JP5686263B2 - 遠心分離機 - Google Patents

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Description

本発明は、バスケットの回転により生じる遠心力を利用して原液を液分とケーキ(固形物)とに分離する遠心分離機に関するものである。
原液を液分とケーキ(固形物)とに分離する目的で、電動機や油圧モータなどにより回転駆動されるバスケットと、該バスケットの内周に形成されたケーキを掻き取るケーキ掻取装置とを備えた遠心分離機が用いられている。遠心分離機としては、特許文献1に示されているように、バスケットを、その中心軸線を鉛直方向に向けた状態で配置する縦型の遠心分離機と、特許文献2に示されているように、バスケットを、その中心軸線を水平方向又は水平方向に対して僅かに傾斜させた方向に向けた状態で配置する横型の遠心分離機とがある。
縦型の遠心分離機を例にとってその構成を説明すると、バスケットは、液分を透過させる多数の透過孔が形成された円筒形の周壁部と、該周壁部の軸線方向の一端側に設けられた底壁部と、周壁部の軸線方向の他端から径方向の内側に突出するように設けられた環状の端部壁とを備えた籠型の形状に形成されて、ケーシング内に回転自在に支持されている。バスケットの周壁部の内周には、ろ布、金網、多孔板、あるいはこれらを組合せたものからなるフィルタが取り付けられる。
ケーキ掻取装置は、バスケットの軸線と平行に延びるように設けられてバスケットの端部壁の内側の開口部を通してバスケット内に挿入された掻取駆動軸と、バスケット内に配置されて掻取駆動軸に一端が取り付けられた旋回アームと、該旋回アームに取り付けられて旋回アームの旋回に伴って先端がバスケットの端部壁の内周に相応する位置よりも更に径方向の内側に退避した状態になる退避位置と先端がフィルタの手前に設定された最終掻取位置に達した状態になる限界位置との間を旋回させられる掻取刃と、掻取刃の旋回とバスケットの軸線方向に沿った直線移動とを行なわせるように掻取駆動軸を駆動する掻取駆動装置とを備えていて、バスケットを回転させた状態で掻取刃を退避位置から最終掻取位置まで旋回させる動作と掻取刃をバスケットの軸線方向に直線移動させる動作とを行なうことによりフィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る。
この種の遠心分離機では、掻取刃がフィルタに接触してフィルタを損傷するのを防ぐために、掻取刃が最終掻取位置に達したときの掻取刃の先端の位置(限界位置)をフィルタの手前3ないし5mmの位置(掻取刃の先端とフィルタとの間に3ないし5mmの隙間が形成される位置)に設定している。そのため、ケーキを掻き取る工程が終了した段階でフィルタの内周に3ないし5mmの厚みを有するケーキ層が残留することになるのを避けられない。フィルタの真円度を高めて、掻取刃の先端の限界位置をフィルタに近付けることにより、残留するケーキ層の厚みを薄くすることはできるが、残留ケーキ層の厚みを零にすることはできない。フィルタの内周にケーキ層が残留していると、せっかく形成されたケーキが無駄になるだけでなく、フィルタのろ過性能が低下するため、次の固液分離工程で支障を来すことがある。
そこで、特許文献2ないし6に示されているように、残留ケーキを除去するための器具を掻取刃に取り付けて、その器具により残留ケーキを除去する試みが多くなされている。特許文献2には、バスケットの中心軸線と平行な方向に中心軸線を向けた状態で掻取刃に回転自在に支持した回転ブラシを残留ケーキに接触させて、該回転ブラシをバスケットの回転に伴って回転駆動することにより、残留ケーキを除去するようにしたケーキ掻取装置が示されている。特許文献2にはまた、ローラの外周に多数のディスクを傾けた状態で取り付けた掻取ローラを、バスケットの中心軸線と平行な方向に中心軸線を向けた状態で掻取刃に回転自在に支持して、該掻取ローラに取り付けられた多数のディスクを残留ケーキに接触させて回転させることにより、残留ケーキをフィルタから掻き落すようにしたケーキ掻取装置も示されている。
また特許文献3に示されたケーキ掻取装置では、掻取刃に柔軟性を有するへらを取り付けて、このへらにより残留ケーキを剥離させて除去するようにしている。
更に特許文献4に示されたケーキ掻取装置では、残留ケーキに圧縮ガスを吹き付けるノズルを掻取刃の先端に設けて、残留ケーキに圧縮ガスを吹き付けることにより残留ケーキをフィルタから剥離させるようにしている。
また特許文献5に示されたケーキ掻取装置では、回転中心軸線をバスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態で配置された回転自在なディスクを掻取刃に取り付けて、このディスクを残留ケーキに押圧した状態で接触させてバスケットの回転に伴って回転駆動することにより、残留ケーキを螺旋状に切断して、切断の際に生じたケーキの破片を落下させるとともに、切断の切れ目と切れ目との間に残されたケーキを自重により落下させることにより、回収するようにしている。
更に特許文献6に示されたケーキ掻取装置では、バスケットの中心軸線と平行な方向に中心軸線を向けた状態で掻取刃に回転自在に支持された回転軸に、該回転軸の中心軸線に対して傾斜したディスクを取り付けておいて、該ディスクを残留ケーキに接触させてバスケットの回転に伴って複雑な動きをさせることにより、残留ケーキをフィルタから掻き落すようにしている。
特開平7−328484号公報 特開2006−187754号公報 特開平2−26656号公報 特開平10−180143号公報 特開2005−34756号公報 特開2006−181512号公報
特許文献3に示された遠心分離機のように、掻取刃に取り付けたへらにより残留ケーキを掻き取って除去するようにした場合には、へらがフィルタに接触した際にフィルタを損傷することがないようにするために、へらとして十分に柔らかいものを用いる必要があるため、残留ケーキが硬い場合にそれを十分に除去することができないという問題があった。
また特許文献4に示されているように、残留ケーキに圧縮ガスを吹き付けることにより残留ケーキをフィルタから剥離させるようにした場合には、ケーキが乾燥している状態にある場合や、乾燥状態に近い状態にある場合に、圧縮ガスの吹き付けにより剥離させられたケーキがバスケット内で飛散するため、剥離させたケーキを効率よく回収することが難しくなるという問題があった。
また特許文献5に示されたように、バスケットにより駆動されて回転するディスクにより、残留ケーキを螺旋状に切断して、切断の切れ目と切れ目との間に残されたケーキをその自重により落下させるようにした場合には、ディスクが回転するため、フィルタに接触した際にフィルタを損傷させることはないが、ディスクにより切断されずに残されたケーキの除去をその自重による落下に頼るため、残留ケーキのすべてを回収することは難しく、フィルタの内周にケーキが残るのを避けられない。
特許文献2及び6に示されているように、掻取刃に取り付けるディスクを、その回転軸に対して傾斜させておくと、ディスクに複雑な動きをさせて、ケーキを積極的に掻き取ることができるが、このように構成した場合も、フィルタの内周にある程度のケーキが残るのを避けられなかった。特許文献2には、回転ブラシを残留ケーキに接触させて回転させることにより、残留ケーキを除去することも記載されているが、回転ブラシによった場合にも、へらを用いた場合と同様に、残留ケーキが硬い場合にそれを十分に除去することができないという問題があった。
本発明の目的は、掻取刃により掻き取ることができずにバスケットの周壁部の内側のフィルタの内周に残された残留ケーキを、フィルタを損傷することなく、効率よく掻き取って、残留ケーキの大部分を回収することができるようにした遠心分離機及び遠心分離機用ケーキ掻取装置を提供することにある。
本願においては、前記の目的を達成するため、少なくとも第1ないし第23の発明が開示される。
第1の発明は、液分を通過させる透過孔を備えた周壁部を有し、中心軸線を中心にして回転し得るように支持されて回転駆動されるバスケットと、バスケットの周壁部の内側に取り付けられたフィルタと、フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取るケーキ掻取装置とを備えた遠心分離機を対象としたもので、本発明においては、上記ケーキ掻取装置が、バスケット内でバスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動とバスケットの中心軸線と平行な方向に沿った直線運動とを行なうように設けられてフィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る掻取刃と、バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を有する雄ネジ部を外周部に備え、かつ前記バスケット内で前記掻取刃とともに旋回運動と直線運動とを行うように設けられて、前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際に前記バスケットの周壁部側に付勢された状態で前記雄ネジ部の一部がケーキに接触した状態に保持されて前記バスケットにより回転駆動される掻取ローラとを備えているそして、掻取刃は、バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端がフィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときにバスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、掻取ローラは、雄ネジ部がフィルタに接触した状態になる位置まで旋回し得るように設けられる。
上記掻取ローラは、雄ネジ部がフィルタに接触した状態になる位置まで旋回し得るように設けられていればよく、掻取刃によるケーキの掻取を開始すると同時にケーキと接触するように設けられていてもよく、掻取刃によるケーキの掻取がある程度行われた後にケーキに接触するように設けられていてもよい。
上記のように、掻取刃に取り付ける掻取ローラとして外周部に雄ネジ部を備えたローラを用いると、掻取ローラがケーキ層に押付けられた際に掻取ローラのネジ山がケーキ層内にくい込んで、雄ネジ部のネジ山とネジ山との間の溝部にケーキが入り込み、掻取ローラの回転に伴って、傾斜したネジ山から溝部に入り込んだケーキにバスケットの軸線方向に沿った力が加えられため、溝部に入り込んだケーキはケーキ層から容易に剥離させられる。掻取ローラの雄ネジ部のネジ山とネジ山との間の溝部内に入り込んでケーキ層から剥離させられたケーキは、溝部内に保持された状態で、掻取ローラの回転方向の前方側に(ケーキ層から離れる方向に)移送される。掻取ローラのネジ山とネジ山との間の溝部内に保持されて移送されるケーキは、該溝部による拘束が解かれれば容易に落下する状態にあるため、掻取ローラの回転に伴ってケーキ層から離れる位置まで移送されると、バスケット内に容易に落下する。これらの動作が連続的に行われるため、バスケット内のケーキを円滑かつ効率的に除去することができる。掻取ローラは回転自在であって、フィルタに接してもフィルタを損傷することがないため、掻取刃が限界位置に達した後も、掻取ローラを最終的にフィルタに接触する位置まで変位させて残留ケーキを掻き取ることができる。またケーキ層が硬く、掻取ローラをケーキ層に接触させた際に雄ネジ部のネジ山がケーキ層にくい込み難い場合でも、掻取ローラの回転により傾斜したネジ山からケーキにバスケットの軸線方向に沿った力を加えてケーキを削り取ることができるため、ケーキの除去を効率良く行わせることができる。
本願に開示された第2の発明では、ケーキ掻取装置が、バスケットの中心軸線と平行に延びるように設けられてバスケット内に挿入された掻取駆動軸と、掻取駆動軸に対して支持されて、掻取駆動軸の回転に伴ってバスケット内でバスケットの軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動を行い、バスケットの軸線方向に沿った掻取駆動軸の変位に伴ってバスケットの軸線方向に沿った直線運動を行う掻取刃と、掻取刃に前記旋回運動と直線運動とを行なわせるように掻取駆動軸を駆動する掻取駆動装置と、バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を有する雄ネジ部を外周部に備え、かつ掻取刃に対して固定された支持具に回転自在に支持されて、フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際にバスケットの周壁部側に付勢された状態で雄ネジ部がケーキに接触した状態に保持されてバスケットにより回転駆動される掻取ローラとを備えているまた掻取刃は、バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端がフィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときにバスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、掻取ローラは、掻取刃の先端が限界位置に達するまでの間に雄ネジ部がフィルタの内周に形成されたケーキに接して、掻取刃の先端が限界位置に達した後も該雄ネジ部がケーキに接触した状態を保つように設けられる。
上記掻取ローラは、掻取刃に対して一つだけ設けられていてもよく、複数個設けられていてもよい。本願に開示された第3の発明では、掻取ローラが複数個設けられて、該複数の掻取ローラがバスケットの軸線方向に並べて配置されている。
上記の各構成では、掻取刃に、バスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動と、バスケットの中心軸線と平行な方向に沿った直線運動とを行なわせることにより、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る形式の掻取装置を用いているが、本発明は、このような形式の掻取装置を用いる場合に限定されるものではなく、掻取刃にバスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動を行なわせるだけで、ケーキを掻き取る形式の掻取装置を備えた遠心分離機にも本発明を適用することができる。
本願に開示された第4の発明では、ケーキ掻取装置が、バスケット内でバスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動を行なうように設けられて、バスケットの周壁部側に旋回する過程でフィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る掻取刃と、バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を有する雄ネジ部を外周部に備え、かつバスケット内で掻取刃とともに旋回運動を行うように設けられて、フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際にバスケットの周壁部側に付勢された状態で雄ネジ部の一部がケーキに接触した状態に保持されて前記バスケットにより回転駆動される掻取ローラとを備えている
また掻取刃は、バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端が前記フィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときにバスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、掻取ローラは、雄ネジ部がフィルタに接触した状態になる位置まで旋回し得るように設けられている。
本願に開示された第5の発明は、第4の発明に適用されるもので、本発明においては、掻取刃及び掻取ローラが、バスケットの周壁部の内面の軸線方向寸法にほぼ等しい長さを有して、掻取ローラの長手方向の全長に亘って雄ネジ部が設けられる。ここで、「ほぼ等しい長さ」とは、掻取刃及び掻取ローラがバスケットの軸線方向の両端の壁部と干渉することなく旋回するのを妨げない範囲で、バスケットの周壁部の内面の軸線方向寸法に可能な限り近い長さを意味する。
バスケットの周壁部の内面の軸線方向寸法にほぼ等しい長さを有する掻取ローラは、単一のローラ構成部材により構成された一体物でもよいが、複数のローラにより構成されていてもよい。本願に開示された第6の発明では、第4の発明又は第5の発明に適用されるもので、本発明では、掻取ローラが、外周部に雄ネジ部を有してバスケットの軸線方向に並べて配置された複数の単位ローラからなっている。
本願に開示された第7の発明は、第1ないし第6の発明に適用されるもので、本発明では、掻取ローラが、掻取刃にバネを介して支持されていて、掻取ローラがバネによりバスケットの周壁部側に付勢された状態で雄ネジ部がケーキに接触させられるように構成されている。掻取刃を掻取ローラにバネを介して支持しておくと、掻取刃がフィルタの手前の位置に設定された限界位置まで変位して旋回を停止した後もバネの付勢力により掻取ローラを残留ケーキに接触した状態に保つことができるだけでなく、掻取ローラがフィルタに接触しながら転動している状態で、掻取ローラがフィルタに形成された凸部(例えばろ布の縫い目)を乗り越える際に、掻取ローラをバスケットの内径側に変位させて、掻取ローラからフィルタに大きな力が加わるのを防ぐことができるため、フィルタが損傷するのを確実に防ぐことができる。
掻取ローラの外周の雄ネジ部は、以下に示す第8の発明ないし第11の発明のように種々の態様で設けることができる。
本願に開示された第8の発明は、第1ないし第7の発明のいずれかに適用されるもので、本発明においては、雄ネジ部が、掻取ローラの軸線方向の全長に亘って切れ目なく連続的に伸びるように設けられる。
また第9の発明は、第1ないし第7の発明に適用されるもので、本発明においては、雄ネジ部のネジ山の途中に該ネジ山を分断する切り欠き部が設けられて、雄ネジ部のネジ山が複数の部分に区分されている。
第10の発明においては、雄ネジ部が、掻取ローラの軸線方向に並ぶ複数の単位ネジ部により構成される。
また第11の発明は、第1ないし第7の発明に適用されるもので、本発明においては、雄ネジ部は、掻取ローラの中心軸線の周りを螺旋状に伸びるネジ山を複数有して、該複数のネジ山が互いに平行に伸びるように設けられている多重螺旋構造を有している。
掻取ローラの外周に雄ネジ部を設けた場合、雄ネジ部が一方向のネジ(右ネジ又は左ネジのいずれか一方)のみからなっていると、雄ネジ部でケーキを掻き取る過程で、掻取ローラからスラスト方向の推力が生じ、この推力は掻取ローラの両端を支持している支持部材の一方に集中的にかかるため、該一方の支持部材にかかる負担が過大になってその寿命が短くなったり、支持部材の損傷により掻取ローラをスムーズに回転させることができなくなったりするおそれがある。このような問題が生じるのを防ぐため、第12ないし第18の発明が開示される。
第12の発明においては、掻取ローラの外周に設ける雄ネジ部が、中心軸線を共有した状態で掻取ローラの軸線方向に並ぶ第1のネジ部と第2のネジ部とを備えて、第1のネジ部と第2のネジ部とが互いに逆ネジの関係を有するように設けられる。即ち、第1のネジ部を右ネジとする場合には、第2のネジ部を左ネジとし、第1のネジ部を左ネジとする場合には、第2のネジ部を右ネジとする。
上記のように構成しておくと、第1のネジ部により生じる推力の向きと第2のネジ部により生じる推力の向きとが互いに逆になるため、第1のネジ部及び第2のネジ部の長さを等しくして両ネジ部が発生する推力の大きさを等しくしておけば、両ネジ部が発生する推力を相殺して掻取ローラの雄ネジ部全体が発生する推力を零とすることができる。また第1のネジ部と第2のネジ部の長さを異ならせた場合でも、両ネジ部を逆ネジとしない場合に比べて、掻取ローラの雄ネジ部全体が発生する推力を軽減することができる。このように、本発明によれば、掻取ローラの軸線方向の両端を支持する支持部材の一方に偏って大きな力が加わるのを防ぐことができるため、ケーキ掻取装置の寿命を長くすることができるだけでなく、掻取ローラの回転を円滑に行わせることができる。
更に、ケーキ掻取装置の構成に応じて、左ネジとするネジ部の長さと右ネジとするネジ部の長さとを適宜に異ならせることにより、掻取ローラが発生する推力を適当な大きさに調整することもできる。
第13の発明は、第3の発明に適用されるもので、本発明においては、掻取ローラが複数個設けられて、該複数の掻取ローラがバスケットの軸線方向に並べて配置され、複数の掻取ローラのうちの少なくとも一つの掻取ローラの外周に設けられた雄ネジ部が、他の掻取ローラの外周に設けられた雄ネジ部に対して逆ネジの関係を有するように設けられる。
第14の発明は、第3の発明に適用されるもので、本発明では、掻取ローラが偶数個設けられて、該偶数個の掻取ローラがバスケットの軸線方向に並べて配置され、該偶数個の掻取ローラのうちの半数の掻取ローラの外周の雄ネジ部が右ネジとされ、他の半数の掻取ローラの外周の雄ネジ部が左ネジとされる。
第15の発明は第6の発明に適用されるもので、本発明においては、掻取ローラが、外周部に雄ネジ部を有してバスケットの軸線方向に並べて配置された複数の単位ローラからなっていて、該複数の単位ローラのうちの少なくとも一つの単位ローラの外周に設けられた雄ネジ部が、他の単位ローラの外周に設けられた雄ネジ部に対して逆ネジの関係を有するように設けられている。
第16の発明も第6の発明に適用されるもので、本発明においては、掻取ローラが、外周部に雄ネジ部を有してバスケットの軸線方向に並べて配置された偶数個の単位ローラからなっていて、該偶数個の単位ローラのうちの半数の単位ローラの外周の雄ネジ部が右ネジとされ、他の半数の単位ローラの外周の雄ネジ部が左ネジとされる。
第17の発明は、第10の発明に適用されるもので、本発明では、掻取ローラの外周の雄ネジ部が、掻取ローラの軸線方向に並ぶ複数の単位ネジ部からなっていて、複数の単位ネジ部のうちの少なくとも一つが、他の単位ネジ部に対して逆ネジの関係を有するように設けられている。
第18の発明は、第10の発明に適用されるもので、本発明では、掻取ローラの外周の雄ネジ部が、掻取ローラの軸線方向に間隔をあけて並ぶ偶数の単位ネジ部からなっていて、該偶数の単位ネジ部のうちの半数は右ネジであり、他の半数の単位ネジ部は左ネジである。
第19の発明は、第1ないし第18の発明のいずれかに適用されるもので、本発明においては、バスケットが、その中心軸線を鉛直方向に向けた状態で配置される。
第20の発明も第1ないし第18の発明のいずれかに適用されるもので、本発明においては、バスケットが、その中心軸線を水平方向に向けた状態で配置される。
第21の発明は、遠心分離機のバスケットの周壁部の内側に取り付けられたフィルタの内周に形成されたケーキ層からケーキを掻き取るケーキ掻取装置に係るもので、本発明においては、バスケット内でバスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動とバスケットの中心軸線と平行な方向に沿った直線運動とを行なうように設けられてフィルタの内周に形成されたケーキを掻き取掻取刃と、バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を有する雄ネジ部を外周部に備え、かつバスケット内で掻取刃とともに旋回運動と直線運動とを行うように設けられて、フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際にバスケットの周壁部側に付勢された状態で雄ネジ部の一部がケーキに接触した状態に保持されてバスケットにより回転駆動される掻取ローラとが設けられるまた掻取刃は、バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端がフィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときにバスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、掻取ローラは、雄ネジ部が前記フィルタに接触した状態になる位置まで旋回し得るように設けられる。
第22の発明は、遠心分離機のバスケットの周壁部の内側に取り付けられたフィルタの内周に形成されたケーキ層からケーキを掻き取るケーキ掻取装置に係るもので、本発明においては、バスケット内でバスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動を行なうように設けられて、バスケットの周壁部側に旋回する過程でフィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る掻取刃と、バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を有する雄ネジ部を外周部に備え、かつバスケット内で掻取刃とともに旋回運動を行うように設けられて、フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際にバスケットの周壁部側に付勢された状態で雄ネジ部の一部がケーキに接触した状態に保持されてバスケットにより回転駆動される掻取ローラとが設けられる掻取刃は、バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端がフィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときにバスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、掻取ローラは、雄ネジ部がフィルタに接触した状態になる位置まで旋回し得るように設けられる。
第23の発明は、第21の発明又は第22の発明に適用されるもので、本発明においては、掻取ローラの外周の雄ネジ部が、軸線方向に並ぶ第1のネジ部と第2のネジ部とを有し、第1のネジ部及び第2のネジ部は互いに逆ネジの関係を有している。
上記のように、本発明によれば、バスケット内のケーキを掻き取る際にケーキに接触した状態に保持されてバスケットにより回転駆動される掻取ローラとして、外周部に雄ネジ部を備えたローラを用いて、掻取ローラの雄ネジ部のネジ山がバスケットの軸線方向に沿った力をケーキ層に加えることにより行うケーキ剥離動作と、剥離したケーキをネジ山とネジ山との間の溝部内に保持してケーキ層から離れる方向に移送する移送動作とにより、ケーキの掻取を効率よく行わせることができるようにしたので、フィルタの内周に形成されたケーキを、殆ど残すことなく除去して回収することができる。
上記のように、本発明によれば、掻取刃とともにケーキの掻取を行う掻取ローラにケーキを効率よく掻き取る機能を持たせることができるため、フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る工程で、必要に応じて掻取刃と掻取ローラとの双方によりケーキを掻き取るようにすることもでき、ケーキの掻取に要する時間の短縮を図ることもできる。また掻取刃が限界位置まで変位して、掻取刃によるケーキの掻取ができなくなった後は、掻取ローラをフィルタに接する位置まで変位させて、掻取刃により掻き取ることができなかった残留ケーキを掻き取ることができる。
特に、本発明において、掻取ローラの外周に設ける雄ネジ部が、軸線方向に並ぶ第1のネジ部と第2のネジ部とを備えて、第1のネジ部と第2のネジ部とが互いに逆ネジの関係を有するようにした場合には、第1のネジ部により生じる推力の向きと第2のネジ部により生じる推力の向きとを逆向きにして、掻取ローラ全体から生じる推力を軽減するか又は打ち消すことができるため、掻取ローラの両端を支持する支持部材に無理な力が加わるのを防いで、ケーキ掻取装置の寿命を長くすることができる。
掻取ローラを複数個並べて配置して、複数の掻取ローラのうちの少なくとも一つの掻取ローラの外周の雄ネジ部を他の掻取ローラの外周の雄ネジ部に対して逆ネジの関係を有する雄ネジ部とした場合、掻取ローラを軸線方向に並ぶ複数の単位ローラにより構成して、複数の単位ローラのうちの少なくとも一つの単位ローラの外周の雄ネジ部を他の単位ローラの外周の雄ネジ部に対して逆ネジの関係を有する雄ネジ部とした場合、或いは掻取ローラの外周に設ける雄ネジ部を軸線方向に間隔をあけて並ぶ複数の単位ネジ部により構成して、複数の単位ネジ部のうちの少なくとも一つを、他の単位ネジ部に対して逆ネジの関係を有するネジ部とした場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る遠心分離機の第1の実施形態の構成を示した縦断面図である。 図1の実施形態で用いる掻取装置の要部を拡大して示した上面図である。 図1の実施形態で用いる掻取刃と掻取ローラとを拡大して示した正面図である。 図1の実施形態の掻取装置付近を拡大して示した上面図である。 本実施形態で用いる掻取ローラを拡大して示した正面図である。 本発明に係る遠心分離機の第2の実施形態の構成を示した縦断面図である。 図6に示した実施形態で用いる掻取装置の要部を示した上面図である。 図6に示した実施形態で用いる掻取装置の要部を示した正面図である。 図6の実施形態の掻取装置付近を拡大して示した上面図である。 本発明に係る遠心分離機の第3の実施形態の構成を示した縦断面図である。 図10の実施形態の掻取装置付近を拡大して示した上面図である。 本発明に係る遠心分離機の第3の実施形態で用いる掻取装置の変形例を示した正面図である。 本発明に係る遠心分離機で用いる掻取ローラの変形例を示した正面図である。 本発明の第4の実施形態の構成を示した縦断面図である。 本発明の第5の実施形態の構成を示した縦断面図である。 本発明の第6の実施形態を、その側面から見て垂直面に沿って断面して示した縦断面図である。 本発明の第6の実施形態の正面図である。 本発明の第6の実施形態で用いるケーキ掻取装置を示した正面図である。 本発明の第6の実施形態で用いるケーキ掻取装置の構成と動作を説明するための断面図である。 本発明の第6の実施形態で用いるケーキ掻取装置の上面図である。 本発明の第6の実施形態で用いるケーキ掻取装置の右側面図である。 本発明の第6の実施形態で用いるケーキ掻取装置の変形例を示した上面図である。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
先ず図1ないし図5を参照して、本発明の一実施形態に係わる遠心分離機の構成を説明する。図1において、1は円筒状のケーシング本体101と、その上端の開口部を閉じる蓋板102とを備えたケーシング、2はケーシング1内に配置されて回転自在に支持された籠型のバスケットである。ケーシング1は、ショックアブソーバを備えた支持装置103により、ケーシング本体101の中心軸線を垂直方向に向けた状態で支持されている。ケーシングの蓋板102は、ヒンジ105により開閉し得るようになっている。
バスケット2は、液分を通過させるための多数の透過孔(図示せず。)を有する円筒状の周壁部201と、該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部202と、周壁部201の軸線方向の他端から径方向の内側に突出するように設けられた環状の端板203とを備えていて、端板203の内周部がバスケットの開口部2aとなっている。バスケット2の底壁部202には、ケーキ排出口205が形成され、ケーキ排出口205の周壁部205aに、放射状に設けられた複数のリブ206を介して回転軸207の下端が連結されている。バスケット2は、その軸線をケーシング1の軸線に一致させ、かつ開口部2aをケーシング1の蓋板102側に向けた状態でケーシング1内に配置され、その底壁部202に接続された回転軸207が、ケーシング1の蓋板102に固定された軸受装置3により回転自在に支持されている。従ってバスケット2は、垂直方向に延びる中心軸線の回りを自在に回転することができる。バスケット2の周壁部201の内周には、ろ布、金網、多孔板などからなるフィルタ4(図4参照)が適宜の手段により固定されている。
ケーシング1の蓋板102に電動機5が取り付けられ、電動機5の回転軸がバスケット2の回転軸207に連結されている。電動機5によりバスケット2を回転駆動するバスケット駆動装置が構成されている。
遠心分離機にはまた、バスケット2の周壁部の内側に取り付けられたフィルタ4の内周に形成されたケーキCを掻き取るケーキ掻取装置8が設けられている。図2ないし図4にも示されているように、ケーキ掻取装置8は、バスケット2の端部壁203の内側の開口部2aを通してバスケット内に挿入された掻取駆動軸801と、バスケット2内に配置されて掻取駆動軸801に一端(後端部)が取り付けられた旋回アーム802と、旋回アーム802の他端(先端)に取り付けられた第1の掻取刃803と、第1の掻取刃803の手前に位置させて旋回アーム802に取り付けられた第2の掻取刃804と、回転中心軸線をバスケッ2トの中心軸線と平行な方向に向けた状態で掻取刃803に回転自在に支持されてバスケット内で掻取刃とともに旋回運動と直線運動とを行う掻取ローラ805と、掻取刃803,804及び掻取ローラ805の旋回とバスケット2の軸線方向に沿った直線運動とを行なわせるように掻取駆動軸801を駆動する掻取駆動装置810とを備えている。後で詳述するが、掻取ローラ805は、フィルタ4の内周に形成されたケーキを掻き取る際にバスケット2の周壁部201側に付勢されることによりケーキに接触した状態を保持して、バスケット2により回転駆動される。
ケーキ掻取装置8は、掻取駆動装置810をケーシング外に位置させた状態でケーシングの蓋板102に支持されていて、蓋板102が閉じられる際に掻取駆動軸801、旋回アーム802、掻取刃803,804及び掻取ローラ805がバスケット2内に挿入されるようになっている。ケーシングの蓋板102が閉じられた状態にあるときに、掻取駆動軸801がバスケットの中心軸線と平行な方向に延び、旋回アーム802がバスケット2の中心軸線と直交する方向(バスケットの径方向)に延びるように、掻取駆動軸801及び旋回アーム802が設けられている。
掻取駆動装置810は、モータ811と、該モータの回転を直線運動に変換して掻取駆動軸801に伝達する伝達機構812とを備えて、掻取駆動軸801をバスケットの軸線方向(本実施形態では図1の上下方向)に駆動する軸線方向駆動装置813と、モータ814と該モータの回転を掻取駆動軸801の軸線を中心とした回転に変換して掻取駆動軸801に伝達する伝達機構(図示せず。)とを備えて掻取駆動軸801をその中心軸線の回りに回転させることによりバスケット内で旋回アーム802を所定の範囲で旋回させる旋回駆動機構816とからなっている。掻取駆動軸801のケーシング内に配置される部分を覆うように、掻取駆動軸801の直線変位に追従して伸縮するシール用のベローズ817が設けられていて、このベローズにより、バスケット内で生じるミストや粉塵等が掻取駆動装置810側に侵入するのが防止されている。
掻取刃803、804は、旋回アーム802の旋回に伴って、掻取刃803の先端803aがバスケット2の端部壁の内周(開口部2a)に相応する位置よりも更に径方向の内側に退避した状態になる退避位置(図4に鎖線802′,803′で示した位置)と、図4に実線で示されたように、外側の(第1の)掻取刃803の先端803aがバスケット2の周壁部201の内周に取り付けられたフィルタ4の手前の限界位置(フィルタ4との間に3〜5mm程度の隙間を隔てた状態になる位置)に達した状態になる最終掻取位置との間を旋回させられる。掻取刃803、804は、バスケット2の周壁部側に旋回する過程でその先端がフィルタ4の手前の位置に設定された限界位置に達したときに図示しないストッパに当接してバスケットの周壁部201側への旋回運動を停止する。後述するが、掻取ローラ805は、掻取刃803、804が限界位置に達して旋回運動を停止した後もケーキと接触した状態を保持して最終的にフィルタ4に接する位置まで変位し得るように設けられている。
掻取刃803,804はまた、バスケット2の軸線方向に沿った掻取駆動軸801の直線運動に伴って、バスケット2の端部壁203に近接した状態になる初期位置(図1に示された位置)と、バスケットの底壁部202に近接した状態になる最終位置との間をバスケットの軸線方向に沿って直線移動させられる。
ケーシング1にはまた、バスケット2の開口部2aを通してバスケット2内に挿入されて、バスケット2内に原液を供給する給液パイプ等が取り付けられるが、これらの図示は省略されている。ケーシング1内の下部には、底壁部110が設けられ、底壁部110の中央部に、バスケット2のケーキ排出口205の周壁部205aを隙間を介して同心的に取り囲むケーキ案内ダクト111が取り付けられている。ダクト111とケーシングの周壁部101との間に、固液分離処理を行う際にバスケット2から排出された液分を受ける溝部112が形成されている。溝部112内に落下した液分は、ケーシング1の底壁部110に接続された排液管113を通して外部に排出される。
図示の遠心分離機を用いて原液を液分とケーキとに分離する処理を行なう際には、先ずバスケット2を所定の給液速度で回転させて、図示しない給液パイプを通してバスケット2内に原液を供給する給液工程を行う。次いでバスケット2を高速回転させることにより、原液を液分とケーキとに分離する固液分離工程を行って、原液中の液分をバスケット2の内周に配置されたフィルタ4とバスケット2の周壁部201に設けられた透過孔とを通してバスケット2外に排出させる。給液工程と固液分離工程とを繰り返すことによりフィルタ4の内周にケーキ層C(図1参照)を形成していく。フィルタの内周に形成されたケーキ層Cの厚みが所定値を超えたときに固液分離工程を終了し、次いで図示しない洗浄液供給装置から回転しているバスケット2内のケーキ層に洗浄液(通常は清水)を供給してケーキを洗浄するケーキ洗浄工程を行う。
ケーキ洗浄工程が終了した後、バスケットを所定時間高速回転させて遠心脱水を行うことによりケーキ中の水分を除去する。次いで必要に応じてバスケット内のケーキを乾燥させるケーキ乾燥工程を行った後、掻取装置8を用いてケーキ掻取工程を行う。
本実施形態で用いている掻取装置8は、掻取刃803,804及び掻取ローラ805に、バスケット2の軸線と平行な旋回中心軸線を中心とした旋回運動と、バスケットの軸線方向に沿った直線運動との2つの運動を行わせることによりバスケット内のケーキCを掻き取る。このような形式の掻取装置は、2モーションタイプの掻取装置と呼ばれる。
ケーキ掻取工程では、バスケットを80rpm程度の低速の掻取時回転速度で回転させた状態で、掻取駆動軸801を回転させて、掻取刃803,804をバスケット2の開口部2a寄りの軸線方向の限界位置に設定した初期位置からバスケットの外径側に旋回させることにより、掻取刃803,804をフィルタ4(図4参照)の内周に形成されたケーキ層C中に進入させながらケーキを掻き落とす進入掻落し動作を行わせる。掻取刃803の先端803aがバスケット2の内周に配置されたフィルタ4に限界まで近接した状態になる最終掻取位置に達したときに掻取刃803の旋回動作を停止させる。次いで、最終掻取位置にある掻取刃803,804をバスケット2の底壁部202側に向けて下降させながらケーキを掻き落とす下降掻落し動作を行わせ、掻取刃803,804がバスケット2の底壁部に近接した状態になる最終位置に達したところで掻取刃803、804をバスケットの内径側に旋回させて引き戻す旋回引き戻し動作を行わせる。次いで、掻取刃803,804を上昇させてバスケット2の開口部2a側の初期位置に引き戻す上昇引き戻し動作を行わせる。
上記のように、掻取刃803,804が最終掻取位置まで旋回した状態では、図4に示されているように、外側の掻取刃803の先端803aがフィルタ4との間に間隔を隔てた状態にあるため、掻取刃803,804だけでは、フィルタ4の内周に形成されたケーキをすべて掻き取ることはできず、フィルタ4の内周には掻取刃803が最終掻取位置にあるときの掻取刃の先端とフィルタ4との間の距離に相当する厚みを有する残留ケーキC′が残されることになる。このようにフィルタ4の内周に残留ケーキC′が残されていると、次の固液分離工程を行なう際にフィルタのろ過性能が低下するため好ましくない。掻取工程が終了する毎に、毎回残留ケーキC′を洗浄により除去する工程を行なうことも考えられるが、残留ケーキも製品の一部となり得るものであるため、残留ケーキを回収しないで洗い流すのは好ましくない。
そこで、本実施形態においては、残留ケーキC′を回収するために、ケーキ掻取時に掻取刃803,804よりもバスケット2のケーキ掻取時の回転方向(図4の矢印CW方向)の前方側でフィルタ4に向う方向への変位とフィルタ4から離れる方向への変位とが許容された状態でバスケット2の軸線と平行な方向に延びる回転中心軸線O1−O1(図1参照)を中心に自在に回転する掻取ローラ805を設けている。図示の例では、掻取ローラ805が、バスケットの軸線方向に間隔を開けた状態で2個設けられていて、これらの掻取ローラが、掻取刃803,804に対して回転自在に支持されている。
図示の例では、外側の掻取刃803に、U字形ないしはJ字形に折り返された形状を有する板バネ820(図2及び図3参照)を介して円筒状の軸支持部材821が支持され、軸支持部材820内に軸受けを介して回転自在に支持された軸822の一端及び他端にそれぞれ掻取ローラ805、805が取り付けられている。
図示の掻取ローラ805は、中心軸線O1−O1の周りを螺旋状に伸びるネジ山805a1を有する雄ネジ部805aを円柱体805bの外周部に備えていて、フィルタ4の内周に形成されたケーキ層Cからケーキを掻き取る際に雄ネジ部805aが、板バネ820によりバスケットの周壁部側に付勢された状態で、ケーキ層Cに接触させられる。
前述のように、掻取刃803,804は、バスケット2の周壁部201側に旋回する過程で、外側の掻取刃803の先端803aがフィルタ4の手前の位置に設定された限界位置(最終掻取位置)に達したときにバスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられている。
これに対し、掻取ローラ805は、掻取刃803の先端803aが限界位置に達するまでの間にそれぞれの雄ネジ部805aがフィルタの内周に形成されたケーキ層Cに接して、掻取刃803の先端803aが限界位置に達して掻取ローラが停止した後も、掻取ローラ805の雄ネジ部805が板バネ820の付勢力により、ケーキ層に接触した状態を保って、最終的には図4に実線で示したように雄ネジ部805aがフィルタ4に接触する位置に達するように、板バネ820の寸法及び取付け位置と、各掻取ローラ805の半径とが設定されている。
上記のように、掻取ローラ805は、掻取刃803の先端803aが限界位置に達するまでの間にその雄ネジ部805aがフィルタ4の内周に形成されたケーキ層Cに接するように設ければよいが、本実施形態で用いる掻取ローラ805は、ケーキCを効率よく掻き取る機能を有するため、掻取ローラ805を残留ケーキの除去のみを目的として用いるのではなく、掻取刃803,804によりケーキを掻き取るケーキ掻取工程の初期の段階からケーキ層Cに接触するように掻取ローラ805を設けて、ケーキ掻取工程において、掻取刃803,804と掻取ローラ805との双方により同時並行的にケーキを掻き取るようにするのが好ましい。
図3及び図5に示されているように、各掻取ローラ805の雄ネジ部805aは、各掻取ローラの軸線方向の全長に亘って連続的に伸びるように設けられ、雄ネジ部805aのネジ山21a1の外縁部にはエッジ部e(図3参照)が形成されている。
また図示の例では、掻取刃803の下部に、掻取刃803,804及び掻取ローラ805,805により掻き落されてバスケット2の底壁部202の上に落下したケーキをケーキ排出口205側に移動させるように案内する、湾曲した帯板状の案内羽30が取付けられている。掻取刃803,804及び掻取ローラ805により掻き取られたケーキをケーキ排出口205から排出させる際には、案内羽30を下降させて、バスケットの底壁部に近接した位置に位置させ、バスケット2の回転に伴って移動させられるバスケットの底壁部上のケーキを、案内羽30に沿って排出口205側に移動させる。
掻取ローラ805の外周に設ける雄ネジは、右ネジでも左ネジでもよいが、本実施形態では、雄ネジ21aが左ネジの形で(雄ネジ部を横から見た場合に、ネジ山が左上がりに傾斜した形に見えるように)設けられている。
上記のように、外周に雄ネジ部が形成された掻取ローラをバスケット内のケーキに接触させて、バスケットの回転に伴って回転させると、掻取刃に回転自在に支持したディスクをケーキに接触させた状態を保ってバスケットの回転に伴って回転させるように構成された従来の掻取装置を用いた場合に比べて、はるかに円滑かつ効率的にケーキを掻き取ることができ、最終的にフィルタに付着した状態で残るケーキの量を、従来の掻取装置を用いた場合に比べて大幅に少なくすることができることが実験により確認された。外周に雄ネジ部を有する掻取ローラを用いるとケーキを効率よく掻き取ることができる理由は、下記の通りであると考えられる。
即ち、外周部に雄ネジ部を備えた掻取ローラ805,805を掻取刃803にバネを介して取付けて、掻取刃803,804によりケーキCを掻き取る際に、掻取ローラ805,805を板バネ820によりバスケットの周壁部201側に付勢した状態で、ケーキCに接触させる(押付ける)と、掻取ローラ805,805の回転に伴って、それぞれの傾斜したネジ山805a1からケーキ層Cにバスケットの軸線方向に沿った力f(図5参照)を加えることができるため、ケーキ層からケーキを容易に掻き落とすことができる。また掻取ローラ805,805がケーキ層Cに押付けられると、掻取ローラのネジ山805a1がケーキ層内にくい込み、隣り合うネジ山805a1,805a1の間の溝部805a2にケーキが入り込む。溝部805a2に入り込んだケーキには、掻取ローラの回転に伴って、傾斜したネジ山からバスケットの軸線方向に沿った力f′(図5参照)が加えられる。そのため、溝部に入り込んだケーキはフィルタ4の内周に形成されたケーキ層Cから容易に剥離させられる。掻取ローラ805,805の雄ネジ部のネジ山とネジ山との間の溝部805a2内に入り込んでケーキ層から剥離させられたケーキは、溝部805a2内に保持された状態で、掻取ローラの回転方向の前方側に運ばれる。掻取ローラのネジ山とネジ山との間の溝部805a2内に保持されて運ばれるケーキは、該溝部による拘束が解かれれば容易に落下する状態にあるため、掻取ローラの回転に伴って、剥離されたケーキを保持していた溝部がケーキ層Cから離れると、バスケット内に容易に落下する。
掻取ローラ805,805の回転とバスケット2の軸線方向への掻取ローラの変位とに伴って、これらの動作が連続的に行われるため、バスケット内のケーキを円滑かつ効率的に掻き落とすことができる。掻取ローラ805,805は回転自在であって、フィルタ4に接してもフィルタを損傷することがないため、掻取刃803,804が限界位置に達した後も、掻取ローラ805,805を最終的にフィルタ4に接触する位置まで変位させて残留ケーキを掻き取ることができる。またフィルタの内周にケーキの一部が付着した状態で残ったとしても、掻取ローラをフィルタに接触させて回転させながらバスケットの軸線方向に移動させることにより、該ケーキを雄ネジ部のネジ山による掻取動作と移送動作とによりフィルタから強制的に離脱させることができるため、フィルタの内周に殆どケーキを残すことなく、残留ケーキの回収を行うことができる。
上記の実施形態のように、バスケット2が上から見て時計方向に回転する場合に、掻取ローラ805の外周に設ける雄ネジ部を左ネジとすると、掻取ローラの下方への変位に伴って、掻取ローラのネジ山の下面がケーキを掻き落すとともに、掻取ローラの回転に伴って、ネジ山が、ネジ山とネジ山との間のケーキを上方に押し上げて移送する。このように構成しておくと、掻取ローラがケーキに異なる方向の力を加えることになるので、ケーキ層からのケーキの剥離を容易にすることができる。バスケットが上から見て反時計方向に回転する場合にこのような効果を得るためには、掻取ローラ805の外周に設ける雄ネジ部を右ネジとすればよい。
なお掻取ローラの外周に設ける雄ネジ部を上記と逆に設けた場合には、掻取ローラの下方への変位に伴って、掻取ローラのネジ山の下面がケーキを掻き落すとともに、掻取ローラの回転に伴って、ネジ山とネジ山との間に受入れられたケーキが下方に移送されることになる。このように構成した場合にも、雄ネジ部のネジ山によるケーキの掻取動作と、雄ネジ部のネジ山によるケーキの剥離,移送動作との双方により効率よくケーキを掻き取ることができる。
上記の実施形態では、掻取刃803に上下に(バスケットの軸線方向に)間隔を開けて2個の掻取ローラを取り付けたが、上下に間隔とあけて2個以上の掻取ローラを取り付けるようにしてもよい。また図6ないし図9に示したように、バスケット2の軸線方向に沿って掻取刃803のほぼ全長に亘って伸びる1個の掻取ローラ805だけを掻取刃803に取り付けるようにしてもよい。
図6ないし図9に示した実施形態では、掻取刃803にU字形に折り返された板バネ820を介してローラ支持金具825が取り付けられている。ローラ支持金具825は、バスケットの軸線方向に相対する一対の支持腕825a,825aを両端に有し、これらの支持腕に両端が支持された軸(図示せず。)が掻取ローラ805の軸心部に設けられた貫通孔に嵌合されることにより、掻取ローラ805が回転自在に支持されている。掻取ローラ805は、その外周に中心軸線の周りを螺旋状に伸びるネジ山805a1を有する雄ネジ部805aを備えたもので、掻取刃803のほぼ全長に亘る長さを有している点を除き、図1ないし図5に示した実施形態で用いた掻取ローラ805と同様に形成されている。図6ないし図9に示した実施形態の、掻取ローラ805以外の部分の構成は、図1ないし図5に示した実施形態と同様である。
上記の各実施形態では、バスケットの周壁部の内面の軸線方向寸法(バスケットの軸線方向に測った寸法)よりも短い長さを有する掻取刃を用いて、該掻取刃に、バスケットの軸線と平行な旋回軸を中心とした旋回運動と、バスケットの軸線方向に沿った直線運動との2つの運動を行わせることによりバスケット内のケーキを掻き取るようにした2モーションタイプの掻取装置を用いているが、掻取刃にバスケットの軸線方向に沿った直線運動を行わせることなく、バスケットの軸線と平行な旋回軸を中心とした旋回運動を行わせるだけでケーキを掻き取る1モーションタイプの掻取装置を用いる遠心分離機にも本発明を適用することができる。
図10及び図11は、1モーションタイプの掻取装置を用いた遠心分離機に本発明を適用した実施形態を示したものである。この例では、掻取駆動軸801に一端が取り付けられた旋回アーム802の他端に、全体が長方形の板状をなす一つの掻取刃830が取り付けられ、この掻取刃830に掻取ローラ805が回転自在に支持されている。
本実施形態では、掻取刃830をバスケット2の周壁部側に旋回させるだけでバスケット内のケーキを掻き取るため、バスケット2の軸線方向に測った掻取刃830の長さ寸法が、バスケット2の周壁部201の内周面の軸線方向寸法にほぼ等しく設定されている。ケーキを残すことなく掻き取るためには、掻取刃830の長さを、バスケットの周壁部201の内周面の軸線方向寸法(バスケットの底壁部202と端部壁203との間の間隔)に等しくすることが好ましいが、実際には、掻取刃がバスケット内で旋回するのを許容するために、掻取刃830とバスケットの底壁部202及び端部壁203との間に若干のクリアランスを確保しておく必要がある。本明細書では、上記クリアランスを確保することを許容しつつ、掻取刃830の長さをできるだけだけバスケットの周壁部201の内周面の軸線方向寸法に近づけるという意味で、掻取刃830の長さをバスケットの周壁部201の内周面の軸線方向寸法に「ほぼ等しく」設定すると言っている。即ち、掻取刃830の長さ寸法は、バスケットの周壁部の内周面の軸線方向寸法(バスケットの底壁部202と端部壁203との間の最小距離)から、掻取刃830の旋回を許容するために掻取刃830の長手方向の両端とバスケットの底壁部及び端部壁との間に設けるクリアランスの合計値を差し引いた寸法に設定される。
掻取刃830は、その長手方向をバスケットの軸線と平行な方向に向けた状態で設けられ、その幅方向の一端(先端)830aにケーキを掻き取るための刃部を有している。図示の例では、旋回アーム802の先端に、長手方向をバスケットの軸線方向と平行な方向に向けた長方形の掻取刃取付け板831が溶接され、この掻取刃取付け板831に溶接されて掻取刃830を貫通したスタッドボルト832と、該スタッドボルトに螺合されたナット833とにより、掻取刃830が掻取刃取付け板831に締結されている。
掻取刃830の旋回アーム802と反対側の面には、該掻取刃830の長手方向の両端に位置させて、一対の軸支持部材835,835が固定され、バスケットの軸線と平行な方向に伸びる回転軸836の両端が軸支持部材835,835により回転自在に支持されている。回転軸836には、バスケットの軸線と平行な方向に伸びる掻取ローラ支持板838の幅方向の一端が溶接等により固定され、掻取ローラ支持板838が回転軸836と軸支持部材835,835とを介して掻取刃830に対して回動自在に支持されている。掻取ローラ支持板838は掻取刃830の先端から離れるに従って掻取刃830から離れていくように傾斜した一定長さの傾斜板部838aと、傾斜板部838aの先端から掻取刃830の後端部側に延びる支持板部838bとを一体に有し、支持板部838bの掻取刃830と反対側の面の長手方向の両端に一対の掻取ローラ支持ブラケット839,839が固定されている。掻取ローラ支持板838の支持板部838bは、後記する掻取ローラに力が加わっていないときに、掻取刃830とほぼ平行に延びるように設けられている。
掻取ローラ805は、掻取刃830とほぼ等しい長さを有する円柱体の外周部に、その中心軸線の回りを螺旋状に伸びるネジ山を有する雄ネジ部を形成した単一のローラからなっている。残留ケーキを残すことなく掻き取るためには、掻取ローラ805の軸線方向寸法(長さ寸法)を掻取刃830の長さ寸法に等しく設定することが好ましいが、掻取ローラ805を掻取刃830に支持するためには、掻取ローラ805の両端にブラケット839,839のような支持具を設ける必要があるため、掻取ローラの軸線方向寸法は、これらの支持具の厚み寸法の合計値分だけ、掻取刃830の長さ寸法よりも短く設定される。
本実施形態では、掻取ローラ805の軸心部を回転自在に貫通させてローラ支持軸(図示せず。)が設けられ、このローラ支持軸の両端がブラケット839,839に固定されることにより、掻取ローラ805が掻取刃830に対して回転自在に支持されている。
なお本実施形態では、掻取ローラ805の軸心部を回転自在に貫通させたローラ支持軸の両端をブラケット839,839に固定することにより、掻取ローラ805を掻取刃830に対して回転自在に支持しているが、掻取ローラ805の軸心部の固定したローラ支持軸の両端をブラケット839,839に軸受けを介して回転自在に支持することにより掻取ローラ805を掻取刃830に対して回転自在に支持するようにしてもよい。
掻取ローラ805を支持した掻取ローラ支持板838の支持板部838bと掻取刃830との間に、掻取刃830の長手方向に並べて配置された複数のコイルスプリング840が配設され、これらのコイルスプリングにより掻取刃830と掻取ローラ支持板838とが結合されている。コイルスプリング840は、掻取刃830が最終掻取位置に達して停止した後も掻取ローラ805をケーキに接触させた状態に保って、掻取ローラ805をフィルタ4に接触させる位置まで変位させるためと、掻取ローラ805がケーキを掻き取る際にケーキまたはフィルタから掻取ローラ805に加わる過度な力を吸収するために設けられている。
掻取刃830及び掻取ローラ805を旋回させるため、掻取駆動軸801を駆動する掻取駆動装置810がケーシング1の蓋板102に取り付けられている。本実施形態で用いる掻取駆動装置810は、モータ814と、モータ814の回転を減速して掻取駆動軸801に伝達する減速機815とからなっている。
バスケット2の底壁部202寄りに位置する掻取刃830の端部には、掻取刃830及び掻取ローラ805により掻き落されてバスケット2の底壁部202の上に落下したケーキをケーキ排出口205側に移動させるように案内する、湾曲した帯板状の案内羽30が取付けられている。
掻取刃830は、旋回アーム802の旋回に伴って、掻取刃830の先端830aがバスケット2の端部壁の内周(開口部2a)に相応する位置よりも更に径方向の内側に退避した状態になる退避位置と、掻取刃830の先端830aがバスケット2の周壁部201の内周に取り付けられたフィルタ4の手前の限界位置(フィルタ4との間に3〜5mm程度の隙間を隔てた状態になる位置)に達した状態になる最終掻取位置との間を旋回させられる。
これに対して掻取ローラ805は、掻取刃830の先端830aが限界位置に達するまでの間にその雄ネジ部805aがフィルタの内周に形成されたケーキ層Cに接して、掻取刃830の先端830aが限界位置に達して掻取ローラが停止した後も、コイルスプリング840の付勢力により、雄ネジ部805aがケーキ層に接触した状態を保って、最終的に雄ネジ部805aがフィルタ4に接触する位置に達するように設けられている。
図10及び図11に示した実施形態において、バスケット内に形成されたケーキを掻き取る際には、バスケットを80rpm程度の低速の掻取時回転速度で回転させた状態で、掻取駆動装置810により掻取駆動軸801を回転させて、掻取刃830及び掻取ローラ805にバスケット2の軸線と平行な旋回中心軸線を中心とした旋回運動を行わせ、掻取刃830を退避位置からバスケットの周壁部201側に旋回させる。これにより、掻取刃830をケーキ中に進入させてケーキを掻き落とし、掻取刃830が最終掻取位置に達したときに掻取駆動軸801の回転を停止させて掻取刃830を停止させる。また掻取刃とともに掻取ローラ805を旋回させて、その雄ネジ部805aをケーキに接触させることにより、掻取ローラ805を回転させ、この掻取ローラの回転によりケーキを掻き落とす。掻取ローラ805は、掻取刃830が最終掻取位置に達してその旋回を停止した後も、バスケットの周壁部側への変位を続け、最終的にフィルタ4に接する位置まで変位して、掻取刃830により掻き取ることができなかった残留ケーキを掻き落とす。
本実施形態によれば、掻取刃及び掻取ローラをバスケットの周壁部側に変位させるだけでバスケット内のすべてのケーキを掻き取ることができ、掻取駆動軸にバスケットの軸線方向に沿った動きをさせる必要がないため、掻取駆動装置の構成を簡単にすることができる。
図10及び図11に示した実施形態では、掻取刃830の長さにほぼ等しい長さを有する掻取ローラ805を単一のローラにより構成したが、掻取ローラを、バスケットの軸線方向に並ぶ複数の単位ローラ(外周に雄ネジ部が形成されたローラ)に分割して、該複数の単位ローラを並べることにより、掻取ローラ805を構成するようにしても良い。この場合、複数の単位ローラはそれぞれが自在に回転し得るように設けておくことが好ましい。
上記の各実施形態において、雄ねじ部のネジ山をケーキ内に容易に食い込ませるためには、上記ネジ山を、内周側から外周側に向うに従って厚みが薄くなっていくようにテーパが付けられた形状に形成しておくことが好ましい。この場合、ネジ山の外縁部は、フィルタ4の損傷を防ぐために、尖鋭な刃を形成しない形(例えば先端に僅かに丸みがついた形)に形成しておくことが好ましい。
上記のように、掻取ローラの雄ネジ部のネジ山を、内周側から外周側に向うに従って厚みが薄くなる形状に形成しておくと、雄ネジ部のネジ山をケーキ内にくい込ませやすくすることができるため、掻取ローラによるケーキの掻取を円滑かつ効率よく行わせることができる。また掻取ローラの雄ネジ部の外縁のエッジ部を、尖鋭な刃を形成しない形状に形成しておくと、掻取ローラがフィルタを損傷するおそれをなくすことができる。
掻取ローラが一度に掻き取るケーキの量をできるだけ多くするためには、上記雄ネジ部を、掻取ローラの軸線方向の全長に亘って伸びるように設けることが好ましい。しかしながら本発明はこのように雄ネジ部を設ける場合に限定されるものではなく、ケーキを掻き取る際にバスケットにかかる負荷を軽減するために、雄ネジ部を、掻取ローラの軸線方向に間隔をあけて並ぶ複数の単位ネジ部により構成することもできる。この場合各単位ネジ部は少なくとも2ターン以上のネジ山を有していることが望ましい。
また掻取ローラの軸線方向の全長に亘って雄ネジ部805aを設ける場合、該雄ネジ部は必ずしもその全体が連続している必要はなく、例えば図12に示したように、掻取ローラ805の軸線方向の全長に亘って設けた雄ネジ部805aのネジ山805a1の途中に少なくとも一つの切り欠き805a3を設けることにより、雄ネジ部805aを不連続に設けて、雄ネジ部805aを複数の部分に区分(分割)するようにしてもよい。
雄ネジ部が複数の単位ネジ部により構成されている場合や、複数の部分に区分されている場合でも、雄ネジ部のネジ山をケーキ層内にくい込ませてネジ山からケーキにバスケットの軸線方向に沿った力を加えることによりケーキを強制的に剥離させる剥離動作と、剥離したケーキをネジ山とネジ山との間に保持してケーキ層から離れる位置まで移送する移送動作とを行わせることができることに変わりはないので、ケーキの掻取動作を効率良く行わせることができる。
図12に示した例では、複数(図示の例では3個)の切り欠き805a3がローラの軸線方向に整列させて設けられているが、雄ネジ部のネジ山を複数の切り欠き805a3により複数の部分に区分する場合、該複数の切り欠きをローラの軸線方向に整列させないように設けるようにしてもよい。
更に図13に示すように、掻取ローラ805のほぼ全長に亘るように設けられた雄ネジ部805aのネジ山805a1の各ターン毎に切り欠き805a3を設けて、雄ネジ部805aを複数の部分(ほぼ1ターンのネジ山を形成する部分)に区分するようにしてもよい。
また掻取ローラに設ける雄ネジ部は、掻取ローラの中心軸線の周りを螺旋状に伸びるネジ山を複数有して、該複数のネジ山が互いに平行に伸びるように設けられている多重螺旋構造を有していてもよい。このように、雄ネジ部を多重螺旋構造とした場合でも、雄ネジ部のネジ山をケーキ層内にくい込ませてネジ山からケーキにバスケットの軸線方向に沿った力を加えることによりケーキを強制的に剥離させる剥離動作と、剥離したケーキをネジ山とネジ山との間に保持してケーキ層から離れる位置まで移送する移送動作とを行わせることができるため、ケーキの掻取動作を効率良く行わせることができる。
上記の各実施形態では、バスケットの底壁部にケーキの排出口を設けるタイプの遠心分離機に本発明を適用したが、バスケットの底壁部にケーキの排出口を設けずに、バスケットの開口部からバスケット内に挿入した吸引パイプやスクリューコンベアなどのケーキ排出手段により掻き取られたケーキを外部に排出するタイプの遠心分離機にも本発明を適用することができる。この場合、案内羽30は不要である。
図10及び図11に示した実施形態では、掻取ローラ805を回動自在な掻取ローラ支持板838を介して掻取刃830に支持して、掻取ローラ支持板838をコイルスプリング840により付勢することにより、掻取ローラ805をバスケットの周壁部側に付勢するようにしているが、掻取ローラ805の支持の仕方は図10及び図11に示した例に限定されない。例えば、図1ないし図4に示した実施形態と同様に、掻取刃830に板バネを介してローラ支持部材を支持して、このローラ支持部材に取り付けたブラケットに、掻取ローラ805を貫通した軸の両端を支持する構造を採用することもできる。
上記の各実施形態では、掻取ローラの外周の雄ネジ部が一方向のネジ(右ネジ又は左ネジのいずれか一方)のみからなっている。このように構成されていると、雄ネジ部でケーキを掻き取る過程で、掻取ローラからスラスト方向の推力が生じ、この推力は、掻取ローラの両端を支持している支持部材の一方に集中的にかかる。例えば、図6に示した例において、掻取ローラ805の外周に設けられている雄ネジ部が左ネジであって、掻取ローラ805が上から見て右回転すると、掻取ローラ805が上向きの推力を発生し、掻取ローラ805の上端及び下端を支持している支持部材(ブラケット)839のうち、上側の支持部材839に力がかかり、上側の支持部材にかかる負担が過大になってその寿命が短くなるおそれがある。図1,図10に示した実施形態においても同様の問題が生じる。
上記のような問題が生じるのを防ぐためには、例えば掻取ローラの外周に設ける雄ネジ部を、中心軸線を共有した状態で掻取ローラの軸線方向に並ぶ第1のネジ部と第2のネジ部とにより構成して、第1のネジ部及び第2のネジ部に互いに逆ネジの関係を持たせておけばよい。即ち、第1のネジ部を右ネジとする場合には、第2のネジ部を左ネジとし、第1のネジ部を左ネジとする場合には、第2のネジ部を右ネジとすればよい。
図14は、図6に示した実施形態において、掻取ローラ805の外周に設ける雄ネジ部を左ネジからなる第1のネジ部805a1と、右ネジからなる第2のネジ部805a2とにより構成した例を示している。この例では、第1のネジ部805a1の軸線方向寸法と、第2のネジ部805a2の軸線方向寸法とが等しく設定されていて、掻取ローラ805が回転した際に第1のネジ部805a1が発生する推力と、第2のネジ部805a2が発生する推力の大きさが等しく、向きが180度異なるようになっている。このように構成しておくと、上から見てバスケット2が右回転したときに、第1のネジ部805a1が上向きの推力を発生し、第2のネジ部805a2が下向きの推力を発生するため、第1のネジ部805a1が発生する推力と第2のネジ部805a2が発生する推力とを相殺して掻取ローラ805が発生するスラスト方向の推力をほぼ零にすることができ、掻取ローラ805の両端を支持している支持部材の一方に過大な負荷がかかるのを防いで、支持部材の寿命が短くなるのを防ぐことができるだけでなく、掻取ローラを円滑に回転させることができる。
上記の説明では、、第1のネジ部805a1の軸線方向寸法と、第2のネジ部805a2の軸線方向寸法とを等しくして、第1のネジ部805a1が発生する推力と第2のネジ部805a2が発生する推力とを相殺するとしたが、本発明はこのように構成する場合に限定されない。例えば、第1のネジ部805a1の軸線方向寸法と、第2のネジ部805a2の軸線方向寸法との間に差を持たせて、必要に応じて、掻取ローラが発生する推力を適宜に調整するようにしてもよい。例えば、第1のネジ部805a1の長さを第2のネジ部805a2の長さよりも長くして、掻取ローラに働く重力と第2のネジ部805a2が発生する下向きの推力とを第1のネジ部805a1が発生する推力によりほぼ打ち消すことにより、掻取ローラの回転をより円滑に行わせるようにすることもできる。
図15は、図10に示した実施形態において、掻取ローラ805の外周に設ける雄ネジ部を左ネジからなる第1のネジ部805a1と、右ネジからなる第2のネジ部805a2とにより構成した例を示している。このように掻取ローラの長さが長い場合には、掻取ローラの外周の雄ネジ部が発生する推力が大きくなるため、雄ネジ部をネジの向きが異なる第1のネジ部と第2のネジ部とにより構成して、両ネジ部が発生する推力を相殺することにより、より顕著な効果を得ることができる。
上記の各実施形態では、バスケットの軸線を垂直方向に向けて配置する縦型の遠心分離機に本発明を適用したが、本発明は、バスケットの軸線を水平方向に向けて配置する横型の遠心分離機や、バスケットの軸線を水平方向に対して傾斜した方向に向けて配置する横型の遠心分離機にも適用することができる。
図16ないし図22を参照すると、本発明を横型の遠心分離機に適用した実施形態が示されている。図16及び図17は本実施形態に係る遠心分離機の全体的な構成を示したもので、これらの図において11は設置ベース、12は設置ベース11の上に配置されて設置ベースにボルトなどにより固定されたベースフレームである。ベースフレーム12の上には、ベース板13が固定され、ベース板13の一端に、該ベース板13と板面が直交するように配置されたフレーム板14の下端が固定されている。フレーム板14には軸受装置15が支持され、この軸受装置15により、回転軸16がその中心軸線を水平方向に向けた状態で回転自在に支持されている。
フレーム板14には、軸線を水平方向に向けた円筒状のケーシング基部17aの一端が固定され、ケーシング基部17aの他端に、カップ状を呈するケーシングカバー17bが開閉自在に取り付けられている。ケーシングカバー17bは、外形が円錐台状を呈するように形成されたカバー本体17b1と、カバー本体17b1の小径側の端部を閉鎖する端板17b2とからなっていて、カバー本体17b1の大径側の端部が、回動中心軸線を垂直方向に向けたヒンジ17c(図17参照)を介してケーシング基部17aの他端に取り付けられている。
ケーシングカバー17bは、図示のようにケーシング基部17aの開口部を覆う状態になる閉鎖位置と、該ケーシング基部の開口部を開放した状態にする開放位置との間を水平方向に回動することができる。この例では、ケーシング基部17aと、ケーシングカバー17bとによりバスケット20を収容するケーシング17が構成されている。17eは、閉鎖位置にあるケーシングカバー17bをケーシング基部17aに固定するための固定具である。ケーシング基部17aの下部には、バスケット20から排出された液分を排出するための排液孔17dが形成されている。
軸受装置15により支持された回転軸16の一端は、フレーム板14に取り付けられたシール部材を通してケーシング17内に導入され、ケーシング17内に導入された回転軸の一端にバスケット20が取り付けられている。回転軸16の他端は軸受装置15の端部から外部に導出され、外部に導出された回転軸の他端にプーリ18が取り付けられている。
バスケット20は、周壁部20aと、該周壁部20aの軸線方向の一端を閉じるように設けられた底壁部20bと、周壁部20aの軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出するように設けられた環状の端部壁20cとを有するかご形のものである。バスケット20は、その底壁部20bの中央部に設けられたボス20dを回転軸16に結合することにより、中心軸線を水平方向に向けた状態でケーシング17内に回転自在に支持されている。バスケット20の周壁部の内周にはフィルタ22が取り付けられている。
バスケットの周壁部20aには多数の透過孔(図示せず。)が、ほぼ均一に分散させた状態で形成され、周壁部20aの内周には、布や、多孔板と金網との積層体などにより構成されたフィルタ22が取り付けられている。
ベース板13の上にはバスケット20の回転駆動源である電動機25が取り付けられ、電動機25の回転軸に取り付けられたプーリ26と、回転軸16に取り付けられたプーリ18とにベルト27が巻掛けされている。
電動機25とプーリ18及び26とベルト27とにより、バスケット20を回転駆動する回転駆動装置28が構成されている。 ベース板13にはカバー40が取り付けられ、このカバーにより、軸受装置15と回転駆動装置28とが覆われている。
41はフィルタ22の内周に形成されたケーキを回収するためにバスケット20内に挿入されたダクト状のシュートである。シュート41は、傾斜した状態で配置されていて、その一部が、バスケット20の端部壁20cに対向するケーシングカバーの端板17b2を貫通させて設けられたシュート挿入口17b2aと、バスケット20の端部壁20cの内周部に形成された開口部とを通してバスケット20内に挿入されている。シュート41の上端41aはバスケット20内で上方に開口させられ、下端41bはケーシングの外部で下方に開口させられている。バスケット20が汚染されるのを防ぐため、シュート41とケーシングの端板17b2のシュート挿入口17b2aとの嵌合部は気密かつ液密にシールされている。シュート41の下端寄りの部分は、ケーシングカバーの端板17b2の下端に支持金具42を介して固定された支持部材43により支持されている。
ケーシングカバーの端板17b2には、ケーシング内を観察するための覗き窓44、45が設けられ、覗き窓45の下方の位置には、端板17b2を貫通してバスケット20内に導入されて、バスケット内に原液や洗浄液を供給する給液パイプ46が取り付けられている。
ケーシングカバーの端板17b2にはまた、バスケット20の周壁部の内側に取り付けられたフィルタ22の内周に形成されたケーキを掻き取るケーキ掻取装置50が取り付けられている。ケーキ掻取装置50は、端板17b2に固定された軸受け装置51により回転自在に支持されて、ケーシングカバーが図16に示された閉鎖位置にあるときにケーシングカバーの端板17b2を貫通して一端がケーシング17の内側のバスケット20内に導入される掻取駆動軸52と、掻取駆動軸52に取り付けられて、ケーシングカバーが閉鎖位置にあるときに、バスケット20内でケーキの掻取動作を行うケーキ掻取部53と、ケーキ掻取部53に支持された掻取ローラ54と、ケーシングカバーの端板17b2の外側で端板17b2に対して支持されて掻取駆動軸52を回転駆動する掻取駆動装置55とを備えている。
図17に示されているように、掻取駆動装置55は、掻取駆動軸52のケーシング外に導出された部分に取り付けられたレバー55aと、掻取駆動軸52と直交する方向に伸びるように設けられて、軸受装置51の外殻に固定されたフレームに回転自在に支持されたネジ棒55bと、ネジ棒55bに螺合されたナット55cと、ナット55cに取り付けられて、レバー55aに形成された切欠き55a1に嵌合されたピン55dと、モータ55eと、モータ55eの回転を減速してネジ棒55bに伝達する減速機構55fとを備えている。掻取駆動装置55のモータ55eが駆動されると、モータ55eの回転が減速機構55fを介してネジ棒55bに伝達されるため、ネジ棒55bが回転してナット55cをネジ棒55bの軸線方向に移動させる。このナット55cの移動に伴ってピン55dがレバー55aを回動させて、掻取駆動軸52を回転させる。
図18ないし図21に示されているように、ケーキ掻取部53は、ほぼ台形状に形成されて、掻取駆動軸52の軸線と平行な方向に板面を向け、相互間に所定の間隔を隔てた状態で配置されて、バスケット20内に挿入された際にバスケットの軸線方向に対してほぼ直角な方向に間隔を隔てて配置される第1及び第2の側板部53a及び53bと、ケーシングの端板17b2側に位置する側板部53a,53bの幅方向の一端間を連結する第3の側板部53c(図18参照)と、第3の側板部53cに対して傾斜した状態で設けられて、バスケットの底壁部20b側に位置する第1及び第2の側板部53a及び53bの端部間を連結する第4の側板部53d(図21参照)と、第1の側板部53aの内側に位置させた状態で第3の側板部53cと第4の側板部53dとの間に配置されて、幅方向の両端が第3の側板部53c及び第4の側板部53dに接合されたガイド板53eと、第3の側板部53c及び第4の側板部53dの第2の側板部53bと反対側の端部に接合されて第1の側板部53aの外側を覆うカバー53fとを備えていて、第2の側板部53bの先端に掻取刃53b1が設けられている。
ケーキ掻取部53は、ガイド板53eの後端部に設けられた駆動軸取付部53e1を掻取駆動軸52に固定することにより掻取駆動軸52に取り付けられていて、図16に示すようにケーシングカバー17bが閉鎖位置にあるときにバスケット20内に挿入されて、掻取刃53b1の先端Pと、ガイド板53eの先端部53e2とがバスケットの周壁部側に向いた状態で配置される。ケーキ掻取部53の内側には、掻取刃53b1により掻き取られたケーキを第2の側板部53bとガイド板53eとの間を通してシュート41側に案内するガイド空間S1が形成されている。
ケーキ掻取部53の強度を確保するため、少なくとも第2の側板部53bとガイド板53eと、第3の側板部53c及び第4の側板部53dの第2の側板部53bとガイド板53eとの間を連結する部分とが肉厚の材料により形成されて、第2の側板部53b、ガイド板53e、第3の側板部53c及び第4の側板部53dの突合わせ部が溶接により接合されている。
ケーキ掻取部53は、掻取駆動装置55のレバー55aが図17に示された一方の限界位置にあるときに、図19に鎖線で示したように、その掻取刃53b2の先端Pがバスケットの端部壁20cの内周部(バスケットの開口部)に相応する位置よりも更に内径側に位置した状態になる退避位置に配置され、レバー55aが図17に示す位置から他方の限界位置に向けて反時計方向に回動して掻取駆動軸52が反時計方向に回動したときに、図19に実線で示したように、掻取刃の先端Pがバスケットの周壁部20aの内周に取り付けられたフィルタ22に近接した状態になる最終掻取位置まで回動し得るように設けられている。
ケーキ掻取部53は、高速回転するバスケット20内に原液を供給して固液分離処理を行なう際に、バスケットの内周の液層に接触しないように、図19に鎖線で示した退避位置に配置され、バスケッ20内に形成されたケーキを回収する際に、退避位置から図19に実線で示した最終掻取位置に向けて回動させられる。ケーキ掻取部53が最終掻取位置に向けて回動する過程で掻取刃の先端Pがバスケットの内周のケーキ層に進入する。掻取刃の先端Pがバスケットの内周のケーキ層に進入すると、掻取刃53b1により掻き取られたケーキがケーキ掻取部53の内側のガイド空間S1に落下してシュート41側に案内される。
本実施形態の遠心分離機においては、ケーキ掻取部53が退避位置から最終掻取位置に向けて回動していく過程で、その掻取刃53b1の先端Pがバスケットの内周のケーキ層への進入を開始するまでの間に、ケーキ掻取部53の内側のガイド空間S1の下端の開口部S1aが、図19に示したように、シュート41の上端の開口部41a内に開口した状態になり、ケーキ掻取部53が最終掻取位置に達するまでの間(ケーキの掻取が行われる間)、ガイド空間S1の下端の開口部S1aがシュート41の上端の開口部41a内に開口した状態が維持されるように、ケーキ掻取部53とシュート41との間の位置関係が設定されている。
フィルタ22の損傷を防ぐため、ケーキ掻取部53が最終掻取位置にあるときに、掻取刃53b1の先端Pとフィルタ22との間に3〜5mmの隙間が形成されるようになっている。そのため、掻取刃53b1によるケーキの掻取が終了した状態で、フィルタ22の内周には3〜5mmの厚みの残留ケーキが付着している。
本実施形態においては、この残留ケーキを回収するために、ケーキ掻取部53の第2の側板部53bの背面側に掻取ローラ54がその中心軸線をバスケットの軸線方向に沿わせた状態で取り付けられている。図示の例では、ケーキ掻取部53の第2の側板部53bの背面に、第2の側板部53bに対して傾斜した傾斜板部53eが溶接されるとともに、第2の側板部53bと傾斜板部53eの幅方向の両端に、第2の側板部53bと傾斜板部53eとの間の空間の両端を閉じる端板53fが溶接され、第2の側板部53bと傾斜板部53eとの間にガイド空間S2が形成されている。傾斜板部53eの背面に固定されたバネ固定板53gに、バスケットの軸線方向に並べて配置された一対の板バネ55,55の一端が固定され、板バネ55,55の他端に固定されたローラ支持具56に、掻取ローラ54の軸心部に固定された回転軸の両端が軸受けを介して回転自在に支持されている。
図20及び図21に示されているように、掻取ローラ54は、バスケット20の周壁部20aの軸線方向寸法よりも僅かに短い長さを有する円柱状のローラ54aの外周に、その中心軸線の周りを螺旋状に伸びるネジ山を有する雄ネジ部54bを、その軸線方向のほぼ全長に亘って形成したものからなっている。雄ネジ部54bは、中心軸線を共有した状態で掻取ローラ54の軸線方向に並ぶ第1のネジ部54b1と第2のネジ部54b2とからなっていて、第1のネジ部54b1と第2のネジ部54b2とが互いに逆ネジの関係を有するように設けられている。本実施形態では、第1のネジ部54b1が右ネジからなり、第2のネジ部54b2が左ネジからなっている。本実施形態ではまた、第1のネジ部54b1の軸線方向長さと、第2のネジ部54b2の軸線方向長さとが等しく設定されていて、第1のネジ部54b1及び第2のネジ部54b2がそれぞれ大きさが等しく、向きが180度異なるスラスト方向の推力を発生するようになっている。
本実施形態ではまた、ケーキ掻取部53の第2の側板部53bと傾斜板部53eとの間に形成されたガイド空間S2内に落下したケーキをシュート41側に落下させるため、第2の側板部53bのガイド空間S2に臨む部分を貫通させて窓部53b2が形成されている。
本実施形態においては、ケーキ掻取部53が退避位置から最終掻取位置に向けて回動していく過程で、その掻取刃53b1の先端Pが最終掻取位置に達するまでの間に掻取ローラ54の雄ネジ部54bがバスケットの内周のケーキ層に接触するように、掻取ローラ54とケーキ掻取部53との間の位置関係が設定されている。
図16ないし図21に示された遠心分離機を用いて原液を液分とケーキとに分離する固液分離工程を行い、バスケットの周壁部の内側に形成されたケーキを洗浄する洗浄工程を行った後、バスケットの内周に形成されたケーキ層からケーキを掻き取る際には、バスケット20を一方向(ケーキ掻取時の回転方向、この例では図19に示す矢印CW方向)に低速で回転させながら退避位置にあった掻取刃53b1をバスケットの周壁部20a側に旋回させて、掻取刃の先端Pをバスケットの内周のケーキ層に進入させる。
バスケット10を回転させながら掻取刃53b1をケーキ層に進入させると、掻取刃53b1によりケーキが掻き取られる。掻き取られたケーキは掻取刃53b1の前面側のガイド空間S1内を通してシュート41側に導かれ、シュート41を通してケーシング17の外部に排出される。
ケーキ掻取部53が最終掻取位置に達するまでの間に掻取ローラ54の外周の雄ネジ部54bがケーキ層に接触し、掻取ローラ54がバスケットにより回転駆動される。この掻取ローラの回転によってもケーキが掻き落とされる。掻取ローラ54により掻き落とされたケーキは、バスケット20内の下部に落下する。バスケット20内の下部に落下したケーキはバスケット20の回転に伴って上方に運ばれて、掻取刃53b1に突き当たった際にガイド空間S1に落下し、シュート41内に導入される。掻取ローラ54は、ケーキ掻取部53が最終掻取位置に達して停止した後もフィルタ22の内周の残留ケーキに接触した状態を保持して、残留ケーキを掻き取るため、フィルタ22の内周に形成されたケーキの殆どを回収することができる。
本実施形態においても、掻取ローラ54の外周の雄ネジ部54bが、等しい軸線方向長さを有する第1のネジ部54b1と第2のネジ部54b2とからなっていて、両ネジ部が逆ネジの関係を有するため、第1のネジ部54b1と第2のネジ部54b2がそれぞれ発生するスラスト方向の推力は互いにを打ち消し合って掻取ローラ全体が発生する推力がほぼ零になる。従って、掻取ローラ54の両端を支持しているローラ支持具56,56の一方に偏った力が加わるのを防ぐことができ、ケーキ掻取装置の寿命が短くなったり、掻取ローラの円滑な回転が妨げられたりするのを防ぐことができる。
上記の実施形態では、掻取ローラ54の第1のネジ部54b1を右ネジとし、第2のネジ部54b2を左ネジとしたが、図22に示したように、第1のネジ部54b1を左ネジとし、第2のネジ部54b2を右ネジとしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記の各実施形態に示した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項から読み取ることができる技術的思想から逸脱しない範囲で、各部に種々の変形を加えることができる。
掻取ローラに設ける雄ネジ部を、中心軸線を共有した状態で軸線方向に並ぶ第1のネジ部と第2のネジ部とを備えた構成とする場合にとり得る変形例をまとめて示すと以下の通りである。
既に述べたように、掻取ローラ54のネジ部を第1のネジ部と第2のネジ部とにより構成する場合、両ネジ部の長さを等しくすると、掻取ローラ全体が発生する推力をほぼ零とすることができるが、第1のネジ部と第2のネジ部の長さを異ならせた場合でも、両ネジ部を逆ネジとすれば、逆ネジとしない場合に比べて、掻取ローラの雄ネジ部全体が発生する推力を軽減することができる。
また、掻取ローラがその軸線方向を垂直方向(鉛直方向)に向けて配置されていて、掻取ローラの軸線方向に重力が作用する場合のように、ケーキ掻取装置の構造上、掻取ローラの両端を支持する支持部材にかかる力が不均一になる場合には、第1のネジ部と第2のネジ部の長さを調整することにより、ケーキ掻取時に掻取ローラが発生する推力を調整して、掻取ローラの両端を支持する支持部材にほぼ均等に力が加わるようにすることができる。
更に掻取ローラを一つの掻取刃に対して複数個設ける場合には、複数の掻取ローラのうちの少なくとも一つの掻取ローラの外周に設ける雄ネジ部を、他の掻取ローラの外周に設ける雄ネジ部に対して逆ネジの関係を有するようにしておくことより上記と同様の効果を得ることができる。この場合、掻取ローラの数を偶数として、偶数個の掻取ローラのうちの半数の掻取ローラの外周の雄ネジ部を右ネジとし、他の半数の掻取ローラの外周の雄ネジ部を左ネジとすることにより、複数の掻取ローラ群全体から生じるスラスト方向の推力の軽減を顕著に図ることができる。また、複数の掻取ローラのそれぞれの外周に設ける雄ネジ部の長さを等しくしておくと、複数の掻取ローラ群全体から生じるスラスト方向の推力をほぼ零にすることができる。
同様に、掻取刃及び掻取ローラの軸線方向長さをバスケットの周壁部の軸線方向長さにほぼ等しくして、掻取刃及び掻取ローラの旋回運動のみによりバスケット内のケーキを掻き取る構成をとるに当たり、掻取ローラをバスケットの軸線方向に並べて配置された複数の単位ローラにより構成する場合にも、複数の単位ローラのうちの少なくとも一つの単位ローラの外周の雄ネジ部を、他の単位ローラの外周の雄ネジ部に対して逆ネジの関係を有するように設けておくことより、上記と同様の効果を得ることができる。この場合、単位ローラの数を偶数として、偶数個の単位ローラのうちの半数の単位ローラの外周の雄ネジ部を右ネジとし、他の半数の単位ローラの外周の雄ネジ部を左ネジとすることにより、掻取ローラ全体から生じるスラスト方向の推力の軽減を顕著に図ることができ、偶数の単位ローラのそれぞれの外周に設ける雄ネジ部の長さを等しくしておくと、掻取ローラ全体から生じるスラスト方向の推力をほぼ零にすることができる。
更に、掻取ローラが、外周部に雄ネジ部を有してバスケットの軸線方向に並べて配置された複数の単位ローラからなっている場合には、該複数の単位ローラのうちの少なくとも一つの単位ローラの外周に設けられた雄ネジ部を、他の単位ローラの外周に設けられた雄ネジ部に対して逆ネジの関係を有するネジ部とすることができる。
この場合も、単位ローラの数を偶数として、偶数個の単位ローラのうちの半数の単位ローラの外周の雄ネジ部を右ネジとし、他の半数の単位ローラの外周の雄ネジ部を左ネジとすることにより、掻取ローラが発生する推力をほぼ零にすることができる。
更に、掻取ローラの外周の雄ネジ部を、掻取ローラの軸線方向に間隔をあけて並ぶ複数の単位ネジ部により構成する場合には、複数の単位ネジ部のうちの少なくとも一つを、他の単位ネジ部に対して逆ネジの関係を有するように設けることができる。この場合も、単位ネジ部の数を偶数として、偶数の単位ネジ部のうちの半数を右ネジとし、他の半数の単位ネジ部を左ネジとすることにより、掻取ローラが発生する推力をほぼ零にすることができる。
またケーキ掻取装置の構成に応じて、左ネジとするネジ部の長さと右ネジとするネジ部の長さとを適宜に異ならせることにより、掻取ローラが発生する推力を適当な大きさに調整することができる。例えば、掻取ローラがその軸線方向を垂直方向(鉛直方向)に向けて配置されていて、掻取ローラの軸線方向に重力が作用する場合のように、ケーキ掻取装置の構造上、掻取ローラの両端を支持する支持部材にかかる力が不均一になる場合には、第1のネジ部と第2のネジ部の長さを調整することにより、ケーキ掻取時に掻取ローラが発生する推力を調整して、掻取ローラの両端を支持する支持部材にほぼ均等に力が加わるようにすることができる。
本発明は、縦型または横型の遠心分離機において、バスケットの内周に形成されたケーキを殆ど残すことなく掻き取って回収することを可能にするので、遠心分離機の産業分野での利用可能性が大である。
1 ケーシング
2 バスケット
201 周壁部
202 底壁部
203 端部壁
2a 開口部
4 フィルタ
8 ケーキ掻取装置
801 掻取駆動軸
802 旋回アーム
803 掻取刃
804 掻取刃
805 掻取ローラ
805a 雄ネジ部
805a1 ネジ山
810 掻取駆動装置
820 板バネ
830 掻取ローラ
840 コイルスプリング
17 ケーシング
20 バスケット
41 シュート
52 掻取駆動軸
53 ケーキ掻取部
54 掻取ローラ
54b 雄ネジ部
54b1 第1のネジ部
54b2 第2のネジ部
55 掻取駆動装置

Claims (23)

  1. 液分を通過させる透過孔を備えた周壁部を有し、中心軸線を中心にして回転し得るように支持されて回転駆動されるバスケットと、前記バスケットの周壁部の内側に取り付けられたフィルタと、前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取るケーキ掻取装置とを備えた遠心分離機において、
    前記ケーキ掻取装置は、
    前記バスケット内で前記バスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動と前記バスケットの中心軸線と平行な方向に沿った直線運動とを行なうように設けられて前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る掻取刃と、
    前記バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を備えた雄ネジ部を外周部に有し、かつ前記バスケット内で前記掻取刃とともに旋回運動と直線運動とを行うように設けられて、前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際に前記バスケットの周壁部側に付勢された状態で前記雄ネジ部の一部がケーキに接触した状態に保持されて前記バスケットにより回転駆動される掻取ローラと、
    を備え、
    前記掻取刃は、前記バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端が前記フィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときに前記バスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、
    前記掻取ローラは、前記雄ネジ部が前記フィルタに接触した状態になる位置まで旋回し得るように設けられていること、
    を特徴とする遠心分離機。
  2. 液分を通過させる透過孔を備えた周壁部を有し、中心軸線を中心にして回転し得るように支持されて回転駆動されるバスケットと、前記バスケットの周壁部の内側に取り付けられたフィルタと、前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取るケーキ掻取装置とを備えた遠心分離機において、
    前記ケーキ掻取装置は、
    前記バスケットの中心軸線と平行に延びるように設けられて前記バスケット内に挿入された掻取駆動軸と、
    前記掻取駆動軸に対して支持されて、前記掻取駆動軸の回転に伴って前記バスケット内で前記バスケットの軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動を行い、前記バスケットの軸線方向に沿った前記掻取駆動軸の変位に伴って前記バスケットの軸線方向に沿った直線運動を行う掻取刃と、
    前記掻取刃に前記旋回運動と直線運動とを行なわせるように前記掻取駆動軸を駆動する掻取駆動装置と、
    前記バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を備えた雄ネジ部を外周部に有し、かつ前記掻取刃に対して固定された支持具に回転自在に支持されて、前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際に前記バスケットの周壁部側に付勢された状態で前記雄ネジ部が前記ケーキに接触した状態に保持されて前記バスケットにより回転駆動される掻取ローラと、
    を備え、
    前記掻取刃は、前記バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端が前記フィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときに前記バスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、
    前記掻取ローラは、前記掻取刃の先端が前記限界位置に達するまでの間に前記雄ネジ部が前記フィルタの内周に形成されたケーキに接して、前記掻取刃の先端が前記限界位置に達した後も該雄ネジ部がケーキに接触した状態を保つように設けられていること、
    を特徴とする遠心分離機。
  3. 前記掻取ローラは複数個設けられて、該複数の掻取ローラが前記バスケットの軸線方向に並べて配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心分離機。
  4. 液分を通過させる透過孔を備えた周壁部を有し、中心軸線を中心にして回転し得るように支持されて回転駆動されるバスケットと、前記バスケットの周壁部の内側に取り付けられたフィルタと、前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取るケーキ掻取装置とを備えた遠心分離機において、
    前記ケーキ掻取装置は、
    前記バスケット内で前記バスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動を行なうように設けられて、前記バスケットの周壁部側に旋回する過程で前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る掻取刃と
    前記バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を備えた雄ネジ部を外周部に有し、かつ前記バスケット内で前記掻取刃とともに旋回運動を行うように設けられて、前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際に前記バスケットの周壁部側に付勢された状態で前記雄ネジ部の一部がケーキに接触した状態に保持されて前記バスケットにより回転駆動される掻取ローラと、
    を備え、
    前記掻取刃は、前記バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端が前記フィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときに前記バスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、
    前記掻取ローラは、前記雄ネジ部が前記フィルタに接触した状態になる位置まで旋回し得るように設けられていること、
    を特徴とする遠心分離機。
  5. 前記掻取刃及び掻取ローラは、バスケットの周壁部の内面の軸線方向寸法にほぼ等しい長さを有し、
    前記掻取ローラの長手方向の全長に亘って雄ネジ部が設けられていること、
    を特徴とする請求項4に記載の遠心分離機。
  6. 前記掻取ローラは、外周部に雄ネジ部を有して前記バスケットの軸線方向に並べて配置された複数の単位ローラからなっていることを特徴とする請求項4又は5に記載の遠心分離機。
  7. 前記掻取ローラは前記掻取刃にバネを介して支持され、前記掻取ローラが前記バネにより前記バスケットの周壁部側に付勢された状態で前記雄ネジ部が前記ケーキに接触させられるように構成されている請求項1ないし6のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  8. 前記雄ネジ部は、切れ目なく連続的に伸びるように設けられている請求項1〜7のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  9. 前記雄ネジ部のネジ山の途中に該ネジ山を分断する切り欠き部が設けられて、前記雄ネジ部のネジ山が複数の部分に区分されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  10. 前記雄ネジ部は、前記掻取ローラの軸線方向に並ぶ複数の単位ネジ部からなっている請求項1〜7のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  11. 前記雄ネジ部は、前記掻取ローラの中心軸線の周りを螺旋状に伸びるネジ山を複数有して、該複数のネジ山が互いに平行に伸びるように設けられている多重螺旋構造を有している請求項1ないし7のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  12. 前記雄ネジ部は、中心軸線を共有した状態で前記掻取ローラの軸線方向に並ぶ第1のネジ部と第2のネジ部とを備え、
    前記第1のネジ部と第2のネジ部とは互いに逆ネジの関係を有するように設けられていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  13. 前記複数の掻取ローラのうちの少なくとも一つの掻取ローラの外周に設けられた雄ネジ部は、他の掻取ローラの外周に設けられた雄ネジ部に対して逆ネジの関係を有している請求項3に記載の遠心分離機。
  14. 前記掻取ローラは偶数個設けられて、該偶数個の掻取ローラのうちの半数の掻取ローラの外周の雄ネジ部は右ネジであり、他の半数の掻取ローラの外周の雄ネジ部は左ネジである請求項3に記載の遠心分離機。
  15. 前記複数の単位ローラのうちの少なくとも一つの単位ローラの外周に設けられた雄ネジ部は、他の単位ローラの外周に設けられた雄ネジ部に対して逆ネジの関係を有している請求項6に記載の遠心分離機。
  16. 前記単位ローラは偶数個設けられて、該偶数個の単位ローラのうちの半数の単位ローラの外周の雄ネジ部は右ネジであり、他の半数の単位ローラの外周の雄ネジ部は左ネジである請求項6に記載の遠心分離機。
  17. 前記複数の単位ネジ部のうちの少なくとも一つは、他の単位ネジ部に対して逆ネジの関係を有している請求項10に記載の遠心分離機。
  18. 前記単位ネジ部は偶数個設けられて、該偶数個の単位ネジ部のうちの半数は右ネジであり、他の半数の単位ネジ部は左ネジである請求項10に記載の遠心分離機。
  19. 前記バスケットは、その中心軸線を鉛直方向に向けて配置されている請求項1ないし18のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  20. 前記バスケットは、その中心軸線を水平方向に向けた状態で配置されている請求項1ないし18のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  21. 遠心分離機のバスケットの周壁部の内側に取り付けられたフィルタの内周に形成されたケーキ層からケーキを掻き取るケーキ掻取装置において、
    前記バスケット内で前記バスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動と前記バスケットの中心軸線と平行な方向に沿った直線運動とを行なうように設けられて前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る掻取刃と、
    前記バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を備えた雄ネジ部を外周部に有し、かつ前記バスケット内で前記掻取刃とともに旋回運動と直線運動とを行うように設けられて、前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際に前記バスケットの周壁部側に付勢された状態で前記雄ネジ部の一部がケーキに接触した状態に保持されて前記バスケットにより回転駆動される掻取ローラと、
    を備え、
    前記掻取刃は、前記バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端が前記フィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときに前記バスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、
    前記掻取ローラは、前記雄ネジ部が前記フィルタに接触した状態になる位置まで旋回し得るように設けられていること、
    を特徴とする遠心分離機用ケーキ掻取装置。
  22. 遠心分離機のバスケットの周壁部の内側に取り付けられたフィルタの内周に形成されたケーキ層からケーキを掻き取るケーキ掻取装置において、
    前記バスケット内で前記バスケットの中心軸線と平行な軸を旋回中心とした旋回運動を行なうように設けられて、前記バスケットの周壁部側に旋回する過程で前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る掻取刃と、
    前記バスケットの中心軸線と平行に延びる回転中心軸線を有するとともに、その回転中心軸線の周りを螺旋状に延びるネジ山を備えた雄ネジ部を外周部に有し、かつ前記バスケット内で前記掻取刃とともに旋回運動を行うように設けられて、前記フィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る際に前記バスケットの周壁部側に付勢された状態で前記雄ネジ部の一部がケーキに接触した状態に保持されて前記バスケットにより回転駆動される掻取ローラと、
    を備え、
    前記掻取刃は、前記バスケットの周壁部側に旋回する過程でその先端が前記フィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときに前記バスケットの周壁部側への旋回運動を停止するように設けられ、
    前記掻取ローラは、前記雄ネジ部が前記フィルタに接触した状態になる位置まで旋回し得るように設けられていること、
    を特徴とする遠心分離機用ケーキ掻取装置。
  23. 前記掻取ローラの外周の雄ネジ部は、軸線方向に並ぶ第1のネジ部と第2のネジ部とを有し、
    前記第1のネジ部及び第2のネジ部は互いに逆ネジの関係を有している請求項21又は22に記載の遠心分離機用ケーキ掻取装置。
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