JP5373449B2 - 三相モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、三相型のモータのU相、V相及びW相にそれぞれハイ側、ロー側の対をなす合計6つのスイッチ素子をブリッジ接続し、各スイッチ素子の通電組合わせを順次切り替えて直流を交流に変換してモータを駆動する三相モータ制御装置に関し、三相モータ制御装置に関し、特に、モータ起動時を含む所定期間におけるスイッチ素子の通電組合わせを効率的に設定する三相モータ制御装置に関する。
一般的な自動二輪車には、エンジンの始動用にスタータモータが設けられている。また、エンジン始動後にはスタータモータをジェネレータとして用いることのできるモータ・ジェネレータも開発されている(例えば、特許文献1参照)。このようなモータ・ジェネレータによれば部品点数が削減され、簡便構成となるとともに低廉化される。モータ・ジェネレータは、例えばU相、V相及びW相の三相ブレシレス型が用いられる。
モータ・ジェネレータを採用する自動二輪車には、始動時の電源としてバッテリが搭載されるが、該バッテリは直流であることから6つのスイッチ素子を備える三相ブリッジ回路によって直流を三相交流に変換してモータ・ジェネレータを駆動する。三相ブリッジ回路を駆動するためには、モータの電気角に応じて各相の駆動タイミングを得る必要があり、電気角度を検出するロータセンサが設けられている。ロータセンサは各相に応じて設けられることから少なくとも3つ存在し、そのオン・オフ状態からモータの電気角度を60°毎に検出することができる。これにより、120°ずつ異なる各相の電気角が求められて、6つのスイッチ素子が適切に駆動される。
特開2005−248921号公報
近時、自動二輪車のコストダウンが望まれている。自動二輪車の構成部品であるモータ・ジェネレータについても低廉化の取り組みがなされており、3つ以上設けられているロータセンサを減らすことができると好ましいが、ロータセンサの数を減らすと通電位相を適切に合わせることが難しくなるという課題がある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、電気角を検出するロータセンサの数を減らしながら、通電位相を適切に合わせることのできる三相モータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る三相モータ制御装置は、基本的には、モータの起動時である低回転域ではモータの通電位相を所定位相内(±60°)でずらしてもモータの起動に要するトルクが得られることに着目し、モータの起動は1つのセンサによって行い、起動後は該センサ信号から他の2相信号を算出してモータの通電位相を決定する。
すなわち、本発明は、三相型のモータのU相、V相及びW相にそれぞれハイ側、ロー側の対をなす合計6つのスイッチ素子をブリッジ接続し、各スイッチ素子の通電組合わせを順次切り替えて直流を交流に変換して前記モータを駆動するものであり、以下の特徴を有する。
第1の特徴;U相、V相及びW相について120°電気角ずつ異なり、且つ、180°間隔で前記6つのスイッチ素子のオンオフが切り換わるように設定される基準通電サイクルに基づき、前記基準通電サイクルのU相、V相及びW相のいずれか1つの基準相についてオン・オフ切換時を基準とし、その後の半サイクルを3等分して前位相、中央位相及び後位相に区分し、前記中央位相における6つの前記スイッチ素子の通電状態を基準中央位相通電状態とし、前記モータの起動時を含む所定期間に、前記基準相に同期するロータセンサの信号に基づいて、前記半サイクルの間は前記基準中央位相通電状態と同じ状態とするように6つの前記スイッチ素子を駆動し、前記所定期間の後、前記ロータセンサによって検出された直前の前記基準相の1サイクルに基づいて、120°電気角ずつ異なる他相の2つのサイクルを得て、各相を、対応するサイクルに基づき、前記基準通電サイクルに従って駆動することを特徴とする。
このような制御によれば、電気角を検出するロータセンサは1つで足り、システムを低廉化することができる。所定期間とはモータの運転終了時までであってもよい。
の特徴;前記所定期間は、電気角で1〜4サイクルであると、早期に第2モードに移行して高トルクが得られる。
の特徴;1サイクルは360°電気角で、前半の180°電気角の半サイクルと、それに続く後半の180°電気角の半サイクルよりなることを特徴とする。
の特徴;1サイクルのうち、前半サイクルに続く後半サイクルは、前記スイッチ素子の通電状態を前半サイクルに対して反転させることを特徴とする。
本発明に係る三相モータ制御装置によれば、三相モータにおける電気角を検出するロータセンサの数を削減することができる。
本実施の形態に係る三相モータ制御装置が搭載された自動二輪車の側面図である。 スイングエンジンユニットの断面図である。 三相モータ制御装置としてのECU及びその周辺のブロック図である。 ECUにおける三相ブリッジ回路の回路図である。 第1実施例における第2モードのタイムチャートである。 低速域におけるモータの出力トルクと進角との関係を示すグラフである。 第1実施例における第1モードのタイムチャートである。 第2実施例における第2モードのタイムチャートである。 第2実施例における第1モードのタイムチャートである。
以下、本発明に係る三相モータ制御装置について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図9を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る三相モータ制御装置は、ECU10として自動二輪車12に搭載されている。先ず、自動二輪車12について説明する。
図1に示すように、自動二輪車12は、スクータ式であって、前輪WFを軸支するフロントフォーク14ならびに該フロントフォーク14に連結されるハンドル16を操舵可能に支承するヘッドパイプ18を前端に備えるものであり、後輪WRを後端で支持するスイングエンジンユニットUEが車体フレームFの前後方向中間部で上下揺動可能に支承される。車体フレームFの後部には、前部シート24及び後部シート26を有してタンデム型に構成される乗車シート28と、該乗車シート28の下方にエアクリーナ20及び吸気管22が配置される。さらに車体フレームF、前記スイングエンジンユニットUEの前部等を覆う合成樹脂製の車体カバー30が車体フレームFに取付けられる。ハンドル16には、左右一対のバックミラー(リアビューミラーとも呼ばれる。)32が設けられている。
スイングエンジンユニットUEは、シリンダ軸線をほぼ水平とした水冷式のエンジンEと、該エンジンEの出力を、伝達ベルト及びプーリによって無段階に変速して後輪WRに伝達するベルト式の無段式の変速機Mとで構成されており、該変速機Mは、クランクシャフト側の可動プーリを駆動して変速比を無段階に変化させるものである。変速機Mの後部には遠心クラッチを介して設けられた減速機36が設けられ、該減速機36によって後輪WRが駆動される。
また、車体フレームFの後端部には左右一対のリヤサスペンション40の上端部が連結され、2つのリヤサスペンション40の下端部は、減速機36の後端部及びスイングアームの後端部に連結される。
車体カバー30のうち、フロントカウル42の上部にはハンドルカバー44が設けられる。インナカバー46は、運転者の脚部前部を覆うレッグシールド48を備える。
図2に示すように、スイングエンジンユニットUEは、走行駆動力を発生するエンジンEと、クランク軸52の右端に設けられたモータ・ジェネレータ50(以下、単純にモータ50と呼ぶ。)と、左端に設けられた駆動プーリ体54と、モータ50の近傍に設けられたラジエータ56とを有し、ハンガーブラケット58によって支持されている。クランク軸52は、図示しないピストンからネクティングロッド64を介して回転駆動される。
モータ50はエンジンEの始動時においてはクランク軸52を回転駆動させるスタータモータとして機能し、始動後はジェネレータとして機能してバッテリ88(図3参照)及びその他の機器に給電することができる。
モータ50はクランク軸52の右端部に配置されており、クランクケースに設けられてクランク軸52と同軸状に構成されたステータ72と、クランク軸52の端部に固定されてステータ72を覆うように設けられたアウタロータ74とを有する。ステータ72には環状配置された複数のコイル76が設けられている。アウタロータ74にはコイル76に対して狭い隙間を形成するように配置された複数のマグネット78が固定されている。モータ50は、ECU10(図3参照)の作用下に回転制御がなされる。アウタロータ74にはファン80が設けられ、その右近傍に設けられたラジエータに送気する。
駆動プーリ体54は、固定側プーリ半体60aと、可動側プーリ半体60bと、ドライウェイトボール62と、カムプレート63とを有する。クランク軸52の回転速度が増加すると、可動側プーリ半体60bとカムプレート63との間にあって共に回転するドライウェイトボール62が、遠心力により遠心方向に移動し、可動側プーリ半体60bはドライウェイトボール62に押圧されて左方に移動して固定側プーリ半体60aに接近する。その結果、固定側プーリ半体60aと可動側プーリ半体60b間に挟まれたVベルト65は遠心方向に移動し、その巻き掛け径が大きくなって増速作用が得られる。
図3に示すように、ECU10には、モータ50が接続され、該モータ50には、スタータリレー86を介してバッテリ88から駆動電流が供給される。インジェクタ90、燃料ポンプ92及びイグニッションコイル94、ならびに所定モードで点滅するスタンバイインジケータ96a及びアラームインジケータ96bには、メインヒューズ98及びメインリレー100を介してバッテリ88から駆動電流が供給される。メインリレー100はメインスイッチ102により付勢される。
モータ50はエンジンEのクランク軸52に連結され、そのロータ(前記のアウタロータ74)の位置すなわちクランク角度は、ロータセンサユニット104に実装されたU相ロータセンサ104uで検知される。U相ロータセンサ104uはU相に同期した半サイクルごとにステータスが切り換わる二値信号を出力する。U相ロータセンサ104uは、例えばホール素子であり、前記のマグネット78の極性によって出力信号が切り換わる。V相及びW相についての角度検出センサは設けられていない。ロータセンサユニット104には更に、圧縮上死点及び排気上死点を検知するPCBセンサ104Pも実装されている。
ECU10にはさらに、エンジンEを始動させるスタータスイッチ106、エンジンEのアイドリングを手動で許可または制限するためのアイドルスイッチ108、運転者が乗車シート28に着座しているか否かを検知するシートスイッチ110、走行速度を検知する車速センサ112、スロットル開度θthを検知するスロットルセンサ114、吸気負圧(PB)を検知するPBセンサ116、大気温度を検知するTAセンサ118及び冷却水温を検知するTWセンサ120等の各種スイッチやセンサが接続されている。
図4に示すように、モータ50はY結線で三相のブラシレス型であって、U相のコイル130u、V相のコイル130v及びW相のコイル130wを有し、三相ブリッジ回路132によって駆動される。これらのコイル130u〜130wは、前記のコイル76に相当する。
三相ブリッジ回路132は、コイル130u、130v、130wに対してそれぞれハイ側、ロー側の対をなす合計6つのFET(スイッチ素子)134を有する。三相ブリッジ回路132のスイッチ素子は、FET以外にもIGBTやサイリスタ等でもよい。
6つのFET134の識別するため、第1の添え字としてハイ側に「H」、ロー側に「L」を付けるとともに、第2の添え字としてU相対応に「U」、V相対応に「V」、W相対応に「W」を付けて表す。代表的にはFET134と表す。例えば、ハイ側でU相対応はFET134HUである。図面上では、煩雑とならないように必要に応じてFETHUのようにも表す。
FET134HU、FET134UV、FET134HWのドレンはプラスラインPに接続され、FET134LU、FET134LV、FET134LWのソースはマイナスラインNに接続されている。
FET134HUのソースとFET134LUのドレンは、U相ライン136uに接続され、FET134HVのソースとFET134LVのドレンは、V相ライン136vに接続され、FET134HWのソースとFET134LWのドレンは、W相ライン136wに接続されている。各FET134のゲートはECU10によって駆動される。
エンジンEの始動時、ECU10は、各FET134の通電組合わせを順次切り替えてバッテリ88から得られる直流を交流に変換してモータ50を駆動する。ECU10は、エンジンEの始動後は各FET134を切換駆動し、モータ50が発生する三相交流を直流に変換し、バッテリ88及びその他の電装品に給電することができる。
ECU10は、エンジンEの始動時(つまりモータ50の起動時)の短い所定期間に、第1モードとして三相ブリッジ回路132の各FET134を所定のパターンで駆動し、その後、第2モードとして、第1モードとは異なるパターン(基準通電サイクル)で各FET134を駆動する。第1モードはエンジンEの始動時に行われ、モータ50が適量回転した後は第2モードに移る。FET134駆動状態はU相ロータセンサ104uの信号に基づいて設定され、U相は基準相となる。基準相はU相、V相及びW相のうち、いずれか1つを選択すればよい。
第1モード及び第2モードのパターンはいくつかの実施例に分類される。先ず、第1実施例における、第2モードについて説明する。
図5に示すように、第1実施例の第2モードでは、各FET134は、電気角360°を1サイクルとして、120°電気角ずつ異なった合計3つのサイクルに基づいてオン、オフの切換がなされる。なお、図5、図7、図8及び図9における「1」はオン状態を示し、「0」はオフ状態を示す。電気角360°は機械角とは一致しない場合もあり、例えば6極型の場合には電気角360°は機械角60°に相当する。以下の説明は基本的に電気角に基づいて行う。
U相のサイクルは、U相ロータセンサ104uのオン・オフ信号に同期する。ECU10では、U相ロータセンサ104uのオン・オフ切換時を基準とし、その後の半サイクルを3等分した0°〜60°の前位相、60°〜120°の中央位相及び120°〜180°の後位相の3つの区分位相を得る。これは、1サイクルのうち前半サイクルと後半サイクルについて行われ、都合6つの位相に区分されることになる。便宜上、これらの区分位相を[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]として表す。U相のサイクルは、[1]〜[6]に対応することになる。また、区分位相[1]を基準にして見ると区分位相[2]は60°遅角、区分位相[3]は120°遅角であり、区分位相[3]を基準にして見ると区分位相[2]は60°進角、区分位相[1]は120°進角ということになる。
これらの区分位相は、その直前に得られた(第2モードの開始時には第1モードの最後に得られた)1サイクル時間を6等分し、又はその直前に得られた半サイクル時間を3等分することにより得られる。区分位相は直前の複数サイクルを平均化して求めてもよく、例えば、4サイクル時間を24等分してもよい。
モータ50の回転速度は変化することから、直前のサイクル時間を等分して得られた区分位相は、厳密には今回のサイクルには適用できない。しかしながら、実際上は、第2モードではある程度回転が安定しており、微小時間においては速度変化を無視し得るので、直前のサイクルから得られた区分位相を今回のサイクルに適用しても支障がない。これにより、第2モードでは1つのU相ロータセンサ104uだけで3つのサイクルを設定することができ、V相及びW相についてのセンサを省略できる。
V相のサイクルは、U相のサイクルに対して120°遅らせることから、その直前のU相サイクルから得られた区分位相に基づき、[3]、[4]、[5]、[6]、[1]、[2]が対応するサイクルになる。同様に、W相のサイクルは、U相のサイクルに対して240°遅らせる(120°進ませる)ことから、その直前のU相サイクルから得られた区分位相に基づき、[5]、[6]、[1]、[2]、[3]、[4]が対応するサイクルになる。このようにして120°ずつ異なる3相のサイクルが得られる。
図5から明らかなように、U相で、FET134HUについては、前半サイクルの180°の間がオン、後半サイクルの180°の間がオフであり、FET134HLについてはその逆である。他相についてもハイ側は前半サイクルをオン、ロー側は後半サイクルをオフとする。
これにより、各相のコイル130u〜130wの印加電圧も同様に、前半サイクルの180°の間がハイ電圧、後半サイクルの180°の間がロー電圧となる。なお、各コイル130u〜130wに流れる電流は、コイルのインピーダンスが電気角に応じて変化するから矩形波ではなくサイン波又はそれに近い波形となる。電流波形については図示を省略する。
このように、いわゆる180°通電のオン、オフ切換パターンを第1実施例における基準通電サイクルとする。この場合の基準通電サイクルは、三相モータの一般的な駆動方式であることは図5から容易に理解されよう。
基準通電サイクルにおける中央位相(つまり、区分位相で[2]及び[5]であり、図5においてハッチングで示す部分。)における6つのFET134の通電状態は、基準中央位相通電状態としてECU10に記憶されており、第2モードへの移行する前の第1モードでも利用可能である。
この場合、基準中央位相通電状態は、FET134HUが「1」、FET134LUが「0」、FET134UVが「0」、FET134LVが「1」、FET134HWが「0」、FET134LWが「1」である。以下、FET134の通電状態を、この順に簡略化して「100101」のように示す。
基準中央位相通電状態は、半サイクルにおける「中央」の区分位相の通電状態であることから、その半サイクルの状態を示す代表値として利用するのに好適である。
ここで、第1実施例における第1モードの説明に先だって、モータ50における所定の低回転域の特性について本願発明者が検討及びシミュレーションをした結果を図6に示す。図6は、低速回転域の一例として40rpmの場合についてモータの出力トルクと進角との関係を示している。
図6に示すように、モータ50では進角及び遅角運転することによりトルクが変動し、概ね+30°(電気角)でピークとなり、それよりも角度が大きくなり、又は小さくなるとトルクは減少する傾向を示す。例えば、図6から了解されるように、進角又は遅角が90°又は120°程度になるとトルクが非常に小さくなってしまうが、±60°程度の範囲では、自動二輪車12のスタータ用としてのモータ50を起動する低回転域には、適正回転方向に必要なトルクが得られることが確認された。
次に、第1実施例における第1モードについて図7を参照しながら説明する。この第1モードにおいては、図6に示した±60°程度の範囲の進角及び遅角運転を利用してモータ50の起動を図る。前記の通り第1モードはエンジンEの始動時に行われ、モータ50が適量だけ回転した後には前記の第2モードに移る。第1モードの最初の段階では、モータ50は当然に停止している。図7(及び図9)におけるV相及びW相サイクルのパターンは、上段が従来のセンサ値を示し、下段が本願におけるFET134の通電状態をセンサ信号に置換したものである。
第1モードでは、U相のサイクルをU相ロータセンサ104uに基づいて検出する。
第1モードでは、第2モードで適用される基準通電サイクルに基づき、前半サイクル及び後半サイクルで、それぞれ前位相〜後位相を基準中央位相通電状態と同じ状態とするようにFET134を駆動する。つまり、半サイクルの間はその対応する基準中央位相通電状態と同じ状態に維持される。これにより、モータ50の進角値のずれは、必ず進角/遅角いずれかの60°以内の範囲となり、起動に必要な程度のトルクが得られ、該モータ50を正転させることができる。
具体的には、第1実施例の前半サイクルにおける基準中央位相通電状態は、「100101」であるから(図5の区分位相[2]参照)、該前半サイクルの間はこれに準じてFET134を駆動し、後半サイクルにおける基準中央位相通電状態は、「011010」であるから(図5の区分位相[5]参照)、該前半サイクルの間はこれに準じてFET134を駆動する。
図7に示すように、第1実施例の第1モードでは、U相については第2モードと同じに駆動される。V相については、従来のV相のセンサ値に基づくサイクルと比較すると60°遅角の状態となり、W相については、従来のW相のセンサ値に基づくサイクルと比較すると60°進角の状態となる。
ところで、エンジンE及びモータ50の起動時にはモータ50は停止しており、ECU10がロータの角度に関して得られる情報は、オン又はオフで一定となっているU相ロータセンサ104uの静的な信号だけである。この信号からは1サイクルのうち前半サイクル([1]〜[3])か後半サイクル([4]〜[6])のいずれに対応するのか検出可能である。
第1の実施例における第1モードでは、前半サイクル([1]〜[3])と後半サイクル([4]〜[6])の区別だけできれば、その間は一定の基準中央位相通電状態でFET134を駆動することから、それより細かい区分位相については検出が不要であり、1つのU相ロータセンサ104uで対応が可能であり、ロータセンサの数を減らすことができる。
この第1モードでは、V相及びW相が進角又は遅角運転となるため第2モードと比較してトルクが低くなるが、前記の通り本願発明者が検討及びシミュレーションをした結果によれば、自動二輪車12のスタータ用としてのモータ50を起動する低速域には、適正回転方向に必要なトルクが得られることが確認された。例えば、図6に示すように、所定の低速域(40rpm程度)では、進角、遅角±60°(電気角)の範囲ではある程度のトルクが発生することが確認されており、モータ50を起動させることができる。
第1モードでモータ50が適量回転した後には、前記の第2モードに移って高回転、高トルクの回転を実現できる。すなわち、第1モードは、ある程度のトルク不足を許容し、第2モードに移行するまでの初期遷移モードとも言うべき作用をする。
第1モードから第2モードへ移行する基準としては、例えば電気角で1〜4サイクル、好適には2サイクル程度とするとよい。このような起動直後の微小回転時においては速度変化が大きく、必ずしも安定した回転とはなっていないが、それでも電気角で60°ずれの状態で運転する第1モードよりは第2モードで運転した方が高トルクが得られて有利になり、結果的には早期に安定することになって好適である。
ここで、1サイクルは360°(電気角)で、前半の180°の半サイクルと、それに続く後半の180°の半サイクルよりなっている。また、1サイクルのうち、前半サイクルに続く後半サイクルは、スイッチ素子の通電状態を前半サイクルに対して反転させている。
次に、第2実施例について説明する。第2実施例における第2モードは、図8に示すように、U相で、FET134HUについては、1サイクルのうち0°〜120°(つまり、区分位相[1]及び[2])の間がオン、その他がオフであり、FET134HLについて1サイクルのうち180°〜300°(つまり、区分位相[4]及び[5])の間がオン、その他がオフである。V相及びW相についてはU相から120°及び240°ずれた状態となっている。
これにより、各相のコイル130u〜130wの印加電圧も同様に、0°〜120°の間がハイ電圧、180°〜300°の間がロー電圧となる。
このように、いわゆる120°通電のオン、オフ切換パターンを第2実施例における基準通電サイクルとする。
基準中央位相通電状態は、中央位相(つまり、区分位相で[2]及び[5]であり、図8においてハッチングで示す部分。)における6つのFET134の通電状態であるから、「100001」及び「010010」となる。
図9に示すように、第2実施例における第1モードでは、第2モードで適用される基準通電サイクルに基づき、前半サイクル及び後半サイクルで、それぞれ前位相〜後位相を基準中央位相通電状態と同じ状態とするようにFET134を駆動する。つまり、半サイクルの間はその対応する基準中央位相通電状態と同じ状態を維持する。
具体的には、第2実施例の前半サイクルにおける基準中央位相通電状態は、「100001」であるから(図8の区分位相[2]参照)、該前半サイクルの間はこれに準じてFET134を駆動し、後半サイクルにおける基準中央位相通電状態は、「010010」であるから(図8の区分位相[5]参照)、該前半サイクルの間はこれに準じてFET134を駆動する。
図9から明らかなように、第2実施例の第1モードでは、U相については前半サイクルがハイ、後半サイクルがローとなり、U相ロータセンサ104uと同じサイクルになる。V相については、オフ状態となり、W相については、従来のW相のセンサ値に基づくサイクルと比較すると60°進角の状態となる。
これにより、モータ50の起動時にある程度のトルクを発生して回転を開始させることができるとともに、前半サイクル([1]〜[3])か後半サイクル([4]〜[6])のいずれかの区別だけできればよいので1つのU相ロータセンサ104uで足りる。
上述したように、本実施の形態に係る三相モータ制御装置としてのECU10を用いた制御では、第1モードとしてモータ50のロータ角度を検出するセンサとして1つのU相のコイル130uだけで起動することができ、システムを低廉化することができる。モータ50がある程度回転した後には、1つのU相のコイル130uを6つの区分位相に時分割して、V相及びW相についても120°遅れ、240°遅れ(120°進み)のV相サイクル及びW相サイクルを設定することができ、モータ50を効率的に回転させることができる。第2モードは、モータ50をジェネレータとして用いる場合にも適用可能である。
設計条件によっては、第2モードを省略して第1モードだけでモータ50を運転をしてもよい。
ECU10が適用されるモータ50は、モータ・ジェネレータ型に限らず、一般の三相型モータに適用可能である。ECU10が適用される自動二輪車12はスクータ型以外でもよく、さらに、自動二輪車12以外の車両やその他の産業機器等に適用可能であることはもちろんである。
本発明に係る三相モータ制御装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…ECU 12…自動二輪車
50…モータ・ジェネレータ 104u…U相ロータセンサ
132…三相ブリッジ回路 130u、130v、130w…コイル
134、134HL、134HU、134HV、134HW、134LU、134LV、134LW、134UV…FET 136u…U相ライン
136v…V相ライン 136w…W相ライン

Claims (4)

  1. 三相型のモータ(50)のU相、V相及びW相にそれぞれハイ側、ロー側の対をなす合計6つのスイッチ素子(134)をブリッジ(132)接続し、各スイッチ素子(134)の通電組合わせを順次切り替えて直流を交流に変換して前記モータ(50)を駆動する三相モータ制御装置において、
    U相、V相及びW相について120°電気角ずつ異なり、且つ、180°間隔で前記6つのスイッチ素子(134)のオンオフが切り換わるように設定される基準通電サイクルに基づき、前記基準通電サイクルのU相、V相及びW相のいずれか1つの基準相(U)についてオン・オフ切換時を基準とし、その後の半サイクルを3等分して前位相、中央位相及び後位相に区分し、前記中央位相における6つの前記スイッチ素子(134)の通電状態を基準中央位相通電状態とし、
    前記モータ(50)の起動時を含む所定期間に、前記基準相(U)に同期するロータセンサ(104u)の信号に基づいて、前記半サイクルの間は前記基準中央位相通電状態と同じ状態とするように6つの前記スイッチ素子(134)を駆動し、
    前記所定期間の後、前記ロータセンサ(104u)によって検出された直前の前記基準相(U)の1サイクルに基づいて、120°電気角ずつ異なる他相の2つのサイクルを得て、各相を、対応するサイクルに基づき、前記基準通電サイクルに従って駆動することを特徴とする三相モータ制御装置。
  2. 請求項記載の三相モータ制御装置において、
    前記所定期間は、電気角で1〜4サイクルであることを特徴とする三相モータ制御装置。
  3. 請求項1又は2記載の三相モータ制御装置において、
    1サイクルは360°電気角で、前半の180°電気角の半サイクルと、それに続く後半の180°電気角の半サイクルよりなることを特徴とする三相モータ制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の三相モータ制御装置において、
    1サイクルのうち、前半サイクルに続く後半サイクルは、前記スイッチ素子(134)の通電状態を前半サイクルに対して反転させることを特徴とする三相モータ制御装置。
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