JP4976886B2 - 金属微粒子、それを溶媒に分散した金属コロイド液及びそれらの製造方法 - Google Patents

金属微粒子、それを溶媒に分散した金属コロイド液及びそれらの製造方法 Download PDF

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本発明は、金属微粒子、それを溶媒に分散した金属コロイド液及びそれらの製造方法に関する。
金属微粒子は、例えば導電剤、帯電防止剤、電磁波遮蔽剤、赤外線遮蔽剤、発色剤、着色剤、触媒等の種々の用途に用いられている。具体的には、金属微粒子の高い導電性を活用して、電子部品の電極、回路配線等を形成する技術が提案されている。また、ブラウン管、液晶ディスプレイ等の透明性部材の電磁波遮蔽や自動車の赤外線遮蔽に適用されている。更に、金属微粒子の金属光沢を活用した着色剤としても注目されている。金属微粒子を種々の用途に用いるには、金属微粒子を溶媒に分散した金属コロイド液とし、必要に応じてバインダーや分散剤、粘度調整剤などの添加剤を更に配合したコーティング剤、塗料、ペースト、インキなどの組成物として用いる場合があり、それらをスクリーン印刷、インクジェット印刷等の印刷技術、スプレー塗装、スピンコーター等の塗布技術を用いて基材に設置し、必要に応じて加熱して、基材上に金属微粒子を担持したり、金属薄膜を形成したりしている。
金属微粒子の製造方法としては種々の方法が提案されており、例えば、特許文献1の実施例には、硝酸銀水溶液をピロガロール等の芳香族化合物で還元して、球状で平均粒径が1.0μm、粒度分布が0.8〜12μmの銀微粒子を製造する方法を記載している。また、特許文献2の実施例2には、ピロガロール等の芳香族化合物溶液にアラビアゴム等の保護コロイドを添加して硝酸銀を還元すると、平均粒径が150Åの銀コロイドが製造することを記載している。また、特許文献3の実施例(A)には、金属イオンを炭化水素不飽和環状構造とカルボニル基、水酸基を有する没食子酸等の炭化水素化合物で還元すると、還元剤として添加した炭化水素化合物が表面保護層として金属粒子の表面を覆うため、分散安定な金属粒子が製造できると記載している。
特開平2−11706号公報 特開平2−11709号公報 特開2006−196278号公報
前記の特許文献1の方法では微細な金属微粒子が製造できず、特許文献2の方法では、高分子保護コロイドを添加しているものの金属微粒子が凝集してしまい、それぞれの金属微粒子が独立に分散した状態で得られていない。しかも、高分子保護コロイドを除去するには高い温度での加熱が必要となるなどの問題もある。また、特許文献3の方法では、還元剤として添加した炭化水素化合物が表面保護層として金属微粒子に配位するものの、充分な分散性が得られていない。金属微粒子は、微細化すると低温融着性、発色性、着色性、遮蔽性、触媒活性等に優れているため好ましいものであるが、微細化するほど凝集状態となり、金属微粒子の特性が低下するとともに、溶媒に分散した際に安定性が低下し、独立分散での担持や薄膜化が阻害されるなどの問題がある。このため、微細であって、しかも、凝集状態の粒子が少なく、独立に分散した状態の金属微粒子が望まれているが、充分満足できるものは得られていない。
本発明者らは、独立分散の状態の金属微粒子を製造すべく鋭意研究を重ねた結果、ピロガロール等の1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物にアルカノールアミンを加えた混合溶液を予め調製し、この混合溶液に金属化合物溶液を混合し還元すると、生成した金属微粒子の表面に前記のフェノール化合物や還元反応等によって酸化状態となった前記のフェノール化合物の酸化体とアルカノールアミンとが存在し、それらの分散効果によって、独立に分散した状態の金属微粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(1)1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物及び/又はその酸化体とアルカノールアミンとを表面に少なくとも有した金属微粒子、(2)前記の金属微粒子が溶媒に分散した金属コロイド液、(3)1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物とアルカノールアミンとの混合溶液と、金属化合物溶液とを混合し還元することを特徴とする金属微粒子又はその金属微粒子が溶媒に分散した金属コロイド液の製造方法、などである。
本発明の金属微粒子、それを分散した金属コロイド液は従来のものに比べて、凝集状態の粒子が少なく独立に分散した状態を維持した金属微粒子であって、そのため、溶媒中での分散安定性に優れている。このため、基材への独立分散状態での担持や薄膜化が可能であり、導電剤、帯電防止剤、電磁波遮蔽剤、赤外線遮蔽剤、発色剤、着色剤、触媒等の種々の用途に用いることができる。特に、塗膜の導電性を活用したプリント配線基板等の微細電極及び回路配線の形成、塗膜の鏡面を活用した意匠・装飾用途等に用いられる。
本発明の金属微粒子の製造方法は、液相還元法であるため、金属微粒子を比較的廉価に製造することができ、また、製造した金属微粒子は、そのままの状態で、あるいは必要に応じて透析、固液分離、洗浄、乾燥等を行って、溶媒に分散することができることから、金属微粒子を溶媒に分散した金属コロイド液も比較的廉価に製造することができる。
本発明の金属微粒子は、その構成成分、粒子径等には特に制限はなく、用途に応じて適宜選択することができる。構成成分としては、1種の金属であっても、合金にしたり積層するなどして2種以上の金属で構成されていても良い。また、1種の金属微粒子であっても良いし、2種以上の金属微粒子を混合した状態であっても良く、例えば平均粒子径が異なる2種以上の金属微粒子、構成成分が異なる2種以上の金属微粒子を混合した状態であっても良い。その金属成分としては周期表VIII族(鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金)及びIB族(銅、銀、金)からなる群より選ばれる少なくとも1種であれば、導電性が高いので好ましく、中でも銀、金、白金、パラジウム、銅は特に導電性が高くより好ましく、電極、回路配線の形成に用いるには、導電性とコストのバランスから銀又は銅が特に好ましい。また、着色剤、装飾用途に用いるには、銀、金、銅等が好ましく、発色剤としては金等が好ましい。金属微粒子の粒子径は、約1nm〜1μm程度の平均粒子径を有する金属微粒子が好ましく、多方面の用途に用いることができることから1〜100nm程度の平均粒子径を有する金属微粒子が更に好ましく、より微細な電極、回路配線パターン等を形成するためには、5〜50nmの範囲の平均粒子径を有する金属微粒子が更に好ましい。なお、金属微粒子には、製法上不可避の酸素、異種金属等の不純物を含有していても良く、あるいは、金属微粒子の急激な酸化防止のために必要に応じて予め酸素、金属酸化物や、本発明で用いる1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物及び/又はその酸化体やアルカノールアミン以外の有機化合物、例えばゼラチン等の保護コロイド、チオール化合物等の配位化合物などが含まれていても良い。
本発明の金属微粒子は、その表面に、1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物及び/又はその酸化体と、アルカノールアミンとの両方を少なくとも存在させることが重要であり、これにより、金属微粒子が微細であっても、凝集し難く独立に分散した状態を保持することができる。独立分散とは、一個一個の粒子がばらばらに分散した状態であって、粒子が多数凝集していない状態を意味し、電子顕微鏡で確認することができる。前記のフェノール化合物は、その少なくとも1個の水酸基や酸素原子等を介して配位したり、フェノール化合物が吸着したりして、金属微粒子の表面に存在する。前記のフェノール化合物の酸化体は、少なくとも1個の水酸基の水素原子が解離した酸化状態の化合物であり、具体的には後述する還元反応に使われて酸化状態となったり、溶液中において水素イオンが解離した酸化状態で配位するなどして、金属微粒子の表面に存在する。前記のフェノール化合物としては例えば、没食子酸、ピロガロール、フロログルシノールから選ばれる少なくとも一種が溶媒中での金属微粒子の分散安定性を高めることができるため好ましく、ピロガロール、フロログルシノールがより好ましい。また、アルカノールアミンは、そのアミノ基、窒素原子やその水酸基や酸素原子等を介して配位したり、アルカノールアミンが吸着したりして、金属微粒子の表面に存在し、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンから選ばれる少なくとも一種が溶媒中での金属微粒子の分散安定性を高めることができるため好ましい。
金属微粒子の表面に存在させる、1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物及び/又はその酸化体、アルカノールアミンの含有量は特に制限はなく、適宜設定することができる。例えば、金属微粒子100重量部に対し、それぞれの含有量を合計して0.01〜50重量部程度の範囲で存在していれば、所望の効果が得られるので好ましく、更に好ましい範囲は0.05〜20重量部程度である。金属微粒子の表面に存在する成分は、FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)、NMR(核磁気共鳴)等の分析方法により確認できる。
前記の金属微粒子は、溶媒に分散させて金属コロイド液とすることができ、一般に分散体、コーティング剤、塗料、ペースト、インキ、インクなどと称される組成物を包含する。金属コロイド液における金属微粒子の分散状態は、例えば動的光散乱法粒度分布測定装置で確認することができる。金属コロイド液に含まれる金属微粒子の配合量は特に制限はなく、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、電極材料用途における金属微粒子の配合量の上限値は、90重量%程度が可能であり、85重量%が好ましく、80重量%がより好ましく、その下限値は10重量%程度である。装飾用途においてはコストの面から、より低濃度の金属微粒子を用いて鏡面を呈する塗膜が得られることが望ましく、その配合量の上限値は50重量%であれば良く、20重量%であればより好ましく、15重量%であれば更に好ましく、その下限値は1重量%程度である。金属微粒子を分散させる溶媒は特に制限はなく、水溶媒、アルコール、トルエン等の有機溶媒又は水溶媒とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒を用いることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
本発明の金属コロイド液には、前記の金属微粒子、溶媒の他に、界面活性剤、硬化性樹脂、増粘剤、可塑剤、防カビ剤、分散剤等を必要に応じて適宜配合することもできる。界面活性剤は、金属微粒子の分散安定性を更に良くすることができ、硬化性樹脂は、塗布物と基材との密着性を一層向上させることができる。界面活性剤としては4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤等を制限なく用いることができる。硬化性樹脂としては、溶媒に対する溶解型、エマルジョン型、コロイダルディスパージョン型等を制限なく用いることができ、公知のタンパク質系高分子、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、セルロース等を用いることができる。硬化性樹脂成分の配合量は、金属微粒子100重量部に対し0.01〜10重量部程度の範囲が好ましく、より好ましい範囲は0.01〜8重量部程度であり、0.01〜5重量部程度であれば更に好ましい。
本発明の金属微粒子は、(1)予め公知の方法で調製した金属微粒子を溶媒に分散させ、次いで、1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物とアルカノールアミンとを混合し、必要に応じて加熱して、両者を金属微粒子の表面に存在させる方法、(2)1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物とアルカノールアミンとの混合溶液と金属化合物溶液とを混合し還元して、両者が存在した金属微粒子を製造する方法等を用いて製造することができるが、(2)の方法では還元反応の際に1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物とアルカノールアミンが存在しており、微細な金属微粒子が分散した状態で得られるため好ましい方法である。
前記の(2)の方法について以下に詳述する。
金属微粒子を製造するための原料である金属化合物は、例えば、前記金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩等を用いることができる。金属化合物を溶解する溶媒は、水溶媒、アルコール等の有機溶媒又は水溶媒とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒を用いることができ、取り扱い易さや経済性の点で水溶媒を用いるのが好ましい。金属化合物の溶媒中の濃度は、金属化合物が溶解する範囲であれば特に制約はないが、工業的には5ミリモル/リットル以上とすることが好ましい。還元前の金属化合物溶液にアミン化合物を添加すると、金属化合物がアミン錯体を形成し、その後に還元剤を添加しても還元が進み難く、金属微粒子が生成し難いため好ましくなく、そのため、本発明で使用するアルカノールアミンは主還元剤である1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物に配合するのが好ましい。また、還元前にアンモニア、アンモニウム化合物を添加しても同様にアンミン錯体を形成するため好ましくない。
(2)の方法において用いる、1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物は還元力があって、金属化合物を還元するとともに、余分なフェノール化合物や還元反応等で酸化状態となった酸化体は配位や吸着して、生成した金属微粒子の表面に存在する。前記のフェノール化合物は没食子酸、ピロガロール、フロログルシノールから選ばれる少なくとも一種が好ましく、その使用量は適宜設定することができるが、金属化合物のモル比で0.1〜10の範囲の量が好ましく、0.2〜5の範囲の量がより好ましい。一方、アルカノールアミンは、それほど還元力が強くないことから、生成した金属微粒子の表面に付着して分散安定性に寄与し、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンから選ばれる少なくとも一種が好ましい。アルカノールアミンの使用量は適宜設定することができるが、生成する金属のモル比で0.1〜10の範囲の量が好ましく、1〜5の範囲の量がより好ましい。前記のフェノール化合物とアルカノールアミンとの混合溶液は、水溶媒、アルコール等の有機溶媒又は水溶媒とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒に溶解して、調製する。溶媒としては金属化合物溶液と同様に、取り扱い易さや経済性の点で水溶媒を用いるのが好ましい。
次いで、金属化合物溶液と、1分子中に水酸基を3個有するフェノール化合物とアルカノールアミンとの混合溶液とを撹拌下で混合し、金属化合物を還元して、金属微粒子を製造する。還元温度は適宜設定することができるが、5〜105℃程度の範囲で行うことができ、過剰の冷却や加熱を行わず、経済的に製造を行うためには、10〜80℃程度がより好ましい。なお、前記の還元反応には補助的に別の還元剤、例えば、アルコール類やアミン類を添加しても良い。このようにして金属微粒子が製造でき、必要に応じて透析、固液分離、洗浄して余剰成分や不要なイオン成分を除去したり、更に必要に応じて乾燥等を行うことができる。
前記の還元反応によって製造した金属微粒子は溶媒に分散していることから金属コロイド液の状態となっている。また、前記のように洗浄した金属微粒子、あるいは乾燥した金属微粒子を溶媒に再度分散しても、金属コロイド液を製造することができる。金属微粒子を分散させる溶媒は特に制限はなく、水溶媒、アルコール、トルエン等の有機溶媒又は水溶媒とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒を用いることができ、用途に応じて適宜選択することができる。また、金属微粒子の分散性を更に向上させるために、アルカノールアミン等の分散剤、界面活性剤等を分散の際に添加しても良い。分散方法は特に制限されないが、例えば、ディスパー等の撹拌機を用いた撹拌混合、サンドミル、コロイドミル等の湿式粉砕混合、超音波分散などの方法を用いることができる。
次に、本発明の金属コロイド液の使用例について説明する。
本発明の金属コロイド液を電極、回路配線パターンの形成に用いるには、例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の方法により、基板に塗布した後、塗布物を適当な温度で加熱焼成する。また、塗膜の形成に用いるには、例えば、スピンコート、ロールコート、スプレーコート、刷毛塗り等の方法により、基材に塗布し乾燥する。あるいは、スクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷方法や転写方法を用いて塗膜を形成することもできる。
前記の塗膜を基材の表面に形成すると、金属微粒子の金属色や光沢を基材表面に付与することができ、基材表面の全面にわたって着色し光沢を付与したり、基材表面の一部分に意匠、標章、ロゴマークを形成したり、その他の文字、図形、記号を形成したりすることもできる。基材としては、金属、ガラス、セラミック、コンクリートなどの無機質材料、ゴム、プラスチック、紙、木、皮革、布、繊維などの有機質材料、前記の無機質材料と有機質材料とを併用あるいは複合した材料を用いることができる。それらの材質の基材を使用物品に加工する前の原料基材に塗膜を形成して装飾を施すこともでき、あるいは、基材を加工した後のあらゆる物品に装飾を施すこともできる。また、それらの基材表面に予め塗装したものの表面に装飾を施すこともできる。
装飾を施す物品の具体例としては、
(1)自動車、トラック、バスなどの輸送機器の外装、内装、バンパー、ドアノブ、サイドミラー、フロントグリル、ランプの反射板、表示機器等、
(2)テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、パーソナルコンピューター、携帯電話、カメラなどの電化製品の外装、リモートコントロール、タッチパネル、フロントパネル等、
(3)家屋、ビル、デパート、ストアー、ショッピングモール、パチンコ店、結婚式場、葬儀場、神社仏閣などの建築物の外装、窓ガラス、玄関、表札、門扉、ドア、ドアノブ、ショーウインド、内装等、
(4)照明器具、家具、調度品、トイレ機器、仏壇仏具、仏像などの家屋設備、
(5)金物、食器などの什器、
(6)飲料水、タバコなどの自動販売機、
(7)合成洗剤、スキンケア、清涼飲料水、酒類、菓子類、食品、たばこ、医薬品などの容器、
(8)表装紙、ダンボール箱などの梱包用具、
(9)衣服、靴、鞄、メガネ、人口爪、人口毛、宝飾品などの衣装・装飾品、
(10)野球のバット、ゴルフのクラブなどのスポーツ用品、つり具などの趣味用品、
(11)鉛筆、色紙、ノート、年賀はがきなどの事務用品、机、椅子などの事務機器、
(12)書籍類のカバーやオビ等、人形、ミニカーなどのおもちゃ、定期券などのカード類、CD、DVDなどの記録媒体、などが挙げられる。また、人間の爪、皮膚、眉毛、髪の毛などを基材とすることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
参考例1
イオン交換水(128ミリリットル)中に、モノエタノールアミン(11.72ミリモル)及びピロガロール(3.975ミリモル)を溶解した後、硝酸銀(5.89ミリモル)を含む水溶液(2ミリリットル)を添加し、マグネティックスターラーを用いて、室温にて1時間撹拌した。撹拌後、透析によって、溶液中の硝酸イオン濃度が100ppm未満となるまで精製を行い、銀のコロイド分散液を作製した。この銀微粒子のメジアン径は10.9nmであった。
参考例2
イオン交換水(128ミリリットル)中に、ジエタノールアミン(5.86ミリモル)及びピロガロール(2.65ミリモル)を溶解した以外は、参考例1と同様に銀コロイド分散液を作製した。この銀微粒子のメジアン径は10.1nmであった。
実施例1
イオン交換水(128ミリリットル)中に、トリエタノールアミン(58.6ミリモル)及びピロガロール(2.65ミリモル)を溶解した以外は、参考例1と同様に銀コロイド分散液を作製した。この銀微粒子のメジアン径は8.8nmであった。
参考例3
イオン交換水(128ミリリットル)中に、モノエタノールアミン(11.72ミリモル)及びフロログルシノール二水和物(3.975ミリモル)を溶解した以外は、参考例1と同様に銀コロイド分散液を作製した。この銀微粒子のメジアン径は69.8nmであった。
比較例1
イオン交換水(128ミリリットル)中に、プロリン(5.86ミリモル)及びピロガロール(2.65ミリモル)を溶解した以外は、参考例1と同様に銀コロイド分散液を試みた。この銀微粒子は凝集しており、粒子のメジアン径は875.4nmであった。
比較例2
イオン交換水(128ミリリットル)中に、モノエタノールアミン(5.86ミリモル)及びL(+)‐アスコルビン酸(11.78ミリモル)を溶解した以外は、参考例1と同様に銀コロイド分散液を試みた。得られた試料は凝集によって沈降し、コロイドは生成しなかった。
比較例3
イオン交換水(128ミリリットル)中に、モノエタノールアミン(5.86ミリモル)のみを溶解した以外は、参考例1と同様に銀コロイド分散液を試みた。得られた試料は凝集によって沈降し、コロイドは生成しなかった。
比較例4
イオン交換水(128ミリリットル)中に、ピロガロール(2.65ミリモル)のみを溶解した以外は、参考例1と同様に銀コロイド分散液を試みた。得られた粒子は凝集しており、粒子のメジアン径は4960.2nmであった。
比較例5
イオン交換水(128ミリリットル)中に、モノエタノールアミン(16.37ミリモル)及び硝酸銀(5.89ミリモル)を含む水溶液(2ミリリットル)を添加し、銀イオンとモノエタノールアミンとを錯形成させた後、ピロガロール(2.65ミリモル)の水溶液(2ミリリットル)を添加し、マグネティックスターラーを用いて、室温にて1時間撹拌した。撹拌後、透析によって、溶液中の硝酸イオン濃度が100ppm未満となるまで精製を行い、銀コロイド分散液を試みた。得られた粒子は凝集しており、粒子のメジアン径は100.9nmであった。
実施例1、参考例1〜3、比較例1〜5で得られた金属微粒子を電子顕微鏡で観察したところ、本発明の実施例では独立した金属微粒子が確認できたが(図2を参照)、比較例ではいずれも凝集状態であった。
また、金属コロイド液における金属微粒子の粒度分布を動的光散乱法粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA型:日機装社製)を用いて測定したところ、本発明の実施例では粒度分布がシャープであり、メジアン径も小さいことから、微細な金属微粒子が独立に分散した状態であることがわかった(図5を参照)。一方、比較例ではいずれも粒度分布がブロードであり、メジアン径も大きいことから、金属微粒子が凝集した状態であった(図7〜9参照)。なお、この動的光散乱法粒度分布測定には、超音波分散機を用いて水中に十分に分散させ、レーザーの信号強度が0.6〜0.8になるように濃度調整した水系スラリーを用いた。
また、実施例1、参考例1〜3の試料をFT−IRにより確認したところ、エタノールアミンとピロガロールやその酸化体又はフロログルシノールやその酸化体を検出した。
本発明の金属微粒子、それを分散した金属コロイド液は従来のものに比べて、凝集状態の粒子が少なく独立に分散した状態を維持しているため、溶媒中での分散安定性に優れており、そのため導電剤、帯電防止剤、電磁波遮蔽剤、赤外線遮蔽剤、発色剤、着色剤、触媒等の種々の用途に用いることができる。特に、塗膜の導電性を活用したプリント配線基板等の微細電極及び回路配線の形成、塗膜の鏡面を活用した意匠・装飾用途等に好適に用いられる。
参考例1で得られた銀微粒子の電子顕微鏡写真(倍率25000倍)である。 実施例1で得られた銀微粒子の電子顕微鏡写真(倍率25000倍)である。 参考例1で得られた銀コロイド液の粒度分布図である。 参考例2で得られた銀コロイド液の粒度分布図である。 実施例1で得られた銀コロイド液の粒度分布図である。 参考例3で得られた銀コロイド液の粒度分布図である。 比較例1で得られた試料の粒度分布図である。 比較例4で得られた試料の粒度分布図である。 比較例5で得られた試料の粒度分布図である。

Claims (5)

  1. ピロガロール及び/又はその酸化体とトリエタノールアミンとを表面に少なくとも有した金属微粒子。
  2. 前記の金属微粒子の平均粒子径が1〜100nmである請求項1に記載の金属微粒子。
  3. 請求項1又は2に記載の金属微粒子が溶媒に分散した金属コロイド溶液。
  4. ピロガロールトリエタノールアミンとの混合液と、金属化合物溶液とを混合し還元することを特徴とする金属微粒子の製造方法。
  5. ピロガロールトリエタノールアミンとの混合液と、金属化合物溶液とを混合し還元することを特徴とする金属微粒子が溶媒に分散した金属コロイド溶液の製造方法。
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