JP2005324173A - 汚泥の処理方法および汚泥処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 効率のよい汚泥の処理方法を提供すること。
【解決手段】 汚泥の処理方法において、水素発酵工程を導入する。この方法に用いる装置は、汚泥を前処理する汚泥前処理槽、該前処理された汚泥を水素発酵する水素発酵槽、該水素発酵後の水素発酵残渣を分離する固液分離機、および固液分離して得られる脱水汚泥を乾燥および/または焼却する乾燥・焼却装置、を備える。さらに、スカムを前処理するスカム前処理槽を備え、該前処理されたスカムが、前記汚泥前処理槽または水素発酵槽に導入されるように構成されてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、汚泥の処理方法ならびに汚泥処理装置に関する。
一般に、下水あるいは排水などの有機性廃棄物は、汚泥を含む曝気槽に導入され、有機物が好気的に処理される。処理後の汚泥(活性汚泥)は、沈殿槽に導入され、次いで、沈澱汚泥は、再び有機性廃棄物の処理に使用される返送汚泥と、廃棄される余剰汚泥とに分離される。一般に、余剰汚泥は、脱水処理されるか、脱水後焼却処理されるか、メタン発酵などの嫌気的処理によりメタンガスを回収したのち、焼却される場合が多く、その後最終処分場に埋め立てられる。あるいは、好気的に処理されて、コンポスト化し、肥料として利用される。
この汚泥処理に関して、種々の研究がなされている。例えば、特許文献1には、汚泥を嫌気的に消化(メタン発酵)し、発酵ガスの圧力と容器内の圧力との圧力差を利用して汚泥を浮上分離させる方法が記載されている。また、特許文献2には、余剰汚泥からスカムを分離して、濃縮汚泥を効率よく回収するシステムが記載されている。特許文献3には有機汚泥を小塊とした後、高温で発酵させ、発酵終了と同時に有機汚泥を乾燥させて汚泥を好気的に消化する方法(コンポスト化方法)が記載されている。また、特許文献4には、汚泥処理により発生する余剰汚泥およびし渣について、水分調整してコンポスト化した余剰汚泥と炭化したし渣を混合して蒸気で加熱することによる、焼却工程を含まない汚泥の処理方法が記載されている。
また、水処理工程においては、活性汚泥の沈澱槽あるいは濃縮汚泥槽において固形分あるいは油脂類が浮上し、いわゆるスカムが発生する。このスカムの処理もまた、水処理の一つの問題点である。一般には沈殿槽や濃縮汚泥槽には発生したスカムの回収装置が備えられているが、さらに、スカムの発生防止のために、沈殿槽の水面部に吸引器を設けること(特許文献5)、およびこのように回収されたスカムを脱水袋に回収し、焼却あるいは埋立処理すること(特許文献6)が検討されている。特許文献7には、石鹸を主成分とする油分処理剤で汚泥中の油脂類をスカム化して、油脂類を分離する方法が記載されている。
ところで、下水汚泥の固形分に占める有機物の割合は、汚泥の種類にもよるが、50〜60%、場合によっては55〜75%であり、年々増加する傾向にある。2001年度の汚泥処理において、汚泥の約8割が最終的に焼却処理されている。汚泥の埋立などの処分場の拡大は容易でないため、焼却処理は、現時点では、汚泥処理における重要な処理方法である。この焼却処理においては、汚泥の焼却による発熱がエネルギーとして回収されるが、有機物の有効利用という点からは、焼却熱以外の利用も必要となる。
このような汚泥処理における根本的な問題点を考慮すると、従来技術は、いずれも、汚泥処理工程あるいは汚泥の利用法の改良を目的とするものにすぎず、根本的な解決を図るものではない。
特開平10−156399号公報 特開平10−216770号公報 特開平6−199586号公報 特開2000−197898号公報 特開2000−246240号公報 特開平7−204640号公報 特開2001−340846号公報
本発明は、従来の汚泥処理工程を改良することを目的とする。
本発明は、汚泥を水素発酵させる工程;および水素発酵残渣を分離する工程を含む、汚泥の処理方法を提供する。
好ましい実施態様においては、本発明の方法は、さらに、水素発酵前に、汚泥を前処理する工程を含む。
さらに好ましい実施態様においては、前記汚泥と共にスカムが水素発酵の基質とされる。
さらに別の本発明は、汚泥を前処理する汚泥前処理槽、該前処理された汚泥を水素発酵させる水素発酵槽、該水素発酵後の水素発酵残渣を分離する固液分離機、および固液分離して得られる脱水汚泥を乾燥および/または焼却する乾燥装置および/または焼却装置を備えている、汚泥の処理装置を提供する。
好ましい実施態様においては、さらにスカムを前処理するスカム前処理槽を備え、該前処理されたスカムが、前記汚泥前処理槽または水素発酵槽に導入される。
別の好ましい実施態様においては、さらに、脱窒装置を備え、前記固液分離後の分離液が該脱窒装置に供給されるか、活性汚泥槽に返送されるように構成されている。
本発明の方法および装置を用いることにより、従来焼却していた汚泥から水素ガスを回収でき、さらに焼却熱も従来の汚泥の脱水ケーキと比べて大きく低下しないので、充分に利用できる。水素発酵により生じる有機酸を含む分離液は、脱窒工程における脱窒菌の炭素源として利用できるので、従来、排水処理のために添加していたBOD源の使用量を減少させることができる。さらに、分離液を活性汚泥槽に返送することにより、リンを水中から汚泥側に濃縮させることができ、排水中のリン除去にも利用できる。このように、本発明によれば、エネルギーの回収および汚泥処理の効率化が図れる。
本発明に用いられる、好ましい装置の構成を図1に示す。この装置は、汚泥1を前処理するための汚泥前処理槽2、前処理された汚泥21を受け入れ、水素発酵を行う水素発酵槽3、水素発酵残渣31を脱水ケーキ41と分離水42とに分離する固液分離機4、脱水ケーキ41を乾燥・焼却する、乾燥・焼却装置5から構成されている。水素発酵装置3には、生じたバイオガス32(水素と二酸化炭素との混合ガス)を回収するバイオガス回収装置8が設けられている。さらに、スカム6を前処理するスカム前処理槽7が備えられ、前処理されたスカム71が、汚泥前処理槽2または水素発酵槽3に導入されるように構成されている。さらに、分離水42は、排水処理工程の一つである硝化−脱窒工程の脱窒槽9および/または活性汚泥槽10に供給されるように構成されてもよい。
以下、図1を参照しながら、本発明の方法について、説明する。
(汚泥およびその前処理)
本発明に用いられる汚泥1には、特に制限はない。最初沈澱池汚泥、最終沈澱池汚泥、およびこれらの汚泥を重力濃縮あるいは機械濃縮した濃縮汚泥が用いられる。汚泥の種類としては、最初沈澱池汚泥単独、または最終沈澱池汚泥との混合汚泥が、水素発生量が大きくなるため、好ましく用いられる。
汚泥、特に濃縮汚泥は、前処理をすることが好ましい。図1に示すように汚泥1は、汚泥前処理槽2に送られ、前処理される。前処理としては、例えば、加熱処理、超音波処理、オゾン処理、ボールミルによる破砕処理、凍結融解処理などの物理的処理、並びに酸処理、アルカリ処理などを汚泥に施すことが含まれる。
前処理は、これらの処理を単独であるいは組合せて行うことができる。酸処理には、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸が好ましく用いられる。酸処理は、pH5以下で、好ましくはpH2〜3で行われる。アルカリ処理は、苛性ソーダ、水酸化カルシウムなどを用いて行われる。アルカリ処理はpH10以上で行われることが好ましく、pH11〜12で行われることがより好ましい。
加熱処理は、酸処理およびアルカリ処理の効率を高めること、および水素発酵を阻害する微生物を殺菌ないし不活性化することを主な目的として、行われる。加熱温度に特に制限はないが、60℃以上が好ましく、70℃以上がさらに好ましい。あまり高くなるとコストがかかり、さらに水素発酵細菌が死滅するので、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。70〜80℃が好ましい。
これらの前処理により、汚泥を均一に分散させ、さらに、メタン生成微生物、乳酸発酵菌などの、水素発酵を阻害する微生物を殺菌ないし不活性化することができる。そして、必要に応じて、水素発酵に適した汚泥濃度(例えば2〜10質量%)、pH(例えば、5〜7)などの環境となるように、調整してもよい。前処理された汚泥21は水素発酵槽3に導入される。
(スカムおよびその前処理)
スカム前処理槽7には、スカム6が導入されて、前処理される。スカム6は、活性汚泥の沈澱槽あるいは濃縮汚泥槽における固形の浮遊物であり、油脂類を含む場合もある。しかし、スカム6をこのまま水素発酵槽3に投入すると水素発酵に悪影響を与えるおそれがある。そこで、スカム前処理槽7を設け、スカム6を前処理する。スカム6の前処理としては、加熱処理、エマルジョン化、酸処理、アルカリ処理、超音波処理、凍結融解処理などが挙げられる。
前処理は、上記のように、これらの処理を単独であるいは組合せて行うことができる。前処理されたスカム71は、汚泥前処理槽2または水素発酵槽3に導入されるが、好ましくは、いったん汚泥前処理槽2に導入され、汚泥と混合して、水素発酵に供される。
(水素発酵)
前処理された汚泥21、あるいは前処理されたスカム71を含む前処理された汚泥21は、水素発酵槽3に導入され、水素発酵される。なお、水素発酵槽3は、完全混合型の槽とすることが好ましい。水素発酵に用いる汚泥の濃度としては、固形分濃度が3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。濃度が高いと、水素発酵処理に時間を要することから、10質量%以下であることが好ましい。
水素発酵は、水素発酵槽3内のpHを4〜7の任意の範囲に調整し、用いる微生物の最適な条件(一般的には、20〜50℃、好ましくは30〜37℃)で行われる。また、水素生成微生物の増殖に伴って、有機酸が生産されてpHが低下するので、pHの調整を随時行うことが好ましい。pHは、4.5〜6が好ましい。加熱処理した汚泥を水素発酵に用いる場合、メタン生成菌が完全に失活していないと、pH6付近ではメタンが生成する可能性があるため、pHは5.5以下であることが好ましい。
水素生成能を有する微生物としては、単離された既知の水素生成能を有する微生物、あるいは、有機物(例えば、有機性廃棄物、汚泥)中に生息し、水素生成能を有する微生物(混合微生物、微生物フローラ)が用いられる。
汚泥からの水素生成微生物の調製は、汚泥を高温処理し、メタン生成微生物などを死滅させることによって、行われる。汚泥は、例えば、70〜100℃で、15分から30分間処理される。好ましくは80℃前後で、約30分間処理される。このような高温処理で、汚泥中のメタン生成菌を死滅させ、水素生成微生物を得ることができる。上記条件下で処理した汚泥を水素発酵条件下で集積培養して、水素発酵微生物を集積して用いてもよい。水素生成能を有する微生物は、浮遊状態でもよく、固定床などに固定されていてもよい。
なお、水素生成微生物としては、シトロバクター(Citrobactor)属、エンテロバクター(Enterobactor)属、クロストリジウム(Clostridium)属、クレブシエラ(Klebsiera)属などに属する微生物などが知られており、これらの微生物を用いてもよいが、これらに限定されない。これらの水素生成微生物は、有機物の種類(成分)に応じて、適宜選択することができ、組合せて使用してもよい。
水素発酵槽3は、水素分圧を低下させることによって水素を効率的に生成させる目的で、減圧下で稼動するように構成されていてもよい。
水素は、バイオガス回収装置8を用いて回収される。生成するバイオガス32は主に水素と二酸化炭素との混合ガスであり、稀に硫化水素、メタンガスを含むことがあるので、ガス分離膜、二酸化炭素捕捉装置(図示せず。例えば、水酸化ナトリウム水溶液へのバブリング装置)などのガス精製関係装置を備え、水素のみが回収されるように構成してもよい。得られた水素ガスは、水素ガスとして、あるいは、燃料電池、都市ガス混合用ガスなどとして、エネルギー用途に使用される。
(固液分離機)
水素発酵残渣31は、固液分離機4で分離される。固液分離機4としては、遠心脱水機、スクリュープレス脱水機、ペレットプレス脱水機などが挙げられる。
(乾燥・焼却装置)
水素発酵残渣31の固液分離により得られた固形分である脱水ケーキ41は、乾燥および/または焼却する、乾燥および/または焼却装置5に導入される。乾燥装置および焼却装置は、別々に設けてもよい。乾燥された脱水ケーキは焼却され、その焼却エネルギーが利用されるか、あるいはコンポスト化して、肥料として利用される。脱水ケーキを乾燥させずに焼却することも可能である。焼却時には、エネルギーが発生する。このエネルギーは、前処理の条件および水素生成量などによって変化するが、水素発酵を行わない汚泥の発生エネルギーと比べて大きく低下することはなく、水素および熱エネルギーの両方が利用できる。
水素発酵残渣31の固液分離により得られた分離液42は、有機酸を含んでいるため、微生物による排水の脱窒工程における脱窒菌の炭素源として、脱窒槽9に供給される。あるいは、分離液にリンが多い場合は、分離液を直接活性汚泥槽に戻すことにより、リンを分離液から汚泥側に濃縮させることができ、排水中のリン除去にも利用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は、この実施例に制限されるものではない。
(実施例)
(水素発酵用微生物)
水素発酵に用いる微生物として、下水処理場から汚泥を入手し、80℃で30分間熱処理(撹拌)した。これを種汚泥として用いた。
(使用した汚泥)
下水処理場で重力濃縮された最初沈澱池汚泥と最終沈澱池汚泥との混合汚泥(固形分濃度15000mg/L)を用いた。
(前処理)
以下の(1)〜(5)の条件で前処理を行い、それぞれ前処理汚泥(1)〜(5)を調製した。
(1)熱処理(80℃、30分間撹拌)
(2)アルカリ+熱処理(5N NaOHでpH12に調整後、80℃、30分間撹拌)
(3)酸+熱処理(6N HClでpH2に調整後、80℃、30分間撹拌)
(4)アルカリ処理(5N NaOHでpH12に調整後、30分間室温で撹拌)
(5)酸処理(6N HClでpH2に調整後、30分間室温で撹拌)
各処理後、pHを5.2に調整した。
(水素発酵)
図2に示すバイアル瓶ガス量測定装置を用いて、発生するガスを捕集し、そのガス中の水素ガス量、二酸化炭素ガス量およびメタンガス量を測定した。すなわち、種汚泥50mlおよび上記前処理汚泥(1)〜(5)の各50mlを120ml容のバイアル瓶に投入後、気相を窒素ガスで置換し、嫌気状態とした。35℃で7日間、80rpmの振盪培養を行い、発生ガス量をガラスシリンジのガス平衡により測定した。各ガスの濃度はTCDガスクロマトグラフで測定した。
結果を図3に示す。図3における前処理の(1)〜(5)は、それぞれ、上記の前処理に相当する。図3の各ガス量は、種汚泥のみを培養したときの値を差し引いた値を示している。(4)のアルカリ処理を除き、水素ガスの発生が確認された。特に、(2)のアルカリ+熱処理では、9ml-H/g有機物の水素発生が見られた。他方、(4)のアルカリ処理単独では水素の発生が認められず、メタンが発生し、(5)の酸処理単独の場合でも、水素の発生は認められたが、メタンの発生も認められた。(1)〜(3)の加熱処理を含む処理では、メタンは発生しなかった。これらのことから、汚泥を予め加熱処理することによって、処理すべき汚泥中に含まれるメタン生成菌を不活性化できることがわかり、炭水化物をアルカリまたは酸処理することにより、水素発酵が行うことができた。この結果から、活性汚泥に適切な前処理を施すことにより、活性汚泥は水素発酵の基質となり得ることが明らかになった。
また、水素発酵前、および各前処理−水素発酵後の各汚泥の焼却時の発熱量を測定したところ、以下の表1に示す通りであった。
Figure 2005324173
無処理の汚泥の発熱量を100とした場合に、水素発酵によっても発熱量が大きく低下することはなく、約90%程度は発熱量が維持されることがわかった。なお、(4)のアルカリ処理単独では15%ほど発熱量が低下したが、これはメタン発酵の影響によるものと考えられる。
本発明の方法は、汚泥の処理工程として水素発酵工程を導入することにより、水素ガスが回収でき、発熱量も大きく低下しないので、エネルギー利用性に優れている。さらに、分離水も脱窒工程およびリンの低減に使用できるので、排水処理のために新たに添加していたBOD源の使用量が低下できる。このように、本発明の方法および装置は、効率のよいエネルギー回収および汚泥処理システムとして利用される。
本発明の装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施例に用いたガス量測定装置の模式図である。 前処理条件の異なる汚泥のガス発生量を示すグラフである。
符号の説明
1 汚泥
2 汚泥前処理槽
21 前処理された汚泥
3 水素発酵槽
31 水素発酵残渣
32 バイオガス
4 固液分離機
41 脱水ケーキ
42 分離水
5 乾燥・焼却装置
6 スカム
7 スカム前処理槽
71 前処理されたスカム
8 バイオガス回収装置
9 脱窒槽
10 活性汚泥槽

Claims (6)

  1. 汚泥を水素発酵させる工程;および水素発酵残渣を分離する工程を含む、汚泥の処理方法。
  2. さらに、水素発酵前に、汚泥を前処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記汚泥と共にスカムが水素発酵の基質とされる、請求項1に記載の方法。
  4. 汚泥を前処理する汚泥前処理槽、該前処理された汚泥を水素発酵させる水素発酵槽、該水素発酵後の水素発酵残渣を分離する固液分離機、および固液分離して得られる脱水汚泥を乾燥および/または焼却する乾燥装置および/または焼却装置を備える、汚泥の処理装置。
  5. さらにスカムを前処理するスカム前処理槽を備え、該前処理されたスカムが、前記汚泥前処理槽または水素発酵槽に導入される、請求項4に記載の処理装置。
  6. さらに、脱窒装置を備え、前記固液分離後の分離液が該脱窒装置に供給されるか、活性汚泥槽に返送されるように構成された、請求項4または5に記載の装置。
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