JP2003019490A - 有機性汚水の処理方法及びその装置 - Google Patents

有機性汚水の処理方法及びその装置

Info

Publication number
JP2003019490A
JP2003019490A JP2001208367A JP2001208367A JP2003019490A JP 2003019490 A JP2003019490 A JP 2003019490A JP 2001208367 A JP2001208367 A JP 2001208367A JP 2001208367 A JP2001208367 A JP 2001208367A JP 2003019490 A JP2003019490 A JP 2003019490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
sludge
anaerobic
temperature
treated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001208367A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadaaki Murakami
定瞭 村上
Mamoru Fujii
衞 藤井
Makoto Kitano
誠 北野
Original Assignee
Sadaaki Murakami
定瞭 村上
Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd
石川島播磨重工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sadaaki Murakami, 定瞭 村上, Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd, 石川島播磨重工業株式会社 filed Critical Sadaaki Murakami
Priority to JP2001208367A priority Critical patent/JP2003019490A/ja
Publication of JP2003019490A publication Critical patent/JP2003019490A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機性汚水を生物学的処理した際に発生する
汚泥を確実に削減でき、さらに有機性汚水から資源を回
収し得るようにした有機性汚水の処理方法と、この処理
方法の実施に好適な有機性汚水の処理装置を提供する。 【解決手段】 有機性汚水を好気性生物処理する好気性
処理工程と、好気性処理工程からの汚泥を亜臨界域の高
温高圧水で処理し、汚泥中の有機固形物及び微生物細胞
を低分子化する高温高圧水処理工程と、高温高圧水処理
工程で処理された処理物を嫌気性生物処理する嫌気性処
理工程とを有し、嫌気性処理工程で処理された処理液を
好気性処理工程に返送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水、し尿、産業
汚水等の有機性汚水を処理する方法に係わり、特に、有
機性汚水を生物学的処理する工程を有する有機性汚水の
処理方法、及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機性汚水を処理する方法としては、図
10に示すように、好気性微生物を含む処理槽(曝気
槽)内で有機性汚水100を好気性生物処理(生物学的
処理)する方法が知られている。この処理では、曝気槽
内で汚水中の有機物を摂取して微生物が増殖するため、
そこで余剰汚泥107が発生する。また、可溶性有機物
の他に有機性固形分が含まれる下水などの汚水を処理す
る場合には、固形分が最初沈殿池により分離除去され、
初沈汚泥104が発生する。初沈汚泥104と余剰汚泥
107の割合は、汚水の種類や好気性処理の処理条件に
より大きく異なり、平均的には約1:1である。
【0003】生物学的処理工程で発生する汚泥(余剰汚
泥107、初沈汚泥104、及びそれらの混合汚泥10
8)は、産業廃棄物の中で大きな割合を占めており、一
般に、所定の工程を経て減容化された後、焼却・埋立処
分されている。こうした汚泥は、様々な理由により緑農
地利用などに有効利用されている割合はまだ少ない。
【0004】近年、こうした生物学的処理工程で発生す
る汚泥を削減する技術が多数提案されている。それらの
技術を分類すると、図11に示すように、汚泥増殖抑制
型と汚泥基質化返送型とに大別される。以下、これらの
技術について説明する。汚泥増殖抑制型の余剰汚泥削減
技術は、運転管理法、生理活性剤法、生物種制御法、食
物連鎖法に細分される。これらの方法の原理を以下説明
する。
【0005】微生物の増殖特性は培養時間により誘導
期、対数増殖期、安定期及び減衰期に分けられる。運転
管理法は安定期の状態を保つように操作する方法であ
る。汚泥増殖抑制型の余剰汚泥削減技術について、次式
で示す汚泥増殖式を用いて説明する。 ΔX = aS − bX または、 ΔX/X = aS/X − b …(1) ここで、ΔXは一日当たりの微生物増殖量、Sは1日当
たり摂取された基質量、aは摂取された基質の微生物増
殖への変換係数、Xは微生物汚泥量、bは微生物の自己
分解係数である。
【0006】式(1)に示すように微生物(活性汚泥)
は基質(汚水中有機物)を摂取して増殖し、また、微生
物の自己分解により減少する。運転管理法(例えば、長
時間曝気法)は汚水滞留時間(以後、HRTと略称)を
長くして汚泥負荷S/Xを抑制するとともに、余剰汚泥
の引き抜き量を少なくして汚泥滞留日数(以下、SRT
と略称)を長く保つことにより活性汚泥濃度Xを高く維
持して、増殖量ΔXを抑制している。生理活性剤法は、
生理活性剤を添加して自己分解係数bを高める方法であ
る(例えば、サポニン法、論文:環境技術、1999,
28巻、8号、539−542頁)。生物種制御法は、
基質の活性汚泥への変換係数aが小さいか、又は自己分
解係数bの高い、もしくはこれら双方の特質を持つ生物
種を優先的に培養する方法である(例えば、腐植土法、
論文:環境技術、1999,28巻、8号、535−5
42頁参照)。食物連鎖法は、原生動物や後生動物、例
えばイトミミズなどが生息しやすい環境を生物処理槽内
に構築し、汚泥を補食させて増殖した活性汚泥ΔXを削
減する方法である(例えば、ACA法、論文:環境技
術、1999,28巻、8号、543−546頁)。
【0007】一方、汚泥基質化返送型の余剰汚泥削減技
術は、図11に示した余剰汚泥を機械的、生物的、化学
的、または物理的手段、もしくは、これらを組み合わせ
た手段を有する汚泥処理装置により余剰汚泥を基質化
し、この汚泥基質化液(汚泥処理液)を生物学的処理工
程(曝気槽)へ返送し、その槽内の微生物群により分解
・消滅させる方法である。
【0008】汚泥基質化返送型の余剰汚泥削減技術をそ
の手法の形態により分類すると、ミル(例えば、特開平
11−30039号参照)、回転ディスク(例えば、論
文:環境技術、1999、28巻、556−561頁参
照)あるいは超音波(例えば、特開平2000−117
280号参照)等を用いる機械破砕法、分解酵素(例え
ば、特開平11−128975号参照)あるいは好熱細
菌(例えば、特開平10−337593号参照)等を用
いる生物法、殺菌剤(例えば、特開平11−14780
1号参照)、オゾン(例えば、特開平06−20608
号参照)、塩素(例えば、特開昭62−239982
号)、酸・アルカリ法(例えば、特開平02−2930
95号参照)等を用いる化学法、加温(例えば、特開平
9−276887号)あるいは曝砕(例えば、特開昭5
4−024457号参照)等を用いる物理法、高温高圧
水(例えば、特開2000−218295号)等の物理
化学法に大別できる。
【0009】汚泥基質化返送型の余剰汚泥削減技術をそ
の作用・機構について、本発明者らは文献調査及び比較
実験により検証したところ、下記のように分類されるこ
とを見出した(第35回水環境学会年会講演集、200
1、p.288参照)。
【0010】すなわち、余剰汚泥の大部分を占める細菌
類の細胞は、難分解性の高分子物質(ペプチドグリカ
ン)から構成される細胞壁と流動性の細胞質(顆粒状・
繊維状の高分子物質を含む)より構成されていて、この
細胞の外側は粘性物質で覆われている。汚泥基質化法を
汚泥細胞への作用から分類すると、細胞殺傷法、細胞破
砕法、細胞低分子化法であることを見いだした。
【0011】細胞殺傷法は単に汚泥細菌を死滅させるか
又は致死傷を負わせるだけで、細胞を可溶化する割合は
数%で極めて低い。この方法に属する技術は前記した殺
菌剤法、オゾン法、塩素法等である。
【0012】細胞破砕法は、機械的に細胞壁を破砕して
細胞質を漏出させるので、細胞を可溶化する割合はかな
り高い(数十%)が、細胞壁等の高分子物質はそのまま
残存する。この方法に属する技術は前記したミル法、回
転ディスク法、超音波法等である。
【0013】細胞低分子化法は、細胞を構成する高分子
物質を加水分解により低分子化して溶解化するもので、
細胞壁及び細胞質内顆粒・繊維等を構成する様々な高分
子物質を低分子化して水へ溶解させるので、細胞を可溶
化する割合は極めて高い(80%以上)。この方法に属
する技術は加熱アルカリ法(例えば、特公平6−615
50号参照)や前記した亜臨界域(200℃以上、1.
6MPa以上)の高温高圧水法である。
【0014】また、細胞破砕法と細胞低分子法の中間の
機能を有する技術は、前記した酵素法、好熱細菌法、酸
・アルカリ法、100〜200℃での加圧加温法、10
0〜200℃での爆砕法等である。
【0015】さらに、それぞれの方法により基質化処理
した余剰汚泥、すなわち、殺傷された細胞、細胞質を漏
出された細胞、低分子化された細胞を曝気槽へ移送した
場合において、生物学的処理工程における余剰汚泥の消
化の程度及び処理水質への影響を実験的に調べた。
【0016】余剰汚泥を細胞殺傷法または細胞破砕法い
ずれの方法によって処理して生物学的処理工程へ返送し
ても、微生物により消化されて消滅する。殺傷細胞は生
物学的処理工程内の微生物により溶菌されて細胞質の漏
出が起こり、結果として、細胞破砕法と同じ経路により
消化される。細胞質成分は微生物により短時間で消化さ
れるが、細胞壁成分は長時間(数ヶ月すると細胞壁成分
を分解する微生物が増殖してくるが、この微生物で最低
10日程度は必要である)かけて消化される。細胞壁成
分は沈降性がよいので、最終沈殿池で活性汚泥とともに
固液分離されて生物槽へ返送されるので、処理水に含ま
れて系外へ流出することはない。細胞低分子化法では、
汚泥細胞はほぼ完全に低分子化され、その低分子化液中
の有機物は馴致した汚泥では6時間以内で消化される。
【0017】細胞殺傷法及び細胞漏出法により余剰汚泥
を処理して生物学的処理工程へ返送した場合には、生物
学的処理工程への負荷量増加に加えて、死滅細胞や細胞
壁成分が生物槽内に長期間滞留するので、MLSSが上
昇する。このため、通常の生物法と同じ濃度のMLSS
を維持するために、通常法における余剰汚泥量の数倍量
の生物汚泥を抜き取り処理した後、生物学的処理工程へ
返送している事例が多い。
【0018】このように、有機性汚水を生物学的処理し
た際に発生する汚泥を削減するための様々な技術が提案
されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、汚泥の削減量が不十分であったり、生物学
的処理工程に大きな負荷がかかったりするなど、有機性
汚水を生物学的処理した際に発生する汚泥を確実に削減
するのが難しいという問題がある。また、近年、有機性
汚水から資源を回収し得る技術の開発が望まれている。
【0020】本発明は、上述する事情に鑑みてなされた
ものであり、有機性汚水を生物学的処理した際に発生す
る汚泥を確実に削減でき、さらに有機性汚水から資源を
回収し得るようにした有機性汚水の処理方法と、この処
理方法の実施に好適な有機性汚水の処理装置を提供する
ことを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の有機性汚水の処理方法は、有機性汚水
を好気性生物処理する好気性処理工程と、該好気性処理
工程からの汚泥を亜臨界域の高温高圧水で処理し、該汚
泥中の有機固形物及び微生物細胞を低分子化する高温高
圧水処理工程と、該高温高圧水処理工程で処理された処
理物を嫌気性生物処理する嫌気性処理工程とを有し、前
記嫌気性処理工程で処理された処理液を前記好気性処理
工程に返送することを特徴とする。
【0022】この処理方法によれば、好気性処理工程か
らの汚泥を高温高圧水で処理することにより、汚泥の大
部分を易分解性の低分子物質に変換できる。そのため、
好気性処理工程からの汚泥を大きく削減でき、しかもメ
タンガスを回収できる。特に、高圧高圧水処理した後
に、汚泥を嫌気性処理することにより、難生分解性の汚
泥が易分解性低分子物質物質へ変換するので、嫌気性処
理における消化日数を大幅に短縮でき、85%以上の汚
泥消化率を達成できる。なお、従来の嫌気性処理工程で
は、通常、汚泥の消化に数十日を必要とし、汚泥消化率
は50%程度である。また、この処理方法によれば、嫌
気性処理工程で処理されて有機物が低減された処理液
を、好気性処理工程に返送することにより、好気性処理
工程に大きな負荷をかけることなく、副産物である汚泥
がほとんど生じないシステムを構成できる。
【0023】この場合において、前記高温高圧水処理工
程で処理された処理物中の液体分と固体分とを分離する
固液分離工程を有し、該固液分離工程で分離された液体
分を前記嫌気性処理工程に送ってもよい。この場合、高
温高圧水処理工程で処理された処理物を固液分離し、そ
の液体分を嫌気性生物処理することにより、その処理物
に含まれる易分解性の低分子物質の大部分をメタンガス
に変換して除去できる。
【0024】また、前記嫌気性処理工程では、高負荷高
速型嫌気性法を用いてもよい。ここで、高負荷高速型嫌
気性法としては、UASB(Upflow Anaerobic Sludge
Blanket)法、IC(Internal Circulation)法、EG
SB(Expanded Granular Sludge Bed)法、EASB
(Expanded Anaerobic Sludge Bed)法等の公知の技術
を採用できる。これにより、消化日数をさらに1日程度
に短縮できる。
【0025】また、他の有機性汚水処理施設からの汚泥
あるいは家庭や事業所等からの厨芥や動植物残渣等の生
物由来廃棄物を、前記高温高圧水処理工程に導入しても
よい。これにより、有機性汚水の処理能力に十分ゆとり
がある場合などに、本来の有機性汚水に加え、上記生物
由来廃棄物を処理できる。
【0026】また、前記固液分離工程で分離した液体
分、及び前記嫌気性処理工程で処理された処理液のうち
の少なくとも一方に、マグネシウム化合物を添加して、
リン酸マグネシウムアンモニウム結晶としてリンを回収
する回収工程を有してもよい。これにより、有機性汚
水、あるいは上記生物由来廃棄物からリン資源を回収で
きる。
【0027】また、前記嫌気性処理工程で発生するメタ
ンを、熱又は電気等のエネルギーに変換するエネルギー
変換工程を有してもよい。これにより、有機性汚水、あ
るいは上記生物由来廃棄物からエネルギー資源を回収で
きる。
【0028】本発明の有機性汚水の処理装置は、有機性
汚水を好気性生物処理する好気性処理装置と、該好気性
処理装置からの汚泥を亜臨界域の高温高圧水で処理し、
該汚泥中の有機固形物及び微生物細胞を低分子化する高
温高圧水処理装置と、該高温高圧水処理装置で処理され
た処理物を嫌気性生物処理する嫌気性処理装置とを有
し、前記嫌気性処理装置で処理された処理物を前記好気
性処理装置に返送することを特徴とする。この場合にお
いて、前記高温高圧水処理装置で処理された処理物中の
液体分と固体分とを分離する固液分離装置を有し、該固
液分離装置で分離された液体分を前記嫌気性処理装置に
送ってもよい。また、前記嫌気性処理装置は、高負荷高
速型嫌気性法を用いてもよい。また、他の有機性汚水処
理施設からの汚泥あるいは家庭や事業所等からの厨芥や
動植物残渣等の生物由来廃棄物を、前記高温高圧水処理
装置に導入してもよい。また、前記固液分離装置で分離
した液体分、及び前記嫌気性処理装置で処理された処理
液のうちの少なくとも一方に、マグネシウム化合物を添
加して、リン酸マグネシウムアンモニウム結晶としてリ
ンを回収する回収装置を有してもよい。また、前記嫌気
性処理装置で発生するメタンを、熱又は電気等のエネル
ギーに変換するエネルギー変換装置を有してもよい。
【0029】この処理装置によれば、上記の処理方法を
実施できることから、有機性汚水を生物学的処理した際
に発生する汚泥を確実に削減でき、さらに有機性汚水か
らメタンガスやリン資源、あるいはエネルギー資源など
を回収できる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の有機性汚水の処理装置の実施の形態の
一例を説明するための概略構成図であり、図1中符号1
0は、有機性汚水の処理装置である。この有機性汚水の
処理装置10は、特に、下水、し尿、産業汚水等の有機
性汚水の処理に好適なもので、有機性汚水を好気性生物
処理する好気性処理装置11と、この好気性処理装置1
1からの汚泥を亜臨界域の高温高圧水で処理し、汚泥中
の有機固形物及び微生物細胞を低分子化する高温高圧水
処理装置12と、高温高圧水処理装置12で処理された
処理物中の液体分と固体分とを分離する固液分離装置1
3と、固液分離装置13で分離された液体分を嫌気性生
物処理する嫌気性処理装置14とを有してなるものであ
る。
【0031】好気性処理装置11は、有機性汚水が流入
する最初沈殿池20、好気性微生物を含む汚泥を有し有
機性汚水を好気性生物処理する曝気槽21、好気性処理
された処理物が流入する最終沈殿池22等からなる。最
初沈殿池20、曝気槽21、最終沈殿池22としては、
公知の様々なものを適用できる。
【0032】高温高圧水処理装置12は、好気性処理装
置11からポンプ等によって送られてきた汚泥(最初沈
殿池20からの初沈汚泥104、最終沈殿池22からの
終沈汚泥105、あるいはそれらの混合汚泥108)を
反応室内で昇温・昇圧し、亜臨界水条件下での水熱反応
によってその汚泥中の有機固形物及び微生物細胞を低分
子化するものである。
【0033】ここで、本発明における高温高圧水による
汚泥の低分子化とは、亜臨界域における水の特性を利用
するものである。すなわち、亜臨界域における水(以
下、亜臨界水と略称)の解離反応が高く酸・アルカリの
性質が強くなり、生物由来の高分子状有機物を加水分解
により解重合して低分子化させる性質を利用するもので
ある。細胞を構成する高分子物質は糖、アミノ酸、核酸
などが脱水反応により重合してできたものであり、この
高分子物質は亜臨界水の加水分解による解重合により低
分子化される。
【0034】また、本発明における高温高圧水による汚
泥の低分子化は、生物細胞を構成する高分子物質をその
基本単位である糖やアミノ酸などに分解するという意味
ではなく、これらの基本単位物質がかなりの数で重合し
たものでもよい。すなわち、通常の微生物機能により分
解できない複雑な三次元構造を持つ生体高分子、例えば
余剰汚泥を構成する細菌類の細胞壁成分(ペプチドグリ
カン)、あるいは初沈汚泥中の食品残渣、動物の骨、動
物繊維(コラーゲン)、植物繊維(セルロース)など
を、微生物が有する様々な酵素により分解可能な分子サ
イズにまで解体することである。当然、解体された各分
子は水に溶解した状態でなければならない。本発明で
は、難分解性の生物由来の高分子物質を亜臨界水により
解体して微生物が分解できるレベルの分子サイズにまで
変換することを汚泥の低分子化と定義する。
【0035】亜臨界水の条件としては、具体的には例え
ば、150〜374℃、0.5〜22.1MPaであ
り、200〜275℃、1.6〜6.0MPaであるの
が好ましい。200℃以下では、余剰汚泥を構成する細
菌類の細胞壁成分の低分子化率が低下する。275℃以
上では、低分子化がより進行するが、加水分解以外の副
反応が起こり、難生分解性の物質が生成する割合が高く
なるからである。
【0036】また、高温高圧水処理装置12において、
回分法では反応容器内の水の充填率に制限があり、気相
と液相の二相が存在し、気液界面や気相での反応により
加水分解以外の反応が進行して、炭化や難生分解性副産
物が生成しやすい。これらの反応は温度上昇とともに著
しくなり、255℃以上で顕著となる。連続式の高温高
圧水反応装置においては、反応容器内の圧力は調整弁に
より行われ、水を100%充填できるので、気相が存在
しないので加水分解を優先的に進行させ、副反応を抑制
することができる。
【0037】なお、最初沈殿池20からの初沈汚泥10
4を高温高圧水処理装置12に導入する場合には、最初
沈殿池20と高温高圧水処理装置12との間に、初沈汚
泥104中の砂、紙、髪、その他の異物を除去する異物
除去装置23を配置するとよい。また、最終沈殿池22
と高温高圧水処理装置12との間に、好気性処理装置1
1からの汚泥(最初沈殿池20からの初沈汚泥104、
最終沈殿池22からの終沈汚泥105、あるいはそれら
の混合汚泥108)を濃縮する濃縮装置24を配置して
もよい。
【0038】固液分離装置13は、膜分離装置、デカン
ター、濾過装置などの公知のものが用いられ、高温高圧
水処理装置12からの導出物を固液分離して固形分(濃
縮汚泥分)を嫌気性処理装置14に送り、固体分を好気
性処理装置11(曝気槽21)に返送するものである。
【0039】固形分の分離、特に、余剰汚泥の分離にお
いては、細菌類の細胞外粘液質のため、ろ過抵抗が大き
くなる。しかし、200℃以上の高温高圧水反応(水熱
反応)により、粘液質は完全に低分子化するので、ろ過
抵抗は著しく減少しろ過速度は極めて速い。従って、高
温高圧水処理後の固液分離にろ過方式が適用できるの
で、装置の小型化が可能である。なお、高温高圧水処理
液中の固形分は沈降速度が速いので、沈降分離方式でも
よい。
【0040】また、固液分離装置13において、高温高
圧水処理装置12からの導出物に無機成分が多く含まれ
る場合には、その無機成分を分離し、排出するように構
成するとよい(無機固形分の排出)。この排出処理は、
処理対象が都市下水の場合には、無機成分が多く含まれ
るので必須と考えられるが、農集等小規模廃水処理施設
からの排水や産業廃液の場合には不要にできる。
【0041】嫌気性処理装置14は、嫌気性微生物を含
む汚泥を有したもので、嫌気性微生物として具体的には
酸生成菌とメタン生成菌とが存在させられている。この
ような構成のもとに、この嫌気性処理装置14では、固
液分離装置13で分離された液体分を、前記の汚泥によ
り、メタンガスに転換、すなわちメタン発酵させるよう
になっている。また、嫌気性処理された処理液は、好気
性処理装置11(曝気槽21)に返送されるようになっ
ている。
【0042】嫌気性処理装置14での処理温度は、中温
域でも、高温域でもよい。また、嫌気性処理装置14と
しては、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanke
t)法、IC(Internal Circulation)法、EGSB(E
xpanded Granular Sludge Bed)法、EASB(Expande
d Anaerobic Sludge Bed)法等の高負荷高速型嫌気性
法を用いたものを適用できる。嫌気性処理装置14とし
て、UASB法、IC法、EGSB法を用いる場合に
は、この前段に固液分離装置13が必要であるが、既存
の従来型嫌気性汚泥消化設備又はEASB法を用いる場
合には、固液分離装置13を不要にできる。
【0043】つまり、UASB法、IC法、EGSB法
にあっては、懸濁物質が混入すると、反応槽内のグラニ
ュールに付着・混在して蓄積するので、汚泥の高温高圧
水処理後に残存する少量の固形分を分離除去して、固形
分を好気性生物処理工程へ移送する分離工程が必要とな
る。高温高圧水の温度及び固形分の種類(初沈汚泥、余
剰汚泥)により異なるが、温度200℃以上の亜臨界域
では、反応前固形分の10〜15%程度の固形分が残存
する。特殊な気液固分離装置を有するEASBでは固形
分の除去は不要である。また、EASBの処理液に混入
する固形分を好気性生物処理工程に返送しても同工程内
の活性汚泥の性状及び有機性汚水の処理水質に特段の影
響を与えることはない。ただし、嫌気性処理装置程の前
段に後述するリン回収装置16を設置する場合には、そ
のリン回収装置16の前段に高温高圧水処理液中の固形
分を除くための固液分離工程が必ず必要であるので、こ
れ以後の工程において高温高圧水処理液中の固形分の分
離除去は不要である。
【0044】また、本例の処理装置10では、嫌気性処
理装置14で発生するメタンを、熱又は電気等のエネル
ギーに変換するエネルギー変換装置15を有している。
メタン(メタンガス)をエネルギーに変換する装置とし
ては、燃料電池など、公知の様々な装置を適用できる。
【0045】また、本例の処理装置10では、固液分離
装置13で分離した液体分、及び嫌気性処理装置14で
処理された処理液のうちの少なくとも一方に、マグネシ
ウム化合物を添加して、リン酸マグネシウムアンモニウ
ム(MAP)結晶としてリンを回収するリン回収装置1
6を有している。マグネシウム化合物を添加して、リン
酸マグネシウムアンモニウム(MAP)結晶としてリン
を回収する方法を、以後MAP法と称する。本例では、
リン回収装置16は、嫌気性処理装置14の後段、すな
わち嫌気性処理装置14と好気性処理装置11(曝気槽
21)との間に配置される。なお、リン回収装置16の
配置場所はこれに限らず、高温高圧水処理装置12と嫌
気性処理装置14との間など、他の場所でもよい。
【0046】リン回収装置16において、細胞からのリ
ン(オルトリン酸態)の溶出は高温高圧水の温度が16
0℃以上でほぼ完全に溶出するが、MAP法によるリン
回収ではリンに対してアンモニアが1:1以上細胞から
溶出する200℃以上の高温高圧水が望ましい。また、
マグネシウム化合物(水酸化マグネシウム又は酸化マグ
ネシウム)の添加量の調整はpH制御によって行い、汚
泥の高温高圧水処理液がpH8.5〜9になるようにマ
グネシウム化合物を添加する。
【0047】また、本例の処理装置10では、有機性汚
水の処理能力に十分ゆとりがある場合に、他の有機性汚
水処理施設からの汚泥あるいは家庭や事業所等からの厨
芥や動植物残渣等の生物由来廃棄物を高温高圧水処理装
置12に導入できるようになっている。さらに、上記生
物由来廃棄物を破砕するための破砕装置17を有してお
り、必要に応じて上記生物由来廃棄物を破砕できるよう
になっている。破砕装置としては、公知の様々な装置を
適用できる。
【0048】なお、上記高温高圧水処理装置12、固液
分離装置13、嫌気性処理装置14、エネルギー変換装
置15、リン回収装置16、破砕装置17、異物除去装
置23、濃縮装置24等により、好気性処理装置11か
らの汚泥を処理する汚泥処理装置30が構成される。
【0049】次に、上記構成の有機性汚水の処理装置1
0による処理方法に基づき、本発明の有機性汚水の処理
方法を説明する。
【0050】まず、好気性処理装置11における最初沈
殿池20に有機性汚水100を流入させ、汚水中の固形
分を分離し、上澄み汚水101と初沈汚泥104を得
る。曝気槽21に上澄み汚水101及び後述する最終沈
殿池22からの返送汚泥106を流入させ、上澄み汚水
101を生物処理する。
【0051】ついで、曝気槽21からの混合液102を
最終沈殿池22に流入させて活性汚泥を分離し、処理水
103と終沈汚泥105を得る。終沈汚泥105の一部
を返送汚泥106として曝気槽21へ返送する。残りの
終沈汚泥は余剰汚泥107として、最初沈殿池20から
の初沈汚泥104と混合され、混合汚泥108として汚
泥処理装置30へ移送する。なお、初沈汚泥104中の
砂、紙、髪、その他の異物は異物除去装置23により取
り除いた後、余剰汚泥107と混合する。また、初沈汚
泥104に異物が少ない場合、異物除去装置23を省い
てもよい。
【0052】この混合汚泥108は濃縮装置24により
濃縮されて濃縮汚泥202を得る。なお、濃縮装置24
はなくてもよい。濃縮汚泥202は高温高圧水処理装置
12に導入されて、高温高圧水処理液203を得る。
【0053】他の有機性汚水処理施設からの汚泥あるい
は家庭や事業所等からの厨芥や動植物残渣等の生物由来
廃棄物281を同時処理する場合には、異物を取り除い
た後、破砕装置17により破砕して濃縮汚泥202と混
合して高温高圧水処理装置12へ導入する。破砕装置1
7では、一般的に水と1:1の割合で混合する方法が適
用されているが、高温高圧水処理装置12の負荷が大き
くなるので、濃縮汚泥202を水の替わりに使用すると
よい。
【0054】高温高圧水処理液203に残存する僅かな
固形分を固液分離装置13により分離して、その固形分
204を好気性処理装置11(曝気槽21)に返送す
る。
【0055】固形分が除去された高温高圧水処理液(固
形分除去液205)は嫌気性処理装置14へ導入され、
高温高圧水処理液中の溶解性有機物をメタン251へ変
換して回収し、嫌気性処理液206を得る。嫌気性処理
装置14としてEASB法を適用する場合には、この固
液分離装置13は不要で、高温高圧水処理液203を直
接に嫌気性処理装置14へ導入するとよい。
【0056】有機物を除去した嫌気性処理液206はリ
ン回収装置16へ導入され、マグネシウム化合物(水酸
化マグネシウム、酸化マグネシウム等)261を加え
て、嫌気性処理液206中のアンモニウムイオンおよび
オルトリン酸イオンと反応させ、MAPの結晶性沈殿を
生成させ、固液分離してMAP262としてリンを回収
する。なお、このリン回収装置16はなくてもよい。
【0057】リン回収装置16からの汚泥処理液201
を好気性処理装置11(曝気槽21)に移送する。これ
により、この処理液中に残存する有機物が同系内の微生
物により分解されて消滅する。
【0058】嫌気性処理装置14により回収したメタン
251は燃料電池270の原料としてもよいし、また、
ボイラー等を用いて熱に変換し、高温高圧水処理装置1
2の熱源としてもよい。
【0059】このような有機性汚水の処理装置10とこ
れを用いてなる処理方法にあっては、好気性処理装置1
1からの汚泥を高温高圧水処理装置12で処理(水熱反
応処理)することにより、汚泥の大部分を易分解性の低
分子物質に変換できる。さらに、その高温高圧水処理装
置12で処理された処理物を固液分離装置13で固液分
離し、その液体分を嫌気性処理装置14で嫌気性処理す
ることにより、その処理物に含まれる易分解性の低分子
物質の大部分をメタン251に変換して除去できる。そ
のため、好気性処理装置11で発生する汚泥を大きく削
減でき、しかもメタン251を回収できる。特に、高圧
高圧水処理した後に、汚泥を嫌気性処理することによ
り、難生分解性の汚泥が易分解性低分子物質物質へ変換
するので、嫌気性処理における消化日数を大幅に短縮で
き、高い汚泥消化率を達成できる。
【0060】また、この処理方法によれば、嫌気性処理
装置14でメタン251として除去されない残りの汚
泥、つまり高温高圧水処理装置12で処理された処理物
中の固形分204と、嫌気性処理装置14で処理されて
有機物が低減された嫌気性処理液206とを、好気性処
理装置11(曝気槽21)に返送することにより、好気
性処理装置11に大きな負荷をかけることなく、副産物
である汚泥がほとんど生じないシステムを構成できる。
【0061】したがって、この処理装置10は、標準活
性汚泥やモディファイドエアレーション等による有機性
汚水処理工程への適用が可能となり、且つ余剰汚泥に加
えて初沈汚泥も削減できる。
【0062】さらに、有機性汚水の処理能力に十分ゆと
りがある場合などに、他の有機性汚水処理施設からの汚
泥あるいは家庭や事業所等からの厨芥や動植物残渣等の
生物由来廃棄物を、高温高圧水処理装置12に導入する
ことにより、本来の有機性汚水に加え、上記生物由来廃
棄物を処理できる。また、ディスポーザー使用による下
水道施設への負荷増加に対応ができる。
【0063】また、リン回収装置16において、固液分
離装置13で分離した液体分205、及び嫌気性処理装
置14で処理された嫌気性処理液206のうちの少なく
とも一方に、マグネシウム化合物を添加して、リン酸マ
グネシウムアンモニウム結晶としてリンを回収すること
により、有機性汚水、あるいは上記生物由来廃棄物から
リン資源を回収できる。また、エネルギー変換装置15
において、嫌気性処理装置14で発生するメタンを、熱
又は電気等のエネルギーに変換することにより、有機性
汚水、あるいは上記生物由来廃棄物からエネルギー資源
を回収できる。このように、この処理装置10は、有機
性汚水から資源を回収できるので、循環型社会対応型の
処理施設として用いることができる。
【0064】なお、初沈汚泥を構成する様々な固形有機
物の内、野菜や骨を除く食物由来固形分の高温高圧水の
温度は150℃以上で十分である。
【0065】また、野菜や骨などは水のイオン積が最大
になる265℃で、長時間かけて高温高圧水中で処理さ
れることが望ましいが、その割合が低い場合には、低分
子化が不十分でも構わない。その絶対量が少なければ、
好気性生物処理工程内に長時間滞留することにより、微
生物により好気性的に消化されて消滅する。処理水とと
もに未消化の野菜や骨の成分が流出することはない。す
なわち、原水のBOD負荷量に対して、これらのBOD
負荷量が数%以内であれば、好気性生物処理工程におけ
る活性汚泥の性状や有機性汚水の処理水質に大きな影響
は与えない。
【0066】以上、添付図面を参照しながら本発明に係
る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例
に限定されないことは言うまでもない。上述した例にお
いて示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例で
あって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計
要求等に基づき種々変更可能である。
【0067】(実験例)次に、本出願人は、先の図1に
示した有機性汚水の処理装置10、及び有機性汚水の処
理方法に関し、人工的に製造した下水を用いて有機性汚
水の浄化実験を行った。以下、この実験について説明す
る。なお、必要に応じて、図1に示したものと同一機能
を有するものについては同一の符合を付して説明する。
また、本実験では上述した好気性処理装置11として活
性汚泥処理装置を適用し、最初沈殿池20は省いた。ま
た、全く同じ活性汚泥処理装置及び運転条件で、余剰汚
泥を引き抜いて排出し、それを汚泥処理工程を介さない
比較例として実験を行った。
【0068】人工下水は水道水10L中に脱脂粉乳4.
00g、硫酸アンモニウム1.87g、リン酸二水素カ
リウム0.18g、炭酸水素ナトリウム0.50g及び
炭酸水素ナトリウム0.25gを加えてBOD200m
g/L、CODMn200mg/L、TOC175mg
/L、TP16mg/Lとなるように作った。1N水酸
化ナトリウムをpH制御器により曝気槽に添加して、p
Hを7.5〜8.0に保った。冬季においては、曝気槽
の温度が20℃以下にならないようヒーターにより調整
した。
【0069】曝気槽21として、有効容積10Lの槽を
用い、最終沈殿池22として、有効容積3Lの沈殿池を
用い、有効容積50Lの原水タンクに貯留した上記人工
下水を有機性汚水100として、30L/日の流量で好
気性処理装置11に連続投入して、処理水103を得
た。汚泥滞留時間SRT(活性汚泥滞留時間)を5日と
なるように、1日1回、2Lの混合液を好気性処理装置
11から直接に引き抜いて余剰汚泥107を得た。余剰
汚泥107を沈降濃縮して、汚泥濃度約10,000m
g/L、液量約500mLの濃縮汚泥202を得た。高
温高圧水処理装置12として、図2に示す内容積1Lの
回分式高温高圧水処理装置を用い、濃縮汚泥202を2
00℃、1.6MPaで1時間処理して高温高圧水処理
液203を得た。固液分離装置13として、GF/Cろ
紙を装着した減圧ろ過器を用い、高温高圧水処理液20
3をろ過し、固形分除去液205を得た。また、ろ紙上
に阻止された物質を固形分204とした。嫌気性処理装
置14として、図3に示すグラニュールを充填した有効
容積1LのUASB装置を用い、固形分除去液205を
約500mL/日の流量で嫌気性処理装置14へ連続投
入して、嫌気性処理液206を得た。嫌気性処理液20
6をビーカーに移し、攪拌しながらマグネシウム261
として水酸化マグネシウム粉末を添加してpH9.0と
し、リン酸マグネシウムアンモニム(MAP)の結晶性
沈殿を生成させ、1時間静置してMAP沈殿を完全に沈
降させてから傾斜法により分離して、MAP結晶性沈殿
262を得た。この上澄み液を汚泥処理液201とし、
前記固形分204とともに前記有機性汚水100と混合
して、好気性処理装置11に投入して消滅させた。
【0070】高温高圧水反応1時間の条件での各温度に
おける濃縮汚泥の可溶化率を図4に示す。汚泥の可溶化
率は200℃以上で85〜90%であり、高温高圧水処
理液中へ溶解化した糖類の濃度も180〜200℃にお
いて、最大値を示したので、高温高圧水反応温度は20
0℃に設定した。
【0071】高温高圧水反応1時間の条件での各温度に
対する濃縮汚泥の高温高圧水処理液からのMAP法によ
るリン回収率を図5に示す。200℃以上で汚泥からの
リン回収率は95〜98%であるので、高温高圧水反応
温度を200℃とした。また、MAP法におけるpHと
リンの回収率を調べたところ、pH9.0以上でMAP
反応はほぼ100%進行したので、高温高圧水処理液に
水酸化マグネシウムを添加して、pH9.0になったと
ころを最適添加条件とした。高温高圧水処理、固液分
離、嫌気性処理の順に濃縮汚泥を処理したものについて
のMAP法の結果も、上記高温高圧水処理液のMAP法
の結果とほぼ同じであった。
【0072】固形分除去液205はTOC約4,000
mg/L、CODCr約10,000mg/L、BOD
4,000mg/Lであった。嫌気性処理液はTOC約
400mg/L、CODCr約1,000mg/L、B
OD約400mg/Lであった。除去TOCの65%が
メタンへ変換された(汚泥中の全炭素のメタンへの変換
率は59%)。
【0073】汚泥処理液201及び高温高圧水処理液か
ら分離した固定分204を原水(有機性汚水100)に
混ぜたところ、原水に対するTOC、CODMn、BO
Dの増加率は10〜15%であった。
【0074】MLSSは比較例では平均2,000mg
/Lであったが、比較例では平均2,200mg/Lで
あった。MLVSS/MLSSは比較例では平均0.9
5、実験例では平均0.95で全く差異は認められなか
った。
【0075】SVIは実験例、比較例とも100〜15
0で殆ど同じ値であった。スキムミルクを用いる本実験
例では、実際の処理施設に比べて若干高い値であった。
【0076】比較例の処理水の水質はBOD、CODM
n、TOC、TPはそれぞれ5、10、10、7mg/
L以下であったのに対し、実験例ではそれぞれ5、1
2、12、8mg/L以下であった。実験例のCODM
n、TOCが若干増加したが、ほぼ、同程度の水質が得
られた。
【0077】本実験結果に基づき、標準活性汚泥法を用
いた有機性汚水の処理工程に、高温高圧水、嫌気性、リ
ン回収の各処理工程を導入した場合の炭素及びリンの物
質フローを推定した。好気性処理工程における活性汚泥
細胞への有機物の同化率α=0.55、リンの活性汚泥
への摂取率65%、好気性処理工程におけるTOC除去
率95%、高温高圧水処理工程(200℃)における汚
泥の可溶化率85%、リン回収工程におけるリンの回収
率95%、嫌気性処理工程における有機物の消化率90
%、嫌気性処理工程におけるTOCのメタンへの変換率
60%(ガス化成分のメタンの割合65%)として、本
実施例における物質フローを試算したところ、図6に示
すような結果が得られた。この試算によると、汚水中の
有機物の約30%がメタンとして回収され、汚水中のリ
ンは約60%がMAPとして回収される。
【0078】下水処理施設において、初沈汚泥が高温高
圧水−嫌気性処理工程へ導入され、高温高圧水処理工程
で初沈汚泥の85%が可溶化され、嫌気性処理工程で9
0%の有機物が消化されそのうち65%がメタンへ変換
されると、初沈汚泥中の有機物の約50%がメタンガス
として回収できることとなる。そこで、都市下水中の有
機物を固形分50%、溶解分50%と仮定して、初沈汚
泥及び余剰汚泥を高温高圧水―嫌気性処理工程へ導入し
て処理する施設における物質フローを試算した結果が図
7である。
【0079】この試算によると、下水中に含まれる有機
炭素の40%がメタンガスとして、リンは80%がMA
Pとしてそれぞれ回収できることとなる。また、本発明
に係る汚泥処理工程(汚泥処理装置30)を導入したと
きの好気性処理工程へ負荷量の増加は約38%となる。
【0080】後述するように従来型の汚泥処理工程を適
用した場合の好気性処理工程への負荷増加率が400%
以上であるのに比べて、本システムではその増加率を格
段に低減できる。また、下水処理場の多くにおいては計
画負荷よりも実際負荷は低い事例が多いので、下水中有
機物の活性汚泥への同化率αは本試算の値よりも小さい
ことが予想され、汚泥処理液(高温高圧水処理工程の固
形分及び嫌気性処理工程の処理液)返送による好気性処
理工程への負荷増加率は本試算よりも低いものと思われ
る。
【0081】流入量100,000m3 の下水処理施設
における汚泥のフロー(岩井重久編:下水道必携、第1
部 設計資料、環境技術研究会、1980、pp.31
0−311参照)及び汚泥性状(松尾友矩編:水質環境
工学―下水の処理・処分・再利用―、技報堂出版、19
93、pp.561−564参照)を参考にして、本発
明を適用したときの汚泥処理コストを試算した結果を図
8に示す。この試算においては、高温高圧水処理工程後
のろ過工程は保温構造とし嫌気性処理工程への加温エネ
ルギーを節約し、高温高圧水処理液からの放熱を防ぐた
めリン回収工程は嫌気性処理工程の後段とした。また、
消化ガスの発熱量を22MJ/Nm3 とし、高温高圧水
処理工程での濃縮汚泥の処理に必要な熱量を(200―
20)[℃]×4.2[MJ/m3 ] × 0.2=150
MJ/m3 (熱回収率0.8)とした。この試算による
と、高温高圧水工程に必要な加熱エネルギーは56GJ
であるのに対して、嫌気性工程からの消化ガスの燃焼
(総合熱効率0.4)により約75GJが得られる。
【0082】したがって、本発明の適用においては、送
液用ポンプ等のエネルギーを除くと、外部からのエネル
ギーは不要であると考えられる。また、最近、従来型に
比べて約50%効率のよい曝気装置が開発されており、
汚泥処理液の好気性工程への返送による曝気量の増加分
は十分カバーできる。
【0083】以上のことから、既存施設への本発明の汚
泥処理工程を導入しても、試算上では外部エネルギーの
投入は特に必要としない。また、濃縮装置は既設設備を
利用すればよい。なお、下水処理汚泥には、無機固形分
が初沈汚泥には20―40(代表値35)%、余剰汚泥
には18−41(代表値25)%含まれており、この無
機固形分除去工程を汚泥処理工程に導入する必要があ
る。本試算では、高温高圧水工程の後段に無機固形分除
去工程を導入した。
【0084】(従来技術の課題と本発明の比較)次に、
先の図11に示した従来技術の課題について詳しく検討
し、本発明と比較した。以下、その結果について説明す
る。先の図11に示した従来の余剰汚泥削減技術では、
汚泥増殖抑制型、汚泥基質化返送型いずれによっても、
汚泥からエネルギーやリンの回収は困難である。従来の
汚泥削減技術では、栄養塩類である窒素については好気
性処理工程を間欠曝気等の操作により除去できるが、リ
ンについては好気性処理工程の後段にリン除去工程が導
入されないかぎり、汚水中のリンは100%処理水とと
もに流出する。ただし、細胞低分子化法では、汚泥中の
リン化合物はオルトリン酸態に変換されて汚泥低分子化
液中に高濃度に存在するので、細胞低分子化工程の後段
にリン分離工程を導入することでリンを回収することが
できる。
【0085】汚泥増殖抑制型の余剰汚泥削減技術には、
次のような課題が考えられる。運転管理型はHRTを大
きくとるため、生物学的処理槽が膨大となり都市部での
適用は困難である。生理活性剤法は、使用開始直後がか
なりの効果があるが、長期間の使用により微生物への生
理活性効果が低下してついには効果がなくなるので、一
過的な使用に限られる。生物種制御法は生物種の制御が
極めて難しいので、再現性が悪くリスクが伴う方法であ
る。食物連鎖法は有効な方法であるが、後生動物等の存
在量、汚泥補食量など数値的な解析が困難で、また、後
生動物等の制御法も確立されておらず、経験的に装置の
設計・運転がなされている。いずれにしても、これらの
汚泥増殖抑制型生物処理法ではある程度の汚泥発生量を
削減できても、完全に余剰汚泥を発生しないシステムを
達成することは難しい。
【0086】汚泥基質化型の余剰汚泥削減技術には、次
のような課題が考えられる。細胞殺傷法及び細胞破砕法
は、細胞壁成分の分解に長期間の日数が必要であり、汚
泥滞留時間SRTはおよそ10日以上が必要である。従
って、都市下水の処理に広く採用されている標準活性汚
泥法のSRTは2〜4日であり、細胞殺傷法及び細胞破
砕法を標準活性汚泥法へ適用すると、細胞壁成分が蓄積
して汚泥濃度が限りなく増大し、ついには、沈殿池によ
る固液分離が不可能となる。このことから、細胞殺傷法
及び細胞破砕法は、SRT10日以上の長時間曝気法
(SRT=15〜30日)やオキシデーションディッチ
法(SRT=15〜30日)等にのみ適用可能で、SR
Tが短い標準活性汚泥(SRT=2〜4日)やモディフ
ァイドエアレーション法(SRT=0.3〜0.5日)
等には適用が難しいと考えられる。
【0087】また、従来の汚泥基質化型余剰汚泥削減技
術の多くは、生物処理工程における微生物(活性汚泥)
濃度の増加を抑制するため、通常法における余剰汚泥の
3倍程度を基質化処理しているので、汚泥基質化返送法
を採用した場合には、見掛けの汚泥滞留時間はSRT’
=SRT/3となる。仮に、細胞低分子化法をSRT2
〜4日の標準活性汚泥法に適用すると、SRT’は2/
3〜4/3日となる。すなわち、生物処理工程内の活性
汚泥の全量を基質化処理することになり、同工程内の微
生物は全て不活性化されて生物処理工程そのものが機能
しなくなる。以上のことから、汚泥をほぼ完全に低分子
化する細胞低分子化法を用いても通常法の余剰汚泥の3
倍程度の汚泥を基質化処理する場合には、標準活性汚泥
法やモディファイドエアレーション法等には適用が難し
いと考えられる。
【0088】一方、通常型の余剰汚泥と同量の汚泥を基
質化処理する細胞低分子化法について検討すると、理論
的には細胞壁成分などの高分子物質は低分子化されて易
生分解性成分に変換され、6時間以内で分解・消化され
るので、SRTの制限はない。ところが、余剰汚泥を基
質化して生物処理工程へ返送すると、生物処理工程への
負荷が増加するという問題が生じる。そこで、余剰汚泥
を基質化して生物処理工程へ移送したときの負荷の増加
量を以下のように推定した。
【0089】汚泥基質化返送型活性汚泥法における負荷
量の増加を図9に示して以下に説明する。ここで、生物
槽へ流入した原水中の基質Sはすべて微生物に摂取され
るとする。また、基質はすべて炭水化物とし、窒素等の
他の元素は無視して考える。微生物細胞内に摂取された
基質Sの一部は異化反応により、二酸化炭素へ変換され
細胞は生命維持に必要なエネルギーを獲得する。一方、
残りの基質Sは同化反応により細胞合成の原料となり、
微生物の増殖分となる。以下、α及びβを、基質Sを理
論的BOD∞に換算し、同化及び異化の各反応へ利用さ
れる基質Sの割合を示すものとする(だだし、α+β=
1)。
【0090】初日の微生物の増殖量ΔX1=αSとな
る。基質化活性汚泥法では、ΔXを基質化して曝気槽へ
返送するので、原水中の基質SにαSが加わるので2日
の基質は(1+α)Sとなり、増殖量ΔX2=α(1+
α)Sとなる。これを繰り返すとn日後の増殖量ΔXn
=α(1+α+α2+・・・・・・+αn)Sとなり、
nが大きくなると、増殖量ΔX∞=S/(1−α)=S
/βに収斂する。
【0091】ところで、前述した式(1)(増殖式)の
両辺に1/βを乗じると、次式が得られる。 ΔX/β=aS/β−bX/β …(2) この式(2)が汚泥基質化型活性汚泥法の増殖式とな
る。すなわち、汚泥基質化型活性汚泥法では、基質量は
S/βとなり、活性汚泥濃度はX/βとなることが予想
される。また、酸素消費量は負荷量(基質量)に比例す
るとすると、汚泥基質化型活性汚泥法では通常型の1/
βとなることが予想される。ちなみに、基質化型活性汚
泥法における汚泥滞留時間SRT’=(X/β)/(Δ
X/β)=X/ΔX=SRTとなり、通常型と同じであ
る。従って、このタイプの基質化型活性汚泥法を汚泥滞
留時間同一型と命名する。
【0092】ところで、前述したように、現在までに開
発されている汚泥基質化型活性汚泥法の多くはその活性
汚泥濃度を、通常型の活性汚泥濃度Xと同じ値とするた
め、通常型活性汚泥法の余剰汚泥量に対して数倍量の汚
泥を抜き取り基質化処理している。この場合の負荷(基
質)の増加量を次のように推定した。
【0093】今、通常型活性汚泥法のSRT=τとする
と、余剰汚泥量はΔX=X/τで表される。この式を基
質化活性汚泥法の増殖式(2)に代入して変形すると、
次式が得られる。 X(1+bατ)/β=aS/β−bX …(3) すなわち、汚泥基質化型活性汚泥法の活性汚泥濃度はX
で、通常型活性汚泥と同じ活性汚泥濃度を保つが、一日
当たりの汚泥増殖量は通常型の(1+bατ)/β倍に
なることが予想される。また、汚泥滞留時間はSRT’
(またはτ’)=X/[ΔX(1+bατ)/β]=S
RT(またはτ)/[(1+bατ)/β]となり、通
常型の1/[(1+bατ)/β]となる。このタイプ
の汚泥基質化型活性汚泥法を汚泥濃度同一型と命名す
る。
【0094】ちなみに、式(2)及び式(3)に示され
るように、負荷(基質量)および曝気量の増加率は1/
βとなり、汚泥滞留時間同一型も活性汚泥濃度同一型も
同じである。
【0095】ここで、同化率α、異化率β及び汚泥滞留
時間τに具体的な数値を代入して、汚泥基質化活性汚泥
法の操作因子を推定した。α、β及びτの値を変化させ
たときの、BOD負荷、酸素消費量、活性汚泥濃度、汚
泥基質化処理量、汚泥滞留時間の増加率を滞留日数同一
型及び汚泥濃度同一型について、計算したものを表1に
示す。
【0096】
【表1】
【0097】なお、スキムミルクを基質とし、これに栄
養塩類を加えて、活性汚泥法を運転し、操作操作因子、
BOD負荷0.20kg/m3 、汚泥滞留日数20日
(長時間曝気法に対応)、及びBOD負荷0.55kg
/m3 、汚泥滞留日数3日(標準活性汚泥法)におけ
る同化率を実験的に求めたところ、τ=20日における
α=0.20およびτ=3日におけるα=0.55を求
めた。なお、他の汚泥滞留日数については、3日及び2
0日の値から推定した。
【0098】上記の各操作条件における活性汚泥Xによ
る基質Sの同化率αは、次の値を用いて求めた。スキム
ミルク(水分10%)1gはBOD0.5gであった。
また、活性汚泥を200℃で3時間の高温高圧水法(高
温高圧水法)によりほぼ完全に低分子化してBODを測
定したところ、VSS1gのBODは0.40gであっ
た。なお、滅菌用オートクレーブを用いた加熱アルカリ
法による汚泥の低分子化率は、上記高温高圧水法に比べ
ると不十分であったので上記高温高圧水法を採用した。
【0099】表1に示す値を見ると、都市下水に広く採
用されている標準活性汚泥法では、余剰汚泥を基質化処
理して曝気槽へ返送すると、BOD負荷は2倍を越える
値となる。さらに、初沈汚泥を加えると曝気量は通常法
の4倍以上(400%以上)となる。下水道施設での使
用電力量の約60%が曝気用ブロワに消費されるので、
汚泥基質化活性汚泥法の運転コストは膨大になり、現実
的には細胞低分子化法も標準活性汚泥やモディファイド
エアレーション法等には適用が難しいと考えられる。
【0100】農業集落排水等の小規模処理場では、オキ
シデーションディチ法や長時間曝気法が適用されている
ので、汚泥基質化活性汚泥法におけるBOD負荷は20
%程度であることが推定される。現在、小規模処理施設
で稼働している基質化活性汚泥でも同程度の増加率であ
ることが報告されている。また、汚泥濃度同一型での処
理汚泥量は2倍程度である。さらに、細胞殺傷法や細胞
質漏出法では、細胞壁成分が長い日数を掛けて消化され
るので、活性汚泥濃度は細胞低分子化法より20%程度
の増加が実験的に確かめている。したがって、2×1.
20=2.4となり、汚泥濃度同一型での汚泥処理量は
通常型の余剰汚泥量の2倍〜3倍程度になることが経験
的に求められていることも、表1の値からも理解でき
る。しかし、低負荷運転の事例が多い小規模処理施設に
おいても、汚泥基質化返送による余剰汚泥削減する従来
技術では、最初沈殿池より発生する初沈汚泥を処理して
生物処理工程へ返送する実施例は見あたらない。
【0101】以上述べた有機性汚水の生物処理工程によ
り発生する汚泥を削減する従来技術の課題を表2にまと
めた。すなわち、汚泥発生量を削減する有機性汚水の生
物学的処理方法に係わる従来技術は、その技術の適用に
おいて生物処理工程の方式や操作条件及び削減可能な汚
泥(余剰汚泥、初沈汚泥)の制約を受けるとともに、汚
泥中のエネルギーやリン等の資源を回収する機能を有し
ていない。
【0102】
【表2】
【0103】これに対して、本発明では、上述したよう
に、高圧高圧水処理した後に、汚泥を嫌気性処理するこ
とにより、難生分解性の汚泥が易分解性低分子物質物質
へ変換するので、従来の嫌気性汚泥消化設備では汚泥の
消化に数十日を必要とし、汚泥消化率50%程度である
のに対して、嫌気性処理における消化日数を大幅に短縮
でき、85%以上の汚泥消化率を達成できる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機性汚
水の処理方法は、好気性処理工程で発生する汚泥を大き
く削減でき、しかもメタンガスを回収できる。特に、高
圧高圧水処理した後に、汚泥を嫌気性処理することによ
り、難生分解性の汚泥が易分解性低分子物質物質へ変換
するので、嫌気性処理における消化日数を大幅に短縮で
き、85%以上の汚泥消化率を達成できる。さらに、汚
泥処理工程で処理されて有機物が低減された処理液を、
好気性処理工程に返送することにより、好気性処理工程
に大きな負荷をかけることなく、副産物である汚泥がほ
とんど生じないシステムを構成できる。また、この処理
方法によれば、有機性汚水からメタンガスやリン資源、
あるいはエネルギー資源などを回収できる。
【0105】本発明の有機性汚水の処理装置によれば、
上記の処理方法を実施できることから、有機性汚水を生
物学的処理した際に発生する汚泥を確実に削減でき、さ
らに有機性汚水からメタンガスやリン資源、あるいはエ
ネルギー資源などを回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機性汚水の処理装置の一実施形態
例の概略構成を説明するための図である。
【図2】 実験例に用いた回分式高温高圧水処理装置の
概略構成を示す図である。
【図3】 実験例に用いたUASB装置の概略構成を示
す図である。
【図4】 高温高圧水の温度と汚泥の可溶化率との関係
を示す図である。
【図5】 高温高圧水の温度とリン回収率との関係を示
す図である。
【図6】 実施例における炭素・リンの物質フローの試
算を示す図である。
【図7】 一般的な下水処理施設に本発明を適用した場
合における炭素及びリンの物質収支の試算を示す図であ
る。
【図8】 一般的な都市下水処理施設に本発明を適用し
た場合における汚泥及びエネルギー収支の試算を示す図
である。
【図9】 有機性汚水の通常型生物処理法と汚泥削減型
生物処理法における物質収支を示す図である。
【図10】 従来の有機性汚水の処理装置を説明するた
めの図である。
【図11】 従来の有機性汚水の処理技術の分類を示す
図である。
【符号の説明】
10…有機性汚水の処理装置、 11…好気性処理装置、 12…高温高圧水処理装置、 13…固液分離装置、 14…嫌気性処理装置、 15…エネルギー変換装置、 16…リン回収装置、 21…曝気槽、 30…汚泥処理装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 11/04 C02F 11/08 11/08 B09B 3/00 304Z (72)発明者 藤井 衞 東京都江東区豊洲三丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 北野 誠 東京都江東区豊洲三丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AA03 BA03 CA39 CB04 4D028 BD11 BE08 4D038 AA08 AB49 BB19 4D059 AA05 BA17 BC01 BK12 CA22 CA28 EB06 EB08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性汚水を好気性生物処理する好気性
    処理工程と、該好気性処理工程からの汚泥を亜臨界域の
    高温高圧水で処理し、該汚泥中の有機固形物及び微生物
    細胞を低分子化する高温高圧水処理工程と、該高温高圧
    水処理工程で処理された処理物を嫌気性生物処理する嫌
    気性処理工程とを有し、前記嫌気性処理工程で処理され
    た処理液を前記好気性処理工程に返送することを特徴と
    する有機性汚水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記高温高圧水処理工程で処理された処
    理物中の液体分と固体分とを分離する固液分離工程を有
    し、該固液分離工程で分離された液体分を前記嫌気性処
    理工程に送ることを特徴とする請求項1に記載の有機性
    汚水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記嫌気性処理工程では、高負荷高速型
    嫌気性法を用いることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の有機性汚水の処理方法。
  4. 【請求項4】 他の有機性汚水処理施設からの汚泥ある
    いは家庭や事業所等からの厨芥や動植物残渣等の生物由
    来廃棄物を、前記高温高圧水処理工程に導入することを
    特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項
    に記載の有機性汚水の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記固液分離工程で分離した液体分、及
    び前記嫌気性処理工程で処理された処理液のうちの少な
    くとも一方に、マグネシウム化合物を添加して、リン酸
    マグネシウムアンモニウム結晶としてリンを回収する回
    収工程を有することを特徴とする請求項1から請求項4
    のうちのいずれか一項に記載の有機性汚水の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記嫌気性処理工程で発生するメタン
    を、熱又は電気等のエネルギーに変換するエネルギー変
    換工程を有することを特徴とする請求項1から請求項5
    のうちのいずれか一項に記載の有機性汚水の処理方法。
  7. 【請求項7】 有機性汚水を好気性生物処理する好気性
    処理装置と、該好気性処理装置からの汚泥を亜臨界域の
    高温高圧水で処理し、該汚泥中の有機固形物及び微生物
    細胞を低分子化する高温高圧水処理装置と、該高温高圧
    水処理装置で処理された処理物を嫌気性生物処理する嫌
    気性処理装置とを有し、前記嫌気性処理装置で処理され
    た処理物を前記好気性処理装置に返送することを特徴と
    する有機性汚水の処理装置。
  8. 【請求項8】 前記高温高圧水処理装置で処理された処
    理物中の液体分と固体分とを分離する固液分離装置を有
    し、該固液分離装置で分離された液体分を前記嫌気性処
    理装置に送ることを特徴とする請求項7に記載の有機性
    汚水の処理装置。
  9. 【請求項9】 前記嫌気性処理装置は、高負荷高速型嫌
    気性法を用いることを特徴とする請求項7または請求項
    8に記載の有機性汚水の処理装置。
  10. 【請求項10】 他の有機性汚水処理施設からの汚泥あ
    るいは家庭や事業所等からの厨芥や動植物残渣等の生物
    由来廃棄物を、前記高温高圧水処理装置に導入すること
    を特徴とする請求項7から請求項9のうちのいずれか一
    項に記載の有機性汚水の処理装置。
  11. 【請求項11】 前記固液分離装置で分離した液体分、
    及び前記嫌気性処理装置で処理された処理液のうちの少
    なくとも一方に、マグネシウム化合物を添加して、リン
    酸マグネシウムアンモニウム結晶としてリンを回収する
    回収装置を有することを特徴とする請求項7から請求項
    10のうちのいずれか一項に記載の有機性汚水の処理装
    置。
  12. 【請求項12】 前記嫌気性処理装置で発生するメタン
    を、熱又は電気等のエネルギーに変換するエネルギー変
    換装置を有することを特徴とする請求項7から請求項1
    1のうちのいずれか一項に記載の有機性汚水の処理装
    置。
JP2001208367A 2001-07-09 2001-07-09 有機性汚水の処理方法及びその装置 Pending JP2003019490A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001208367A JP2003019490A (ja) 2001-07-09 2001-07-09 有機性汚水の処理方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001208367A JP2003019490A (ja) 2001-07-09 2001-07-09 有機性汚水の処理方法及びその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003019490A true JP2003019490A (ja) 2003-01-21

Family

ID=19044205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001208367A Pending JP2003019490A (ja) 2001-07-09 2001-07-09 有機性汚水の処理方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003019490A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004321931A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Mitsubishi Electric Corp 有機性廃液の処理方法および処理装置
JP2005246215A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Osaka Gas Co Ltd 汚泥処理方法
JP2006150316A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Tokyo Metropolitan Sewerage Service Corp 下水処理装置及び方法
JP2006342107A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Nitta Gelatin Inc コラーゲンペプチド含有化粧料組成物とその製造方法
JP2007253004A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Petroleum Energy Center 有機性排水の処理方法
JP2008290041A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Toshiba Corp 有機性廃棄物の処理方法及び処理装置
CN103214091A (zh) * 2013-03-07 2013-07-24 中国科学院生态环境研究中心 一种回流污泥碱处理-酸化的源头污泥减量工艺
JP2013236996A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Hitachi Ltd 水処理プロセス
CN103466802A (zh) * 2013-09-03 2013-12-25 同济大学 用于削减纳米材料对污水生物除磷脱氮系统不利影响的方法
CN103739022A (zh) * 2013-06-24 2014-04-23 四川海普流体技术有限公司 一种沉积处理污水中大颗粒物质的方法
CN104192918A (zh) * 2014-08-19 2014-12-10 中国石油天然气股份有限公司 一种污水处理剂及其制备方法与应用
CN108193203A (zh) * 2018-01-25 2018-06-22 暨南大学 一种涂装磷化除渣系统

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4693337B2 (ja) * 2003-04-24 2011-06-01 三菱電機株式会社 有機性廃液の処理方法および処理装置
JP2004321931A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Mitsubishi Electric Corp 有機性廃液の処理方法および処理装置
JP2005246215A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Osaka Gas Co Ltd 汚泥処理方法
JP4656848B2 (ja) * 2004-03-03 2011-03-23 大阪瓦斯株式会社 汚泥処理方法
JP2006150316A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Tokyo Metropolitan Sewerage Service Corp 下水処理装置及び方法
JP4566718B2 (ja) * 2004-12-01 2010-10-20 東京都下水道サービス株式会社 下水処理装置及び方法
JP2006342107A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Nitta Gelatin Inc コラーゲンペプチド含有化粧料組成物とその製造方法
JP2007253004A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Petroleum Energy Center 有機性排水の処理方法
JP2008290041A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Toshiba Corp 有機性廃棄物の処理方法及び処理装置
JP2013236996A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Hitachi Ltd 水処理プロセス
CN103214091A (zh) * 2013-03-07 2013-07-24 中国科学院生态环境研究中心 一种回流污泥碱处理-酸化的源头污泥减量工艺
CN103739022A (zh) * 2013-06-24 2014-04-23 四川海普流体技术有限公司 一种沉积处理污水中大颗粒物质的方法
CN103466802A (zh) * 2013-09-03 2013-12-25 同济大学 用于削减纳米材料对污水生物除磷脱氮系统不利影响的方法
CN103466802B (zh) * 2013-09-03 2015-04-15 同济大学 用于削减纳米材料对污水生物除磷脱氮系统不利影响的方法
CN104192918A (zh) * 2014-08-19 2014-12-10 中国石油天然气股份有限公司 一种污水处理剂及其制备方法与应用
CN104192918B (zh) * 2014-08-19 2015-12-02 中国石油天然气股份有限公司 一种污水处理剂及其制备方法与应用
CN108193203A (zh) * 2018-01-25 2018-06-22 暨南大学 一种涂装磷化除渣系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hasegawa et al. Solubilization of organic sludge by thermophilic aerobic bacteria as a pretreatment for anaerobic digestion
Shimizu et al. Anaerobic waste‐activated sludge digestion–a bioconversion mechanism and kinetic model
CN101337838B (zh) 有机固体废弃物联合厌氧发酵方法
US8444861B2 (en) Method and apparatus using hydrogen peroxide and microwave system for slurries treatment
US5141646A (en) Process for sludge and/or organic waste reduction
JP2003019490A (ja) 有機性汚水の処理方法及びその装置
JP2002522211A (ja) 生物汚水処理プロセスにより生じる微生物を液化する方法
CN105110583A (zh) 一种高压均质技术破解剩余污泥提高水解酸化效率的方法
CN106915883A (zh) 一种内源fna预处理污泥减量化及资源化工艺
Weemaes et al. Ozonation of sewage sludge prior to anaerobic digestion
Llabres et al. The use of organic fraction of municipal solid waste hydrolysis products for biological nutrient removal in wastewater treatment plants
Li et al. Enhancing biological denitrification with adding sludge liquor of hydrolytic acidification pretreated by high-pressure homogenization
KR100352811B1 (ko) 3단계 메탄 발효시스템을 이용한 음식물쓰레기의 고속소화 및 메탄 생산방법
Lin et al. Acidogenic sludge fermentation to recover soluble organics as the carbon source for denitrification in wastewater treatment: comparison of sludge types
CN109609559A (zh) 高锰酸钾(KMnO4)提高污泥厌氧发酵产生短链脂肪酸的方法
Lee et al. Complete reduction of highly concentrated contaminants in piggery waste by a novel process scheme with an algal-bacterial symbiotic photobioreactor
JP2007216207A (ja) 有機性廃液の嫌気性消化処理方法及び装置
Shiota et al. A strategy in wastewater treatment process for significant reduction of excess sludge production
EP1008558B1 (en) A method for treating organic waste water
Ho et al. Anaerobic treatment of palm oil mill effluent by tank digesters
JP2003103292A (ja) 生物由来性の廃水及び廃棄物の合併処理方法
KR100592492B1 (ko) 연속회분식 고온/중온 이단 혐기소화 공정을 이용한유기성 폐기물의 처리방법
Zurzolo et al. Increase of soluble phosphorus and volatile fatty acids during co-fermentation of wastewater sludge
JP2005324173A (ja) 汚泥の処理方法および汚泥処理装置
Zeeman et al. Anaerobic treatment of source-separated domestic wastewater

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120508