JP2018183735A - バイオマスの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオマスのメタン製造におけるメタン発酵期間を短縮する。【解決手段】バイオマス10を水熱可溶化処理する水熱可溶化工程102と、水熱可溶化工程202で得られた固液混合物を固液分離する可溶化液分離工程104と、可溶化液分離工程104で分離された可溶化液を濃縮する濃縮工程106と、濃縮工程106で得られた濃縮液をメタン発酵する発酵工程120と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマスの処理方法に関する。
特許文献1には、有機性廃棄物の処理方法に関する技術が開示されている。この先行技術では、有機性廃棄物を水熱処理することにより得られた固体炭化物含有の固液混合処理物を、タール分捕獲機能付きろ過部に通してタール分を含まない液体部分を取り出し、得られた液体を用いてメタン発酵を行うことを特徴としている。
特許文献2には、バイオマス資源の高効率利用方法に関する技術が開示されている。この先行技術では、バイオマスをメタン発酵処理して得られるメタンガスを、該メタン発酵処理によって生じた残渣及び消化液を水熱処理して得られるメタンガスと併せて回収することを特徴としている。
ここで、バイオマスをメタン発酵してメタンを製造すると、数週間以上の発酵期間が必要である。よって、メタン製造におけるメタン発酵期間を短縮することが望まれている。
特許2007−330931号公報 特許2008−043902号公報
本発明は、バイオマスのメタン製造におけるメタン発酵期間を短縮することが目的である。
請求項1の発明は、バイオマスを水熱可溶化処理する水熱可溶化工程と、前記水熱可溶化工程で得られた固液混合物を固液分離する可溶化液分離工程と、前記可溶化液分離工程で分離された可溶化液を濃縮する濃縮工程と、前記濃縮工程で得られた濃縮液をメタン発酵する発酵工程と、を備えたバイオマスの処理方法である。
請求項1に記載の発明では、バイオマスを水熱可溶化処理した固液混合物を固液分離し、分離された可溶化液を濃縮した濃縮液をメタン発酵することで、濃縮されていない可溶化液をメタン発酵する場合やバイオマスをそのままメタン発酵する場合と比較し、メタン発酵期間が短縮される。
また、濃縮されていない可溶化液をメタン発酵する場合やバイオマスをそのままメタン発酵する場合と比較し、小さな発酵槽でのメタン発酵が可能となる。別の観点から説明すると、濃縮されていない可溶化液よりも少ない量の濃縮液で、同量のメタンを得ることができる。
また、可溶化液分離工程で固液分離されているので、メタン発酵で得られる液体成分には、固体の残渣が無い又は殆ど無い。よって、メタン発酵で得られる液体成分を液肥として直接利用可能である。また、濃縮されているので、液肥としての利用価値が高い。
また、可溶化液分離工程で分離された固体成分(可溶化残渣)は、堆肥として利用可能である。
請求項2の発明は、前記濃縮工程は、分子量が1000を超える成分を分画分子量基準で90%以上分離除去可能な膜で分離する第一濾過工程と、前記第一濾過工程で分離された透過液を一又は二以上の膜で酢酸を主成分とする有機酸を分離して濃縮し、前記濃縮液にする第二濾過工程と、を備えた請求項1に記載のバイオマスの処理方法である。
請求項2に記載の発明では、第一濾過工程で分子量が1000を超える成分を分離除去することで、第二濾過工程での濃縮効率が向上する。また、メタン発酵を阻害する成分(タンパク質及びその他窒素が含まれる成分)が除去されるので、メタン発酵の発酵効率が向上する。
請求項3の発明は、前記水熱可溶化工程の前に、前記バイオマスを摩砕処理する摩砕工程と、前記摩砕工程で得られた摩砕物を固液分離する摩砕物分離工程と、前記摩砕物分離工程で分離された液体成分をタンパク熱凝固処理する凝固工程と、前記凝固工程で得られたタンパク凝固液を固液分離するタンパク凝固液分離工程と、を有し、前記水熱可溶化工程では、前記摩砕物分離工程で分離された固体成分と、前記タンパク凝固液分離工程で分離された液体成分と、を水熱可溶化処理する、請求項1又は請求項2に記載のバイオマスの処理方法である。
請求項3に記載の発明では、水溶性タンパク質を多く含むバイオマスであっても、水溶性タンパク質を分離除去して濃縮し、メタン発酵することができる。
請求項4の発明は、前記タンパク凝固液分離工程で分離された固体成分を乾燥させる乾燥工程と、前記可溶化液分離工程で分離された可溶化残渣でマゴットを繁殖させるマゴット繁殖工程と、を備えた請求項3に記載のバイオマスの処理方法である。
請求項4に記載の発明では、タンパク凝固液分離工程で分離された固体成分(タンパク固体)を乾燥させることで、飼料として利用することができる。
また、可溶化液分離工程で分離された可溶化残渣でマゴットを繁殖させることができる。なお、マゴット繁殖工程で、可溶化残渣をマゴットが食べることで、固体成分が唾液等の消化液で分解されるので、可溶化残渣を堆肥として利用可能となる。
請求項5の発明は、前記水熱可溶化工程では、130℃以上200℃以下、且つ当該温度の飽和蒸気圧以上3MPa以下の環境下で水熱可溶化処理する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のバイオマスの処理方法である。
請求項5に記載の発明では、130℃以上200℃以下、且つ当該温度の飽和蒸気圧以上3MPa以下の環境下で、バイオマスを水熱可溶化処理することで、セルロース等の繊維質を除く有機成分を効率的に液体化することができる。
本発明によれば、バイオマスのメタン製造におけるメタン発酵期間を短縮することができる。
本発明の第一実施形態のバイオマスの処理方法の工程フロー図である。 本発明の第二実施形態のバイオマスの処理方法の工程フロー図である。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態のバイオマスの処理方法について説明する。
[処理工程]
まず、本実施形態のバイオマスの処理工程100について説明する。
なお、バイオマスは、動植物に由来する生ゴミや食品産業廃棄物などの有機性資源である。また、本実施形態では、ジャガイモ等を主原料とする澱粉工場から出る廃液(ハイドロサイクロン排水又はセパレーター排水)や固体残渣(澱粉粕)の廃棄物等の水溶性タンパク質が含まれない又は少ししか含まれないバイオマス10を利用している。
図1に示す工程フロー図のように、第一実施形態のバイオマスの処理工程100では、まず水溶性タンパク質が含まれない又は少ししか含まれないバイオマス10を水熱可溶化工程102で水熱可溶化処理する。この水熱可溶化処理では、バイオマス10の繊維質(セルロースやヘミセルロース等)を除く有機成分を液体化する。別の観点から説明すると、水熱可溶化処理は、水分を多く含むバイオマスを効率よく低分子化する技術である。
また、本実施形態では、温度が130℃以上200℃以下、圧力が当該温度の飽和蒸気圧以上3MPa以下の条件下で水熱可溶化処理を行う。
次の可溶化液分離工程104では、前工程の水熱可溶化工程102で得られた固液混合物を可溶化液(液体成分)と可溶化残渣(固体成分)とに固液分離する。なお、本実施形態では、フィルタープレスによって固液混合物を固液分離する。
次の濃縮工程106では、前工程の可溶化液分離工程104で分離された可溶化液からメタン発酵に必要な酢酸を主成分とした有機酸を分離して濃縮する。本実施形態では、濃縮工程106は、第一濾過工程110、第二濾過工程(A)112及び第二濾過工程(B)114の三つの工程で構成されている。
第一濾過工程110では、可溶化液を、分子量が1000を超える成分を分画分子量基準で90%以上分離除去可能な市販の膜で分離(濾過)する。具体的には、MF(精密ろ過)膜又はUF(限外ろ過)膜で分離する。なお、これらMF(精密ろ過)膜又はUF(限外ろ過)膜のいずれか一方だけでなく、これらを組み合わせて分離してもよい。この第一濾過工程110では、膜を透過した液が透過液であり、透過しなかった液が濃縮液(A)である。
なお、一例として、UF(限外ろ過)膜を使用した場合の推奨運転条件は、pHは1以上11以下、圧力は0.1MPa以上1.0MPa以下、温度は、0℃以上60℃以下である。
第二濾過工程(A)112及び第二濾過工程(B)114では、前工程の第一濾過工程110で分離した分離液から、酢酸を主成分とする有機酸を分離して濃縮する。具体的には、第二濾過工程(A)112では、NF(ナノフィルター)膜で分離(濾過)し、第二濾過工程(B)114では、RO膜(逆浸透膜)で分離(濾過)を行う。なお、第二濾過工程(A)112では、濾過膜を透過しなかった液が濃縮液(A)であり、濾過膜を透過した液は透過液である。この透過液は、次工程の第二濾過工程(B)114に供給される。第二濾過工程(B)114では、濾過膜を透過しなかった液が濃縮液(B)であり、濾過膜を透過した液は透過液である。なお、この透過水は、後述する処理水18である。
NF(ナノフィルター)膜は、一例として分離性能がMgSO4(硫酸マグネシウム、120.36g/mol)の阻止率として97%以上の分離が可能な膜を使用する。また、その推奨運転条件は、一例としてpHが3以上10以下、圧力が1.5MPa以上4.2MPa以下、温度が5℃以上50℃以下である。
RO膜(Reverse Osmosis、逆浸透膜)は、一例として分離性能が塩類除去率95%以上の分離が可能な膜を使用する。酢酸は透過しない。また、塩類(例えば、塩化ナトリウム(NaCl))よりも大きな無機成分も透過しない。なお、RO膜は、海水の淡水化膜として利用されている。また、推奨運転条件は、一例としてpHが2以上11以下、圧力が1.5MPa以上4.2MPa以下、温度が5℃以上60℃以下である。
濃縮工程106、すなわち第一濾過工程110、第二濾過工程(A)112及び第二濾過工程(B)114で有機酸を分離濃縮して得られた濃縮液(A)及び濃縮液(B)は、濃縮前よりも5倍から10倍程度に濃縮されている。つまり、メタン発酵に必要な酢酸を主成分とした有機酸が、濃縮前よりも単位体積当たり5倍から10倍程度多く含まれている。そして、得られた濃縮液(A)、(B)を、次の発酵工程120でメタン菌によるメタン発酵によりメタン12が製造される。
なお、メタン発酵の発酵後の液体成分(消化液)は、無機成分を多く含むので、液肥14として利用することが可能である。
また、第二濾過工程(B)114で、濾過膜を透過した透過液は、処理水18となる。
可溶化液分離工程104で分離された可溶化残渣は、堆肥16として利用可能である。また、第一濾過工程110で除去された分子量が1000を超える成分を含む除去液は、可溶化液分離工程104で分離された可溶化残渣と混ぜて、堆肥16として利用可能である。
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
バイオマス10を水熱可溶化工程102で水熱可溶化処理した固液混合物を可溶化液分離工程104で固液分離し、分離された可溶化液から、濃縮工程106でメタン発酵に必要な酢酸を主成分とした有機酸を分離して濃縮し、濃縮された濃縮液(A)及び濃縮(B)を発酵工程120でメタン発酵している。
濃縮液(A)、(B)は、メタン菌が消化し易い原料であるので、濃縮されていない可溶化液をメタン発酵する場合やバイオマスをそのままメタン発酵する場合と比較し、発酵工程120におけるメタン菌によるメタン発酵期間が短縮される。
具体的には、濃縮されていない可溶化液をメタン発酵する場合やバイオマスをそのままメタン発酵する場合、つまり従来はメタン発酵には、数週間以上が必要であるが、本実施形態の濃縮液を用いることで、数時間から数日の短い期間で発酵が完了する。
また、濃縮されていない可溶化液をメタン発酵する場合やバイオマスをそのままメタン発酵する場合と比較し、小さな発酵槽でのメタン発酵が可能となる。別の観点から説明すると、濃縮されていない可溶化液よりも少ない量の濃縮液で、同量のメタンを得ることができる。
また、濃縮工程106の第一濾過工程110で分子量が1000を超える成分を除去することで、第二濾過工程(A)112及び第二濾過工程(B)114での濃縮効率が向上する。同様に、第一濾過工程(A)112で分離濃縮したのち第二濾過工程(B)114で分離濃縮することで、第二濾過工程(B)114での濃縮効率が向上する。このように、可溶化液を目の粗い透過膜から目の細かい透過膜へと順番に多段階で分離濃縮することで(多段膜分離することで)、効率的に分離濃縮することができる。
また、濃縮工程106、本実施形態では主に第一濾過工程110で、メタン発酵を阻害する成分(タンパク質及びその他窒素が含まれる成分)が除去されるので、発酵工程120におけるメタン発酵の発酵効率が向上する。
また、可溶化液分離工程104で固液分離されているので、発酵工程120で得られる液体成分には、固体の残渣が無い又は殆ど無い。よって、発酵工程120で得られる液体成分を濾過等の処理を行うことなく、液肥14として直接利用可能である。また、発酵工程120で得られる液体成分は、無機成分が濃縮されているので、液肥14としての利用価値が高い。
更に、可溶化液分離工程104で分離された可溶化残渣は、堆肥16として利用可能である。また、第一濾過工程110で除去された分子量が1000を超える成分を含む除去液も、これに混ぜて堆肥16として利用可能である。
また、第二濾過工程(B)114で、濾過膜を透過した透過液は、処理水18として処理される。処理水18は、不純物(塩類や有機物等)が含まれない又は殆ど含まれないので、処理することなく、農業用水等として利用可能である。
また、水熱可溶化工程102では、温度が130℃以上200℃以下、圧力が当該温度の飽和蒸気圧以上3MPa以下の条件下でバイオマス10を水熱可溶化処理している。
対象としているバイオマス中の繊維質(セルロースやヘミセルロース等)を除く有機物を可溶化する場合、温度が130℃未満の場合は、有機物の低分子化や可溶化が十分に進行しない。一方、温度が200℃を超える場合は、水熱可溶化工程に必要な熱エネルギーに見合う可溶化率の向上効果が小さい上に、可溶化した成分の過分解や重合などによる高分子化などが発生し、メタン発酵原料の濃縮液(A)及び濃縮液(B)の収率の低下を引き起こす。また、圧力が当該温度の飽和蒸気圧未満の場合は、有機物の溶解度や分解能力が飽和蒸気圧以上の場合に比べて小さくなり、圧力が3MPaを超える場合は、可溶化処理機械装置の圧力部品の調達が困難となる。
よって、上述のように、水熱可溶化工程102では、温度が130℃以上200℃以下、圧力が当該温度の飽和蒸気圧以上3MPa以下の条件下でバイオマス10を水熱可溶化処理することで、バイオマスの繊維質を除く有機成分を効率的に液体化することができる。
[濃縮工程のその他の例]
次に、濃縮工程106のその他の例について説明する。
第一濾過工程110、第二濾過工程(A)112及び第二濾過工程(B)114の三つの工程で使用した各膜は、市販されている膜の一例であってこれらに限定されない。他の膜を用いて濃縮してもよい。
また、第一濾過工程110、第二濾過工程(A)112及び第二濾過工程(B)114の三つの工程で構成されているが、これに限定されない。
例えば、第二濾過工程(A)112及び第二濾過工程(B)114は、いずれか一方の工程のみであってもよいし、第二濾過工程(A)112と第二濾過工程(B)114との間に、更に濾過工程があってもよい。
要は、濃縮工程106では、前工程の可溶化液分離工程104で分離された可溶化液をメタン発酵に必要な酢酸を主成分とした有機酸を濃縮することができればよい。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態のバイオマスの処理方法について説明する。なお、第一実施形態と重複する説明は省略又は簡略化する。
[処理工程]
まず、第二実施形態のバイオマスの処理工程200について説明する。
本実施形態では、生ゴミ、食品工場から出る廃水・廃棄物及び廃棄弁当等の水溶性タンパク質を多く含むバイオマス20を利用している。
また、図2に示す第二実施形態のバイオマスの処理工程200の工程フロー図の一点鎖線で囲った部分は、図1に示す第一実施形態のバイオマスの処理工程100と同様である。よって、この第一実施形態のバイオマスの処理工程100と同様の工程部分の説明は省略する。
図2に示す工程フロー図のように、第二実施形態のバイオマスの処理工程200では、まず水溶性タンパク質を多く含むバイオマス20を摩砕工程202で摩砕機により磨り潰す。これによって次工程の摩砕物分離工程204におけるバイオマス20の液体成分と固体との分離が容易になる。
また、本実施形態では、摩砕工程202では、第二濾過工程(B)114で濾過膜を透過した透過液である処理水18の一部又は全部を加水している。この加水によりバイオマス20に含まれる可溶性の水溶性タンパク質を効率よく液体成分に溶解させることができると共にバイオマス20の流動性が向上する。なお、処理水18とは別の水を摩砕工程202で加水してもよい。
次に、前工程の摩砕工程202でバイオマス20を磨り潰した摩砕物を摩砕物分離工程204で液体成分と固体成分とに固液分離する。本実施形態では、フィルタープレスによって摩砕物を固液分離する。なお、フィルタープレス以外で摩砕物を固液分離してもよい。例えば、遠心分離やデカンター等の固液分離機械で摩砕物を固液分離してもよい。
次の凝固工程206では、前工程の摩砕物分離工程204で得られた液体成分をタンパク熱凝固処理する。タンパク熱凝固処理は、タンパク質の熱変性の特性を利用し、液体成分を60℃以上80℃以下に加熱することによってタンパク質を凝固させる処理である。
次のタンパク凝固液分離工程208では、前工程の凝固工程206で得られたタンパク凝固液を液体成分と固体成分とに固液分離する。本実施形態では、フィルタープレスによってタンパク凝固液を固液分離する。なお、フィルタープレス以外でタンパク凝固液を固液分離してもよい。例えば、ろ過、ベルトプレス及びスクリュープレス等の固液分離機械によってタンパク凝固液を固液分離してもよい。
次に乾燥工程210では、前工程のタンパク凝固液分離工程208で分離された固体成分(タンパク固体)を乾燥させる。乾燥した固体成分は、飼料24として利用することが可能である。
一方、前述の摩砕物分離工程204で得られた固体成分及び前述のタンパク凝固液分離工程208で得られた液体成分は、第一実施形態と同様に水熱可溶化工程102で水熱可溶化処理し、最終的に、メタン12、液肥14及び処理水18となる。
また、温度130℃以上200℃以下で処理を行う水熱可溶化工程102の次工程の可溶化液分離工程104で分離された可溶化残渣には、凝固工程206(温度60℃以上80℃以下)で回収できなかったタンパク質が含まれている。そして、マゴット繁殖工程212では、この可溶化液分離工程104で分離されたタンパク質が含まれている固体成分でマゴット22を繁殖させる。
マゴット22はハエの幼虫(蛆)であり、マゴット繁殖工程212は、マゴット22を繁殖させる工程である。なお、繁殖させたマゴット22は、養殖・観賞用の魚の餌として利用可能である。また、本実施形態では、濃縮工程106の第一濾過工程110で分離された分子量が1000を超える成分を含む除去液にも、水溶性タンパク質が残存するので、これもマゴット繁殖工程212でマゴットの繁殖に利用している。
なお、ハエの種類としては、イエバエ(Musca Domestica)やアメリカミズアブ(Black Soldier fly)等が使用される。
マゴット繁殖工程212では、ハエの卵を置き、卵が孵化後、可溶化液分離工程104で分離された可溶化残渣及び第一濾過工程110で分離された分子量が1000を超える成分を餌として、マゴット22が食べて繁殖する。
また、マゴット繁殖工程212では、マゴット22は、餌に残存するタンパク成分やそれ以外の成分を生物的にタンパク質に変えて体内に濃縮する。マゴット22が食べたあとの残渣物は、マゴット22の唾液等で分解されているので、堆肥16として利用することが可能である。
なお、マゴット繁殖工程212では、一例として、特開2012−116665号公報に記載されている技術を応用して、マゴットを繁殖する。
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
水溶性タンパク質を多く含むバイオマス20を、摩砕工程202、摩砕物分離工程204及び凝固工程206を経ることよって、水熱可溶化工程102での水熱可溶化処理が可能となる。
また、可溶化液分離工程104での分離及び第一濾過工程110で分子量が1000を超える成分を除去することで、メタン発酵を阻害する水溶性タンパク質及びその他窒素が含まれる成分が除去される。よって、発酵工程120におけるメタン発酵の発酵効率が向上する。
そして、第一実施形態と同様に、濃縮液(A)、(B)を用いることで、数時間から数日の短い期間で発酵が完了する。また、小さな発酵槽でのメタン発酵が可能となる。
また、可溶化液分離工程104で分離された可溶化残渣及び第一濾過工程110で分離除去された分子量が1000を超える成分を含む除去液は、タンパク質が残存しているので、マゴット22の繁殖に好適に利用することができる。更に、マゴット22が食べたあとの残渣物は、マゴット22の唾液等で分解されているので、堆肥16として利用することが可能である。
また、摩砕物分離工程204で分離された液体成分を凝固工程206でタンパク熱凝固処理したタンパク液凝固液をタンパク凝固液分離工程208で分離した固体成分は、タンパク質を多く含み、これを乾燥工程210で乾燥することで、飼料24として出荷することが可能である。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態のバイオマスの処理工程100、200において、上記で説明した以外の工程が加わってもよい。
また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
10 バイオマス
12 メタン
14 液肥
16 堆肥
18 処理水
20 バイオマス
22 マゴット
24 飼料
100 処理工程
102 水熱可溶化工程
104 可溶化液分離工程
106 濃縮工程
110 第一濾過工程
112 第二濾過工程(A)
114 第二濾過工程(B)
120 発酵工程
200 処理工程
202 摩砕工程
204 摩砕物分離工程
206 凝固工程
208 タンパク凝固液分離工程
210 乾燥工程
212 マゴット繁殖工程

Claims (5)

  1. バイオマスを水熱可溶化処理する水熱可溶化工程と、
    前記水熱可溶化工程で得られた固液混合物を固液分離する可溶化液分離工程と、
    前記可溶化液分離工程で分離された可溶化液を濃縮する濃縮工程と、
    前記濃縮工程で得られた濃縮液をメタン発酵する発酵工程と、
    を備えたバイオマスの処理方法。
  2. 前記濃縮工程は、
    分子量が1000を超える成分を分画分子量基準で90%以上分離除去可能な膜で分離する第一濾過工程と、
    前記第一濾過工程で分離された透過液を一又は二以上の膜で酢酸を主成分とする有機酸を分離して濃縮し、前記濃縮液にする第二濾過工程と、
    を備えた請求項1に記載のバイオマスの処理方法。
  3. 前記水熱可溶化工程の前に、
    前記バイオマスを摩砕処理する摩砕工程と、
    前記摩砕工程で得られた摩砕物を固液分離する摩砕物分離工程と、
    前記摩砕物分離工程で分離された液体成分をタンパク熱凝固処理する凝固工程と、
    前記凝固工程で得られたタンパク凝固液を固液分離するタンパク凝固液分離工程と、
    を有し、
    前記水熱可溶化工程では、前記摩砕物分離工程で分離された固体成分と、前記タンパク凝固液分離工程で分離された液体成分と、を水熱可溶化処理する、
    請求項1又は請求項2に記載のバイオマスの処理方法。
  4. 前記タンパク凝固液分離工程で分離された固体成分を乾燥させる乾燥工程と、
    前記可溶化液分離工程で分離された可溶化残渣でマゴットを繁殖させるマゴット繁殖工程と、
    を備えた請求項3に記載のバイオマスの処理方法。
  5. 前記水熱可溶化工程では、130℃以上200℃以下、且つ当該温度の飽和蒸気圧以上3MPa以下の環境下で水熱可溶化処理する、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のバイオマスの処理方法。
JP2017086651A 2017-04-25 2017-04-25 バイオマスの処理方法 Active JP6846276B2 (ja)

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