JP2003103292A - 生物由来性の廃水及び廃棄物の合併処理方法 - Google Patents

生物由来性の廃水及び廃棄物の合併処理方法

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wastewater
treatment
waste
solid
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Sadaaki Murakami
定瞭 村上
Hidekazu Ishikawa
英一 石川
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Mitsui Bussan Plant and Project Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物由来性の廃水及び廃棄物を合併処理し、
余剰汚泥等の発生をほぼ完全に防止し、汚濁物質・廃棄
物が含むエネルギー・リンを高率に回収し、処理設備の
設置空間・運転経費等を低減する。 【解決手段】 廃水104中の液体分11と固形分12
とを分離する固液分離工程10と、液体分11を処理す
る嫌気性生物工程20と、嫌気性生物工程20からの嫌
気性処理液21中に残存する汚濁物質を処理する好気性
生物処理工程30と、廃棄物105と嫌気性生物工程2
0の嫌気性余剰汚泥22と好気性生物工程30の好気性
余剰汚泥32とを破砕・混合する破砕/混合工程40
と、破砕/混合工程40からの混合固形物107を可溶
化する可溶化工程50とを有し、可溶化工程50からの
可溶化液51及び固形残渣52をそれぞれ嫌気性生物工
程20及び好気性生物工程30へ移送して処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農畜水産物等から加
工食品等を生産する事業所等から排出される生物由来性
の廃水及び廃棄物の合併処理に係わり、処理手段として
特に、生物学的工程を有する廃水及び廃棄物の合併処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】農畜水産物(生物由来原料)から加工食
品を生産する事業所や家畜・牛乳等を生産する畜産場か
らは、汚濁濃度の高い廃水及び固形廃棄物が多量に排出
される。本発明での廃水とは溶解性及び懸濁性の生物由
来性汚濁物質を含むもので、廃棄物とは生物由来性で固
形状又はスラリー状のものをいう。現状ではこれらの廃
水及び廃棄物はそれぞれ別途に処理又は処分されること
が多い。
【0003】廃水の処理には、好気性生物法、嫌気性生
物法、又はこれらの併用法が適用されている。一般に汚
濁物質濃度が高い廃水には嫌気性生物法、低い液体分に
は好気性生物法が適用され、その濃度の境界はBODで
1,000mg/L前後といわれる。
【0004】廃水の好気性生物処理法はエネルギー多消
費型で、副産物である余剰汚泥が大量に発生するが、処
理水質が良好であり、特に、汚濁物質濃度が低く処理水
量が多い廃水処理に適用されている。
【0005】廃水の嫌気性生物処理法は省エネルギー型
で余剰汚泥の発生量が少ないが、加温を必要とし、さら
に処理水質が悪いので、特に汚濁物質濃度が高く、処理
水量が少ない廃水処理に適用されている。また、廃水の
滞留時間(HRT)が数十日の従来型嫌気性消化法に対
し、HRTが1日程度であるUASB(上昇流嫌気性ブ
ランケット)法等の高負荷高速型嫌気性生物法が採用さ
れるようになったが、固形分を含まない廃水の処理に限
定されている。
【0006】廃水の嫌気性及び好気性の併用型生物処理
法は汚濁物質濃度の高い廃水に適用され、先ず嫌気法に
より大部分の汚濁物質を削減し、次に残存する物質を好
気法により除去する方法で、総合的に省エネルギーで余
剰汚泥の発生量が少なく、良好な水質が得られる。
【0007】廃水の生物学的処理においては、必ず副産
物である余剰汚泥が発生する。この余剰汚泥の発生を削
減する方法として、機械的、生物的、化学的、物理的、
あるいはこれらの併用により余剰汚泥を基質化して生物
反応工程へ返送して分解・消滅させる方法が種々開発さ
れている(例えば、新しい水処理シリーズ 汚泥の減
量化と発生防止技術、エヌ・ティー・エス、2000年
参照)。この原理に基づく余剰汚泥の削減法を本発明者
らは、余剰汚泥基質化型生物法と命名している(第35
回水環境学会年会講演集、2001年、p.288参
照)。
【0008】廃棄物については、処理処分と有効利用が
ある。廃棄物の多くは焼却・埋立処分されている。有効
利用には飼料化、堆肥化及び工業原料化が主なものであ
る。又、焼却灰の有効利用はセメントや路盤材等の建設
資材化である。
【0009】廃棄物の処理処分や有効利用に対して、今
日、廃棄物についても、廃水と同様に生物学的に処理し
てエネルギーやリンなどの資源を回収する技術が提案さ
れている。
【0010】廃棄物の生物学的処理とそのエネルギー資
源の回収について数例を上げると、汚泥を熱アルカリ処
理して可溶化し、この可溶化液を嫌気性生物処理して消
化効率を上げるとともに、回収したメタンガスを熱アル
カリ処理工程の熱源とする方法(特許第2659895
号、特許第2136826号)、有機性固形物含有廃水
中の固形分を固液分離して高温で可溶化し、この可溶化
液を液体分とともにUASB工程で処理し、回収したメ
タンを可溶化工程の熱源とする方法(特開平09−00
1179号)がある。また、特開平10−192889
号には、嫌気性生物法と好気性生物法とを併用した廃水
の処理方法が示され、廃水中の固形物及び好気性生物処
理工程の余剰汚泥を加熱可溶化して、嫌気性生物処理工
程へ導入し余剰汚泥を削減するとともに、嫌気性工程で
回収したメタンを熱可溶化工程の熱源としている。
【0011】廃棄物の生物学的処理とそのリン資源の回
収について数例を上げると、固形物含有廃水の嫌気性消
化液を固液分離し、分離した液体分にカルシウム又はマ
グネシウム化合物を添加してリンを不溶性塩として回収
する方法(例えば、特開2000−086214号参
照)、汚泥を機械破砕してリンをリン酸イオンとして溶
出後、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)とし
て回収する方法(特開平11−057791号)、生物
脱リン法における嫌気槽汚泥を引き抜いて、アルカリで
可溶化処理した後、MAPとして回収する方法(例え
ば、特開平11−057773号参照)、汚泥をオゾン
・アルカリ法で可溶化して凝集剤を添加してリンを回収
する方法(例えば、特開平09−099292号参照)
などがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た廃水並びに廃棄物の処理方法には、以下のような諸々
の課題が存在している。
【0013】余剰汚泥の発生を削減する廃水の生物学的
処理法(余剰汚泥基質化生物法)では、基質化した余剰
汚泥の返送による生物処理工程への負荷増加が問題とな
る。通常の沈降分離槽を有する活性汚泥法を用いる余剰
汚泥基質化生物法では、基質化余剰汚泥返送による負荷
増加分を考慮すると、原廃水の曝気槽への容積負荷は最
大で0.4kg−BOD/m3が限度である。食品工業
廃水における活性汚泥処理の多くは0.5kg−BOD
/m3前後で運転されており、余剰汚泥基質化生物法の
適用は過大な曝気量増加や沈降分離槽からの汚泥越流な
どの問題を引き起こす。
【0014】この課題を解決する方法として、例えば、
嫌気性生物法と好気性生物法を併用した廃水の処理方法
(特開平10−192889号)では、廃水中固形物及
び余剰汚泥を加熱により可溶化して嫌気性生物処理工程
へ導入しているので、好気性生物処理工程の負荷が軽減
されるだけでなくエネルギー回収ができることから原理
的には理想的なシステムである。しかし、加熱による固
形物及び余剰汚泥の可溶化率はいずれも数%で、可溶化
処理後に残存する大部分の固形物及び余剰汚泥が好気性
生物処理工程へ移送されるため、好気性生物処理工程で
の過大な曝気量増加や活性汚泥濃度の増大による沈降分
離槽からの汚泥越流などの問題を引き起こす懸念があ
る。
【0015】さらに、この方法には廃棄物を廃水ととも
に合併処理する能力はない。また、可溶化率が数%に限
定されるため、嫌気性生物処理工程及び好気性生物処理
工程の処理能力が一義的に決定され、このシステムの導
入に当たって嫌気性生物処理工程及び/又は好気性生物
処理工程に対して既存設備を利用できないことがある。
【0016】固形物を加熱法あるいは熱アルカリ法によ
り可溶化することにより、固形物を含有する廃水処理に
対してUASB法などの高負荷高速嫌気性生物法の適用
を可能にする方法も提案されている。しかし、加熱法に
よる汚泥や動物性繊維質・植物性固形物の可溶化率は数
%と低く、また、加熱アルカリ法による可溶化率は数十
%と高くなるが、十分な可溶化率を達成するためには、
多量のアルカリ及び可溶化後の中和剤が必要で極めて高
価な方法である。その他、加熱、アルカリ、オゾン、過
酸化水素等を単独あるいは組み合せた可溶化手段を用い
た類似技術が多数提案されているが、可溶化率が低いこ
とや薬品代が高価であること等の課題がある。
【0017】廃棄物の処理とエネルギー・リンの資源回
収については、破砕、熱、アルカリ、オゾン、過酸化水
素等を単独あるいは併用により可溶化した後、メタン発
酵やリン固定によりエネルギーやリンを回収している
が、可溶化工程が煩雑であったり、処理コストが高価で
あったり、回収率が低いなどの課題がある。
【0018】従来の廃水又は廃棄物の生物学的処理方法
は、上記した諸課題に加えて、特定の廃水又は廃棄物に
対して単一の要素技術あるいは複数の要素技術の併用処
理システムより対処するもので、様々な事業所から排出
される性状がそれぞれ異なる全ての廃水及び廃棄物の双
方に対して、同一構想に基づく処理システムにより対処
するものではない。
【0019】さらに、新規システムを導入する場合に
は、廃水及び/又は廃棄物を排出する事業所の設置空
間、設備投資額、運転経費、既存設備の再利用等の状況
が考慮されなければならないが、このような諸状況に対
処できる廃水及び/又は廃棄物の処理方法は現在のとこ
ろ見あたらない。
【0020】本発明は、上述する諸々の事情に鑑みてな
されたものであり、様々な生物由来性の廃水及び廃棄物
を同一の処理システムにより合併処理することができ、
合併処理に伴って発生する余剰汚泥等の副産物をほぼ完
全に削減するとともに、廃水中汚濁物質及び廃棄物が有
するエネルギー及びリンを高率に回収することができ、
さらに合併処理設備の設置空間、建設経費及び運転経費
等の要求に自在に対応できる処理システムの構築が可能
な廃水及び廃棄物の合併処理方法を提供することを目的
とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者は鋭意検討した結果、汚泥及び廃棄物を合併
処理できるとともに、副産物である余剰汚泥をほとんど
発生することなく、加えてエネルギー及びリンを回収す
ることができて、さらに、事業所の状況に応じて、合併
処理設備の設置空間、建設経費及び運転経費等の要求に
自在に対応できる処理システムの構築が可能な廃水及び
廃棄物の合併処理方法を見出し、本発明に到達した。
【0022】すなわち、本発明における請求項1に記載
の生物由来性の廃水及び廃棄物の合併処理方法は、生物
由来性の廃水及び廃棄物(固形状又はスラリー状)を合
併処理する方法であって、前記廃水中の液体分と固形分
とを分離する固液分離工程と、該固液分離工程により分
離された液体分を処理することによって嫌気性処理液を
生成する嫌気性生物処理工程と、該嫌気性生物処理工程
からの嫌気性処理液中に残存する汚濁物質を処理する好
気性生物処理工程と、前記廃棄物、前記固液分離工程か
らの固形分、前記嫌気性生物処理工程からの嫌気性余剰
汚泥、及び前記好気性生物処理工程からの好気性余剰汚
泥を混合し又は破砕混合することによって混合固形物を
生成する破砕/混合工程と、該破砕/混合工程からの前
記混合固形物の少なくとも一部を可溶化することによっ
て可溶化液を生成し、及びこの可溶化液と可溶化されず
に残存する固形残渣とを分離する可溶化工程と、を有
し、前記可溶化工程からの前記可溶化液を前記嫌気性生
物処理工程へ、及び前記可溶化工程によって分離された
固形残渣を前記好気性生物処理工程へ、それぞれ移送し
て処理することを特徴とする。
【0023】この発明によれば、次のような多様な効果
がある。 (1)廃水処理の初段に固液分離工程を設置することに
より、廃水中の固形分が除去された液体分のみが、嫌気
性生物処理工程へ導入されるので同工程での処理時間の
短縮と消化率が格段に向上する。 (2)嫌気性生物処理工程を好気性生物処理工程の前段
に設置することにより、汚濁物質の大半は省エネルギー
型の嫌気性生物処理工程で除去され、エネルギー多消費
型の好気性生物処理工程の負荷を軽減できるので、全体
として処理コストが低減できる。 (3)嫌気性生物処理工程を好気性生物処理工程の前段
に設置することにより、汚濁物質の大半は余剰汚泥少量
発生型の嫌気性生物処理工程で除去され、余剰汚泥多量
発生型の好気性生物処理工程の負荷を軽減できるので、
全体として生物処理工程(嫌気性生物処理工程及び好気
性生物処理工程)の副産物である余剰汚泥の発生量を大
幅に抑制できる。 (4)可溶化工程は、生物処理工程で発生する余剰汚泥
を可溶化して易分解性の物質へ変換し、可溶化された余
剰汚泥は生物処理工程へ移送されて分解されて消滅する
ので、生物処理工程の副産物である余剰汚泥が発生しな
い処理システムが構築される。 (5)可溶化工程は、廃棄物を可溶化して易分解性の物
質へ変換するので、廃棄物を廃水とともに同一の処理工
程を用いて合併処理できる。 (6)可溶化工程は、混合固形物を可溶化する手段のみ
でなく、可溶化液と可溶化されなかった残存する固形残
渣とを分離する手段を有しているので、可溶化液を嫌気
成生物処理工程へ及び残存固形残渣を好気性生物処理工
程へそれぞれ移送して別途に処理することができる。 (7)可溶化工程と嫌気性生物処理工程の組合せは廃水
中汚濁物質及び廃棄物が有するエネルギーをメタンとし
て高率に回収できる。
【0024】本発明による請求項2に記載の生物由来性
の廃水及び廃棄物の合併処理方法は、請求項1に記載の
可溶化工程での混合固形物の可溶化率が、嫌気性生物処
理工程と好気性生物処理工程との処理能力の割合に応じ
て、0〜100%の範囲で適宜設定されることを特徴と
する。
【0025】すなわち、個々の事業所においては廃水及
び廃棄物の処理設備ついての設置空間・設備投資額・運
転経費等の制約条件があるので、嫌気性生物法と好気性
生物法との処理能力の割合を自在に設定することによ
り、該制約条件を満足する処理システムを構築すること
ができる。
【0026】例えば、設置空間が十分で運転コストが高
くてもよい場合には、可溶化率の低い可溶化工程を適用
し、単位負荷当たり設置空間が広く運転コストの高い好
気性生物処理工程での負荷を高く設定することができ
る。
【0027】反対に、設置空間に制約がある場合には、
可溶化率の高い可溶化工程を適用し、嫌気性生物処理工
程の負荷を高くして好気性生物処理工程の負荷を低減す
ることにより、処理システム全体の設置空間を小さくす
ることができる。後者の場合には可溶化工程の設備費は
高くなるが、処理システムの総合的な運転コストは低く
なる。
【0028】また、既存の嫌気性生物処理工程及び/又
は好気性生物処理工程を利用する場合には、それぞれの
既存設備の処理能力に応じた最適な可溶化率に設定した
可溶化工程を採用することができる。
【0029】本発明による請求項3に記載の生物由来性
の廃水及び廃棄物の合併処理方法は、請求項1に記載の
可溶化工程では、機械的、生物的、化学的あるいは物理
的手段のうちのいずれか一つの手段を用いるか又は二つ
以上の手段を併用して混合固形物の可溶化率を所定の値
に制御することを特徴とする。
【0030】この発明の意味するところは、混合固形物
の可溶化率を所定の値に制御することができるならば、
可溶化手段はいかなる方法であってもよいことである。
これにより嫌気性生物処理工程と好気性生物処理工程と
の処理能力の割合に応じて、可溶化工程における混合固
形物の可溶化率を最適な値に自在に制御することができ
る。
【0031】本発明による請求項4に記載の生物由来性
の廃水及び廃棄物の合併処理方法は、請求項1に記載の
可溶化工程では、混合固形物の可溶化率がいずれの値で
あっても、嫌気性余剰汚泥及び好気性余剰汚泥に由来す
る微生物細胞は低分子化、破砕化、殺傷化のうちの少な
くともいずれか一つの作用によって基質化されることを
特徴とする。
【0032】この発明の意味するところは、可溶化工程
において生物処理工程(嫌気性及び好気性生物処理工
程)からの余剰汚泥は、廃棄物並びに廃水より分離され
た固形分とともに可溶化処理される際に、該可溶化工程
の可溶化率がいかなる値であっても、該余剰汚泥に由来
する微生物細胞は、低分子化、破砕化、殺傷化のうちの
少なくともいずれか一つの作用によって完全に基質化さ
れることである。
【0033】このことにより、可溶化工程において余剰
汚泥の基質化が不十分であって生きた微生物が可溶化工
程からの固形残渣に含まれて好気性生物処理工程内へ移
送されて増殖し、余剰汚泥の削減が不完全になることを
防ぐことができる。
【0034】本発明による請求項5に記載の生物由来性
の廃水及び廃棄物の合併処理方法は、請求項1に記載の
嫌気性生物処理工程には、高負荷高速型嫌気性生物法を
用いることを特徴とする。
【0035】本発明では嫌気性生物処理工程の前段に固
液分離工程を設置して廃水中の固形分を除去している。
嫌気性処理される廃棄物は、可溶化工程において、廃水
中固形分及び余剰汚泥(嫌気性及び好気性双方の生物処
理工程からの余剰汚泥)とともに可溶化されて、易分解
性の物質に変換されている。すなわち、嫌気性生物処理
工程には易分解性で溶解性物質のみが導入されるので、
高負荷高速型嫌気性生物処理工程が適用できることとな
る。
【0036】従来型嫌気性消化法による廃棄物や汚泥の
消化には数十日を必要とし、また、その消化率が50%
程度であるのに対して、本発明による高負荷高速型嫌気
性法によれば、廃棄物及び汚泥の消化日数を1日程度に
まで短縮できるとともに、且つ90%以上の消化率が達
成される。なお、本発明は従来型嫌気性消化法の適用を
妨げるものではなく、従来型でも消化日数の短縮及び消
化率の向上は格段に改善することができる。
【0037】本発明による請求項6に記載の生物由来性
の廃水及び廃棄物の合併処理方法は、請求項1又は請求
項5に記載の嫌気性生物処理工程で発生するメタンを熱
又は電気等のエネルギーに変換するエネルギー変換工程
を有することを特徴とする。
【0038】これによれば、嫌気性生物処理工程で発生
するメタンを熱又は電気等のエネルギーに変換すること
ができる、すなわち、廃水中汚濁物質及び廃棄物が有す
るエネルギー資源を熱又は電気等に変換して回収するこ
とができる。なお、嫌気性生物処理工程からの消化ガス
に含まれる不純物である硫化水素や炭酸ガス等を除去し
てメタンガスの純度を高めるための脱硫装置や脱二酸化
炭素装置等がエネルギー変換工程の前段に設置されるこ
とはいうまでもない。
【0039】本発明による請求項7に記載の生物由来性
の廃水及び廃棄物の合併処理方法は、請求項1、請求項
5及び請求項6のうちのいずれか一項に記載の可溶化液
又は嫌気処理液のうちの少なくとも一方に、リン固定剤
を添加してリンを不溶性リン酸塩として回収するリン回
収工程を有することを特徴とする。
【0040】これによれば、廃水中汚濁物質及び廃棄物
に含まれるリン化合物は、可溶化工程及び/又は嫌気性
生物処理工程でオルトリン酸へ変換されて可溶化してい
るので、カルシウム又はマグネシウム化合物等のリン固
定剤を添加することにより、不溶性リン酸塩としてリン
資源を高率に回収することができる。
【0041】本発明による請求項8に記載の生物由来性
の廃水及び廃棄物の合併処理方法は、請求項1、請求項
5から請求項7のうちのいずれか一項に記載の破砕/混
合工程に、他の有機性廃水処理施設からの汚泥あるいは
家庭や事業所等からの厨芥や動植物残渣等の生物由来廃
棄物を導入して処理することを特徴とする。
【0042】これによれば、本発明による廃水及び廃棄
物の合併処理工程の能力に十分ゆとりを持たせることに
より、他の有機性廃水処理施設からの汚泥又は家庭や事
業所等からの厨芥や動植物残渣等の生物由来廃棄物を処
理することができるとともに、且つ、これらの廃棄物が
有するエネルギー及びリンの両資源を高率に回収するこ
とができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態である生
物由来性の廃水及び廃棄物の合併処理について、その概
略を示す図1にしたがって説明する。
【0044】図1は、実施形態の一例を説明するための
概略構成図であり、農畜水産物(生物由来原料)から加
工食品を生産する事業所や家畜・牛乳等を生産する畜産
場等から排出される汚濁濃度の高い廃水及び固形廃棄物
を同一の処理システムにより好適に合併処理するもので
ある。
【0045】生産工程100では、用水101及び原料
102が投入されて、製品103が出荷され、廃水10
4及び廃棄物105が排出される。生産工程は農畜水産
品を加工して食品を製造する工程であっても、家畜・魚
等を飼育する畜水産場等における活動の工程であっても
よい。原料は農畜水産物であっても、家畜や魚の飼料で
あってもよい。廃水は固形分を多量に含むものでも、溶
解性成分のみを含むものでもよい。廃棄物は固形状であ
っても、スラリー状であってもよい。また、生産工程は
人の集落における活動の工程であってもよく、この場合
には、廃水はし尿や生活排水となり、廃棄物は厨芥とな
る。
【0046】廃水104は、固液分離工程10に導入さ
れ、液体分11及び固形分12に分離される。液体分1
1は嫌気性生物処理工程20に導入され、メタン23及
び嫌気性処理液21が得られる。嫌気性処理液21は好
気性生物処理工程30へ導入され、放流水108が得ら
れて系外へ排出される。メタン23はエネルギー変換工
程に導入され、熱又は電気等のエネルギー61に変換さ
れる。
【0047】廃棄物105は、破砕/混合工程40に導
入され、固形分12、嫌気性生物処理工程20からの嫌
気性余剰汚泥22及び好気性生物処理工程30からの好
気性余剰汚泥32と破砕/混合されて、混合固形物10
7が得られる。混合固形物107は可溶化工程50で処
理されて、可溶化液51と固形残渣52が得られる。可
溶化液51は嫌気性生物処理工程20へ、固形残渣52
は好気性生物処理工程30へ移送されて、それぞれ別途
に処理されて分解・消滅する。
【0048】固液分離工程10には、沈降分離装置、膜
分離装置、デカンター、ろ過装置等の公知のものが適用
でき、廃水量や廃水中固形分の性状により選択するとよ
い。固形分濃度が極めて低い廃水に対しては、固液分離
工程10を省くことができる。
【0049】嫌気性生物処理工程20は、嫌気性微生物
を含む汚泥を有して汚濁物質を消化する嫌気性生物反応
器と、ガス成分と処理水と汚泥とを分離する気液固分離
器とを有する装置によって実施される。
【0050】嫌気性生物処理工程20の温度は、中温域
でも、高温域でもよい。また、嫌気性生物処理工程20
は、従来型嫌気性消化槽で実施されても、高負荷高速型
嫌気性反応器で実施されてもよい。高負荷高速型嫌気性
反応器としては、UASB(Upflow Anaerobic Sludge
Blanket)、IC(Internal Circulation)、EGSB
(Expanded Granular Sludge Bed)、EASB(Expand
ed Anaerobic SludgeBed)等の公知のものを適用でき
る。従来型嫌気性消化槽及びEASBを適用する場合に
は、固液分離工程10は省いてもよい。
【0051】嫌気性余剰汚泥22は、嫌気性生物処理工
程20において、適宜、嫌気性生物反応器より抜き取る
とよい。嫌気性余剰汚泥22の発生量が、好気性余剰汚
泥32の発生量の20%程度以内(乾燥重量比)であれ
ば、嫌気性余剰汚泥22は可溶化工程へ導入せず、好気
性生物処理工程へ直接導入してもよい。また、嫌気性生
物反応器内の汚泥量を所定の値に維持することができれ
ば、嫌気性生物処理工程20における気液固分離工程の
性能が不十分であって、微生物を含む汚泥の一部が嫌気
性処理液21とともに流出して好気性生物処理工程30
へ導入されても特に問題はない。
【0052】好気性生物処理工程30は、微生物を含む
汚泥を有して汚濁物質を分解する好気性生物反応槽と、
汚泥と処理水とを分離する固液分離器とから構成される
装置によって実施される。好気性生物処理工程30は、
浮遊式、固定床式、流動床式、生物膜式のいずれの装置
によって実行されてもよい。固液分離器は様々な公知の
ものが適用できる。好気性余剰汚泥32は、好気性生物
反応槽又は固液分離器のいずれから引き抜いてもよい。
好気性余剰汚泥32の濃度が低く、可溶化工程50の容
積負荷が過大になる場合には、好気性生物処理工程30
の下流に濃縮工程を設置して余剰汚泥32を減容すると
よい。
【0053】破砕/混合工程40は、廃棄物の性状に応
じた適切な装置によって実施される。廃棄物105が粗
大な場合には、破砕混合工程とする。一般的に粗大固形
物は水と混合して破砕し、スラリー状にするが、本発明
では、廃棄物105は水分を多量に含む好気性余剰汚泥
32及び嫌気性余剰汚泥22と混合されるので、破砕/
混合工程40において新たに水を添加する必要はない。
【0054】他の有機性廃水処理施設からの汚泥あるい
は家庭や事業所等からの厨芥や動植物残渣等の生物由来
廃棄物106を合併処理する場合には、異物を取り除い
た後、破砕/混合工程40へ導入する。
【0055】可溶化工程50は、混合固形物107を可
溶化して易分解性の物質に変換する工程である。この工
程における可溶化率は、嫌気性生物処理工程20及び好
気性生物処理工程30の処理能力に応じて、0〜100
%の範囲で適宜所定の値に制御できる。なお、本発明に
よる可溶化率は、次式により示される(式中の物質量は
乾燥重量である。)。可溶化率=可溶化された混合固形
物量/原混合固形物量=1−可溶化処理後残存する固形
残渣量/原混合固形物量可溶化工程は、その可溶化率を
所定の値に制御できる工程であれば、機械的、生物的、
化学的あるいは物理的手段のうちのいずれか一つの手段
又は二つ以上を併用した手段のいずれによって実行され
てもよい。
【0056】有機性廃棄物の可溶化手段として、機械破
砕法としてミル法(例えば、特開平11−30039号
参照)、回転ディスク法(例えば、論文:環境技術、1
999、28巻、556−561頁参照)、超音波法
(例えば、特開平2000−117280号参照)等、
生物法として分解酵素法(例えば、特開平11−128
975号参照)、好熱細菌法(例えば、特開平10−3
37593号参照)等、化学法として殺菌剤法(例え
ば、特開平11−147801号参照)、オゾン法(例
えば、特開平06−20608号参照)、塩素法(例え
ば、特開昭62−239982号参照)、酸・アルカリ
法(例えば、特開平02−293095号参照)等、物
理法として加温法(例えば、特開平9−276887号
参照)、曝砕法(例えば、特開昭54−024457号
参照)等、物理化学法として高温高圧水(例えば、特開
2000−218295号参照)等が提案されている。
上記可溶化手段のうちのいずれか一つ又は二つ以上のも
のを併用した可溶化手段の中から、所定の可溶化率を達
成できるものを採用することができる。ただし、上記可
溶化手段の選択に当たっては、装置の建設費、運転費、
薬剤費等が考慮されることはいうまでもない。ちなみ
に、可溶化率は、電解塩素法2.5%、超音波法44
%、アルカリ法65%である(第35回日本水環境学会
年会講演集、p.288、2001、参照)。
【0057】可溶化方法の中で、一つの手段により可溶
化率を広い範囲で自在に制御できる方法は、亜臨界域
(100℃〜374℃、0.1MPa〜22.1MP
a)を用いる高温高圧水法である。高温高圧水法は、水
と固形物の割合(含水率)、反応温度、反応圧力、反応
時間、共存無機物質等の操作因子が多数であり、可溶化
率を広い範囲(生物由来固形物の種類により異なるが、
概ね数%〜95%)で制御できるので、可溶化工程50
として好適な方法である(例えば、特開2000−21
8295号、環境技術,Vol.8,No.8,pp.
566−570,1999、参照)。
【0058】エネルギー変換工程60は、好気性生物処
理工程30から発生するメタンを熱又は電気等のエネル
ギーに変換する工程であり、熱又は電気エネルギーへの
変換手段としてガスタービン又は燃料電池等を用いると
よい。このエネルギーは本発明における他工程のエネル
ギー源としてもよいし、売電してもよい。また、エネル
ギー変換工程60を省略したり、エネルギー変換工程6
0で一部のメタンのみをエネルギーに変換することもで
き、この場合、得られる(余った)消化ガスを精製(脱
硫・脱炭酸)・除湿した上で天然ガス等と混合し、都市
ガスとして供給・利用してもよい。
【0059】リン回収工程70は、嫌気性処理液21又
は可溶化液51のうちの少なくとも一方にカルシウムや
マグネシウム等のリン固定剤を添加して、不溶性リン酸
塩を析出させて回収するもので、公知の手段や他の発明
(例えば、特開2000−086214号参照)による
手段を適用することができる。リン回収工程70は、図
1において、主フロー中に「*」で示した箇所(2箇
所)の少なくともいずれかに、図1の右下部に示したリ
ン回収工程70のみの単独フローを挿入することによっ
て実施することができる。
【0060】
【実施例】(実施例1)次に、本出願人は、サツマイモ
澱製造工程を実施例として取り上げ、同製造工程から排
出される廃水及び澱粉滓の合併処理を行った。同製造工
程の物質フローを図2に示す。
【0061】同製造工程では、原料のサツマイモ(水分
68.2%)1,000kgに対して、用水11〜15
(平均13)m3が用いられ、製品である乾燥澱粉27
0kg(水分18%)を生産し、廃水10〜13(平均
11.5)m3及び乾燥澱粉滓50kg(水分18%)
を排出している。サツマイモ澱粉製造工程の用水及び廃
水の状況(原料1トン当たりの平均値)を表1に示す。
【表1】
【0062】実施例における廃水及び澱粉滓の合併処理
工程のフローを図3に示す。以下に述べる実施例での各
工程及び各物質に付与された番号は、本発明の実施形態
を説明した図1に示す廃水及び廃棄物の合併処理方法の
概略構成に示す各工程及び各物質に対応するものであ
る。
【0063】本実施例では、同工程から排出される総合
廃水104及び脱水生澱粉滓105を実験試料として用
い、サツマイモ原料102として1kg、すなわち、上
記物質フローの1/1000のスケールで実験を行っ
た。なお、同製造工程では生澱粉滓は腐敗防止及び減量
化のため、乾燥させているが、本発明の適用にあたって
は、この工程は不要であるので、脱水生澱粉滓105を
実験に用いた。
【0064】本実施例における物質・熱フローの平均的
な一例を、図3に記載の各処理工程に対応してそれぞれ
の数値を記入して示す。図中の数値は原料のサツマイモ
1,000kg当たりに換算したもので、上段より総容
量[m3/日]、濃度[g/L]、総量[kg/日]の順で示
してある。斜体数字は液体分、通常数字は固形分(スラ
リー状)を示し、濃度及び総量を示す数値は、液体分に
ついてはBOD指標で、固形分についてはSS指標であ
る。
【0065】実験は1/1000スケールで行ったの
で、実際には上段より総容量[L/日]、濃度[mg/
L]、総量[g/日]となる。例えば、実験では、固液分
離された廃水中の液体分11については、それぞれ1
0.47L/日、3,020mg−BOD/L、31.
61g−BOD/日であり、固液分離された廃水中の固
形分12についてはそれぞれ1.034L/日、22,
500mg−SS、23.26g−SS/日である。な
お、図3に示す値は平均的な一例であって、日々、変動
があることはいうまでもない。
【0066】好気性生物処理工程30での固液分離工程
30−2には沈降分離槽を用いたが、他の固液分離工程
及び濃縮工程には、分離操作を簡単にするため、分画分
子量20,000の限界ろ過膜による膜分離法を採用し
た。
【0067】サツマイモ澱粉製造工程100からの総合
廃水104を11.50L/日で中空糸型膜モジュール
(固液分離器10)を用いて固液分離し、液体分11及
び固形分12を得た。なお、限外ろ過膜モジュール(ク
ラレ製エレメントUF−6304)は外径2mm、有効
長260mmの中空糸を27本束ねたもので、総ろ過面
積は0.0475m2であった液体分11を、図4に示
す有効容積15LのUASB装置(嫌気性生物処理工程
20)にパルスポンプを用いて連続的に導入し嫌気性処
理液21を得た。なお、UASB反応器24内の汚泥
は、下水処理場消化槽の返送汚泥を種汚泥とし、グルコ
ースを主成分とする人工廃水によりグラニュール25を
形成させた後、スキムミルクを主成分とする人工廃水で
馴致したものである。
【0068】嫌気性処理液21を有効容積30Lの曝気
槽30―1(好気性生物処理工程30)へパルスポンプ
を用いて連続投入した。曝気槽からの越流混合液を有効
容積10Lの三角錐型沈降分離槽30−2へ導入し、放
流水108と沈降汚泥を得た。沈降汚泥は返送比100
%となるように曝気槽へ連続的に返送した。
【0069】曝気槽30―1での汚泥滞留日数SRTを
約10日となるように、余剰汚泥として曝気槽内の混合
液を約3L/日で抜き取った。この抜き取った混合液を
好気性余剰汚泥32とし、濃縮器30−3として平膜型
限外ろ過膜モジュール(東ソー製UF−Labo、膜面
積100cm2)を用いてSS濃度が約30,000m
g/Lになるまで濃縮し、ろ液は上記嫌気処理液21と
混合して曝気槽30―1へ投入した。
【0070】嫌気性余剰汚泥22については、UASB
反応器24内のグラニュール25が有効高さ(反応容器
の約60%)以内に維持できるように、適宜、反応器底
部よりグラニュールを抜き取って、それを嫌気性余剰汚
泥22とした。本実験では、反応器内の汚泥がわずかで
はあるが嫌気性処理液に混入して少しずつ流出したた
め、嫌気性余剰汚泥22の抜き取りを行うことはなかっ
た。
【0071】濃縮した好気性余剰汚泥32及び嫌気性余
剰汚泥22を205gの脱水生澱粉滓105と混合して
(実際の工程では混合器40により混合される)スラリ
ー状の混合固形物107とした。この混合固形物107
を、図5に示す有効容積100mLの反応器を有する連
続式高温高圧水装置50−1(可溶化工程50の実行手
段)内に高圧スラリーポンプを用いて導入し、反応器5
6内の温度を200℃に制御して1時間滞留させて高温
高圧水反応を行い、混合固形物107を可溶化し、気液
分離器からの流出液を採取して可溶化処理液109とし
た。
【0072】可溶化処理液109を、固液分離器50−
2として平膜型限界ろ過膜モジュール(東ソー製UF−
Labo、膜空間100cm2)を用いて固液分離し、
可溶化液51と固形残渣52を得た。可溶化液51は、
前記液体分11と混合してUASB装置20へ、固形残
渣52は、前記嫌気性処理液21に混入して曝気槽30
―1へ、それぞれ導入して別途に処理した。
【0073】実験期間中、UASB反応器24内及び曝
気槽30−1内の汚泥量は所定の範囲内で一定に維持さ
れ、嫌気性及び好気性の余剰汚泥はいずれも本処理シス
テム外への排出は不要であった。曝気槽30―1内の汚
泥濃度MLVSSは3,000〜3,500mg/L
で、SVIは100〜150であった。反応温度200
℃、反応1時間の条件での高温高圧水工程50における
混合固形物の可溶化率は85%前後で所定の値に制御で
きた。
【0074】図3に記入されている数値の一例で示され
るように、本実施例におけるBOD除去率は、嫌気性生
物処理工程20では87〜92%で、好気性生物処理工
程30では97〜99%であった。放流水108の性状
は5〜10mg−BOD/L、3〜10mg−SS/L
であった。嫌気性生物処理工程20におけるメタンの発
生量は45〜50Nm3/日であった。
【0075】可溶化液51に適宜、リン回収工程70を
適用し、混合固形物中に含まれるリンを不溶性リン酸塩
72として回収した。可溶化液51を攪拌しながら、リ
ン固定剤71として水酸化マグネシウム粉末を少しずつ
添加してpH9.0とし、リン酸マグネシウムアンモニ
ウム(MAP)72の結晶性沈殿を生成させ、1時間静
置してMAP沈殿を完全に沈降させてから傾斜法によ
り、MAPを回収した。回収したMAPを乾燥して重量
を測定したところ、混合固形物107に含まれるリンの
95〜98%が回収できた。
【0076】(実施例2)実施例1においては可溶化工
程50の可溶化率を85%で一定としたが、可溶化率を
変化させて嫌気性生物処理工程20及び好気性生物処理
工程30に対する汚濁負荷をそれぞれ求め、各工程の基
本設計値及び運転経費について試算した。可溶化工程5
0として、亜臨界域の高温高圧水法を適用した。
【0077】好気性余剰汚泥32、サツマイモ澱粉滓1
05及びこれらの混合固形物107について高温高圧水
反応の各温度に対する可溶化率を図7に示す。なお、可
溶化率の測定に用いた高温高圧水装置は、図6に示すよ
うに回分式で100mLのインコネル製反応器にステン
レス球3個を入れたもので、これを振盪機に取り付けて
反応液を攪拌した。これに試料を50mL充填して、昇
温時間を30分、所定温度に達してから1時間保持した
後、30分間で室温にまで冷却した100〜130℃の
反応温度においては、。サツマイモ澱粉滓105の可溶
化処理液はゼリー状となり、可溶化率の測定は困難であ
った。140℃以上から可溶化液分と残存固形分のろ過
による分離が可能となり、反応温度の上昇とともに可溶
化率が増加し、175℃において可溶化率は約82%で
最大となり、さらに反応温度を上げたところ可溶化率は
減少した。また、残存固形分の炭化が進行し、200℃
以上では残存固形分は全て炭化状態であった。好気性余
剰汚泥32の可溶化率は100℃では約15%であった
が、温度上昇とともに増加して200℃で可溶化率は約
85%に達し、これ以上の温度ではほぼ一定の値を示し
た。余剰汚泥及びサツマイモ澱粉の混合固形物107の
各反応温度における可溶化率は、余剰汚泥の可溶化率と
ほとんど同じ挙動を示した。混合固形物では、サツマイ
モ澱粉の炭化は認められなかった。嫌気性余剰汚泥22
の高温高圧水による可溶化特性も、好気性余剰汚泥32
とほぼ同じ挙動であった。
【0078】図7に示す混合固形物についての反応温度
―可溶化率の関係より、各可溶化率に対応する下記の試
算を行った。各工程についての基本設計値及び運転経費
の試算に必要な各パラメータを表2に示す。なお、各パ
ラメータの値は実施例1の結果及び発明者らの従来から
の研究により求めたものである。なお、動力費や熱経費
については、個々の事業所やエネルギー源により異なる
が、電気料金15円/kWhを基準としたものである。
【表2】
【0079】可溶化工程20として高温高圧水法を適用
した場合に、各可溶化率を変化させて各処理工程の基本
設計値をサツマイモ原料1トンに対する値として表2の
パラメータを用いて試算し、その結果を図8に示す。
【0080】図中の値は、嫌気性生物処理工程20にお
けるUASB装置の容積(△)(例えば、図4に示すU
ASB反応器24の容積で、気液固分離器26の容積は
含まれない。)、好気性生物処理工程30における活性
汚泥法の曝気槽30−1の容積(◇)(固液分離装置3
0−2の容積は含まれない。)、可溶化工程50におけ
る高温高圧水装置50−1の可溶化容器(○)(例え
ば、図5に示す反応器56の容積で、他の構成要素の容
積は含まれない)、可溶化温度(□、1/10の値で表
示)及び可溶化圧力(▲)についてそれぞれの基本設計
値で示した。
【0081】図9に各処理工程の運転経費を示す。曝気
動力は曝気槽30−1での曝気に必要な送風ポンプの動
力費である。熱消費は高温高圧水工程50の加熱費であ
る(図3の加熱エネルギー62に対応)。例えば、図5
に示す高温高圧水装置50―1では、加熱器54での加
熱媒体55の加熱経費である。熱回収は嫌気性生物処理
工程20で発生したメタンを熱(回収)エネルギー61
へ変換したものを収入(マイナスの経費)として計上し
てある。
【0082】上記運転経費は、以下の条件で試算した。
高温高圧水工程50は完全保温構造として、試算上では
放熱による熱損失はないものとした。嫌気性生物処理工
程20での加温用熱源は不要とした。例えば、図5に示
す高温高圧水装置50−1の冷却媒体58を、図4に示
すUASB反応器20の加温用熱媒体27として用いる
とともに、図3に示す可溶化処理液109の固液分離器
50−2を保温構造とし、余熱を有する可溶化液51を
嫌気性生物処理工程20へ導入して、嫌気性生物処理工
程20の加温用熱源を不要とした。
【0083】なお、本運転経費には、廃水やスラリー等
の移送用ポンプ、固液分離工程及び破砕/混合工程等の
動力費は含まれていない。
【0084】各処理工程についての基本設計値(図8)
及び運転経費(図9)の試算値より、以下に示す結論が
得られる。
【0085】各処理工程の装置容積は、図8に示すよう
に、可溶化率が高くなるほど、嫌気性生物処理工程20
(△:UASB反応器24の容積)で増加するが、単位
負荷当たりの容積が大きい好気性生物処理工程30
(◇:曝気槽30−1の容積)で減少するので、全工程
(●:UASB反応器+曝気槽+高温高圧水反応器の総
計容積)では減少する。したがって、設置空間(面積)
に制約がある場合には、可溶化率の高い可溶化工程50
を採用するとよいことが理解できる。
【0086】可溶化工程50として高温高圧水法を適用
する場合には、可溶化圧力(▲)が高いほど、装置が高
額となる。例えば、圧力が高いなるほど、図5の高圧ス
ラリーポンプ53及び圧力調整弁59に高度技術が要求
され、また、配管や反応器56の材料へ耐圧性・耐腐食
性が要求される。可溶化率が60%を越えると急激に可
溶化圧力が高くなる。したがって、設備の設置空間及び
建設経費の両面からの可溶化工程50の最適可溶化率と
しては60%がよく、このとき可溶化温度(□)は15
0℃で、可溶化圧力は4.1kg/cm3(ゲージ圧)
である。
【0087】運転経費については、図9に示すように、
可溶化工程50における混合固形物の可溶化率が高いほ
ど、嫌気性生物処理工程20への負荷が高くなり熱回収
(回収エネルギー61)による収入が多くなるととも
に、好気性生物処理工程30への負荷が減少し曝気動力
費が減少する。一方で、高温高圧水工程の運転経費(加
熱エネルギー62による熱消費)の変化は小さく、全体
として可溶率が高いほど、運転経費が低くなる。さら
に、可溶化率30%を越えるとエネルギーの回収量が消
費量を上回っている。
【0088】参考までに、廃水のみを活性汚泥法(A
S)を用いた好気性生物処理工程単独で処理し、澱粉滓
及び余剰汚泥を排出した場合の経費を図9に示す。曝気
動力費の占める割合は低いが、澱粉滓の乾燥経費及び澱
粉滓・余剰汚泥の処分依託費が高額となっている。本発
明の導入により、廃水及び澱粉滓の処理・処分経費が格
段に削減されることが理解できる。
【0089】また、廃水のみを嫌気性生物法と好気性生
物法との併用により処理し、澱粉滓及び余剰汚泥を排出
するシステムについては、数値化による本発明との比較
は提示していない。同システムでは図1に示す固液分離
工程10を有していないので、嫌気性生物処理工程は従
来型嫌気性消化法を採用せざるを得ず、高負荷高速嫌気
性生物法の適用は困難である。従来型嫌気性消化法で
は、装置容積が過大となる上に、廃水中固形分の消化率
も低いのでメタン回収率も低い。したがって、好気性生
物法単独によるシステムに比べれば運転経費の節減にな
るが、熱回収量が低い上に、澱粉滓・余剰汚泥の処分依
託費が加わるので、本発明によるシステムに比べて、総
合的に経費がかなり高くなることは容易に推測できる。
【0090】上記の実施例はサツマイモ澱粉製造工程を
取り上げて、本発明を説明したものである。対象とする
事業所により、廃水や廃棄物の性状や排出量が異なるの
で、個々の事例により各工程の基本設計値や運転経費が
異なることはいうまでもない。
【0091】以上の実施例の結果から次の結論が導かれ
る。本発明により、廃棄物を廃水とともに同時に処理す
ることができ、処理に伴って発生する余剰汚泥等の副産
物をほぼ完全に削減するとともに、さらに廃水中汚濁物
質及び廃棄物が有する資源を高率に回収することができ
るので運転経費の極めて安価な廃水及び廃棄物の合併処
理方法を提供することができる。さらに、設備の設置空
間、建設経費及び運転経費等の要求に自在に対応した処
理システムを提供できる。
【0092】(廃棄物の課題と本発明の比較)廃棄物に
ついては処理処分と有効利用があり、多くの廃棄物は焼
却・埋立処分されている。有効利用には飼料化、堆肥化
(例えば、生ごみ・有機性廃棄物のリサイクルと市場動
向、エヌ・ティー・エス、1995年参照)及び工業原
料化(例えば、有機性廃棄物からの乳酸の製造方法、特
開平10−313887号参照)が主なものである。
又、焼却灰の有効利用はセメントや路盤材等の建設資材
化がある。
【0093】廃棄物の焼却にはダイオキシン対応型の焼
却設備が必要であり、その設備の建設費及び運転費が極
めて高い。また、焼却残渣である灰分の埋立処分は管理
型最終処分場に限定されており、その処分場の絶対的な
不足がある。今日、焼却灰の建設資材化等の有効利用法
が数多く開発されているが、製造コストが高く、さら
に、その製品の市場も限界に達しつつある。特に、焼却
灰のセメント原料化が進められているが、この焼却灰の
多くは公共の焼却施設から排出されるものが対象で、セ
メント原料化にも限度があるため、逆に民間の焼却施設
より排出される焼却灰のセメント原料化が閉め出される
傾向がある。
【0094】廃棄物の飼料化については、排出する事業
所と利用する畜産場が遠く離れた場所にあることが多い
ので、腐敗防止及び減容化のために乾燥が必要であり、
さらに輸送コストが高いなどの理由によりバージン飼料
に比べて経済的に高くなることが多い。また、製造工程
から排出される食品滓を酵素処理して新しい食品を製造
する技術(例えば、機能性豆腐の製造方法、特開平11
−299443号参照)も多数開発されており、最終的
に事業所から排出される動植物残渣等の廃棄物の多くは
再利用が不可能な最後に残った残渣で家畜も食べないと
言われる。
【0095】廃棄物の堆肥化については、堆肥品質の問
題、供給過剰、その他の理由により、緑農地利用にも限
界がある。
【0096】廃棄物の工業原料化については、例えば、
生分解性プラスチックの原料となる乳酸の製造では炭水
化物を主体とする廃棄物に限られる上に、乳酸の生成量
は廃棄物1tに対して250kg程度で、残りの部分は
処理処分が必要となる上に、まとまった量で且つ新鮮な
ものが要求され、収集コストも高く、経済的に成り立た
ないことが分かってきた。
【0097】本発明における廃棄物の廃水との合併処理
では、エネルギーやリン資源を回収でき、さらに、処理
に伴って発生する余剰汚泥等の副産物を排出することは
ない。生物学的に処理するので、ダイオキシン等の有害
な物質や焼却灰も発生しない。本発明では廃棄物を廃水
と同一の処理工程により合併処理できるので、廃水処理
設備の他に、廃棄物の処理処分や有効利用のための新た
な設備を必要としない。廃水処理設備は排出する事業所
内に設置されているので、貯留や輸送等のコストは不要
である。生物由来性廃棄物は貯留や輸送中に腐敗して悪
臭を発生するが、本発明では排出された廃棄物は連続的
に廃水とともに合併処理されるので、腐敗に伴う悪臭の
発生はない。
【0098】
【発明の効果】本発明の生物由来性の廃水及び廃棄物の
合併処理方法は、廃水及び廃棄物を同時に処理すること
ができる。特に、処理に伴って発生する余剰汚泥等の副
産物をほぼ完全に削減するとともに、廃水中汚濁物質及
び廃棄物が有するエネルギー及びリン資源を高率に回収
することができる。さらに、設備の設置空間、建設経費
及び運転経費等の要求に自在に対応した処理システムを
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生物由来性の廃水及び廃棄物の合併処理方法の
概略構成を説明するための図である。
【図2】実施例として取り上げたサツマイモ澱粉製造工
程及び物質フローの概要を示す図である。
【図3】実施例に用いたサツマイモ澱粉工場からの廃水
及び澱粉滓の合併処理工程の概略構成及び物質・熱フロ
ーの一例を示す図である。
【図4】実施例に用いたUASB装置の概略構成を示す
図である。
【図5】実施例に用いた連続式高温高圧水装置の概略構
成を示す図である。
【図6】実施例に用いた回分式高温高圧水処理装置の概
略構成を示す図である。
【図7】高温高圧水の各温度に対する余剰汚泥、澱粉滓
及び混合固形物の可溶化率を示す図である。
【図8】混合固形物の可溶化率と各処理工程の基本設計
値との関係を示す図である。
【図9】混合固形物の可溶化率と各処理工程の運転経費
との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 固液分離工程 11 液体分 12 固形分 20 嫌気性生物処理工程 21 嫌気性処理液 22 嫌気性余剰汚泥 23 メタン 30 好気性生物処理工程 32 好気性余剰汚泥 40 破砕/混合工程 50 可溶化工程 51 可溶化液 52 固形残渣 60 エネルギー変換工程 61 エネルギー 70 リン回収工程 71 リン固定剤 72 不溶性リン酸塩 100 生産工程 101 用水 102 原料 103 製品 104 廃水 105 廃棄物 106 生物由来廃棄物 107 混合固形物 108 放流水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 11/02 C02F 11/04 A 11/04 11/06 A 11/06 B09B 3/00 D C 304Z (72)発明者 石川 英一 東京都港区芝公園2丁目4番1号 秀和芝 パークビルA−6F 三井物産プラント株 式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AA03 AB05 CA04 CA13 CA15 CA18 CA19 CA39 DA03 DA20 4D006 GA06 HA01 JA02Z KA01 KB22 KB24 KB25 MA01 MB02 MB05 PA02 PA05 PB08 PC16 PC18 4D038 AA08 AB48 BB09 BB13 BB19 4D040 AA12 AA13 AA23 AA26 BB12 BB33 BB42 4D059 AA01 AA05 AA07 AA08 BA01 BA12 BA31 BA34 BC01 BE42 BE49 BE55 BF14 BH05 BJ00 BK11 BK12 CA22 DA03 DA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物由来性の廃水及び廃棄物を合併処理
    する方法において、 前記廃水中の液体分と固形分とを分離する固液分離工程
    と、 該固液分離工程により分離された液体分を処理すること
    によって嫌気性処理液を生成する嫌気性生物処理工程
    と、 該嫌気性生物処理工程からの嫌気性処理液中に残存する
    汚濁物質を処理する好気性生物処理工程と、 前記廃棄物、前記固液分離工程からの固形分、前記嫌気
    性生物処理工程からの嫌気性余剰汚泥、及び前記好気性
    生物処理工程からの好気性余剰汚泥を混合し又は破砕混
    合することによって混合固形物を生成する破砕/混合工
    程と、 該破砕/混合工程からの前記混合固形物の少なくとも一
    部を可溶化することによって可溶化液を生成し、及び当
    該可溶化液と可溶化されずに残存する固形残渣とを分離
    する可溶化工程と、を有し、 前記可溶化工程からの前記可溶化液を前記嫌気性生物処
    理工程へ、及び前記可溶化工程によって分離された固形
    残渣を前記好気性生物処理工程へ、それぞれ移送して処
    理することを特徴とする生物由来性の廃水及び廃棄物の
    合併処理方法。
  2. 【請求項2】 前記可溶化工程での混合固形物の可溶化
    率は、前記嫌気性生物処理工程と前記好気性生物処理工
    程との処理能力の割合に応じて、0〜100%の範囲で
    適宜設定されることを特徴とする請求項1に記載の生物
    由来性の廃水及び廃棄物の合併処理方法。
  3. 【請求項3】 前記可溶化工程では、機械的、生物的、
    化学的、又は物理的手段のうちの少なくともいずれかを
    使用して、前記混合固形物の可溶化率を所定の値に制御
    することを特徴とする請求項1に記載の生物由来性の廃
    水及び廃棄物の合併処理方法。
  4. 【請求項4】 前記可溶化工程では、前記混合固形物の
    可溶化率に関わらず、前記嫌気性余剰汚泥及び前記好気
    性余剰汚泥に由来する微生物細胞は、低分子化、破砕
    化、及び殺傷化のうちの少なくともいずれかの作用によ
    って基質化されることを特徴とする請求項1に記載の生
    物由来性の廃水及び廃棄物の合併処理方法。
  5. 【請求項5】 前記嫌気性生物処理工程では、高負荷高
    速型嫌気性生物法を用いることを特徴とする請求項1に
    記載の生物由来性の廃水及び廃棄物の合併処理方法。
  6. 【請求項6】 前記嫌気性生物処理工程は、当該処理工
    程中に発生するメタンを、熱又は電気を含むエネルギー
    に変換するエネルギー変換工程を含むことを特徴とする
    請求項1又は5に記載の生物由来性の廃水及び廃棄物の
    合併処理方法。
  7. 【請求項7】 前記可溶化液又は前記嫌気性処理液のう
    ちの少なくとも一方にリン固定剤を添加することによっ
    て、リンを不溶リン酸塩として回収するリン回収工程を
    更に有することを特徴とする請求項1、5及び6のうち
    のいずれか一項に記載の生物由来性の廃水及び廃棄物の
    合併処理方法。
  8. 【請求項8】 前記破砕/混合工程は、他の有機性廃水
    処理施設からの汚泥、又は家庭や事業所を含む施設から
    の厨芥や動植物残渣を含む生物由来廃棄物を更に導入し
    て処理することを特徴とする請求項1、又は5ないし7
    のうちのいずれか一項に記載の生物由来性の廃水及び廃
    棄物の合併処理方法。
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