JP6649769B2 - 有機物処理システム及び有機物処理方法 - Google Patents

有機物処理システム及び有機物処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、汚泥、糞、生ごみ等の有機物を処理するための有機物処理システム及び有機物処理方法に関する。
微生物を用いて汚泥を処理する方法が知られている。特許文献1には、微生物を用いた嫌気性消化処理によって有機性汚泥を処理することにより、有機性汚泥を処理する方法が開示されている。
特開2015−100764号公報
有機物には、窒素及び硫黄が含まれていることが多い。有機物に窒素が含まれていると、有機物を処理している間にアンモニア(NH)が発生する。嫌気性処理を行う嫌気処理槽にアンモニアを含む液体が投入されると、嫌気性処理を行う微生物の活性が失われ、処理能力が低下してしまう。また、有機物に硫黄が含まれていると、有機物を処理している間に硫化水素(HS)が発生する。嫌気性処理を行う嫌気処理槽に硫化水素を含む液体が投入されると、嫌気性処理を行う微生物の活性が低下し、処理能力が低下してしまう。アンモニアや硫化水素を含む液体の投入量をさらに増加すると、微生物は死滅する。このように、有機物に窒素及び硫黄が含まれている場合、有機物の処理効率が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、有機物の処理効率を向上させるとともに、硫化水素の含有量の少ない良質のバイオガスを獲得することを目的とする。
本発明の第1の態様においては、窒素及び硫黄を含む有機物を、アルカリ性物質及び遷移元素化合物と混合する混合手段と、前記混合手段において前記アルカリ性物質及び前記遷移元素化合物と前記有機物とを混合することで発生した揮発性ガスを除去することで、前記有機物に含まれる窒素を除去する揮発性ガス除去手段と、前記混合手段において前記アルカリ性物質及び前記遷移元素化合物と前記有機物とを混合することで発生した硫黄化合物を除去することで、前記有機物に含まれる硫黄を除去する硫化物除去手段と、窒素及び硫黄が除去された後の有機物を嫌気性微生物に消化させる嫌気消化手段と、を有する有機物処理システムを提供する。
本発明の第2の態様においては、窒素及び硫黄を含む有機物をアルカリ性物質と混合することにより発生した揮発性ガスを除去することで、前記有機物に含まれる窒素を除去する揮発性ガス除去手段と、窒素が除去された後の有機物を遷移元素化合物と混合することにより発生した硫黄化合物を除去することで、前記有機物に含まれる硫黄を除去する硫化物除去手段と、窒素及び硫黄が除去された後の有機物を嫌気性微生物に消化させる嫌気消化手段と、を有する有機物処理システムを提供する。
本発明の第3の態様においては、窒素及び硫黄を含む有機物を遷移元素化合物と混合することにより発生した硫黄化合物を除去するで、前記有機物に含まれる硫黄を除去する硫化物除去手段と、硫黄を除去した後の有機物をアルカリ性物質と混合することにより発生した揮発性ガスを除去することで、前記有機物に含まれる窒素を除去する揮発性ガス除去手段と、窒素及び硫黄が除去された後の有機物を嫌気性微生物に消化させる嫌気消化手段と、を有する有機物処理システムを提供する。
本発明の第4の態様においては、窒素及び硫黄を含む有機物を、アルカリ性物質と混合する混合手段と、前記アルカリ性物質を投入した後に加熱して前記アルカリ性物質と混合された有機物をアルカリ加水分解することにより、前記アルカリ性物質と混合された有機物が水に溶解した状態の可溶化汚泥を生成する可溶化手段と、前記可溶化汚泥をフラッシュすることにより発生する揮発性ガスを除去することで、前記有機物に含まれる窒素及び硫黄を除去する揮発性ガス除去手段と、前記揮発性ガス除去手段において窒素及び硫黄が除去された後の有機物を嫌気性微生物に消化させる嫌気消化手段と、を有する有機物処理システムを提供する。
本発明の第5の態様においては、窒素及び硫黄を含む有機物を、アルカリ性物質及び遷移元素化合物と混合するステップと、前記アルカリ性物質及び前記遷移元素化合物と前記有機物とを混合することで発生した揮発性ガスを除去することで、前記有機物に含まれる窒素を除去するステップと、前記アルカリ性物質及び前記遷移元素化合物と前記有機物とを混合することで発生した硫黄化合物を除去することで、前記有機物に含まれる硫黄を除去するステップと、窒素及び硫黄が除去された後の有機物を嫌気性微生物に消化させるステップと、を有する有機物処理方法を提供する。
本発明の第6の態様においては、窒素及び硫黄を含む有機物をアルカリ性物質と混合することにより発生した揮発性ガスを除去することで、前記有機物に含まれる窒素を除去するステップと、窒素が除去された後の有機物を遷移元素化合物と混合することにより発生した硫黄化合物を除去することで、前記有機物に含まれる硫黄を除去するステップと、硫黄が除去された後の有機物を嫌気性微生物に消化させるステップと、を有する有機物処理方法を提供する。
本発明の第7の態様においては、窒素及び硫黄を含む有機物を、アルカリ性物質と混合するステップと、前記アルカリ性物質を投入した後に加熱して前記アルカリ性物質と混合された有機物をアルカリ加水分解することにより、前記アルカリ性物質と混合された有機物が水に溶解した状態の可溶化汚泥を生成するステップと、前記可溶化汚泥をフラッシュすることにより発生する揮発性ガスを除去することで、前記有機物に含まれる窒素及び硫黄を除去するステップと、窒素及び硫黄が除去された後の有機物を嫌気性微生物に消化させるステップと、を有する有機物処理方法を提供する。
本発明によれば、有機物の処理効率を向上させることができるという効果と硫化水素の含有量が少ない良質なバイオガスを獲得する効果を奏する。
第1の実施形態の有機物処理システム1の構成例を示す図である。 第2の実施形態の有機物処理システム2の構成例を示す図である。 乾燥汚泥1kg(1L)中の窒素及び硫黄の量を示す表である。 可溶化汚泥7.5kg中の窒素及び硫黄の量を示す表である。 フラッシュ後の可溶化液に5(mg/L)の塩化第一鉄を添加する前後の総硫黄及び溶解性硫黄の量の変化を示す表である。 アンモニアが除去される場所を示す表である。 硫化水素及び二酸化硫黄が除去される場所を示す表である。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の有機物処理システム1の構成例を示す図である。以下、有機物処理システム1が下水道管路から取り込んだ汚水を処理する場合を例として、有機物処理システム1の構成及び動作を説明する。汚水には、糞尿を含む各種の有機物が含まれている。有機物処理システム1は、汚水に含まれている有機物を効率的に処理し、従来よりも多くのメタンガスを発生させることができる。
有機物処理システム1は、最初沈殿槽11と、エアレーションタンク12と、最終沈殿槽13と、可溶化槽14と、揮発性ガス除去槽15と、硫化物除去槽16と、嫌気発酵槽17と、発電機18とを有する。以下、各部の構成及び処理の手順について説明する。
最初沈殿槽11は、汚水に含まれている有機物のうち、比重が水よりも大きい物質を沈殿させ、沈殿した汚泥と上澄み液とを分離するための処理槽である。最初沈殿槽11において沈殿した汚泥は、可溶化槽14へと送られる。最初沈殿槽11における上澄み液は、残留する有機物を除去するために、エアレーションタンク12へと送られる。
エアレーションタンク12は、好気性微生物により、最初沈殿槽11から送り込まれた汚水に含まれる有機物を分解するためのタンクである。好気性微生物は、水中の溶存酸素を取り込みながら汚泥に含まれる有機物を分解する菌である。エアレーションタンク12には酸素が供給され、好気性微生物が汚水中に溶け込んでいる有機物を餌として消費する。その結果、エアレーションタンク12においては、有機物を細胞内に取り込んだ好気性微生物と、好気消化されなかった有機物から主に構成される汚泥が生成される。エアレーションタンク12において生成された汚泥は、最終沈殿槽13へと送られる。
最終沈殿槽13は、エアレーションタンク12から送り込まれた汚水に含まれている汚泥を沈殿させるための処理槽である。上澄み液は、滅菌された後に放流水として外部に放出される。沈殿した汚泥は、可溶化槽14へと送られる。
可溶化槽14は、最初沈殿槽11及び最終沈殿槽13から送り込まれた汚泥を可溶化するための処理槽であり、揮発性ガス除去槽15と連動して揮発性ガス除去手段として機能する。最初沈殿槽11及び最終沈殿槽13から送り込まれた汚泥には、窒素及び硫黄を含む有機物が含まれている。可溶化槽14においては、送り込まれた汚泥にアルカリ性物質を投入して混合した後に加熱して汚泥をアルカリ加水分解することにより、汚泥が水に溶解した状態の可溶化汚泥を生成する可溶化工程が実行される。可溶化槽14においては、有機物と、有機物を細胞内に取り込んだ汚泥菌とを含む汚泥がアルカリ加水分解されて可溶化汚泥となる。
具体的には、可溶化槽14においては、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)のようなアルカリ性物質を投入することにより、汚泥のpHを11〜14の強アルカリ性に調整する。次に、アルカリ性に調整された汚泥を、100℃以上350℃以下の範囲内の温度で飽和水蒸気圧以上の高い圧力を加えた状態で加熱することにより、汚泥をアルカリ加水分解する。加熱時間は、例えば10秒以上3時間以下である。
例えば、ヒーターを用いて可溶化槽14内の温度を200℃にすることで、可溶化槽14の内部が亜臨界の状態になり、汚泥菌及びその他の有機物がアルカリ加水分解される。その結果、汚泥は、水に溶解した状態の可溶化汚泥になる。
温度範囲を100℃以上350℃以下にした状態で、飽和水蒸気圧以上の高い圧力を加えることで、気相反応を抑制して液相反応を促進することができるので、分解が困難な物質の生成や油化を抑制することができる。また、飽和水蒸気圧以上の高い圧力を加えることで、水のイオン積の低下を抑制することができるので、より効率的に加水分解を行うことができる。可溶化槽14において生成された強アルカリ性の可溶化汚泥は、揮発性ガス除去槽15に送られる。
揮発性ガス除去槽15は、可溶化槽14から送り込まれた高温、高圧、強アルカリ性の可溶化汚泥をフラッシュすることにより、可溶化汚泥に含まれている窒素及び硫黄を除去するためのフラッシュタンクである。揮発性ガス除去槽15の内圧を可溶化槽14の内圧よりも低くすることで、可溶化槽14から揮発性ガス除去槽15に送り込まれた可溶化汚泥は霧状にフラッシュされる。その結果、可溶化汚泥に含まれている窒素により生成されたアンモニア成分と強アルカリ性の成分とが分離し、アンモニアは気化する。気化したアンモニアを収集して外部に取り出すことにより、可溶化汚泥に含まれていた窒素が除去される。また、高温下で空気と接触した硫黄は二酸化硫黄の気体として揮発性ガス除去槽15で気化する。一部の硫黄は、硫化水素として揮発性ガス除去槽15で気化する。これらの揮発性硫化物を収集して取り出すことにより、可溶化汚泥に含まれていた硫黄が除去される。窒素及び硫黄が除去された後の有機物を含む可溶化汚泥は、硫化物除去槽16へと送られる。
硫化物除去槽16は、揮発性ガス除去槽で除去されなかった可溶化汚泥に含まれる硫黄を除去するためのタンクであり、硫化物除去手段として機能する。硫化物除去槽16に遷移元素化合物を投入して可溶化汚泥と混合することにより、硫黄化合物が生成される。遷移元素化合物は、例えば、塩化第一鉄(FeCL)である。塩化第一鉄が投入された場合には、硫化鉄(FeS)が生成され、生成された硫化鉄は硫化物除去槽16において沈殿する。沈殿した硫化鉄を除去することにより、可溶化汚泥に含まれていた硫黄が除去される。硫黄が除去された後の有機物を含む可溶化汚泥は、嫌気発酵槽17へと送られる。
嫌気発酵槽17は、嫌気性微生物による嫌気処理を行うことで、可溶化汚泥を発酵させ、メタンガスを生成するための処理槽である。ここで、嫌気性微生物とは、酸素がない環境において有機物を代謝分解して消化する菌である。
嫌気発酵槽17は、例えばEGSB(Expanded Granular Sludge Bed)型消化槽であり、嫌気性微生物が、送り込まれた可溶化汚泥内の有機物を分解して消化する。嫌気発酵槽17においては、例えば1日間程度にわたって嫌気発酵工程が実行される。嫌気発酵工程においてメタンガスを含むバイオガスが発生する。嫌気発酵により処理された嫌気処理水は、エアレーションタンクに返送され再度、好気処理される。嫌気発酵槽17に送り込まれる可溶化汚泥は、中和処理を行った後に、嫌気発酵槽17に送り込んでもよい。
嫌気発酵槽17に送り込まれた可溶性汚泥には窒素及び硫黄が含まれないので、嫌気性微生物が活動を弱めたり死滅したりしない。したがって、揮発性ガス除去槽15及び硫化物除去槽16において窒素及び硫黄が除去されていない可溶化汚泥が送り込まれた場合に比べて、多くのメタンガスが発生する。例えば、揮発性ガス除去槽15及び硫化物除去槽16において窒素及び硫黄が除去されていない可溶化汚泥が送り込まれた場合に比べて、約1.5倍のメタンガスが発生する。
嫌気発酵槽17において発生するメタンガスの一部(例えば、10%〜20%のメタンガス)は、可溶化槽14に送られて、可溶化槽の熱源として利用される。また、残りのメタンガスは発電機18に送られて、電力に変換される。
[変形例1]
上記の説明においては、揮発性ガス除去槽15において、可溶化汚泥からアンモニアを取り出すことにより窒素を除去する例について説明したが、他の方法によりアンモニアを取り出してもよい。例えば、最初沈殿槽11及び最終沈殿槽13において生成された汚泥にアルカリ性溶液を加えることで発生するアンモニアを取り出すことにより、窒素を除去してもよい。また、可溶化槽14において汚泥とアルカリ性物質とを撹拌することにより発生するアンモニアを取り出してもよい。
[変形例2]
上記の説明においては、揮発性ガス除去槽15においてアンモニアを除去することにより窒素を除去した後に硫化物除去槽16において硫黄化合物を除去することにより硫黄を除去する例について説明したが、窒素及び硫黄を除去する順序はこれに限らず、硫黄を先に除去してもよい。この場合、可溶化槽14で生成された可溶化汚泥に塩化第一鉄が投入することで生成される硫化鉄を取り出すことにより硫黄を除去する。その後、硫黄が除去された可溶化汚泥を撹拌してアンモニアを取り出すことにより窒素を除去することができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、可溶化槽14にアルカリを投入し、遷移元素化合物である塩化第一鉄を硫化物除去槽16に投入したが、アルカリ性物質及び遷移元素化合物を投入するタイミングは、これに限らない。第2の実施形態においては、他の槽においてもアルカリ性物質及び遷移元素化合物を投入する点で、第1の実施形態と異なる。
図2は、第2の実施形態の有機物処理システム2の構成例を示す図である。有機物処理システム2は、最初沈殿槽21と、エアレーションタンク22と、最終沈殿槽23と、アルカリ混合槽24と、有機物可溶化槽25と、揮発性ガス除去槽26と、硫化物除去槽27と、嫌気発酵槽28と、を有する。最初沈殿槽21、エアレーションタンク22及び最終沈殿槽23は、下水処理場の排水処理システムに設けられている。アルカリ混合槽24及び有機物可溶化槽25は、第1の実施形態における可溶化槽14に対応し、揮発性ガス除去槽26は、第1の実施形態における揮発性ガス除去槽15に対応する。硫化物除去槽27は、第1の実施形態における硫化物除去槽16に対応する。
アルカリ混合槽24、有機物可溶化槽25及び揮発性ガス除去槽26の少なくともいずれかに、アルカリ性物質及び遷移元素化合物が投入され、アンモニア及び揮発性硫黄化合物が生成される。アルカリ性物質及び遷移元素化合物が投入される槽は、混合手段として機能する。
以下、図2を参照しながら、第2の実施形態に係る有機物処理方法について説明する。
最初沈殿槽21で沈殿する初沈汚泥、及び最終沈殿槽23で沈殿する終沈汚泥を、生ごみや動物の糞尿等とともに、第1有機物としてアルカリ混合槽24に導入する。アルカリ混合槽24に第1有機物を導入した後にアルカリ性物質及び遷移元素化合物と撹拌すると、金属の硫化物が沈殿し、揮発性ガスが発生する。
続いて、アルカリ混合槽24において発生した金属の硫化物及び揮発性ガスを除去した後の第2有機物を、有機物可溶化槽25に導入する。有機物可溶化槽25にアルカリ性物質及び遷移元素化合物を投入して、有機物可溶化槽25の内部を例えば200℃にした状態で撹拌すると、金属の硫化物及び揮発性ガスが発生する。
続いて、有機物可溶化槽25において発生した金属の硫化物及び揮発性ガスを除去した後の第3有機物(可溶化有機物)を、揮発性ガス除去槽26に導入する。揮発性ガス除去槽26にアルカリ性物質及び遷移元素化合物を投入してからフラッシュを行うことで揮発性ガスが発生する。
続いて、揮発性ガス除去槽26において発生した金属の硫化物及び揮発性ガスを除去した後の第4有機物(可溶化有機物)を、硫化物除去槽27に導入する。硫化物除去槽27に遷移元素化合物を投入して第4有機物を撹拌することにより、金属の硫化物が発生する。
続いて、硫化物除去槽27において発生した金属の硫化物を除去した後の第5有機物(可溶化有機物)を、嫌気発酵槽28に導入する。嫌気発酵槽28においては、第5有機物が発酵する過程でバイオガスが発生する。残留水は、処理水としてエアレーションタンクに返送されか又は外部に放出される。第5有機物は、酸により中和処理を行ってから嫌気発酵槽28に導入してもよい。
[実施例]
本実施形態の有機物処理システム2を用いて、下水道汚泥を処理した。サンプル脱水汚泥の含水率は80%であったが、含水率0%の乾燥汚泥に換算すると、乾燥汚泥1kg(約1L)あたり、図3に示す量の窒素及び硫黄が存在した。すなわち、総窒素は64,500(mg/L)であり、アンモニア態窒素は21,700(mg/L)であり、総硫黄は、1.28%であった。
図4は、フラッシュ後の可溶化汚泥中の窒素及び硫黄の量を示す表である。乾燥汚泥1kgが可溶化汚泥7.5kg(約7.5L)になり、その中に含まれる総窒素は647(mg/L)、アンモニア窒素は172(mg/L)、総硫黄は3(mg/L)、溶解性硫黄は2(mg/L)であった。これらの数値は、元の乾燥汚泥に換算すると、それぞれ4,853(mg/L)、1,290(mg/L)、23(mg/L)、15(mg/L)である。元汚泥に対する除去率は、総窒素が92.5%、アンモニア態窒素が94.1%、総硫黄が99.8%であり、ほとんどの窒素及び硫黄を除去できたことがわかる。
図5は、フラッシュ後の可溶化液に5(mg/L)の塩化第一鉄を添加する前後の総硫黄及び溶解性硫黄の量の変化を示す表である。図5に示すように、塩化第一鉄を添加することにより、総硫黄は、3(mg/L)から1(mg/L)に減少し、溶解性硫黄は、2(mg/L)から0(mg/L)に減少していることがわかる。
図6は、アンモニアを除去できる場所を示す表である。アルカリ性物質を第1有機物に混合する場合、アンモニアは、アルカリ混合槽24、有機物可溶化槽25、及び揮発性ガス除去槽26において除去できた。アルカリ性物質を第2有機物に混合する場合、アンモニアは、有機物可溶化槽25及び揮発性ガス除去槽26において除去できた。
なお、アルカリ性物質を揮発性ガス除去槽26で追加してもよい。また、有機物は、有機物可溶化槽25でアルカリ加水分解が行われるので、少なくとも有機物可溶化槽25にはアルカリ性物質が添加されていることが必要である。また、揮発性ガス除去槽26は、フラッシュタンクでもよい。または、100℃以下の液体を撹拌して除去してもよい。
図7は、硫化水素及び二酸化硫黄が除去される場所を示す表である。遷移元素を第1有機物に混合すると、アルカリ混合槽24では、一部の揮発性硫黄化合物が除去され、有機物可溶化槽25、揮発性ガス除去槽26及び硫化物除去槽27においても除去される。
遷移元素を第2有機物に混合すると、有機物可溶化槽25、揮発性ガス除去槽26及び硫化物除去槽27において揮発性硫黄化合物が除去される。また、遷移元素を第3有機物に混合すると、揮発性ガス除去槽26及び硫化物除去槽27において揮発性硫黄化合物が除去される。また、遷移元素を第4有機物に混合すると、揮発性ガス除去槽26及び硫化物除去槽27において揮発性硫黄化合物が除去される。
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る有機物処理システム1又は有機物処理システム2において有機物処理方法を実施することにより、汚泥に含まれる有機物から窒素及び硫黄を除去した後に、嫌気性消化工程を実施することができる。したがって、嫌気性消化工程において用いられる嫌気性微生物の活動が制限されたり死滅したりすることを防止できるので、メタンガスの発生効率を高めることができる。また、有機物から硫黄を除去した後に嫌気性消化工程を実施することにより、硫化水素の含有量が極めて少ない良質なバイオガスを得ることもできる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1・・・有機物処理システム
11・・・最初沈殿槽
12・・・エアレーションタンク
13・・・最終沈殿槽
14・・・可溶化槽
15・・・揮発性ガス除去槽
16・・・硫化物除去槽
17・・・嫌気発酵槽
18・・・発電機
21・・・最初沈殿槽
22・・・エアレーションタンク
23・・・最終沈殿槽
24・・・アルカリ混合槽
25・・・有機物可溶化槽
26・・・揮発性ガス除去槽
27・・・硫化物除去槽
28・・・嫌気発酵槽

Claims (3)

  1. 窒素及び硫黄を含む汚泥を、アルカリ性物質及び遷移元素化合物と混合することによりpHが11以上14以下に調整した後に100℃以上350℃以下の温度に加熱して前記汚泥をアルカリ加水分解することにより、前記汚泥が水に溶解した状態の可溶化汚泥を生成する混合手段と、
    前記混合手段において汚泥を加熱した後に、前記混合手段において前記アルカリ性物質及び前記遷移元素化合物と前記汚泥とを混合することで発生した揮発性ガスを除去することで、前記汚泥に含まれる窒素を除去する揮発性ガス除去手段と、
    前記混合手段において汚泥を加熱した後に、前記混合手段において前記アルカリ性物質及び前記遷移元素化合物と前記汚泥とを混合することで発生した硫黄化合物を除去することで、前記汚泥に含まれる硫黄を除去する硫化物除去手段と、
    窒素及び硫黄が除去された後の汚泥を嫌気性微生物に消化させる嫌気消化手段と、
    を有する有機物処理システム。
  2. 前記揮発性ガス除去手段は、前記可溶化汚泥をフラッシュすることにより発生するアンモニアを除去するアンモニア除去手段を有する、
    請求項に記載の有機物処理システム。
  3. 窒素及び硫黄を含む汚泥を、アルカリ性物質及び遷移元素化合物と混合することによりpHが11以上14以下に調整した後に100℃以上350℃以下の温度に加熱して前記汚泥をアルカリ加水分解することにより、前記汚泥が水に溶解した状態の可溶化汚泥を生成するステップと、
    前記汚泥を加熱した後に、前記混合手段において前記アルカリ性物質及び前記遷移元素化合物と前記汚泥とを混合することで発生した揮発性ガスを除去することで、前記汚泥に含まれる窒素を除去するステップと、
    前記汚泥を加熱した後に、前記混合手段において前記アルカリ性物質及び前記遷移元素化合物と前記汚泥とを混合することで発生した硫黄化合物を除去することで、前記汚泥に含まれる硫黄を除去するステップと、
    窒素及び硫黄が除去された後の汚泥を嫌気性微生物に消化させるステップと、
    を有する有機物処理方法。
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