JP5688871B2 - 金属膜形成方法及び該方法により得られる金属膜 - Google Patents

金属膜形成方法及び該方法により得られる金属膜 Download PDF

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Description

本発明は、高温で加熱することなく、金属コロイドを用いて金属膜を形成するための方法及び該方法により得られる金属膜に関するものである。
導電性を有する金属膜を形成する方法として、本出願人らは、所定の構造を有する金属コロイドを基材に塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドを有する基材を所定の雰囲気下、15〜450℃の温度で1〜60分間保持することによって得られる比抵抗1×10-3Ω・cm以下の導電膜付き基材を開示している(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開2006/001315号パンフレット(第97〜100頁段落[0223]〜[0226]、請求の範囲[27]、[69])
しかしながら、上記特許文献1に示される導電膜付き基材の製造方法では、300℃を越えるような高い温度で加熱して導電膜を得る場合、膜を形成する基材の材質が制限されるといった問題を有していた。
本発明の目的は、加熱のみによる膜形成に比べて、電気抵抗を大幅に低減した金属膜を形成できる、金属膜形成方法及び該方法により得られる金属膜を提供することにある。
本発明の別の目的は、低温での膜形成にも関わらず、金属コロイド中に含まれる、金属コロイド粒子を構成する金属そのものが有する電気抵抗に近い電気抵抗を有する金属膜を形成できる、金属膜形成方法及び該方法により得られる金属膜を提供することにある。
請求項1に係る発明は、金属塩としての塩化金酸をメタノールに溶解し、保護剤前駆体としての1−アミノ−2−プロパノールに還元剤としてのジメチルアミンボランを添加した液に前記塩化金酸のメタノール液を添加して混合溶液を調製し、前記混合溶液を攪拌しながら前記塩化金酸を還元して金属コロイド粒子としての金コロイド粒子を生成し、前記混合溶液を限外濾過法により脱塩した後、前記金コロイド粒子を水とメタノールの混合液に分散させて、TOF−SIMS分析したときにAuとCNからなるクラスターイオンが優勢に検出され、かつ金コロイド中の金コロイド粒子を構成する保護剤分子が窒素にてAu粒子表面に配位修飾し、前記保護剤は、分子中に窒素又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、一端を窒素をアンカーとして前記Au粒子表面に配位修飾し、他端をハイドロキシアルキル基であってコロイド最表面の保護剤末端部位である、金属コロイドとしての金コロイドを調製する工程と、前記金コロイドを基材としてのガラス基板表面にスピンコートにより、前記ガラス基板を回転させ、前記金コロイドを前記ガラス基板に滴下しながら塗布する工程と、前記金コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより前記塗布した金コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去する工程と、前記塗布した金コロイド中の分散媒を除去したガラス基板を金属粒子面に配位した保護剤を金属表面から離脱しやすくする紫外線照射熱処理を同時に行うことにより、前記ガラス基板表面に金属膜を形成する工程とを含み、前記紫外線照射熱処理を紫外線照射装置を用いて、70〜200℃の温度に保持しながら、照射量が、3000〜10000mJ/cm2の条件で行うことを特徴とする金属膜形成方法である。
請求項1に係る発明では、上記構造を有する金コロイドをガラス基板表面にスピンコートにより塗布し、塗布した金コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去した後、ガラス基板を70〜200℃の温度に保持しながら、紫外線照射装置を用いて照射量が3000〜10000mJ/cm2の紫外線を照射することにより、紫外線を照射せず加熱のみにより形成される金属膜に比べて、電気抵抗値を大幅に低減した金属膜を形成できる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、紫外線の波長が、254〜365nmである請求項1記載の金属膜形成方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金コロイド粒子の平均粒子径が、1〜60nmの範囲にある金属膜形成方法である。
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金コロイド粒子の形状が、球形、多角状又はアメーバ状を有する粒状粒子である金属膜形成方法である。
請求項に係る発明は、請求項1ないしいずれか1項に記載の金属膜形成方法により得られた金属膜である。
請求項に係る発明は、請求項に記載の金属膜を含む太陽電池である。
本発明の金属膜形成方法は、金属塩としての塩化金酸をメタノールに溶解し、保護剤前駆体としての1−アミノ−2−プロパノールに還元剤としてのジメチルアミンボランを添加した液に前記塩化金酸のメタノール液を添加して混合溶液を調製し、この混合溶液を攪拌しながら上記塩化金酸を還元して金属コロイド粒子としての金コロイド粒子を生成し、上記混合溶液を限外濾過法により脱塩した後、金コロイド粒子を水とメタノールの混合液に分散させて、TOF−SIMS分析したときにAuとCNからなるクラスターイオンが優勢に検出され、かつ金コロイド中の金コロイド粒子を構成する保護剤分子が窒素にてAu粒子表面に配位修飾している、金属コロイドとしての金コロイドを調製し、この金コロイドをガラス基板表面にスピンコートにより、前記ガラス基板を回転させ、前記金コロイドを前記ガラス基板に滴下しながら塗布し、塗布した金コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去した後、前記塗布した金コロイド中の分散媒を除去したガラス基板を紫外線照射熱処理を紫外線照射装置を用いて、70〜200℃の温度に保持しながら、照射量が、3000〜10000mJ/cm2の条件で行うことにより、即ち、紫外線照射と熱処理を同時に行うことにより、紫外線を照射せず加熱のみにより形成される金属膜に比べて、電気抵抗を大幅に低減した金属膜を形成できる。なお、紫外線の照射に、波長が、254〜365nmの範囲である紫外線を使用することにより有機物である金属粒子表面に配位した保護剤が金属表面から脱離しやすくなり、金属粒子同士が焼結しやすくなる。また、200℃以下と低温での加熱にも関わらず、金属コロイド中に含まれる金属コロイド粒子を構成する金属そのものが有する電気抵抗に近い電気抵抗を有する金属膜を形成できる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の方法において使用する金属コロイドは、金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させることにより形成される。金属コロイドを構成する金属コロイド粒子は、金属粒子と粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成される。また金属粒子表面に配位修飾した保護剤は、分子中に窒素又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、かつ窒素、酸素、窒素を含む原子団及び酸素を含む原子団からなる群より選ばれた1種又は2種以上をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有する。更に保護剤はハイドロキシアルキル基を分子構造に含む。
このように、金属膜を形成する金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤が分子中に窒素又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、かつ窒素、酸素、窒素を含む原子団及び酸素を含む原子団からなる群より選ばれた1種又は2種以上をアンカーとして金属粒子表面に強固に配位修飾した構造を有しているので、この金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドは極めて高い安定性が得られる。この結果、高濃度の金属コロイドとすることができ、粘度変化も少ない。また保護剤の分子構造中に含まれるハイドロキシアルキル基は反応性が高いため、あらゆる基材に対して化学結合をする。具体的には、図1に示すように、保護剤の一端がXで表される保護剤配位修飾部位をアンカーとして金属粒子(図1ではAu粒子)表面に結合することによって、金属粒子表面に対しては保護剤が強固に結合されるため、金属コロイド自体の安定性が得られる。また保護剤の他端に位置するRで表される保護剤末端部位がコロイド最表面となり、この保護剤末端部位を反応性の高いハイドロキシアルキル基としたため、基材との密着性に優れる。
保護剤がXで表される保護剤配位修飾部位をアンカーとして金属粒子表面に結合していることは、例えば,核磁気共鳴分析(Nuclear Magnetic Resonance;NMR)、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)、示差熱同時分析(Thermo Gravimetry-Differential Thermal Analysis;TG−DTA)、フーリエ変換赤外分光光度計(Fourier Tranceform Infrared Spectroscopy;FT−IR)、電子分光分析装置(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)、飛行時間型二次イオン質量分析(Time Of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry;TOF−SIMS)、X線小角散乱分析(Small Angle X-ray Scattering;SAXS)、可視紫外分光(visible,ultraviolet Spectroscopy)、ラマン分光(Surface Enhanced Raman Scattering;SERS)、X線吸収分光(X-ray Abs orption Fine Structure;XAFS)等の分析手段などによって確認することができる。上記分析手段により、保護剤がどのような元素又はどのような原子団によってアンカーされているかも確認することができる。
また、金属粒子同士は自発的に自己組織化して最密充填を行い、反応性の官能基との間で縮合反応する。従って、このような金属コロイド粒子を用いた金属コロイドを基材表面に塗布して得られる金属膜は強度が高く、粒子間で有機−無機ハイブリッドバルク化するものと考えられるため、反応しない保護剤からなる金属コロイド、もしくは反応性の低い保護剤からなる金属コロイドを用いて作製した金属コロイド含有塗膜形成物に比べると比較的膜強度が高い。
本発明の形成方法では、上記性質を有する金属コロイドを基材としてのガラス基板表面に塗布し、塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去した後、この基材を70〜200℃の温度に保持しながら、紫外線照射装置を用いて、照射量が、3000〜10000mJ/cm2の紫外線を照射することにより、即ち、紫外線照射と熱処理を同時に行うことにより、紫外線を照射せず加熱のみにより形成される金属膜に比べて、電気抵抗を大幅に低減した金属膜ができる。現時点ではその技術的理由は解明されていないが、紫外線照射装置を用いて、紫外線を照射することにより、有機物である金属粒子表面に配位した保護剤が金属表面から脱離しやすくなり、金属粒子同士が焼結しやすくなるためと推察される。また、200℃以下と低温での膜形成にも関わらず、金属コロイド中に含まれる金属コロイド粒子を構成する金属そのものが有する電気抵抗に近い電気抵抗を有する金属膜を形成できる。
本発明において使用する金属コロイドにおいて、金属コロイド粒子を構成する保護剤に含まれる窒素としては、アミノ基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれた少なくとも1種を由来とすることが好適である。また、金属コロイド粒子を構成する保護剤に含まれる酸素は、カルボニル基、カルボキシル基、アルデヒド基及びアミド基からなる群より選ばれた少なくとも1種を由来とすることが好適である。
金属コロイド粒子を構成する金属粒子の金属種としては、例えば、Au、Ag、Pt、Cu、Pd、Ni、Zn、Ru、Rh、In及びIrからなる群より選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。このうち、Auが特に好ましい。これらの金属粒子を生成させる金属化合物としては、塩化金酸、シアン化金カリウム、塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、シアン化銀、塩化白金酸、テトラクロロヘキサアミン白金、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、塩化イリジウム酸、塩化イリジウム、塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸銅、塩化亜鉛、塩化インジウムなどの金属塩を用いることができる。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、トリメチルアミンボラン、ジメチルアミンボラン、ターシャリーブチルアミンボラン、2級アミン、3級アミン、次亜リン酸塩、グリセリン、アルコール、過酸化水素、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルムアルデヒド水溶液、酒石酸塩、ブドウ糖、N−N−ジエチルグリシンナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ガス、硫酸第1鉄などを用いることができる。
金属コロイド粒子を構成する金属粒子の平均粒子径は1〜60nmの範囲内が好適である。また、金属コロイド粒子の形状は球状、多角状又はアメーバ状を有する粒状粒子である。特に、本発明で使用する金属コロイド粒子は、粒子径が例えば0.1〜60nmであるものは安定性に優れる。粒子径が60nmより大きいと自重によって自然沈降する現象が見られる。また粒子径が0.1nm未満では粒子の比表面積が大きくなりすぎ、有機物である保護剤の割合増え導電性が著しく悪くなる。
本発明において使用する金属コロイドは前述したように高い安定性を有するため高濃度とすることができる。従来の方法によって得られる金属コロイド濃度は概ね1重量%以下であるが、本発明において使用する金属コロイドは濃度10重量%以上の高濃度にすることができる。しかも、このような高濃度の金属コロイドにおいてもコロイド液が安定であり、前述したように粘度変化が小さい。例えば、金属粒子がAuを含む金属コロイドの場合、Au濃度は0.1〜95重量%の範囲内で安定であり、分散媒には有機溶剤でも水でも扱うことができる。金属コロイド中のAu濃度は、10〜60重量%の範囲内がより好ましい。
金属コロイド粒子の製造方法は特に限定されず、金属コロイド粒子に対する上記結合構造が得られる製造方法であれば良いが、具体的な製法の一例としては、非水系において、アミノアルコールと金属化合物とを混合し、還元剤の存在下で金属化合物を還元することによって、窒素をアンカーとして上記アミノアルコールからなる保護剤が金属粒子表面に結合した金属コロイド粒子を得ることができる。
本発明の金属膜の形成方法では、先ず、金属コロイドを基材に塗布、吹付け、印刷、吐出及び転写からなる群より選ばれた1種又は2種以上の方法により塗布する。塗布する方法としては、インクジェット方式、ディスペンサ方式、スクリーン印刷方式、反転印刷方式、スリットコート方式及びスプレー方式からなる群より選ばれた1種又は2種以上の方法が挙げられる。使用される基材としては、ガラスやプラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙、皮革などの材料が挙げられる。次いで、金属コロイドを塗布した基材を室温に保持することにより、塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去する。自然乾燥により金属コロイド中に含まれる分散媒を取り除くことによって、低抵抗の金属膜を形成しやすくする。
次に、塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去した基材を室温〜200℃の温度に保持しながら、照射量が、3000〜10000mJ/cm2の紫外線を照射することにより、前記基材表面に金属膜を形成する。室温で行う場合は、紫外線照射装置を用いて基材上の金属コロイドに紫外線を照射することで基材上に金属膜を形成する。室温よりも高い温度で行う場合には、金属コロイドを塗布した基材を、例えばホットプレートなどの加熱装置の上に載せて加熱し、基材及び金属コロイドを室温〜200℃の温度に保持しながら、紫外線照射装置を用いて基材上の金属コロイドに紫外線を照射して、基材上に金属膜を形成する。温度を200℃以下としたのは、200℃を越えても、金属コロイド中に含まれる金属コロイド粒子を構成する金属そのものに近い電気抵抗を有する金属膜を形成することはできるが、耐熱温度が200℃以下の基材への塗膜を形成することができないからである。また、温度を室温以上としたのは、室温に満たない温度では、形成される金属膜に所望の導電性が発現しないためである。紫外線の照射量を3000mJ/cm2以上としたのは、照射量が3000mJ/cm2未満になると、形成される金属膜に所望の導電性が発現しないからである。また紫外線の照射量を10000mJ/cm2以下としたのは、照射量が10000mJ/cm2を越えても、得られる金属の電気抵抗値はほとんど変わらないため生産性やコストの面で好ましくなく、また基材がプラスチックの場合、基材を痛める等の不具合が生じることがあるからである。このうち、20〜200℃の温度に保持しながら、照射量が、3000〜8000mJ/cm2の紫外線を照射することが好ましい。また、波長が254〜365nmの範囲である紫外線を照射することが好ましい。254nmより小さい波長の紫外線を照射しても、得られる金属の電気抵抗値はさほど変わらないため、生産性やコストの面で好ましくなく、365nmよりも大きい波長の紫外線を照射しても十分な効果が得られないからである。
本発明に係る形成方法により得られた本発明の金属膜は、金属コロイド中に含まれる金属コロイド粒子を構成する金属そのものが有する電気抵抗に近い電気抵抗を有する。具体的には7.5×10 -6 Ω・cm以下の低抵抗の金属膜となる。本発明の金属膜は、配線材として使用することができる。
また本発明の金属膜は、太陽電池の電極やモジュールのリード線に好適に用いることができる。本発明の金属膜を用いて形成される太陽電池は、簡便な低温雰囲気処理によって、金属そのものに近い電気抵抗値を有する金属膜により形成させるため、従来の塗布型の金属ペーストからなる金属膜では達成し得なかった低抵抗化膜を有するという点で優れている。
次に本発明の実施例及び参考例を比較例とともに詳しく説明する。以下に示す実施例1は実施例でなく参考例である。
<合成2〜23>
金属塩、保護剤前駆体、還元剤及び分散媒の種類を次の表1及び表2に示す化合物にそれぞれ変更した以外は、合成1と同様の方法により各種金属コロイドを得た。なお、表1及び表2中の保護剤前駆体の種類欄において、記号(A)〜(J)で示される化合物を表3に示す。
また,合成2〜23でそれぞれ得られた金属コロイド粒子の保護分子構造についてもN
MR、TOF−SIMS、FT−IR、SAXS、可視紫外分光、SERS、XAFS等
の各種分析手法を組み合わせて解析することにより確認した。
Figure 0005688871
Figure 0005688871
Figure 0005688871
<実施例1〜5>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、実施例1では室温において、ガラス基板上の金属コロイドに紫外線照射装置(ウシオ電気社製)を用いて照射量3000mJ/cm2の紫外線を照射することにより、ガラス基板上に金属膜を形成した。実施例2〜4では、ガラス基板をホットプレートに載せて、ガラス基板及び金属コロイドを、以下の表4に示す温度に保持しながら、実施例1と同じ装置を用いて、実施例1と同じ照射量の紫外線を照射することにより、ガラス基板上に金属膜を形成した。また実施例5,6では、紫外線の照射量のみ別条件とし、他の条件は実施例2と同じ条件とした。
<比較例1〜4>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、比較例1では紫外線を照射せずに、ガラス基板を室温に放置して金属膜を形成した。比較例2〜4では紫外線を照射せずに、ガラス基板をホットプレートに載せて、ガラス基板及び金属コロイドを以下の表4に示す温度に保持しながら、ガラス基板上に金属膜を形成した。
<比較例5,6>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、ガラス基板をホットプレートに載せて、ガラス基板及び金属コロイドを、実施例2と同じ温度に保持しながら、以下の表4に示すように、比較例5,6ともに、実施例と同じ装置を用いて照射量が1000mJ/cm2に満たない紫外線を照射することにより、ガラス基板上に金属膜を形成した。
<比較例7,8>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、ガラス基板をホットプレートに載せて、ガラス基板及び金属コロイドを、比較例7,8ともに200℃を越える温度に保持しながらガラス基板上に金属膜を形成した。このとき、比較例7では紫外線を照射せずに、比較例8では実施例と同じ装置を用いて実施例1〜4と同じ照射量の紫外線を照射した。
<比較例9>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、ガラス基板をホットプレートに載せて、ガラス基板及び金属コロイドを、実施例2と同じ温度に保持しながら、実施例と同じ装置を用いて、10000mJ/cm2を越える照射量の紫外線を照射することにより、ガラス基板上に金属膜を形成した。
<比較試験>
実施例1〜6及び比較例1〜9で得られた金属膜の電気抵抗値を測定した。その結果を表4に示す。また、このときの電気抵抗値と紫外線の照射量及び温度との関係を図2に示す。
Figure 0005688871
表4及び図2より明らかなように、実施例1〜5と比較例1〜4のそれぞれの温度で比較すると、紫外線を照射することにより、得られる金属膜の電気抵抗値が大幅に下がっており、紫外線を照射しながら膜形成することが効果的であることが確認された。同じ70℃で膜形成した実施例2と比較例5,6を比較すると、照射量3000mJ/cm2の紫外線を照射した実施例2の方が、照射量1000mJ/cm2未満の紫外線を照射した比較例5,6よりも、電気抵抗値が大幅に下がっており、照射量が1000mJ/cm2以上の紫外線を照射することが効果的であることが確認された。一方、同じ70℃で形成した実施例6と比較例9を比較すると、得られる金属膜の電気抵抗値の差はなかった。そのため生産性やコスト面を考え、照射量が10000mJ/cm2以下の紫外線を照射することが効果的であることが確認された。更に、同じ300℃で膜形成した比較例7と比較例8を比較すると、紫外線を照射していない比較例7と、照射量3000mJ/cm2の紫外線を照射した比較例8の電気抵抗値にはほとんど差が無く、紫外線照射による効果は200℃以下で膜形成する際に効果的であることが確認された。
本発明の金属コロイド粒子の模式図。 実施例1〜6及び比較例1〜9の金属膜形成における温度及び紫外線照射条件と金属膜の電気抵抗の関係を示す図。

Claims (6)

  1. 金属塩としての塩化金酸をメタノールに溶解し、保護剤前駆体としての1−アミノ−2−プロパノールに還元剤としてのジメチルアミンボランを添加した液に前記塩化金酸のメタノール液を添加して混合溶液を調製し、前記混合溶液を攪拌しながら前記塩化金酸を還元して金属コロイド粒子としての金コロイド粒子を生成し、前記混合溶液を限外濾過法により脱塩した後、前記金コロイド粒子を水とメタノールの混合液に分散させて、TOF−SIMS分析したときにAuとCNからなるクラスターイオンが優勢に検出され、かつ金コロイド中の金コロイド粒子を構成する保護剤分子が窒素にてAu粒子表面に配位修飾し、前記保護剤は、分子中に窒素又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、一端を窒素をアンカーとして前記Au粒子表面に配位修飾し、他端をハイドロキシアルキル基であってコロイド最表面の保護剤末端部位である、金属コロイドとしての金コロイドを調製する工程と、
    前記金コロイドを基材としてのガラス基板表面にスピンコートにより、前記ガラス基板を回転させ、前記金コロイドを前記ガラス基板に滴下しながら塗布する工程と、
    前記金コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより前記塗布した金コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去する工程と、
    前記塗布した金コロイド中の分散媒を除去したガラス基板を金属粒子面に配位した保護剤を金属表面から離脱しやすくする紫外線照射熱処理を同時に行うことにより、前記ガラス基板表面に金属膜を形成する工程と
    を含み、
    前記紫外線照射熱処理を紫外線照射装置を用いて、70〜200℃の温度に保持しながら、照射量が、3000〜10000mJ/cm2の条件で行うことを特徴とする金属膜形成方法。
  2. 紫外線の波長が、254〜365nmである請求項1記載の金属膜形成方法。
  3. 金コロイド粒子の平均粒子径が、1〜60nmの範囲にある請求項1記載の金属膜形成方法。
  4. 金コロイド粒子の形状が、球形、多角状又はアメーバ状を有する粒状粒子である請求項1記載の金属膜形成方法。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の金属膜形成方法により得られた金属膜。
  6. 請求項5記載の金属膜を含む太陽電池。
JP2008009309A 2007-01-19 2008-01-18 金属膜形成方法及び該方法により得られる金属膜 Expired - Fee Related JP5688871B2 (ja)

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