JP2005218898A - メタン発酵システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高速処理が可能で、装置のコンパクト化、ランニングコストの低減が図れるメタン発酵システムを提供する。
【解決手段】有機性廃棄物1を可溶化した後にメタン発酵菌固定型発酵槽に供給してメタン発酵して、メタンを含むバイオガスを発生させるシステムにおいて、メタン発酵菌固定型発酵槽を2槽以上直列に接続し、第1槽目の前記メタン発酵菌固定型発酵槽41に有機性廃棄物1の可溶化液を供給して、可溶化液中の有機酸を分解してバイオガス化し、第1槽目以降のメタン発酵菌固定型発酵槽48は、各発酵槽の消化廃液45を次段の発酵槽48へ順送りに供給し、残存未分解有機物を分解してバイオガス化することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】有機性廃棄物1を可溶化した後にメタン発酵菌固定型発酵槽に供給してメタン発酵して、メタンを含むバイオガスを発生させるシステムにおいて、メタン発酵菌固定型発酵槽を2槽以上直列に接続し、第1槽目の前記メタン発酵菌固定型発酵槽41に有機性廃棄物1の可溶化液を供給して、可溶化液中の有機酸を分解してバイオガス化し、第1槽目以降のメタン発酵菌固定型発酵槽48は、各発酵槽の消化廃液45を次段の発酵槽48へ順送りに供給し、残存未分解有機物を分解してバイオガス化することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機性廃棄物の処理方法に係り、特に固形分の多い厨芥類を中心とした有機性廃棄物からのメタン発酵システムに関するものである。
メタン発酵は、下水・し尿処理の分野では、最終沈殿池汚泥及び余剰活性汚泥の処理に適用されてきた。近年、ごみ焼却炉からのダイオキシン類の排出,埋立地の不足,CO2問題が大きな技術的課題となり、これらの環境負荷を低減する方法の一つとして、有機性廃棄物(厨芥,汚泥,バイオマス等)を発酵させてメタンガスとしてエネルギーを回収できるメタン発酵が注目されている。
メタン発酵は、大きく分けると加水分解菌,酸生成菌による可溶化過程と、メタン生成菌によるメタン発酵過程の二段階の生化学反応から成っている。タンパク質,炭水化物,脂肪等の高分子有機化合物は、まず加水分解菌などによって低分子化されて高級脂肪酸,アミノ酸,糖類となる。次に酸生成菌等によってH2,CO2,有機酸(酢酸,酪酸,プロピオン酸,ギ酸,乳酸等)に分解され、最後にメタン発酵過程でメタン生成菌によってメタンが生成する。
このように可溶化過程とメタン発酵過程では、活躍する微生物の種類が異なり、最適pH値も可溶化過程は4〜5程度,メタン生成過程は6.8〜7.5程度と異なることから、最近は可溶化槽とメタン発酵槽を分離して発酵効率を高める二相式と呼ばれる方法が採用される場合が多い。特に有機物が始めから溶解している有機性廃水に比べ、厨芥類は固形分が多いため、直接メタン発酵するのは困難であり、可溶化を行う場合が多い。
なお、本明細書において「可溶化」とは、微生物の働きによる有機物の低分子化,有機酸への変換のみでなく、各種の物理,化学的方法により固形物粒子を細かくすることをも含んでいる。
メタン発酵槽の形式は、汚泥(菌)を槽内液中に懸濁した状態で運転する完全混合型と、槽内に微生物付着の担体を充填した固定床型,汚泥自身の顆粒形成作用を利用して菌を高濃度に保持する菌固定型に大別される。厨芥等の固形分を多く含む原料においては閉塞の問題があるため、完全混合型が適用される場合が多かったが、最近は効率を上げるため、原料を高度に可溶化した上で菌固定型である固定床を適用する例も出てきている。
図5に、従来技術による厨芥類を主に対象とした固定床型発酵槽を有するメタン発酵システムの系統図を示す。
厨芥類を中心とした有機性廃棄物1は破砕機2で破砕された後、調整水3と共に可溶化槽4に投入され、主に廃棄物中に存在する不特定の微生物の働きと攪拌程度の比較的穏やかな条件により可溶化され、メタン発酵の原料となる有機酸や低分子有機物が生成し、スラリ状となる。
しかし、汚泥や廃水と比較して固形分の多い厨芥等の有機性廃棄物を対象とする場合、可溶化液中には浮遊粒子(SS:Suspended solid)が多量に含まれるため、後流の固定床メタン発酵槽の閉塞が問題となる。そのため可溶化を高度に行うか、可溶化後に固液分離を行って粗大なSSを除去しておく必要がある。可溶化促進の手段としては,酵素添加,アルカリ添加,機械的微破砕,オゾン,超音波処理,高温高圧処理などの手段が用いられる。
図5の例では、高度可溶化の例として微破砕を行っている。破砕ポンプ5は、固形物を含む液体を細かく破砕しながら移送する装置であり、可溶化槽4から可溶化液抜出ライン6で可溶化液を抜き出し、破砕ポンプ5に通過させて、切替弁7,可溶化液返送ライン8で可溶化槽4に戻して微細化する。また、可溶化液排出ライン9を介して貯槽10に一旦溜められた後、ポンプ11,可溶化液供給ライン12を介して固定床型メタン発酵槽13へ供給される。
メタン発酵槽13内では、充填された担体14に保持されたメタン生成菌の働きにより、メタンガスを約50〜60%,炭酸ガスを約35〜50%含むバイオガスが生成される。生成したバイオガスはガスライン15を経由してガスホルダ16に貯留された後、主に燃料として利用される。
メタン発酵槽13内には、メタン生成菌以外にも可溶化,酸生成を行う菌が各種共存しているため、有機酸以外の有機物も徐々に分解されて有機酸に変換され、メタン発酵の原料となる。
固定床型メタン発酵槽13では多くの場合、循環ライン17,循環ポンプ18によって液を循環させて槽内で上向流を形成しており、消化廃液19がオーバーフローとして消化廃液ライン20から流出する。消化廃液19は排水処理装置21において好気活性汚泥法などにより処理され、膜等の固液分離手段22でSS分を分離除去後、処理水ライン23から放流される。処理水の一部は、可溶化槽4や貯槽10等に戻して、調整水として再利用が可能である。分離除去されたSS分は余剰汚泥24となり、可溶化槽4へ返送して再発酵したり、コンポスト化あるいは焼却処理される場合が多い。
排水処理に関しては図6に示すように、消化廃液19に高分子凝集剤31を添加して汚泥濃縮装置32により余剰汚泥33と脱離水34に分け、脱離水34は排水処理装置35へ送られ、好気活性汚泥法などにより最終処理された後、処理水ライン23から放流され、一部は再利用される。この排水処理装置35においても少量の余剰汚泥36が発生する。
図5に示したメタン発酵処理の従来技術を示す非特許文献1として下記のものを挙げることができる。
東郷:「生ごみのメタン発酵処理システム」Vol.13,No.1,1998
東郷:「生ごみのメタン発酵処理システム」Vol.13,No.1,1998
前述した従来の厨芥を中心としたメタン発酵システムには、以下のような問題点がある。
元々SS分の少ない有機性廃水に比べて、可溶化を高度に行ったといっても厨芥可溶化液はSS分が多いため、固定床に充填する担体は閉塞防止のため粗目のものを用いることになる。すると、相対的に微生物保持量が少なくなり、かつ生分解可能なSS分が固定床をすり抜けて流出するため、細目の担体に比べて分解率が低く、処理液の有機物濃度及びSS濃度が高くなる。
これを回避するためには、固定床での滞留時間を長くする方法があるが、それでは槽が大きくなって、固定床採用によるコンパクト化のメリットが少なくなる。一方、徹底的に高度可溶化を行い、可溶化液のSSの大部分を溶解しておく方法も考えられるが、高度可溶化には薬剤や特殊な装置が必要となるため、コスト,設備サイズ,労力の面で不利となる。
また、可溶化後に固液分離して可溶化残渣を分離除去し、液状分だけをメタン発酵する方法もあるが、圧搾機などの固液分離装置が必要なため、コストがかかるだけでなく、可溶化残渣が除去される分、メタン発酵槽へ導入可能な有機物量が減り、ガス発生量が減少することになる。
排水処理の面では、図5のように活性汚泥法等で消化廃液を直接処理する場合は、消化廃液の有機物,SS濃度が高いため、排水処理設備が大掛かりになる。一方、図6のように一旦消化廃液を濃縮し、分離水を処理する場合は、排水処理設備は簡略化可能であるが、汚泥分離濃縮作業は非常に煩雑であり、有機物が多いSS分に対しては高価な高分子系凝集剤が必要となるので、ランニングコストが高くなる。またいずれの場合も、余剰汚泥がかなり発生することになる。
可溶化残渣や余剰汚泥は、コンポスト化あるいは焼却処理される場合が多い。しかし、現状ではコンポストの需要は少ない上、季節変動が大きく、流通ルートも確立していないため、大量に製造しても消費しきることができない。また、これらの排出物は水分含有率が高いため、焼却処理するためには大量の燃料が必要となる。可燃ごみと共に焼却炉で燃やすこともあるが、熱回収などの面では不利である。これらのことから、可溶化残渣及び余剰汚泥の排出量をできるだけ低減することが望まれている。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、高速処理が可能で、装置のコンパクト化、ランニングコストの低減が図れるメタン発酵システムを提供する。
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、有機性廃棄物を可溶化した後にメタン発酵菌固定型発酵槽に供給してメタン発酵して、メタンを含むバイオガスを発生させるメタン発酵システムにおいて、前記メタン発酵菌固定型発酵槽を2槽以上直列に接続し、第1槽目の前記メタン発酵菌固定型発酵槽に前記有機性廃棄物の可溶化液を供給して、可溶化液中の有機酸を分解してバイオガス化し、第2槽目以降のメタン発酵菌固定型発酵槽に、前段の発酵槽の消化廃液を導入し、残存未分解有機物を分解してバイオガス化することを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記第2槽目以降のメタン発酵菌固定型発酵槽に供給する消化廃液を、発酵槽に供給する前に再度可溶化処理を行うことを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1の手段または第2の手段において、前記有機性廃棄物の可溶化液の一部から粗大粒子を除去した粗大粒子除去液を、前記第2槽目以降のメタン発酵菌固定型発酵槽へ供給する消化廃液に添加して再度可溶化処理を行うことを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第3の手段において、前記再度可溶化に使用するための有機性廃棄物の可溶化液は、その可溶化液のpH値が低下しきる前に採取することを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第2の手段において、前記第2槽目以降の廃液中の浮遊物質の濃度を測定し、その結果が所定値よりも高い場合にのみ、再度可溶化処理を行うことを特徴とするものである。
本発明の第6の手段は前記第1の手段において、前記菌固定型メタン発酵槽として、槽内に微生物を保持する担体を充填した固定床型発酵槽を用いることを特徴とするものである。
本発明の第7の手段は前記第6の手段において、前記菌固定型メタン発酵槽として、より下流の発酵槽ほど前記担体の目を細かくすることを特徴とするものである。
本発明の第8の手段は前記第1の手段または第6の手段において、前記菌固定型メタン発酵槽内で液が不均質にならないよう攪拌することを特徴とするものである。
本発明の第9の手段は前記第8の手段において、前記菌固定型メタン発酵槽内での液の攪拌が、その菌固定型メタン発酵槽の可溶化液流入部と消化廃液排出部分の間で行う液の循環であることを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、第1槽目では可溶化液中の分解されやすい有機酸が速やかに分解されてバイオガスが発生する。消化廃液中の未分解有機物は、第2槽目以降の発酵槽において担体に捕捉されることにより、担体に保持された微生物により分解が進み、有機酸を経てバイオガス化する。
最終発酵槽の廃液では、固形物は無機物中心の微細粒子と、担体から剥がれて流れ出した少量の微生物体となる。担体層の下部から上部へと微生物の種類が変化して最適化し、各々の分解生成物をリレーしながら分解を進めて行く。
また、途中で消化廃液の再可溶化を行うことにより、さらに分解率が上昇し、分解反応も高速化する。このとき可溶化槽から抜き出した可溶化液から粗大粒子を除去して消化廃液に添加することにより、可溶化液中に含まれている可溶化菌、酸生成菌により消化廃液の可溶化・酸生成を促進することができる。
このようなことから、
(a)廃液の濃縮に際し、安価な無機系凝集剤を用いることができるため、ランニングコストを大幅に下げることができる。
(a)廃液の濃縮に際し、安価な無機系凝集剤を用いることができるため、ランニングコストを大幅に下げることができる。
(b)発酵槽を多段として各々最適条件で運転することにより、高速処理が可能となり、全体として装置をコンパクト化できる。
(c)余剰汚泥排出量を低減でき、コンポスト化,焼却処理するべき最終処理物の量が減る。
(d)汚泥が低減された分、バイオガス生成量を増大させることができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るメタン発酵システムの系統図である。
厨芥を中心とした有機性廃棄物1を破砕機2により破砕し、調整水供給ライン3から調整水を加え、可溶化槽4において可溶化する。可溶化物は粉砕ポンプ5により微細化され、高濃度の有機酸とSS分からなる可溶化液として貯槽10に溜められる。貯槽10内の可溶化液は、ポンプ11,可溶化液供給ライン12により第1固定床型メタン発酵槽41(以後、第1槽と略記する)へ供給する。
第1槽41には、微生物を保持する多孔質の担体42が充填されているが、可溶化液中のSSによる閉塞を避けるため、粗目のものとなっている(本実施形態では、例えば直径が20〜30mmの短い円筒形の担体42を使用)。第1槽41内の液を循環ライン43,循環ポンプ44により循環させることにより混合し、可溶化液が直接供給される固定床底部から槽全体に可溶化液を行き渡らせる。
可溶化液に含まれる有機酸はメタン発酵の基質であるが、高濃度ではpH値を低下させて発酵を阻害するため、循環によって固定床底部への集中を避ける意味もある。そして可溶化液中の分解されやすい有機酸は、メタン菌の働きにより速やかに分解され、バイオガスが発生する。
また共存する他の微生物の働きによって有機酸以外の有機物も分解が進み、有機酸を経てバイオガス化される。さらにSSも部分的に分解され、微細化,低分子化するが、難分解性のSSは分解しきらずに液中に残存する。
第1槽41の固定床上部に溜まった消化廃液45は、ライン46,ポンプ47により抜出され、第2固定床型メタン発酵槽48(以後、第2槽と略記する)へ導入され、ゆっくりと槽内を上昇する。第1槽41の消化廃液45は、有機酸濃度は低くなっているが、SSは可溶化液に比べれば微細化しているものの、濃度は高めの状態である。第2槽48に充填されている担体49は、第1槽41の担体42に比べると目が細かく、それによってSSを捕捉するようになっている(本実施形態では、例えば直径が5〜10mmの短い円筒形の担体49を使用)。
担体49に捕捉されたSS中の有機物は、その場で担体49に保持された微生物によって分解され、徐々に微細化,低分子化が進むに従い担体層内を通過して槽内を上昇していく。その過程でさらに微生物によって低分子有機物の分解が進み、有機酸を経てバイオガス化され、最上部の廃液50に含まれる固形物は無機物中心の微細なSSと、担体49から剥がれて流れ出した少量の微生物体となる。
このように担体層の下部から上部へと微生物の種類が変化しており、各々の分解生成物をリレーしながら分解が進行する。このとき第2槽48へ導入される消化廃液45中の有機物は、第1槽41では分解しきれなかったもの、すなわち比較的分解されにくいものであるため、必要に応じて第1槽41よりも第2槽48の方の担体のサイズを大きめとし、第2槽48内での滞留時間を長めにする場合もある。
第2槽48の消化廃液50は、廃液ライン51により濃縮装置32へ送られ、無機系凝集剤52を添加して固液分離する。濃縮分離水34は排水処理設備35で処理し、処理水23として放流する。処理水23は、調整水等としてプロセス内での再利用も可能である。濃縮装置32と排水処理装置35からは少量の余剰汚泥33,36が排出される。
第2槽48の廃液50は、SS濃度が低く、SS中の有機物濃度も下がっているため、濃縮装置32において安価な無機系の凝集剤を使用することができ、ランニングコストを大幅に下げることができる。
また、固定床メタン発酵槽を多段にすることにより、各々に導入される処理対象液に最適な菌が優勢に繁殖するから分解速度が向上し、処理量が同じであれば、トータルの発酵槽サイズは従来技術の1槽よりも小さくでき、装置コストも下げることができ、発酵槽の加温に必要なエネルギーも減らせる。さらに廃液中のSS分が少ない分、余剰汚泥の排出量も少なくなり、コンポスト化,焼却処理するべき最終処理物の量が減り、その分バイオガスの発生量を増加させることができる。
図2は、本発明の第2実施形態に係るメタン発酵システムの系統図である。同図に示すように、第1槽41と第2槽48の間に、再可溶化装置53を設けることにより、より粒子の大きいSSや、SS濃度の高い液を高度に分解することが可能となる。高度な可溶化処理を第1槽41よりも上流に行う場合に比べて、第1槽41よりも下流で行った方が、可溶化対象となる有機物量が減少して、可溶化効率が良い。
また,第2槽48の廃液ライン51に自動SS測定装置54を設置し,廃液50のSS濃度が目標値を超える場合にのみ、再可溶化装置53を作動させる方法を採れば、再可溶化装置53を常時運転するよりも低コストでの運用が可能である。
図3は、本発明の第3実施形態に係るメタン発酵システムの系統図である。同図に示すように、可溶化槽4から可溶化液排出ライン6より抜き出した可溶化液の一部を切替弁7,ライン55により分級装置56へ移送する。分級装置56で粗大粒子を除去した微粒子を含む可溶化液をライン57により再可溶装置53へ導入する。
可溶化液には、可溶化,酸生成を行う様々な菌が含まれているため、再可溶化装置53において消化廃液45の可溶化が促進される。このとき再可溶化装置53において35℃程度に加温し、若干の空気を吹き込むことにより、可溶化をさらに促進することができる。分級装置56で除去された粗大粒子は、ライン58を経由して可溶化槽4へ戻される。
なお、可溶化槽4がバッチ運転の場合、可溶化による有機酸生成により可溶化液のpH値が徐々に低下し、一般にpH値3.5程度で止まる。これはpH値が低下しきると、可溶化、有機酸生成を行う菌が死んだり、活性が低下するためである。このため再可溶化装置53で再可溶化に使用する可溶化槽4からの可溶化液の抜き出しは、再可溶化装置53ヘ有機性廃棄物1を投入した後、有機酸生成により可溶化液のpH値が例えば4.5〜5.5に低下している途中に行うことが望ましい。
本実施形態は、特別な微生物,薬品,装置を使用しないため、低コストで簡便に可溶化を促進し、後流のメタン発酵槽における分解率を向上させることができる。
図4は、本発明の第4実施形態に係るメタン発酵システムの系統図である。同図に示すように、第2槽48に循環ライン59,循環ポンプ60を設置し、第1槽41と同じように液循環を行う。滞留時間は消化廃液供給量と発酵槽サイズによって決まるが、循環を行うことにより充填層における流速を変えることができるため、担体からの菌体やSSの剥離量を調節できる。よってより好適な条件での運転が可能であり、発酵の効率を向上させることができる。
本発明の第5実施形態では、前記第2〜4実施形態を組み合わせ、第1槽41の後で再可溶化を行い、かつ第2槽48で循環を行う。
本発明の第6実施形態として、固定床型メタン発酵槽は2段とは限らず、処理対象物の性状に応じて3段以上の多段としても構わない。槽によって循環の有無,温度,雰囲気を変えるなどして、各槽に最適な微生物を優勢に繁殖させることによリ全体として分解率が向上し、最終的な余剰汚泥量を減らすことができる。また適宜、槽の間に高度可溶化装置を設置することにより、さらに効率を向上できる。
1:有機性廃棄物、2:破砕機、3:調整水、4:可溶化槽、5:破砕ポンプ、6:可溶化液排出ライン、7:切替弁、8:可溶化液循環ライン、9:可溶化液移送ライン、10:貯槽、11:ポンプ、12:可溶化液供給ライン、13:固定床型メタン発酵槽、14:担体、15:バイオガスライン、16:ガスホルダ、17:循環ライン、18:ポンプ、19:消化廃液、20:消化廃液排出ライン、21:排水処理装置、22:分離膜、23:排水ライン、24:余剰汚泥、31:高分子系凝集剤供給ライン、32:凝縮装置、33:余剰汚泥、34:濃縮分離液、35:排水処理装置、36:余剰汚泥、41:第1固定床型メタン発酵槽、42:担体(粗目)、43:循環ライン、44:ポンプ、45:消化廃液、46:消化廃液ライン、47:ポンプ、48:第2固定床型メタン発酵槽、49:担体(細目)、50:廃液、51:廃液ライン、52:無機高系凝集剤供給ライン、53:再可溶化装置、54:SS測定器、55:ライン、56:分級装置、57:ライン、58:ライン、59:循環ライン、60:ポンプ。
Claims (9)
- 有機性廃棄物を可溶化した後にメタン発酵菌固定型発酵槽に供給してメタン発酵して、メタンを含むバイオガスを発生させるメタン発酵システムにおいて、
前記メタン発酵菌固定型発酵槽を2槽以上直列に接続し、
第1槽目の前記メタン発酵菌固定型発酵槽に前記有機性廃棄物の可溶化液を供給して、可溶化液中の有機酸を分解してバイオガス化し、
第2槽目以降のメタン発酵菌固定型発酵槽に、前段の発酵槽の消化廃液を導入し、残存未分解有機物を分解してバイオガス化することを特徴とするメタン発酵システム。 - 請求項1記載のメタン発酵システムにおいて、前記第2槽目以降のメタン発酵菌固定型発酵槽に供給する消化廃液を、発酵槽に供給する前に再度可溶化処理を行うことを特徴とするメタン発酵システム。
- 請求項1または請求項2記載のメタン発酵システムにおいて、前記有機性廃棄物の可溶化液の一部から粗大粒子を除去した粗大粒子除去液を、前記第2槽目以降のメタン発酵菌固定型発酵槽へ供給する消化廃液に添加して再度可溶化処理を行うことを特徴とするメタン発酵システム。
- 請求項3記載のメタン発酵システムにおいて、前記再度可溶化に使用するための有機性廃棄物の可溶化液は、その可溶化液のpH値が低下しきる前に採取することを特徴とするメタン発酵システム。
- 請求項2記載のメタン発酵システムにおいて、前記第2槽目以降の廃液中の浮遊物質の濃度を測定し、その結果が所定値よりも高い場合にのみ、再度可溶化処理を行うことを特徴とするメタン発酵システム。
- 請求項1記載のメタン発酵システムにおいて、前記菌固定型メタン発酵槽として、槽内に微生物を保持する担体を充填した固定床型発酵槽を用いることを特徴とするメタン発酵システム。
- 請求項6記載のメタン発酵システムにおいて、前記菌固定型メタン発酵槽として、より下流の発酵槽ほど前記担体の目開きを細かくすることを特徴とするメタン発酵システム。
- 請求項1または6記載のメタン発酵システムにおいて、前記菌固定型メタン発酵槽内で液が不均質にならないよう攪拌することを特徴とするメタン発酵システム。
- 請求項8記載のメタン発酵システムにおいて、前記菌固定型メタン発酵槽内での液の攪拌が、その菌固定型メタン発酵槽の可溶化液流入部と消化廃液排出部分の間で行う液の循環であることを特徴とするメタン発酵システム。
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