二個のマグネット132,132が形成されている。
第4変形例によれば、スターターモーター100の回転に伴い、検出信号SU,SV,SWの信号論理状態値LU,LV,LWが、時刻t2から、“101”、“100”、“000”、“100”、“110”のように順次変化する。この場合、例えば車両側のエンジン制御ユニットにおいて、信号論理状態値“000”によって示されるステージ番号「0」をステージ番号「2」と見做せば、ステージ番号の序列に変動が発生しない。ただし、第4変形例では、ステージ番号「2」の期間が時刻t22から時刻t42に及び、本来の時刻t3から時刻t4までの期間よりも長くなる。このため、例えば車両側のエンジン制御ユニットの処理においてステージ番号「2」となる期間を補正すれば、電磁石11の励磁電流の転流のタイミングを変更することなく、スターターモーター100の駆動が可能となる。
従って、第4変形例によっても第1変形例と同様の効果を得ることができ、マグネットの着磁のバラツキや、ホールICの組み付け誤差などが生じたとしても、上述の特異点を確実に検出し、電磁回転装置であるスターターモーター100の動作を安定化させることができる。
・第5変形例
次に、本発明の実施形態の第5変形例を説明する。
第5変形例では、U相の検出信号SUの遷移のタイミングが、V相の検出信号SVおよびW相の検出信号SWに対して遅れる方向に変動する状況を想定している。
図11は、本発明の実施形態の第5変形例における電磁回転装置であるスターターモーター100を説明するための図である。第5変形例によるスターターモーター100によれば、U相のホールIC143(第1磁極検出素子)によって特定の一個の前記マグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)は、W相のホールIC141(第3磁極検出素子)によって検出される検出信号SW(第3信号)が信号論理状態値“1”(第1状態)から信号論理状態値“0”(第2状態)に切り替わった規定の時刻t3の後の時刻t33に信号論理状態値“1”(第1状態)から信号論理状態値“0”(第2状態)に切り替わり、V相のホールIC142(第2磁極検出素子)によって検出される検出信号SV(第2信号)が信号論理状態値“0”(第2状態)から信号論理状態値“1”(第1状態)に切り替わった規定の時刻t4の後の時刻t43に信号論理状態値“0”(第2状態)から信号論理状態値“1”(第1状態)に切り替わる。
このように、第5変形例では、U相の検出信号SUは、W相の検出信号SWが立ち下がる規定の時刻t3を基準として一定時間だけ遅い時刻t33で立下り、V相の検出信号SVが立ち上がる規定の時刻t4を基準として一定時間だけ遅い時刻t43で立ち上がる。このようなU相の検出信号SUの波形が得られるように、特定の一個のマグネット133の磁極が逆転した部分134の一端E1と他端E2が形成されている。
第5変形例によれば、スターターモーター100の回転に伴い、検出信号SU,SV,SWの信号論理状態値LU,LV,LWが、時刻t2から、“101”、“100”、“000”、“010”、“110”のように順次変化する。この場合、例えば車両側のエンジン制御ユニットにおいて、信号論理状態値“000”によって示されるステージ番号「0」をステージ番号「2」と見做し、信号論理状態値“010”によって示されるステージ番号「4」をステージ番号「3」と読み替えれば、ステージ番号の序列に変動が発生しない。
従って、第5変形例によれば、第1変形例と同様の効果を得ることができ、マグネットの着磁のバラツキや、ホールICの組み付け誤差などが生じたとしても、上述の特異点を確実に検出し、電磁回転装置であるスターターモーター100の動作を安定化させることができる。特に、第5変形例では、U相の検出信号SUの遷移のタイミングが、V相の検出信号SVおよびW相の検出信号SWに対して進む方向に変動する状況において、スターターモーター100の動作を有効に安定化させることができる。
・第6変形例
次に、本発明の実施形態の第6変形例を説明する。
第6変形例では、U相の検出信号SUの遷移のタイミングが、V相の検出信号SVおよびW相の検出信号SWに対して進む方向に変動する状況を想定している。
図12は、本発明の実施形態の第6変形例における電磁回転装置であるスターターモーター100を説明するための図である。第6変形例によるスターターモーター100によれば、U相のホールIC143(第1磁極検出素子)によって特定の一個のマグネット133の部分的に逆転している磁極の部分134を検出して得られる検出信号SU(第1信号)は、W相のホールIC141(第3磁極検出素子)によって検出される検出信号SW(第3信号)が信号論理状態値“1”(第1状態)から信号論理状態値“0”(第2状態)に切り替わった時刻t3の前の時刻t24に信号論理状態値“1”(第1状態)から信号論理状態値“0”(第2状態)に切り替わり、V相のホールIC142(第2磁極検出素子)によって検出される検出信号SV(第2信号)が信号論理状態値“0”(第2状態)から信号論理状態値“1”(第1状態)に切り替わる時刻t4の前の時刻t34に信号論理状態値“0”(第2状態)から信号論理状態値“1”(第1状態)に切り替わる。
このように、第6変形例では、U相の検出信号SUは、W相の検出信号SWが立ち下がる規定の時刻t3を基準として一定時間だけ早い時刻t24で立下り、V相の検出信号SVが立ち上がる規定の時刻t4を基準として一定時間だけ早い時刻t34で立ち上がる。このようなU相の検出信号SUの波形が得られるように、特定の一個のマグネット133の磁極が逆転した部分134の一端E1と他端E2が形成されている。
第6変形例によれば、スターターモーター100の回転に伴い、検出信号SU,SV,SWの信号論理状態値LU,LV,LWが、時刻t2から、“101”、“001”、“000”、“100”、“110”のように順次変化する。この場合、例えば車両側のエンジン制御ユニットにおいて、信号論理状態値“001”によって示されるステージ番号「6」をステージ番号「1」と読み替え、信号論理状態値“000”によって示されるステージ番号「0」をステージ番号「2」と見做せば、ステージ番号の序列に変動が発生しない。
従って、第6変形例によれば、第1変形例と同様の効果を得ることができ、マグネットの着磁のバラツキや、ホールICの組み付け誤差などが生じたとしても、上述の特異点を確実に検出し、電磁回転装置であるスターターモーター100の動作を安定化させることができる。特に、第6変形例では、U相の検出信号SUの遷移のタイミングが、V相の検出信号SVおよびW相の検出信号SWに対して遅れる方向に変動する状況において、スターターモーター100の動作を有効に安定化させることができる。
なお、本発明は上記した各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。たとえば、上記した実施形態では電磁回転装置であるスターターモーター100の一回転の特異点を検出するため、内周側がN極の特定の一個のマグネット133のみ、軸線方向の一端と回転方向の中央の部分134の内周側の磁極がS極に逆転していることを例示した。しかしながら、内周側がS極の特定の一個のマグネットのみ、軸線方向の一端と回転方向の中央の部分の内周側の磁極がN極に逆転していてもよい(図示せず)。
また、上記した実施形態では電磁回転装置をスターターモーター100に利用することを例示した。しかしながら、電磁回転装置をジェネレーターに利用してもよく、スターターモーターとジェネレーターとを兼用したスタータージェネレーターとしてもよい(ともに図示せず)。
さらに、上記した実施形態ではレシプロエンジン220として一般的なシリンダー221の内部をピストン222が往復する構造を例示した。しかしながら、本発明で云うレシプロエンジンとは、いわゆるロータリーエンジンも内包する(図示せず)。
上記した電磁回転装置によれば、三個の磁極検出素子で、相対回転の一回転での一つの特異点を検出することができる。
100 スターターモーター(電磁回転装置)
110 ステータ
111 電磁石
120 ローター
131〜133 マグネット
134 部分
141〜143 ホールIC(磁極検出素子)

Claims (14)

  1. 円環状に配列されている複数のマグネットの個々に位置するN極およびS極の一方を相対回転する三個の磁極検出素子の一個が検出するときに他方を残余の二個が検出する電磁回転装置であって、
    相対回転により特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を三個の前記磁極検出素子の特定の一個が検出するときに残余の二個の前記磁極検出素子が他の前記マグネットの同一の磁極を検出し、
    前記マグネットは、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、三個の前記磁極検出素子の特定の一個が特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出するときに残余の二個の前記磁極検出素子によって他の前記マグネットの磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングとの間に一定の時間間隔が生じるように形成されている電磁回転装置。
  2. N極およびS極が交互に位置するように複数のマグネットが円環状に配列されており、円環状に配列されている複数の前記マグネットのN極およびS極の一方を相対回転する三個の磁極検出素子の一個が検出するときに他方を残余の二個が検出する電磁回転装置であって、
    磁極が部分的に逆転している特定の一個の前記マグネットと、
    相対回転により特定の一個の前記マグネットの逆転している磁極を検出する位置に配置されている特定の一個の前記磁極検出素子と、
    相対回転により特定の一個の前記磁極検出素子が特定の一個の前記マグネットの逆転している磁極を検出するときに他の前記マグネットの同一の磁極を検出する位置に配置されている残余の二個の前記磁極検出素子と、を有し、
    前記マグネットは、三個の前記磁極検出素子の特定の一個によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングと、三個の前記磁極検出素子の特定の一個が特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出するときに残余の二個の前記磁極検出素子によって他の前記マグネットの磁極を検出して得られる信号が遷移するタイミングとの間に一定の時間間隔が生じるように形成されている電磁回転装置。
  3. 特定の一個の前記マグネットは、軸線方向の一部で磁極が逆転しており、
    相対回転により特定の一個の前記マグネットの逆転している磁極を検出する軸線方向の位置に特定の一個の前記磁極検出素子が配置されており、
    相対回転により特定の一個の前記マグネットの逆転していない磁極を検出する軸線方向の位置に残余の二個の前記磁極検出素子が配置されている、請求項1または2に記載の電磁回転装置。
  4. 特定の一個の前記マグネットは、回転方向の一部で磁極が逆転している、請求項1ないし3の何れか一項に記載の電磁回転装置。
  5. 特定の一個の前記マグネットは、回転方向の中央部分で磁極が逆転している、請求項4に記載の電磁回転装置。
  6. 円環状に配列されている複数の前記マグネットと対向する位置に円環状に配列されていて磁極が個々に適宜逆転される複数の電磁石と、
    複数の前記マグネットおよび複数の前記電磁石の一方が装着されているステータと、
    複数の前記マグネットおよび複数の前記電磁石の一方が装着されていて前記ステータに回転自在に支持されているローターとを、さらに有している、請求項1ないし5の何れか一項に記載の電磁回転装置。
  7. 三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、
    前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が第1状態から第2状態に切り替わった後に、第1状態から第2状態に切り替わり、
    前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が第2状態から第1状態に切り替わった後に、第2状態から第1状態に切り替わる請求項1から6の何れか1項に記載の電磁回転装置。
  8. 三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、
    前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が第1状態から第2状態に切り替わった後に、第1状態から第2状態に切り替わり、
    前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号は、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号が第2状態から第1状態に切り替わった後に、第2状態から第1状態に切り替わる請求項1から6の何れか1項に記載の電磁回転装置。
  9. 三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、
    前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が立ち下がった後に、立下り、
    前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号は、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号が立ち上がった後に、立ち上がる請求項1から6の何れか1項に記載の電磁回転装置。
  10. 三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、
    前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号が立ち上がった後に、立ち上がり、
    前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号は、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号が立ち下がった後に、立ち下がる請求項1から6の何れか1項に記載の電磁回転装置。
  11. 三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子とし、
    前記第1磁極検出素子と前記第2磁極検出素子との間の回転角をα1とし、
    前記第1磁極検出素子と前記第3磁極検出素子との間の回転角をα2とし、
    前記複数のマグネット間に位置する変極点間の回転角をβ1とし、
    前記変極点から前記特定の一個のマグネットの部分的に逆転している磁極の一端までの回転角をβ2とし、
    前記変極点から前記特定の一個のマグネットの部分的に逆転している磁極の他端までの回転角をβ3としたときに、
    前記回転角α1は、β3<α1<β1なる条件を満足し、且つ、前記回転角α2は、β1<α2<β1+β2なる条件を満足する請求項1から6の何れか1項に記載の電磁回転装置。
  12. 三個の前記磁極検出素子の特定の一個を第1磁極検出素子とし、残余の二個の前記磁極検出素子を第2磁極検出素子および第3磁極検出素子としたときに、
    前記第3磁極検出素子によって検出される第3信号は、前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号が第1状態から第2状態に切り替わった後に、第1状態から第2状態に切り替わり、
    前記第1磁極検出素子によって特定の一個の前記マグネットの部分的に逆転している磁極を検出して得られる第1信号は、前記第2磁極検出素子によって検出される第2信号が第2状態から第1状態に切り替わった後に、第2状態から第1状態に切り替わる請求項1から6の何れか1項に記載の電磁回転装置。
  13. 請求項1から6または8から13の何れか1項に記載の電磁回転装置からなるスターターモーターによりレシプロエンジンが始動されるエンジンアッセンブリーであって、
    前記レシプロエンジンは、少なくとも一個のピストンがシリンダーの内部を往復し、
    前記スターターモーターは、少なくとも一個の前記ピストンが前記シリンダーの上死点に位置したときに特定の一個の前記磁極検出素子が特定の一個の前記マグネットの逆転している磁極を検出し、この検出のタイミングで上死点に前記ピストンが位置する前記シリンダーを点火する点火手段を有しているエンジンアッセンブリー。
  14. 請求項14に記載のエンジンアッセンブリーと、
    前記エンジンアッセンブリーの前記スターターモーターで始動される前記レシプロエンジンの駆動力で少なくとも一部が回転駆動される複数の車輪と、を有しているエンジン車両。
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