以下図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1ないし図4を参照すると、本発明の第1の実施形態の要部の構成が示されている。これらの図において、1及び2はそれぞれの板面を対向させた状態で、横方向(水平方向)に間隔を隔てて配置された矩形状の第1及び第2の側板である。3は第1の側板1の幅方向(図の紙面と直角な方向)の一端(図の裏面側に位置する端部)と第2の側板2の幅方向の一端(図の紙面の裏面側に位置する端部)とに跨がって配置されて両側板の幅方向の一端に固定された矩形状の第3の側板、4は第1の側板1の幅方向の他端(図の紙面の手前側に位置する端部)と第2の側板2の幅方向の他端とに跨がって配置されて両側板の幅方向の他端に固定された矩形状の第4の側板である。第1の側板1ないし第4の側板4によりフレーム5が構成されている。このフレームは適宜の手段により図示しない支持台に固定されている。
6は、板面を第1の側板1及び第2の側板2の板面と平行な方向に向けた状態で第1の側板1と第2の側板2との間に配置されて、その幅方向の一端及び他端がそれぞれ第3の側板3及び第4の側板4に固定された矩形状の仕切り板である。また7は、第1の側板1ないし第4の側板4の上端と仕切り板6の上端とに固定された天板、8は第1の側板1の下端と、第3の側板3及び第4の側板4の下端と仕切り板6の下端とに固定された底板であり、第1の側板1と、第3及び第4の側板3及び4と、仕切り板6と、天板7と、底板8とにより囲まれた空間により排液室9が構成されている。排液室9の下部には排液口10が設けられている。また第2の側板2と、第3及び第4の側板3及び4と、天板7と、仕切り板6とにより囲まれた空間によりケーキ回収室11が構成されている。ケーキ回収室11の下端は下方に開口した開口部12となっていて、後述するバスケットからケーキ回収室11内に排出されたケーキが、開口部12から下方に排出されて回収される。
仕切り板6には、円形の貫通孔14が形成され、この貫通孔14を通して排液室9内にバスケット20が挿入されている。バスケット20は、液分を通過させる多数の透孔hを有する円筒状の周壁部21と、該周壁部の軸線方向の一端21aを閉じる底壁部22とを有している。バスケットの周壁部21の軸線方向の他端21bは、該周壁部の径方向の内側に突出する部分を持たない状態で開口させられている。周壁部21の軸線方向の他端21bには外フランジ23が形成されている。バスケット20は、その周壁部21の中心軸線O−Oを水平方向に向けた状態で、かつ外フランジ部23を仕切り板6に設けられた貫通孔14の内側に位置させた状態で配置されている。本実施形態では、バスケット20の周壁部21の中心軸線O−Oがバスケット20の中心軸線でもあり、周壁部21の他端の開口部(周壁部の開放端)がバスケットの開口部(開放端)でもある。バスケット20を貫通させるために仕切り板6に設けられた貫通孔14は、バスケット20の回転を妨げることがない大きさに設定され、バスケット20は、バスケット駆動装置により、その中心軸線O−Oを中心にして回転させられる。
バスケット20を回転自在に支持するため、バスケット20の底壁部22の中央部に、バスケットの開口部と反対側に突出したボス部24が設けられ、ボス部24の軸心部には、バスケットの周壁部と中心軸線を共有するを貫通孔が設けられている。ボス部24の貫通孔には、中心軸線をバスケット20の中心軸線O−Oに一致させた状態で設けられて、フレーム5の第1の側板1に軸受装置25を介して回転自在に支持されたバスケット駆動軸26の先端部が嵌合されている。バスケット駆動軸26は、キー止め等の適宜の手段によりボス部24に固定され、バスケット駆動軸26がモータにより回転駆動されることにより、バスケット20が、その中心軸線O−Oを中心にして回転させられる。バスケット駆動軸26と、モータ等の回転駆動源と、この回転駆動源の回転をバスケット駆動軸26に伝達する動力伝達機構とによりバスケット駆動装置が構成される。
バスケット駆動軸26の軸心部には、該駆動軸26を軸線方向に貫通した給液通路27が形成されている。給液通路27は、固液分離処理を行なう原液をバスケット20内の底壁部22寄りの領域でバスケットの周壁部21側に供給するために設けられたもので、その一端はバスケット20の底壁部22の中央部の内面に開口させられている。
バスケットの底壁部22の内面の中央寄りの、バスケット駆動軸26の先端部を取り囲む環状の領域22aは、周壁部21の中心軸線とほぼ直交する平坦面となっており、底壁部22の内面の周壁部21寄りの(環状領域22aを取り囲む)環状領域22bは、周壁部21側に向かうに従ってバスケット20の開口部側に寄っていくように傾斜した傾斜面となっている。バスケット駆動軸26のバスケット20と反対側の端部(後端部)は、ロータリジョイントとバルブと給液パイプとを通して原液供給源に接続され、原液供給源と、給液パイプと、バルブと、ロータリジョイントと、バスケット駆動軸26内の給液通路27とにより、バスケットの底壁部寄りの位置でバスケットの周壁部側に原液を供給する給液装置が構成されている。本実施形態では、給液通路27を通してバスケット20内に供給された原液が、バスケット20の底壁部22の内面に沿ってバスケットの周壁部21側に供給される。
バスケット20の周壁部21の内側には該周壁部の内周面を覆うフィルタ30が配置されて、適宜の手段により周壁部21に対して固定されている。フィルタ30としては、バッチ式の遠心分離機において広く用いられているろ布や、金属に無数の透過孔を形成した多孔板や金網等からなる金属フィルタを用いることができる。
本実施形態では、フィルタ30としてろ布が用いられている。フィルタ30は、バスケット20の周壁部21の内周を覆うように形成された円筒状の本体部分と、バスケットの周壁部の一端21a側に位置する本体部分の一端に形成された内フランジ部(図示せず。)と、バスケットの周壁部の他端21b側に位置する本体部分の他端に形成された外フランジ部(図示せず。)とを一体に有している。
フィルタ30は、その本体部分をバスケットの周壁部21の内周に添わせた状態で配置され、その内フランジ部が、バスケットの底壁部22の外周寄りの部分にネジ止めされたリング状のフィルタ固定部材31と底壁部22の外周寄りの部分との間に挟み込まれている。フィルタ30の本体部分の他端の外フランジ部は、バスケット20の周壁部の軸線方向の他端21bの外フランジ部23の端面と、ネジ等により外フランジ部23に対して固定されたリング状のフィルタ押え32との間に挟み込まれることにより、バスケット20に対して固定されている。
図1及び図4において、符号34で示されたホーン状の部材は、バスケット20の周壁部21に設けられている透孔hを通して排出される液分が、排液回収室9とケーキ回収室11との間を仕切る仕切り板6側に飛散して、飛散した液分が仕切り板6に設けられている貫通孔14を通してケーキ回収室11側に侵入するのを防ぐためにバスケット20の周壁部21に固定された覆いである。
バスケット20内には、バスケットの周壁部21の中心軸線O−Oと平行に延びる回転中心軸線O′−O′(図3参照)を有するケーキ移送用ロータ40が挿入されている。ケーキ移送用ロータ40は、バスケットの周壁部21の中心軸線O−Oと平行に延びる回転中心軸線O′−O′を持ってバスケットの周壁部21の内側に配置される部分を有して、バスケットの周壁部21の中心軸線O−Oを中心とした公転運動と、回転中心軸線O′−O′を中心とした自転運動とを行ない得るように設けられている。
本実施形態で用いているケーキ移送用ロータ40は、バスケット20の周壁部の軸線方向寸法よりも大きい軸線方向寸法を有するように形成されている。ケーキ移送用ロータ40は、その大部分がバスケット20内に配置されて、その一端がバスケットの底壁部22に近接した位置に配置されるとともに、その他端寄りの部分がバスケット20の開口部から外側に突出した状態で配置されている。
本実施形態で用いているケーキ移送用ロータ40は、図7に示したように、フィルタ30の内周面の半径よりも小さい一定の外径rを持って回転中心軸線O′−O′の回りを回転しながら回転中心軸線O′−O′に沿って移動していく螺旋形状を呈するように形成された刃部40aを外周側に有している。ケーキ移送用ロータ40は、バスケット20内に配置された部分に形成された螺旋形状の刃部40aの各ターンのフィルタ30に対向する部分をフィルタ30の内周面に接触させた状態に保持して、バスケット20の周壁部21の中心軸線O−Oを中心とした公転運動と,回転中心軸線O′−O′を中心とした自転運動とを行い得るように設けられている。
図7に示されたケーキ移送用ロータ40は、円柱状の金属棒40bの外周に形成された螺旋状のネジ山を刃部40aとしたものからなっている。ケーキ移送用ロータ40の軸線方向の一端及び他端にはそれぞれ、該ロータ40を後記するスウィングアームの自由端に回転自在に支持する際にスウィングアーム側に設けられた孔に軸受を介して支持されるピン状の軸部40c及び40dが、それぞれの中心軸線をロータ40の回動中心軸線に一致させた状態で形成されている。
ケーキ移送用ロータ40は一つだけ設けられていてもよいが、ケーキ移送用ロータに安定に公転運動を行なわせ、フィルタの全周に形成されたケーキを満遍なく移送するためには、ケーキ移送用ロータ40を複数個設けて、該複数個のケーキ移送用ロータをバスケットの周壁部の周方向に等角度間隔で並べて配置した状態で公転運動を行なわせることが好ましい。本実施形態では、2つのケーキ移送用ロータ40が設けられて、該2つのケーキ移送用ロータが180°の角度間隔を隔てた対称位置に配置されている。
バスケット内でケーキ移送用ロータ40に公転運動と自転運動とを行なわせるため、バスケット20の周壁部21と中心軸線を共有した状態でバスケット内に配置される部分を有するロータ駆動軸41が設けられて、このロータ駆動軸にケーキ移送用ロータ40が支持される。
図示のロータ駆動軸41は、バスケット20と中心軸線を共有した状態でフレーム5の第2の側板2に軸受装置42を介して回転自在に支持されて、バスケット20の開口部を通してバスケット20内に挿入されている。ロータ駆動軸41は、図1及び図3の左方に配置された後述するロータ駆動装置により回転駆動される。
ロータ駆動軸41には、該ロータ駆動軸の軸線方向に間隔を隔てて配置された2個のアーム状のロータ支持部材43,44の中間部が固定され、ロータ支持部材43の一端及び他端にそれぞれ同じ長さを有するスウィングアーム45及び46の後端部が回動自在に支持されている。同様に、ロータ支持部材44の一端及び他端にそれぞれスウィングアーム45及び46と同じ長さを有するスウィングアーム47及び48の後端部が回動自在に支持されている。
本実施形態では、図3に見られるように、ロータ支持部材43の一端とロータ支持部材44の一端との間が、バスケット20の中心軸線と平行に延びる中心軸線を有する連結棒51により連結され、ロータ支持部材43の他端とロータ支持部材44の他端との間がバスケット20の中心軸線と平行に延びる中心軸線を有する連結棒52(図3参照)により連結されている。
バスケットの底壁部22側に位置する連結棒51の一端及びバスケットの開口部側に位置する連結棒51の他端にそれぞれピン状のアーム支持部が一体に形成され、連結棒51の一端及び他端に形成されたピン状のアーム支持部がそれぞれロータ支持部材43の一端及びロータ支持部材44の一端に設けられた貫通孔に嵌合されてバスケットの底壁部22側及びバスケットの開口部側に導出されている。
ロータ支持部材43の一端及びロータ支持部材44の一端をそれぞれ貫通してバスケットの底壁部22側及びバスケットの開口部側にそれぞれ導出された連結棒51の一端側及び他端側のアーム支持部は、それぞれスウィングアーム45及び47の後端部に設けられた孔に軸受を介して嵌合され、これにより、スウィングアーム45及び47の後端部がロータ支持部材43及び44の一端に回動自在に支持されている。連結棒51の一端及び他端にそれぞれ設けられたアーム支持部の端部にはネジ53及び54により、座金状のストッパが取り付けられ、これらのストッパにより、スウィングアーム45及び47の後端部が連結棒51の一端及び他端のアーム支持部から外れるのが防止されている。
同様に、バスケットの底壁部22側に位置する連結棒52の一端及びバスケットの開口部側に位置する連結棒52の他端にそれぞれピン状のアーム支持部が一体に形成され、連結棒52の一端及び他端に形成されたピン状のアーム支持部がそれぞれロータ支持部材43の他端及びロータ支持部材44の他端に設けられた貫通孔に嵌合されて、バスケットの底壁部22側及びバスケットの開口部側に導出されている。
ロータ支持部材43の他端及びロータ支持部材44の他端をそれぞれ貫通してバスケットの底壁部22側及びバスケットの開口部側に導出された連結棒52の一端側及び他端側のアーム支持部は、それぞれスウィングアーム46及び48の後端部に形成された孔に軸受を介して嵌合され、これにより、スウィングアーム46及び48の後端部がロータ支持部材43及び44の他端に回動自在に支持されている。連結棒52の一端及び他端にそれぞれ設けられたアーム支持部の端部にはネジ55及び56により座金状のストッパが取付けられ、これらのストッパにより、スウィングアーム46及び48の後端部が連結棒52の一端及び他端のアーム支持部から外れるのが防止されている。
スウィングアーム45の先端に設けられた孔内及びスウィングアーム47の先端に設けられた孔内にそれぞれ一方のケーキ移送用ロータ40の軸線方向の一端側及び他端側にそれぞれ設けられた軸部40c及び40d(図7参照)が軸受を介して支持されることにより、スウィングアーム45及び47の先端にケーキ移送用ロータ40が、その回動中心軸線O′−O′をバスケットの周壁部の中心軸線と平行な方向に向けた状態で回転自在に支持されている。ケーキ移送用ロータ40の軸部40c及び40dにはそれぞれネジ57及び58により座金状のストッパが取り付けられ、これらのストッパによりケーキ移送用ロータ40の軸部40c及び40dがスウィングアーム45及び47のそれぞれの先端に設けられた孔から外れるのが防止されている。
同様に、スウィングアーム46の先端に設けられた孔内及びスウィングアーム48の先端に設けられた孔内にそれぞれ他方のケーキ移送用ロータ40の軸線方向の一端側及び他端側にそれぞれ設けられた軸部40c及び40d(図7参照)が軸受を介して支持されることにより、スウィングアーム46及び48の先端にケーキ移送用ロータ40が、その回動中心軸線をバスケットの周壁部の中心軸線と平行な方向に向けた状態で回転自在に支持されている。ケーキ移送用ロータ40の軸部40c及び40dにはそれぞれネジ59及び60により座金状のストッパが取り付けられ、これらのストッパによりケーキ移送用ロータ40の軸部40c及び40dがスウィングアーム46及び48のそれぞれの先端に設けられた孔から外れるのが防止されている。
ロータ駆動軸41が停止しているときに2つのケーキ移送用ロータ40をフィルタ30の内周面から離れた退避位置に保持するために、対をなすスウィングアーム45,47の先端部をバスケットの周壁部21から離反させる方向に(周壁部21の内径側に)スウィングアーム45,47を付勢するアーム付勢手段49と、他の対をなすスウィングアーム46,48の先端部をバスケットの周壁部21から離反させる方向に(周壁部21の内径側に)スウィングアーム46,48を付勢するアーム付勢手段49′とが設けられ、ロータ駆動軸41が停止しているときには、2つのケーキ移送用ロータ40がバスケットの周壁部の内側に設定された退避位置に配置されて、両ロータの外周とフィルタ30との間に隙間が形成されるようになっている。上記アーム付勢手段は、例えばバネにより構成することができる。
ロータ駆動軸41が回転させられたときには、スウィングアーム45,47及び46,48により支持されたケーキ移送用ロータ40,40が遠心力により上記アーム付勢手段の付勢力に抗してバスケット20の周壁部21側に振り出されるため、ロータ駆動軸41が回転している間ケーキ移送用ロータ40,40の螺旋状の刃部の各ターンのフィルタ30に対向している部分がフィルタ30の内周面に接触した状態に保持される。
上記のように、ロータ駆動軸41が停止しているときにケーキ移送用ロータ40が退避位置に配置されるようにしておくと、バスケット20内へのケーキ移送用ロータの挿脱を容易にすることができる。また上記のように構成しておくと、アーム付勢手段の付勢力を調整することにより、固液分離処理時にケーキ移送用ロータ40がフィルタ30に接する際の接圧を適宜に調整することができる。
本実施形態では、固液分離処理時にバスケット20の底壁部21よりもバスケットの開口部側に寄った位置でバスケットの周壁部21側に洗浄液を供給するために、ロータ駆動軸41の軸心部に、洗浄液供給通路65が設けられている。洗浄液供給通路65は、バスケット20の底壁部に対向するロータ駆動軸の先端の手前の位置で終端するように設けられ、洗浄液供給通路65を通して供給された洗浄液をバスケット20の周壁部21側に噴出させる一対のノズル67,68がロータ駆動軸41に取り付けられている。
ロータ駆動軸41は、図示しないロータリジョイントと、図示しないバルブと、図示しない洗浄液供給パイプとを通して図示しない洗浄液供給源に接続され、洗浄液供給源から洗浄液供給パイプとバルブとロータリジョイントとを通して洗浄液供給通路65に洗浄液(通常は清水)が供給される。洗浄液供給通路65に供給された洗浄液は、ロータ駆動軸41と共に回転しているノズル67,68からバスケットの周壁部21側に噴出させられる。この洗浄液により、ケーキ移送用ロータ40によりバスケットの開口部側に移送されているケーキが洗浄される。ケーキを洗浄した洗浄液はフィルタ30とバスケットの周壁部に設けられた透孔とを通して排液室9内に排出される。
洗浄液供給通路65と、ロータ駆動軸41にロータリジョイントとバルブと洗浄液供給パイプとを通して接続された洗浄液供給源とにより、バスケット内でケーキ移送用ロータ40により移送されているケーキを洗浄するための洗浄液をバスケットの底壁部22よりもバスケットの開口部側に寄った位置でバスケットの周壁部側に供給する洗浄液供給装置が構成される。
バスケット20やケーキ移送用ロータの洗浄や部品の交換等のメンテナンスを容易に行なわせることができるようにするため、フレーム5の一部を容易に開放できるように構成しておくことが望ましい。例えば、フレーム5の第2の側板2を開閉し得るように構成して、第2の側板2を開くことにより、ロータ駆動軸41及びケーキ移送用ロータ40をバスケット20内から抜き出し、第2の側板2を閉じることにより、ロータ駆動軸41及びケーキ移送用ロータ40をバスケット20内に挿入するようにしておくことが望ましい。またメンテナンスを容易にするために、フレーム5の第3の側板3及び第4の側板4の少なくとも一方を着脱又は開閉し得るようにしておくことが望ましい。
バスケット20を回転駆動するバスケット駆動装置及びケーキ移送用ロータ40に公転運動を行わせるようにケーキ移送用ロータ40を駆動するロータ駆動装置は、バスケット20及びケーキ移送用ロータ40をそれぞれ別々の回転駆動源により駆動するように構成してもよく、バスケット及びケーキ移送用ロータを共通の回転駆動源により駆動するように構成してもよい。
図9ないし図11は、バスケット20を回転駆動するバスケット駆動装置と、ケーキ移送用ロータに公転運動を行わせるようにケーキ移送用ロータを駆動するロータ駆動装置とを別々の回転駆動源により駆動するように構成する場合の遠心分離機の要部の構成を概略的に示したものである。
図9ないし図11において、100は遠心分離機の各部を支持する支持台である。支持台100は、長方形のベース板101と、ベース板101の長手方向の一端及び他端にそれぞれ支持された昇降装置102及び103(図10及び図11参照)と、昇降装置102及び103の上に支持された支持板104とを備えている。昇降装置102及び103は油圧シリンダや、モータを駆動源とした螺進機構により構成されていて、昇降装置102及び103によって支持板104の長手方向の一端側の高さ及び(又は)他端側の高さを調整することにより、バスケットの周壁部の中心軸線を含む垂直面内で、バスケットの周壁部の中心軸線及びケーキ移送用ロータの回転中心軸線が水平方向に対してなす角度を調整し得るようになっている。
遠心分離機のフレーム5とその内部に配置されたバスケット及びケーキ移送用ロータは、支持板104の幅方向の一端寄りの位置を該支持板の長手方向に延びる一つの直線L1−L1を含み、かつ支持板104の上面と直交する垂直面内にバスケット20の中心軸線とケーキ移送用ロータ40の回転中心軸線とを位置させた状態で、支持板104の上に支持されている。
支持板104の幅方向の他端寄りに位置させて、支持板104の長手方向の一端寄りの位置及び他端寄りの位置にそれぞれバスケットを回転駆動する回転駆動源としてのバスケット駆動用モータ110及びロータ駆動軸を回転駆動する回転駆動源としてのロータ駆動用モータ111が配置されている。バスケット駆動用モータ110の出力軸112及びバスケット駆動軸26にそれぞれプーリ113及び114が取り付けられ、これらのプーリにベルト115が掛け渡されている。モータ110の回転がプーリ113とベルト115とプーリ114とを通してバスケット駆動軸26に伝達され、バスケット20が回転駆動される。プーリ113及び114とベルト115とにより、モータ110の回転をバスケット駆動軸に伝達する動力伝達機構が構成され、この動力伝達機構とバスケット駆動用モータ110とにより、バスケット20を一方向に回転駆動するバスケット駆動装置が構成されている。
またロータ駆動用モータ111の出力軸116及びロータ駆動軸41にそれぞれプーリ117及びプーリ118が取り付けられ、これらのプーリにベルト119が掛け渡されている。ロータ駆動用モータ111の回転がプーリ117とベルト119とプーリ118とを通してロータ駆動軸41に伝達されて、ロータ駆動軸41が回転駆動される。これによりケーキ移送用ロータ40,40がバスケットの中心軸線を中心として回転させられ、ケーキ移送用ロータ40,40がバスケットの中心軸線を中心にして公転運動を行なう。プーリ117とベルト119とプーリ118とにより、モータ111の回転をロータ駆動軸41に伝達する動力伝達機構が構成され、この動力伝達機構とロータ駆動用モータ111とによりケーキ移送用ロータをバスケット20の回転方向と同方向に公転させるようにケーキ移送用ロータを駆動するロータ駆動装置が構成されている。
バスケット駆動軸26はロータリジョイント120と図示しないバルブと給液パイプとを通して原液供給源(例えば原液を収容したタンク)に接続される。またロータ駆動軸41はロータリジョイント121と図示しないバルブと洗浄液供給パイプとを通して洗浄液の供給源に接続される。
本発明に係る遠心分離機において、バスケット内に形成されたケーキをケーキ移送用ロータにより移送する際には、ケーキ移送用ロータに自転運動を行わせるために、バスケット20の回転速度とケーキ移送用ロータ40の公転速度との間に差を持たせる必要がある。図9ないし図11に示したように、バスケット20及びケーキ移送用ロータ40を別々のモータ110及び111により回転駆動するようにした場合には、モータ110及び111の回転速度を調整することにより、バスケット20の回転速度とケーキ移送用ロータ40の公転速度との間に容易に差を持たせることができ、両速度の差の微調整も容易に行なうことができる。
しかしながら本発明は上記のようにバスケット20及びケーキ移送用ロータ40を別々のモータにより駆動する場合に限定されるものではなく、バスケット20及びケーキ移送用ロータ40を共通のモータにより駆動するように構成することもできる。
図12ないし図14を参照すると、バスケット20及びケーキ移送用ロータ40を共通のモータにより駆動する場合の遠心分離機の構成が示されている。図12ないし図14に示された例では、バスケットを収容した箱形のフレーム5の側方に1つのモータ130がその回転中心軸線をバスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態で配置されている。モータ130のロータを支持している回転軸は、該モータのハウジングの軸線方向の一端側及び他端側の双方から出力軸131及び132として外部に導出されている。図示の例では、出力軸131及び132がそれぞれバスケット駆動軸26及びロータ駆動軸41と平行に延びるようにモータが配置されていて、出力軸131及び出力軸132にそれぞれプーリ113及び117が取り付けられている。プーリ113とバスケット駆動軸26に取付けられたプーリ114とにベルト115が掛け渡され、プーリ117とロータ駆動軸41に取付けられたプーリ118とにベルト119が掛け渡されている。
本実施形態では、バスケット20の回転速度とケーキ移送用ロータ40の公転速度とに差を持たせるため、プーリ113及び114とベルト115とからなる動力伝達機構の減速比と、プーリ117及び118とベルト119とからなる動力伝達機構の減速比とが異なる値に設定されている。
図12ないし図14に示したように構成した場合には、一つのモータ130によりバスケット20とケーキ移送用ロータ40とを駆動することができるため、本発明に係る遠心分離機の構成の簡素化及び小形化と、コストの低減とを図ることができる。
本実施形態においては、バスケット駆動軸26が一つの軸受装置25のみにより支持されているが、強度を確保するため、軸受装置25の後方(バスケットの底壁部から離れた位置)に更に他の軸受装置を設けて、この軸受装置によってもバスケット駆動軸を支持するようにしても良い。
また強度を確保するために、バスケット20の開口部側の端部をベアリングを介してフレーム5に対して支持するようにすることもできる。
また図1ないし図4に示された実施形態において、ケーキ移送用ロータ40の支持構造を強固にしてロータ40が振動するのを防ぐために、ロータ駆動軸41の先端をバスケット20の底壁部22に軸受を介して支持する構造を採用することもできる。
本実施形態に係る遠心分離機において、ケーキ移送用ロータ40がバスケット20の回転速度と同じ速度でバスケットの中心軸線O−Oを中心にしてバスケットの回転方向と同方向に公転運動を行なっているときには、ケーキ移送用ロータ40がフィルタ30の内周面に沿って転動する(バスケットに対して相対的に回転する)ことはなく、ケーキ移送用ロータ40は、その刃部の各ターンの一部(フィルタ30に対向している部分)をバスケット20の周壁部の内側のフィルタ30の同じ位置に接触させた状態を保って公転運動を行なうだけである。この状態では、ケーキ移送用ロータ40がフィルタ30上のケーキに対して回転運動を行なうことはないため、該ロータがケーキを移送する作用を行なうことはない。
これに対し、ケーキ移送用ロータ40の公転速度とバスケット20の回転速度との間に差を生じさせた状態で、ケーキ移送用ロータ40をバスケットの回転方向と同方向に公転させた場合には、各ケーキ移送用ロータ40がその公転速度とバスケットの回転速度との差に等しい速度でバスケットの周方向に転動(回転しながら移動)していき、各ケーキ移送用ロータは、転動の過程でフィルタに接触しながら回転中心軸線を中心とした回転運動(自転運動)を行うため、各ケーキ移送用ロータの螺旋状の刃部がフィルタ30上に存在するケーキをバスケットの軸線方向に移動させる。
ケーキ移送用ロータ40がフィルタ上のケーキを移動させる方向は、バスケットの回転方向と、ケーキ移送用ロータ40の回転方向と、ケーキ移送用ロータに設けられている刃部の螺旋形状とにより決まる。従って、ケーキ移送用ロータ40の刃部がケーキを移動させる方向をバスケットの底壁部側から開口部側に向かう方向とするように、バスケットの回転方向と、ケーキ移送用ロータ40の回転方向と、ケーキ移送用ロータに設けられている刃部の螺旋形状とを設定しておくと、バスケット内でフィルタ上に形成されるケーキをケーキ移送用ロータによりバスケットの開口部に向けて移動させて、バスケットの開口部から外部に排出させることができる。
例えば、バスケットをその開口部側から見た状態を示している図4において、固液分離処理時にバスケット20を脱液時の回転速度Vで反時計方向に回転させるものとし、ケーキ移送用ロータ40の回転速度をバスケット20の回転速度よりもΔVだけ高くしておくものとする。このとき、ケーキ移送用ロータは、その回転中心軸線を中心にして図4において時計方向に自転しながら(右回転しながら)フィルタ30上を回転速度ΔVで図4において反時計方向に移動していく。
この状態でバスケット20の底壁部22側からバスケットの開口部側を見た場合(図4を紙面の裏側から見た場合)、バスケット20は時計方向に回転し、ケーキ移送用ロータ40は反時計方向に自転しながら(左回転しながら)フィルタ30上を時計方向に移動していく。この場合、ケーキ移送用ロータ40の刃部を雄ネジと見て当該雄ネジが右ねじ(雌ネジに螺合させて左回転させた際にバスケットの底壁部側に後退していくネジ)となるように、ケーキ移送用ロータの刃部の螺旋形状を設定しておくと、ケーキ移送用ロータ40の刃部により、フィルタ30上のケーキをバスケットの開口部側に移動させることができる。
また図4において、固液分離処理時にバスケット20を脱液時の回転速度Vで反時計方向に回転させるものとし、ケーキ移送用ロータ40の公転速度をバスケット20の回転速度よりもΔVだけ低くしておくものとする。この場合、ケーキ移送用ロータは、その回転中心軸線を中心にして図4において反時計方向に自転しながら(左回転しながら)フィルタ30上を図4において時計方向に移動していく。
この状態でバスケット20の底壁部22側から開口部側を見た場合(図4を紙面の裏側から見た場合)、バスケット20は時計方向に回転し、ケーキ移送用ロータ40は時計方向に自転しながら(右回転しながら)フィルタ30上を反時計方向に移動していく。この場合、ケーキ移送用ロータ40の刃部を雄ネジと見て、当該雄ネジが左ねじ(右回転させた際にバスケットの底壁部側に後退していくネジ)となるようにケーキ移送用ロータの刃部の螺旋形状を設定しておくと、ケーキ移送用ロータ40の刃部により、フィルタ30上のケーキをバスケットの開口部側に移動させることができる。
また図4において、固液分離処理時にバスケット20を時計方向に回転させるものとし、ケーキ移送用ロータ40の公転速度をバスケット20の回転速度VよりもΔVだけ高くしておくものとする。この場合、ケーキ移送用ロータは、その回転中心軸線を中心にして図4において反時計方向に自転しながら(左回転しながら)フィルタ上を図4において時計方向に移動していく。
この状態でバスケット20の底壁部22側から開口部側を見た場合、バスケット20は反時計方向に回転し、ケーキ移送用ロータ40は時計方向に自転しながら(右回転しながら)フィルタ30上を反時計方向に移動していく。この場合、ケーキ移送用ロータ40の刃部を雄ネジと見て、当該雄ネジが左ねじ(雌ネジに螺合させて右回転させた際にバスケットの底壁部側に後退していくネジ)となるように、ケーキ移送用ロータの刃部の螺旋形状を設定しておくと、ケーキ移送用ロータ40の刃部により、フィルタ30上のケーキをバスケットの開口部側に移動させることができる。
また図4において、固液分離処理時にバスケット20を時計方向に回転させるものとし、ケーキ移送用ロータ40の公転速度をバスケット20の回転速度VよりもΔVだけ低くしておくものとする。このとき、ケーキ移送用ロータは、その回転中心軸線を中心にして図4において時計方向に自転しながら(右回転しながら)フィルタ上を図4において反時計方向に移動していく。
この状態でバスケット20の底壁部22側から開口部側を見た場合、バスケット20は反時計方向に回転し、ケーキ移送用ロータ40は反時計方向に自転しながら(左回転しながら)フィルタ30上を時計方向に移動していく。この場合、ケーキ移送用ロータ40の刃部を雄ネジと見て、当該雄ネジが右ねじ(雌ネジに螺合させて左回転させた際にバスケットの底壁部側に後退していくネジ)となるように、ケーキ移送用ロータの刃部の螺旋形状を設定しておくと、ケーキ移送用ロータ40の刃部により、フィルタ30上のケーキをバスケットの開口部側に移動させることができる。
ケーキ移送用ロータ40の公転運動及び自転運動を妨げないようにするため、ケーキ移送用ロータ40の一端とバスケットの底壁部22との間にはある程度の隙間を形成しておく必要があるが、ケーキ移送用ロータ40により移送されずにバスケットの底壁部22に近接した領域でフィルタ30上に残されるケーキの量をできるだけ少なくするため、ケーキ移送用ロータ40の一端とバスケットの底壁部22との間の隙間はできるだけ小さくしておくことが望ましい。
本実施形態では、バスケットの底壁部22の内面に傾斜した領域22b(図1参照)を設けて、底壁部22の外周寄りの部分をケーキ移送用ロータ40の端部に近接させることにより、底壁部22の近傍でフィルタ30上に取り残されるケーキの量を少なくするようにしている。
本実施形態では、ケーキ移送用ロータ40の軸線方向寸法をバスケット20の周壁部21の軸線方向寸法よりも大きくして、バスケットの周壁部の開口部(バスケットの開放端)側に位置するケーキ移送用ロータ40の端部をバスケットの周壁部の開口部よりも外方に突出させた状態で配置している。このようにケーキ移送用ロータ40を設けておくと、バスケットの開口部からのケーキの排出を容易に行なわせることができる。
本実施形態の遠心分離機を用いて原液の固液分離処理を行なわせる際には、バスケット駆動装置及びロータ駆動装置を同時に駆動して、図3及び図4において、バスケット20を一方向に回転させると共に、ケーキ移送用ロータ40をバスケットの回転方向と同方向に公転させる。バスケット20の回転速度及びケーキ移送用ロータ40の公転速度を同じ割合で(バスケットの回転速度とケーキ移送用ロータの回転速度との間に差を生じさせないようにして)上昇させる。バスケット20の回転速度が原液の脱液を行うのに適した回転速度(例えば4000rpm〜5000rpm)に達し、ケーキ移送用ロータ40の公転速度も同じ速度に達したところでバスケット20の回転速度及びケーキ移送用ロータ40の公転速度の上昇を停止させる。
次いでケーキ移送用ロータ40の公転速度をバスケット20の回転速度よりも僅かに上昇させるか、又はケーキ移送用ロータ40の公転速度をバスケット20の回転速度よりも僅かに低下させることにより、バスケット20の回転速度とケーキ移送用ロータの公転速度との間に差を生じさせ、ケーキ移送用ロータ40がフィルタ30上をバスケットの回転方向の前方側又は後方側に転動していく状態にする。前述のように、固液分離処理時にケーキ移送用ロータ40をバスケットの回転方向の前方側に転動させるか又は後方側に転動させるかは、ケーキ移動用ロータ40の刃部の螺旋形状と、固液分離処理を行なう際のバスケットの回転方向とにより相違する。
バスケット20を高速回転させ、ケーキ移送用ロータ40の公転速度とバスケット20の回転速度との間に差を持たせて、ケーキ移送用ロータ40をフィルタ30上でバスケットの回転方向の前方側又は後方側に転動させた状態で、給液通路27を通してバスケット20内の底壁部22に近い領域でバスケットの周壁部21側に原液を供給する。
バスケット内に供給された原液は、バスケットの回転により生じる遠心力によりフィルタ30とバスケットの周壁部の透孔とを通して直ちに排液室9内に排出される。これにより、フィルタ30上にケーキが生成される。このケーキは、フィルタ30に接触しながらバスケットの周方向に転動しているケーキ移送用ロータ40の螺旋状の刃部によりバスケットの周壁部20の開口部(バスケットの開口部)側に押されるため、生成されたケーキはバスケットの軸線方向に沿って周壁部の開口部に向かって移送され、移送の途中でもケーキからの脱液が行われる。ケーキ移送用ロータにより移送されているケーキはロータの刃部により常に動かされているため、移送されているケーキからの脱液は容易に行われる。ケーキ移送用ロータにより移送されるケーキは、バスケットの開口部に達したところで該開口部からケーキ回収室11内に排出される。
従ってケーキ移送用ロータの転動速度やバスケット内への原液の供給速度を調整しておくことにより、液分の透過を妨げる程の厚いケーキ層がフィルタ30上に形成されるのを防ぎつつ、原液の脱液を図る脱液動作と、ケーキをバスケットの開口部から外部に排出させて回収する動作とを並行させて行わせることができ、原液の固液分離処理を連続的に行わせることができる。またケーキ移送用ロータによりケーキを移送する過程では、ケーキが常にロータの刃部により動かされているため、ケーキからの脱液を容易に行わせることができる。従ってケーキの移送途中でも脱液を行わせて、液分の残留量が少ないケーキを得ることができる。
また洗浄されたケーキを得る必要がある場合には、洗浄液供給通路65内に洗浄液を供給して、ノズル67,68から、ケーキ移送用ロータ40により移送されているケーキに洗浄液を吹きかけることにより、ケーキの洗浄を行うことができる。ケーキ移送用ロータ40により移送されているケーキは常に動かされているため、移送中のケーキが洗浄液の脱液を妨げることはなく、ノズル67,68からケーキに供給された洗浄液は直ちに排液室9内に排出される。従って、洗浄されて脱水が図られたケーキをバスケットから回収することができる。
本発明に係る遠心分離機において、ケーキ移送用ロータが自転しながらバスケットの周壁部の周方向に沿って移動していく速度(転動速度)は、前述のように、バスケットの回転速度とケーキ移送用ロータの公転速度との差により決まる。バスケットの回転速度とケーキ移送用ロータの公転速度との差が大きければ大きい程ケーキ移送用ロータの転動速度が速くなる。ケーキ移送用ロータの転動速度が遅すぎると、フィルタの全周に形成されるケーキを満遍なく移送することが困難になるおそれがある。またケーキ移送用ロータの転動速度が速すぎると、ケーキ移送用ロータ及びフィルタに係る負担が大きくなるため好ましくない。バスケットの回転速度とケーキ移送用ロータの公転速度との差の値は、実験の結果に基づいて、ケーキ移送用ロータ及びフィルタに過大な負担をかけることなく、フィルタの内周に形成されるケーキを満遍なくバスケットの開口方向に移送するのに適した値に設定する。
またバスケット内に原液を供給する速度が速すぎると、十分に脱液が図られていないケーキがバスケットの開口部に達するおそれがあるため、原液の液分含有量に応じてバスケット内に原液を供給する速度を適宜に調整しておくことが好ましい。
図1ないし図4に示した実施形態においては、ロータ駆動軸41をバスケット20の開口部側から該バスケット内に挿入して、ロータ駆動軸41を回転駆動するモータや減速機をバスケットの開口部の前方に配置しているが、図5及び図6に示されているように、ロータ駆動軸41をバスケット駆動軸26の軸心部を軸線方向に貫通させた状態で、かつバスケット駆動軸26に対して相対的に回転し得る状態で設けて、該ロータ駆動軸をバスケットの底壁部22を貫通させた状態でバスケット内に挿入するようにしてもよい。本実施形態においては、ロータ駆動軸41がバスケット駆動軸26を貫通してバスケット20内に挿入され、バスケット20内に挿入されたロータ駆動軸41の先端が、フレーム5の第2の側板2に軸受装置42を介して支持されている。ロータ駆動軸41の軸心部に原液供給通路65が形成され、バスケット駆動軸26とロータ駆動軸41との間の隙間により、バスケット20内に原液を供給する原液供給通路27が構成されている。
図示してないが、バスケット駆動軸26の後端部は、軸受装置25と中心軸線を共有するように設けられて適宜の手段により支持台100上に支持された別の軸受装置により回転自在に支持されている。またロータ駆動軸41の後端部は、バスケット駆動軸41の後端部よりも更に後方(バスケットの底壁部から離れる側)に突出して伸びるように設けられて、バスケット駆動軸の後端部を支持する軸受け装置とは別の軸受装置により支持台100に対して支持されている。
図1ないし図4に示された実施形態では、バスケット駆動軸26内に原液を供給する給液通路27を形成し、ロータ駆動軸41内に洗浄液供給通路65を形成したが、ロータ駆動軸41内に給液通路と洗浄液供給通路とを同心的に設けるようにすることもできる。この場合、給液通路を洗浄液供給通路の内側に形成し、給液通路の先端をバスケットの底壁部22寄りの位置でバスケット20内に開口させる。
上記の実施形態では、バスケット20が、軸線方向の全長に亘って均一な外径及び内径を有する周壁部21を有するように形成されているが、バスケットの周壁部を径が異なる複数のセクションにより構成することもできる。
図15を参照すると、バスケットの周壁部を径が異なる複数のセクションにより構成する実施形態の原理的な構成が示されている。本実施形態では、バスケット20の周壁部が、バスケットの軸線方向に並べて配置されて隣り合う端部同士が連結された円筒状の第1ないし第3のセクション21Aないし21Cからなっている。第1ないし第3のセクション21Aないし21Cは、バスケットの底壁部22から離れた位置に配置されたセクションほど大きい内径を有するように構成され、第3のセクション21Cの開口部がバスケット20の周壁部の開口部(バスケットの開口部)となっている。
バスケット20の周壁部の第1ないし第3のセクション21A,21B及び21Cのそれぞれに対して、第1ないし第3のケーキ移送用ロータ40Aないし40Cが設けられ、各セクションの内側に対応するケーキ移送用ロータが配置されている。ロータ駆動軸41は、第1ないし第3のケーキ移送用ロータ40Aないし40Cに対して共通に設けられている。図15においては、バスケットの第1のセクション21Aないし第3のセクション21C内にそれぞれ配置するケーキ移送用ロータ40Aないし40Cをロータ駆動軸41に支持するために用いる部材のうち、同等の機能を果たす部材には同じ符号を用いて、各符号に添え字AないしCのいずれかを付すことにより、各部材が第1のセクション21Aないし第3のセクション21Cのうちの何れのセクションに配置された部材であるかを区別している。
ロータ駆動軸41は、バスケット20の周壁部の開口部側からバスケット20内に挿入され、このロータ駆動軸41に第1ないし第3のケーキ移送用ロータ40Aないし40Cが支持されている。第1ないし第3のケーキ移送用ロータ40Aないし40Cは、図1ないし図4に示した実施形態と同様に一対ずつ設けられている。第1ないし第3のケーキ移送用ロータ40Aないし40Cのそれぞれの支持構造は、図1ないし図4に示した実施形態で採用されたケーキ移送用ロータ40の支持構造と同様である。ロータ支持部材43Aと44Aとの間は連結棒51A及び52Aにより連結され、ロータ支持部材43B(図15には現れていない。)と44Bとの間は連結棒51B及び52Bにより連結されている。またロータ支持部材43C(図15には現れていない。)と44Cとの間は連結棒51C及び52Cにより連結されている。一対ずつ設けられた第1のケーキ移送用ロータ40Aの一方は、ロータ駆動軸41に固定されたロータ支持部材43Aの一端及びロータ支持部材44Aの一端にそれぞれ回動自在に支持されたスウィングアーム45A及び47Aの先端に回転自在に支持され、他方の第1のケーキ移送用ロータ40Aは、ロータ駆動軸41に固定されたロータ支持部材43Aの他端及びロータ支持部材44Aの他端にそれぞれ回動自在に支持されたスウィングアーム46A及び48Aの先端に回転自在に支持されている。
また一対ずつ設けられた第2のケーキ移送用ロータ40Bの一方は、ロータ駆動軸41に固定されたロータ支持部材43Bの一端及びロータ支持部材44Bの一端にそれぞれ回動自在に支持されたスウィングアーム45B及び47Bの先端に回転自在に支持され、他方の第2のケーキ移送用ロータ40Bは、ロータ駆動軸41に固定されたロータ支持部材43Bの他端及びロータ支持部材44Bの他端にそれぞれ回動自在に支持されたスウィングアーム46B及び48Bの先端に回転自在に支持されている。なお図15においては、第2のケーキ移送用ロータ40Bの一端が第1のケーキ移送用ロータ40Aのかげに隠れているため、第2のケーキ移送用ロータ40Bの一端側を支持しているロータ支持部材43B,スウィングアーム45B,46B等は,図15には現れていない。
更に、一対ずつ設けられた第3のケーキ移送用ロータ40C,40Cの一方は、ロータ駆動軸41に固定されたロータ支持部材43Cの一端及びロータ支持部材44Cの一端にそれぞれ回動自在に支持されたスウィングアーム45C及び47C(ロータ支持部材43C及びスウィングアーム45C等は図15には現れていない。)の先端に回転自在に支持され、他方の第2のケーキ移送用ロータ40Cは、ロータ駆動軸41に固定されたロータ支持部材43Cの他端及びロータ支持部材44Cの他端にそれぞれ回動自在に支持されたスウィングアーム46C及び48C(ロータ支持部材43C及びスウィングアーム46Cは図15には現れていない。)の先端に回転自在に支持されている。
図15に示された実施形態においても、各ケーキ移送用ロータは、バスケットの周壁部の対応するセクションの軸線方向寸法よりも大きい軸線方向寸法を有し、各ケーキ移送用ロータの端部が周壁部の対応するセクションの開口部から前方に突出した状態で配置されている。第1ないし第3のケーキ移送用ロータ40Aないし40Cのそれぞれの周壁部21の対応するセクション21Aないし21Cからはみ出した部分が干渉するのを防止するため、第1ないし第3のケーキ移送用ロータ40Aないし40Cは、バスケットの周方向に位置をずらした状態で設けられている。
またバスケットの周壁部の第1のセクション21Aの開口部から第2のセクション21B内へのケーキの移送を容易にするため、第1のセクション21Aと第2のセクション21Bとの境界部の内周にバスケットの開口部側に向かうに従って径が大きくなって行く傾斜面21a1が形成されている。同様に、第2のセクション21Bの開口部から第3のセクション21C内へのケーキの移送を容易にするため、第2のセクション21Bと第3のセクション21Cとの境界部の内周にバスケットの開口部側に向かうに従って径が大きくなって行く傾斜面21a2が形成されている。
図15は、本実施形態の構成を原理的に示したものであるため、バスケット20の支持構造やロータ駆動軸41の支持構造が簡略化されているが、本実施形態では、バスケット20の軸線方向寸法が相当に長くなるため、本実施形態に係る遠心分離機を製作するに当たっては、従来の連続式遠心分離機で採用されているボウルの支持構造と同様に、バスケット20の周壁部の軸線方向の両端の外周部やバスケットの周壁部の軸線方向の中間部をペアリングを介して適宜のフレームに支持するようにするのが好ましい。またロータ駆動軸41は複数対の(本実施形態では3対の)ケーキ移送用ロータを保持する必要があり、ロータ駆動軸41にかかる負荷が大きくなるため、バスケットの底壁部22の内面側に軸受保持部を設けて、この軸受保持部に保持させた軸受によりロータ駆動軸の先端を回転自在に支持するようにするのが好ましい。
図15に示したように、バスケットの周壁部を複数のセクションにより構成すると、バスケットの軸線方向寸法を長くすることができるため、バスケットの底壁部寄りの位置でバスケット内に原液を供給してから、該原液の固液分離処理を完了させるまでの時間を十分に長くすることができ、原液の性状により、固液分離処理を完了させるために長い時間を要する場合にも対応することができる。
また図15に示したように、バスケットの周壁部を複数のセクションにより構成しておくと、各セクション内で異なる処理を行わせることができる。例えば、第1のセクション21Aで脱液を行わせ、第2のセクション21Bでケーキの洗浄を行わせ、第3のセクション21Cで洗浄液の脱液とケーキの乾燥とを行わせることができる。
上記の実施形態では、ケーキ移送用ロータの刃部を、該ケーキ移送用ロータと中心軸線を共有する棒状部材の外周に形成されたネジのネジ山により構成したが、本発明はケーキ移送用ロータをこのように構成する場合に限定されない。
例えば図8に示したように、リボン状の部材を、ロータの回転中心軸線の回りを螺線状に延びるように成形することにより製作したコイルによりケーキ移送用ロータの刃部40aを構成することができる。螺旋状に成形されたリボン状の部材により構成したリボンによりケーキ移送用ロータの刃部40aを構成する場合には、例えば、図8に示したように、一端及び他端に刃部固定部40e1及び40e2を有する軸部材40eを、刃部40aの内側に挿入して、刃部40aの一端及び他端をそれぞれ刃部固定部40e1及び40e2に固定することにより、刃部40aを軸部材40eと共に回転させるようにしておく。このように構成されたケーキ移送用ロータ40は、例えば、軸部材40eの両端をスウィングアーム45、47の先端に軸受を介して支持することにより、スウィングアーム45、47の先端に回転自在に支持することができる。
原液の液分含有率が高いために、バスケット内に供給された原液がバスケットの開口部側に流動し易く、ケーキがバスケットの開口部に到達するまでの間に脱液を十分に行わせることができないおそれがある場合には、原液に含まれる液分を蒸発させて原液を濃縮する濃縮装置を原液供給源内に設けて、該濃縮装置により原液の液分含有率を低下させた後に該原液をバスケット内に供給するようにするのが好ましい。このように構成しておくと、バスケットの軸線方向寸法を特に長くしなくても、ケーキ移送用ロータによりケーキを移送する過程で、ケーキの脱液処理を十分に行わせることができる。
上記の実施形態では、バスケット内に原液を供給する給液装置と、バスケット内に洗浄液を供給する洗浄液供給装置との双方を設けているが、ケーキの洗浄を必要としない場合には、洗浄液供給装置を省略することができる。
図9ないし図14に示した実施形態では、遠心分離機のフレーム5を支持する支持板104の下方に昇降装置102,103を設けて、バスケット20の周壁部の中心軸線を含む垂直面内でバスケットの周壁部の中心軸線及びケーキ移送用ロータの回転中心軸線が水平方向に対してなす角度を調整し得るようにしている。このように構成しておくと、例えば、バスケットの開口部を底壁部よりも高い位置に配置するようにバスケット及びケーキ移送用ロータを傾斜させることにより、原液の液分含有率が高い場合に、十分に脱液が図られない状態にあるケーキがバスケットの開口部側に移送されて回収される状態が生じるのを防ぐことができる。
本発明において、バスケット20の周壁部の中心軸線を含む垂直面内でバスケットの周壁部の中心軸線及びケーキ移送用ロータの回転中心軸線が水平方向に対してなす角度を調整し得るようにすることは必須ではなく、図9ないし図14に示した実施形態において、昇降装置103,104は省略することができる。
上記の各実施形態では、バスケットの周壁部が円筒状に形成されているが、バスケットの周壁部の形状は円筒状に限定されるものではなく、例えば、底壁部側から開口部側に向かうに従って内径が徐々に小さくなるコーン状の周壁部を有するバスケットを用いることもできる。ケーキ移送用ロータによるケーキの移送を支障なく行わせるためには、ケーキ移送用ロータの螺旋状の刃部の各ターンのフィルタに対向する部分をバスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタに接触させた状態に保つ必要があるため、コーン状の周壁部を有するバスケットを用いる場合には、ケーキ移送用ロータの縦断面の輪郭形状に、バスケットのコーン状の内周面にフィットするコーン状の形状を持たせておく必要がある。
上記の実施形態ではバスケットの周壁部の内周に配置するフィルタとしてろ布を用いたが、金属板に微細な孔を無数に形成した多孔板や金網等からなるフィルタを用いることもできる。
上記の実施形態では、バスケット内に洗浄液を供給する洗浄液供給装置を設けているが、ケーキの洗浄を必要としない場合には、洗浄液供給装置を省略することができる。
上記の実施形態では、バスケット駆動軸及びロータ駆動軸に回転駆動源の回転を伝達するバスケット駆動用動力伝達機構及びロータ駆動用動力伝達機構としてベルト伝達機構を用いたが、これらの動力伝達機構としては、ベルトに代えてチェーンを用いる動力伝達機構を採用することもできる。またバスケット駆動軸及びロータ駆動軸の少なくとも一方を回転駆動源の出力軸に直結するように、バスケット駆動装置及びロータ駆動装置を構成することもできる。