JP5157469B2 - 金属膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高温で加熱することなく、金属コロイドを用いて金属膜を形成するための方法に関するものである。
導電性を有する金属膜を形成する方法として、本出願人らは、所定の構造を有する金属コロイドを基材に塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドを有する基材を所定の雰囲気下、15〜450℃の温度で1〜60分間保持することによって得られる比抵抗1×10-3Ω・cm以下の導電膜付き基材を開示している(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開2006/001315号パンフレット(第97〜100頁段落[0223]〜[0226]、請求の範囲[27]、[69])
しかしながら、上記特許文献1に示される導電膜付き基材の製造方法では、300℃を越えるような高い温度で加熱して導電膜を得る場合、膜を形成する基材の材質が制限されるといった問題を有していた。
本発明の目的は、加熱のみによる膜形成に比べて、電気抵抗を大幅に低減した金属膜を形成できる、金属膜形成方法及び該方法により得られる金属膜を提供することにある。
本発明の別の目的は、低温での膜形成にも関わらず、金属コロイド中に含まれる、金属コロイド粒子を構成する金属そのものが有する電気抵抗に近い電気抵抗を有する金属膜を形成できる、金属膜形成方法及び該方法により得られる金属膜を提供することにある。
請求項1に係る発明は、金属コロイド粒子が金属粒子と粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成され、保護剤が分子中に窒素又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、かつ窒素、酸素、窒素を含む原子団及び酸素を含む原子団からなる群より選ばれた1種又は2種以上をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有し、保護剤がハイドロキシアルキル基を分子構造に含み、保護剤は2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、L−(−)−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−2−フェニル−1−プロパノール、(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノール、(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノール又は3−アミノ−1−プロパノールのいずれかを保護剤前駆体として形成され、金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させた金属コロイドを基材表面に塗布する工程と、塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去する工程と、基材を室温〜200℃の温度に保持しながら、濃度が、45100g/Nm3のオゾンを照射することにより基材表面に金属膜を形成する工程とを含むことを特徴とする金属膜形成方法である。
請求項1に係る発明では、上記構造を有する金属コロイドを基材表面に塗布し、塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去した後、基材を室温〜200℃の温度に保持しながら、濃度が、45100g/Nm3のオゾンを照射することにより、従来技術のような加熱のみにより形成される金属膜に比べて、電気抵抗値を大幅に低減した金属膜を形成できる。
求項に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金属コロイド粒子を構成する金属粒子が、Au、Ag、Pt、Cu、Pd、Ni、Zn、Ru、Rh、In及びIrからなる群より選ばれた1種又は2種以上である金属膜形成方法である。
請求項に係る発明は、請求項1又はに係る発明であって、金属コロイド粒子を構成する金属粒子が、Auである金属膜形成方法である。
請求項に係る発明は、請求項1又はに係る発明であって、金属コロイド粒子の平均粒子径が、1〜60nmの範囲にある金属膜形成方法である。
請求項に係る発明は、請求項1又はに係る発明であって、金属コロイド粒子の形状が、球形、多角状又はアメーバ状を有する粒状粒子である金属膜形成方法である。
請求項に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金属コロイドの基材への塗布方法が、塗布、吹付け、印刷、吐出及び転写のいずれか1種又は2種以上の方法である金属膜形成方法である。
請求項に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金属コロイドの基材への塗布方法が、インクジェット方式、ディスペンサ方式、スクリーン印刷方式、反転印刷方式、スリットコート方式及びスプレー方式からなる群より選ばれた1種又は2種以上の方法である金属膜形成方法である。
請求項に係る発明は、請求項1に係る発明であって、基材が、ガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる群より選ばれた材質である金属膜形成方法である。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8いずれか1項に係る発明であって、金属コロイドが、保護剤前駆体に還元剤を添加し、続いて金属塩を溶解させた溶液を投入して混合溶液を調製し、混合溶液を室温まで冷却した後、この混合溶液を脱塩することにより得られる金属膜形成方法である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明であって、金属塩が塩化金酸である金属膜形成方法である。
請求項11に係る発明は、請求項1ないし10いずれか1項に係る方法により金属膜を形成する工程を含む太陽電池の製造方法である。
本発明の金属膜形成方法は、金属コロイド粒子が金属粒子と粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成され、保護剤が分子中に窒素又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、かつ窒素、酸素、窒素を含む原子団及び酸素を含む原子団からなる群より選ばれた1種又は2種以上をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有し、保護剤がハイドロキシアルキル基を分子構造に含み、保護剤は2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、L−(−)−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−2−フェニル−1−プロパノール、(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノール、(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノール又は3−アミノ−1−プロパノールのいずれかを保護剤前駆体として形成され、金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させた金属コロイドを基材表面に塗布した後、塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去した後、基材を室温〜200℃の温度に保持しながら、濃度が、45100g/Nm3のオゾンを照射することにより、従来技術のような加熱のみにより形成される金属膜に比べて、電気抵抗を大幅に低減した金属膜を形成できる。また、200℃以下と低温での加熱にも関わらず、金属コロイド中に含まれる金属コロイド粒子を構成する金属そのものが有する電気抵抗に近い電気抵抗を有する金属膜を形成できる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の方法において使用する金属コロイドは、金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させることにより形成される。金属コロイドを構成する金属コロイド粒子は、金属粒子と粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成される。また金属粒子表面に配位修飾した保護剤は、分子中に窒素又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、かつ窒素、酸素、窒素を含む原子団及び酸素を含む原子団からなる群より選ばれた1種又は2種以上をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有する。更に保護剤はハイドロキシアルキル基を分子構造に含む。
このように、金属膜を形成する金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤が分子中に窒素又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、かつ窒素、酸素、窒素を含む原子団及び酸素を含む原子団からなる群より選ばれた1種又は2種以上をアンカーとして金属粒子表面に強固に配位修飾した構造を有しているので、この金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドは極めて高い安定性が得られる。この結果、高濃度の金属コロイドとすることができ、粘度変化も少ない。また保護剤の分子構造中に含まれるハイドロキシアルキル基は反応性が高いため、あらゆる基材に対して化学結合をする。具体的には、図1に示すように、保護剤の一端がXで表される保護剤配位修飾部位をアンカーとして金属粒子(図1ではAu粒子)表面に結合することによって、金属粒子表面に対しては保護剤が強固に結合されるため、金属コロイド自体の安定性が得られる。また保護剤の他端に位置するRで表される保護剤末端部位がコロイド最表面となり、この保護剤末端部位を反応性の高いハイドロキシアルキル基としたため、基材との密着性に優れる。
保護剤がXで表される保護剤配位修飾部位をアンカーとして金属粒子表面に結合していることは、例えば,核磁気共鳴分析(Nuclear Magnetic Resonance;NMR)、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)、示差熱同時分析(Thermo Gravimetry-Differential Thermal Analysis;TG−DTA)、フーリエ変換赤外分光光度計(Fourier Tranceform Infrared Spectroscopy;FT−IR)、電子分光分析装置(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)、飛行時間型二次イオン質量分析(Time Of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry;TOF−SIMS)、X線小角散乱分析(Small Angle X-ray Scattering;SAXS)、可視紫外分光(visible,ultraviolet Spectroscopy)、ラマン分光(Surface Enhanced Raman Scattering;SERS)、X線吸収分光(X-ray Abs orption Fine Structure;XAFS)等の分析手段などによって確認することができる。上記分析手段により、保護剤がどのような元素又はどのような原子団によってアンカーされているかも確認することができる。
また、金属粒子同士は自発的に自己組織化して最密充填を行い、反応性の官能基との間で縮合反応する。従って、このような金属コロイド粒子を用いた金属コロイドを基材表面に塗布して得られる金属膜は強度が高く、粒子間で有機−無機ハイブリッドバルク化するものと考えられるため、反応しない保護剤からなる金属コロイド、もしくは反応性の低い保護剤からなる金属コロイドを用いて作製した金属コロイド含有塗膜形成物に比べると比較的膜強度が高い。
本発明の形成方法では、上記性質を有する金属コロイドを基材表面に塗布し、塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去した後、この基材を室温〜200℃の温度に保持しながら、濃度が、45100g/Nm3のオゾンを照射することにより、従来技術のような加熱のみにより形成される金属膜に比べて、電気抵抗を大幅に低減した金属膜ができる。現時点ではその技術的理由は解明されていないが、オゾン照射することにより、有機物である金属粒子表面に配位した保護剤が金属表面から脱離しやすくなり、金属粒子同士が焼結しやすくなるためと推察される。また、200℃以下と低温での膜形成にも関わらず、金属コロイド中に含まれる金属コロイド粒子を構成する金属そのものが有する電気抵抗に近い電気抵抗を有する金属膜を形成できる。
本発明において使用する金属コロイドにおいて、金属コロイド粒子を構成する保護剤に含まれる窒素としては、アミノ基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれた少なくとも1種を由来とすることが好適である。また、金属コロイド粒子を構成する保護剤に含まれる酸素は、カルボニル基、カルボキシル基、アルデヒド基及びアミド基からなる群より選ばれた少なくとも1種を由来とすることが好適である。
金属コロイド粒子を構成する金属粒子の金属種としては、例えば、Au、Ag、Pt、Cu、Pd、Ni、Zn、Ru、Rh、In及びIrからなる群より選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。このうち、Auが特に好ましい。これらの金属粒子を生成させる金属化合物としては、塩化金酸、シアン化金カリウム、塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、シアン化銀、塩化白金酸、テトラクロロヘキサアミン白金、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、塩化イリジウム酸、塩化イリジウム、塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸銅、塩化亜鉛、塩化インジウムなどの金属塩を用いることができる。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、トリメチルアミンボラン、ジメチルアミンボラン、ターシャリーブチルアミンボラン、2級アミン、3級アミン、次亜リン酸塩、グリセリン、アルコール、過酸化水素、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルムアルデヒド水溶液、酒石酸塩、ブドウ糖、N−N−ジエチルグリシンナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ガス、硫酸第1鉄などを用いることができる。
金属コロイド粒子を構成する金属粒子の平均粒子径は1〜60nmの範囲内が好適である。また、金属コロイド粒子の形状は球状、多角状又はアメーバ状を有する粒状粒子である。特に、本発明で使用する金属コロイド粒子は、粒子径が例えば0.1〜60nmであるものは安定性に優れる。粒子径が60nmより大きいと自重によって自然沈降する現象が見られる。また粒子径が0.1nm未満では粒子の比表面積が大きくなりすぎ、有機物である保護剤の割合が増え導電性が著しく悪くなる。
本発明において使用する金属コロイドは前述したように高い安定性を有するため高濃度とすることができる。従来の方法によって得られる金属コロイド濃度は概ね1重量%以下であるが、本発明において使用する金属コロイドは濃度10重量%以上の高濃度にすることができる。しかも、このような高濃度の金属コロイドにおいてもコロイド液が安定であり、前述したように粘度変化が小さい。例えば、金属粒子がAuを含む金属コロイドの場合、Au濃度は0.1〜95重量%の範囲内で安定であり、分散媒には有機溶剤でも水でも扱うことができる。金属コロイド中のAu濃度は、10〜60重量%の範囲内がより好ましい。
金属コロイド粒子の製造方法は特に限定されず、金属コロイド粒子に対する上記結合構造が得られる製造方法であれば良いが、具体的な製法の一例としては、非水系において、アミノアルコールと金属化合物とを混合し、還元剤の存在下で金属化合物を還元することによって、窒素をアンカーとして上記アミノアルコールからなる保護剤が金属粒子表面に結合した金属コロイド粒子を得ることができる。
本発明の金属膜の形成方法では、先ず、金属コロイドを基材に塗布、吹付け、印刷、吐出及び転写からなる群より選ばれた1種又は2種以上の方法により塗布する。塗布する方法としては、インクジェット方式、ディスペンサ方式、スクリーン印刷方式、反転印刷方式、スリットコート方式及びスプレー方式からなる群より選ばれた1種又は2種以上の方法が挙げられる。使用される基材としては、ガラスやプラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙、皮革などの材料が挙げられる。次いで、金属コロイドを塗布した基材を室温に保持することにより、塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去する。自然乾燥により金属コロイド中に含まれる分散媒を取り除くことによって、低抵抗の金属膜を形成しやすくする。
次に、塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去した基材を室温〜200℃の温度に保持しながら、濃度が、45100g/Nm3のオゾンを照射し、前記基材表面に金属膜を形成する。照射方法については、特に限定されるものではない。例えば、室温よりも高い温度で行う場合には、ホットプレートの上に基材を乗せて加熱し、温度を一定に保ちながら、オゾン照射装置(日本オゾン社製)により金属コロイドにオゾンガスを噴射させて金属膜を形成する。このとき、室温で行う場合には、ホットプレートなどの加熱装置で加熱する必要はない。また、オゾン発生器などを用いて、密閉した空間に一定濃度のオゾンガス雰囲気を作り出し、このオゾンガス雰囲気の下で金属膜を形成しても良い。温度を200℃以下としたのは、200℃を越えても、金属コロイド中に含まれる金属コロイド粒子を構成する金属そのものに近い電気抵抗を有する金属膜を形成することはできるが、耐熱温度が200℃に満たない基材への塗膜ができないからである。また、温度を室温以上としたのは、室温に満たない温度では、形成される金属膜に所望の導電性が発現しないためである。オゾンの濃度を45g/Nm3以上としたのは、濃度が45g/Nm3未満では、形成される金属膜に所望の導電性が発現しないからである。またオゾンの濃度を100g/Nm3以下としたのは、オゾンの濃度が100g/Nm3を越えても、得られる金属膜の電気抵抗値はさほど変わらないため生産性やコストの面で好ましくない
本発明に係る形成方法により得られた本発明の金属膜は、金属コロイド中に含まれる金属コロイド粒子を構成する金属そのものが有する電気抵抗に近い電気抵抗を有する。具体的には1×10-3Ω・cm以下の低抵抗の金属膜となる。本発明の金属膜は、配線材として使用することができる。
また本発明の金属膜は、太陽電池の電極やモジュールのリード線に好適に用いることができる。本発明の金属膜を用いて形成される太陽電池は、簡便な低温雰囲気処理によって、金属そのものに近い電気抵抗値を有する金属膜により形成させるため、従来の塗布型の金属ペーストからなる金属膜では達成し得なかった低抵抗化膜を有するという点で優れている。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<合成1>
金属塩として塩化金酸を、保護剤前駆体として2−アミノエタノールを、還元剤としてジメチルアミンボランをそれぞれ用意した。先ず、2−アミノエタノール5.00gにジメチルアミンボランを適量添加した。また、金属濃度が4.0重量%になるように塩化金酸を溶解したメタノール液を徐々に投入して混合溶液を調製した。この混合溶液の調製は60℃に保温し、混合溶液をマグネチックスターラーで攪拌しながら行い、金属コロイド粒子が生成して赤色を呈するまで還元反応させた。次に、還元反応を終えた混合溶液を室温にまで冷却し、冷却後、混合溶液を限外濾過法により脱塩を行い、水を分散媒とした金属コロイドを得た。この金属コロイドに水に適宜添加して濃度を調製し、金属コロイド粒子を水に分散させた濃度50重量%金属コロイドを得た。
得られた金属コロイドをTOF−SIMS分析したところ、AuとCNからなるクラスターイオンが優勢に検出された。更に、NMR(C,H)により分析した結果を併せることにより、金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤分子は、窒素にてAu粒子表面に配位修飾していることが判った。
<合成2〜23>
金属塩、保護剤前駆体、還元剤及び分散媒の種類を次の表1及び表2に示す化合物にそれぞれ変更した以外は、合成1と同様の方法により各種金属コロイドを得た。なお、表1及び表2中の保護剤前駆体の種類欄において、記号(A)〜(J)で示される化合物を表3に示す。
また,合成2〜23でそれぞれ得られた金属コロイド粒子の保護分子構造についてもN
MR、TOF−SIMS、FT−IR、SAXS、可視紫外分光、SERS、XAFS等
の各種分析手法を組み合わせて解析することにより確認した。
Figure 0005157469
Figure 0005157469
Figure 0005157469
<実施例1〜5>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、以下の表4に示す条件において、実施例1では、室温でオゾン照射装置(日本オゾン社製)により、オゾンを照射してガラス基板上に金属膜を形成した。実施例2〜4では、ガラス基板をホットプレートの上に載せ、実施例1と同じ装置によりオゾンを照射してガラス基板上に金属膜を形成した。実施例5では、オゾン濃度については実施例1〜4とは別の条件で、温度については実施例2と同じ条件で行った。
<比較例1〜4>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、以下の表4に示す条件において、比較例1ではオゾンの照射を行わず、ガラス基板を室温に放置して金属膜を形成した。比較例2〜4では比較例1と同様、オゾンの照射を行わず、ガラス基板をホットプレートの上に載せて、ガラス基板上に金属膜を形成した。
<比較例5,6>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、以下の表4に示す条件において、ガラス基板をホットプレートの上に載せ、実施例と同じ装置によりオゾンを照射してガラス基板上に金属膜を形成した。このときのオゾンの濃度は、比較例5,6共に5g/Nm3に満たない濃度とし、温度については、比較例5,6ともに200℃を越える温度とした。
<比較例7,8>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、以下の表4に示す条件において、ガラス基板をホットプレートの上に載せ、比較例7ではオゾンの照射は行わず、比較例8では実施例と同じ装置を使用し、オゾンを照射してガラス基板上に金属膜を形成した。また、このときの比較例8におけるオゾン濃度については、実施例1〜4と同じ条件とし、温度は比較例7,8ともに200℃を越える温度とした。
<比較例9>
先ず、基材として、20mm×20mm×1mm厚のガラス基板を用意し、このガラス基板表面に、合成9で得られた50重量%濃度の金属コロイドをスピンコート法により塗膜した。スピンコートは、ガラス基板を1000rpmの回転速度で回転させ、金属コロイドを基板に滴下しながら1分間回転し続けることにより行った。次いで、金属コロイドを塗布したガラス基板を室温に保持することにより自然乾燥して金属コロイド中の分散媒を除去した。次に、以下の表4に示す条件において、ガラス基板をホットプレートの上に載せ、実施例と同じ装置を用いて,200g/Nm3を越える濃度のオゾンを照射してガラス基板上に金属膜を形成した。このときの温度は実施例2と同じ条件とした。
<評価>
実施例1〜5、及び比較例1〜9で得られた金属膜について電気抵抗値を測定した。その結果を表4に示す。また、この電気抵抗値と温度との関係を図2に示す。
Figure 0005157469
表4及び図2より明らかなように、実施例1〜5と比較例1〜4のそれぞれの温度で比較すると、オゾンを照射することにより、得られる金属膜の電気抵抗値が大幅に下がっており、オゾンを照射して膜形成することが効果的であることが確認された。これに対し、比較例2と比較例5,6を比較すると、得られる金属膜の電気抵抗値にはほとんど差がなかった。このことから、45g/Nm3に満たない濃度のオゾンを照射してもほとんど効果は得られず、濃度が45g/Nm3以上のオゾンを照射することが効果的であることが判った。また、温度条件が同じ70℃である実施例5と比較例9を比較すると、得られる金属膜の電気抵抗値の差はなかった。そのため、生産性やコスト面を考え、濃度が100g/Nm3以下のオゾンを照射することが効果的であることが確認された。更に、温度条件が同じ300℃である比較例7と比較例8を比較すると、オゾンを照射していない比較例7と、オゾンを照射した比較例8の電気抵抗値にはほとんど差が無く、オゾンの照射による効果は200℃以下で膜形成する際に効果的であることが確認された。
本発明の金属コロイド粒子の模式図。 実施例1〜5及び比較例1〜9の金属膜形成における温度及びオゾンの照射条件と金属膜の電気抵抗の関係を示す図。

Claims (11)

  1. 金属コロイド粒子が金属粒子と前記粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成され、前記保護剤が分子中に窒素又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、かつ前記窒素、酸素、窒素を含む原子団及び酸素を含む原子団からなる群より選ばれた1種又は2種以上をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有し、
    前記保護剤がハイドロキシアルキル基を分子構造に含み、
    前記保護剤は2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、L−(−)−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−2−フェニル−1−プロパノール、(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノール、(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノール又は3−アミノ−1−プロパノールのいずれかを保護剤前駆体として形成され、
    前記金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させた金属コロイドを基材表面に塗布する工程と、
    前記金属コロイドを塗布した基材を室温に保持することにより前記塗布した金属コロイド中の分散媒を自然乾燥により除去する工程と、
    前記塗布した金属コロイド中の分散媒を除去した基材を室温〜200℃の温度に保持しながら、濃度が、45100g/Nm3のオゾンを照射することにより前記基材表面に金属膜を形成する工程と
    を含むことを特徴とする金属膜形成方法。
  2. 前記金属コロイド粒子を構成する金属粒子が、Au、Ag、Pt、Cu、Pd、Ni、Zn、Ru、Rh、In及びIrからなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項1記載の金属膜形成方法。
  3. 前記金属コロイド粒子を構成する金属粒子が、Auである請求項1又は記載の金属膜形成方法。
  4. 前記金属コロイド粒子の平均粒子径が、1〜60nmの範囲にある請求項1又は記載の金属膜形成方法。
  5. 前記金属コロイド粒子の形状が、球形、多角状又はアメーバ状を有する粒状粒子である請求項1又は記載の金属膜形成方法。
  6. 前記金属コロイドの前記基材への塗布方法が、塗布、吹付け、印刷、吐出及び転写からなる群より選ばれた1又は2以上の方法である請求項1記載の金属膜形成方法。
  7. 前記金属コロイドの前記基材への塗布方法が、インクジェット方式、ディスペンサ方式、スクリーン印刷方式、反転印刷方式、スリットコート方式及びスプレー方式からなる群より選ばれた1又は2以上の方法である請求項1記載の金属膜形成方法。
  8. 前記基材が、ガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる群より選ばれた材質である請求項1記載の金属膜形成方法。
  9. 前記金属コロイドが、前記保護剤前駆体に還元剤を添加し、続いて金属塩を溶解させた溶液を投入して混合溶液を調製し、前記混合溶液を室温まで冷却した後、この混合溶液を脱塩することにより得られる請求項1ないし8いずれか1項に記載の金属膜形成方法。
  10. 前記金属塩が塩化金酸である請求項9記載の金属膜形成方法。
  11. 請求項1ないし10いずれか1項に記載の方法により金属膜を形成する工程を含む太陽電池の製造方法
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