JP5687929B2 - 有機性廃棄物処理方法および有機性廃棄物処理装置 - Google Patents
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Description
下水処理場に送られた下水は、大きなゴミをとった後に最初沈殿池で、上澄み液と沈殿物である汚泥(以下、初沈汚泥と称す)とに分離される。上澄み液は曝気槽に送られ、曝気槽で好気性微生物により好気処理が行われる。好気処理が行われた処理液は最終沈殿池で、上澄み液と、沈殿物とに分離される。
最終沈殿池の沈殿物は、その一部が曝気槽に送られ好気処理を促進する一方、その他は、余剰汚泥として次の2つの方法で処理される。
余剰汚泥の第1の処理方法は、初沈汚泥とともに脱水工程で水分を除去し、脱水後の余剰汚泥、初沈汚泥を焼却、埋め立て等の最終処分を行う。
従来の一般的な下水汚泥の嫌気性消化処理は、該下水汚泥を濃縮(沈殿)した後の初沈汚泥と該下水の上澄み液を好気性微生物で処理した後の残物である余剰汚泥とを、直接、嫌気性消化タンクに投入して処理している。
嫌気性消化タンクでの消化温度を維持するために、外部から熱を嫌気性消化タンク内に供給して加温している。
可溶化技術の中では熱処理が有望であり、初沈汚泥、余剰汚泥を混合して熱可溶化を行った後、消化処理する方式が主である。
そこで、熱可溶化後に減圧する減圧タンクと、嫌気性消化タンクでの嫌気性消化処理の適温(中温発酵で35〜38℃、高温発酵で50〜55℃)まで冷却する冷却装置とが設備されている。
なお、本願に係わる先行技術文献としては、下記の特許文献1、2がある。
また、脱水後の余剰汚泥を燃やす場合には燃料が必要である。一方、脱水後の余剰汚泥を産業廃棄物として埋め立てる際には埋め立て場所の確保が困難となっている。また、埋め立て場所近くの住民に嫌悪感があるという不都合がある。
さらに、脱水後の余剰汚泥の量が多いために費用が嵩むという問題がある。
また、熱可溶化後の減圧のための減圧タンク、冷却のための冷却装置が必要であるとともに、加えた熱を回収する熱交換器などの補機類も必要となる。そして、これら設備のメンテナンスが必要であり、これにかかるコスト負担が大きいという問題がある。
望ましくは、前記嫌気性消化処理の適温の温度範囲は、中温発酵である35〜38℃程度または高温発酵である50〜55℃程度の温度範囲であり、前記熱可溶化工程は、120〜190℃の温度で行われるとよい。
第8の本発明に関わる有機性廃棄物処理装置は、第2の本発明に関わる有機性廃棄物処理方法を実現する装置である。
第10の本発明に関わる有機性廃棄物処理装置は、第4の本発明に関わる有機性廃棄物処理方法を実現する装置である。
第11の本発明に関わる有機性廃棄物処理装置は、第5の本発明に関わる有機性廃棄物処理方法を実現する装置である。
第12の本発明に関わる有機性廃棄物処理装置は、第6の本発明に関わる有機性廃棄物処理方法を実現する装置である。
図1は、下水処理場1を機能的に示す概念図である。
一般家庭等の生活雑排水、し尿などの下水(有機性廃棄物)は、下水道を通って図1に示す下水処理場1に送られる。
最初沈殿池2での上澄み水は、好気処理される曝気槽3に送られる。曝気槽3内には空気が入れられ、好気性微生物の活動が活発化されている。
曝気槽3で好気処理された好気性消化後有機性廃棄物は、最終沈殿池4に送られる。
最終沈殿池4における上澄み水は処理水として抜き出され、放流等される。
一方、最終沈殿池4の沈殿物は、循環路p1を通って分岐路p21、p22に送られ、分岐路p21を介して、その一部が流量制御されて曝気槽3に送られるとともに、その他の沈殿物は、分岐路p22を介して、余剰汚泥として有機汚泥処理装置A1に送られ、最終的な処理が行われる。
図2は、本発明に係わる実施形態1の有機汚泥処理装置A1を機能的に示す概念図である。
有機汚泥処理装置A1は、余剰汚泥の濃度を調整して熱可溶化した後、消化しやすい初沈汚泥等とともに直接、嫌気性消化タンク7に投入して嫌気性消化処理を行う装置である。
具体的には、有機汚泥処理装置A1は、嫌気性消化し易い初沈汚泥や生ゴミ等は直接消化処理し、消化しにくい余剰汚泥は熱エネルギ(飽和蒸気圧下のl60〜190℃の熱)を加えて熱可溶化した熱可溶化余剰汚泥として消化し易くしてから、初沈汚泥等と混合して、嫌気性消化処理する。
つまり、余剰汚泥を熱可溶化した後の高温(例えばl60〜190℃)の熱可溶化余剰汚泥を冷却することなく、また、常温(例えばl0〜25℃)の初沈汚泥を加温することなく、高温の熱可溶化余剰汚泥のもつ熱量と常温の初沈汚泥のもつ熱量との熱バランスが、嫌気性消化タンク7での嫌気性消化処理に適した所定範囲内に収まるようにしている。
熱可溶化装置6は、余剰汚泥を高温・高圧の条件下で、熱可溶化させるための装置である。
ここで、容器6a内の所定圧力は0.2MPa〜1.0MPa、好ましくは0.5MPa〜0.8MPaであり、容器6a内の所定温度は120℃〜190℃、好ましくは150℃〜170℃である。制御部が、温度センサ、圧力センサにより測定された容器6a内の温度及び圧力に基づいて、スチームバルブと圧力調節弁6bとを開閉して、所定圧力及び所定温度とすることにより、容器6a内に投入された余剰汚泥が加水分解により熱可溶化されることとなる。
濃度調整装置5は、l20〜190℃の高温で熱可溶化した高温の熱可溶化余剰汚泥の熱と、常温の初沈汚泥の熱とで、嫌気性消化タンク7で行われる熱可溶化余剰汚泥および初沈汚泥の嫌気性消化処理を行うための適温とする。
160×F1+10×F2=35×(F1+F2) (1)
(1)式より、 5×F1=F2 (2)
の関係が導かれる。
(2)式の熱可溶化余剰汚泥の嫌気性消化タンク7への流量F1と初沈汚泥の嫌気性消化タンク7への流量F2との関係に従って、制御部により、熱可溶化余剰汚泥の嫌気性消化タンク7への流量F1と、初沈汚泥の嫌気性消化タンク7への流量F2とを決定し、流量F1、F2になるように制御する。
嫌気性消化タンク7は、熱可溶化した熱可溶化余剰汚泥と初沈汚泥の嫌気性消化処理を行うための槽である。
嫌気性消化タンク7(以下、消化タンク7と称す)は、図示しない制御部により制御される。
消化タンク7は、その内部に配置される攪拌装置7aにより、消化タンク7内の有機性廃棄物である熱可溶化された高温の熱可溶化余剰汚泥と常温の初沈汚泥の温度分布を、嫌気性消化処理に適した温度に均一化することができる。
消化タンク7内に配置される攪拌装置7aは、筒状、ここでは円筒状であって、消化タンク7内の中央部を囲んで配置されるドラフトチューブ7a2と、ドラフトチューブ7a2の内部に配置されるとともに図示しない駆動装置により回転駆動される攪拌翼7a1とを備えている。
嫌気性消化処理は、余剰汚泥から有機酸(主に酢酸(CH3COOH)、他にプロピオン酸(C2H5COOH)等)を生成する酸発酵と、有機酸からメタンガス(CH4)と二酸化炭素(CO2)を生成するメタン発酵との2つの工程がある。
嫌気性消化処理の2つの過程を単一の消化タンク7の中で同時並行的に行う場合、酸発酵処理及びメタン発酵処理が同時並行的に行われることになる。
なお、消化タンク7内の温度が50〜55℃の場合には、メタン発酵処理の処理速度は、温度が35〜38℃の場合に比べ、2倍の処理能力を有する。
有機汚泥処理装置A1を用いた有機汚泥処理方法は、濃度調整工程(流量調整工程)と、熱可溶化工程と、嫌気性消化工程とを有している。
本濃度調整工程により、消化タンク7における初沈汚泥および熱可溶化余剰汚泥の温度が嫌気性消化処理の適温になるので、嫌気性消化処理が効率的に行われることになる。
熱可溶化装置6の内部はボイラ(図示せず)からのスチームにより、圧力が0.2MPa〜1.0MPa、好ましくは0.5MPa〜0.8MPa、温度が120℃〜190℃、好ましくは150℃〜170℃の高温、高圧に制御されている。
嫌気性消化工程は、酸発酵工程とメタン発酵工程との2つの工程からなり、消化タンク7において行われる。
なお、嫌気性消化によって発生したメタンガスは、消化タンク7が備えるメタンガス回収器(図示せず)によって回収されて、ボイラ等に供給される。
なお、脱水汚泥ケーキは、乾燥装置により乾燥させて焼却するか、又は、有機汚泥処理装置A1の場外に搬出されて、コンポスト化されるか、又は埋め立てられる。また、脱水した脱水ろ液は、例えば、活性汚泥処理を行なう水処理系の活性汚泥処理場等に返流される。
また、設備、メンテナンスを必要としないことから、コストの削減が可能である。
また、下水処理場1からの発生汚泥量の削減(従来の30〜50%減)が可能であり、消化ガス(メタンガス)の増収(従来の10〜30%増)を図れ、エネルギの回収が行える。
従って、エネルギの消費が少なく、設備、メンテナンスを必要としない余剰汚泥を効率的に処理する低コストの有機汚泥処理装置A1が得られる。
次に、実施形態2の有機汚泥処理装置A2を用いた有機汚泥処理方法(有機性廃棄物処理方法)について説明する。
図3は、本発明に係わる実施形態2の有機汚泥処理装置A2を機能的に示す概念図である。
その他の構成は、実施形態1と同様であるから、実施形態1と同様な構成要素には、20番台の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
酸発酵槽27は、酸発酵槽27内の有機性廃棄物の熱可溶化余剰汚泥と初沈汚泥の温度を計測する温度計を備え、制御部により、酸発酵槽27内の有機性廃棄物(熱可溶化余剰汚泥と初沈汚泥)が所定の温度となるように、熱可溶化余剰汚泥と初沈汚泥の投入が制御されている。
酸発酵槽27への熱可溶化された熱可溶化余剰汚泥の流量F21と初沈汚泥の酸発酵槽27への流量F22とは、(1)式、(2)式と同様に、次のように算出される。
160×F21+10×F22 = 60×(F21+F22) (3)
(3)式より、 2×F21=F22 (4)
の関係が導かれる。
なお、初沈汚泥、熱可溶化余剰汚泥に加え、破砕した生ゴミを酸発酵槽27で嫌気性消化処理する場合には、初沈汚泥の酸発酵槽27への流量と破砕した生ゴミの酸発酵槽27への流量とを加えた流量をF22として同様に演算すればよい。
このように、高温の熱可溶化余剰汚泥の熱を有効に利用することで、消費する熱エネルギの低減が可能となる。
ただし、この場合、40〜90°Cに調整したのちメタン発酵槽28に投入する。メタン発酵槽28は、メタン発酵槽28内の有機性廃棄物の温度を所定温度(例えば、約40℃)とするための熱交換器等が必要となる場合もある。
ドラフトチューブ付攪拌翼の場合の酸発酵用攪拌装置27aは、図2の攪拌装置7aに相当し、筒状、ここでは円筒状であって、酸発酵槽27内の中央部を囲んで配置されるドラフトチューブ27a2と、駆動装置(図示されず)により回転駆動されるとともにドラフトチューブ27a2の内部に配置された攪拌翼27a1とを、備えている。
つまり、酸発酵用攪拌装置27aによれば、酸発酵槽27内の有機性廃棄物である熱可溶化余剰汚泥と初沈汚泥とに、実施形態1の嫌気性消化タンク7内の有機性廃棄物の熱可溶化余剰汚泥と初沈汚泥の流動と同様の流動を発生させることができて、酸発酵槽27内の有機性廃棄物の温度分布の均一化が促進される。
その他、実施形態1と同様な作用効果を奏する。
次に、実施形態3の有機汚泥処理装置A3を用いた有機汚泥処理方法(有機性廃棄物処理方法)について説明する。
図4は、本発明に係わる実施形態3の有機汚泥処理装置A3を機能的に示す概念図である。
その他の構成は、実施形態2と同様であるから、実施形態2と同様な構成要素には30番台の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
循環ライン31は、酸発酵槽37、メタン発酵槽38内で嫌気性消化された消化後有機性廃棄物が固液分離装置39で固液分離された固形分を、再び、酸発酵槽37内に循環させるためのパイプラインである。また、循環ライン31は図示しない循環ポンプを備えており、熱可溶化余剰汚泥(熱可溶化有機性廃棄物)と初沈汚泥とに、固液分離された固形分を合流させて、酸発酵槽37内に循環させる。
ドラフトチューブ付攪拌翼の場合の酸発酵用攪拌装置37aは、図2の攪拌装置7aに相当し、筒状、ここでは円筒状であって、酸発酵槽37内の中央部を囲んで配置されるドラフトチューブ37a2と、駆動装置(図示されず)により回転駆動されるとともにドラフトチューブ37a2の内部に配置された攪拌翼37a1とを、備えている。
160×F31+10×F32+20×F33
=60×(F31+F32+F33) (5)
(5)式より、 F31=(1/10)×(5×F32+4×F33) (6)
の関係が導かれる。
このように、高温の熱可溶化余剰汚泥の熱を有効に利用することで、消費する熱エネルギの低減が可能となる。
実施形態3の有機汚泥処理方法は、嫌気性消化工程の酸発酵工程において消化後有機性廃棄物を固液分離工程(第1固液分離工程)と、固液分離工程で分離した固形分を循環させる循環工程(第1循環工程)とを有する点が、実施形態2の有機汚泥処理方法と相違する。この固液分離工程、循環工程を経てから、消化後有機性廃棄物の固形分の嫌気性消化工程が行われる。
循環工程は、固液分離工程で分離された消化後有機性廃棄物の固形分を循環ライン31によって、酸発酵槽37に循環させ、消化後有機性廃棄物の固形分を再度、嫌気性消化処理するための工程である。なお、循環工程は、任意の回数繰り返すことができる。
これによれば、有機性廃棄物を一度だけ嫌気性消化した場合に比べて、より多くのメタンガスを回収するとともに、有機性廃棄物の固形分をより減容化することができる。
なお、実施形態1、2の有機汚泥処理装置A1、A2を用いた有機汚泥処理方法の作用効果は、同様に奏する。
また、有機性廃棄物の減容化、メタンガスの回収は、実施形態1、2、3の順で効果が大きくなる。
或いは、消化後有機性廃棄物の固形分を、循環ラインを介して、酸発酵槽37および熱可溶化装置36に循環させるように構成してもよい。
6、26、36 熱可溶化装置(熱可溶化手段)
7 嫌気性消化タンク(嫌気性消化処理手段)
27、37 酸発酵槽(酸発酵部、嫌気性消化処理手段)
28、38 メタン発酵槽(メタン発酵部、嫌気性消化処理手段)
31、32 循環ライン(第1循環手段、第2循環手段)
39 固液分離装置(第1固液分離手段、第2固液分離手段)
A1、A2、A3 有機汚泥処理装置(有機性廃棄物処理装置)
Claims (14)
- 有機性廃棄物を、好気処理した後の余剰汚泥と前記有機性廃棄物の初沈汚泥とを別々に、処理する有機性廃棄物処理方法であって、
前記余剰汚泥の流量を、当該余剰汚泥を後の熱可溶化後の嫌気性消化処理において前記初沈汚泥と混ぜた場合に、前記熱可溶化後の前記余剰汚泥の熱と前記初沈汚泥の熱とで、前記嫌気性消化処理の適温の温度範囲になるような所定の流量に調整する流量調整工程と、
前記流量調整工程で所定の流量に調整された前記余剰汚泥を熱可溶化する熱可溶化工程と、
前記熱可溶化工程で熱可溶化された前記余剰汚泥と前記初沈汚泥とに対して、加温する新たなエネルギが不要である前記嫌気性消化処理を行う嫌気性消化工程とを
含んで成ることを特徴とする有機性廃棄物処理方法。 - 前記嫌気性消化処理の適温の温度範囲は、中温発酵である35〜38℃程度または高温発酵である50〜55℃程度の温度範囲であり、
前記熱可溶化工程は、120〜190℃の温度で行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物処理方法。 - 前記流量調整工程は、前記余剰汚泥が前記所定の流量になるように、当該余剰汚泥の濃度を調整する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機性廃棄物処理方法。 - 前記流量調整工程は、前記余剰汚泥の流量を、当該余剰汚泥を後に嫌気性消化処理において前記初沈汚泥と破砕した生ゴミとに混ぜた場合に前記嫌気性消化処理の適温となるような所定の流量に調整し、
前記嫌気性消化工程は、前記熱可溶化工程で熱可溶化された前記余剰汚泥と前記初沈汚泥と前記破砕した生ゴミとに対して前記嫌気性消化処理を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の有機性廃棄物処理方法。 - 前記嫌気性消化工程は、酸発酵を行う酸発酵工程とメタン発酵を行うメタン発酵工程とに分離される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか一項に記載の有機性廃棄物処理方法。 - 前記嫌気性消化工程で嫌気性消化処理された消化後有機性廃棄物を固液分離する第1固液分離工程と、
前記第1固液分離工程で固液分離された固形分を前記嫌気性消化工程に循環する第1循環工程とを
含むことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか一項に記載の有機性廃棄物処理方法。 - 前記嫌気性消化工程で嫌気性消化処理された消化後有機性廃棄物を固液分離する第2固液分離工程と、
前記第2固液分離工程で固液分離された固形分を前記熱可溶化工程に循環する第2循環工程とを
含むことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れか一項に記載の有機性廃棄物処理方法。 - 有機性廃棄物を、好気処理した後の余剰汚泥と前記有機性廃棄物の初沈汚泥とを別々に、処理する有機性廃棄物処理装置であって、
前記余剰汚泥の流量を、当該余剰汚泥を後の熱可溶化後の嫌気性消化処理において前記初沈汚泥と混ぜた場合に、前記熱可溶化後の前記余剰汚泥の熱と前記初沈汚泥の熱とで、前記嫌気性消化処理の適温の温度範囲になるような所定の流量に調整する流量調整手段と、
前記流量調整手段で所定の流量に調整された前記余剰汚泥を熱可溶化する熱可溶化手段と、
前記熱可溶化手段で熱可溶化された前記余剰汚泥と前記初沈汚泥とに対して、加温する新たなエネルギが不要である前記嫌気性消化処理を行う嫌気性消化処理手段とを
備えることを特徴とする有機性廃棄物処理装置。 - 前記嫌気性消化処理の適温の温度範囲は、中温発酵である35〜38℃程度または高温発酵である50〜55℃程度の温度範囲であり、
前記熱可溶化は、120〜190℃の温度で行われる
ことを特徴とする請求項8に記載の有機性廃棄物処理装置。 - 前記流量調整手段は、前記余剰汚泥が前記所定の流量になるように、当該余剰汚泥の濃度を調整する
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の有機性廃棄物処理装置。 - 前記流量調整手段は、前記余剰汚泥の流量を、当該余剰汚泥を後に嫌気性消化処理において前記初沈汚泥と破砕した生ゴミとに混ぜた場合に前記嫌気性消化処理の適温となるような所定の流量に調整し、
前記嫌気性消化処理手段は、前記熱可溶化手段で熱可溶化された前記余剰汚泥と前記初沈汚泥と前記破砕した生ゴミとに対して前記嫌気性消化処理を行う
ことを特徴とする請求項8から請求項10のうちの何れか一項に記載の有機性廃棄物処理装置。 - 前記嫌気性消化処理手段は、酸発酵を行う酸発酵部とメタン発酵を行うメタン発酵部とに分離して構成される
ことを特徴とする請求項8から請求項11のうちの何れか一項に記載の有機性廃棄物処理装置。 - 前記嫌気性消化処理手段で嫌気性消化処理された消化後有機性廃棄物を固液分離する第1固液分離手段と、
前記第1固液分離手段で固液分離された固形分を前記嫌気性消化処理手段に循環する第1循環手段とを
備えることを特徴とする請求項8から請求項12のうちの何れか一項に記載の有機性廃棄物処理装置。 - 前記嫌気性消化処理手段で嫌気性消化処理された消化後有機性廃棄物を固液分離する第2固液分離手段と、
前記第2固液分離手段で固液分離された固形分を前記熱可溶化手段に循環する第2循環手段とを
備えることを特徴とする請求項8から請求項13のうちの何れか一項に記載の有機性廃棄物処理装置。
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