JP4282630B2 - 安定性の良い金属コロイドとその用途 - Google Patents
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Description
しかし、この方法で用いるアミノ基含有シランは原料の塩化金酸からのコロイド生成を促進させるために用いられており、保護剤として用いているわけではない。また、この方法は熱処理によってコロイド化させるために、温度によって生成するコロイドの性状が異なり、安定した透過吸収性能を得ることができず、しかも、アルコキシド中に原料から混入する酸等によってゾルゲル液の加水分解が早まり液の寿命が短くなる傾向があり、さらに液が不安定である。
この問題を改善するために、金属コロイドに高分子バインダ等を添加した場合は、ナノサイズの金属粒子が表面プラズマ共鳴によるプラズモン発色(SPR:Surface Plasma)を生じ、赤から赤紫色に着色されてしまうため、黄金光沢は発現しない。
本発明の別の目的は、様々な基材上に容易に金属鏡面光沢領域を形成できる金属コロイドとその用途を提供することにある。
保護剤が硫黄又は硫黄と酸素の原子又は原子団をアンカーとして金属粒子表面に対して強固に結合しているため、高い安定性が得られる。また保護剤の分子構造中に含まれるシラノール基及びハイドロキシアルキル基は反応性が高く、あらゆる基材に対して化学結合をする。また、金属粒子同士は自発的に自己組織化して最密充填を行い、反応性の官能基との間で縮合反応する。従って、請求項1に係る金属コロイド粒子を用いた金属コロイドを基材表面に塗布又は吹付けて得られる塗布膜は強度が高く、粒子間で有機−無機ハイブリッドバルク化するものと考えられる。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、保護剤に含まれる酸素がスルホニル基を由来とする金属コロイド粒子である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に係る発明であって、保護剤に含まれるハイドロキシアルキル基がキレート剤によってキレート配位している金属コロイド粒子である。
請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金属コロイド粒子を構成する金属粒子がAu、Ag、Pt、Cu、Pd、Ni、Zn、Ru、Rh及びIrからなる群より選ばれた1種又は2種以上である金属コロイド粒子である。
請求項7に係る発明は、請求項5に係る発明であって、金属コロイド粒子を構成する金属粒子がAuであり、平均粒子径が1〜60nmの範囲である金属コロイド粒子である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれか1項に係る発明であって、金属コロイド粒子の形状が球状、多角状又はアメーバ状を有する粒状粒子である金属コロイド粒子である。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8いずれか1項に係る発明であって、加熱基準温度下での色調の変化が2%以下である金属コロイド粒子である。
請求項11に係る発明は、請求項1ないし9いずれか1項に係る発明であって、Au粒子を主成分とし、Au粒子以外に不純物としてAg粒子及びCu粒子をそれぞれ含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてAg及びCuをそれぞれ含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であり、不純物中に含まれるAg含有量が不純物100重量%に対して40〜60重量%であるとき、金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がイエローゴールドの色調を呈する金属コロイド粒子である。
請求項12に係る発明は、請求項1ないし9いずれか1項に係る発明であって、Au粒子を主成分とし、Au粒子以外に不純物としてAg粒子及びCu粒子をそれぞれ含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてAg及びCuをそれぞれ含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であり、不純物中に含まれるAg含有量が不純物100重量%に対して65重量%以上であるとき、金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がグリーンゴールドの色調を呈する金属コロイド粒子である。
請求項13に係る発明は、請求項1ないし9いずれか1項に係る発明であって、Au粒子を主成分とし、Au粒子以外に不純物としてAg粒子及びCu粒子をそれぞれ含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてAg及びCuをそれぞれ含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であり、不純物中に含まれるAg含有量が不純物100重量%に対して30重量%以下であるとき、金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がレッドゴールドの色調を呈する金属コロイド粒子である。
請求項14に係る発明は、請求項1ないし9いずれか1項に係る発明であって、Au粒子を主成分とし、Au粒子以外に不純物としてAg粒子、Cu粒子及びPd粒子をそれぞれ含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてAg、Cu及びPdをそれぞれ含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であり、不純物中に含まれるAg含有量が不純物100重量%に対して30重量%以下であるとき、金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がピンクゴールドの色調を呈する金属コロイド粒子である。
請求項15に係る発明は、請求項1ないし9いずれか1項に係る発明であって、Au粒子を主成分とし、Au粒子以外に不純物としてPd粒子を含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてPdを含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であるとき、金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がホワイトゴールドの色調を呈する金属コロイド粒子である。
請求項17に係る発明は、請求項1ないし15いずれか1項に記載の金属コロイド粒子をゾルゲル溶液に所定の割合で混合させたことを特徴とする金属コロイドである。
請求項18に係る発明は、請求項17に係る発明であって、上記ゾルゲル溶液がシリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化タンタル及び酸化ニオブからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を形成する溶液である金属コロイドである。
請求項20に係る発明は、請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドを基材表面に塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成したことを特徴とする金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項21に係る発明は、請求項20に係る発明であって、基材がガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる群より選ばれた材質である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項22に係る発明は、請求項20又は21に係る発明であって、基材が人工爪、天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、小物袋、カード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物及び額縁からなる群より選ばれた材質である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項23に係る発明は、請求項22に係る発明であって、基材が宝飾品であって、宝飾品が貴金属粘土から作製された金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項24に係る発明は、請求項20ないし23いずれか1項に係る発明であって、金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含む金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項25に係る発明は、請求項24に係る発明であって、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項27に係る発明は、基材表面に形成した請求項19記載の金属コロイド薄膜をフィルター層とするカラーフィルターである。
請求項28に係る発明は、請求項19記載の金属コロイド薄膜を透明基材表面に有するディスプレイパネルである。
請求項30に係る発明は、請求項29に係る発明であって、金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を金属コロイド含有塗膜中に含む転写シートである。
請求項31に係る発明は、請求項30に係る発明であって、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである転写シートである。
請求項33に係る発明は、請求項32に係る発明であって、転写を施す基材が、ガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる材料群から選ばれた材質である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項34に係る発明は、請求項32又は33に係る発明であって、基材が人工爪、天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、小物袋、カード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物及び額縁からなる群より選ばれた材質である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項36に係る発明は、請求項32ないし35いずれか1項に係る発明であって、金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含む金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項37に係る発明は、請求項36に係る発明であって、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項39に係る発明は、請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドをインクとして充填したペン、筆ペン、ペン用カートリッジ又はディスポーザブルアンプルである。
請求項40に係る発明は、請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドをインクとして含浸したスタンプ台又は印鑑台である。
請求項41に係る発明は、請求項40記載のスタンプ台又は印鑑台に含浸したインクを用いて描画された描画体である。
請求項42に係る発明は、請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドをインクとしてインクジェットプリンタを用いて描画された描画体である。
本発明の金属コロイド粒子は、水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させ金属コロイドを形成する金属コロイド粒子の改良である。その特徴ある構成は、金属コロイド粒子が金属粒子と粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成され、保護剤が分子中に硫黄又は酸素のいずれか一方又はその双方を含む炭素骨格を有し、かつ硫黄又は酸素のいずれか一方又はその双方の原子又は原子団をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有し、保護剤がアルコキシシリル基、シラノール基及びハイドロキシアルキル基からなる群より選ばれた1種又は2種以上の官能基を分子構造に含むところにある。保護剤が硫黄又は酸素のいずれか一方又はその双方の原子又は原子団をアンカーとして金属粒子表面に対して強固に結合しているため、高い安定性が得られる。また保護剤の分子構造中に含まれるアルコキシシリル基、シラノール基及びハイドロキシアルキル基は反応性が高く、あらゆる基材に対して化学結合をする。また、金属粒子同士は自発的に自己組織化して最密充填を行い、反応性の官能基との間で縮合反応する。従って、本発明の金属コロイド粒子を用いた金属コロイドを基材表面に塗布して得られる塗布膜は強度が高く、粒子間で有機−無機ハイブリッドバルク化するものと考えられる。
このイエローゴールドの色調を呈する金属コロイド粒子としては、Auを主成分とし、不純物としてAg及びCuをそれぞれ含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子でも同様のイエローゴールドの色調を呈することができる。また、上記Au粒子を主成分とし、Au粒子以外に不純物としてAg粒子及びCu粒子をそれぞれ含む金属コロイド粒子と上記合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子の双方を混合した金属コロイド粒子を用いても同様のイエローゴールドの色調を呈することができる。
L*=116(Y/Y0)1/3−16 …(1)
a*=500[(X/X0)1/3−(Y/Y0)1/3] …(2)
b*=200[(Y/Y0)1/3−(Z/Z0)1/3] …(3)
但し、X/X0,Y/Y0,Z/Z0>0.008856であり、X,Y,Zは物体色の三刺激値であり、X0,Y0,Z0は物体色を照明する光源の三刺激値でY0=100に基準化されている。
また、本発明の金属コロイドをインクとして含浸したスタンプ台及び印鑑台とすることができる。更に、これらのスタンプ台又は印鑑台に含浸したインクを用いて描画された描画体や、本発明の金属コロイドをインクとしてインクジェットプリンタを用いて描画された描画体などとしても利用することができる。
<合成1>
金属塩として塩化金酸を、保護剤前駆体としてγ-メルカプトプロピルトリメトキシシランを、還元剤としてジメチルアミンボランをそれぞれ用意した。先ず、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン9.00gにジメチルアミンボランを適量添加した。また、金属濃度が4.0重量%になるように塩化金酸を溶解したメタノール液を徐々に投入して混合溶液を調製した。この混合溶液の調製は60℃に保温し、混合溶液をマグネチックスターラーで攪拌しながら行い、金属コロイド粒子が生成して赤色を呈するまで還元反応させた。次に、還元反応を終えた混合溶液を室温にまで冷却し、冷却後、混合溶液を限外濾過法により脱塩を行い、水を分散媒とした金属コロイドを得た。この金属コロイドに水に適宜添加して濃度を調節し、金属コロイド粒子を水に分散させた濃度50重量%の金属コロイドを得た。
保管容器に入れた金属コロイドの写真を図2に、透過電子顕微鏡(TEM)により撮影した金属コロイド粒子の写真を図3にそれぞれ示す。また、得られた金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤分子についてTOF−SIMS分析を行った。TOF−SIMS分析によりAuとCSからなるクラスターイオンが優勢に検出された。更に、NMR(C,H)の分析結果を併せることにより、保護剤分子は硫黄によってAu粒子表面に配位修飾していることが判った。
金属塩として塩化金酸を、保護剤前駆体としてγ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-アミノエタノール及びアセチルアセトンを、還元剤としてジメチルアミンボランをそれぞれ用意した。先ず、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.00gと2-アミノエタノール5.00gとアセチルアセトン12.00gを混合し、この混合液にジメチルアミンボランを適量添加した。また、金属濃度が4.0重量%になるように塩化金酸を溶解したメタノール液を徐々に投入して混合溶液を調製した。この混合溶液の調製は60℃に保温し、混合溶液をマグネチックスターラーで攪拌しながら行い、金属コロイド粒子が生成して赤色を呈するまで還元反応させた。次に、還元反応を終えた混合溶液を室温にまで冷却し、冷却後、混合溶液を限外濾過法により脱塩を行い、水を分散媒とした金属コロイドを得た。この金属コロイドに水に適宜添加して濃度を調節し、金属コロイド粒子を水に分散させた濃度50重量%の金属コロイドを得た。
得られた金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤分子についてTOF-SIMS分析を行った。TOF-SIMS分析により、AuとCS、AuとCN、もしくはAuとCOからなるクラスターイオンが優勢に検出された。更に、NMR(C,H)の分析結果を併せることにより、保護剤分子は硫黄、窒素及び酸素によってAu粒子表面に配位修飾していることが判った。
金属塩、保護剤前駆体、還元剤及び分散媒の種類を次の表1及び表2に示す化合物にそれぞれ変更した以外は、合成1と同様にして各種金属コロイドを得た。なお、表1及び表2中の保護剤前駆体の種類欄において、記号(A)〜(H)で示される化合物を表3に示す。
合成1において製造した金属コロイドを実施例1の濃度50重量%の水媒体からなる金属コロイドとした。
<比較例1>
先ず、金属塩として塩化金酸を、保護前駆体としてγ-アミノプロピルトリエトキシシランを、還元剤としてジメチルアミンボランを用意した。
γ-アミノプロピルトリエトキシシラン9.00g並びに金メタル換算濃度で4.0重量%になるように塩化金酸を溶解したメタノール液を添加した。続いて還元剤であるジメチルアミンボランを金属コロイド粒子が生成して赤色を呈するまで適量添加した。その時の温度は60℃で保温し、マグネチックスターラーで攪拌しながら進めた。冷却後は限外濾過法によって脱塩し、濃度50重量%の水媒体からなる金属コロイド液を得た。
この金属コロイド液を用いて和紙に書いた文字には金本来の持つ色調と金属光沢が現れ、また、文字表面を布で擦っても金属が剥がれることがなかった。
実施例1及び比較例1においてそれぞれ得られた金属コロイドをそれぞれ2分割し、一方を25℃に、他方を40℃にそれぞれ保管して保管日数における金属コロイド液の粘度についての経時変化を調べた。この結果を図4に示す。
図4より明らかなように、比較例1の金属コロイドは、25℃保存においては初期粘度5cPに対して、保存日数60日で6〜6.5cPと粘度変化は約60%の変化であったが、40℃保存においては12日経過前後から粘度が急激に上昇し、60日後には12cPに達し、粘度変化は140%の変化であった。この結果から比較例1の金属コロイドは、高温における経時安定性に劣っていることが判る。一方、実施例1の金属コロイドは、初期粘度が5cPに対して25℃保存、40℃保存どちらの場合でも60日以内の粘度は6〜6.5cPと最大で約30%の変化であった。この結果から、本発明の金属コロイドは高温保管であっても経時安定性に優れていることが判る。
合成1及び合成7においてそれぞれ得られた金属コロイドをシリカゾルに混合してコロイド濃度8重量%の溶液とし、これをガラス基板に塗布して成膜し、300℃で焼成して金属コロイド薄膜を形成した。一方、次の表4に示す保護剤を用いて作製した比較試料の金属コロイドを用いて同様の膜を形成した。これら形成した金属コロイド薄膜の鉛筆硬度をそれぞれ測定した。得られた結果を表4に示す。
表4より明らかなように、本発明の金属コロイド薄膜は何れも鉛筆硬度が7H以上(6Hで傷が生じない)であるのに対し、比較試料の金属コロイド薄膜では1H以下(1Hで傷発生)であった。なお、本発明の薄膜の硬度は加熱使用後でも変化しなかった。
実施例2の金属コロイド液について、調製直後の透過率と400時間経過後の透過率を測定した。この結果を図5(調製直後の透過率)及び図6(400時間経過後)にそれぞれ示す。
図5及び図6より明らかなように、380nm〜780nmの波長領域において、調製直後の透過率と400時間経過後の透過率は殆ど変化しておらず、本発明の金属コロイド液は経時安定性に優れている結果が得られた。
また、これらの試料について色度変化についても併せて測定した。得られた測定結果は、色度座標系においてx座標の値が測定開始時が0.6420であり、400時間経過後が0.6408であった。x座標の変化率は0.19%であった。また、y座標の値は測定開始時が0.3428であり、400時間経過後が0.3443であった。y座標の変化率は0.44%であった。この結果から変化率が極めて小さく、この点からも経時安定性に優れることが確認された。なお、他の金属コロイドについても同様の試験を行ったところ、何れも色調の変化は2%以下であった。
合成1〜3,5〜27でそれぞれ得られた50重量%濃度の金属コロイドを用意し、この50重量%濃度の金属コロイドを用いて5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%及び40重量%にそれぞれ希釈した金属コロイドをそれぞれ調製した。次に、5重量%〜50重量%濃度にそれぞれ調製した金属コロイドを用い、墨汁用の筆を用いて和紙に所定の文字を書き、自然乾燥を施した。30重量%濃度の金属コロイドを用いて表面に文字を書いた和紙の写真を図7に示す。また、図7には和紙以外の材質の紙を用い、これらの表面に文字を書いた紙の写真も併せて示す。
濃度が30重量%以上の金属コロイドを用いた場合、書いた文字には金属の持つ本来の色調と金属鏡面光沢が現れ、文字表面を布で擦っても金属が剥がれることはなかった。濃度が25重量%以下の金属コロイドを用いた場合でも書いた文字には金属鏡面光沢が現れたが、金属の本来の色調からずれてきた感覚を受けた。上記金属コロイドを3週間室温保存し、保存した金属コロイドを用いて再度和紙に文字を書いてみたが、保存前と同様に、書いた文字には金属の持つ本来の色調と金属鏡面光沢が現れた。
実施例4で使用した5重量%〜50重量%の金属コロイドに、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールを金属重量に対して5〜15%の範囲内で混合して液を調製した。次に、調製した金属コロイドを用い、墨汁用の筆を用いて和紙に所定の文字を書き、自然乾燥を施した。
濃度が25重量%以上の金属コロイドを用いた場合、書いた文字には金属の持つ本来の色調と金属鏡面光沢が現れ、文字表面を布で擦っても金属が剥がれることはなかった。濃度が20重量%以下の金属コロイドを用いた場合でも書いた文字には金属鏡面光沢が現れたが、金属の本来の色調からずれてきた感覚を受けた。上記金属コロイドを3週間室温保存し、保存した金属コロイドを用いて再度和紙に文字を書いてみたが、保存前と同様に、書いた文字には金属の持つ本来の色調と金属鏡面光沢が現れた。
先ず、ガラスコップ及び陶磁器、磁器製のコーヒーカップ及びポリカーボネート性のプラスチック板をそれぞれ用意した。次いで、実施例4で調製した金属コロイドを用い、ガラスコップ及び陶磁器にそれぞれ所定の模様を描いた。また磁器製のコーヒーカップ側面及びポリカーボネート性のプラスチック板表面にそれぞれ所定の文字を書いた。模様を描いたガラスコップの写真を図8に、文字を書いた磁器製のコーヒーカップの写真を図9にそれぞれ示す。
濃度が15重量%以上の金属コロイドを用いた場合、金属の持つ本来の色調と金属鏡面光沢が現れ、表面を布で擦っても金属が剥がれることはなかった。濃度が10重量%以下の金属コロイドを用いた場合でも金属鏡面光沢は現れたが、金属の本来の色調からずれてきた感覚を受けた。上記金属コロイドを3週間40℃で保存し、保存した金属コロイドを用いて再度ガラスコップ、陶磁器、磁器製のコーヒーカップ及びポリカーボネート性のプラスチック板にそれぞれ文字や模様を書いてみたが、保存前と同様に、金属の持つ本来の色調と金属鏡面光沢が現れた。
先ず、実施例4で調製した金属コロイドを、人工毛、人工まつ毛、プラスチックモデル、お守り袋、印鑑ケース、記念カード、招待カード、グリーティングカード、人形、仏像、位牌、額縁、衣服及び織物にそれぞれ塗布した。人工毛にはエアブラシにて吹付ける方法により塗布し、人工まつ毛、プラスチックモデル、人形及び仏像には筆で全体を塗布した。また、位牌には筆で所望の文字を書き、額縁はフレーム部分のみを筆で塗布し、記念カード、招待カード、グリーティングカード、お守り袋、印鑑ケース、衣服及び織物には筆で所望の文字又は模様を描画した。塗布後はドライヤーの風をあてて金属コロイド中の分散媒を十分に除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。
金属コロイド含有塗膜を形成したプラスチックモデルを図10(a)に、額縁を図10(b)にそれぞれ示す。図10(a)及び図10(b)より明らかなように、金属コロイド含有塗膜は金属本来の持つ金属光沢色調を発現し、光輝性、デザイン性に優れていることが判る。
先ず、実施例4で調製した金属コロイドを以下の宝飾品に塗布した。指輪、銀粘土から作られた指輪、ピアス、イヤリング、ブレスレッド、ネックレス、キーホルダー及びかんざしには筆を用いて金コロイドを塗布し、また、時計、髪留め、ブローチ及びネクタイピンにはエアブラシにて吹付ける方法により塗布した。金属コロイド含有塗膜を形成した銀粘土から作られた指輪、イヤリング及びブローチをそれぞれ図11(a)、図11(b)及び図11(c)にそれぞれ示す。
図11(a)、図11(b)及び図11(c)より明らかなように、金属コロイド含有塗膜は金属本来の持つ金属光沢の色調を発現した、光輝性及びデザイン性に優れた宝飾品となることが判る。
実施例4で調製した金属コロイドと、天然爪及び人工爪をそれぞれ用意した。図12に示すマニキュア用筆を用いて金属コロイドを塗布する方法により、天然爪及び人工爪表面に金属コロイドを塗布した。塗布後はドライヤーの風をあてて金属コロイド中の分散媒を除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。塗布法により金属コロイド含有塗膜を形成した天然爪を図13に示す。
図13より明らかなように、天然爪表面及び人工爪表面にそれぞれ形成した金属コロイド含有塗膜は、金本来の持つ金光沢の色調を発現し、金属鏡面を有した平滑性に優れた膜となることが判る。
図14に示すマニキュア用エアブラシを用いて金属コロイドを吹付ける方法により、天然爪表面及び人工爪表面に実施例4で調製した金属コロイドを吹付けた。吹付け後は、ドライヤーの風をあてて金属コロイド中の分散媒を除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。吹付け法により金属コロイド含有塗膜を形成した天然爪を図15に示す。
図15より明らかなように、天然爪表面及び人工爪表面にそれぞれ形成した金属コロイド含有塗膜は、金本来の持つ金光沢の色調を発現しているが、前述した実施例9の筆で塗布して形成した塗膜とは異なり、艶消し(mat)された光沢を有し、かつ平滑性に優れた塗膜が得られていることが判る。
先ず実施例9と同様にマニキュア用筆を用いて天然爪表面及び人工爪表面に実施例4で調製した金属コロイドを塗布した。塗布後はドライヤーの風をあてて金属コロイド中の分散媒を除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。次に形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を塗布して重ね塗りすることにより、トップコーティングして金属コロイド含有塗膜を剥がれ難くした。人工爪表面に形成した金属コロイド含有塗膜は、実施例9で得られた塗膜と同様に金本来の持つ金光沢の色調を発現し、更には金属鏡面を有した平滑性に優れた塗膜である。
先ず、人工爪表面にアンダーコート層を形成した。次に、実施例9と同様にマニキュア用筆を用いてアンダーコート層表面に実施例4で調製した金属コロイドを塗布した。塗布後はドライヤーの風をあてて金属コロイド中の分散媒を除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。人工爪表面に形成した金属コロイド含有塗膜は、実施例9及び実施例11で得られた塗膜と同様に金本来の持つ金光沢の色調を発現し、更には金属鏡面を有した、平滑性に優れた塗膜となった。
先ず、人工爪表面にアンダーコート層を形成した。次に、実施例9と同様にマニキュア用筆を用いてアンダーコート層表面に実施例4で調製した金属コロイドを塗布した。塗布後はドライヤーの風をあてて金属コロイド中の分散媒を除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。次に形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を塗布して重ね塗りすることにより、トップコーティングして金属コロイド含有塗膜を剥がれ難くした。人工爪表面に形成した金属コロイド含有塗膜は実施例9、実施例11及び実施例12で得られた塗膜と同様に金本来の持つ金光沢の色調を発現し、更には金属鏡面を有した、平滑性に優れた塗膜となった。
金属コロイドを塗布する際に、エアブラシを用いて爪の先だけに塗布した以外は実施例13と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。また、金属コロイドを塗布する際に、マニキュア用筆で爪表面に所望の模様を描いた以外は実施例13と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。爪の先だけにエアブラシを用いて塗布した人工爪及びマニキュア用筆で爪表面に所望の模様を描いた人工爪は実施例9、実施例11〜13と同様に金属本来の持つ金属本来の色調を発現しているだけでなく、非常にデザイン性に優れていた。
実施例4で調製した金属コロイドに、平均粒径が1〜10nmの金属微粒子を0.5%〜3%含有した以外は実施例13と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。得られた金属コロイド含有塗膜を形成した人工爪を図16に示す。
図16より明らかなように、人工爪表面に形成した金属コロイド含有塗膜はピンクゴールドの色調を発現し、非常にデザイン性に優れていることが判る。
合成19で得られた金属コロイドを用いた以外は実施例13と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。金属コロイド含有塗膜を形成した人工爪を図17(a)に示す。
図17(a)より明らかなように、人工爪に形成した塗膜は、金属鏡面を有し、平滑性に優れているだけでなく、イエローゴールドの色調を発現したデザイン性に優れた膜であることが判る。
合成20で得られた金属コロイドを用いた以外は実施例13と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。金属コロイド含有塗膜を形成した人工爪を図17(b)に示す。
図17(b)より明らかなように、人工爪に形成した塗膜は、金属鏡面を有し、平滑性に優れているだけでなく、グリーンゴールドの色調を発現したデザイン性に優れた膜であることが判る。
合成21で得られた金属コロイドを用いた以外は実施例13と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。金属コロイド含有塗膜を形成した人工爪を図17(c)に示す。
図17(c)より明らかなように、人工爪に形成した塗膜は、金属鏡面を有し、平滑性に優れているだけでなく、レッドゴールドの色調を発現したデザイン性に優れた膜であることが判る。
合成22で得られた金属コロイドを用いた以外は実施例13と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。金属コロイド含有塗膜を形成した人工爪を図17(d)に示す。
図17(d)より明らかなように、人工爪に形成した塗膜は、金属鏡面を有し、平滑性に優れているだけでなく、ピンクゴールドの色調を発現したデザイン性に優れた膜であることが判る。
合成23で得られた金属コロイドを用いた以外は実施例13と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。金属コロイド含有塗膜を形成した人工爪を図17(e)に示す。
図17(e)より明らかなように、人工爪に形成した塗膜は、金属鏡面を有し、平滑性に優れているだけでなく、ホワイトゴールドの色調を発現したデザイン性に優れた膜であることが判る。
先ず、人工爪表面にアンダーコート剤を塗布乾燥してアンダーコート層を形成した。次いで、実施例9と同様にマニキュア用筆を用いてアンダーコート層表面に実施例4で調製した金属コロイドを塗布した。塗布後はドライヤーの風をあてて金属コロイド中の分散媒を除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。次に、形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を塗布し、トップコート剤が完全に乾燥する前に、所望の箇所に素材としてラメ剤を振りかけ、更にダイヤモンド天然石及びピンクサファイヤ天然石を散りばめ、上から押し付けるようにして定着させ、ドライヤーの風をあててトップコート剤を乾燥させることでそれら素材を固定化した。更にトップコート剤を塗布することにより素材の固定化を強固にした。金属コロイド含有塗膜とラメ剤、ダイヤモンドやピンクサファイヤの天然宝石を組合わせることで光輝性及びデザイン性が向上した。
先ず、マニキュア用筆を用いて人工爪の先だけに実施例4で調製した金属コロイドを塗布した。塗布後はドライヤーの風をあてて金属コロイド中の分散媒を除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。次に、形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を塗布し、トップコート剤が完全に乾燥する前に、所望の箇所に素材としてパール及びダイヤモンド天然石を並べて、上から押し付けるようにして定着させ、ドライヤーの風をあててトップコート剤を乾燥させることでそれら素材を固定化した。更にトップコート剤を塗布することにより素材の固定化を強固にした。得られた金属コロイド含有塗膜を形成した人工爪を図18(a)に示す。
図18(a)より明らかなように、爪の先だけに形成した金属コロイド含有塗膜とパール、ダイヤモンドの天然宝石を組合わせることで光輝性及びデザイン性が向上した。
先ず、マニキュア用筆を用いて人工爪表面に実施例4で調製した金属コロイドで所望の模様を描いた。描画後はドライヤーの風をあてて金属コロイド中の分散媒を除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。次に、形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を爪表面全面に塗布し、トップコート剤が完全に乾燥する前に、所望の箇所に素材として金箔粉末、ダイヤモンド天然石及びピンクサファイヤ天然石を散りばめ、上から押し付けるようにして定着させ、ドライヤーの風をあててトップコート剤を乾燥させることでそれら素材を固定化した。更にトップコート剤を塗布することにより素材の固定化を強固にした。得られた金属コロイド含有塗膜を形成した人工爪を図18(b)に示す。
図18(b)より明らかなように、金属コロイド含有塗膜と金箔粉末、ダイヤモンド及びピンクサファイヤの天然宝石を組合わせることで光輝性及びデザイン性が向上していることが判る。
先ず、離形性合成紙からなる基材2の片面にアクリル樹脂からなるコーティング液を塗布し、表面保護層4を形成した。次に、この表面保護層4の上に実施例4で調製した金コロイドを塗布し、金属コロイド含有塗膜層5を形成した。更に、金属コロイド含有塗膜層5の上にホットメルト型樹脂からなるコーティング液を塗布することにより接着剤層6を形成し、基材2上に、表面保護層4、金属コロイド含有塗膜層5及び接着剤層6からなる転写層3が形成された図19に示す転写シート1を作製した。
インクジェットプリンタにより文字や模様を描画して金属コロイド含有塗膜層5を形成した以外は実施例24と同様にして転写シートを作製した。
実施例24及び実施例25の転写シートを用いて紙、衣類、皮革及びガラスに熱圧転写することにより、表面に金属コロイド含有塗膜を形成した。金属コロイド含有塗膜は金属本来の持つ金属光沢の色調を発現し、光輝性に優れていた。また塗膜を指で擦っても剥離しなかった。なお、熱圧転写方法は従来より公知の方法により行うことが可能である。
150mm×150mm×1mmのプラズマ処理済みガラスシートを用意し、実施例4の合成13で得られた50重量%濃度Auコロイドをインクジェットプリンターのインクタンクに入れてガラスシート上に線幅約2mm、長さ100mmの黄金光沢色の線を5本描画した。描画したガラスシートを室温で乾燥した後、黄金光沢色の線の電気抵抗値を測定したところ、その測定値は9.6×10-6Ω・cmであった。
<実施例28>
150mm×150mm×1mmのプラズマ処理済みガラスシートを用意し、実施例4の合成5で得られた50重量%濃度Auコロイドをインクジェットプリンターのインクタンクに入れてガラスシート上に線幅約2mm、長さ100mmの黄金光沢色の線を5本描画した。描画したガラスシートを300℃で10分間大気中焼成した後、黄金光沢色の線の電気抵抗値を測定したところ、その測定値は2.5×10-6Ω・cmであった。
50mm×50mm×1.0mmのアルミナシートを用意し、実施例4の合成16で得られた40重量%濃度Ruコロイドを用いて回転速度200rpm、3分間の条件でスピンコートを施してアルミナシート表面に塗膜を形成させた。塗膜を形成したアルミナシートを大気中350℃で1分焼成した後、自然冷却させた。室温まで冷却した後、得られた塗膜の電気抵抗値を測定したところ、その抵抗値は、7.1×10-4Ω・cmであった。
<実施例30>
50mm×50mm×1.0mmのアルミナシートを用意し、実施例4の合成17で得られた50重量%濃度Ptコロイドを用いてスクリーン印刷を施してアルミナシート表面の10mm×25mmの範囲に塗膜を形成させた。塗膜を形成したアルミナシートを大気中400℃で10分焼成した後、自然冷却させた。室温まで冷却した後、得られた塗膜の電気抵抗値を測定したところ、その抵抗値は、4.9×10-4Ω・cmであった。
50mm×50mm×1.0mmのアルミナシートを用意し、実施例4の合成18で得られた30重量%濃度Cuコロイドを用いて回転速度200rpm、3分間の条件でスピンコートを施してアルミナシート表面に塗膜を形成させた。塗膜を形成したアルミナシートを2%水素含有アルゴンガス雰囲気中300℃で10分焼成した後、自然冷却させた。室温まで冷却した後、得られた塗膜の電気抵抗値を測定したところ、その抵抗値は、2.5×10-5Ω・cmであった。
<実施例32>
50mm×50mm×1.0mmのアルミナシートを用意し、実施例4の合成24で得られた30重量%濃度Niコロイドを用いてオフセット印刷を施してアルミナシート表面の10mm×25mmの範囲に塗膜を形成させた。塗膜を形成したアルミナシートを2%水素含有アルゴンガス雰囲気中450℃で1分焼成した後、自然冷却させた。室温まで冷却した後、得られた塗膜の電気抵抗値を測定したところ、その抵抗値は、5.5×10-5Ω・cmであった。
50mm×50mm×1.0mmのアルミナシートを用意し、実施例4の合成25で得られた30重量%濃度Ni/Znコロイドを用いて回転速度200rpm、3分間の条件でスピンコートを施してアルミナシート表面に塗膜を形成させた。塗膜を形成したアルミナシートを2%水素含有アルゴンガス雰囲気中450℃で10分焼成した後、自然冷却させた。室温まで冷却した後、得られた塗膜の電気抵抗値を測定したところ、その抵抗値は、9.3×10-5Ω・cmであった。
<実施例34>
50mm×50mm×1.0mmのアルミナシートを用意し、実施例4の合成26で得られた30重量%濃度Rhコロイドを用いてスプレー塗布を施してアルミナシート表面に塗膜を形成させた。塗膜を形成したアルミナシートをアルゴンガス雰囲気中400℃で10分焼成した後、自然冷却させた。室温まで冷却した後、得られた塗膜の電気抵抗値を測定したところ、その抵抗値は、2.5×10-5Ω・cmであった。
50mm×50mm×1.0mmのアルミナシートを用意し、実施例4の合成27で得られた30重量%濃度Irコロイドを用いて回転速度200rpm、3分間の条件でスピンコートを施してアルミナシート表面に塗膜を形成させた。塗膜を形成したアルミナシートをアルゴンガス雰囲気中400℃で10分焼成した後、自然冷却させた。室温まで冷却した後、得られた塗膜の電気抵抗値を測定したところ、その抵抗値は、4.5×10-5Ω・cmであった。
<実施例36>
50mm×50mm×1.0mmのアルミナシートを用意し、実施例4の合成5で得られた50重量%濃度Auコロイドを用いてスクリーン印刷を施してアルミナシート表面の10mm×25mmの範囲に塗膜を形成させた。塗膜を形成したアルミナシートを大気中15℃で1時間自然乾燥した。得られた塗膜の電気抵抗値を測定したところ、その抵抗値は、1.3×10-4Ω・cmであった。
<実施例37>
50mm×50mm×1.0mmのアルミナシートを用意し、実施例4の合成5で得られた50重量%濃度Auコロイドを用いてスクリーン印刷を施してアルミナシート表面の10mm×25mmの範囲に塗膜を形成させた。塗膜を形成したアルミナシートを大気中350℃で1分焼成した後、自然冷却させた。室温まで冷却した後、得られた塗膜の電気抵抗値を測定したところ、その抵抗値は、2.7×10-6Ω・cmであった。
先ず、保護剤兼還元剤としてクエン酸ナトリウムを用意し、このクエン酸ナトリウム45gと塩化金酸15gをイオン交換水240gに溶解して、100℃の還流下1時間攪拌した。得られた赤紫色の金属コロイドは、冷却後に限外濾過法によって脱塩することで金の金属コロイド粒子が得られた。この金属コロイド粒子を水溶媒に添加して、濃度10重量%の水媒体の金属コロイドを調製した。上記合成を3回実施し、合計150gの金属コロイドを得た。なお、金濃度が10重量%を越える金属コロイドについても合成を施してみたが、得られた合成物は、不安定であり凝集してしまってコロイド化できていなかった。また水以外の媒体を用いた場合、得られた金属コロイドは凝集化してしまっていた。
本発明の金属コロイドをインクとして充填したペン用カートリッジ及びこのペン用カートリッジを接続したペンの一例について説明する。
図20(a)に示すように、ペン用カートリッジ10は、下部が密閉された筒体11と、この筒体11上部に接合され、中心に連通孔が設けられた蓋部13及び蓋部13の連通孔に緩挿された球状の栓14から構成され、この筒体11内部に本発明の実施例4で調製した金属コロイド12が充填される。筒体11及び蓋部13は合成樹脂製が好ましく、球状の栓14は金属製が好ましい。ペン用カートリッジ10は、蓋部13が下方又は斜め下方に向いた状態で、緩挿された球状の栓14がカートリッジの内部に押し上げられることで、蓋部13と球状の栓14との間に隙間が生じ、この隙間から金属コロイドが重力によって流れ出るようになっている。
また図20(b)に示すように、このペン用カートリッジ10を組み込んだペン20は、筒状の上部軸胴21と、上端が上部軸胴21の下端と接続可能な筒状の下部軸胴22と、下部軸胴22の他端に接続される穂先26から構成される。下部軸胴22の内壁にはペン用カートリッジ10を嵌挿し、蓋部13と接触して球状の栓14をペン用カートリッジ10内部に押し上げる接続部23が設けられる。接続部23の内部には、ペン用カートリッジ10が接続部23に接続され、この接続部23により球状の栓14が押し上げられた際に、重力によりカートリッジ10内部から流れ出る金属コロイドを含浸する芯部24が下部軸胴22の他端を突出して設けられる。下部軸胴22の他端に接続された穂先26は、芯部24に含浸した金属コロイドを先端から吐出するように構成される。上部軸胴21、下部軸胴22及び接続部23は合成樹脂製が好ましい。また芯部24は金属コロイドが含浸可能な細孔が形成された構造を有する合成樹脂が好ましい。
ペン20へのペン用カートリッジ10の接続は、カートリッジの蓋部13を接続部23にあて、この接続部23と栓14をペン用カートリッジ10内部に押込むことで接続される。その際に、カートリッジ10内部に充填された金属コロイド12は、蓋部13と球状の栓14との隙間から流れ出て芯部24に含浸され、この芯部24を通じて穂先26へと供給される。このように構成されたペン用カートリッジ10を接続したペンは、非常に描きやすく、なめらかに描画することができた。このペンは所望の基材に所望の文字を書いたり、模様を描いたりするのにも非常に便利であり、またペンを用いて描画した文字や模様は金属本来の持つ金属光沢の色調を発現し、光輝性に優れていた。
本発明の金属コロイドを充填したディスポーザブルアンプルの一例について説明する。
図21に示すように、ディスポーザブルアンプル30は、下部が密閉された筒体31とこの筒体31上部に接合された切断部33と蓋部32とから構成される。切断部33は手動で切断可能なように筒体31及び蓋部32よりも幅が広くないように設けられる。筒体31、蓋部32及び切断部33は合成樹脂製が好ましい。ディスポーザブルアンプル30は、筒体31内部に本発明の実施例4で調製した金属コロイド34を充填した後に、切断部33及び蓋部32を熱圧着することで金属コロイド34が封入された構造を有する。
このように構成されたディスポーザブルアンプル30では、蓋部32を横方向に回転させることにより、蓋部32はテコの原理で切断部33から容易に切断することができ、この切断面が筒体31内部と連通する。この連通部から筒体31内部に充填された金属コロイドを取出して使用することができる。
実施例4で調製した30重量%濃度の金属コロイドを十分に染み込ませることでスタンプ台及び印鑑台を作製した。それらの写真を図22に示す。また、それらを用いて模様を施した印鑑ケース及びカードもあわせて図23及び図24に示す。図23及び図24より明らかなように、金属コロイドからなるスタンプ台又は印鑑台を用いて作製した模様には金本来のもつ色調と金属光沢が現れた。
実施例4で調製した30重量%濃度の金属コロイドを用いてインクジェットプリンタ装置にて描画試験を行った。基材としては紙、皮革及び木材を用い、紙を用いて名刺、グリーティングカード、記念カード及び招待カードを作成し、皮革としては革の財布に描画した。木材としては位牌に所望の文字を描画した。金属コロイド含有塗膜を形成した名刺、グリーティングカード及び革の財布を図25に示す。図25より明らかなように、金属コロイドを用いてインクジェット装置により描画した模様には金本来のもつ色調と金属光沢が現れた。
実施例4で調製した金属コロイドをインクとして筆で色紙に文字と模様を描画した。この文字と模様は金属本来の持つ金属光沢の色調を発現し、光輝性に優れていた。なお、文字や模様を描画する際は、前述した実施例28で示した金属コロイドをインクとして充填したペンを用いてもよい。
実施例4で調製した金属コロイドをインクとして、色紙に手形及び足形をとった。その手形及び足形は金属本来の持つ金属光沢の色調を発現し、光輝性に優れていた。
先ず、印鑑やスタンプを用いて市販品の黒色インクにて表面に模様が施された紙、黒色ペンにて表面に文字及び模様が描画された色紙及び黒色インクを用いて手形及び足形をつけた色紙を用意した。次いで、画像走査装置(スキャナ)を用いてそれぞれの紙及び色紙表面を走査して、コンピューター内に画像データとして取り込んだ。次に、本発明の金属コロイドをインクとするインクジェットプリンターを使用して、取り込んだ画像データを基に紙及び色紙に画像データを印刷した。本発明の金属コロイドを用いて紙及び色紙に印刷した文字及び模様は、黒色で描画等された文字及び模様と同様の形状が得られており、更に金属本来の持つ金属光沢の色調を発現し、光輝性に優れていた。
なお、この実施例44では、画像走査装置(スキャナ)を用いてそれぞれの紙及び色紙表面を走査して、コンピューター内に画像データとして取り込んでからインクジェットプリンターを用いて印刷したが、それぞれの紙及び色紙のような原紙だけではなく、これらの原紙が写されている写真、これらの模様や文字等が掲載された印刷物や刊行物を画像走査装置(スキャナ)を用いて走査して、コンピューター内に画像データとして取り込んだり、画像データとなっているものを直接インクジェットプリンターで印刷してもよい。
Claims (42)
- 水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させ金属コロイドを形成する金属コロイド粒子において、
前記金属コロイド粒子は、非水系において、金属化合物と少なくともγ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ドデシルベンゼンスルホン酸、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランと2-アミノエタノール又はドデシルベンゼンスルホン酸と2-アミノエタノールが含まれた保護前駆体とを混合するか、或いは前記金属化合物と前記保護前駆体とキレート剤であるアセチルアセトンとを混合し、前記混合物中の金属化合物を還元剤の存在下で還元し、脱塩することによって、分子中に硫黄又は硫黄と酸素を含む炭素骨格を有する保護剤が硫黄又は硫黄と酸素の原子又は原子団をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾され、
前記保護剤にはシラノール基又はハイドロキシアルキル基の官能基が分子構造に含まれることを特徴とする金属コロイド粒子。 - 保護前駆体に2-アミノエタノールを含むとき、
保護剤が硫黄又は硫黄と酸素とともに窒素を更に含み、かつ硫黄又は硫黄と酸素の原子又は原子団とともに前記窒素又は窒素を含む原子団をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造をとる請求項1記載の金属コロイド粒子。 - 保護剤に含まれる酸素がスルホニル基を由来とする請求項1記載の金属コロイド粒子。
- 保護剤に含まれるハイドロキシアルキル基がキレート剤によってキレート配位している請求項1ないし3いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
- 金属コロイド粒子を構成する金属粒子がAu、Ag、Pt、Cu、Pd、Ni、Zn、Ru、Rh及びIrからなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項1記載の金属コロイド粒子。
- 金属コロイド粒子の平均粒子径が1〜100nmの範囲にある請求項1ないし5いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
- 金属コロイド粒子を構成する金属粒子がAuであり、平均粒子径が1〜60nmの範囲である請求項5記載の金属コロイド粒子。
- 金属コロイド粒子の形状が球状、多角状又はアメーバ状を有する粒状粒子である請求項1ないし7いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
- 加熱基準温度下での色調の変化が2%以下である請求項1ないし8いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
- Auコロイド粒子を主成分とし、前記Auコロイド粒子以外に平均粒子径が1〜10nmの金属粒子が0.1〜10%含まれる金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がピンクゴールドの色調を呈する請求項1ないし9いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
- Au粒子を主成分とし、前記Au粒子以外に不純物としてAg粒子及びCu粒子をそれぞれ含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてAg及びCuをそれぞれ含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、
前記金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であり、前記不純物中に含まれるAg含有量が不純物100重量%に対して40〜60重量%であるとき、
前記金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がイエローゴールドの色調を呈する請求項1ないし9いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。 - Au粒子を主成分とし、前記Au粒子以外に不純物としてAg粒子及びCu粒子をそれぞれ含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてAg及びCuをそれぞれ含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、
前記金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であり、前記不純物中に含まれるAg含有量が不純物100重量%に対して65重量%以上であるとき、
前記金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がグリーンゴールドの色調を呈する請求項1ないし9いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。 - Au粒子を主成分とし、前記Au粒子以外に不純物としてAg粒子及びCu粒子をそれぞれ含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてAg及びCuをそれぞれ含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、
前記金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であり、前記不純物中に含まれるAg含有量が不純物100重量%に対して30重量%以下であるとき、
前記金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がレッドゴールドの色調を呈する請求項1ないし9いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。 - Au粒子を主成分とし、前記Au粒子以外に不純物としてAg粒子、Cu粒子及びPd粒子をそれぞれ含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてAg、Cu及びPdをそれぞれ含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、
前記金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であり、前記不純物中に含まれるAg含有量が不純物100重量%に対して30重量%以下であるとき、
前記金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がピンクゴールドの色調を呈する請求項1ないし9いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。 - Au粒子を主成分とし、前記Au粒子以外に不純物としてPd粒子を含む金属コロイド粒子、又はAuを主成分とし、不純物としてPdを含む合金からなる金属粒子を含む金属コロイド粒子のいずれか一方又はその双方を混合した金属コロイド粒子であって、
前記金属コロイド粒子中に含まれる不純物含有量が5〜40%であるとき、
前記金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜がホワイトゴールドの色調を呈する請求項1ないし9いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。 - 請求項1ないし15いずれか1項に記載の金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させたことを特徴とする金属コロイド。
- 請求項1ないし15いずれか1項に記載の金属コロイド粒子をゾルゲル溶液に所定の割合で混合させたことを特徴とする金属コロイド。
- 上記ゾルゲル溶液がシリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化タンタル及び酸化ニオブからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を形成する溶液である請求項17記載の金属コロイド。
- 請求項1ないし15いずれか1項に記載の金属コロイド粒子を水系又は非水系の溶媒に所定の割合で混合及び分散させて金属コロイドを調製し、前記金属コロイドを用いて成膜したことを特徴とする金属コロイド薄膜。
- 請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドを基材表面に塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成したことを特徴とする金属コロイド含有塗膜形成物。
- 基材がガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる群より選ばれた材質である請求項20記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 基材が人工爪、天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、小物袋、カード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物及び額縁からなる群より選ばれた材質である請求項20又は21記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 基材が宝飾品であって、前記宝飾品が貴金属粘土から作製された請求項22記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含む請求項20ないし23いずれか1項に記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである請求項24記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 請求項19記載の金属コロイド薄膜を基材表面に有する透明材料。
- 基材表面に形成した請求項19記載の金属コロイド薄膜をフィルター層とするカラーフィルター。
- 請求項19記載の金属コロイド薄膜を透明基材表面に有するディスプレイパネル。
- 表面又は裏面のいずれか一方又はその双方が剥離処理された転写基板に請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドを塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成した金属コロイド含有塗膜を有することを特徴とする転写シート。
- 金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を金属コロイド含有塗膜中に含む請求項29記載の転写シート。
- 金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである請求項30記載の転写シート。
- 基材表面に請求項29ないし31いずれか1項に記載の転写シートから転写された転写膜を有する金属コロイド含有塗膜形成物。
- 転写を施す基材が、ガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる材料群から選ばれた材質である請求項32記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 基材が人工爪、天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、小物袋、カード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物及び額縁からなる群より選ばれた材質である請求項32又は33記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 基材が宝飾品であって、前記宝飾品が貴金属粘土から作製された請求項34記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含む請求項32ないし35いずれか1項に記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである請求項36記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
- 請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドを基材に塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドを有する基材を所定の雰囲気下、15〜450℃の温度で1〜60分間保持することによって得られる比抵抗1×10-3Ω・cm以下の導電膜付き基材。
- 請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドをインクとして充填したペン、筆ペン、ペン用カートリッジ又はディスポーザブルアンプル。
- 請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドをインクとして含浸したスタンプ台又は印鑑台。
- 請求項40記載のスタンプ台又は印鑑台に含浸したインクを用いて描画された描画体。
- 請求項16ないし18いずれか1項に記載の金属コロイドをインクとしてインクジェットプリンタを用いて描画された描画体。
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