JP5686879B2 - 溶剤を含有する水素化搬出物を後処理する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素含有ガスを用いた接触水素化から生じる溶剤を含有する水素化搬出物から溶剤を分離する方法に関し、前記水素化搬出物は少なくとも1種のアルコール−、ラクトン−、エーテル−、ラクタム−又はアミノ基を有する、水溶性水素化生成物を、水と混合できないか又は完全には水と混合できない100℃より低い沸点を有する溶剤中に含有し、その際、前記水素化搬出物に水を添加し、前記溶剤を含有する相を分離し、水素化に返送する。
水素を用いた接触水素化は、化学において広く普及した方法である。水溶性水素化生成物を生じる化合物を水素化する場合、主に溶剤なしで作業する。気相又は液相中で水素化を実施して水溶性化合物にすることができる、工業的有機化学において重要な化合物の例は、例えば一酸化炭素、エステル、酸、ラクトン、無水物、アルデヒド、ケトン、ニトリル、アミド及びアミノ酸である。この条件下で反応速度は小さいため、1kg生成物/リットル反応空間×hの空時収率が達成される。
しかしながら、例えばUS 6,265,596から、反応速度、ひいては空時収率を著しく高めることができ、そのため大規模工業的に適用する際に、高価な反応空間及び必要な触媒量を明らかに低減できる水溶性化合物のための水素化方法は公知である。
この方法において、加圧下で低い沸点を有する溶剤の存在で水素化し、生成物を得るために前記反応混合物を少なくとも常圧に放圧する。前記溶剤の返送は、特に高圧で水素化が行われる場合に問題があり、その結果、わずかな反応空間及びわずかに必要な触媒量の利点は再び打ち消されてしまう。
水素化の後で、過剰量の水素、生成物、場合により生成された中間生成物及び副生成物、反応していない出発物質及び場合により溶剤の存在で水素化が行われる場合に、これらを含有する水素化搬出物は、一般に更なる後処理工程の前に冷却されかつ放圧される。この場合、水素及び場合による溶剤はガス状で生じる。この溶剤は水素分離の方法条件下で液体である場合に、これは生成物混合物と一緒に大抵は蒸留により分離される。この溶剤は、低沸点物として液状又はガス状で生じる。
この回収された溶剤は廃棄されるか又は経済性に合わせる大規模工業的方法の場合には有利に返送される。しかしながら、この溶剤の返送は、少なくともかなりの量の圧縮エネルギーのコストを必要とする。
高圧で水素化を実施するために、前記溶剤は低い圧力水準から再び反応圧に圧縮しなければならない。特に、周囲温度で常圧でガス状である溶剤の場合に、エネルギーコストがかかり及び従って経済的に欠点がある。さらに、返送成分の溶剤及び水素を再び水素化のために必要な温度−出発水準に再び高める必要があり、再びエネルギーコストがかかる。
US 6,265,596
従って、本発明の根底をなす課題は、溶剤を接触水素化から得られかつ水溶性水素化生成物を有する、溶剤を含有する水素化搬出物から効果的に分離することができる方法を提供することである。この分離は、溶剤の水素化への返送が経済的であるように有効であるのが好ましい。
意外にも、水素含有ガスを用いた接触水素化から生じる溶剤を含有する、少なくとも1種のアルコール−、ラクトン−、エーテル−、ラクタム−又はアミノ基を有する水溶性水素化生成物を、水と混合できないか又は完全には水と混合できない100℃より低い沸点を有する溶剤中に含有する水素化搬出物から溶剤を分離する方法において、前記水素化搬出物に水を添加し、前記溶剤を含有する相を分離し、水素化に返送することを特徴とする方法が見出された。
水素化搬出物とは、水素化の後にさらに精製工程、例えば蒸留なしで水素化反応器から取り出された反応混合物であると解釈される。この水素化搬出物は、溶剤及び水素化生成物並びに場合により過剰量の水素の他に場合により生成された中間生成物及び副生成物及び反応していない出発材料を含有する。本願明細書において、水素化生成物とは水素化により製造される水溶性目的生成物又は複数の目的生成物の混合物であると解釈される。水溶性水素化生成物は、本願明細書の範囲内で、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール及び1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、場合によりメチル置換されたガンマ−ブチロラクトン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,5−(ビスヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン,1,12−ドデカンジオール、ピロリドン、N−アルキルピロリドン、C−アルキル化ピロリドン、C−及びN−アルキル化ピロリドン、N−アルキル化モノ−及びジアミン並びにアミノアルコール又はこれらの混合物である。有利な水溶性水素化生成物は、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン、ガンマ−ブチロラクトン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,5(ビスヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン、ピロリドン、N−アルキルピロリドン、C−アルキル化ピロリドン、C−及びN−アルキル化ピロリドン並びにアミノアルコール又はこれらの混合物である。
本発明による方法により生じる生成物は、例えば常用の溶剤、例えばテトラヒドロフラン又はポリエステルのための出発材料、例えば1,4−ブタンジオール又は1,6−ヘキサンジオールである。
本発明の場合に、本発明による方法の圧力条件及び温度条件で水と混合できないか又は完全には混合できず、かつ1barの圧力で100℃より低い、有利に70℃より低い、特に有利に50℃より低い、さらに特に有利に25℃よりも低い沸点を有する溶剤を使用することができる。
水素化搬出物中の溶剤対水素化生成物の質量比は、0.1〜1000、有利に0.5〜100、特に有利に1〜50である。
本発明の場合に使用可能な溶剤の例は、二酸化炭素、アルゴン、窒素、炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン及びその異性体、シクロペンタン、ヘキサン及びその異性体、シクロヘキサン、ヘプタン及びその異性体、芳香族化合物、例えばベンゼン、トルエン、エーテル、例えばジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチル−イソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチル−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、メチル−n−又はイソブチルエーテル、エチル−n−又はイソブチルエーテル、プロピル−n−又はイソブチルエーテル、イソプロピル−n−又はイソブチルエーテルである。前記の溶剤は、完全に又は部分的にフッ素化されていてもよい。本発明による方法のための溶剤として1〜6個の炭素原子を有する炭化水素、8個までの炭素を有するジアルキルエーテルが有利であり、特に、プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル及びメチル−tert−ブチルエーテル並びに二酸化炭素が有利である。
この水素化搬出物に、相分離を生じさせる量の水又は、既に弱く現れる相分離を調節する場合に、相分離を完全にする量の水が添加される。この量の水は、水素化搬出物に対してそれぞれ、水0.01〜1000質量%、有利に水50〜300質量%、特に有利に水100〜200質量%である。
本発明による相分離の間に、圧力は、前記の水素化の圧力に相応する値であるか又は50barまで低い。この相分離の圧力は、有利に10〜400bar、有利に50〜350bar、特に有利に75〜300barである。前記方法の特に有利な実施態様の場合に、相分離の際の圧力は、その前段階の水素化の圧力より20bar低いか又は20barまで低い。
この相分離は、本発明による方法に先行する水素化の水素化搬出物が有する温度で、又はより低い温度で、有利に5〜250℃低い温度で実施することができる。特に有利に、水素化搬出物は、相分離のために、水素化反応器の出口での温度に冷却される。本発明による相分離は、この目的のために公知の装置、例えば相分離基又はデカンタ中で実施される。
水相は主に前記の水素化生成物を含有し、溶剤を含有する相(溶剤層)は溶剤及び水素の他に場合により未反応の水素化出発材料、水素化の中間生成物、少量の水素化生成物及び水素化の副生成物を含有する。
水素化生成物を含有する水相の後処理は、自体公知の方法により、例えば晶析及び/又は蒸留により行う。一般に、少なくとも水が水素化生成物から分離される。有利に、この場合、この蒸留条件は、相分離のために選択された圧力条件及び温度条件に基づいて、水又は水素化生成物が蒸留塔内への進入の際に蒸発するように選択される。この分離された水は、有利に相分離に返送される。
本発明による相分離は、連続的又は不連続的にその前段階の水素化と一緒に運転することができ、その際、連続的運転法が有利である。
有利な実施態様の場合に、分離された溶剤は後処理せずに再び水素化に返送される。この場合、水素化の出発物質は、それが触媒に到達する前に、完全に又は少なくともほとんど完全に溶剤と混合されるのが有利である。
水素を含有するガスは、水素の他に、反応条件下で不活性の他のガス、例えば窒素との混合物であるのが本発明による方法のために適している。水素を使用するのが有利である。
この水素化は、有利に不均一系触媒で行われ、この触媒は特に有利に反応器中に固定配置されている。触媒として、この水素化法の場合に、次の元素の少なくとも1つを金属として及び/又は化合物として、例えば酸化物として含有する:Fe、Cu、Ag、Au、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Ir、Ru、Mn、Re、Cr又はMo。前記触媒は、Fe、Cu、Co、Re、Ni、Ru、Pt又はPdを含有するのが有利である。
特に、少なくとも1種の不均一系触媒が適しており、その際、上記の金属(活性金属)の少なくとも1つを金属自体として、ラネー触媒として及び/又は通常の担体上に設けて使用することができる。2つ以上の活性金属を使用する場合、これらの金属は別々に又は合金として存在することができる。この場合、少なくとも1種の金属自体と少なくとも1種の他の金属をラネー触媒として使用するか、又は少なくとも1種の金属自体と少なくとも1種の担体上に設けられた少なくとも1種の他の金属を使用するか、又は少なくとも1種の金属をラネー触媒として及び少なくとも1種の担体上に設けられた少なくとも1種の他の金属を使用するか、又は少なくとも1種の金属自体と少なくとも1種の他の金属をラネー触媒として及び少なくとも1種の担体上に設けられた少なくとも1種の他の金属を使用することも可能である。
使用された触媒は、例えばいわゆる沈降触媒であることもできる。このような触媒は、その触媒活性成分をその塩溶液から、特にその硝酸塩及び/又は酢酸塩の溶液から、例えばアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属水酸化物及び/又は炭酸塩溶液の添加により、例えば難溶性水酸化物、オキシドヒドレート、塩基性の塩又は炭酸塩の添加により沈殿させ、この得られた沈殿物を引き続き乾燥させ、次いでこれを一般に300〜700℃、特に400〜600℃でか焼することにより相応する酸化物、混合酸化物及び/又は混合原子価(gemischt-valentig)の酸化物に変換し、これを一般に50〜700℃、特に100〜400℃の範囲内で水素又は水素を含有するガスで処理することにより、相応する金属及び/又はより低い酸化数の酸化物の化合物に還元し、本来の触媒活性形に変換することにより製造することができる。この場合、一般に、水がもはや生成しなくなるまで還元される。担体材料を含有する沈降触媒の製造時に、触媒活性成分の沈殿は該当する担体材料の存在で行うことができる。触媒活性成分は、有利に担体材料と同時に、該当する塩溶液から沈殿することができる。
有利に、水素化を触媒する金属又は金属化合物を担体材料上に堆積して含む水素化触媒が使用される。
触媒活性成分の他にさらに付加的に担体材料を含有する上記の沈殿触媒の他に、本発明による方法のために一般に、接触水素化に作用する成分が担体材料上に例えば含浸により設けられているような担体材料が適している。
触媒活性金属を担体上に設ける方法は一般に重要でなく、多様な方法で行うことができる。この触媒活性金属は、前記担体材料上に、例えば該当する元素の塩又は酸化物の溶液又は懸濁液により含浸し、乾燥し及び引き続き還元剤、有利に水素又は錯体水素化物で前記金属化合物を該当する金属又はより低い酸化数の化合物に還元するにより設けることができる。触媒活性金属を前記の担体上に設けるための他の方法は、支持体を、触媒活性金属の熱により容易に分解可能な塩、例えば硝酸塩又は熱により容易に分解可能な錯化合物、例えばカルボニル錯体又はヒドリド錯体の溶液で含浸し、こうして含浸された支持体を吸着された金属化合物の熱分解のために300〜600℃の範囲の温度に加熱することである。この熱分解は、有利に保護ガス雰囲気下で行われる。適当な保護ガスは、例えば窒素、二酸化炭素、水素又は希ガスである。さらに、この触媒活性金属は、触媒担体上に蒸着又は溶射により堆積させることができる。この担持触媒の触媒活性金属の含有量は、原則として本発明による方法の成功のために重要ではない。一般に、この担持触媒の触媒活性金属の高い含有量は、低い含有量よりもより高い空時収率を生じさせる。一般に担持触媒が使用され、この触媒活性金属の含有量は、前記触媒の全質量に対して0.01〜90質量%の範囲内、有利に0.1〜40質量%の範囲内である。前記含有量数値は、担体材料を含めた全体の触媒に対し、多様な触媒材料は、極めて多様な比重及び比表面積を有するため、前記の数値は本発明による方法の結果に不利に影響することなく不足量又は過剰量であることも考慮される。もちろん、複数の触媒活性金属がそれぞれの担体材料に設けられていてもよい。さらに、前記触媒活性金属は、例えばDE-A 25 19 817, EP-A 1 477 219 A1又はEP-A 0 285 420 A1の方法により担体に設けられていてもよい。前記の文献による触媒中には触媒活性金属は合金として存在し、前記合金は、熱処理及び/又は還元、例えば前記金属の塩又は錯体による担体材料の含浸により製造することができる。
クロム含有触媒の毒性のために、有利にクロム不含の触媒が使用される。もちろん、工業的に、当業者に公知の相応するクロム含有触媒も本発明による方法において使用するために適しているが、それにより環境工学的及び労働的な性質である所望の利点は生じない。
沈殿触媒及び担体触媒の活性化は、反応の開始時にin situでも存在する水素により行うことができる。この触媒はその使用の前に別個に活性化されるのが有利である。
沈殿触媒のための及び担体触媒のための担体材料として、アルミニウム及びチタンの酸化物、に酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、アルミナ、例えばモンモリロナイト、ベントナイト、ケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウム又はケイ酸アルミニウム、ゼオライト、例えば構造タイプZSM−5又はZSM−10又は活性炭を使用することができる。有利な担体材料は、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム及び活性炭である。もちろん、異なる担体材料の混合物も本発明による方法に使用可能な触媒のための担体として利用することができる。金属製の担体も適しており、前記担体上に水素化活性金属が堆積される、例えばCuは、その上に相応する水に溶けた金属塩から、例えばPd、Pt又はRuが堆積される。
特に有利な本発明による触媒は、Fe、Cu、Co、Re、Ni、Pt及び/又はPdを含有する担体触媒であり、その際、特に有利な担体は、活性炭、酸化アルミニウム、二酸化チタン及び/又は二酸化ケイ素又はこれらの混合物である。
本発明により使用可能な不均一系触媒は、有利に固定床触媒として本発明による水素化工程で使用され、その際、前記触媒は有利に破片状の材料として、つまり例えば成形品として、破砕物、リング、タブレット又は押出物の形で使用される。個々の触媒成形品の直径は、0.01〜15mm、有利に0.02〜10mm、特に有利に0.05〜5mmである。
本発明による水素化は、不連続的に又は連続的に、例えば触媒粉粒体で充填された1つ又は複数の反応管中で実施することができ、その際、連続的運転法が有利である。特に、本発明による水素化は、本発明による相分離と一緒に全体のプロセスとして連続的に運転するのが有利である。
この水素化は、少なくとも相分離と同様の圧力及び温度で行われる。圧力及び温度についての基準点はこの場合反応器出口である。例えば、水素化圧力は10〜400bar、有利に50〜350bar、特に有利に75〜300barである。水素化の温度は、20〜370℃、有利に40〜350℃、特に有利に70〜330℃である。
本発明による方法は、次に記載する実施例を用いて詳細に説明するが、これに制限されない。
実施例
実施例1:
油で加熱される二重ジャケット管状反応器(3cmの内径)に、0.1mmのサイズの成形品の形のCu触媒(CuO 60%、Al23 30%、Mn23 10%)3mlを充填した。この触媒をまず窒素/水素混合物で、後に純粋な水素で250℃で250barで活性化した。250℃及び250barで温度調節された螺旋管を介してアジピン酸ジメチルエステル20g/h、ジメチルエーテル180g/h及び出発物質1Molあたり水素10Molを触媒に圧送した。
この水素化搬出物は、270℃の温度を有し、水100g/h(25℃)が供給された後に、冷却された混合区域を通過して、2Lの容量の相分離器中に達した。相分離器中の温度は50℃で、圧力は250barであった。相分離器の約50%の充填レベルで、ジメチルエーテル約90%からなりかつ過剰量の水素の大部分を有する上相を、連続的に水素化反応器中へ返送し、同時に新たなジメチルエーテルの供給量を60g/hに低下させかつ新たな水素の量を出発物質1Molあたり5Molに低下させた。相分離器からの下相は、圧力保持弁を介して連続的に排出され、先行技術により蒸留によって分離された。回収された水は、相分離に返送された。
水素化生成物として、96%の収率で1,6−ヘキサンジオールが得られた。さらに、ダイマーの1,6−ヘキサンジオール2%並びに若干の他の量的にわずかな副生成物が見られた。
比較例1:
実施例1を繰り返すが、水を水素化の後で添加せず、相分離器の温度を冷却により50℃に冷却した。相分離器中では、2つの液相は観察できず、つまり溶剤のジメチルエーテルは、簡単に分離及び返送できなかった。
実施例2:
油で加熱される二重ジャケット管状反応器(3cmの内径)に、0.1mmのサイズの成形品の形のCo/Mn触媒(CuO 32%、Co 58%、Mn23 10%)10mlを充填した。この触媒をまず窒素/水素混合物で、後に純粋な水素で280℃で250barで活性化した。150℃及び250barで温度調節された螺旋管を介してアジピン酸ジニトリル5g/h、n−ブタン95g/h及び出発物質1Molあたり水素15Molを触媒に圧送した。この水素化搬出物は、160℃の温度を有し、水50g/h(25℃)が供給された後に、冷却された混合区域を通過して、2Lの容量の相分離器中に達する。相分離器中の温度は50℃で、圧力は250barである。相分離器の約50%の充填レベルで、n−ブタン約95%以上からなりかつ過剰量の水素の大部分を有する上相を、連続的に水素化反応器中へ返送し、同時に新たなn−ブタンの供給量を1g/hに低下させかつ新たな水素の量を出発物質1Molあたり5Molに低下させた。相分離器からの下相を、圧力保持弁を介して連続的に排出した。極めて少量の水素及びn−ブタンが排出された。残留した生成物は先行技術により蒸留により精製した。回収された水は、相分離に返送される。
水素化生成物として、85%の収率で1,6−ジアミノヘキサンが得られた。さらに、ダイマーの1,6−ジアミノヘキサン5%、1−アザシクロヘプタン3%並びに若干の他の量的にわずかな副生成物が見られた。
比較例2:
実施例2を繰り返すが、水を水素化の後で添加せず、相分離器の温度は冷却により同様に約50℃に冷却された。相分離器中では、2つの液相は観察できず、つまり溶剤のn−ブタンは、簡単には分離できず、返送できなかった。
実施例3:
実施例1に記載された、同じ触媒を有する反応器を使用した。ここで、220℃及び250barで温度調節された螺旋管を介して無水マレイン酸(融液)9g/h、n−ブタン81g/h及び出発物質1Molあたり水素10Molを触媒に圧送した。
この水素化搬出物は、240℃の温度を有し、水100g/h(25℃)が供給された後に、冷却された混合区域を通過して、2Lの容量の相分離器中に達する。相分離器中の温度は50℃で、圧力は250barである。相分離器の約50%の充填レベルで、n−ブタン約95%以上からなりかつ過剰量の水素の大部分を有する上相を、連続的に水素化反応器中へ返送し、同時に新たなn−ブタンの供給量を2g/hに低下させかつ新たな水素の量を出発物質1Molあたり6Molに低下させた。
相分離器からの下相を、圧力保持弁を介して連続的に排出した。極めて少量の水素及びn−ブタンが排出された。残留した生成物は先行技術により蒸留により精製した。回収された水は、相分離器中へ返送される。
水素化生成物として、85%の収率で1,4−ブタンジオールが得られた。さらに、テトラヒドロフラン8%、ガンマ−ブチロラクトン5%並びに若干の他の量的にわずかな副生成物が見られた。
比較例3:
実施例3を繰り返すが、水を水素化の後で添加せず、相分離器の温度は冷却により同様に約50℃に冷却された。相分離器中には2つの液相が認識できたが、生成物相中でのブタンの溶解度が高く、ブタンの大部分は生成物相を介して失われ、ブタン相の返送にもかかわらず安定な平衡の維持のために、新たなブタン50g/hを供給しなければならなかった。

Claims (11)

  1. 圧力50〜350barで行われる接触水素化法により得られる、溶剤を含有する水素化搬出物から溶剤を分離する方法であって、前記溶剤を含有する水素化搬出物が、少なくとも1種のアルコール、ラクトン、エーテル、ラクタム、又はアミノ基を有する水溶性水素化生成物を溶剤中に含有し、前記溶剤が、沸点100℃未満であり、かつ、1〜6個の炭素原子を有する炭化水素、ベンゼン及び8個までの炭素を有するジアルキルエーテルからなる群より選ばれるいずれかである前記方法において、水が前記水素化搬出物に添加され、溶剤を含有する相が分離されて、水素化に返送され、相分離の際の圧力は、その前段階の水素化の圧力と同じ圧力であるか、又は、前記水素化の圧力より最大20barまで低いことを特徴とする、前記方法。
  2. 水溶性水素化生成物は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール及び1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、メチル置換されたガンマ−ブチロラクトン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,5−(ビスヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン,1,12−ドデカンジオール、ピロリドン、N−アルキルピロリドン、C−アルキル化ピロリドン、C−及びN−アルキル化ピロリドン、N−アルキル化モノ−及びジアミン並びにアミノアルコール又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 水溶性水素化生成物は、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン、メチル置換されたガンマ−ブチロラクトン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,5−(ビスヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン、ピロリドン、N−アルキルピロリドン、C−アルキル化されたピロリドン、C−及びN−アルキル化されたピロリドン並びにアミノアルコール又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 水素化の後に、水素化搬出物に対して0.01〜1000質量%の水を添加することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 相分離を水素化搬出温度より低い温度で実施することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 相分離を、水素化搬出温度より5〜250℃低い温度で実施することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 相分離を、水素化搬出温度と同じ温度で実施することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  8. 溶剤は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン及びその異性体、シクロペンタン、ヘキサン及びその異性体、シクロヘキサン、ヘプタン及びその異性体、ベンゼン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチル−イソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチル−イソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、メチル−n−ブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、エチル−n−ブチルエーテル及びエチルイソブチルエーテルからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  9. 溶剤を、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン及びその異性体、ジメチルエーテル及びジエチルエーテルからなる群より選択することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  10. 溶剤対水素化生成物の質量比は、0.1〜1000であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  11. 溶剤を分離する方法を、その前段階の接触水素化と一緒に連続的に運転することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
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