JP2021080842A - エンジン始動制御装置 - Google Patents

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淳士 渡辺
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Abstract

【課題】エンジンの回転位置を、エンジンの始動時又は再始動時に最低な位置に適切に設定して、その後に、エンジンを始動又は再始動するエンジン始動制御装置を提供する。【解決手段】本実施形態のエンジン始動制御装置100では、制御部136は、エンジンを逆回転で回転させる際に、三相交流発電機110の出力トルクを、逆回転の際の初期値から漸減させるように制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジン始動制御装置に関し、特に、鉛バッテリ等の二次電池を三相交流発電機により充電すると共に、その三相交流発電機を用いて内燃機関を始動する車両の電子制御装置に関する。
近年、自動車等の車両において、内燃機関であるエンジンのクランクシャフト(クランク軸)に連結されその回転に伴って駆動される界磁束発生用磁石を有する回転子及び発電出力発生用の固定子巻線が巻回された固定子を備える三相交流発電機をスタータモータと兼用して、鉛バッテリ等の二次電池を充電するように制御すると共に、エンジンのクランクシャフトを回転させることによりエンジンを始動するように制御する電子制御装置が提案されている。
かかる状況下で、特許文献1は、エンジン始動装置に関し、エンジンを正逆回転させることができるスタータモータを有し、エンジンの始動操作に応答して圧縮上死点と排気弁の開閉動作範囲との間に予め設定された位置までエンジンを逆回転させた後、更にスタータモータをそれまでよりも小トルクで駆動して、エンジンを逆回転方向に予定時間付勢して停止させる構成を開示する。
また、特許文献2は、エンジン始動制御装置に関し、スイングバック制御部による逆転駆動時のモータ電流値より、アイドルストップ開始時巻き戻し制御部による逆転駆動時のモータ電流値の方が小さく設定されている構成を開示する。
特許3969641号公報 特許5247554号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1が開示する構成では、エンジンの始動時に予め設定された位置までエンジンを逆回転させた後、更にスタータモータをそれまでよりも小トルクで駆動して、エンジンを逆回転方向に予定時間付勢して停止させる構成を有するものであるため、エンジンの温度状態や外部環境に応じてエンジンの停止位置にばらつきが生じ、改善の余地がある。
また、本発明者の検討によれば、特許文献2が開示する構成では、スイングバック制御部による逆転駆動時のモータ電流値より、アイドルストップ開始時巻き戻し制御部による逆転駆動時のモータ電流値の方が小さく設定されている構成を有するものであるため、エンジンの回転位置が所定の停止位置に到達にするまでに多くの時間が必要となり、エンジンの始動性が悪化することから改善の余地がある。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、エンジンの回転位置を、エンジンの始動時又は再始動時に最適な位置に適切に設定して、その後に、エンジンを始動又は再始動するエンジン始動制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、車両のエンジンを始動させるために、前記エンジンを逆回転で回転させてから正回転で回転させることが可能なスタータモータの出力トルクを制御する制御部を備えるエンジン始動制御装置であって、前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、前記逆回転の際の初期値から漸減させるように制御することを第1の局面とする。
また、本発明は、第1の局面に加えて、前記制御部は、前記エンジンの回転位置が所定の停止位置に到達するまで、前記エンジンを前記逆回転で回転させ、前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、前記エンジンの前記回転位置が前記所定の停止位置に近づくにつれて、漸減させるように制御することを第2の局面とする。
また、本発明は、第1の局面に加えて、前記制御部は、前記エンジンの回転位置の変化量が所定の変化量になるまで、前記エンジンを前記逆回転で回転させ、前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、前記エンジンの前記回転位置の変化量が前記所定の変化量に近づくにつれて、漸減するように制御することを第3の局面とする。
また、本発明は、第1から第3のいずれかの局面に加えて、前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、前記エンジンの温度に応じた大きさになるように制御することを第4の局面とする。
また、本発明は、第1から第4のいずれかの局面に加えて、前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、大気圧又は大気温度に応じた大きさになるように制御することを第5の局面とする。
また、本発明は、第1から第5のいずれかの局面に加えて、前記制御部は、前記車両のスタータスイッチがオン状態にされることに応じて、前記エンジンを始動させる第1の始動制御と、前記エンジンのスロットル開度又は前記車両のアクセル開度が増大されることに応じて、前記エンジンをアイドルストップ状態から再始動させる第2の始動制御と、を実行し、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記第1の始動制御において得られる前記スタータモータの前記出力トルクの初期値と、前記第2の始動制御において得られる前記スタータモータの前記出力トルクの初期値と、を互いに等しく設定することを第6の局面とする。
以上の本発明の第1の局面にかかるエンジン始動制御装置によれば、制御部は、エンジンを逆回転で回転させる際に、スタータモータの出力トルクを、逆回転の際の初期値から漸減させるように制御するものであるため、スタータモータの回転位置、つまりエンジンの回転位置を、エンジンの始動時又は再始動時に最適な位置に適切に設定することができ、その後に、エンジンを始動又は再始動することができる。
また、本発明の第2の局面にかかるエンジン始動制御装置によれば、制御部は、エンジンの回転位置が所定の停止位置に到達するまで、エンジンを逆回転で回転させ、制御部は、エンジンを逆回転で回転させる際に、スタータモータの出力トルクを、エンジンの回転位置が所定の停止位置に近づくにつれて、漸減させるように制御するものであるため、エンジンの回転位置を、エンジンの始動時又は再始動時に最適な位置により適切に設定することができる。
また、本発明の第3の局面にかかるエンジン始動制御装置によれば、制御部は、エンジンの回転位置の変化量が所定の変化量になるまで、エンジンを逆回転で回転させ、制御部は、エンジンを逆回転で回転させる際に、スタータモータの出力トルクを、エンジンの回転位置の変化量が所定の変化量に近づくにつれて、漸減するように制御するものであるため、エンジンの回転位置を、エンジンの始動時又は再始動時に最適な位置により適切に設定することができる。
また、本発明の第4の局面にかかるエンジン始動制御装置によれば、制御部は、エンジンを逆回転で回転させる際に、スタータモータの出力トルクを、エンジンの温度に応じた大きさになるように制御するものであるため、エンジンの回転位置を、エンジンの始動時又は再始動時に最適な位置に、エンジンの作動抵抗に影響するエンジンの温度に応じて、より適切に設定することができる。
また、本発明の第5の局面にかかるエンジン始動制御装置によれば、制御部は、エンジンを逆回転で回転させる際に、スタータモータの出力トルクを、大気圧又は大気温度に応じた大きさになるように制御するものであるため、エンジンの回転位置を、エンジンの始動時又は再始動時に最適な位置に、エンジンの吸入効率に影響するエンジンの周囲の大気圧又は大気温度に応じて、より適切に設定することができる。
また、本発明の第6の局面にかかるエンジン始動制御装置によれば、制御部は、車両のスタータスイッチがオン状態にされることに応じて、エンジンを始動させる第1の始動制御と、エンジンのスロットル開度又は車両のアクセル開度が増大されることに応じて、エンジンをアイドルストップ状態から再始動させる第2の始動制御と、を実行し、エンジンを逆回転で回転させる際に、第1の始動制御において得られるスタータモータの出力トルクの初期値と、第2の始動制御において得られるスタータモータの出力トルクの初期値と、を互いに等しく設定するものであるため、始動時及び再始動時の制御を簡素化しながら、エンジンの回転位置を、エンジンの始動時又は再始動時に最適な位置に設定することができる。
図1は、本発明の実施形態におけるエンジン始動制御装置が適用されるエンジンの構成を示す模式図である。 図2は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置の構成の概略を示す回路図である。 図3は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置の再始動時の動作の一例を示すフローチャートである。 図4は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置の再始動時の動作の一例を示すタイムチャートである。 図5は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置の通常始動時の動作の一例を示すフローチャートである。 図6は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置の通常始動時の動作の一例を示すタイムチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態におけるエンジン始動制御装置につき、詳細に説明する。
〔エンジンの構成〕
まず、図1を参照して、本実施形態におけるエンジン始動制御装置が適用されるエンジンの構成について、詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置が適用されるエンジンの構成を示す模式図である。
図1に示すように、内燃機関であるエンジン1は、図示を省略する二輪自動車等の車両に搭載され、シリンダブロック2を備えている。シリンダブロック2の側壁内には、シリンダブロック2及びその内部等を冷却するための冷却水が流通する冷却水通路3が形成されている。冷却水通路3には、冷却水通路3を流通する冷却水の温度を検出するための水温センサ4が設けられている。
なお、図1中では、説明の便宜上、エンジン1を単気筒として示しているが、エンジン1は複数の気筒を有するものであってもよく、気筒の配列も直列、水平対向やV型等であってもよい。また、図1中では、説明の便宜上、エンジン1を水冷式として示しているが、空冷式であってもよく、かかる場合には、水温センサ4の代わりにエンジン1の温度を検出自在な温度センサをシリンダブロック2等に装着してもよい。
シリンダブロック2の内部には、ピストン5が配置されている。ピストン5は、コンロッド6を介してクランクシャフト7に連結されている。クランクシャフト7の近傍には、クランクシャフト7の回転角度を検出するクランク角センサ8が、エンジン1の回転速度を検出すべく設けられている。シリンダブロック2の上部には、シリンダヘッド9が装着されている。ピストン5の上面と、シリンダブロック2及びシリンダヘッド9の各々の内面とが画成する内部空間は燃焼室10となる。
シリンダヘッド9には、燃焼室10内の混合気に点火する点火プラグ11が設けられている。点火プラグ11の点火動作は、ECU130が図示を省略する点火コイルへの通電を制御することによって制御される。
また、シリンダヘッド9には、燃焼室10と吸気通路12とを開閉自在に連通する吸気バルブ13が設けられている。吸気通路12は、シリンダヘッド9に装着される吸気管IM内に形成され、吸気管IMは、吸気通路12内に燃料を噴射する燃料噴射弁14及び燃料噴射弁14の上流側に配置されるスロットルバルブ15を備えている。なお、燃料噴射弁14は、燃焼室10内に直接燃料を噴射するものであってもよい。
シリンダヘッド9には、吸気管IMの反対側に排気管EMが装着され、排気管EM内には、燃焼室10と連通する排気通路16が形成されている。かかるシリンダヘッド9には、燃焼室10と排気通路16とを開閉自在に連通する排気バルブ17が設けられている。
〔エンジン始動制御装置の構成〕
次に、更に図2をも参照して、本実施形態におけるエンジン始動制御装置の構成について、詳細に説明する。
図2は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置の構成の概略を示す回路図である。
図2に示すように、本実施形態におけるエンジン始動制御装置100は、二次電池である鉛バッテリ101を三相交流発電機110の発電により充電すると共に、三相交流発電機110をスタータモータとして用いてエンジン1のクランクシャフト7を回転させることによりエンジン1を始動するECU(Electronic Control Unit)130を備えている。なお、図中、符号102は、負荷を示し、及び符号103は、位相センサを示している。また、二次電池としては、鉛バッテリ以外に、ニッケル水素バッテリやリチウムイオンバッテリも利用可能である。
三相交流発電機110は、その詳細な構成は省略するが、U相のコイル110a、V相のコイル110b及びW相のコイル110cから成る3相の発電出力発生用のコイル(固定子巻線)が巻回された固定子と、これらの各相のコイル110a、コイル110b及び110cに対応する界磁束発生用の永久磁石が各々装着されると共に固定子の外周側を周回するように配設された回転子と、を備え、かかる回転子が図1に示すエンジンの1クランクシャフト7に図示を省略する減速ギヤ系を介して連結される。よって、かかるギヤ系を介して、三相交流発電機110の回転子の回転数と、エンジンの1クランクシャフト7の回転数と、は比例関係にある。
U相のコイル110aは、AC/DCコンバータ131の一方のU相のスイッチング素子131aの他方の端子と、AC/DCコンバータ131の他方のU相のスイッチング素子131bの一方の端子と、に電気的に接続する接続端子111aを有している。V相のコイル110bは、AC/DCコンバータ131の一方のV相のスイッチング素子131cの他方の端子と、AC/DCコンバータ131の他方のV相のスイッチング素子131dの一方の端子と、に電気的に接続する接続端子111bを有している。また、W相のコイル110cは、AC/DCコンバータ131の一方のW相のスイッチング素子131eの他方の端子と、AC/DCコンバータ131の他方のW相のスイッチング素子131fの一方の端子と、に電気的に接続する接続端子111cを有している。
ECU130は、マイクロコンピュータ等を含む演算処理装置であり、図示を省略するメモリやタイマを有している。かかるメモリには、必要な制御プログラム及び制御データが記憶され、ECU130は、メモリから必要な制御プログラム及び制御データを読み出して、制御プログラムを実行することによって、エンジン始動制御装置100全体の動作を制御する制御装置である。
具体的には、ECU130は、電力変換器であるAC(Alternate Current)/DC(Direct Current)コンバータ131、回転位置検出部132、回転速度検出部133、エンジン回転数検出部134、エンジン温度検出部135及び制御部136を備えている。なお、図2中では、回転位置検出部132、回転速度検出部133、エンジン回転数検出部134、エンジン温度検出部135及び制御部136を、ECU130が制御プログラムを実行する際のその機能ブロックとして各々示している。また、回転位置検出部132、回転速度検出部133、エンジン回転数検出部134、エンジン温度検出部135及び制御部136を機能ブロックとして機能させるプログラムは、メモリ中に予め記憶されている。
AC/DCコンバータ131は、典型的には3相ブリッジ接続されたスイッチング素子131a、131b、131c、131d、131e及び131fを有し、制御部136からの制御信号に従って、スイッチング素子131a、131b、131c、131d、131e及び131fの各々をオン状態又はオフ状態にして三相交流発電機110から供給された3相交流電流を直流電流に変換すると共に、直流電流を鉛バッテリ101に供給する。かかる場合には、三相交流発電機110は、エンジンにより駆動され、AC/DCコンバータ131を介して制御部136でいわゆる遅角制御される発電機として機能する。また、AC/DCコンバータ131は、制御部136からの制御信号に従って、スイッチング素子131a、131b、131c、131d、131e及び131fの各々をオン状態又はオフ状態にして鉛バッテリ101から供給された直流電流を3相交流電流に変換すると共に、三相交流発電機110に三相交流電流を供給する。かかる場合には、AC/DCコンバータ131は、DC/ACコンバータとして機能すると共に、三相交流発電機110は、その回転子の回転を減速ギヤ系を介してエンジン1のクランクシャフト7に伝達することにより、エンジン1を駆動するスタータモータとして機能する。なお、スイッチング素子131a、131b、131c、131d、131e及び131fは、典型的には各々トランジスタであり、図2中では、一例として、N型のMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)として各々示している。なお、スタータモータとしては、三相交流発電機110を兼用品として用いるのではなく、発電機能を有さないスタータモータの専用品を別途用いてもかまわない。
具体的には、AC/DCコンバータ131は、U相、V相及びW相の3相の各相に対して、一対のスイッチング素子131a、131b、131c、131d、131e及び131fを各々対応して有している。
つまり、AC/DCコンバータ131では、U相の一対のスイッチング素子131aとスイッチング素子131bとが電気的に接続されており、スイッチング素子131aがオン状態で、且つ、スイッチング素子131bがオフ状態の場合にU相の駆動電圧をハイレベルにし、スイッチング素子131aがオフ状態で、且つ、スイッチング素子131bがオン状態の場合にU相の駆動電圧をローレベルにする。
また、AC/DCコンバータ131では、V相の一対のスイッチング素子131cとスイッチング素子131dとが電気的に接続されており、スイッチング素子131cがオン状態で、且つ、スイッチング素子131dがオフ状態の場合にV相の駆動電圧をハイレベルにし、スイッチング素子131cがオフ状態で、且つ、スイッチング素子131dがオン状態の場合にV相の駆動電圧をローレベルにする。
更に、AC/DCコンバータ131では、W相の一対のスイッチング素子131eとスイッチング素子131fとが電気的に接続されており、スイッチング素子131eがオン状態、且つ、スイッチング素子131fがオフ状態の場合にW相の駆動電圧をハイレベルにし、スイッチング素子131eがオフ状態、且つ、スイッチング素子131fがオン状態の場合にW相の駆動電圧をローレベルにする。
ここで、スイッチング素子131aは、制御部136に電気的に接続された制御端子と、鉛バッテリ101の高電位側に電気的に接続された一方の入力端子と、スイッチング素子131b及び三相交流発電機110の接続端子111aに電気的に接続された他方の入力端子と、を有している。かかるスイッチング素子131aは、その制御端子に対して制御部136から印加される所定の制御信号に従って、オン/オフ動作し、それがオン状態のときは、一方の入力端子から他方の入力端子へ電流が流れる。
また、スイッチング素子131bは、制御部136に電気的に接続された制御端子と、スイッチング素子131a及び三相交流発電機110の接続端子111aに電気的に接続された一方の入力端子と、鉛バッテリ101の低電位側に電気的に接続された他方の入力端子と、を有している。かかるスイッチング素子131bは、その制御端子に対して制御部136から印加される所定の制御信号に従って、オン/オフ動作し、それがオン状態のときには、一方の入力端子から他方の入力端子へ電流が流れる。
また、スイッチング素子131cは、制御部136に電気的に接続された制御端子と、鉛バッテリ101の高電位側に電気的に接続された一方の入力端子と、スイッチング素子131d及び三相交流発電機110の接続端子111bに電気的に接続された他方の入力端子と、を有している。かかるスイッチング素子131cは、その制御端子に対して制御部136から印加される所定の制御信号に従って、オン/オフ動作し、それがオン状態のときには、一方の入力端子から他方の入力端子へ電流が流れる。
また、スイッチング素子131dは、制御部136に電気的に接続された制御端子と、スイッチング素子131c及び三相交流発電機110の接続端子111bに電気的に接続された一方の入力端子と、鉛バッテリ101の低電位側に電気的に接続された他方の入力端子と、を有している。かかるスイッチング素子131dは、その制御端子に対して制御部136から印加される所定の制御信号に従って、オン/オフ動作し、それがオン状態のときには、一方の入力端子から他方の入力端子へ電流が流れる。
また、スイッチング素子131eは、制御部136に電気的に接続された制御端子と、鉛バッテリ101の高電位側に電気的に接続された一方の入力端子と、スイッチング素子131f及び三相交流発電機110の接続端子111cに電気的に接続された他方の入力端子と、を有している。かかるスイッチング素子131eは、その制御端子に対して制御部136から印加される所定の制御信号に従って、オン/オフ動作し、それがオン状態のときには、一方の入力端子から他方の入力端子へ電流が流れる。
更に、スイッチング素子131fは、制御部136に電気的に接続された制御端子と、スイッチング素子131e及び三相交流発電機110の接続端子111cに電気的に接続された一方の入力端子と、鉛バッテリ101の低電位側に電気的に接続された他方の入力端子と、を有している。かかるスイッチング素子131fは、その制御端子に対して制御部136から印加される所定の制御信号に従って、オン/オフ動作し、それがオン状態のときには、一方の入力端子から他方の入力端子へ電流が流れる。
回転位置検出部132は、三相交流発電機110の回転子の回転位置を検出する。具体的には、回転位置検出部132は、位相センサ103が検出した三相交流発電機110のU相、V相及びW相の各相の回転子の回転角を回転位置として検出し、制御部136にその検出した回転位置を示す信号を送出する。また、三相交流発電機110の回転子の回転位置としては、例えばU相等の各相の内のいずれかの相の回転子の回転位置を用いれば足り、かかる三相交流発電機110の回転子の回転位置は、エンジン1のクランクシャフト7の回転位置、つまりエンジン1の回転位置に対応する。
回転速度検出部133は、三相交流発電機110の回転子の回転速度を検出する。具体的には、回転速度検出部133は、位相センサ103が検出した三相交流発電機110のU相、V相及びW相の各相の回転子の回転角の経時変化から回転子の回転速度を検出し、制御部136にその検出した回転速度を示す信号を送出する。なお、三相交流発電機110三相交流発電機110のU相、V相及びW相の各相の発電電圧を示す出力信号の波形から回転子の回転速度を検出するようにしてもよい。また、エンジン1の回転速度と三相交流発電機110の回転子の回転速度との間には相関関係があるので、クランク角センサ8によって検出されたクランクシャフト7の回転角度から回転子の回転速度を検出するようにしてもよい。
エンジン回転数検出部134は、クランク角センサ8によって検出されたクランクシャフト7の回転角度に基づいてエンジン1の回転数を検出し、このように検出したエンジン回転数を示す電気信号を制御部136に送出する。なお、エンジン回転数検出部134は、エンジン1の回転方向をも示すエンジン回転速度も併せて検出する。
エンジン温度検出部135は、水温センサ4が検出したエンジン1の冷却水の温度をエンジン1の温度として検出し、このように検出したエンジン温度を示す電気信号を制御部136に送出する。
制御部136は、回転位置検出部132が検出し三相交流発電機110のU相、V相及びW相の各相の回転子の回転位置に基づいて、スイッチング素子131a、131b、131c、131d、131e及び131fの各々のオン状態とオフ状態とを切り替えるスイッチング制御を行う。また、制御部136は、三相交流発電機110の各相のコイルの通電タイミング(遅角量)と、回転速度検出部133によって検出された回転子の回転速度と、に基づいて鉛バッテリ101の充電状態を測定し、測定結果に基づいて三相交流発電機110を制御することにより鉛バッテリ101を充電する。
また、制御部136は、スロットル開度センサ106によって検出されたスロットルバルブ15の開度、エンジン回転数検出部124によって検出されたエンジン回転数及びエンジン温度検出部135によって検出されたエンジン温度等に基づいて、アイドルストップ制御におけるエンジン1のアイドルストップの実行/不実行を決定する。
ここで、制御部136は、スタータスイッチ105がオン状態となってそれから送出されたエンジン1の始動指令信号を受けた場合、又は図示を省略するアクセル開度センサによって検出された車両のアクセル開度が所定開度以上になった場合に、三相交流発電機110の出力トルクをそれに印加する駆動制御信号のデューティを制御することにより、エンジン1のクランクシャフト7を回転させて、アイドルストップの実行時以外の通常時のエンジン1の始動、又はアイドルストップの実行時のエンジン1の再始動を制御する。この際、制御部136は、エンジン1を始動又は再始動させるために、エンジン1を逆回転で回転させてから正回転で回転させるように三相交流発電機110の出力トルクを制御する。具体的には、制御部136は、エンジン1を逆回転で回転させる際に、三相交流発電機110の出力トルクを、それに印加する駆動制御信号のデューティを制御することにより、逆回転の際の初期値から漸減させるように制御する。これにより、三相交流発電機110の回転位置、つまりエンジン1の回転位置を、エンジン1の始動時又は再始動時に最適な所定の停止位置に適切に設定することができ、その後に、エンジン1を確実に始動又は再始動することができる。また、この際、制御部136は、エンジン1の回転位置が所定の停止位置に到達するまで、エンジン1を逆回転で回転させると共に、エンジン1を逆回転で回転させる際に、三相交流発電機110の出力トルクを、エンジン1の回転位置が所定の停止位置に近づくにつれて、漸減させるように制御することが好ましい。これにより、エンジン1の回転位置を、エンジン1における始動時又は再始動時に最適な所定の停止位置により適切に設定することができる。なお、アイドルストップの実行時のエンジン1の再始動は、スロットル開度センサ106によって検出されたスロットルバルブ15の開度が所定開度以上となった場合に実行するようにしてもかまわない。
また、この際、制御部136は、エンジン1の回転位置の所定の停止位置として適用される回転位置として、典型的には三相交流発電機110の回転子の回転位置に基づき、エンジン1の動作サイクルの圧縮行程における典型的は圧縮上死点等のエンジン1の回転位置を検出する。なお、制御部136は、三相交流発電機110がエンジン1のクランクシャフト7の駆動を開始した際の所定の初期時間における鉛バッテリ101の電圧である第1の電圧と、かかる所定の初期期間よりも後の鉛バッテリ101の電圧である第2の電圧と、を比較することにより得られた比較結果に基づき、エンジン1の圧縮上死点等のエンジン1の回転位置を検出してもよい。
なお、制御部136は、エンジン1の回転位置の経時的な変化量が所定の変化量になるまで、エンジン1を逆回転で回転させ、エンジン1を逆回転で回転させる際に、三相交流発電機110の出力トルクを、エンジン1の回転位置の経時的な変化量が、エンジン1の回転位置が圧縮行程における典型的は圧縮上死点等の所定の回転位置になったことを示す所定の変化量に近づくにつれて、漸減するように制御してもよい。このような構成によれば、エンジン1の回転位置を、エンジン1の再始動時に最適な位置により適切に設定することができる。
また、制御部136は、エンジン1を逆回転で回転させる際に、三相交流発電機110の出力トルクを、エンジン温度検出部135によって検出されたエンジン温度に応じた大きさになるように制御してもよい。このような構成によれば、エンジン1の回転位置を、エンジン1の再始動時に最適な位置に、エンジン1の作動抵抗に影響する冷却水温や油温等のエンジン温度に応じて、より適切に設定することができる。
また、制御部136は、エンジン1を逆回転で回転させる際に、三相交流発電機110の出力トルクを、大気圧又は大気温度に応じた大きさになるように制御してもよい。このような構成によれば、エンジン1の回転位置を、エンジン1の再始動時に最適な位置に、エンジン1の吸入効率に影響するエンジン1の周囲の大気圧又は大気温度に応じて、より適切に設定することができる。
このような構成を有するエンジン始動制御装置100は、エンジン1のアイドルストップ状態からの再始動時に、以下に示す逆転デューティ制御処理を実行することにより、エンジン1の回転位置をエンジン1の再始動時に最適な位置に適切に設定する。以下、図3及び図4をも参照して、再始動時に逆転デューティ制御処理を実行する際のエンジン始動制御装置100の動作について説明する。
〔再始動時の逆転デューティ制御処理〕
図3は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置100の再始動時の動作の一例を示すフローチャートである。また、図4は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置100の再始動時の動作の一例を示すタイムチャートである。
図3に示すフローチャートは、スタータスイッチ105がオン状態となってそれから送出されたエンジン1の始動指令信号を受けたエンジン始動制御装置100が稼働したタイミングで開始となり、逆転デューティ制御処理はステップS11の処理に進む。
ステップS11の処理では、制御部136が、エンジン1のアイドルストップ制御処理におけるアイドルストップ実行用のアクセル開度、エンジン回転数や車速等の各種条件の判定処理が開始されたことに応じて(図4に示す時刻t=t1)、これに応じて各種条件が満足されたか否かを判別する。判別の結果、かかる各種条件が満足されていない場合(ステップS11:No)、制御部136は、エンジン1の逆回転動作は不要であると判断し、逆転デューティ制御処理をステップS16の処理に進める。一方、かかる各種条件が満足されている場合(図4に示す時刻t=t2)、制御部136は、エンジン1の逆回転動作が必要であると判断し(ステップS11:Yes)、逆転デューティ制御処理をステップS12の処理に進める。なお、逆転デューティ制御処理は、アイドルストップ制御処理と別の処理としてもよいし、アイドルストップ制御処理の中に組み込まれていてもよい。
ステップS12の処理では、制御部136が、逆転時の固定デューティ(例えば、図中では100%)で三相交流発電機110の出力トルクを制御することによってエンジン1を逆回転させることにより、クランクシャフト7の回転位置を所定の停止位置に近付けるように、つまり三相交流発電機110の回転位置(モータステージ)をエンジン1の圧縮上死点に対応したステージ20に近付けるように調整する(図4に示す時刻t=t3から時刻t=t4までの期間)。これにより、ステップS12の処理は完了し、逆転デューティ制御処理はステップS13の処理に進む。なお、三相交流発電機110の発電動作は、時刻t=t3から停止している。
ステップS13の処理では、制御部136が、回転位置検出部132によって、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する三相交流発電機110の回転子の回転位置に対して、三相交流発電機110の回転子の回転位置が接近し始めたか否かを判別する。判別の結果、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する回転子の回転位置に接近し始めたことが検出された場合(ステップS13:Yes)、制御部136は、逆転デューティ制御処理をステップS14の処理に進める。一方、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する回転子の回転位置に接近し始めたことが検出されていない場合には(ステップS13:No)、制御部136は、再度ステップS13の処理を実行する。ここで、 時刻t=t4の時点でモータステージのステージ20に対する三相交流発電機110の回転子の回転位置の偏差を示すモータステージ偏差の値が、−5から−4に増加して0に相対的に近づいており、このタイミングで、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する三相交流発電機110の回転子の回転位置に対して、三相交流発電機110の回転子の回転位置が接近し始めている。なお、
ステップS14の処理では、制御部136が、回転位置検出部132によって、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する三相交流発電機110の回転子の回転位置に、三相交流発電機110の回転子の回転位置が到達したか否かを判別する。判別の結果、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する回転子の回転位置到達したことが検出された場合(ステップS14:Yes)、制御部136は、逆転デューティ制御処理をステップS16の処理に進める。一方、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する回転子の回転位置に到達したことが検出されていない場合には(ステップS14:No)、制御部136は、逆転デューティ制御処理をステップS15の処理に進める。ここで、時刻t=t8の時点でモータステージのステージ20に対する三相交流発電機110の回転子の回転位置の偏差を示すモータステージ偏差の値が、−1から0に変化しており、このタイミングで、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する三相交流発電機110の回転子の回転位置に対して、三相交流発電機110の回転子の回転位置が到達している。
なお、ステップS12の処理でエンジン1を逆回転させる場合、クランクシャフト7の回転位置を所定の停止位置に近付ける、つまり三相交流発電機110の回転位置(モータステージ)をエンジン1の圧縮上死点に対応したステージ20に近付ける際に、エンジン1が一旦正回転に転じることが確実である場合には、ステップS14の処理では、上述したステップS14の処理内容ではなく、以下の処理内容を実行してもよい。つまり、制御部136が、エンジン回転数検出部134によって検出されたエンジン回転速度に基づいてエンジン1の正回転状態を検出する。判別の結果、エンジン1が正回転状態にある場合、制御部136は、逆転デューティ制御処理をステップS15の処理に進める。一方、エンジン1の正回転状態が検出されない場合には、制御部136は、逆転デューティ制御処理をステップS16の処理に進める。
ステップS15の処理では、制御部136が、所定時間ΔS毎にデューティを逆回転の際の初期値(図4に示す例では100%)から、所定値ΔDずつ減少させるように三相交流発電機110の出力トルクを制御することにより、クランクシャフト7の位置が所定の停止位置により近づいて最終的にはそれに到達するように微調整する(図4に示す時刻t=t4から時刻t=t8までの期間)。なお、制御部136は、エンジンの回転位置を、エンジンの再始動時に最適な位置により精度よく設定するように、モータステージ偏差の値の大小に応じて所定時間ΔSの長短を設定してもよいし、エンジン回転数の増減に応じて所定値ΔDの大小を設定してもよく、かかる所定時間ΔSや所定時間ΔSについては、予め設定してメモリに記憶しておいたものを読み出して用いてもよい。また、このように所定時間ΔS毎にデューティを減少させるのに代えて、かかる逆転デューティ制御処理におけるデューティの値をモータステージ偏差の値に応じて予め設定してメモリに記憶しておき、そのようにメモリに記憶しておいたものを読み出して用いてもよい。ここで、逆転デューティ制御処理中に、エンジン1は、圧縮上死点付近で燃焼室内の高まった気圧に起因して、逆回転から多少の正回転に転じる場合があるが(図4中では、時刻t=t4で逆回転から正解転に転じている)、このような逆回転中と正回転中とで、互いに異なるデューティの値をモータステージ偏差の値に応じて設定してもよい。これにより、ステップS15の処理は完了し、逆転デューティ制御処理はステップS16の処理に進む。
ステップS16の処理では、制御部136が、スロットル開度センサ106によって検出されたスロットル開度が所定開度以上であるか否かを判別することにより再始動要求があるか否かを判別する。判別の結果、スロットル開度が所定開度以上である場合(ステップS16:Yes)、制御部136は、再始動要求があると判断し、逆転デューティ制御処理をステップS17の処理に進める。一方、スロットル開度が所定開度未満である場合には(ステップS16:No)、制御部136は、再始動要求はないと判断し、再度ステップS16の処理を実行する。
ステップS17の処理では、制御部136が、通常始動時の固定デューティで三相交流発電機110の出力トルクを制御することによってエンジン1を正回転させる(図4に示す時刻t=t9以後)。これにより、ステップS17の処理は完了し、今回の一連の逆転デューティ制御処理は終了する。なお、三相交流発電機110の発電動作は、時刻t=t9以降で、エンジン1の通常始動時と同様に、発電動作を再開している。
本実施形態のエンジン始動制御装置100では、制御部136が、エンジン1を逆回転で回転させる際に、三相交流発電機110の出力トルクを、逆回転の際の初期値から漸減させるように制御するので、三相交流発電機110の回転位置、つまりエンジン1の回転位置を、エンジン1の再始動時に最適な位置に適切に設定することができ、その後に、エンジン1を再始動することができる。
また、本実施形態のエンジン始動制御装置100では、制御部136が、エンジン1の回転位置が所定の停止位置に到達するまで、エンジン1を逆回転で回転させ、エンジン1を逆回転で回転させる際に、三相交流発電機110の出力トルクを、エンジン1の回転位置が所定の停止位置に近づくにつれて、漸減させるように制御するので、エンジン1の回転位置を、エンジン1の再始動時に最適な位置により適切に設定することができる。
〔通常始動時の逆転デューティ制御処理〕
次に、図5及び図6をも参照して、アイドルストップの再始動時以外の通常始動時に逆転デューティ制御処理を実行する際のエンジン始動制御装置100の動作について説明する。本実施形態では、制御部136は、エンジン1を逆回転で回転させる際、通常始動時における三相交流発電機110の出力トルクの初期値と、再始動時における三相交流発電機110の出力トルクの初期値と、を互いに等しく設定する。
図5は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置100の通常始動時の動作の一例を示すフローチャートである。また、図6は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置100の通常始動時の動作の一例を示すタイムチャートである。
図5に示すフローチャートは、スタータスイッチ105がオン状態となってそれから送出されたエンジン1の始動指令信号を受けたエンジン始動制御装置100が稼働したタイミング(図6に示す例では時刻t=t11)で開始となり、逆転デューティ制御処理はステップS21の処理に進む。
ステップS21の処理では、制御部136が、再始動時の逆転デューティ制御処理におけるステップS12の処理と同様に、逆転時の固定デューティ(例えば、図中では100%)で三相交流発電機110の出力トルクを制御することによってエンジン1を逆回転させることにより、クランクシャフト7の回転位置を所定の停止位置に近付けるように、つまり三相交流発電機110の回転位置(モータステージ)をエンジン1の圧縮上死点に対応したステージ20に近付けるように調整する(図6に示す時刻t=t11から時刻t=t12までの期間)。この際、制御部136は、通常始動時の逆転デューティ制御処理における三相交流発電機110の出力トルクの初期値と、再始動時の逆転デューティ制御処理における三相交流発電機110の出力トルクの初期値と、を互いに等しく設定する。これにより、ステップS21の処理は完了し、逆転デューティ制御処理はステップS22の処理に進む。
ステップS22の処理では、制御部136が、再始動時の逆転デューティ制御処理におけるステップS14の処理と同様に、回転位置検出部132によって、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する三相交流発電機110の回転子の回転位置に、三相交流発電機110の回転子の回転位置が到達したか否かを判別する。判別の結果、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する回転子の回転位置到達したことが検出された場合(ステップS22:Yes)、制御部136は、逆転デューティ制御処理をステップS23の処理に進める。一方、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する回転子の回転位置に到達したことが検出されていない場合には(ステップS22:No)、制御部136は、再度ステップS22の処理を実行する。ここで、時刻t=t12の時点でモータステージのステージ20に対する三相交流発電機110の回転子の回転位置の偏差を示すモータステージ偏差の値が1から0に変化しており、このタイミングで、クランクシャフト7の所定の停止位置に対応する三相交流発電機110の回転子の回転位置に対して、三相交流発電機110の回転子の回転位置が到達している。
ステップS23の処理では、制御部136が、通常始動時の固定デューティで三相交流発電機110の出力トルクを制御することによってエンジン1を正回転させる(図6に示す時刻t=t13以後)。これにより、ステップS23の処理は完了し、一連の逆転デューティ制御処理は終了する。
本実施形態におけるエンジン始動制御装置100では、制御部136が、車両のスタータスイッチ105がオン状態にされることに応じて、エンジン1を始動させる第1の始動制御と、エンジン1のスロットル開度又は車両のアクセル開度が増大されることに応じて、エンジン1をアイドルストップ状態から再始動させる第2の始動制御と、を実行し、エンジン1を逆回転で回転させる際、第1の始動制御において得られる三相交流発電機110の出力トルクの初期値と、第2の始動制御において得られる三相交流発電機110の出力トルクの初期値と、を互いに等しく設定するので、始動時及び再始動時の制御を簡素化しながら、エンジン1の回転位置を、エンジン1の始動時又は再始動時に最適な位置に設定することができる。
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明は、エンジンの回転位置を、エンジンの始動時又は再始動時に適切に設定して、その後に、エンジンを始動又は再始動するエンジン始動制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動車に広く適用され得るものと期待される。
1…エンジン
2…シリンダブロック
3…冷却水通路
4…水温センサ
5…ピストン
6…コンロッド
7…クランクシャフト
8…クランク角センサ
9…シリンダヘッド
10…燃焼室
11…点火プラグ
12…吸気通路
13…吸気バルブ
14…燃料噴射弁
15…スロットルバルブ
16…排気通路
17…排気バルブ
100…エンジン始動制御装置
101…鉛バッテリ
102…負荷
103…位相センサ
105…スタータスイッチ
106…スロットル開度センサ
110…三相交流発電機
110a…U相のコイル
110b…V相のコイル
110c…W相のコイル
111a、111b、111c…接続端子
130…ECU(Electronic Control Unit)
131…AC(Alternate Current)/DC(Direct Current)コンバータ
131a、131b…U相のスイッチング素子
131c、131d…V相のスイッチング素子
131e、131f…W相のスイッチング素子
132…回転位置検出部
133…回転速度検出部
134…エンジン回転数検出部
135…エンジン温度検出部
136…制御部
EM…排気管
IM…吸気管

Claims (6)

  1. 車両のエンジンを始動させるために、前記エンジンを逆回転で回転させてから正回転で回転させることが可能なスタータモータの出力トルクを制御する制御部を備えるエンジン始動制御装置であって、
    前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、前記逆回転の際の初期値から漸減させるように制御することを特徴とするエンジン始動制御装置。
  2. 前記制御部は、前記エンジンの回転位置が所定の停止位置に到達するまで、前記エンジンを前記逆回転で回転させ、
    前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、前記エンジンの前記回転位置が前記所定の停止位置に近づくにつれて、漸減させるように制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御装置。
  3. 前記制御部は、前記エンジンの回転位置の変化量が所定の変化量になるまで、前記エンジンを前記逆回転で回転させ、
    前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、前記エンジンの前記回転位置の変化量が前記所定の変化量に近づくにつれて、漸減するように制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御装置。
  4. 前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、前記エンジンの温度に応じた大きさになるように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンジン始動制御装置。
  5. 前記制御部は、前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記スタータモータの前記出力トルクを、大気圧又は大気温度に応じた大きさになるように制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のエンジン始動制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記車両のスタータスイッチがオン状態にされることに応じて、前記エンジンを始動させる第1の始動制御と、
    前記エンジンのスロットル開度又は前記車両のアクセル開度が増大されることに応じて、前記エンジンをアイドルストップ状態から再始動させる第2の始動制御と、
    を実行し、
    前記エンジンを前記逆回転で回転させる際に、前記第1の始動制御において得られる前記スタータモータの前記出力トルクの初期値と、前記第2の始動制御において得られる前記スタータモータの前記出力トルクの初期値と、を互いに等しく設定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のエンジン始動制御装置。
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