JP5687054B2 - 促進剤溶液 - Google Patents

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Description

本発明は、金属塩と、錯化剤と、任意に溶媒とを含む促進剤溶液に関する。
そのような促進剤溶液が、当分野において、例えば、国際公開第90/12824号及び同WO90/12825から公知である。これらの参考文献に記載される促進剤溶液は溶媒を主に含有する。また、国際公開第2006/128816号は、過酸化物とのレドックス系を形成するのに好適である様々な貯蔵安定な促進剤溶液を開示する。これらの促進剤溶液は、アスコルビン酸及びナトリウムホルムアルデヒドスルホキシラートから選択される還元剤を含む。これらの促進剤溶液はさらに、主に、有機の酸素含有溶媒を少なくとも70wt%の量で含有する。ゲルコートにおける、そのような溶媒を多く有する促進剤溶液(具体的には、グリコールを多く有する促進剤溶液)の使用は、溶媒が水と交換することで、膨れを容易に形成しやすいゲルコートをもたらす。さらなる欠点が、揮発物の量が多いために生じており、揮発物の量が多いことは環境の観点から望ましくない。
国際公開第90/12824号 国際公開第90/12825号 国際公開第2006/128816号
改善された重合成績を提供する新規な促進剤溶液を提供することが本発明の目的の1つである。
この目的が、窒素原子及びヒドロキシル基を有する錯化剤、ならびに、ビピリジンからなる群より選択される錯化剤と、遷移金属、マグネシウム及びリチウムからなる群より選択される金属の塩と、任意に溶媒とを含む促進剤溶液であって、錯化剤が窒素原子及びヒドロキシル基を有するとき、促進剤溶液における錯化剤の量が促進剤溶液の総重量に基づいて少なくとも5wt%であり、溶媒の量が50wt%未満であり、溶媒としてのジエチレングリコールの量が促進剤溶液の総重量に基づいて25wt%未満である促進剤溶液によって達成される。
本発明の促進剤溶液により、特に不飽和ポリエステル(UP)樹脂及びアクリル樹脂を硬化させることにおいて、重合成績が改善される。
ゲルコートを硬化させることにおいて、ゲルコートの硬度が、より短い時間で、より高い硬度値に増大する。積層化までの時間が短縮され、これにより、より高い生産能力がもたらされる。本発明の促進剤溶液を使用することで、一般に、物理的特性及び/又は機械的特性の強化と同様に、ゲルコートの物理的外観が改善される。
アクリル樹脂を周囲温度で硬化させることは一般に、従来の促進剤溶液(特に、コバルト含有促進剤溶液)をケトンペルオキシドとの組合せで使用した場合には不可能であるが、本発明者らは、驚くべきことに、本発明の促進剤溶液が、アクリル樹脂を周囲温度で硬化させることを可能にすることを見出している。
本発明はさらに、窒素原子及びヒドロキシル基を有する錯化剤と、遷移金属、マグネシウム及びリチウムからなる群より選択される金属の塩と、任意に溶媒とを含む促進剤溶液であって、促進剤溶液における錯化剤の量が促進剤溶液の総重量に基づいて少なくとも5wt%であり、溶媒の量が50wt%未満であり、溶媒としてのグリコール(好ましくは、ジエチレングリコール)の量が促進剤溶液の総重量に基づいて25wt%未満である促進剤溶液に関する。
この促進剤溶液は、上記で示されるような利点を有する。
本発明の促進剤溶液は、窒素原子及びヒドロキシル基を有する錯化剤、ならびに、ビピリジンからなる群より選択される錯化剤を含む。窒素原子及びヒドロキシル基を有する錯化剤はすべての金属塩と好適に使用することができる。本発明の錯化剤の好適な例が、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン(DETA)、トリエタノールアミン及びジメチルアミノエタノールである。好ましくは、錯化剤はジエタノールアミンである。
ビピリジンは、好ましくは、遷移金属の塩との組合せで使用され、これらの中で、最も好ましくは、マンガン塩との組合せで使用される。
錯化剤は一般には少なくとも0.1wt%の量で存在し、好ましくは少なくとも0.5wt%の量で存在し、最も好ましくは少なくとも5wt%の量で存在し、一般には最大でも60wt%の量で存在し、好ましくは最大でも50wt%の量で存在し、最も好ましくは最大でも40wt%の量で存在する。
錯化剤が窒素原子及びヒドロキシル基を有するとき、錯化剤は一般には少なくとも5wt%の量で存在し、好ましくは少なくとも7wt%の量で存在し、最も好ましくは少なくとも10wt%の量で存在し、一般には最大でも60wt%の量で存在し、好ましくは最大でも50wt%の量で存在し、最も好ましくは最大でも40wt%の量で存在する。
錯化剤がビピリジンであるとき、錯化剤は一般には少なくとも0.1wt%の量で存在し、好ましくは少なくとも0.2wt%の量で存在し、最も好ましくは少なくとも0.5wt%の量で存在し、一般には最大でも60wt%の量で存在し、好ましくは最大でも50wt%の量で存在し、最も好ましくは最大でも40wt%の量で存在する。
促進剤溶液はさらに、1つ又はそれ以上の金属塩を含有し、金属塩の少なくとも1つが、遷移金属塩、リチウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される。好ましい金属塩が、銅塩、コバルト塩、鉄塩、ニッケル塩、スズ塩、マンガン塩、バナジウム塩、リチウム塩及びマグネシウム塩である。より好ましい金属塩が、銅塩、マンガン塩、コバルト塩、鉄塩及びバナジウム塩である。コバルト及びバナジウムの毒性のため、銅塩、マンガン塩及び鉄塩が、最も好ましい金属塩である。
金属塩の組合せ(例えば、バナジウム塩及び銅塩の組合せ、銅塩及びマンガン塩の組合せ、バナジウム塩及び鉄塩の組合せ)もまた使用することができる。
用いられる塩は、好ましくは、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、乳酸塩、2−エチルヘキサン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、ラウリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、アセチルアセトナート又はナフテン酸塩である。より好ましい塩が、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、ナフテン酸塩、2−エチルヘキサン酸塩及び酢酸塩である。そのような塩の例が、塩化Cu(I)、酢酸Cu(II)、硫酸Cu(II)、2−エチルヘキサン酸Cu(II)、酢酸Co(II)、硫酸Fe(II)、塩化Fe(III)、2−エチルヘキサン酸V(II)、酢酸Mn(II)、ナフテン酸Mn(II)及びこれらの組合せである。
金属塩は、促進剤溶液において、少なくとも0.01wt%の好ましい総量で存在し、より好ましくは少なくとも0.1wt%の総量で存在する。金属塩は、好ましくは、塩として計算されたとき、促進剤溶液の総重量に基づいて10wt%未満の総量で存在し、より好ましくは5wt%未満の総量で存在し、最も好ましくは2wt%未満の総量で存在する。
金属塩対錯化剤の重量比は一般には20:1から1:20までであり、好ましくは15:1から1:15までであり、最も好ましくは10:1から1:10までである。
本発明の促進剤溶液において使用される溶媒は、当分野で公知であり、また、そのような促進剤溶液での使用に好適であるあらゆる溶媒であり得る。典型的には、溶媒は、少なくとも1つの酸素原子を含み、かつ、促進剤溶液に存在する金属との錯体を形成することができる有機の酸素含有溶媒である。溶媒は、好ましくは、0℃又はそれ以下の融点を有する。一般に、溶媒は、アルデヒド基、ケトン基、エーテル基、エステル基、アルコール基又はカルボン酸基を有する。
好適な溶媒の例が、グリコール、例えば、エチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びポリエチレングリコールなど;イソブタノール;ペンタノール;1,2−ジオキシム、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン;エステル、例えば、ジブチルマレアート、ジブチルスクシナート、エチルアセタート、ブチルアセタート、ケトグルタル酸のモノエステル及びジエステル、ピルバートなど;モノエステル及びジエステル、より具体的には、ジエチルマロナート及びジエチルスクシナート;1,2−ジケトン、具体的には、ジアセチル及びグリオキサール;ブチルジオキシトール(これはまた、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(式nBuOCHCHOCHCHOH)として公知である)、ベンジルアルコール及び脂肪アルコールである。本出願の関連において、リン含有化合物は、溶媒であると見なされない。
好ましい溶媒が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリドン、エチルアセタート、ブチルアセタート及びブチルジオキシトールである。上記溶媒の2つ又はそれ以上の混合物もまた使用することができる。
促進剤溶液は一般には少なくとも0.1wt%の溶媒を含み、好ましくは少なくとも1wt%の溶媒を含み、最も好ましくは少なくとも2wt%の溶媒を含み、一般には最大でも50wt%の溶媒を含み、より好ましくは最大でも40wt%の溶媒を含み、好ましくは35wt%未満の溶媒を含み、より好ましくは30wt%未満の溶媒を含む(これらのすべてが促進剤溶液の総重量に基づく)。
促進剤溶液は一般には、促進剤溶液の総重量に基づいて25wt%未満のグリコール(具体的には、ジエチレングリコール)を含む。好ましくは、グリコールの量は促進剤溶液の総重量に基づいて20wt%未満であり、最も好ましくは15wt%未満である。グリコールの量は有利には少ないほど、ゲルコートにおける膨れの形成を軽減する。なぜなら、グリコールは一般に水溶性であり、水と交換しやすいので、ゲルコートにおける膨れの形成を引き起こすからである。
安定剤を本発明による促進剤溶液に存在させることができる。当該1つの安定剤は、ヒドロキシルと共に窒素原子を含まない。好適な安定剤は、典型的には溶液における金属塩の結晶化を妨げる化合物であり、例えば、第三級アミン、例えば、トリエチルアミンなど;ポリアミン、例えば、1,2−(ジメチルアミン)エタンなど;第二級アミン、例えば、ジエチルアミンなど;ニコチンアミド;イタコン酸;モノブチルジヒドロホスフィト;1,3−ジケトン、例えば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びジベンゾイルメタンなど;アセトアセタート類、例えば、ジエチルアセトアセトアミド、メチルアセトアセタート及びエチルアセトアセタートなど;及びアルカリ金属塩、例えば、2−エチルヘキサン酸リチウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸バリウム及び2−エチルヘキサン酸セシウムなど;リン含有化合物、例えば、ジエチルホスファート、ジブチルホスファート、トリブチルホスファート、トリエチルホスファート、ジブチルホスフィト及びトリエチルホスフィトなど;及びアンモニウム塩、例えば、2−エチルヘキサン酸アンモニウム及び酢酸アンモニウムなどである。好ましい安定剤が、1,3−ジケトン(例えば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びジベンゾイルメタンなど)、トリエチルホスファート、ジブチルホスファート、及び、アセトアセタート類(例えば、ジエチルアセトアセトアミド、メチルアセトアセタート及びエチルアセトアセタートなど)である。アセトアセタート類が、より一層好ましい安定剤であり、ジエチルアセトアセトアミドが、最も好ましい安定剤である。本発明の一実施形態において、ジエタノールアミン及びジエチルアセトアセトアミドの組合せが促進剤溶液において使用される。
安定剤をそのようなものとして促進剤溶液に加えることができ、又は、安定剤をその場で形成させることができる。例えば、アルカリ金属の2−エチルヘキサン酸塩を、水酸化アルカリ金属(例えば、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムなど)及び2−エチルヘキサン酸塩を溶液に加えた後、促進剤溶液においてその場で調製することができる。
1つ又はそれ以上の安定剤が促進剤溶液に存在する場合、それらの量は好ましくは少なくとも0.01wt%であり、より好ましくは少なくとも0.1wt%であり、最も好ましくは少なくとも1wt%であり、一般には最大でも70wt%未満であり、より好ましくは最大でも65wt%未満であり、最も好ましくは最大でも60wt%未満である(これらのすべてが進剤溶液の総重量に基づく)。
錯化剤及び安定剤の総量は一般には少なくとも6wt%であり、より好ましくは少なくとも7wt%であり、最も好ましくは少なくとも10wt%であり、一般には最大でも90wt%未満であり、より好ましくは最大でも80wt%未満であり、最も好ましくは最大でも70wt%未満である(これらのべてが進剤溶液の総重量に基づく)。
本発明の一実施形態において、錯化剤対安定剤の重量比は少なくとも0.5であり、好ましくは少なくとも1であり、最も好ましくは少なくとも1.5であり、一般には最大でも6であり、好ましくは最大でも3であり、最も好ましくは最大でも2.5である。
本発明による促進剤溶液は、任意に水を含むことができる。水が存在する場合、溶液の水含有量は好ましくは少なくとも0.01wt%であり、より好ましくは少なくとも0.1wt%である。水含有量は好ましくは50wt%以下であり、より好ましくは40wt%以下であり、より好ましくはさらに20wt%以下であり、より一層好ましくは10wt%以下であり、最も好ましくは5wt%以下である(これらのすべてが促進剤溶液の総重量に基づく)。
本発明による促進剤溶液はさらに、1つ又はそれ以上の還元剤を含むことができる。還元剤は、当分野において公知であるあらゆる還元剤であり得る。還元剤の例には、アスコルビン酸(この用語は、本明細書において、L−アスコルビン酸及びD−イソアスコルビン酸を包含する)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシラート(SFS)、グルコース及びフルクトースのような還元糖、シュウ酸、ホスフィン類、ホスフィト類、有機ニトリト又は無機ニトリト、有機スルフィト又は無機スルフィト、有機スルフィド又は無機スルフィド、メルカプタン、アミン及びアルデヒドが含まれる。また、任意に他の還元剤との組合せで、アスコルビン酸及びSFSの混合物を使用することができる。
還元剤は一般には10wt%未満の量で促進剤溶液に存在し、好ましくは5wt%未満の量で存在し、より好ましくは2wt%未満の量で存在し、より一層好ましくは1wt%未満の量で存在する。一実施形態において、還元剤は存在しない。
本発明による促進剤溶液は、当分野において公知である任意の方法によって調製することができ、例えば、任意に中間での加熱工程及び/又は混合工程で成分を単に混合することによって調製することができる。適用しなければならない添加順序は特にない。
本発明の促進剤溶液は、過酸化物(特に、ヒドロペルオキシド及びケトンペルオキシド)による硬化及び重合開始に使用することができる。
本発明による促進剤溶液はまた、被覆組成物におけるペイントドライヤとして使用することができる。
硬化
本発明はさらに、不飽和ポリエステル(UP)樹脂及びアクリル樹脂を硬化させるためのプロセスに関する。本出願では、用語「不飽和ポリエステル樹脂」及び用語「UP樹脂」は、不飽和ポリエステル樹脂及びエチレン性不飽和モノマー化合物の組合せを示す。用語「アクリル樹脂」は、アクリル樹脂及びエチレン性不飽和モノマー化合物の組合せを示す。上記で定義されるようなUP樹脂及びアクリル樹脂は一般的であり、様々なものが市販されている。硬化は一般には、本発明による促進剤溶液と、開始剤(過酸化物)とをポリエステル樹脂又はアクリル樹脂に加えることによって開始される。
本発明の促進剤溶液の貯蔵安定性の結果として、樹脂及び促進剤溶液を、過酸化物の添加、及び、結果的には実際の硬化プロセスの開始の数日前又は数週間前に予備混合することもまた可能である。このことにより、開始剤を既に含有する硬化性樹脂組成物を商業的に取引きすることができる。従って、本発明はまた、硬化性不飽和ポリエステル樹脂又は硬化性アクリル樹脂と、本発明による促進剤溶液とを含む組成物に関する。
過酸化物と、本発明による促進剤溶液との両方が硬化性樹脂に加えられ続けると、結果として得られた混合物は混合及び分散される。硬化プロセスを、開始剤系、促進剤系、硬化速度を適合化するための化合物、及び、硬化することになる樹脂組成物に応じて、−5℃から250℃までの任意の温度で行うことができる。好ましくは、硬化プロセスは、様々な用途(例えば、ハンドレイアップ、スプレーアップ、フィラメントワインディング、樹脂トランスファー成形、被覆(例えば、ゲルコート及び標準的被覆)、ボタン製造、遠心注型、波形シート及び平坦パネル、リライニング(relining)システム、配合物注入による台所流しなど)において一般に使用される周囲温度で行われる。しかしながら、硬化プロセスはまた、180℃までの温度(より好ましくは150℃までの温度、最も好ましくは100℃までの温度)が使用されるSMC技術、BMC技術及び引抜き技術などにおいて使用することもできる。
UP樹脂には、いわゆるオルト樹脂、イソ樹脂、iso−npg樹脂、ビニルエステル樹脂及びジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂が含まれる。そのような樹脂の例が、マレイン酸物質、フマル酸物質、アリル性物質、ビニル性物質及びエポキシ型物質である。
アクリル樹脂には、各種アクリラート、各種メタクリラート、各種ジアクリラート及び各種ジメタクリラート、ならびに、それらのオリゴマーが含まれる。
エチレン性不飽和の反応性モノマーは、当分野において公知であるそのようなあらゆるモノマーであり得る。そのようなエチレン性不飽和の反応性モノマーの例には、スチレン及びスチレン誘導体(例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、ジビニルベンゼン、ビニルピロリドン、ビニルシロキサン、ビニルカプロラクタム、スチルベンなど)が含まれ、また、ジアリルフタラート、ジベンジリデンアセトン、アリルベンゼン、メチルメタクリラート、メチルアクリラート、(メタ)アクリル酸、各種ジアクリラート、各種ジメタクリラート、各種アクリルアミド;ビニルアセタート、トリアリルシアヌラート、トリアリルイソシアヌラート、光学用途に使用されるアリル化合物(例えば、(ジ)エチレングリコールジアリルカルボナートなど)、及び、それらの混合物が含まれる。
エチレン性不飽和モノマーの量は好ましくは、樹脂の重量に基づいて少なくとも0.1wt%であり、より好ましくは少なくとも1wt%であり、最も好ましくは少なくとも5wt%である。エチレン性不飽和モノマーの量は好ましくは50wt%以下であり、より好ましくは40wt%以下であり、最も好ましくは35wt%以下である。
この硬化プロセスにおいて、促進剤溶液は一般には、従来的な量で用いられる。樹脂の重量に基づいて、少なくとも0.01wt%(好ましくは少なくとも0.1wt%)で、5wt%以下(好ましくは2wt%以下)の量の促進剤溶液が典型的には使用される。
UP樹脂及びアクリル樹脂を硬化させるのに好適な過酸化物には、有機過酸化物が含まれ、例えば、従来から使用されるケトンペルオキシド、ペルエステル及びペルオキシジカルボナートが含まれ、また、ペルオキシカルボナート、ペルケタール、ヒドロペルオキシド及びジアシルペルオキシドなどが含まれる。当業者は、これらの過酸化物が、従来の添加剤(例えば、フレグマタイザー(phlegmatizer)、例えば、親水性エステル及び炭化水素溶媒など)と組み合わされ得ることを理解するであろう。
硬化プロセスにおいて使用されることになる過酸化物の量は好ましくは少なくとも0.1wt%であり、より好ましくは少なくとも0.5wt%であり、最も好ましくは少なくとも1wt%である。過酸化物の量は8wt%以下であり、より好ましくは5wt%以下であり、最も好ましくは2wt%以下である(これらのすべてが樹脂の重量に基づく)。
他の任意の添加剤を本発明による硬化プロセスにおいて用いることができる(例えば、フィラー、ガラス繊維、顔料、阻害剤及び助触媒など)。
本発明の硬化プロセスにおいて、典型的には、樹脂が最初に促進剤溶液と混合される。促進剤組成物はいくつかの異なる様式で加えることができ、また、樹脂と予備混合されていてもよい。過酸化物組成物をそのような混合物に直接に加えることができる。しかしながら、過酸化物組成物もまた、最初にモノマー又は樹脂と混合することができる。過酸化物配合物及び促進剤溶液は予備混合されないことに注意しなければならない。過酸化物配合物及び促進剤溶液を予備混合することは危険であるからである。
重合開始
本発明による促進剤溶液はまた、レドックス重合プロセスにおいて重合開始を促進させるために使用することができる。そのような重合プロセスは通常の様式で行うことができ、例えば、塊状状態、懸濁状態、乳化状態又は溶液状態で行うことができる。
過酸化物及び促進剤溶液を重合プロセスの開始時に加えることができ、あるいは、過酸化物及び促進剤溶液を重合プロセス中に部分的に添加することができ、又は、それらのすべてを重合プロセス中に添加することができる。過酸化物を重合プロセスの開始時に加え、一方、促進剤溶液を前記プロセス中に加えること、又は、逆に、促進剤溶液を重合プロセスの開始時に加え、一方、過酸化物を前記プロセス中に加えることもまた可能である。
過酸化物及び促進剤溶液の所望される量は、重合温度、重合熱を除去するための能力、使用されることになるモノマーの種類、及び、加えられる圧力に依存して変化する。
通常、(コ)ポリマーの重量に基づいて0.001wt%〜10wt%の過酸化物が用いられる。好ましくは、0.001wt%〜5wt%の過酸化物が用いられ、最も好ましくは、0.001wt%〜2wt%の過酸化物が用いられる。過酸化物対金属塩の比率は好ましくは、0.2から100にまで及ぶ。
重合温度は通常、5℃〜300℃であり、好ましくは10℃〜180℃である。一般に、重合温度が5℃未満である場合、重合時間が長くなりすぎる。しかしながら、重合温度が300℃を超えると、ラジカルが重合の初期段階で消費され、大きい転換率を得にくくなる。しかしながら、未反応モノマーの量を減らすために、重合を、所定の温度プロフィルを使用して行うこと、例えば、初期重合を100℃未満で行い、その後、重合を完了させるために100℃を超える温度に上げることもまた可能である。これらの変化はすべてが当業者には周知であり、当業者は、使用されることになる特定の重合プロセス及び具体的なラジカル重合開始剤に応じて最適な反応条件を選択することにおいて困難を何ら有しない。
本発明による促進剤溶液を使用して重合するための好適なモノマーがオレフィン性不飽和モノマー又はエチレン性不飽和モノマーであり、例えば、置換又は非置換のビニル芳香族モノマー(これには、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びハロゲン化スチレンが含まれる);ジビニルベンゼン;エチレン;エチレン性不飽和カルボン酸及びその誘導体、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、2−エチルヘキシルアクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート及びグリシジルメタクリラートなど)など;エチレン性不飽和ニトリル及びエチレン性不飽和アミド、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びアクリルアミドなど;置換又は非置換のエチレン性不飽和モノマー、例えば、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレンなど;ビニルエステル、例えば、ビニルアセタート及びビニルプロピオナートなど;エチレン性不飽和ジカルボン酸ならびにその誘導体(モノエステル及びジエステルを含む)、無水物及びイミド、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水ナド酸(nadic anhydride)、マレイン酸、フマル酸、アリールシトラコンイミド、アルキルシトラコンイミド及びアラルキルシトラコンイミド、各種マレイミド、各種ビスシトラコンイミド、ならびに、各種ビスマレイミドなど;ビニルハリド、例えば、ビニルクロリド及びビニリデンクロリドなど;ビニルエーテル、例えば、メチルビニルエーテル及びn−ブチルビニルエーテルなど;オレフィン、例えば、イソブテン及び4−メチルペンテンなど;アリル化合物、例えば、(ジ)アリルエステル(例えば、ジアリルフタラート、(ジ)アリルカルボナート及びトリアリル(イソ)シアヌラート)などである。
(共)重合中、配合物はまた、通常の添加剤及びフィラーを含有することができる。そのような添加剤の例として、下記の添加剤を挙げることができる。酸化分解、熱分解及び紫外線分解の阻害剤、滑剤、エクステンダー油、pH制御物質(例えば、炭酸カルシウムなど)、離型剤、着色剤、強化フィラー又は非強化フィラー(例えば、シリカ、粘土、チョーク、カーボンブラック及び繊維状物質(例えば、ガラス繊維など)など)、可塑剤、希釈剤、連鎖移動剤、促進剤、及び、他のタイプの過酸化物。これらの添加剤はその通常的な量で用いることができる。
本発明を下記の実施例で例示する。
下記の実施例では、下記の成分が使用された。
下記の実施例において、不飽和ポリエステル樹脂の硬化を、the Society of Plastic Instituteの方法(分析法F/77.1;これは、Akzo Nobel Polymer Chemicalsから得ることができる)によって分析した。この方法は、ピーク発熱、ピークまでの時間、及び、ゲル化時間を測定することを伴う。
この方法に従って、樹脂、過酸化物及び促進剤溶液を含む混合物の25gを試験管に注ぎ、熱電対を、内容物の中を通して試験管の中心部に置いた。その後、このガラス管を、特定の試験温度で維持された油浴に入れ、時間−温度曲線を測定した。この曲線から、下記のパラメーターを計算した。
ゲル化時間(Gt)=実験開始と、浴温度を5.6℃超えるときとの間における経過時間(分単位)。
ピーク発熱までの時間(TTP)=実験開始と、ピーク温度に到達するときとの間における経過時間。
ピーク発熱(PE)=到達する最大温度。
ゲル化時間とは、過酸化物を樹脂及び任意に促進剤溶液と混合してから、混合物が、標準分析法F/72.1を使用してゲル化し、それ以上流れなくなるまでの時間である。この標準分析法を、Akzo Nobel Polymer Chemicalsから得ることができる。
ゲルコート適用において、ゲル化時間とは、過酸化物をゲルコートと混合してから、混合物がゲル化し、それ以上流れなくなるまでの時間である。これは、ペーパークリップを400μmのゲルコート層に対して使用して求められる。
積層化までの時間とは、混合することを開始してから、ゲルコート層が依然として粘着性であるが、触れたとき、ゲルコートが手袋に全くつかなくなるまでの時間である。これは、積層物をゲルコート層に塗布することができる時間である。従って、生産性を上げるためには、積層化までの時間を短縮することが望ましい。
Persoz硬度をISO−DR−1522の方法に従って測定した。
Barcol硬度を、一定の時間の後、従来の方式で測定した。それに従って、Barcol硬度試験器を硬化樹脂の表面に置き、圧力を手動で加え、測定器の圧子が表面を突き抜けるようにした。硬度を測定器で直接に読み取ることができる。Barcol 934硬度試験器が、硬い表面を測定するために好適であり、下記の実施例において使用される。
残留スチレン含有量を求めるために、硬化樹脂組成物を小片に切断し、残留スチレンをジクロロメタンによって抽出した。その後、ジクロロメタン層を、GC/94.5に記載される条件を使用してガスクロマトグラフィーにより分析した。この標準分析法を、Akzo Nobel Polymer Chemicalsから得ることができる。
比較溶液A及び比較溶液B
2つの比較用の促進剤溶液を調製した。これらの溶液の成分が下記の表に示される。
促進剤溶液1〜促進剤溶液10
本発明による様々な促進剤溶液を調製した。それらの成分が下記の表に示される。
上記の促進剤溶液を下記の実施例において使用した。
実施例1
100重量部の樹脂あたり(phr)100部のUP−NPG樹脂と、2phrのButanox M50と、様々な促進剤溶液とを含むゲルコート組成物を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液がゲルコート組成物において使用される量が表3に示される。
測定された特性は、ゲル化時間(これは方法F/72.1に従う)、塗布されたゲルコートのゲル化時間及び積層化までの時間、400ミクロンの乾燥フィルムに対するPersoz硬度、ならびに、残留スチレンであった。
上記の表から、促進剤溶液A又は促進剤溶液B(これらは本発明に従わない)を使用する場合と比較して、本発明による促進剤溶液1を使用して硬化させることにより、ゲル化時間の増大、及び、積層化までの時間の短縮、同様にまた、残留スチレンの量の低下がもたらされることが明らかである。さらに、実施例1のゲルコートの硬度における著しい増大が、比較例C1及び比較例C2のゲルコートと比較して認められる。
実施例2〜実施例4
100phrのPalatal P6樹脂と、2phrのButanox M50と、本発明による様々な促進剤溶液とを含むUP樹脂組成物を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液が樹脂組成物において使用される量が表4に示される。
測定された特性は、ゲル化時間(これは方法F/72.1に従う)、ならびに、SPI標準に従うゲル化時間、ピーク発熱までの時間及びピーク発熱であった。
実施例2及び実施例3のUP樹脂を硬化させることにより、様々な量の溶媒は硬化特性にほとんど影響しないことが明らかにされる。同様な結果が、促進剤溶液における錯化剤(DETA)対安定剤(DEAA)の比率が変化した実施例2及び実施例4の樹脂について認められる。
実施例5及び実施例6
100phrのDekarane Momentum 411−350樹脂と、2phrのButanox M50と、様々な促進剤溶液とを含むビニルエステル組成物を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液が樹脂組成物において使用される量が表5に示される。
測定された特性は、ゲル化時間(これは方法F/72.1に従う)、ならびに、SPI標準に従うゲル化時間、ピーク発熱までの時間及びピーク発熱であった。
実施例5及び実施例6のビニルエステル樹脂組成物により、比較例C3の組成物よりも高いピーク発熱温度が明らかにされる。このことは、著しくより長いゲル化時間(Gt)にもかかわらず、本発明による組成物の硬化活性がより大きいことを意味する。
実施例7〜実施例10
100phrのPalatal P6樹脂と、2phrのButanox P50と、様々な促進剤溶液とを含むUP樹脂組成物を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液が樹脂組成物において使用される量が表6に示される。
測定された特性は、ゲル化時間(これは方法F/72.1に従う)、ならびに、SPI標準に従うゲル化時間、ピーク発熱までの時間及びピーク発熱であった。
上記の表は、UP樹脂組成物が、比較例C4の組成物と比較して、類似する硬化特徴を伴って、Cu(I)塩、ならびに、Cu(II)塩及びMn塩を含む促進剤溶液を使用して硬化され得ることを明らかにする。実施例10の組成物で使用された促進剤溶液における還元剤の存在は、実施例7〜実施例9の組成物と比較して、20℃でのより長いゲル化時間、同様にまた、ピークまでのより長い時間を示す。
実施例11〜実施例13
100phrのPalatal P6樹脂と、促進剤溶液とを含む予備促進化処理されたUP樹脂組成物(実施例11)を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液が樹脂において使用される量が表7に示される。
100phrのDegament 1004樹脂と、様々な促進剤溶液とを含むアクリル樹脂組成物(実施例12及び実施例13)を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液が予備促進化処理樹脂において使用される量が表7に示される。
これら3つの樹脂について、ゲル化時間(これは方法F/72.1に従う)を貯蔵時間の関数として測定した。ゲル化時間の測定の前に、2phrのButanox P50を予備促進化処理樹脂に加えた。
実施例11〜実施例13の予備促進化された樹脂配合物は、ゲル化時間が時間とともに著しく増大しないような良好な貯蔵安定性を有する。このような良好な貯蔵安定性は、反応性がほとんど低下しないか、又は、全く低下しないことを示すものである。
実施例14〜実施例16
100phrのDegament 1004樹脂と、2phrのButanox P50と、60phrのATHと、様々な促進剤溶液とを含むアクリル樹脂組成物を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液が樹脂組成物において使用される量が表8に示される。比較例C5については、3phrのPerkadox CH50及び0.5phrのAccelerator NL63−100がアクリル樹脂組成物に加えられたことに注意されたい。
測定された特性は、SPI標準に従うゲル化時間、ピーク発熱までの時間及びピーク発熱、ならびに、Barcol硬度であった。
促進剤溶液8及び促進剤溶液9(これらは本発明に従う)を含むUP樹脂組成物は、比較例の樹脂組成物と類似する20℃での硬化挙動をもたらすことが明らかである。このことは驚くべきことである。なぜなら、金属塩を含有する促進剤溶液をケトンペルオキシドとの組合せで使用して樹脂組成物を硬化させることは、通常の場合、周囲温度では認められないからである。
促進剤溶液11〜促進剤溶液16
下記の実施例では、促進剤溶液11〜促進剤溶液16(これらは本発明に従う)を使用した。これらの促進剤溶液の成分が下記の表に示される。
上記の促進剤溶液を下記の実施例において使用した。
実施例17〜実施例20
100phrのPalatal P6樹脂と、2phrのButanox M50と、本発明による様々な促進剤溶液とを含むUP樹脂組成物を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液が樹脂組成物において使用される量が表9に示される。
測定された特性は、ゲル化時間(これは方法F/72.1に従う)、ならびに、SPI標準に従うゲル化時間、ピーク発熱までの時間及びピーク発熱であった。
実施例21〜実施例24
100phrのPalatal P6樹脂と、2phrのButanox M50と、本発明による様々な促進剤溶液とを含むUP樹脂組成物を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液が樹脂組成物において使用される量が表10に示される。
測定された特性は、ゲル化時間(これは方法F/72.1に従う)、ならびに、SPI標準に従うゲル化時間、ピーク発熱までの時間及びピーク発熱であった。
表9及び表10の両方の結果は、ビピリジンを錯化剤として含むマンガン系促進剤溶液が、UP樹脂を硬化させることについて良好な特性を示すことを明らかにする。
実施例25〜実施例27
100phrのPalatal P6樹脂と、2phrの有機過酸化物と、本発明による様々な促進剤溶液とを含むUP樹脂組成物を調製した。促進剤溶液、及び、促進剤溶液が樹脂組成物において使用される量、ならびに、過酸化物開始剤のタイプ及び量が表11に示される。
比較するために、促進剤溶液の個々の成分が、実施例25〜実施例27で使用されるのと同じ量でUP樹脂に別々に加えられたことを除いて、同じ手順を使用した。金属塩がUP樹脂にそのようなものとして加えられたとき、金属塩が完全に溶解しないようであることが、実施例25及び実施例26の比較例については認められた。
測定された特性は、ゲル化時間(これは方法F/72.1に従う)、ならびに、SPI標準に従うゲル化時間、ピーク発熱までの時間及びピーク発熱であった。
一般に、本発明の促進剤溶液を使用してUP樹脂を硬化させることにより、20℃での良好なゲル化時間特性が明らかにされ、また、良好な硬化挙動が明らかにされる。それらのそれぞれの比較例では、相当により不良な硬化特性をもたらす著しくより速いゲル形成が明らかにされた(特に、実施例27の比較例はほとんど即座にゲルを形成する)。

Claims (7)

  1. モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、及びビピリジンからなる群より選択される錯化剤と、銅、マンガン及び鉄からなる群より選択される金属の塩とを含み、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリドン、エチルアセタート、ブチルアセタート及びブチルジオキシトールからなる群より選択される溶媒を含んでいてもよい促進剤溶液であって、
    前記錯化剤が窒素原子及びヒドロキシル基を有するとき、前記促進剤溶液における錯化剤の量が促進剤溶液の総重量に基づいて少なくとも5wt%であり、溶媒の量が50wt%未満であり、溶媒としてのジエチレングリコールの量が前記促進剤溶液の総重量に基づいて25wt%未満であり、
    前記錯化剤がビピリジンであるとき、前記促進剤溶液における錯化剤の量が促進剤溶液の総重量に基づいて少なくとも0.1wt%であり、溶媒の量が50wt%未満であり、溶媒としてのジエチレングリコールの量が前記促進剤溶液の総重量に基づいて25wt%未満であり、かつ、前記金属がマンガンである、促進剤溶液。
  2. ジエチルアセトアセトアミド、メチルアセトアセタート、トリエチルホスファート、ジブチルホスファート及びエチルアセトアセタートからなる群より選択される安定剤をさらに含む、請求項1に記載の促進剤溶液。
  3. 前記錯化剤がジエタノールアミンであり、前記安定剤がジエチルアセトアセトアミドであるか、又は、前記錯化剤がビピリジンであり、前記安定剤がジブチルホスファートである、請求項1または2に記載の促進剤溶液。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の前記促進剤溶液を含む不飽和ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂。
  5. 不飽和ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂を硬化させることにおける、請求項1〜3のいずれか一項に記載の促進剤溶液の使用。
  6. 重合開始プロセスにおける、請求項1〜3のいずれか一項に記載の促進剤溶液の使用。
  7. 被覆組成物における、請求項1〜3のいずれか一項に記載の促進剤溶液の使用。
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