JP2016136016A - エンジンシステムおよび鞍乗型車両 - Google Patents

エンジンシステムおよび鞍乗型車両 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンの状態によらずエンジンを適切に始動させることが可能なエンジンシステムおよび鞍乗型車両を提供する。【解決手段】エンジン10の始動時における混合気の点火前に、クランク軸13が最初に逆方向に回転するように回転電機30に第1のデューティ比で電流が供給される。クランク軸13が回転することにより、クランク軸13の回転角度が検出される。検出される回転角度が切替角度になると、回転電機30に供給される電流のデューティ比が第1のデューティ比から第1のデューティ比よりも低い第2のデューティ比に切り替えられる。それにより、回転電機30のトルクが減少し、筒内圧による回転負荷によりクランク軸13の逆方向への回転が停止される。クランク軸13の逆方向への回転が停止されると、クランク軸13が正方向に回転する。その後、混合気の点火が行われ、エンジン10が完爆する。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンシステムおよび鞍乗型車両に関する。
スタータモータの機能を有する発電機(以下、始動兼発電機と呼ぶ。)がエンジンのクランク軸に設けられた自動二輪車がある。このような自動二輪車において、エンジンの始動動作の際には、1サイクル(クランク軸の2回転の範囲)内におけるクランク軸の絶対的な回転位置(以下、クランク角と呼ぶ。)が最初の圧縮上死点に対応する角度を超えるために大きなトルクが必要となる。そこで、エンジンの始動性を高めるため、クランク軸を逆方向に回転させた後に正方向に回転させる技術がある。
特許文献1に記載されたエンジン制御装置においては、エンジンが停止している状態でスタータスイッチが操作されることにより、クランク軸の逆方向への回転が開始される。このとき、バッテリから始動兼発電機に100%のデューティ比で電流が供給される。
クランク軸の逆方向への回転開始から予め設定された期間が経過すると、始動兼発電機に供給される電流のデューティ比が100%よりも低い値に変更される。それにより、クランク角が最初の圧縮上死点の1サイクル前の圧縮上死点に対応する角度を下回る前にクランク軸の正方向への回転が開始される。
上記の期間は、エンジンの種類または始動兼発電機の機能等に応じて設定される。例えば、始動兼発電機からクランク軸に与えられるトルクが比較的小さい場合には上記の期間が長く設定される。また、始動兼発電機からクランク軸に与えられるトルクが比較的大きい場合には上記の期間が短く設定される。
特許文献2に記載されたエンジン始動装置では、イグニッションスイッチがオンされると、まず電動機が間欠的に正転方向に駆動されて予備的な正転駆動が実行される。この予備的な正転駆動では、4サイクルエンジンにおける圧縮行程の上死点の手前までクランク軸が回転される。その後、スタータスイッチのオンにより電動機が逆転方向に駆動される。排気行程内に設定された角度算出基準位置からクランク軸の回転角度がカウントされる。回転角度が膨張行程内に設定された逆転駆動停止位置に達すると、電動機の逆転方向への駆動が停止され、逆転方向への慣性力と、膨張行程を逆行することにより上昇する圧縮反発力とが均衡する正転反転位置から電動機が正転方向に駆動される。
特開2014−167287号公報 国際公開第02/27181号
しかしながら、本発明者の実験および考察によると、クランク軸の逆方向の回転開始から上記の期間経過後にデューティ比を低下させても、エンジンの状態によってはクランク角が1サイクル前の圧縮上死点に対応する角度を下回るまでクランク軸が逆方向に回転する場合があることが判明した。例えば、エンジンの状態によって、エンジンのフリクションが変動する。具体的には、エンジンの温度が低くなるほどエンジンのフリクションは大きくなり、エンジンの温度が高くなるほどエンジンのフリクションは小さくなる。エンジンのフリクションが変動すると、上記の期間中に回転するクランク軸の回転量が変動する。
上記の期間中に回転するクランク軸の回転量が大きくなると、上記の期間経過後にデューティ比が100%よりも低い値に変更されても、クランク角が1サイクル前の圧縮上死点に対応する角度を下回ってしまう可能性がある。そのため、特許文献1のエンジン制御装置では、エンジンの始動性を高めることができない。
特許文献2のエンジン始動装置では、排気行程内の角度算出基準位置を検出するために、電動機の逆転駆動を実行する前に、電動機の予備的な正転駆動を行ってクランク軸を圧縮行程の上死点の手前まで回転させる必要がある。そのため、エンジンの始動時に消費電力が大きくなる。
本発明の目的は、エンジンの状態によらずエンジンを適切に始動させることが可能なエンジンシステムおよび鞍乗型車両を提供することである。
(1)第1の発明に係るエンジンシステムは、バッテリを備えた車両に搭載されるエンジンシステムであって、燃焼停止状態での4ストロークの間に高負荷領域と低負荷領域とを有し、高負荷領域においてクランク軸に作用する第1の回転負荷は、低負荷領域においてクランク軸に作用する第2の回転負荷よりも大きい4ストロークのエンジンと、バッテリから電流の供給を受けてクランク軸を回転させることができ、かつクランク軸の回転に伴う発電によりバッテリを充電することができるように構成された回転電機と、クランク軸の回転角度(回転量)を検出する回転角度検出部と、バッテリから回転電機に電流を供給することによりクランク軸が正方向または逆方向に回転するように回転電機を制御する制御装置とを備え、制御装置は、エンジンの始動時における混合気の点火前に、回転電機に電流を供給して低負荷領域において第2の回転負荷に抗してクランク軸を最初に逆方向に回転させる第1の制御を行った後、高負荷領域における第1の回転負荷によりクランク軸の逆方向の回転が停止するように、回転角度検出部により検出された回転角度が予め定められた切替角度(予め定められた一定回転量)になったときに回転電機に供給する電流の調整により回転電機からクランク軸に与えられるトルクを低下させて高負荷領域においてクランク軸を逆方向に回転させる第2の制御を行い、その後クランク軸が正方向に回転するように回転電機に電流を供給する第3の制御を行うものである。
そのエンジンシステムにおいては、4ストロークのエンジンの始動時における混合気の点火前に、第1の制御により回転電機に電流を供給してクランク軸を最初に逆方向に回転させる。回転角度検出部により検出される回転角度が切替角度になると、第2の制御により回転電機に供給する電流の調整により回転電機からクランク軸に与えるトルクを低下させて高負荷領域においてクランク軸を逆方向に回転させる。それにより、高負荷領域における第1の回転負荷によりクランク軸の逆方向への回転が停止される。その後、第3の制御によりクランク軸を正方向に回転させる。それにより、クランク角が最初の圧縮上死点に対応する角度を超える。
上記の構成により、クランク軸の逆方向の回転時に、エンジンのフリクションが変動する場合でも、クランク軸の回転角度が一定の切替角度になったときに回転電機からクランク軸に与えられるトルクが低下される。それにより、エンジンのフリクションの変動によらず、高負荷領域における第1の回転負荷によりクランク軸の逆方向への回転が停止される。したがって、エンジンの状態によらずエンジンを適切に始動させることができる。
また、クランク軸の回転角度が検出され、回転角度が切替角度になったか否かが判定される。そのため、エンジンの1サイクル(720°)におけるクランク軸の絶対的な回転位置(クランク角)を検出する必要がなく、クランク軸の絶対的な回転位置を検出するための追加的な動作が不要となる。したがって、エンジンの始動時の消費電流が抑制される。
クランク軸の回転角度として、クランク軸の1回転の範囲(360°)における基準位置からのクランク軸の回転角度が検出されてもよい。また、クランク軸の回転角度として、クランク軸の停止位置からのクランク軸の回転角度が検出されてもよい。
(2)制御装置は、第1の制御において、第1のデューティ比で回転電機に電流を供給することによりクランク軸を逆方向に回転させ、第2の制御において、回転角度検出部により検出された回転角度が切替角度になったときに回転電機に供給される電流のデューティ比を第1のデューティ比から第1のデューティ比よりも低い第2のデューティ比に切り替えてもよい。
この場合、エンジンの始動時における混合気の点火前に、クランク軸が逆方向に回転するように第1の制御により第1のデューティ比で回転電機に電流が供給される。回転角度検出部により検出される回転角度が切替角度になると、第2の制御により回転電機に供給される電流のデューティ比が第1のデューティ比から第2のデューティ比に切り替えられる。それにより、回転電機からクランク軸に与えられる逆方向のトルクが減少する。その結果、高負荷領域における第1の回転負荷によりクランク軸の逆方向への回転が停止される。
このように、回転電機に供給される電流のデューティ比を変更するという簡単な制御で、高負荷領域における第1の回転負荷に抗してクランク軸が逆方向に回転することを防止することができる。
(3)第1の回転負荷は、圧縮行程における圧力による第1のピークを有し、第2の回転負荷は、排気バルブの反力による第2のピークを有し、切替角度は、第2のピークに対応する角度以下でかつ第1のピークに対応する角度よりも大きい角度(回転位置)で第1のデューティ比から第2のデューティ比への切り替えが行われるように設定されてもよい。
クランク軸が逆方向に回転されることによりクランク角が第2のピークに対応する角度に近づく際には、排気バルブの反力がクランク軸を正方向に回転させようとする。クランク角が第2のピークに対応する角度を下回ると、排気バルブの反力がクランク軸を逆方向に回転させようとする。また、クランク角が第1のピークに対応する角度に近づく際には、圧縮行程における圧力がクランク軸を正方向に回転させようとする。
上記の構成によれば、第2のピークに対応する角度以下で第1のデューティ比から第2のデューティ比への切り替えが行われるように切替角度が設定されるので、排気バルブの反力に抗してクランク軸を逆方向に回転させるために回転電機が逆方向のトルクを発生する必要がない。そのため、第2のデューティ比を比較的低く設定することができるので、消費電力が低減される。
(4)第2のデューティ比は0であってもよい。
この場合、回転電機に供給される電流が低減されるので、消費電力が低減される。
(5)制御装置は、第2の制御において、回転角度検出部により検出された回転角度が切替角度になったときにクランク軸に正方向のトルクが与えられるように回転電機に電流を供給してもよい。
この場合、回転角度検出部により検出される回転角度が切替角度になると、第2の制御によりクランク軸に正方向のトルクが与えられる。それにより、クランク軸の逆方向の回転速度が低下する。したがって、高負荷領域における第1の回転負荷に抗してクランク軸が逆方向に回転することを防止することができる。
(6)制御装置は、第2の制御において、回転角度検出部により検出された回転角度が切替角度になったときにクランク軸に正方向のトルクが与えられるように回転電機を短絡させてもよい。
この場合、回転角度検出部により検出される回転角度が切替角度になると、第2の制御により回転電機が短絡する。このとき回転電機に発生する制動力が、正方向のトルクとしてクランク軸に与えられる。それにより、クランク軸の逆方向の回転速度が低下する。したがって、高負荷領域における第1の回転負荷に抗してクランク軸が逆方向に回転することを防止することができる。
(7)回転角度検出部は、クランク軸とともに回転する回転部材と、回転部材に設けられる第1の被検出体と、回転部材の回転方向に沿って回転部材に設けられる複数の第2の被検出体と、回転部材の回転時に第1の被検出体を検出可能に設けられる第1の検出器と、回転部材の回転時に複数の第2の被検出体を検出可能に設けられる第2の検出器と、第1の検出器による第1の被検出体の検出および第2の検出器による第2の被検出体の検出に基づいて回転角度を判定する判定部とを含み、第1の被検出部は、ピストンが下死点と上死点との間の中間位置よりも下死点に近い位置にあるときに第1の検出器により検出されるように配置されてもよい。
圧縮行程においてピストンが中間位置から上死点までの範囲にあるときには、燃焼室内の圧力によりクランク軸の回転速度が変化しやすい。一方、吸気行程および膨張行程においてピストンが中間位置から下死点までの範囲にあるときには、クランク軸の回転速度の変化が比較的小さい。上記の構成によれば、クランク軸の回転速度の変化が比較的小さい状態で第1の被検出体が検出される。したがって、第1の被検出体および複数の第2の被検出体の検出に基づく回転角度の検出精度が向上する。
(8)エンジンシステムは、クランク軸の回転状態を検出する回転状態検出部をさらに備え、制御装置は、クランク軸が第2の制御により逆方向に回転する際に、回転状態検出部により検出される回転状態が予め定められた第1の条件を満たしたときに第3の制御を開始してもよい。
この場合、エンジンのフリクションが変動する場合でも、クランク軸の回転状態が予め定められた第1の条件を満たしたときに第3の制御が開始される。したがって、エンジンの状態によらず、クランク軸が適切な回転状態にあるときにクランク軸の正方向の回転を開始させることができる。
(9)制御装置は、第1の制御後に回転状態検出部により検出される回転状態が予め定められた第2の条件を満たしたときに第2の制御を行わずに第3の制御を開始してもよい。第2の条件は、第1の条件と同じでもよく、異なっていてもよい。
このような構成により、エンジンの始動前にクランク軸が排気上死点または膨張行程に対応する回転位置にある場合に、第1の制御後に第2の制御を行うことなく迅速に第3の制御を行うことができる。
(10)制御装置は、エンジンの始動時における混合気の点火前に、始動処理が開始されると、最初に第1の制御を行った後、第2の制御を行い、その後第3の制御を行ってもよい。
この場合、始動処理の最初に他の制御が行われることなく、最初に第1の制御が行われるので、消費電力が抑制される。また、制御動作が複雑化しない。
(11)エンジンシステムは、制御装置をオン状態またはオフ状態にするためにオンまたはオフされるメインスイッチをさらに備え、制御装置は、メインスイッチがオンされ、かつ、エンジンの始動時における混合気の点火前に、始動処理を開始し、始動処理では、最初に第1の制御を行った後、第2の制御を行い、その後第3の制御を行ってもよい。
この場合、メインスイッチがオンされると、最初にクランク軸が正方向に回転されることなく、最初にクランク軸が逆方向に回転される。
(12)エンジンシステムは、運転者によって操作可能なスタータスイッチを備え、制御装置は、メインスイッチがオンされ、かつ、スタータスイッチがオンされ、かつ、エンジンの始動時における混合気の点火前に、第1の制御、第2の制御および第3の制御を行ってもよい。
この場合、スタータスイッチがオンされると、最初にクランク軸が正方向に回転されることなく、最初にクランク軸が逆方向に回転される。
(13)第2の発明に係る鞍乗型車両は、駆動輪およびバッテリを有する本体部と、駆動輪を回転させるための動力を発生する上記のエンジンシステムとを備えるものである。
その鞍乗型車両は、上記のエンジンシステムを備えるので、エンジンのフリクションの変動によらずエンジンを適切に始動させることができる。したがって、エンジンが停止した状態から迅速な走行が可能になる。
本発明によれば、エンジンの状態によらずエンジンを適切に始動させることが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の概略構成を示す模式的側面図である。 エンジンシステムの構成について説明するための模式図である。 ECU、回転電機および複数の角度センサの構成を示す模式図である。 クランク軸に作用する回転負荷を説明するための図である。 エンジンの始動時にクランク軸に作用する回転負荷および回転電機に供給される電流のデューティ比の変化を示すタイムチャートである。 図3の電機制御部によるエンジンの始動処理の一例を示すフローチャートである。 (a)はクランク軸の回転中心線に沿った回転電機の模式的断面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図であり、(c)は(a)のB−B線断面図である。 ロータ本体の内周面の展開図である。 クランク軸が正方向に2回転することにより4つの角度センサから出力される4つの信号の波形図である。 図3の電機制御部によるエンジンの始動処理の他の例を示すフローチャートである。 クランク角が排気上死点またはその近傍にある状態でクランク軸が停止している場合の切替角度を示す図である。 他の実施の形態に係るエンジンシステムのエンジン始動時の動作を説明するためのタイムチャートである。 他の実施の形態に係るエンジンの始動処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態に係るエンジンシステムおよび鞍乗型車両について図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、鞍乗型車両の一例として自動二輪車を説明する。
(1)自動二輪車
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の概略構成を示す模式的側面図である。図1の自動二輪車100においては、車体1の前部にフロントフォーク2が左右方向に揺動可能に設けられる。フロントフォーク2の上端にハンドル4が取り付けられ、フロントフォーク2の下端に前輪3が回転可能に取り付けられる。
車体1の略中央上部にシート5が設けられる。シート5の後部の下方にECU(Engine Control Unit;エンジン制御装置)6およびバッテリ7が配置される。また、車体1の下部にエンジンユニットEUが設けられる。エンジンユニットEUは、エンジン10を含む。本例のエンジン10は、4ストロークの単気筒エンジンである。ECU6およびエンジンユニットEUによりエンジンシステム200が構成される。車体1の後端下部には後輪8が回転可能に取り付けられている。後輪8は、エンジン10により発生される動力により回転する。
(2)エンジンシステム
図2は、エンジンシステム200の構成について説明するための模式図である。図2に示すように、エンジンユニットEUは、エンジン10および回転電機30を含む。エンジン10は、ピストン11、コンロッド(コネクティングロッド)12、クランク軸13、吸気バルブ15、排気バルブ16、バルブ駆動部17、点火プラグ18およびインジェクタ19を備える。
ピストン11はシリンダ20内で往復動可能に設けられ、コンロッド12を介してクランク軸13に接続される。ピストン11の往復運動がクランク軸13の回転運動に変換される。クランク軸13に回転電機30が設けられる。回転電機30は、始動兼発電機として機能する。すなわち、回転電機30は、スタータモータの機能を有する発電機であり、クランク軸13を正方向および逆方向に回転駆動しかつクランク軸13の回転により電力を発生する。正方向は、エンジン10の通常動作時におけるクランク軸13の回転方向であり、逆方向は、その逆の方向である。回転電機30は、減速機を介することなく直接的にクランク軸13にトルクを伝達する。クランク軸13の正方向の回転(正回転)時のトルクが後輪8に伝達されることにより、後輪8が回転する。
シリンダ20内のピストン11上に燃焼室21が形成される。燃焼室21は、吸気口22を介して吸気通路23に連通し、排気口24を介して排気通路25に連通する。吸気口22を開閉するように吸気バルブ15が設けられ、排気口24を開閉するように排気バルブ16が設けられる。吸気バルブ15および排気バルブ16は、バルブ駆動部17により駆動される。吸気通路23には、外部から流入する空気の流量を調整するためのスロットルバルブTVが設けられる。点火プラグ18は、燃焼室21内の混合気に点火するように構成される。インジェクタ19は、吸気通路23に燃料を噴射するように構成される。
ECU6には、メインスイッチ41、スタータスイッチ42、吸気圧力センサ43および複数(本例では4つ)の角度センサAS1,AS2,AS3,AS4が電気的に接続される。角度センサAS1,AS2,AS3,AS4は、例えばホールIC(集積回路)または磁気抵抗素子により構成される。
メインスイッチ41は、例えば図1のハンドル4の下方に設けられ、スタータスイッチ42は、例えば図1のハンドル4に設けられる。メインスイッチ41およびスタータスイッチ42は、運転者により操作される。吸気圧力センサ43は、吸気通路23内の圧力を検出する。角度センサAS1,AS2,AS3,AS4は、回転電機30に設けられる。
後述するように、本例のエンジン10の通常動作時には、クランク軸13が正方向に2回転することにより、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる1サイクルの動作が行われる。クランク軸13の2回転(720°)は、エンジン10の1サイクルに相当する。そのため、クランク軸13の1回転(360°)の範囲におけるクランク軸13の回転位置を判定するのみでは、クランク軸13の2回転(720°)の範囲におけるクランク軸13の絶対的な回転位置を判定することはできない。したがって、エンジン10の1サイクルに対応するクランク角を検出することはできない。
吸気通路23内の圧力は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程でそれぞれ異なる。そこで、1回転(360°)の範囲におけるクランク軸13の回転位置と、吸気通路23内の圧力とに基づいて、2回転(720°)の範囲におけるクランク軸13の回転位置をクランク角として検出することができる。しかしながら、エンジン10の始動時には、クランク軸13の回転速度が低いため、吸気通路23内の圧力を正確に検出することができない。
メインスイッチ41およびスタータスイッチ42の操作が操作信号としてECU6に与えられ、吸気圧力センサ43による検出結果が検出信号としてECU6に与えられる。エンジン10の始動時には、ECU6は、角度センサAS1〜AS4から出力される信号に基づいてクランク軸13の回転角度(回転量)を検出する。本実施の形態では、クランク軸13の回転角度は、後述するように、クランク軸13の1回転(360°)の範囲における基準位置からの回転角度である。エンジン10の始動後には、ECU6は、角度センサAS1〜AS4から出力される信号および吸気圧力センサ43により検出された圧力に基づいてクランク軸13の2回転(720°)の範囲におけるクランク軸13の回転位置をクランク角として検出する。
メインスイッチ41がオンされると、ECU6は、エンジン10の始動後に、操作信号、検出信号および検出された回転角度に基づいて、回転電機30、点火プラグ18およびインジェクタ19を制御する。一方、メインスイッチ41がオフされると、ECU6はオフ状態になる。
(3)ECU、回転電機および複数の角度センサ
図3は、ECU6、回転電機30および複数の角度センサAS1,AS2,AS3,AS4の構成を示す模式図である。図3に示すように、ECU6は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)62、RAM(ランダムアクセスメモリ)63、電機駆動部64、変換部65および平滑コンデンサ66を含む。回転電機30は、U相、V相およびW相のコイルU,V,Wを含む。回転電機30は、三相同期電動機として機能するとともに、三相同期発電機として機能する。
ECU6の変換部65は、スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6を含む。スイッチング素子Q1〜Q6の各々は例えばFET(電界効果トランジスタ)である。スイッチング素子Q1はノードN1とノードN3との間に接続され、スイッチング素子Q2はノードN3とノードN2との間に接続される。スイッチング素子Q3はノードN1とノードN4との間に接続され、スイッチング素子Q4はノードN4とノードN2との間に接続される。スイッチング素子Q5はノードN1とノードN5との間に接続され、スイッチング素子Q6はノードN5とノードN2との間に接続される。ノードN1はバッテリ7のプラス端子に接続され、ノードN2はバッテリ7のマイナス端子に接続される。コイルUの一端はノードN3に接続され、コイルVの一端はノードN4に接続され、コイルWの一端はノードN5に接続される。平滑コンデンサ66はノードN1とノードN2との間に接続される。
ROM62は、CPU61の制御プログラム等を記憶する。RAM63は、種々のデータを記憶するとともにCPU61の作業領域として機能する。CPU61は、ROM62に記憶された制御プログラムを実行することにより、電機制御部611および位置判定部612の機能を実現する。電機制御部611および位置判定部612については後述する。なお、ECU6においては、CPU61、ROM62およびRAM63の代わりに、マイクロコンピュータが用いられてもよい。
位置判定部612には、角度センサAS1,AS2,AS3,AS4からそれぞれ出力される信号HU,HV,HW,CRKが与えられる。また、位置判定部612には、吸気圧力センサ43により検出された圧力が与えられる。位置判定部612は、信号HU,HV,HW,CRKに基づいてクランク軸13の1回転の範囲におけるクランク軸13の回転角度を検出する。また、位置判定部612は、信号HU,HV,HW,CRKおよび検出された圧力に基づいてクランク角を検出する。検出された回転角度およびクランク角は、RAM63に記憶されるとともに電機制御部611に与えられる。クランク角は、クランク軸13が正方向に回転するにつれて大きくなり、クランク軸13が逆方向に回転するにつれて小さくなる。位置判定部612は回転角度およびクランク角の検出を一定の周期で繰り返す。クランク角が検出されるごとにRAM63に記憶される回転角度およびクランク角が更新される。
電機制御部611は、位置判定部612により検出された回転角度またはクランク角に基づいて電機駆動部64を制御する。電機駆動部64は、変換部65のスイッチング素子Q1〜Q6の各々に制御信号を与える。
エンジン10の始動時には、回転電機30が三相同期電動機として機能するようにスイッチング素子Q1〜Q6のオンオフが制御される。この場合、バッテリ7の直流電力が変換部65によって交流電力に変換され、その交流電力により回転電機30が駆動される。
エンジン10の完爆後には、回転電機30が発電機として機能するようにスイッチング素子Q1〜Q6のオンオフが制御される。この場合、回転電機30により発生される交流電力が変換部65によって直流電力に変換され、その直流電力によってバッテリ7が充電される。完爆とは、回転電機30による駆動力を必要とせずに混合気の燃焼のみによってクランク軸13が安定的に駆動される状態にエンジン10が移行することである。
エンジン10の完爆後には、界磁制御により回転電機30の発電電力が制御される。界磁制御とは、スイッチング素子Q1〜Q6の導通期間の位相を各相の誘起電圧の位相を基準として変化させることにより、回転電機30の発電電力を制御することである。具体的には、スイッチング素子Q1,Q2のオンオフの切替タイミング、スイッチング素子Q3,Q4のオンオフの切替タイミングおよびスイッチング素子Q5,Q6の切替タイミングがそれぞれU相、V相およびW相の誘起電圧の位相を基準として進角または遅角される。それにより、回転電機30の発電電力が調整される。
(4)クランク軸に作用する回転負荷
本例のエンジン10の通常動作時には、クランク軸13が正方向に2回転することにより、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる1サイクルの動作が行われる。
以下の説明では、圧縮行程から膨張行程への移行時における上死点を圧縮上死点と呼び、排気行程から吸気行程への移行時における上死点を排気上死点と呼ぶ。また、吸気行程から圧縮行程への移行時における下死点を吸気下死点と呼び、膨張行程から排気行程への移行時における下死点を膨張下死点と呼ぶ。
また、ピストン11が一のサイクルの圧縮上死点に位置するときのクランク角を角度A1と呼び、ピストン11が一のサイクルの膨張下死点に位置するときのクランク角を角度A2と呼ぶ。また、ピストン11が一のサイクルの排気上死点に位置するときのクランク角を角度A3と呼び、ピストン11が次のサイクルの吸気下死点に位置するときのクランク角を角度A4と呼ぶ。さらに、ピストン11が次のサイクルの圧縮上死点に位置するときのクランク角を角度A5と呼ぶ。
図2のバルブ駆動部17は、図示しないカム軸およびロッカーアーム等を含む。クランク軸13の回転に連動してバルブ駆動部17のカム軸が回転し、ロッカーアームが動作することにより、吸気バルブ15および排気バルブ16が1サイクルごとにリフトされる。この場合、吸気バルブ15および排気バルブ16の反力によりクランク軸13に回転負荷が作用する。
図4は、クランク軸13に作用する回転負荷を説明するための図である。図4(a)に吸気バルブ15および排気バルブ16のリフト量とクランク角との関係が示される。図4(a)では、縦軸がバルブリフト量を表し、横軸がクランク角を表す。図4(b)に、混合気の燃焼が停止された状態でクランク軸13に作用する回転負荷とクランク角との関係が示される。図4(b)では、縦軸が回転負荷を表し、横軸がクランク角を表す。
図4(a)に実線で示すように、排気バルブ16は角度A1よりも大きく角度A2よりも小さい角度から角度A3よりもわずかに大きい角度までの領域でリフトされる。排気バルブ16のリフト量は、角度A2と角度A3との間の角度A23で最大となる。一方、図4(a)に一点鎖線で示すように、吸気バルブ15は角度A3よりもわずかに小さい角度から角度A4よりも大きく角度A5よりも小さい角度までの領域でリフトされる。吸気バルブ15のリフト量は、角度A3と角度A4との間の角度A34で最大となる。
上記のように、吸気バルブ15および排気バルブ16は、クランク軸13の回転に連動してリフトされる。図4(b)に示すように、排気バルブ16がリフトされる領域では、排気バルブ16の反力によりクランク軸13に作用する回転負荷が角度A23をピークとして局部的に大きくなる。また、吸気バルブ15がリフトされる領域では、吸気バルブ15の反力によりクランク軸13に作用する回転負荷が角度A34をピークとして局部的に大きくなる。吸気バルブ15および排気バルブ16の反力によりクランク軸13に作用する回転負荷は、本発明の第2の回転負荷に含まれる。
吸気バルブ15および排気バルブ16が閉じられた状態では、ピストン11が上死点に近づくほど図2の燃焼室21内の圧力(以下、筒内圧と呼ぶ。)が高くなる。それにより、吸気バルブ15および排気バルブ16がリフトされない領域では、筒内圧によりクランク軸13に作用する回転負荷が角度A1,A5をピークとして局部的に大きくなる。
筒内圧による回転負荷は、吸気バルブ15および排気バルブ16の反力による回転負荷に比べて大きく、本発明の第1の負荷に相当する。本実施の形態では、エンジン10の1サイクルのうち吸気バルブ15および排気バルブ16がリフトされない領域が高負荷領域に相当し、吸気バルブ15および排気バルブ16の少なくとも一方がリフトされる領域が低負荷領域に相当する。
(5)エンジンの始動時の動作
エンジン10が停止すると、混合気の燃焼が停止された状態でクランク軸13が正方向に回転するので、クランク軸13は図4(b)の角度A45で停止しやすい。この場合、エンジン10の始動時にクランク軸13を正方向に回転させようとすると、クランク角が角度A45から角度A5を超えるために大きな正方向のトルクが必要になる。
そこで、本実施の形態では、図2のメインスイッチ41がオンされかつスタータスイッチ42がオンされると、バッテリ7から回転電機30に電流が供給されることによりクランク軸13が逆方向に回転する。この場合、メインスイッチ41がオンされた後でクランク軸13が逆方向に回転される前にクランク軸13は正方向に回転されない。それにより、図4(b)に太い実線の矢印で示すように、クランク角が角度A45から角度A12まで小さくなる。その後、図4(b)に太い一点鎖線の矢印で示すように、クランク軸13が正方向に回転する。それにより、クランク角が角度A5を超え、エンジン10の完爆が発生する。
上記のように、回転電機30が三相同期電動機として機能する場合、図3のスイッチング素子Q1〜Q6のオンオフが制御されることにより、交流電力の1周期当たりにバッテリ7から図2のコイルU,V,Wにそれぞれ電流が供給される期間の割合(以下、デューティ比と呼ぶ。)が調整される。
回転電機30により発生されるトルクは、回転電機30に供給される電流のデューティ比が高いほど大きく、回転電機30に供給される電流のデューティ比が低いほど小さい。クランク軸13を図4(b)の角度A45から逆方向に回転させる場合にデューティ比が低いと、吸気バルブ15および排気バルブ16の反力によりクランク軸13が停止する可能性がある。この場合、クランク角を角度A12まで小さくすることができない。
そこで、本実施の形態では、クランク軸13を逆方向に回転させる場合に、吸気バルブ15および排気バルブ16の反力による回転負荷に抗してクランク軸13が逆方向に回転するようにデューティ比が設定される。このとき設定されるデューティ比を第1のデューティ比と呼ぶ。第1のデューティ比は、例えば50%以上100%以下に設定され、70%以上100%以下に設定されることが好ましい。第1のデューティ比は、予め図3のROM62に記憶されている。
一方、クランク軸13を図4(b)の角度A23から逆方向に回転させる場合にデューティ比が高いと、筒内圧による回転負荷に抗してクランク軸13が逆方向に回転し、クランク角が角度A1を下回る可能性がある。そのため、クランク軸13を正方向に回転させても角度A1を超えることができなくなる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、図3の位置判定部612により検出される回転角度が予め定められた切替角度SWになったときに、筒内圧による回転負荷によりクランク軸13の逆方向の回転が停止するようにデューティ比が切り替えられる。なお、基準位置は、例えば、角度A2付近および角度A4付近に設定される。
このとき設定されるデューティ比を第2のデューティ比と呼ぶ。第2のデューティ比は、第1のデューティ比よりも低い。第2のデューティ比は、例えば0%以上でかつ50%よりも低く設定され、0%以上20%以下に設定されることが好ましく、0%に設定されることがより好ましい。第2のデューティ比がより低く設定されることにより、回転電機30に供給される電流が低減される。したがって、消費電力が低減される。切替角度SWおよび第2のデューティ比は、予め図3のROM62に記憶されている。
クランク軸13が逆方向に回転されることによりクランク角が角度A45から角度A34に近づく際には、吸気バルブ15の反力がクランク軸13を正方向に回転させようとする。クランク角が角度A34から角度A3に近づく際には、吸気バルブ15の反力がクランク軸13を逆方向に回転させようとする。また、クランク角が角度A3から角度A23に近づく際には、排気バルブ16の反力がクランク軸13を正方向に回転させようとする。クランク角が角度A23から角度A2と角度A12との間の角度に近づく際には、吸気バルブ15の反力がクランク軸13を逆方向に回転させようとする。さらに、クランク角が角度A2と角度A12との間の角度から角度A1に近づく際には、筒内圧がクランク軸13を正方向に回転させようとする。
上記のように、エンジン10が停止すると、クランク軸13は角度A45で停止しやすい。そのため、角度A23と角度A1との間のクランク角でクランク軸13の逆方向の回転が停止するように、切替角度SWは、例えば基準位置から角度A23以下でかつ角度A1よりも大きい角度ASWまでの回転角度に設定される。例えば、基準位置が角度A4にある場合には、切替角度SWは、角度A4と角度ASWとの差分に設定される。
上記のように、クランク角が角度A23から角度A2と角度A12との間の角度に近づく際には、吸気バルブ15の反力がクランク軸13を逆方向に回転させようとする。そのため、クランク角が角度A23を下回ると、クランク軸13を逆方向に回転させるための逆方向のトルクが不要となる。この場合、第2のデューティ比を低く設定することができるので、消費電力が低減される。例えば、基準位置が角度A4にある場合には、切替角度は、角度A4の基準位置から角度A23までの回転角度に設定されることが好ましい。それにより、消費電力がより低減される。
本実施の形態においては、図3の電機制御部611は、クランク軸13が逆方向に回転される場合に、位置判定部612により検出される回転角度に基づいてクランク軸13の回転状態として回転速度を検出する。また、電機制御部611は、検出された回転速度が予め定められた条件(以下、第1の回転条件と呼ぶ。)を満たす場合に、クランク軸13が正方向に回転するように図3の電機駆動部64を制御する。この場合、第1の回転条件は、クランク軸13の回転速度が0または予め定められたしきい値以下であることである。したがって、電機制御部611は、クランク軸13の逆方向の回転速度が0または予め定められたしきい値以下になった場合に、クランク軸13の正方向の回転を開始させる。第1の回転条件は、予め図3のROM62に記憶されている。
クランク軸13を正方向に回転させる場合に回転電機30に供給される電流のデューティ比を第3のデューティ比と呼ぶ。第3のデューティ比は、第2のデューティ比よりも高い値に設定される。第3のデューティ比は、第1のデューティ比と等しいかまたは第1のデューティ比よりも高い値に設定されることが好ましい。第3のデューティ比は、予め図3のROM62に記憶されている。
図5は、エンジン10の始動時にクランク軸13に作用する回転負荷および回転電機30に供給される電流のデューティ比の変化を示すタイムチャートである。初期状態においては、エンジン10が停止状態にある。また、クランク軸13のクランク角は、図4(b)の角度A45にある。
時点t1で図2のスタータスイッチ42がオンされる。それにより、回転電機30に第1のデューティ比D1で電流が供給され、クランク軸13が逆方向に回転する。それにより、クランク軸13には、吸気バルブ15および排気バルブ16の反力による回転負荷が作用する。
続いて、時点t2で回転角度が上記の切替角度になると、回転電機30に供給される電流のデューティ比が第1のデューティ比D1から第2のデューティ比D2に切り替えられる。それにより、回転電機30からクランク軸13に与えられる逆方向のトルクが小さくなる。
続いて、時点t3で、筒内圧による回転負荷によりクランク軸13の回転が停止すると、回転電機30に供給される電流のデューティ比が第2のデューティ比D2から第3のデューティ比D3に切り替えられる。また、回転電機30に供給される電流の向きが切り替えられる。それにより、クランク軸13が正方向に回転する。本例では、第3のデューティ比D3は、第1のデューティ比D1よりも高く設定されている。時点t3においては、クランク軸13のクランク角は図4(b)の角度A12にある。
その後、クランク軸13のクランク角は、時点t4で図4(b)の角度A5を超える。クランク角が角度A5であるときまたは角度A5を含む一定の角度範囲にあるときに混合気の点火が行われる。それにより、エンジン10の完爆が発生する。
(6)エンジンの始動処理の一例
図6は、図3の電機制御部611によるエンジン10の始動処理を示すフローチャートである。本始動処理は、図2のメインスイッチ41がオンされかつスタータスイッチ42がオンされることにより、図3のROM62に記憶された制御プログラムに基づいて実行される。図6の始動処理の例では、エンジン10の始動前にクランク角が図4(b)の角度A45にある状態でクランク軸13が停止していると仮定される。
始動処理が開始されると、電機制御部611は、回転電機30に第1のデューティ比で電流が供給されることによりクランク軸13が逆方向に回転するように、電機駆動部64を制御する(ステップS11)。始動処理では、電機制御部611は、最初にクランク軸13が正方向に回転することなく最初に逆方向に回転するように電機制御部611を制御する。メインスイッチ41のオンからクランク軸13の逆方向の回転までにクランク軸13は正方向には回転されない。
次に、電機制御部611は、位置判定部612により検出される回転角度が切替角度になったか否かを判定する(ステップS12)。回転角度が切替角度になると、電機制御部611は、回転電機30に第2のデューティ比で電流が供給されることによりクランク軸13が逆方向に回転するように、電機駆動部64を制御する(ステップS13)。すなわち、電機制御部611は、回転電機30に供給される電流のデューティ比を第1のデューティ比から第2のデューティ比に切り替える。
その後、電機制御部611は、位置判定部612により検出される回転角度に基づいてクランク軸13の回転状態を検出し(ステップS14)、検出された回転状態が予め定められた第1の回転条件を満たすか否かを判定する(ステップS15)。検出された回転状態が予め定められた第1の回転条件を満たさない場合、電機制御部611はステップS14の処理に戻る。
検出された回転状態が予め定められた第1の回転条件を満たす場合、電機制御部611は、回転電機30に第3のデューティ比で電流が供給されることによりクランク軸13が正方向に回転するように、電機駆動部64を制御する(ステップS16)。これにより、始動処理が終了し、混合気の点火が実行される。
(7)回転電機および複数の角度センサの詳細
図7(a)はクランク軸13の回転中心線に沿った回転電機30の模式的断面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A線断面図であり、図7(c)は図7(a)のB−B線断面図である。
図7(a)〜(c)に示すように、回転電機30は、ステータ31およびロータ32を含む。ステータ31は図示しないクランクケースに固定される。また、ステータ31は、複数(本例では18本)の歯部31aを有する。複数の歯部31aにそれぞれ巻線が設けられ、複数のコイル30cが形成される。図7(b),(c)では巻線の図示を省略する。本例では、18個のコイル30cのうち6つのコイル30cが図3のU相のコイルUとして用いられ、他の6つのコイル30cが図3のV相のコイルVとして用いられ、残りの6つのコイル30cが図3のW相のコイルWとして用いられる。複数のコイル30cは、クランク軸13の回転中心線を中心とする円に沿って並ぶように配置される。
ロータ32は、ロータ本体32a、複数(本例では11個)の第1磁極32bおよび1つの第2磁極32cを含み、ステータ31に対して相対的に回転可能に構成される。ロータ本体32aは、底部を有する円筒状に形成される。ロータ本体32aの底部は、クランク軸13に固定される。それにより、ロータ32はクランク軸13とともに回転する。
複数の第1磁極32bおよび1つの第2磁極32cは、クランク軸13に平行に一定の長さで延びるようにかつロータ本体32aの内周面に周方向に沿って並ぶように配置される。
図8は、ロータ本体32aの内周面の展開図である。図8では、ロータ本体32aの底部がハッチングで示される。図7(b),(c)および図8に示すように、複数の第1磁極32bは、永久磁石により構成される。複数の第1磁極32bは、N極とS極とが交互に並ぶようにロータ本体32aに取り付けられる。一方、第2磁極32cは、第1の部分32sおよび第2の部分32nを有する。第1の部分32sはS極に着磁され、第2の部分32nはN極に着磁されている。第1の部分32sおよび第2の部分32nは、2つのN極の第1磁極32bの間においてこの順でロータ本体32aの底部から軸方向に並ぶようにロータ本体32aに取り付けられる。
図7(b),(c)に示すように、ステータ31の複数の歯部31aの先端部の間にはクランク軸13の回転中心線を中心とする円に沿って複数の隙間が形成される。複数の隙間のうち4つの隙間にそれぞれ角度センサAS1,AS2,AS3,AS4が設けられる。角度センサAS1,AS2,AS3は、クランク軸13の回転中心線に直交する同一の面内に配置される。クランク軸13の回転中心線と平行な方向において、角度センサAS4は角度センサAS1,AS2,AS3とは異なる位置に設けられる。
角度センサAS1,AS2,AS3は、図8に一点鎖線で示すように、ロータ32が回転する際に第2磁極32cの第1の部分32sが移動する軌道上の固定位置にそれぞれ検出領域AR1,AR2,AR3を有する。一方、角度センサAS4は、ロータ32が回転する際に第2磁極32cの第2の部分32nが移動する軌道上の固定位置に検出領域AR4を有する。
ロータ32が回転することにより検出領域AR1,AR2,AR3,AR4を通る磁束の向きが切り替わる。角度センサAS1,AS2,AS3,AS4は、対応する検出領域AR1,AR2,AR3,AR4を通る磁束の向きの切り替わりを示す信号を信号HU,HV,HW,CRKとして出力する(図3参照)。
図9は、クランク軸13が正方向に2回転することにより4つの角度センサAS1,AS2,AS3,AS4から出力される4つの信号HU,HV,HW,CRKの波形図である。図9では2つの横軸が示される。2つの横軸のうち上側の横軸はクランク軸13の回転位置を表す。一方、下側の横軸は上側の横軸に示される回転位置に対応するクランク角の一例を表す。
各角度センサAS1〜AS4は、N極が検出領域AR1〜AR4を通過する際にハイレベルの信号を出力し、S極が検出領域AR1〜AR4を通過する際にローレベルの信号を出力する。
上記のように、検出領域AR1,AR2,AR3は、第1の部分32sが移動する軌道上に位置する。この場合、クランク軸13が一定速度で回転すると、検出領域AR1,AR2,AR3を通る磁束の向きは一定の周期で切り替わる。それにより、図9に示すように、信号HU,HV,HWは一定の周期でハイレベルとローレベルとに切り替わる。信号HU,HV,HWの位相は、互いに一定角度ずれている。
一方、検出領域AR4は、第2の部分32nが移動する軌道上に位置する。そのため、第2の部分32nが検出領域AR4を通る際には、図9に白抜きの矢印で示すように、信号CRKがハイレベルに維持される範囲が大きくなる。それにより、信号CRKがハイレベルに維持される範囲に基づいて第2磁極32cの検出領域AR4の通過を検出することができる。以下、第2磁極32cが検出領域AR4を通過するときのクランク軸13の回転位置を基準位置と呼ぶ。
位置判定部612は、角度センサAS4から出力される信号CRKに基づいてクランク軸13が基準位置にあるか否かを判定する。クランク軸13の回転位置が基準位置になった後、位置判定部612は、信号HU,HV,HWの立上りおよび立下りを計数することにより、クランク軸13の回転角度を判定する。この場合、位置判定部612は、信号HU,HV,HWの立上りおよび立下りの回数を計数することによりクランク軸13の回転角度を判定する。なお、位置判定部612は、信号HU,HV,HWの立上りを計数することによりクランク軸13の回転角度を判定してもよい。また、位置判定部612は、信号HU,HV,HWの立下りを計数することによりクランク軸13の回転角度を判定してもよい。
上記のように、クランク軸13の2回転は、エンジン10の1サイクルに相当する。そのため、クランク軸13の1回転(360°)の範囲におけるクランク軸13の回転位置を判定するのみでは、エンジン10の1サイクルに対応するクランク角を検出することはできない。図2の吸気通路23内の圧力は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程でそれぞれ異なる。そこで、位置判定部612は、上記のエンジン10の始動後は、1回転(360°)の範囲における基準位置からのクランク軸13の回転角度と、図2の吸気圧力センサ43により検出された圧力とに基づいて、2回転(720°)の範囲におけるクランク軸13の回転位置をクランク角として検出する。
(8)第2磁極の好ましい配置例
以下の説明では、図2のピストン11の上死点と下死点との中間点を中間位置と呼ぶ。図4(b)に示されるように、角度A1,A5を含む一定領域では、ピストン11が上死点またはその近傍に位置し、筒内圧による回転負荷がクランク軸13に作用する。そのため、ピストン11が中間位置よりも上死点に近い位置にあるときは、筒内圧によりクランク軸13の回転速度が変化しやすい。一方、ピストン11が中間位置よりも下死点に近い位置にあるときには、クランク軸13に作用する回転負荷が比較的小さい。したがって、クランク軸13の回転速度の変化が比較的小さい。
そこで、本実施の形態では、図7(b),(c)および図8の第2磁極32cは、図9の下側の横軸に示されるように、ピストン11が中間位置よりも下死点に近い位置にあるときに角度センサAS4により検出されるように配置される。それにより、クランク軸13の回転速度の変化が比較的小さい状態で第2磁極32cが安定して検出される。したがって、複数の第1磁極32bおよび第2磁極32cの検出に基づく回転角度の検出精度が向上する。
なお、回転角度が切替角度になったか否かの判定は、信号HU,HV,HWの全ての信号の立上りおよび立下りを計数することによって行われてもよいし、信号HU,HV,HWのうちの2つの信号の立上りおよび立下りを計数することによって行われてもよい。また、信号HU,HV,HWのうちの1つの信号の立上りおよび立下りを計数することによって行われてもよい。
(9)エンジンの始動処理の他の例
図10は、図3の電機制御部611によるエンジン10の始動処理の他の例を示すフローチャートである。図11は、クランク角が排気上死点またはその近傍にある状態でクランク軸が停止している場合の切替角度を示す図である。図11では、縦軸が回転負荷を表し、横軸がクランク角を表す。図12の始動処理の例は、エンジン10の始動前にクランク軸13の停止位置が不明である場合に適用される。本例においても、図9の基準位置がクランク角A2およびクランク角A4にある。図11の例が図6の例と異なるのは、ステップS31,S32が追加された点である。
始動処理が開始されると、電機制御部611は、回転電機30に第1のデューティ比で電流が供給されることによりクランク軸13が逆方向に回転するように、電機駆動部64を制御する(ステップS11)。始動処理では、電機制御部611は、最初にクランク軸13が正方向に回転することなく最初に逆方向に回転するように電機制御部611を制御する。
その後、電機制御部611は、クランク軸13の回転状態を検出し(ステップS31)、検出された回転状態が予め定められた条件(以下、第2の回転条件と呼ぶ。)を満たすか否かを判定する(ステップS32)。ここで、回転状態は、例えば、クランク軸13の回転速度である。この場合、第2の回転条件は、クランク軸13の逆方向の回転速度が0または予め定められたしきい値以下であることである。したがって、電機制御部611は、クランク軸13の逆方向の回転速度が0または予め定められたしきい値以下になった場合に、回転状態が予め定められた第2の回転条件を満たすと判定する。なお、クランク軸13の回転速度は、位置判定部612が信号HU,HV,HWの立上りまたは立下りに基づいて検出することができる。第2の回転条件は、第1の回転条件と同じでもよく、異なっていてもよい。
例えば、エンジン10の始動前にクランク角が図11の角度A3にある状態でクランク軸13が停止していると、位置判定部612は角度A2の基準位置からの回転角度を検出する。それにより、切替角度SWは角度A2の基準位置に基づいて設定される。この場合、角度A1での筒内圧による回転負荷によりクランク軸13の逆方向の回転が停止する。したがって、位置判定部612により検出される回転角度が切替角度SWに達しない。
電機制御部611は、検出された回転状態が予め定められた第2の回転条件を満たさない場合にはステップS12の処理に進み、位置判定部612により検出される回転角度が切替角度になったか否かを判定する(ステップS12)。回転角度が切替角度になった場合の動作は、図6のステップS13〜S16の動作と同様である。ステップS12で回転角度が切替角度にならない場合には、電機制御部611はステップS31の処理に戻る。
ステップS32において、検出された回転状態が予め定められた第2の回転条件を満たす場合には、電機制御部611は、ステップS16の処理に進み、回転電機30に第3のデューティ比で電流が供給されることによりクランク軸13が正方向に回転するように、電機駆動部64を制御する。
エンジン10の始動前にクランク角が図11の角度A2よりも角度A12に近い角度にある状態でクランク軸13が停止していると、位置判定部612は角度A2の基準位置を検出することができない。したがって、切替角度は設定されない。また、角度A1での筒内圧による回転負荷によりクランク軸13の逆方向の回転が停止する。この場合にも、検出された回転状態が予め定められた第2の回転条件を満たす場合には、電機制御部611は、ステップS16の処理に進み、回転電機30に第3のデューティ比で電流が供給されることによりクランク軸13が正方向に回転するように、電機駆動部64を制御する。
(10)効果
上記のエンジンシステム200においては、エンジン10の始動時における混合気の点火前に、クランク軸13が逆方向に回転するように第1のデューティ比で回転電機30に電流が供給される。位置判定部612により検出される回転角度が切替角度になると、回転電機30に供給される電流のデューティ比が第1のデューティ比から第2のデューティ比に切り替えられる。それにより、回転電機30からクランク軸13に与えられる逆方向のトルクが減少する。その結果、筒内圧による回転負荷によりクランク軸13の逆方向への回転が停止される。その後、クランク軸13の回転状態が予め定められた第1の回転条件を満たすことにより、クランク軸13が正方向に回転する。それにより、クランク角が最初の圧縮上死点に対応する角度A5を超える。
上記の構成により、クランク軸13の逆方向の回転時に、エンジン10のフリクションが変動する場合でも、回転角度が一定の切替角度になったときに回転電機30に供給される電流のデューティ比が低下される。それにより、エンジン10のフリクションの変動によらず、筒内圧による回転負荷によりクランク軸13の逆方向への回転が停止される。したがって、エンジン10の状態によらずエンジン10を適切に始動させることができる。
また、クランク軸13の1回転(360°)の範囲内の基準位置に基づいてクランク軸13の回転角度が検出され、回転角度が切替角度になったか否かが判定される。そのため、エンジン10の1サイクル(720°)におけるクランク軸13の絶対的な回転位置(クランク角)を検出する必要がなく、クランク軸13の絶対的な回転位置を検出するために追加的な動作が不要である。例えば、クランク軸13を逆方向に回転させる前に、クランク軸13を正方向に回転させる動作が不要である。したがって、エンジン10の始動時の消費電流が抑制される。
(11)他の実施の形態
(11−1)上記の実施の形態では、クランク軸13が逆方向に回転された後回転角度が切替角度になったときに、デューティ比が第1のデューティ比D1から第2のデューティ比D2に切り替えられる。それにより、回転電機30からクランク軸13に与えられる逆方向のトルクが小さくなることによりクランク軸13の逆方向の回転速度が低下する。本発明は上記の実施の形態に限られない。
例えば、クランク軸13が逆方向に回転された後回転角度が切替角度になったときに、回転電機30からクランク軸13に正方向のトルクが与えられてもよい。図12は、他の実施の形態に係るエンジンシステムのエンジン始動時の動作を説明するためのタイムチャートである。本例においても、図5の例と同様に、初期状態においては、エンジン10が停止状態にある。また、クランク軸13のクランク角は、図4(b)の角度A45にある。
時点t1で、回転電機30からクランク軸13に逆方向のトルクが与えられるように、回転電機30に第1のデューティ比D1で電流が供給される。それにより、クランク軸13が逆方向に回転する。
時点t2で回転角度が切替角度になると、回転電機30からクランク軸13に正方向のトルクが与えられるように、回転電機30に電流が供給される。それにより、クランク軸13の逆方向の回転速度が低下する。このとき、回転電機30に供給される電流のデューティ比は、第1のデューティ比D1よりも高い第4のデューティ比D4に設定される。
続いて、時点t23で回転角度が切替角度から予め定められた一定角度逆方向に回転すると、回転電機30に供給される電流のデューティ比が0%に設定される。すなわち、回転電機30への電流供給が停止される。それにより、回転電機30からクランク軸13に与えられるトルクは0となる。このとき設定されるデューティ比0%を第5のデューティ比D5と呼ぶ。上記の一定角度は、図4(b)の角度A23と角度A12との差分よりも小さくなるように設定される。
その後、図5の例と同様に、時点t3で、筒内圧による回転負荷によりクランク軸13の逆方向の回転が停止すると、回転電機30に供給される電流のデューティ比が第5のデューティ比D5から第3のデューティ比D3に切り替えられる。それにより、クランク軸13に正方向のトルクが与えられ、クランク軸13が正方向に回転する。本例では、第3のデューティ比D3は、第1、第4および第5のデューティ比D1,D4,D5よりも高く設定されている。
第4のデューティ比D4および一定角度は、筒内圧による回転負荷によりクランク軸13の逆方向への回転が停止されるように設定される。第4のデューティ比D4は、第1のデューティ比D1よりも低く設定されてもよい。
また、図12のタイムチャートにおいて、時点t2から時点t3にかけて回転電機30に供給される電流のデューティ比は第4のデューティ比D4で保持されてもよい。
図12の例では、時点t2から時点t23にかけて、クランク軸13に正方向のトルクを与えるために回転電機30に電流が供給される。これに限らず、逆方向に回転するクランク軸13に正方向のトルクを与える場合には、回転電機30を短絡させる制御(いわゆるショートブレーキ制御)が行われてもよい。
例えば、時点t2においてクランク軸13が逆方向に回転している状態で、図3のスイッチング素子Q1,Q3,Q5をオフし、図3のスイッチング素子Q2,Q4,Q6をオンする。この場合、回転電機30の巻線が短絡し、クランク軸13の回転エネルギーが熱エネルギーに変換されることにより回転電機30に制動力が発生する。発生された制動力が正方向のトルクとしてクランク軸13に与えられる。
図13は、他の実施の形態に係るエンジンの始動処理を示すフローチャートである。図13のフローチャートは、図12に示されるタイムチャートの動作に対応し、図3の電機制御部611により実行される。
始動処理が開始されると、電機制御部611は、図6のステップS11と同様に、クランク軸13が逆方向に回転するように、図3の電機駆動部64を制御する(ステップS21)。
次に、電機制御部611は、位置判定部612により検出される回転角度が切替角度になったか否かを判定する(ステップS22)。回転角度が切替角度になると、電機制御部611は、回転電機30からクランク軸13に正方向のトルクが与えられるように電機駆動部64を制御し(ステップS23)、クランク軸13の逆方向の回転速度を低下させる。
その後、電機制御部611は、クランク軸13がさらに一定角度逆方向に回転したか否かを判定する(ステップS24)。電機制御部611は、クランク軸13がさらに一定角度逆方向に回転した場合に、回転電機30への電流供給が停止されるように電機駆動部64を制御する(ステップS25)。
続いて、電機制御部611は、図6のステップS14,S15,S16と同様にステップS26,S27,S28の処理を実行する。これにより、始動処理が終了し、混合気の点火が実行される。なお、上記のように、図12の時点t2から時点t3にかけて回転電機30に供給される電流のデューティ比が第4のデューティ比D4で保持される場合、ステップS25の処理は行われなくてもよい。
(11−2)上記の実施の形態では、メインスイッチ41がオンされかつスタータスイッチ42がオンされることにより電機制御部611によるエンジン10の始動処理が実行されるが、エンジン10の始動処理が実行されるタイミングは上記の例に限定されない。メインスイッチ41がオンされることにより、始動処理が実行されてもよい。この場合、電機制御部611は、メインスイッチ41がオンされると、クランク軸13を正方向に回転させることなくクランク軸13を逆方向に回転させる。
本発明に係るエンジンシステム200においては、予め定められたアイドルストップ条件が満たされることにより、エンジン10が自動的に停止され、その後に予め定められたアイドルストップ解除条件が満たされることによりエンジン10が自動的に再始動されてもよい。アイドルストップ条件は、例えば、スロットル開度(スロットルバルブTVの開度)、車速およびクランク軸13の回転速度のうち少なくとも1つに関する条件を含む。アイドルストップ解除条件は、例えば、アクセルグリップが操作されてスロットル開度が0より大きくなることである。
この場合、アイドルストップ解除条件が満たされることによるエンジン10の再始動時に、図6のエンジン10の始動処理が実行されてもよい。それにより、アイドルストップ解除後のエンジン10が適切に始動される。
(11−3)上記の実施の形態では、クランク軸13が逆方向に回転されている際に、クランク軸13の回転状態として回転速度が検出されるとともに第1の回転条件が満たされたか否かが判定されるが、本発明はこれに限定されない。
クランク軸13の回転状態として回転速度に代えてクランク軸13に作用するトルクが検出されてもよい。この場合、第1または第2の回転条件は、例えば検出されるトルクの値が予め定められた範囲内にあることである。それにより、電機制御部611は、検出されるトルクの値が予め定められた範囲内になった場合に、クランク軸13の正方向の回転を開始させる。
(11−4)上記の実施の形態では、エンジン10の始動処理が開始されると、位置判定部612により回転角度が検出され、検出された回転角度が切替角度になったか否かが判定される。
ここで、エンジン10の始動処理が開始される際にクランク角が図4(b)の角度A12にある場合には、回転電機30に第1のデューティ比で電流を供給しても、クランク軸13が逆方向に回転しない可能性がある。クランク軸13が回転しない場合には、図8の第2磁極32cが検出されないので回転角度も検出されない。そこで、電機制御部611は、図6のステップS11の処理を実行した後、一定期間回転角度が検出されない場合にクランク軸13の回転状態が停止状態にあるとしてステップS16の処理を実行してもよい。それにより、クランク軸13の停止状態によらず、エンジン10を適切に始動させることができる。
(11−5)上記の実施の形態では、エンジン10の始動後に、吸気圧力センサ43により検出された圧力に基づいて、クランク軸13の2回転の範囲における回転位置がクランク角として検出されるが、本発明はこれに限定されない。上記のように、エンジン10の停止時には、クランク角が図4(b)の角度A45にある状態でクランク軸13が停止しやすい。そこで、エンジン10の始動開始処理の開始時のクランク角が角度A45またはその近傍にあるものと仮定することにより、最初に第2磁極32cが検出されるときの回転が1サイクルに相当するクランク軸13の2回転のうちいずれの回転に対応するかを予め定めておいてもよい。この場合、吸気圧力センサ43が不要となる。
(11−6)上記の実施の形態では、位置判定部612はクランク軸13の1回転(360°)の範囲内の基準位置からのクランク軸13の回転角度が切替角度になったか否かを判定するが、本発明はこれに限定されない。上記のように、エンジン10が停止すると、クランク軸13は角度A45付近で停止しやすい。そこで、位置判定部612は始動処理が開始されると、クランク軸13の逆方向への回転の開始位置からのクランク軸13の回転角度(回転量)が切替角度SW1(予め定められた一定回転量)になったか否かを判定してもよい。例えば、エンジン10の停止時にクランク軸13が角度A45付近で停止しやすい場合、図4(b)に点線の矢印で示すように、切替角度SW1は、角度A45と角度ASWとの差分に設定される。切替角度SW1は、エンジン10の停止時のクランク軸13の停止位置のずれを考慮して実験的に決定される。
本例の始動処理の例が図6、図10または図13の始動処理の例と異なるのは、位置判定部612が停止しているクランク軸13の停止位置からの回転角度を検出する点、および電機制御部611はステップS12,S22において位置判定部612により検出された回転角度が切替角度SW1になったか否かを判定する点である。
本例では、始動処理が開始されると、回転電機30に第1のデューティ比で電流が供給されることによりクランク軸13が逆方向に切替角度SW1回転した後、回転電機30に第2のデューティ比で電流が供給されることによりクランク軸13がさらに逆方向に回転する。その後、クランク軸13の回転状態が第1の回転条件を満たした場合に、回転電機30に第3のデューティ比で電流が供給されることによりクランク軸13が正方向に回転する。
クランク軸13の停止位置のずれが大きい場合には、始動処理が失敗する可能性がある。その場合には、始動処理を繰り返すことにより始動処理を成功させることができる。
(11−7)上記の(11−6)の始動処理の例において、エンジン10の停止時にクランク軸13に電気的にブレーキをかけることにより、クランク軸13を所定位置(例えば、角度A45付近)で停止させてもよい。これにより、エンジン10の始動性が向上する。
(11−8)上記の実施の形態は、本発明を自動二輪車に適用した例であるが、これに限らず、自動三輪車もしくはATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)等の他の鞍乗型車両に本発明を適用してもよい。
(12)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、バッテリ7がバッテリの例であり、自動二輪車100が車両および鞍乗型車両の例であり、エンジンシステム200がエンジンシステムの例であり、1サイクルのうち吸気バルブ15および排気バルブ16がリフトされない領域が高負荷領域の例であり、1サイクルのうち吸気バルブ15および排気バルブ16の少なくとも一方がリフトされる領域が低負荷領域の例である。
また、クランク軸13がクランク軸の例であり、筒内圧による回転負荷が第1の回転負荷の例であり、吸気バルブ15および排気バルブ16の反力による回転負荷が第2の回転負荷の例であり、エンジン10がエンジンの例である。
また、回転電機30が回転電機の例であり、角度センサAS1〜AS4、ロータ本体32a、複数の第1磁極32b、第2磁極32cおよび位置判定部612が回転角度検出部の例であり、ECU6が制御装置の例であり、図6のステップS11および図13のステップS21の処理が第1の制御の例であり、図6のステップS13および図13のステップS23の処理が第2の制御の例であり、図6のステップS16および図13のステップS28の処理が第3の制御の例である。
また、排気バルブ16が排気バルブの例であり、ロータ本体32aが回転部材の例であり、第2磁極32cが第1の被検出体の例であり、複数の第1磁極32bが第2の被検出体の例であり、角度センサAS4が第1の検出器の例であり、角度センサAS1,AS2,AS3が第2の検出器の例である。
さらに、位置判定部612が判定部の例であり、電機制御部611が回転状態検出部の例であり、後輪8が駆動輪の例であり、車体1が本体部の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
(13)参考形態
参考形態に係るエンジンシステムは、バッテリを備えた車両に搭載されるエンジンシステムであって、燃焼停止状態での4ストロークの間に高負荷領域と低負荷領域とを有し、高負荷領域においてクランク軸に作用する第1の回転負荷は、低負荷領域においてクランク軸に作用する第2の回転負荷よりも大きい4ストロークのエンジンと、バッテリから電流の供給を受けてクランク軸を回転させることができ、かつクランク軸の回転に伴う発電によりバッテリを充電することができるように構成された回転電機と、クランク角を検出するクランク角検出部と、バッテリから回転電機に電流を供給することによりクランク軸が正方向または逆方向に回転するように回転電機を制御する制御装置とを備え、制御装置は、エンジンの始動時における混合気の点火前に、低負荷領域において第2の回転負荷に抗してクランク軸が逆方向に回転するように回転電機に電流を供給する第1の制御を行った後、高負荷領域における第1の回転負荷によりクランク軸の逆方向の回転が停止するようにクランク角検出部により検出されたクランク角が予め定められた切替角度になったときに回転電機からクランク軸に与えられるトルクを調整する第2の制御を行い、その後クランク軸が正方向に回転するように回転電機に電流を供給する第3の制御を行うものである。
そのエンジンシステムにおいては、4ストロークのエンジンの始動時における混合気の点火前に、クランク軸が逆方向に回転するように第1の制御により回転電機に電流が供給される。クランク角検出部により検出されるクランク角が切替角度になると、第2の制御により回転電機からクランク軸に与えられるトルクが調整される。それにより、高負荷領域における第1の回転負荷によりクランク軸の逆方向への回転が停止される。その後、第3の制御によりクランク軸が正方向に回転する。それにより、クランク角が最初の圧縮上死点に対応する角度を超える。
上記の構成により、クランク軸の逆方向の回転時に、エンジンのフリクションが変動する場合でも、クランク角が一定の切替角度になったときに回転電機にからクランク軸に与えられるトルクが調整される。それにより、エンジンのフリクションの変動によらず、高負荷領域における第1の回転負荷によりクランク軸の逆方向への回転が停止される。したがって、エンジンの状態によらずエンジンを適切に始動させることができる。
本発明は、種々のエンジンシステムおよび鞍乗型車両に有効に利用することができる。
1 車体
2 フロントフォーク
3 前輪
4 ハンドル
5 シート
6 ECU
7 バッテリ
8 後輪
10 エンジン
11 ピストン
12 コンロッド
13 クランク軸
15 吸気バルブ
16 排気バルブ
17 バルブ駆動部
18 点火プラグ
19 インジェクタ
20 シリンダ
21 燃焼室
22 吸気口
23 吸気通路
24 排気口
25 排気通路
30 回転電機
30c,U,V,W コイル
31 ステータ
31a 歯部
32 ロータ
32a ロータ本体
32b 第1磁極
32c 第2磁極
32n 第2の部分
32s 第1の部分
41 メインスイッチ
42 スタータスイッチ
43 吸気圧力センサ
61 CPU
62 ROM
63 RAM
64 電機駆動部
65 変換部
66 平滑コンデンサ
100 自動二輪車
200 エンジンシステム
611 電機制御部
612 位置判定部
A1,A2,A3,A4,A5,A12,A23,A34,A45 角度
AR1,AR2,AR3,AR4 検出領域
AS1,AS2,AS3,AS4 角度センサ
D1 第1のデューティ比
D2 第2のデューティ比
D3 第3のデューティ比
D4 第4のデューティ比
D5 第5のデューティ比
EU エンジンユニット
HU,HV,HW,CRK 信号
N1,N2,N3,N4,N5 ノード
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6 スイッチング素子
SW,SW1 切替角度
TV スロットルバルブ

Claims (13)

  1. バッテリを備えた車両に搭載されるエンジンシステムであって、
    燃焼停止状態での4ストロークの間に高負荷領域と低負荷領域とを有し、前記高負荷領域においてクランク軸に作用する第1の回転負荷は、前記低負荷領域において前記クランク軸に作用する第2の回転負荷よりも大きい4ストロークのエンジンと、
    前記バッテリから電流の供給を受けて前記クランク軸を回転させることができ、かつ前記クランク軸の回転に伴う発電により前記バッテリを充電することができるように構成された回転電機と、
    前記クランク軸の回転角度を検出する回転角度検出部と、
    前記バッテリから前記回転電機に電流を供給することにより前記クランク軸が正方向または逆方向に回転するように前記回転電機を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記エンジンの始動時における混合気の点火前に、前記回転電機に電流を供給して前記低負荷領域において前記第2の回転負荷に抗して前記クランク軸を最初に逆方向に回転させる第1の制御を行った後、前記高負荷領域における前記第1の回転負荷により前記クランク軸の逆方向の回転が停止するように、前記回転角度検出部により検出された回転角度が予め定められた切替角度になったときに前記回転電機に供給する電流の調整により前記回転電機から前記クランク軸に与えられるトルクを低下させて前記高負荷領域において前記クランク軸を逆方向に回転させる第2の制御を行い、その後前記クランク軸が正方向に回転するように前記回転電機に電流を供給する第3の制御を行う、エンジンシステム。
  2. 前記制御装置は、
    前記第1の制御において、第1のデューティ比で前記回転電機に電流を供給することにより前記クランク軸を逆方向に回転させ、
    前記第2の制御において、前記回転角度検出部により検出された回転角度が前記切替角度になったときに前記回転電機に供給される電流のデューティ比を前記第1のデューティ比から前記第1のデューティ比よりも低い第2のデューティ比に切り替える、請求項1記載のエンジンシステム。
  3. 前記第1の回転負荷は、圧縮行程における圧力による第1のピークを有し、
    前記第2の回転負荷は、排気バルブの反力による第2のピークを有し、
    前記切替角度は、前記第2のピークに対応する角度以下でかつ前記第1のピークに対応する角度よりも大きい角度で前記第1のデューティ比から前記第2のデューティ比への切り替えが行われるように設定される、請求項1または2記載のエンジンシステム。
  4. 前記第2のデューティ比は0である、請求項3記載のエンジンシステム。
  5. 前記制御装置は、
    前記第2の制御において、前記回転角度検出部により検出された回転角度が前記切替角度になったときに前記クランク軸に正方向のトルクが与えられるように前記回転電機に電流を供給する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジンシステム。
  6. 前記制御装置は、
    前記第2の制御において、前記回転角度検出部により検出された回転角度が前記切替角度になったときに前記クランク軸に正方向のトルクが与えられるように前記回転電機を短絡させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジンシステム。
  7. 前記回転角度検出部は、
    前記クランク軸とともに回転する回転部材と、
    前記回転部材に設けられる第1の被検出体と、
    前記回転部材の回転方向に沿って前記回転部材に設けられる複数の第2の被検出体と、
    前記回転部材の回転時に前記第1の被検出体を検出可能に設けられる第1の検出器と、
    前記回転部材の回転時に前記複数の第2の被検出体を検出可能に設けられる第2の検出器と、
    前記第1の検出器による前記第1の被検出体の検出および前記第2の検出器による前記第2の被検出体の検出に基づいて前記回転角度を判定する判定部とを含み、
    前記第1の被検出体は、ピストンが下死点と上死点との間の中間位置よりも下死点に近い位置にあるときに前記第1の検出器により検出されるように配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンジンシステム。
  8. 前記クランク軸の回転状態を検出する回転状態検出部をさらに備え、
    前記制御装置は、前記クランク軸が前記第2の制御により逆方向に回転する際に、前記回転状態検出部により検出される回転状態が予め定められた第1の条件を満たしたときに前記第3の制御を開始する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジンシステム。
  9. 前記制御装置は、前記第1の制御の後に前記回転状態検出部により検出される回転状態が予め定められた第2の条件を満たしたときに前記第2の制御を行わずに前記第3の制御を開始する、請求項8記載のエンジンシステム。
  10. 前記制御装置は、前記エンジンの始動時における混合気の点火前に、始動処理が開始されると、最初に前記第1の制御を行った後、前記第2の制御を行い、その後前記第3の制御を行う、請求項1〜9のいずれか一項に記載のエンジンシステム。
  11. 前記制御装置をオン状態またはオフ状態にするためにオンまたはオフされるメインスイッチをさらに備え、
    前記制御装置は、前記メインスイッチがオンされ、かつ、前記エンジンの始動時における混合気の点火前に、前記始動処理を開始し、前記始動処理では、最初に前記第1の制御を行った後、前記第2の制御を行い、その後前記第3の制御を行う、請求項10記載のエンジンシステム。
  12. 運転者によって操作可能なスタータスイッチを備え、
    前記制御装置は、前記メインスイッチがオンされ、かつ、前記スタータスイッチがオンされ、かつ、前記エンジンの始動時における混合気の点火前に、前記第1の制御、前記第2の制御および前記第3の制御を行う、請求項11記載のエンジンシステム。
  13. 駆動輪およびバッテリを有する本体部と、
    前記駆動輪を回転させるための動力を発生する請求項1〜12のいずれか一項に記載のエンジンシステムとを備える、鞍乗型車両。
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