JP2018079438A - 有機物処理システム及び有機物処理方法 - Google Patents

有機物処理システム及び有機物処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機性汚泥を処理する嫌気性発酵槽を小型化する。
【解決手段】有機物処理システム1は、汚泥を取得する最初沈殿槽11と、最初沈殿槽11が取得した汚泥を可溶化して可溶化汚泥を生成する可溶化槽14と、凝集化した嫌気性微生物に前記可溶化汚泥を消化させる嫌気性発酵槽17と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は、汚泥、糞、生ごみ等の有機性廃棄物等を処理するための有機物処理システム及び有機物処理方法に関する。
微生物を用いて汚泥を処理する方法が知られている。特許文献1には、微生物を用いた嫌気性発酵処理によって有機性汚泥を処理することにより、有機性汚泥を処理する方法が開示されている。
特開2015−100764号公報
しかし、従来の嫌気性発酵槽で用いられる嫌気性微生物の濃度は2万mg/L程度であり、且つ汚泥は微生物難分解性物質を大量に含んでおり、例えば下水に含まれる大量の有機性汚泥を処理するために、嫌気性発酵槽を大型化する必要があるという問題が生じていた。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、有機性汚泥を処理する嫌気性発酵槽を小型化することを目的とする。
本発明の第1の態様においては、汚泥を取得する汚泥取得手段と、前記汚泥取得手段が取得した前記汚泥を可溶化して可溶化汚泥を生成する可溶化手段と、凝集化した嫌気性微生物に前記可溶化汚泥を消化させる嫌気性発酵手段と、を有する有機物処理システムを提供する。
前記有機物処理システムは、前記可溶化手段が前記汚泥を可溶化する前に、前記汚泥取得手段が取得した前記汚泥を脱水する脱水手段をさらに有してもよい。
前記有機物処理システムは、前記可溶化汚泥を固液分離する固液分離手段をさらに有し、前記嫌気性発酵手段は、前記固液分離手段により固形物が除去された後の分離後汚泥可溶化液を前記嫌気性微生物に消化させてもよい。
前記固液分離手段は、50℃以上の温度の前記分離汚泥可溶化液を生成してもよい。また、前記固液分離手段は、固形物濃度が100mg/L以下の前記分離汚泥可溶化液を生成してもよい。
本発明の第2の態様においては、汚泥を取得する工程と、取得した前記汚泥を可溶化して可溶化汚泥を生成する工程と、凝集化した嫌気性微生物に前記可溶化汚泥を消化させる工程と、を有する有機物処理方法を提供する。
上記の有機物処理方法は、前記可溶化汚泥を生成する工程と、前記可溶化汚泥を消化させる工程との間に、前記可溶化汚泥を生成する工程において生成した前記可溶化汚泥を固液分離させる工程をさらに有してもよい。
本発明によれば、有機性汚泥を処理する嫌気性発酵槽を小型化できるという効果を奏する。
第1の実施形態の有機物処理システム1の構成例を示す図である。 第2の実施形態の有機物処理システム2の構成例を示す図である。 乾燥汚泥1kg(1L)中の窒素及び硫黄の量を示す表である。 可溶化汚泥7.5kg中の窒素及び硫黄の量を示す表である。 フラッシュ後の可溶化液に5(mg/L)の塩化第一鉄を添加する前後の総硫黄及び溶解性硫黄の量の変化を示す表である。 アンモニアが除去される場所を示す表である。 硫化水素及び二酸化硫黄が除去される場所を示す表である。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の有機物処理システム1の構成例を示す図である。以下、有機物処理システム1が下水道管路から取り込んだ汚水を処理する場合を例として、有機物処理システム1の構成及び動作を説明する。汚水には、糞尿を含む各種の有機物が含まれている。有機物処理システム1は、汚水に含まれている有機物を効率的に処理し、従来よりも多くのメタンガスを発生させることができる。
有機物処理システム1は、最初沈殿槽11と、エアレーションタンク12と、最終沈殿槽13と、可溶化槽14と、揮発性ガス除去槽15と、硫化物除去槽16と、嫌気性発酵槽17と、発電機18とを有する。以下、各部の構成及び処理の手順について説明する。
最初沈殿槽11は、初沈汚泥を取得する汚泥取得手段である。最初沈殿槽11は、取得した下水に含まれている有機物と無機物のうち、比重が水よりも大きい物質を汚泥として沈殿させ、沈殿した汚泥と上澄み液とを分離するための処理槽である。最初沈殿槽11において沈殿した汚泥は、可溶化槽14へと送られる。最初沈殿槽11における上澄み液は、残留する有機物を除去するために、エアレーションタンク12へと送られる。
エアレーションタンク12は、好気性微生物により、最初沈殿槽11から送り込まれた汚水に含まれる有機物を分解するためのタンクである。好気性微生物は、水中の溶存酸素を取り込みながら汚水に含まれる有機物を分解する菌等である。エアレーションタンク12には酸素が供給され、好気性微生物が汚水中に溶け込んでいる有機物を餌として消費す
る。その結果、エアレーションタンク12においては、有機物を細胞内に取り込んで増殖した好気性微生物と、好気消化されなかった有機物から主に構成される汚泥が生成される。エアレーションタンク12において生成された汚泥は、最終沈殿槽13へと送られる。
最終沈殿槽13は、エアレーションタンク12から送り込まれた汚水に含まれている汚泥を沈殿させるための処理槽である。上澄み液は、滅菌された後に放流水として外部に放出される。沈殿した汚泥は、可溶化槽14へと送られる。
可溶化槽14は、最初沈殿槽11及び最終沈殿槽13から送り込まれた汚泥を可溶化して可溶化汚泥を生成するための処理槽であり、揮発性ガス除去槽15と連動して揮発性ガス除去手段として機能する。最初沈殿槽11及び最終沈殿槽13から送り込まれた汚泥には、窒素及び硫黄を含む有機物が含まれている。可溶化槽14においては、送り込まれた汚泥にアルカリ性物質を投入して混合した後に加熱して汚泥をアルカリ加水分解することにより、汚泥が水に溶解した状態の可溶化汚泥を生成する可溶化工程が実行される。可溶化槽14においては、有機物と、有機物を細胞内に取り込んだ汚泥菌等を含む汚泥がアルカリ加水分解されて可溶化汚泥となる。
具体的には、可溶化槽14においては、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)のようなアルカリ性物質を投入することにより、汚泥のpHを10〜14のアルカリ性に調整する。次に、アルカリ性に調整された汚泥を、100℃以上350℃以下の範囲内の温度で飽和水蒸気圧以上の高い圧力を加えた状態で加熱することにより、汚泥をアルカリ加水分解する。加熱時間は、例えば10秒以上3時間以下である。
例えば、ヒーターを用いて可溶化槽14内の温度を200℃にすることで、可溶化槽14の内部が亜臨界の状態になり、汚泥菌及びその他の有機物等を含む汚泥がアルカリ加水分解される。その結果、汚泥は、水に溶解した状態の可溶化汚泥になる。
可溶化槽14において可溶化汚泥を生成することは、後述の嫌気性発酵槽17において凝集化された嫌気性微生物が用いられる場合に好適である。可溶化槽14において生成されたアルカリ性の可溶化汚泥は、揮発性ガス除去槽15に送られる。
揮発性ガス除去槽15は、可溶化槽14から送り込まれた高温、高圧、アルカリ性の可溶化汚泥をフラッシュすることにより、可溶化汚泥に含まれている窒素及び硫黄を除去するためのフラッシュタンクである。揮発性ガス除去槽15の内圧を可溶化槽14の内圧よりも低くすることで、可溶化槽14から揮発性ガス除去槽15に送り込まれた可溶化汚泥は霧状にフラッシュされる。その結果、可溶化汚泥に含まれている窒素により生成されたアンモニア成分とアルカリ性の成分とが分離し、アンモニアは気化する。
気化したアンモニアを収集して外部に取り出すことにより、可溶化汚泥に含まれていた窒素が除去される。また、高温下で空気と接触した硫黄は二酸化硫黄の気体として揮発性ガス除去槽15で気化する。一部の硫黄は、硫化水素として揮発性ガス除去槽15で気化する。これらの揮発性硫化物を収集して取り出すことにより、可溶化汚泥に含まれていた硫黄が除去される。窒素及び硫黄が除去された後の有機物を含む可溶化汚泥は、硫化物除去槽16へと送られる。
硫化物除去槽16は、揮発性ガス除去槽で除去されなかった可溶化汚泥に含まれる硫黄を除去するためのタンクであり、硫化物除去手段として機能する。硫化物除去槽16に遷移元素化合物を投入して可溶化汚泥と混合することにより、硫黄化合物が生成される。遷移元素化合物は、例えば、塩化第一鉄(FeCL)である。塩化第一鉄が投入された場合には、硫化鉄(FeS)が生成され、生成された硫化鉄は硫化物除去槽16において沈殿する。沈殿した硫化鉄を除去することにより、可溶化汚泥に含まれていた硫黄が除去される。硫黄が除去された後の有機物を含む可溶化汚泥、すなわち分離後汚泥可溶化液は、嫌気性発酵槽17へと送られる。
なお、硫化物除去槽16は、遠心分離手段等の固液分離手段を有してもよい。固液分離手段は、揮発性ガス除去槽15から導入された可溶化汚泥を約2500Gで遠心分離することにより、硫黄化合物を除去してもよい。硫化物除去槽16において遠心分離して硫黄化合物を除去することで、遠心分離前は数千〜数万mg/Lの濃度であった固形成分を500mg/L以下(例えば100mg/L)程度に低減することができる。このように、固液分離手段により可溶化汚泥中の固形分の濃度を低減することで、後述するように、嫌気性発酵槽17において、凝集化した嫌気性微生物を用いることが可能になる。
固液分離手段により生成された分離後可溶化汚泥液は、50℃以上の温度に維持されていることが好ましい。例えば、分離後汚泥の温度は50℃以上100℃以下である。分離後可溶化汚泥液の温度が50℃以上に維持されていることにより、外部から加熱することなく、嫌気性発酵槽17の内部温度を嫌気性微生物に適した温度に維持することができる。
嫌気性発酵槽17は、嫌気性微生物による嫌気処理を行うことで、可溶化汚泥を発酵させ、メタンガスを生成するための処理槽である。ここで、嫌気性微生物とは、酸素がない環境において有機物を代謝分解して消化する菌である。
嫌気性発酵槽17は、例えば凝集化した嫌気性微生物に可溶化汚泥を消化させる高速嫌気性発酵法を用いるEGSB(Expanded Granular Sludge Bed)型発酵槽又はUASB(Up-flow Anaerobic Sludge Bed)型発酵槽又は嫌気性固定床式発酵槽又は嫌気性流動床式発酵槽等であり、凝集化した嫌気性微生物が、送り込まれた可溶化汚泥内の有機物を分解して消化する。EGSB又はUASB法における凝集化した嫌気性微生物は、嫌気性微生物が自己造粒して毛玉状になったもの(グラニュール菌)であり、直径が3mm以上8mm以下程度の大きさである。
嫌気性発酵槽17におけるグラニュール化した嫌気性微生物の濃度は例えば30万mg/Lであり、凝集化していない嫌気性微生物が用いられる従来の嫌気性発酵槽における嫌気性微生物の濃度(例えば2万mg/L)に比べて高濃度となっている。また、嫌気性固定床法とは、嫌気性微生物の棲家となる担体が発酵槽内に固定されている方式であり、嫌気性流動床法とは、嫌気性微生物の棲家となる担体が発酵槽内に固定されていない方式である。いずれの方式においても嫌気性微生物が担体に高濃度に付着して凝集化するので、嫌気性発酵の効率を高めることができる。
嫌気性発酵槽17には、可溶化槽14において可溶化した汚泥が導入され、固形汚泥の濃度が、例えば2mg/L程度と低くなっている。このように、嫌気性発酵槽17に固形汚泥がほとんど導入されないことで、嫌気性微生物が凝集化した状態を維持することができ、嫌気性微生物が高速に可溶化汚泥を分解することができる。
許容濃度を超える固形分が嫌気性発酵槽17に流入すると、例えばグラニュール菌を用いるEGSB法やUASB法では流入した固形分によりグラニュール菌が破壊されて非凝集状態になり嫌気性発酵槽内に浮遊する。このような場合、これらの浮遊する菌を固液分離することは不可能であるので、浮遊する菌が処理水とともに嫌気性発酵槽外に流出してしまい、有機物処理システム1は機能しなくなる。本実施形態に係る有機物処理システム1においては、可溶化槽14において汚泥が可溶化されるので、許容濃度を超える固形分が嫌気性発酵槽17に流入することを抑制でき、有機物処理システム1を継続的に機能させることができる。
EGSB法及びUASB法では固形分の許容流入濃度は数百mg/L以下と言われている。また、嫌気性固定床法及び嫌気性流動床法では、担体に微生物が高濃度に付着して凝集化することにより高速処理と固液分離を容易にしている。しかしながら、固形分が許容範囲を越えて嫌気性発酵槽内に流入すると、担体に固形分が付着して担体が微生物を付着させる能力が低下する。この状態が長く継続されると担体に付着する微生物量が著しく減少して嫌気処理システムは機能を失う。従って、嫌気性固定床法及び嫌気性流動床法においても許容範囲を超えた固形分を嫌気性発酵槽内に流入させてはならない。
従来法では汚泥を嫌気性発酵槽に導入して汚泥の一部を消化により減少させる浮遊菌式の嫌気性発酵槽で汚泥の消化が行われている。従来法で嫌気性発酵槽に導入される汚泥は3万mg/L程度の固形分を含んでいるため、EGSB法、UASB法、嫌気性固定性法及び嫌気性流動床等の高速処理による小型の嫌気性発酵槽を用いることはできない。これに対して、本実施形態に係る有機物処理システム1においては、可溶化槽14において汚泥が可溶化され、許容濃度を超える固形分が嫌気性発酵槽17に流入することを抑制できるので、従来よりも小型の嫌気性発酵槽17を用いることができる。
嫌気性発酵槽17においては、例えば1日〜10日間程度にわたって嫌気性発酵工程が実行される。嫌気性発酵工程においてメタンガスを含むバイオガスが発生する。嫌気性発酵により処理された嫌気処理水は、エアレーションタンクに返送され再度、好気処理される。嫌気性発酵槽17に送り込まれる可溶化汚泥は、中和処理を行った後に、嫌気性発酵槽17に送り込んでもよい。嫌気性発酵槽17に凝集化した嫌気性微生物が収容されていることにより、従来の嫌気性発酵槽に比べて高速に可溶化汚泥を分解し、さらに処理水と嫌気性発酵槽内の微生物を容易に分離することができるので特別な固液分離装置等を必要としない。
嫌気性発酵槽17に送り込まれた可溶性汚泥には窒素及び硫黄が殆ど含まれないので、嫌気性微生物が活動を弱めたり死滅したりしない。したがって、揮発性ガス除去槽15及び硫化物除去槽16において窒素及び硫黄が除去されていない可溶化汚泥が送り込まれた場合に比べて、多くのメタンガスが発生する。また、発生するバイオガスにはアンモニアや硫化水素が殆ど含まれず、ガス精製の工程が簡略化又は省略できる。
嫌気性発酵槽17において発生するメタンガスの一部(例えば、10%〜20%のメタンガス)は、可溶化槽14に送られて、可溶化槽の熱源として利用される。また、残りのメタンガスは発電機18に送られて、電力に変換される。
従来法で使用される完全混合型消化槽や卵形消化槽等では汚泥が30日間位滞留するため、消化槽の容積が非常に大きくなる。また、一般的に行われている中温菌を用いる方法では消化槽内部の温度を37℃位に維持するが、この時、外部からの加熱のため、発生したバイオガスの2/3位を熱源として使用する。
しかし、汚泥を可溶化した可溶化汚泥液を嫌気性発酵する場合、凝集化した嫌気性微生物が収容された嫌気性発酵槽17の内部温度を、例えば37℃に維持する時、外部からの加熱は不要である。したがって、発生したバイオガスのうち、例えば80%〜90%を外部に供給して発電をすることができる。
有機物処理システム1においては、汚泥を可溶化してから嫌気性発酵槽17に導入するので、嫌気性発酵槽17に流入する汚泥量(本実施形態においては可溶化汚泥液量)が従来法と比較して1/3から1/5と少ない。さらに、嫌気性微生物が凝集化した嫌気性発酵槽17の有機物処理速度は、従来法の完全混合型嫌気性発酵槽の3倍から5倍程度である。その結果、嫌気性発酵槽17の容積は従来法による嫌気性発酵槽の容積の1/10から1/20程度に小型化される。さらに可溶化汚泥液は50℃以上で嫌気性発酵槽17に流入することから、嫌気性発酵槽17の内部の温度を例えば37℃に維持する時、外部から加熱が不要である。
[変形例1]
上記の説明においては、揮発性ガス除去槽15において、可溶化汚泥からアンモニアを取り出すことにより窒素を除去する例について説明したが、他の方法によりアンモニアを取り出してもよい。例えば、最初沈殿槽11及び最終沈殿槽13において生成された汚泥にアルカリ性溶液を加えることで発生するアンモニアを取り出すことにより、窒素を除去してもよい。また、可溶化槽14において汚泥とアルカリ性物質とを撹拌することにより発生するアンモニアを取り出してもよい。
[変形例2]
上記の説明においては、揮発性ガス除去槽15においてアンモニアを除去することにより窒素を除去した後に硫化物除去槽16において硫黄化合物を除去することにより硫黄を除去する例について説明したが、窒素及び硫黄を除去する順序はこれに限らず、硫黄を先に除去してもよい。この場合、可溶化槽14で生成された可溶化汚泥に塩化第一鉄が投入することで生成される硫化鉄を取り出すことにより硫黄を除去する。その後、硫黄が除去された可溶化汚泥を撹拌してアンモニアを取り出すことにより窒素を除去することができる。
[変形例3]
上記の説明においては、最初沈殿槽11及び最終沈殿槽13において沈殿した汚泥を、そのまま可溶化槽14に導入したが、有機物処理システム1は、最初沈殿槽11及び最終沈殿槽13と可溶化槽14との間に、最初沈殿槽11及び最終沈殿槽13において沈殿した汚泥を脱水する脱水手段をさらに有してもよい。有機物処理システム1が脱水手段を有することにより、汚泥の容量を減少させることができるので、嫌気性発酵槽17をさらに小型化することが可能になる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、可溶化槽14にアルカリを投入し、遷移元素化合物である塩化第一鉄を硫化物除去槽16に投入したが、アルカリ性物質及び遷移元素化合物を投入するタイミングは、これに限らない。第2の実施形態においては、他の槽においてもアルカリ性物質及び遷移元素化合物を投入する点で、第1の実施形態と異なる。
図2は、第2の実施形態の有機物処理システム2の構成例を示す図である。有機物処理システム2は、最初沈殿槽21と、エアレーションタンク22と、最終沈殿槽23と、アルカリ混合槽24と、可溶化槽25と、揮発性ガス除去槽26と、硫化物除去槽27と、嫌気性発酵槽28と、を有する。最初沈殿槽21、エアレーションタンク22及び最終沈殿槽23は、下水処理場の排水処理システムに設けられている。アルカリ混合槽24及び可溶化槽25は、第1の実施形態における可溶化槽14に対応し、揮発性ガス除去槽26は、第1の実施形態における揮発性ガス除去槽15に対応する。硫化物除去槽27は、第1の実施形態における硫化物除去槽16に対応する。
アルカリ混合槽24、可溶化槽25及び揮発性ガス除去槽26の少なくともいずれかに、アルカリ性物質及び遷移元素化合物が投入され、アンモニア及び揮発性硫黄化合物が生成される。アルカリ性物質及び遷移元素化合物が投入される槽は、混合手段として機能する。
以下、図2を参照しながら、第2の実施形態に係る有機物処理方法について説明する。
最初沈殿槽21で沈殿する初沈汚泥、及び最終沈殿槽23で沈殿する終沈汚泥を、生ごみや動物の糞尿等とともに、第1有機物としてアルカリ混合槽24に導入する。アルカリ混合槽24に第1有機物を導入した後にアルカリ性物質及び遷移元素化合物と撹拌すると、金属の硫化物が沈殿し、揮発性ガスが発生する。
続いて、アルカリ混合槽24において発生した金属の硫化物及び揮発性ガスを除去した後の第2有機物を、可溶化槽25に導入する。可溶化槽25にアルカリ性物質及び遷移元素化合物を投入して、可溶化槽25の内部を例えば200℃にした状態で撹拌すると、金属の硫化物及び揮発性ガスが発生する。
続いて、可溶化槽25において発生した金属の硫化物及び揮発性ガスを除去した後の第3有機物(可溶化有機物)を、揮発性ガス除去槽26に導入する。揮発性ガス除去槽26にアルカリ性物質及び遷移元素化合物を投入してからフラッシュを行うことで揮発性ガスが発生する。
続いて、揮発性ガス除去槽26において発生した金属の硫化物及び揮発性ガスを除去した後の第4有機物(可溶化有機物)を、硫化物除去槽27に導入する。硫化物除去槽27に遷移元素化合物を投入して第4有機物を撹拌することにより、金属の硫化物が発生する。
続いて、硫化物除去槽27において発生した金属の硫化物を除去した後の第5有機物(可溶化有機物)を、嫌気性発酵槽28に導入する。嫌気性発酵槽28においては、第5有機物が発酵する過程でバイオガスが発生する。残留水は、処理水としてエアレーションタンクに返送されか又は外部に放出される。第5有機物は、酸により中和処理を行ってから嫌気性発酵槽28に導入してもよい。
[実施例]
本実施形態の有機物処理システム2を用いて、下水道汚泥を処理した。サンプル脱水汚泥の含水率は80%であったが、含水率0%の乾燥汚泥に換算すると、乾燥汚泥1kg(約1L)あたり、図3に示す量の窒素及び硫黄が存在した。すなわち、総窒素は64,500(mg/kg)であり、アンモニア態窒素は21,700(mg/kg)であり、総硫黄は、12,800mg/kg)であった。
図4は、フラッシュ後の可溶化汚泥中の窒素及び硫黄の量を示す表である。乾燥汚泥1kgが可溶化汚泥7.5kg(約7.5L)になり、その中に含まれる総窒素は647(mg/L)、アンモニア総窒素は172(mg/L)、総硫黄は3(mg/L)、溶解性硫黄は2(mg/L)であった。これらの数値は、元の乾燥汚泥に換算すると、それぞれ4,853(mg/kg)、1,290(mg/kg)、23(mg/kg)、15(mg/L)である。元汚泥に対する除去率は、総窒素が92.5%、アンモニア態窒素が94.1%、総硫黄が99.8%であり、ほとんどの窒素及び硫黄を除去できたことがわかる。
図5は、フラッシュ後の可溶化液に5(mg/L)の塩化第一鉄を添加する前後の総硫黄及び溶解性硫黄の量の変化を示す表である。図5に示すように、塩化第一鉄を添加することにより、総硫黄は、3(mg/L)から1(mg/L)に減少し、溶解性硫黄は、2(mg/L)から0(mg/L)に減少していることがわかる。
図6は、アンモニアを除去できる場所を示す表である。アルカリ性物質を第1有機物に混合する場合、アンモニアは、アルカリ混合槽24、可溶化槽25、及び揮発性ガス除去槽26において除去できた。アルカリ性物質を第2有機物に混合する場合、アンモニアは、可溶化槽25及び揮発性ガス除去槽26において除去できた。
なお、アルカリ性物質を揮発性ガス除去槽26で追加してもよい。また、有機物は、可溶化槽25でアルカリ加水分解が行われるので、少なくとも可溶化槽25にはアルカリ性物質が添加されていることが必要である。また、揮発性ガス除去槽26は、フラッシュタンクでもよい。または、100℃以下の液体を撹拌して除去してもよい。
図7は、硫化水素及び二酸化硫黄が除去される場所を示す表である。遷移元素を第1有機物に混合すると、アルカリ混合槽24では、一部の揮発性硫黄化合物が除去され、可溶化槽25、揮発性ガス除去槽26及び硫化物除去槽27においても除去される。
遷移元素を第2有機物に混合すると、可溶化槽25、揮発性ガス除去槽26及び硫化物除去槽27において揮発性硫黄化合物が除去される。また、遷移元素を第3有機物に混合すると、揮発性ガス除去槽26及び硫化物除去槽27において揮発性硫黄化合物が除去される。また、遷移元素を第4有機物に混合すると、揮発性ガス除去槽26及び硫化物除去槽27において揮発性硫黄化合物が除去される。
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る有機物処理システム1又は有機物処理システム2において有機物処理方法を実施することにより、EGSB型発酵槽、UASB型発酵槽、嫌気性固定床式発酵槽又は嫌気性流動床式発酵槽を用いて、凝集化した嫌気性微生物により下水汚泥を分解するための嫌気性発酵工程を実施することができる。したがって、従来の嫌気性発酵槽に比べて嫌気性発酵槽17を小型化することができる。
また、小型化した嫌気性発酵槽で可溶化汚泥を消化する時、内部の温度を維持するために、発生したバイオガスの熱源により加熱する必要がないので、大量のバイオガスを外部に供給することが可能となる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1・・・有機物処理システム
11・・・最初沈殿槽
12・・・エアレーションタンク
13・・・最終沈殿槽
14・・・可溶化槽
15・・・揮発性ガス除去槽
16・・・硫化物除去槽
17・・・嫌気性発酵槽
18・・・発電機
21・・・最初沈殿槽
22・・・エアレーションタンク
23・・・最終沈殿槽
24・・・アルカリ混合槽
25・・・可溶化槽
26・・・揮発性ガス除去槽
27・・・硫化物除去槽
28・・・嫌気性発酵槽

Claims (7)

  1. 汚泥を取得する汚泥取得手段と、
    前記汚泥取得手段が取得した前記汚泥を可溶化して可溶化汚泥を生成する可溶化手段と、
    凝集化した嫌気性微生物に前記可溶化汚泥を消化させる嫌気性発酵手段と、
    を有する有機物処理システム。
  2. 前記可溶化手段が前記汚泥を可溶化する前に、前記汚泥取得手段が取得した前記汚泥を
    脱水する脱水手段をさらに有する、
    請求項1に記載の有機物処理システム。
  3. 前記可溶化汚泥を固液分離する固液分離手段をさらに有し、
    前記嫌気性発酵手段は、前記固液分離手段により固形物が除去された後の分離後汚泥可
    溶化液を前記嫌気性微生物に消化させる、
    請求項1又は2に記載の有機物処理システム。
  4. 前記固液分離手段は、50℃以上の温度の前記分離後汚泥可溶化液を生成する、
    請求項3に記載の有機物処理システム。
  5. 前記固液分離手段は、固形物濃度が500mg/L以下の前記分離後汚泥可溶化液を生成する、
    請求項3又は4に記載の有機物処理システム。
  6. 汚泥を取得する工程と、
    取得した前記汚泥を可溶化して可溶化汚泥を生成する工程と、
    凝集化した嫌気性微生物に前記可溶化汚泥を消化させる工程と、
    を有する有機物処理方法。
  7. 前記可溶化汚泥を生成する工程と、前記可溶化汚泥を消化させる工程との間に、前記可溶化汚泥を生成する工程において生成した前記可溶化汚泥を固液分離させる工程をさらに有する、
    請求項6に記載の有機物処理方法。
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