JP6165496B2 - 遠心分離機及び遠心分離機用ケーキ掻取装置 - Google Patents

遠心分離機及び遠心分離機用ケーキ掻取装置 Download PDF

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Description

本発明は、バスケットの回転により生じる遠心力を利用して原液を液分とケーキ(固形物)とに分離する遠心分離機、及び該遠心分離機のバスケットの周壁部の内側に形成されたケーキを掻き取る遠心分離機用ケーキ掻取装置に関するものである。
遠心分離機は、特許文献1に示されているように、電動機や油圧モータなどにより回転駆動されるバスケットと、該バスケットの内周に形成されたケーキを掻き取る掻き取り具を有するケーキ掻取装置とを備えている。
バスケットは、液分を透過させる多数の透過孔が形成された円筒形の周壁部と、該周壁部の軸線方向の一端側に設けられた底壁部と、周壁部の軸線方向の他端から径方向の内側に突出するように設けられた環状の端部壁とを備えた籠型の形状に形成されて、ケーシング内に回転自在に支持されている。バスケットの周壁部の内周には、ろ布、金網、多孔板、あるいはこれらを組合せたものからなるフィルタが取り付けられる。
ケーキ掻取装置は、バスケットの軸線と平行に延びるように設けられてバスケットの端部壁の内側の開口部を通してバスケット内に挿入された掻取駆動軸と、バスケット内に配置されて掻取駆動軸に一端が取り付けられた旋回アームと、該旋回アームに取り付けられて旋回アームの旋回に伴って先端がバスケットの端部壁の内周に相応する位置よりも更に径方向の内側に退避した状態になる退避位置と先端がフィルタの手前に設定された最終掻取位置に達した状態になる限界位置との間を旋回させられる掻取具と、掻取具の旋回とバスケットの軸線方向に沿った直線移動とを行なわせるように掻取駆動軸を駆動する掻取駆動装置とを備えていて、バスケットを回転させた状態で掻取具を退避位置から最終掻取位置まで旋回させる動作と掻取具をバスケットの軸線方向に直線移動させる動作とを行なうことによりフィルタの内周に形成されたケーキを掻き取る。特許文献1に示された遠心分離機では、掻取具が先端に刃部を備えた掻取刃からなっている。
特許文献1に示されているように、ケーキを掻き取る掻き取り具として掻取刃を用いた遠心分離機では、掻取刃がフィルタに接触して該フィルタを損傷するのを防ぐために、掻取刃が最終掻取位置に達したときの掻取刃の先端の位置(限界位置)をフィルタの手前3ないし5mmの位置に設定している。そのため、ケーキを掻き取る工程が終了した段階でフィルタの内周に3ないし5mmの厚みを有するケーキ層が残留することになるのを避けられない。フィルタの内周にケーキ層が残留していると、せっかく形成されたケーキの一部が無駄になるだけでなく、フィルタのろ過性能が低下するため、次の固液分離工程で支障を来すことがある。
また特許文献2に示されたように、周方向に間隔を隔てて並ぶ断面U字形の刃部を外周部に有する回転自在な多数のディスクを積層して構成したケーキ掻取ロータ(回転体)を掻取具として用いた遠心分離機や、特許文献3に示されているように、周方向に並ぶ複数の切り刃を外周部に有する掻取ロータを掻取具として用いた遠心分離機も知られている。
特開平7−328484号公報 米国特許第2171839号公報 特開平5−200327号公報
特許文献2や特許文献3に示された遠心分離機のように、回転自在なケーキ掻取ロータを用いてケーキを掻き取るようにすると、ケーキ掻取ロータをフィルタに接する位置まで変位させて、フィルタを損傷することなく、ケーキの掻取を行うことができる。しかしながら、特許文献2や特許文献3に示された遠心分離機で用いられているケーキ掻取ロータは、その外周に設けられた刃部でケーキ層を切断することによりケーキの付着力を弱めて、ケーキを自然落下させるというメカニズムによりケーキを除去するものであり、ケーキ層からケーキを積極的に剥離させて掻き落とす機能は有しない。そのため、特許文献2や特許文献3に示された遠心分離機によった場合には、ケーキを効率良く掻き取ることが難しく、ケーキ掻取工程を終了した時点で相当量のケーキがフィルタに付着したままの状態で残留することになるのを避けられなかった。
本発明の目的は、バスケットの周壁部の内側に配置されたフィルタを傷めることなく、バスケットの周壁部の内周に形成されたケーキを効率よく掻き取って、高い回収率でケーキを回収することができるようにした遠心分離機を提供することにある。
本発明の他の目的は、バスケットの周壁部の内側に配置されたフィルタを傷めることなく、バスケットの周壁部の内周に形成されたケーキを効率よく掻き取って、高い回収率でケーキを回収することができるようにした遠心分離機用ケーキ掻取装置を提供することにある。
本発明は、液分を通過させる透過孔を備えた周壁部を有し、中心軸線を中心にして回転し得るように支持されてバスケット駆動装置により回転駆動されるバスケットと、バスケットの周壁部の内側に配置されたフィルタと、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取るケーキ掻取装置とを備えた遠心分離機を対象とする。
本発明においては、上記ケーキ掻取装置が、回転自在に設けられてケーキを掻き取る際に回転中心軸線をバスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態でバスケット内に配置されるケーキ掻取ロータと、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータを少なくともバスケットの周壁部側に変位させる掻取駆動装置とを備えている。
ケーキ掻取ロータは、その回転中心軸線の回りを該回転中心軸線の長手方向に沿って螺旋状に延びるコイルを備えていて、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際に前記コイルが該ケーキに接触した状態に保持されてバスケットの回転がケーキを介してコイルに伝達されることによって前記ケーキ掻取ロータが前記バスケットにより回転駆動される。
上記のように、回転中心軸線の回りを螺旋状に延びるように設けられたコイルを備えたケーキ掻取ロータを設けて、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際に、上記コイルを該ケーキに接触した状態に保持してケーキ掻取ロータをバスケットにより回転駆動すると、コイルの傾斜した各ターン(コイルの中心軸線の周りを軸線方向にずれながら1回転している部分)の外周寄りの部分が回転しながらケーキ層にバスケットの軸線に沿った方向の力を加える。このときコイルの隣接ターン間の隙間内に入り込んだケーキがコイルから加えられる軸線方向の力によりケーキ層から強制的に剥離させられる。コイルにより剥離させられたケーキの一部はバスケット内に落下する。コイルにより剥離させられた後、直ちにバスケット内に落下しなかったケーキはコイルの隣接ターン間の隙間内に保持されて、ケーキ掻取ロータの回転方向の前方側に移送される。コイルの隣接ターン間の隙間内に保持されて移送されるケーキは、ケーキ掻取ロータのケーキを保持していた部分がケーキ層から離れると拘束を解かれるため、バスケット内に容易に落下する。バスケットの周壁部側へのケーキ掻取ロータの変位に伴って、これらの動作が連続的に行われるため、バスケット内のケーキを円滑かつ効率的に掻き落とすことができる。ケーキ掻取ロータは、最終的にコイルがフィルタに接した状態になる位置まで変位するが、このときコイルは回転しながらフィルタに接するため、フィルタを損傷させることはない。このように、ケーキ掻取ロータは、そのコイルがフィルタに接した状態になる位置まで変位させることができるため、コイルによりケーキを効率良く掻き取ることができることと相俟って、コイル掻取動作が完了した時点で残留するケーキの量を従来より大幅に少なくすることができる。
バスケットの周壁部の内側に取り付けられたフィルタの内周に形成されたケーキが硬い場合には、ケーキがコイルの隣接ターン間の隙間内に入り難いが、この場合でも、コイルからケーキにバスケットの軸線に沿った方向の力を加えることによりケーキを削り取ることができるため、ケーキを効率良く掻き落とすことができる。
本発明の好ましい態様では、コイルの内側に、ケーキ掻取ロータの軸線方向に伸びる空間が形成されるようにコイルが設けられる。このようにコイルの内側に空間を設けておくと、コイルにより剥離したケーキをバスケット内に落下させやすくすることができる。
本発明の一態様では、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータのコイルにガスを吹き付けるガス吹付け装置が更に設けられる。
上記のように、ガス吹付け装置を設けておくと、コイルに付着しているケーキを吹き飛ばすことができるため、特にケーキが高い粘性を有していてコイルに付着して離れ難いような場合に、コイルにケーキが付着したままになって、ケーキの掻取動作が滞るのを防ぐことができる。
本発明の他の態様では、上記コイルが、螺旋の巻方向が互いに逆になっている第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとを有し、該第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとがバスケットの軸線方向に並べて配置されている。
上記のように、ケーキ掻取ロータのコイルを回転しているバスケットの内周のケーキに接触させてケーキを掻き取る構成をとる場合に、コイル全体に亘ってその螺旋の巻方向が一方向であると、コイルによりケーキを掻き取る過程で、コイルが大きなスラスト方向の推力を発生し、この推力はコイルの両端を支持している支持部材の一方に集中的にかかるため、該一方の支持部材にかかる負担が過大になってその寿命が短くなったり、支持部材の損傷によりコイルをスムーズに回転させることができなくなったりするおそれがある。
これに対し、コイルが、螺線の巻方向が互いに逆になっている第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとを有して、該第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとがバスケットの軸線方向に並べて配置されていると、第1のコイルエレメントにより生じる推力の向きと第2のコイルエレメントにより生じる推力の向きとが互いに逆になるため、第1のコイルエレメント及び第2のコイルエレメントの数を等しくするとともに、それぞれの長さを等しくしておけば、両コイルエレメントが発生する推力を相殺してコイル全体が発生する推力を零とすることができる。また第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントの数を異ならせた場合や、それぞれの長さを異ならせた場合でも、コイル全体に亘って螺線の巻方向を一方向とした場合に比べて、コイル全体が発生する推力を軽減することができる。従って本発明によれば、コイルの軸線方向の両端を支持する支持部材の一方に偏って大きな力が加わるのを防いで、ケーキ掻取装置の寿命を長くすることができる。また片側の支持部材に過大な力が加わるのを防ぐことができるため、ケーキ掻取ロータの回転を円滑に行わせることができる。
本願発明はまた、液分を通過させる透過孔を備えた周壁部を有し、中心軸線を中心にして回転し得るように支持されてバスケット駆動装置により回転駆動されるバスケットと、前記バスケットの周壁部の内側に配置されたフィルタとを備えた遠心分離機の前記フィルタの内側に形成されたケーキ層からケーキを掻き取るケーキ掻取装置に適用される。本発明に係るケーキ掻取装置は、ケーキを掻き取る際に回転中心軸線をバスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態でバスケット内に配置されるケーキ掻取ロータを備えている。ケーキ掻取ロータは、回転中心軸線の回りを該回転中心軸線の長手方向に沿って螺旋状に延びるコイルを備えていて、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際にコイルが該ケーキに接触した状態に保持されて、ケーキ掻取ロータがバスケットにより回転駆動される。バスケットにより駆動されて回転するケーキ掻取ロータは、そのコイルからケーキにバスケットの軸線に沿った方向の力を加えることによりケーキをケーキ層から剥離させて掻き落とす。
本発明に係るケーキ掻取装置の好ましい態様では、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータのコイルにガスを吹き付けるガス吹付け装置が更に設けられる。
本発明に係るケーキ掻取装置の他の好ましい態様では、ケーキ掻取ロータのコイルが、螺線の巻方向が互いに逆向きの関係を有する第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとを有して、該第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとがバスケットの軸線方向に並べて配置される。
ケーキ掻取ロータは、前記バスケットの周壁部の内面の軸線方向寸法よりも短い軸線方向寸法を有していてもよく、バスケットの軸線方向に沿ってバスケットの周壁部のほぼ全体に亘って延びる軸線方向寸法を有していてもよい。前者のケーキ掻取ロータを用いる場合、掻取駆動装置は、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータをバスケットの周壁部に接近する方向及び該周壁部から遠ざかる方向と、バスケットの軸線方向との双方に変位させるように構成される。また後者のケーキ掻取装置を用いる場合、掻取駆動装置は、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータをバスケットの周壁部に接近する方向及び該周壁部から遠ざかる方向にのみ変位させるように構成される。
本発明に係るケーキ掻取装置は、ケーキ掻取ロータのみによりケーキを掻き取るように構成してもよく、ケーキ掻取ロータと、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際に掻取駆動装置によりケーキ掻取ロータと共に変位させられる掻取刃とによりケーキを掻き取るように構成してもよい。掻取刃を設ける場合、該掻取刃は、バスケットの周壁部側に変位する過程でその先端が前記フィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときに前記バスケットの周壁部側への変位を停止するように設けられる。
上記のように、本発明によれば、回転中心軸線の回りを螺旋状に延びるコイルを備えたケーキ掻取ロータを設けて、このケーキ掻取ロータのコイルをケーキ層に接触させて回転させることにより、ケーキ層にバスケットの軸線に沿った方向の力を加えながらケーキを積極的に掻き落とすようにしたので、単にケーキ掻取ロータの外周に設けた刃部によりケーキを切断して自然落下させる場合に比べて、最終的に残留するケーキの量を大幅に少なくすることができる。
特にコイルの内側に軸線方向に伸びる空間を設けた場合には、コイルにより掻き取ったケーキを落下させやすくすることができるため、ケーキの掻取を容易にすることができる。
また本発明において、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータのコイルにガスを吹き付けるガス吹付け装置を設けた場合には、コイルに付着しているケーキを吹き飛ばすことができるため、特にケーキが高い粘性を有していてコイルに付着して離れ難いような場合に、コイルにケーキが付着したままになって、ケーキの掻取動作が滞るのを防ぐことができる。
また本発明において、掻取ロータに設けるコイルを、螺線の巻方向が互いに逆になっている第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとにより構成した場合には、第1のコイルエレメントにより生じる推力の向きと第2のコイルエレメントにより生じる推力の向きとを互いに逆にすることができるため、コイル全体に亘って螺線の巻方向を一方向とした場合に比べて、コイル全体が発生する推力を軽減することができる。従って本発明によれば、コイルの軸線方向の両端を支持する支持部材の一方に偏って大きな力が加わるのを防いで、ケーキ掻取装置の寿命を長くすることができる。また片側の支持部材に過大な力が加わるのを防ぐことができるため、ケーキ掻取ロータの回転を円滑に行わせることができる。
本発明の第1の実施形態に係る遠心分離機の全体的な構成を示した縦断面図である。 本発明の第1の実施形態で用いるケーキ掻取装置の一構成例の要部を拡大して示した平面図である。 図2に示されたケーキ掻取装置を同図の矢印Z方向から見て示した側面図である。 図2に示されたケーキ掻取装置を同図の矢印Z方向から見て、一部断面して示した側面図である。 本発明の第1の実施形態で用いるケーキ掻取装置の他の構成例の要部を一部断面して示した側面図である。 本発明の第1の実施形態で用いるケーキ掻取装置の更に他の構成例の要部を拡大して示した平面図である。 本発明の第1の実施形態で用いるケーキ掻取装置の更に他の構成例の要部を一部断面して示した側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る遠心分離機の全体的な構成を示した縦断面図である。
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る遠心分離機の全体的な構成を示したものである。同図において、1はたケーシング、2はケーシング1内に配置されて回転自在に支持された籠型のバスケットである。ケーシング1は、上端が開口した円筒状のケーシング本体101と、ケーシング本体101の上端の開口部を閉じる蓋板102とを備えていて、ショックアブソーバを備えた支持装置103により、ケーシング本体101の中心軸線を垂直方向(鉛直方向)に向けた状態で支持されている。図1においては、支持装置103が一つだけ示されているが、実際には、ケーシング1を安定に支持し得るように、等角度間隔で配置された少なくとも3つの支持装置103が設けられる。
ケーシングの蓋板102は、ヒンジ104により開閉し得るように取り付けられている。図示してないが、ケーシングには、遠心分離機を動作させる際に蓋板102を閉位置に固定するロック機構が設けられており、このロック機構を外すことにより、蓋板102を回動させてケーシング本体の開口部を開放することができるようになっている。
バスケット2は、液分を通過させるための多数の透過孔(図示せず。)を有する円筒状の周壁部201と、周壁部201の軸線方向の一端を閉じる底壁部202と、周壁部201の軸線方向の他端から径方向の内側に突出した状態で設けられた環状の端板203とを備えていて、端板203の内周部がバスケットの開口部2aとなっている。バスケット2の底壁部202には、ケーキ排出口205が形成され、ケーキ排出口205の周壁部205aに、放射状に設けられた複数のリブ206を介して回転軸207の下端が連結されている。バスケット2は、その軸線をケーシング1の軸線に一致させ、かつ開口部2aをケーシング1の蓋板102側に向けた状態でケーシング1内に配置され、その底壁部202に接続された回転軸207が、ケーシング1の蓋板102に固定された軸受装置3により回転自在に支持されている。従ってバスケット2は、垂直方向に延びる中心軸線の回りを自在に回転することができる。バスケット2の周壁部201の内周201aには、ろ布、金網、多孔板又はこれらの組合わせ等からなるフィルタ4が適宜の手段により固定されている。
ケーシング1の蓋板102に電動機5が取り付けられ、電動機5の回転軸がバスケット2の回転軸207に連結されている。本実施形態では、電動機5によりバスケット2を回転駆動するバスケット駆動装置が構成されている。なおバスケット駆動装置の駆動源としては油圧モータを用いることもできる。
遠心分離機にはまた、バスケット2の周壁部の内周に取り付けられたフィルタ4の内側に形成されたケーキCを掻き取るケーキ掻取装置6が設けられている。ケーキ掻取装置6は、バスケットの軸線に沿った方向への直線変位と中心軸線を中心とした回転変位との双方が許容された状態でケーシングの蓋板102に支持されて、バスケット2の端部壁203の内側に形成された開口部2aを通してバスケット内に挿入された掻取駆動軸7と、軸線を掻取駆動軸7の中心軸線と直交する方向に向けた状態で配置されて掻取駆動軸7に後端部が取り付けられた旋回アーム8(図2参照)と、旋回アーム8の先端に取り付けられた第1の掻取刃9と、第1の掻取刃9の手前に位置させて旋回アーム8に取り付けられた第2の掻取刃10と、回転中心軸線O1−O1を掻取駆動軸7の中心軸線と平行な方向に向けた状態で旋回アーム8の先端に回転自在に支持されたケーキ掻取ロータ11と、掻取刃9及び10とケーキ掻取ロータ11とに旋回運動と直線運動とを行わせるように、掻取駆動軸7を駆動する掻取駆動装置12とを備えている。
掻取駆動装置12は、モータ13と、該モータの回転を直線運動に変換して掻取駆動軸7に伝達する変位変換機構14とを備えて、ケーキ掻取時に掻取駆動軸7をバスケットの軸線方向(本実施形態では図1の上下方向)に駆動する軸線方向駆動装置15と、モータ16と該モータの回転を掻取駆動軸7の軸線を中心とした回転に変換して掻取駆動軸7に伝達する伝達機構(図示せず。)とを備えて掻取駆動軸7をその中心軸線の回りに回転させることによりバスケット内で旋回アーム8を所定の範囲で旋回させる旋回駆動機構18とからなっている。掻取駆動軸7のケーシング1内に配置される部分を覆うように、掻取駆動軸7の直線変位に追従して伸縮するシール用のベローズ19が設けられ、このベローズにより、バスケット内で生じるミストや粉塵等が掻取駆動装置12側に侵入するのが防止される。
掻取刃9及び10は、旋回アーム8の旋回に伴って、掻取刃9の先端9aがバスケット2の端部壁の内周(開口部2a)に相応する位置よりも更に径方向の内側に退避した状態になる退避位置と、図2に示されたように、第2の掻取刃10よりも先行してバスケットの周壁部側に変位する第1の(外側の)掻取刃9の先端9aがバスケット2の周壁部201の内周201aに取り付けられたフィルタ4の手前の限界位置(図2に鎖線Lで示した位置)に達した状態になる最終掻取位置との間を旋回させられる。図示してないが、旋回アーム8がバスケットの周壁部201側に旋回する過程で第1の掻取刃9が最終掻取位置に達したときに旋回アーム8に当接するストッパが設けられ、このストッパにより、掻取刃9の周壁部201側への変位が規制されている。掻取刃9が最終掻取位置に達した状態では、掻取刃9の先端9aとフィルタ4との間に3〜5mm程度の隙間が形成される。このように、掻取刃9は、設定された最終掻取位置までしか変位しないようにその変位の範囲が制限されているが、ケーキ掻取ロータ11は、後述するように、掻取刃9が最終掻取位置に達して旋回アーム8が旋回運動を停止した後もフィルタの内周に形成されたケーキと接触した状態を保持して、最終的にはフィルタ4に接する位置まで変位し得るように設けられている。
掻取刃9,10は、バスケット2の周壁部201の内周面の軸線方向寸法よりも短い長さを有していて、ケーキ掻取時に、バスケット2の軸線方向に沿った掻取駆動軸7の直線運動に伴って、バスケット2の端部壁203に近接した状態になる初期位置(図1に示された位置)と、バスケット2の底壁部202に近接した状態になる最終下降位置との間をバスケットの軸線方向に沿って直線移動させられる。
本実施形態に係る遠心分離機では、バスケット2とその内部に配置された部材との清掃を容易にするため、ケーシング1の蓋板102をケーシング本体101にロックしているロック機構を外して、ケーシング1の上端開口部を開くように蓋板102を回動させることにより、バスケット2を、その内部に配置された部材とともにケーシング1の上方に位置させた状態にすることができるようになっている。
ケーシング1にはまた、バスケット2の開口部2aを通してバスケット2内に挿入されて、バスケット2内に原液を供給する給液パイプ等が取り付けられるが、これらの図示は省略されている。ケーシング1の下部には、底壁部110が設けられ、底壁部110の中央部に、バスケット2のケーキ排出口205の周壁部205aを隙間を介して同心的に取り囲むケーキ案内ダクト111が取り付けられている。ダクト111とケーシング1の周壁部101との間には、固液分離処理を行う際にバスケット2から排出された液分を受ける溝部112が形成されている。バスケット2の周壁部の透過孔を通過して溝部112内に落下した液分は、ケーシング1の底壁部110に接続された排液管113を通して外部に排出される。
ケーキ掻取ロータ11は、掻取駆動軸7の中心軸線と平行に伸びる回転中心軸線O1−O1(図3,図4参照)を中心にして自在に回転し得るようにして、旋回アーム8の先端に支持されている。本実施形態で用いるケーキ掻取ロータ11は、回転中心軸線O1−O1の周りを該中心軸線に沿う方向に沿って螺旋状に延びるコイルCLを備えていて、バスケット2の内周のケーキを掻き取る際に、コイルCLが、バスケットと共に回転しているケーキに所定の押圧力で押付けられて、該ケーキに接触した状態に保持されることにより、ケーキ掻取ロータ11がバスケット2により回転駆動される。
本実施形態で用いるコイルCLは、帯板状の金属材料を螺旋状に曲げ加工して製作した単一のコイルエレメントからなっていて、その各ターン(回転中心軸線の周りを軸線方向に変位しながら1回転している部分)の外周寄りの部分の厚みが外周側に向うに従って(回転中心軸線O1−O1から離れるに従って)次第に減少していくように、外周寄りの部分にテーパが付けられた形状を有している。ケーキの掻取を容易にするため、コイルCLの各ターンの外周部には、エッジ部e(図3参照)が形成されているが、フィルタ4の無用な損傷を防ぐために、エッジ部eの尖鋭度は鋭すぎないように調整されている。ケーキ掻取ロータ11を構成するコイルCLは、掻取駆動軸7の軸線に沿った方向に測った掻取刃9の長さにほぼ等しい長さを有するように形成されていて、旋回アーム8のバスケットの周壁部201側への旋回に伴って、バスケットの内周に形成されているケーキに所定の押圧力で押付けられて接触させられる。
ケーキ掻取ロータ11は、後述するように、そのコイルCLをケーキ掻取具としてケーキに接触させた状態で回転することによりケーキ掻取動作を行う。ケーキを掻き取るために必要な剛性をコイルCLに持たせるため、コイルCLを形成する帯板状の金属材料としては十分な厚みを有するものが用いられ、コイルCLを成形した後に該コイルに熱処理が施されることにより、コイルの変形が抑制されている。
なおコイルCLの剛性を確保するために、必要に応じて、コイルCLの軸線方向に伸びる棒状又は帯板状の複数の補強材を、コイルCLの内側に、コイルの周方向に間隔をあけた状態で配置して、これらの補強材をコイルCLの内周部に溶接等によって接合することにより、コイルCLの一連のターンの部分を相互に連結する等の補強措置を講じることもできる。
旋回アーム8の先端にケーキ掻取ロータ11を回転自在に支持するため、旋回アーム8の先端に、板バネを介してロータ支持フレーム13が取り付けられている。図示の例では、旋回アーム8の先端に取り付けられた第1の掻取刃9に、掻取駆動軸7の軸線方向に並べて配置された2枚の板バネ25A,25Bを介してロータ支持フレーム13が取り付けられ、掻取駆動軸7の軸線と平行な方向に伸びる中心軸20の軸線方向の一端及び他端がロータ支持フレーム13に固定されている。
図示のロータ支持フレーム13は、回転中心軸線O1−O1に沿う方向に間隔を隔てて配置された第1のフレーム13A及び第2のフレーム13Bからなっている。第1のフレーム13Aは、板面を回転中心軸線O1−O1と直交させた状態で配置された軸支持板13A1と、回転中心軸線O1−O1と平行に伸びるように設けられて一端が軸支持板13A1に固定されたバネ取付け板13A2とによりほぼL字形を呈するように形成されている。また第2のフレーム13Bは、回転中心軸線O1−O1に対して直角な方向に伸びる中空部13Ba(図4参照)を有する軸支持部材13B1と、回転中心軸線O1−O1と平行に伸びるように設けられて一端が軸支持部材13B1に固定されたバネ取付け板13B2とによりほぼL字形を呈するように形成されている。第2のフレーム13B内に設けられた中空部13Baは、その一端が軸支持部材13B1のバネ取付け板13B2側の端面に開口し、他端が閉鎖された状態で設けられていて、中空部13Baの開口部にジョイント26を介して圧縮ガス供給パイプ27の一端が接続されている。圧縮ガス供給パイプ27の他端は、ガスボンベやコンプレッサなどの圧縮ガス供給源(図示せず。)に接続されていて、必要に応じて中空部13Ba内に圧縮ガス(通常は圧縮空気)を供給することができるようになっている。
第1のフレーム13A及び第2のフレーム13Bは、それぞれのバネ取付け板13A2及び13B2を、それぞれの板面をほぼ同一の平面上に位置させた状態で回転中心軸線O1−O1 に沿う方向に並べた状態で配置され、U字形に成形された板バネ25A及び25Bの一端がバネ取付け板13A2及び13B2にボルトにより固定されている。板バネ25A及び25Bの他端は、第1の掻取刃9にボルトにより締結され、旋回アーム8の先端に、掻取刃9と板バネ25A,25Bとを介してロータ支持フレーム13が支持されている。
中心軸20は、その軸線方向の一端及び他端をそれぞれ第1のフレーム13Aの軸支持板13A1及び第2のフレーム13Bの軸支持部材13B1に固定することによりロータ支持フレーム13に固定され、この中心軸20にコイルCLが回転自在に支持されている。
中心軸20の一端及び他端にはそれぞれPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの摩擦抵抗が小さい樹脂材料により形成されたブッシュ21及び22が回転自在に嵌合されている。本実施形態で用いているブッシュ21及び22はそれぞれ円筒部21a及び22aの軸線方向の一端にフランジ21b及び22bを設けたものである。ブッシュ21及び22は、それぞれのフランジ21b及び22bを第1のフレーム13Aの軸支持板13A1及び第2のフレーム13Bの軸支持板13B1に軽く接触させた状態で配置され、中心軸20の回りを螺旋状に延びるように設けられたコイルCLの軸線方向の一端及び他端がそれぞれブッシュ21及び22に固定されている。
図示の例では、コイルCLの軸線方向の一端寄りの部分及び他端寄りの部分がそれぞれブッシュ21及び22の円筒部の外周にきつく嵌合されるとともに、その軸線方向の一端及び他端の端末部がそれぞれブッシュ21及び22のフランジ部21b及び22bに当接された状態でコイルCLの一端及び他端がブッシュ21及び22に固定され、コイルCLが(ケーキ掻取ロータ11が)ブッシュ21及び22を介して中心軸20に回転自在に支持されている。本実施形態では、中心軸20がコイルCLの内径よりも小さい外径を有していて、コイルCLと、中心軸20のブッシュ21,22間に位置する部分との間に、コイルCLの軸線方向に伸びる空間Sが形成されている。本実施形態では、ブッシュ21及び22がそれぞれ、ロータ支持フレームに対して回転自在に支持された第1及び第2のコイル支持部材を構成しており、これら第1のコイル支持部材及び第2のコイル支持部材にそれぞれコイルCLの軸線方向の一端及び他端が支持されることにより、コイルCLがロータ支持フレーム13に対して回転自在に支持されている。
図4に示されているように、中心軸20内には、該中心軸の軸線方向に伸びる中空部20aが形成されている。中空部20aは、その一端20a1が軸支持部材13B1内の中空部13Ba内に開口し、他端が閉鎖した状態で設けられていて、圧縮ガス供給パイプ27と軸支持部材13B1内の中空部13Baとを通して中心軸20内の中空部20aに圧縮ガスを供給することができるようになっている。図3に示したように、中心軸20には、中空部20a内に一端が開口し、他端がコイルCL側に開口した多数のガス噴射孔20bが形成され、ケーキ掻取時に、必要に応じて、ガス噴射孔20bを通してコイルCLにガスを吹き付けることができるようになっている。本実施形態では、中心軸20と、該中心軸の中空部内に圧縮ガスを供給する手段とによりケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータ11のコイルにガスを吹き付けるガス吹きつけ装置が構成されている。
本実施形態においては、中心軸線を垂直方向に向けた状態で配置されたバスケット2が上方から見て時計方向(図2に示された矢印CW方向)に回転させられる。ケーキ掻取ロータ11は、掻取刃9よりもバスケット2の回転方向の前方側に配置されるように設けられていて、ケーキを掻き取る過程で、旋回アーム8の旋回に伴って掻取刃9、10と共にバスケット2の周壁部201側に変位させられる。本実施形態では、掻取刃9がケーキを掻き取る過程で、ほぼ同時にケーキ掻取ロータ11のコイルCLがフィルタ4の内周のケーキに、ケーキを掻き取るために必要な圧力で押付けられた状態で接するように、掻取刃9とケーキ掻取ロータ11との間の位置関係と、板バネ25A及び25Bが発生するバネ力とが設定されており、掻取刃9が最終掻取位置に達してストッパ(図示せず。)により旋回アーム8の旋回が停止させられた後も、板バネ25A,25Bの付勢力によりコイルCLが所定の押圧力で押されてケーキと接触した状態を保って、最終的にはフィルタ4に接する位置まで変位させられるように、板バネ25の寸法及び付勢力と、コイルCLの直径とが設定されている。
また図示の例では、掻取刃9の下部に、掻取刃9,10及びケーキ掻取ロータ11により掻き落されてバスケット2の底壁部202の上に落下したケーキをケーキ排出口205側に移動させるように案内する、湾曲した帯板状の案内羽30が取り付けられている。掻取刃9,10及びケーキ掻取ロータ11により掻き取られたケーキをケーキ排出口205から排出させる際には、案内羽30を下降させて、バスケットの底壁部に近接した位置に位置させ、バスケット2の回転に伴って移動させられるバスケットの底壁部上のケーキを、案内羽30に沿って排出口205側に移動させる。
図示の遠心分離機を用いて原液を液分とケーキとに分離する処理を行なう際には、先ずバスケット2を所定の給液速度で回転させて、図示しない給液パイプを通してバスケット2内に原液を供給する給液工程を行う。次いでバスケット2を高速回転させることにより、原液を液分とケーキとに分離する固液分離工程を行って、原液中の液分をバスケット2の内周に配置されたフィルタ4とバスケット2の周壁部201に設けられた透過孔とを通してバスケット2外に排出させる。給液工程と固液分離工程とを繰り返すことによりフィルタ4の内周にケーキ層C(図1参照)を形成していく。フィルタの内周に形成されたケーキ層Cの厚みが所定値を超えたときに固液分離工程を終了し、次いで図示しない洗浄液供給装置から回転しているバスケット2内のケーキ層に洗浄液(通常は清水)を供給してケーキを洗浄するケーキ洗浄工程を行う。
ケーキ洗浄工程が終了した後、バスケット2を所定時間高速回転させて遠心脱水を行うことによりケーキ中の水分を除去する。次いで必要に応じてバスケット内のケーキを乾燥させるケーキ乾燥工程を行った後、ケーキ掻取装置6を用いてケーキ掻取工程を行う。
ケーキ掻取工程では、バスケット2を80rpm程度の低速の掻取時回転速度で回転させた状態で、掻取駆動軸7を回転させて、バスケット2の端部壁203寄りの軸線方向の限界位置に設定した初期位置(図1に示された位置)に配置された掻取刃9,10を、退避位置からバスケットの外径側に旋回させることにより、掻取刃9、10をフィルタ4の内周に形成されたケーキ層C中に進入させながらケーキを掻き落とす進入掻落し動作を行わせる。
この進入掻落し動作を行わせる過程ではまた、ケーキ掻取ロータ11のコイルCLがケーキ層に接触する。コイルCLがケーキ層に接触すると、バスケット2の回転がケーキ層を介してコイルCLに伝達されるため、ケーキ掻取ロータ11が回転駆動される。図2に示されているように、バスケット2が時計方向(矢印CW方向)に回転する場合、ケーキ掻取ロータ11も時計方向に回転させられる。
ケーキ掻取ロータ11がバスケット2により駆動されて回転すると、コイルCLの傾斜した各ターン(コイルの中心軸線の周りを軸線方向にずれながら1回転している部分)の外周寄りの部分が回転しながらケーキ層Cにバスケットの軸線に沿った方向の力を加える。フィルタ4の内周に形成されたケーキ層が比較的軟らかく、コイルCLの外周寄りの部分がケーキ層内に進入し易い場合には、コイルCLの隣接ターン間の隙間g内に容易にケーキが入り込み、隙間g内に入り込んだケーキがコイルCLから加えられる軸線方向の力によりケーキ層から強制的に剥離させられる。
コイルCLにより剥離させられたケーキの一部は直ちにバスケット内に落下する。コイルCLにより剥離させられた後直ちにバスケット内に落下しなかったケーキは、コイルCLの隣接ターン間の隙間g内に保持されて、ケーキ掻取ロータ11の回転方向の前方側に移送される。コイルの隣接ターン間の隙間内に保持されて移送されるケーキは、ケーキ掻取ロータ11のケーキを保持していた部分がケーキ層から離れると拘束を解かれるため、バスケット内に容易に落下する。バスケット2の周壁部201側へのケーキ掻取ロータ11の変位に伴って、これらの動作が連続的に行われるため、バスケット内のケーキを円滑かつ効率的に掻き落とすことができる。
ケーキ掻取ロータ11は、掻取刃9が最終掻取位置に達してケーキの掻取動作を停止した後もそのコイルCLがケーキに接した状態を保持してケーキ掻取動作を継続し、最終的には、コイルCLがフィルタ4に接した状態になる位置まで変位する。このときコイルCLは回転しながらフィルタ4に接するため、フィルタを損傷させることはない。フィルタに付着した状態に残る残留ケーキをできるだけ少なくするため、コイルCLがフィルタ4に接触する状態になった後も一定時間の間コイルをフィルタに接触させた状態に保持して、フィルタに付着しているケーキの掻落し動作を継続させることが好ましい。
バスケット2の周壁部201の内側に取り付けられたフィルタ4の内周に形成されたケーキが硬い場合には、ケーキがコイルCLの隣接ターン間の隙間g内に入り込み難いが、この場合でも、コイルCLからケーキにバスケットの軸線に沿った方向の力を加えることによりケーキを削り取ることができるため、ケーキを掻き落とすことができる。
上記のケーキ掻取工程では、必要に応じて、中心軸20の内側の中空部20a内に圧縮ガス(通常は圧縮空気)を供給して、多数のガス噴射孔20bからコイルCLに向けてガスを吹き付け、これにより、コイルCLにケーキが付着したままの状態になるのを防止する。このように、ケーキ掻取ロータ11によりケーキを掻き取る過程でコイルCLにガスを吹き付けるようにしておくと、ケーキがコイルCLに付着しやすい場合に、コイルCLの隣接ターン間の隙間にケーキが詰まってケーキの掻取動作が滞るのを防ぐことができる。
上記のように、本実施形態では、ケーキに接触して回転しながらケーキを強制的に剥離させる作用をするコイルを備えたケーキ掻取ロータをケーキ掻取装置に設けて、掻取刃9が最終掻取位置に達した後も、ケーキ掻取ロータ11を、そのコイルCLがバスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタ4に接した状態になる位置まで変位させてケーキの掻取動作を行わせるため、ケーキ掻取動作が完了した時点で残留するケーキの量を従来より大幅に少なくすることができる。
ケーキ掻取ロータ11による残留ケーキ(掻取刃9により掻き取ることができずに残されたケーキ9)の掻取が終了した後、最終掻取位置にある掻取刃9,10をバスケット2の底壁部202側に向けて下降させながら掻取刃9,10及びケーキ掻取ロータ11によりケーキを掻き取る工程を行わせる。この工程では、フィルタに付着したままの状態で残されるケーキの量をできるだけ少なくするため、掻取刃9,10をコイルCLの長さに相当する分だけ下降させる毎に掻取刃9、10及びコイルCLの下降動作を一旦停止させて、ケーキ掻取ロータ11による残留ケーキの掻取動作を継続させるようにするのが好ましい。
掻取刃9,10及びケーキ掻取ロータ11がバスケット2の底壁部202に近接した状態になる最終下降位置に達したところで掻取刃9,10及びケーキ掻取ロータ11をバスケット2の内径側に旋回させて引き戻す旋回引き戻し動作を行わせる。次いで、掻取刃9,10及びケーキ掻取ロータ11を上昇させてバスケット2の端部壁203側の初期位置に引き戻す上昇引き戻し動作を行わせてケーキ掻取工程を終了する。
上記の実施形態では,掻取刃9,10とケーキ掻取ロータ11のコイルとに同時並行的にケーキの掻取動作を行わせ、掻取刃9が最終掻取位置に達した後はケーキ掻取ロータ11のコイルによりケーキの掻取動作を継続させて、掻取刃9により掻き取ることができなかった残留ケーキの掻取を行わせるようにしたが、ケーキ掻取工程の初期の段階では掻取刃9による掻取動作のみを行わせ、掻取刃9による掻取動作がある程度進んだ段階でケーキ掻取ロータ11をケーキに接触させて、ケーキ掻取ロータ11によってもケーキの掻取動作を行わせるように、掻取刃9とケーキ掻取ロータ11との間の位置関係を設定してもよい。
上記の実施形態では、ケーキ掻取装置に掻取刃9,10とケーキ掻取ロータ11との双方を設けたが、本実施形態のように、ケーキ掻取ロータ11のケーキに接触する部分をコイルとして、コイルからケーキにバスケットの軸線に沿った方向の力を加えることにより、ケーキを積極的に掻き取るように構成する場合には、ケーキ掻取ロータ11単独でもケーキの掻取動作を効率よく行わせることができるため、掻取刃9,10を省略することもできる。即ち、掻取駆動装置により駆動される旋回アーム8の先端に回転自在なケーキ掻取ロータ11のみを取り付けて、ケーキ掻取ロータ11のみによりケーキを掻き取るようにケーキ掻取装置を構成することもできる。
上記の実施形態では、ケーキ掻取ロータ11を支持するフレーム13が第1のフレーム13Aと第2のフレーム13Bとにより構成されているが、ケーキ掻取ロータ11を支持するフレームはこのような構成のものに限定されるものではなく、例えば、図3に示された第1のフレーム13Aのバネ取付け板13A2と第2のフレーム13Bのバネ取付け板13B2とを一体化した構造のフレームにケーキ掻取ロータ11を支持するように構成することもできる。
上記の例では、ケーキ掻取ロータ11のコイルCLが、連続的に設けられた一つのコイルエレメントにより構成されているが、コイルCLを回転中心軸線O1−O1に沿う方向に並ぶ複数のコイルエレメントにより構成することもできる。
図5は、ケーキ掻取ロータ11を構成するコイルCLを第1のコイルエレメントCLAと第2のコイルエレメントCLとにより構成した例を示している。図5に示した例においても、ケーキ掻取ロータ11を支持するロータ支持フレーム13′が、回転中心軸線O1−O1に沿う方向に間隔を隔てて配置された第1のフレーム13A′と、第2のフレーム13B′とからなっている。第1のフレーム13A′は、図3に示された例と同様に、板面を回転中心軸線O1−O1と直交させた状態で配置された軸支持板13A1′と、回転中心軸線O1−O1と平行に伸びるように設けられて一端が軸支持板13A1′に固定されたバネ取付け板13A2′とによりほぼL字型に形成されている。
一方第2のフレーム13B′は、板面を回転中心軸線O1−O1と直交させた状態で配置された軸支持板13B1′と、回転中心軸線O1−O1と平行に伸びるように設けられて一端が軸支持板13B1′に固定されたバネ取付け板13B2′と、軸支持板13A1と軸支持板13B1′との間を両軸支持板と平行に伸びるように設けられて一端が軸支持板13B2′の他端に固定された軸支持ブロック13B3′とによりほぼコの字形を呈するように構成され、第1のフレーム13A′と第2のフレーム13B′とが、それぞれのバネ取付板13A2′及び13B2′の板面を同一平面上に位置させた状態で回転中心軸線O1−O1に沿う方向に並べて配置されている。
本実施形態では、コイルを支持する中心軸20′が、第2のフレーム13B′の軸支持ブロック13B3′を貫通した状態で配置されて、その軸線方向の一端及び他端がそれぞれ第1のフレーム13A′の軸支持板13A1′及び第2のフレーム13B′の軸支持板13B1′に固定されている。中心軸20′の内部には、その軸線方向のほぼ全体に亘って延びていて軸線方向の両端が閉鎖された中空部20a′が形成され、中心軸20′の軸支持ブロック13B3′内に位置する部分に、中空部20a′に連通するガス流入孔20c′が形成されている。軸支持ブロック13B3′には、一端が中心軸20′のガス流入孔20c′に連通し、他端が軸支持ブロック13B3′のバネ取付板13B2′と反対側の端面に開口したガス導入孔13Ba′が形成され、ガス導入孔13Ba′に図示しないジョイントを介して、圧縮ガス供給源につながる圧縮ガス供給パイプを接続し得るようになっている。
コイルCLを構成する第1のコイルエレメントCLAは、中心軸20′の第1のフレーム13A′の軸支持板13A1′と第2のフレーム13B′の軸支持ブロック13B3′との間で中心軸20′を取り囲んで、回転中心軸線O1−O1の周りをその長手方向に沿って螺旋状に延びるように設けられている。第1のコイルエレメントCLAの軸線方向の一端及び他端はそれぞれ、PTFE等の摩擦抵抗が小さい樹脂材料により形成されて中心軸20′に回転自在に嵌合されたブッシュ(コイル支持部材)21A及び22Aに固定され、これらのブッシュを介して第1のコイルエレメントCLAが中心軸20′に回転自在に支持されている。
コイルCLを構成する第2のコイルエレメントCLBは、第2のフレーム13B′の軸支持ブロック13B3′と軸支持板13B1′との間で中心軸20′を取り囲んで回転中心軸線O1−O1の周りをその長手方向に沿って螺線状に延びるように設けられている。第2のコイルエレメントCLBの軸線方向の一端及び他端はそれぞれ、中心軸20′に回転自在に嵌合されたブッシュ21B及び22Bに固定され、これらのブッシュを介して第2のコイルエレメントCLが中心軸20′に回転自在に支持されている。
中心軸20′には、中空部20a′内に供給された圧縮ガスをコイルエレメントCLA及びCLBに向けて噴射する多数のガス噴射孔20b′が形成されている。本実施形態では、中心軸20′と、該中心軸の中空部内に圧縮ガスを供給する手段とにより、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータ11のコイルCLにガスを吹き付けるガス吹きつけ装置が構成されている。
図5に示されたケーキ掻取ロータ11を支持しているフレーム13′のバネ取付板13A2′及び13B2′には板バネ25A及び25Bの一端が固定され、これらの板バネの他端が掻取刃9に固定されることにより、ケーキ掻取ロータ11が図1及び図2に示された旋回アーム8と同様の旋回アームの先端に取り付けられている。
図5に示したように構成すると、コイルエレメントCLA及びCLBの軸線方向長さを短くすることができるため、ケーキを掻き取る際のコイルの変形量を少なくして、ケーキの掻取を円滑に行わせることができる。また図5に示したように中心軸20′の中間部からその内部の中空部20a′内に圧縮ガスを供給するように構成しておくと、中心軸20′の中空部の端部寄りでガス圧が低下するのを防ぐことができるため、コイルエレメントCLA及びCLBに対して設けられているガス噴射孔20b′からコイルエレメントCLA及びCLBにほぼ均等にガスを噴射してそれぞれのコイルエレメントに付着したケーキを確実に吹き飛ばすことができる。
上記の各実施形態では、コイルを支持する中心軸を中空に形成して、該中心軸と、その中空部内に圧縮ガスを供給する手段とにより、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータ11のコイルにガスを吹き付けるガス吹きつけ装置を構成するようにしたが、図6及び図7に示したように、中心軸20とは別個に、中空部40aと該中空部内に供給された圧縮ガスをコイルCLに向けて噴射する多数のガス噴射孔40bとを備えたガス噴射パイプ40を、その軸線を回転中心軸線O1−O1と平行な方向に向けた状態で中心軸20の側方に別途設けて、ガス噴射パイプ40と、ガス噴射パイプ40内に圧縮ガスを供給する手段とにより、ケーキ掻取時にコイルCLにガスを吹き付けるガス吹きつけ装置を構成するようにしても良い。
ガス噴射パイプ40は、コイルCLによるケーキ掻取動作を妨げることがない位置に配置されて、ケーキ掻取ロータ11と共にバスケットの周壁部201に近づく方向及び該周壁部201から遠ざかる方向と、バスケット2の軸線方向とに変位するように設けられる。図示の例では、ケーキ掻取ロータ11を支持するフレーム13を構成する第1のフレーム13Aの軸支持板13A1及び第2のフレーム13Bの軸支持板13B1のそれぞれの一部を延長することにより形成された噴射パイプ取付部13A1a及び13B1aにガス噴射パイプ40の一端及び他端が固定されている。
図6及び図7に示した例では、ガス噴射パイプ40の長手方向の中間部に、その中空部40a内にガスを導入するためのガス導入口40cが設けられている。ガス噴射パイプ40の中間部にはまた、ガス導入孔40cに連通するガス導入口41が取り付けられ、図示しない圧縮ガス供給源につながる圧縮ガス供給パイプ27をジョイント26を介してガス導入口41に接続することにより、ガス噴射パイプ40内に圧縮ガスを供給することができるようになっている。図6及び図7に示した実施形態のその他の構成は、図1ないし図4に示した実施形態の構成と同様であり、ケーキを掻き取る際にガス噴射パイプ40cのガス噴射孔40b,40b,…からコイルCLにガスが吹き付けられる点を除き、図1ないし図4に示された実施形態の遠心分離機と同様の動作を行う。
上記の各実施形態で用いている、コイルCLを備えたケーキ掻取ロータ11は、コイルCLの傾斜した各ターンの部分によりケーキにバスケットの軸線方向に沿う力を加えることにより、ケーキ層からケーキを積極的に剥離させて掻き落とすため、高いケーキ掻取能力を有する。従って、上記の各実施形態でケーキ掻取装置に設けられている掻取刃9,10を省略して、ケーキ掻取ロータ11のみによりバスケット内のケーキを掻き取るケーキ掻取装置を構成するようにしてもよい。
上記の各実施形態では、ケーキ掻取ロータ11として、バスケットの周壁部201の軸線方向寸法よりも短い軸線方向寸法を有するものを用いて、ケーキ掻取ロータ11をバスケットの周壁部に接近する方向及び該周壁部から遠ざかる方向と、バスケットの軸線方向との双方に変位させることによりケーキの掻取動作を行わせるようにケーキ掻取装置を構成しているが、本発明はこのように構成する場合に限定されない。図8は、本発明の第2の実施形態を示したもので、この実施形態では、バスケット2の軸線方向に沿って、バスケットの周壁部201のほぼ全体に亘って延びる軸線方向寸法を有するコイルCLを備えたケーキ掻取ロータ11を用いて、該ケーキ掻取ロータ11を、バスケットの周壁部201に近づく方向及び該周壁部から遠ざかる方向にのみ変位させることによりバスケット内のケーキを掻き取るようにケーキ掻取装置6を構成している。
図8に示されたケーキ掻取装置6は、ケーシングの蓋板102に支持されてバスケット2の端部壁203の内側の開口部2aを通してバスケット内に挿入された掻取駆動軸7と、軸線を掻取駆動軸7の中心軸線と直交する方向に向けた状態で配置されて掻取駆動軸7に後端部が取り付けられた旋回アーム8と、旋回アーム8の先端に固定された支持板51に板バネ25A及び25Bを介して取り付けられたフレーム52に回転自在に支持されたケーキ掻取ロータ11と、バスケット内でケーキ掻取ロータ11に旋回運動を行わせるように、掻取駆動軸7を駆動する掻取駆動装置12とにより構成されており、図1に示された実施形態で設けられている掻取刃は省略されている。
掻取駆動装置12は、モータ16と該モータの回転を掻取駆動軸7の軸線を中心とした回転に変換して掻取駆動軸7に伝達する伝達機構17とからなっていて、モータ16を駆動源として、掻取駆動軸7を回転させることによりケーキ掻取ロータ11を掻取駆動軸7の中心軸線を旋回中心として、バスケットの周壁部201に近づける方向及び周壁部201から遠ざける方向に旋回させる。
図8に示した実施形態のように構成すると、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータ11をバスケットの軸線方向に変位させることなく、ケーキ掻取ロータ11にバスケットの周壁部側への変位を行わせるだけでバスケット内のケーキを掻き取ることができるため、ケーキ掻取ロータをバスケットの軸線方向に変位させる機構を省略して、掻取駆動装置の構成を簡単にすることができる。
図8のように構成する場合、ケーキ掻取ロータ11はバスケット内でバスケットの周壁部201の内面の軸線方向の全体に亘って延びるように設けることが好ましいが、バスケットの周壁部201側へのケーキ掻取ロータ11の変位を可能にするためには、ケーキ掻取ロータ11の軸線方向の両端と、バスケットの軸線方向に相対する内面との間に必要最小限のクリアランスを設けておく必要があるだけでなく、ケーキ掻取ロータ11の両端とバスケットの軸線方向に相対する内面との間に、ケーキ掻取ロータ11を支持する部材を配置するためのスペースを確保しておく必要がある。従って、ケーキ掻取ロータ11は、バスケットの周壁部の全体に亘って延びるように設けることはできず、バスケットの周壁部の内面の軸線方向寸法よりも僅かに短く形成せざるをえない。この意味で、本発明においては、ケーキ掻取ロータ11を、バスケットの軸線方向に沿って、バスケットの周壁部の「ほぼ」全体に亘って延びるように設けるとしている。
図8に示した実施形態では、掻取刃を省略しているが、ケーキ掻取ロータ11に加えて、バスケットの軸線に沿って、バスケットの周壁部の内面の軸線方向のほぼ全長に亘って延びる掻取刃を更に設けて、掻取刃とケーキ掻取ロータ11との双方によりケーキを掻き取るように構成することができるのはもちろんである。
上記の各実施形態では、ケーキ掻取ロータを構成するコイル全体が、中心軸線の回りを該軸線の長手方向に沿って一方向にのみ回転しながら螺旋を描くように構成されているが、このように構成した場合には、コイルによりケーキを掻き取る過程で、コイルがスラスト方向の推力を発生し、この推力はコイルの両端を支持している支持部材(上記の例ではブッシュ)の一方に集中的にかかるため、該一方の支持部材にかかる負担が過大になってその寿命が短くなったり、支持部材の損傷によりコイルをスムーズに回転させることができなくなったりするおそれがある。
上記のような問題が生じないようにするためには、上記コイルを、螺線の巻方向が互いに逆になっていて、バスケットの軸線方向に並べて配置された第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとにより構成すればよい。このように、螺線の巻方向が互いに逆になっていて、バスケットの軸線方向に並べて配置された第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとによりケーキ掻取ロータのコイルを構成しておくと、コイルがケーキを掻き取る際に、第1のコイルエレメントにより生じる推力の向きと第2のコイルエレメントにより生じる推力の向きとが互いに逆になるため、第1のコイルエレメント及び第2のコイルエレメントの数を等しくするとともに、それぞれの螺旋のターン数、ピッチ及び長さを等しくしておけば、両コイルエレメントが発生する推力を相殺してコイル全体が発生する推力を零とすることができる。例えば、図5に示した例において、第1のコイルエレメントCLAと第2のコイルエレメントCLBの螺線の巻方向を逆にするとともに、コイルエレメントCLAとCLBのターン数、ピッチ及び長さを等しくしておくと、第1のコイルエレメントCLAが発生する推力と第2のコイルエレメントCLBが発生する推力とを相殺して、コイルCL全体が発生する推力を零にすることができる。
また螺線の巻方向が互いに逆になっていて、バスケットの軸線方向に並べて配置された第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとによりケーキ掻取ロータのコイルを構成する場合に、第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントの数を異ならせた場合や、それぞれの長さなどを異ならせた場合でも、コイル全体に亘って螺線の巻方向を一方向とした場合に比べて、コイル全体が発生する推力を軽減することができるため、コイルの軸線方向の両端を支持する支持部材の一方に偏って大きな力が加わるのを防いで、ケーキ掻取装置の寿命を長くすることができる。また片側の支持部材に過大な力が加わるのを防ぐことができるため、ケーキ掻取ロータの回転を円滑に行わせることができる。
上記の各実施形態では、掻取刃及びケーキ掻取ロータを、掻取駆動軸7の回転に伴って旋回する旋回アーム8の先端に支持することにより、バスケットの周壁部201に近づく方向及び周壁部201から遠ざかる方向に変位させるようにしたが、掻取刃及びケーキ掻取ロータを流体圧シリンダにより、バスケットの周壁部201に近づく方向及び周壁部201から遠ざかる方向に変位させるように掻取駆動装置を構成することもできる。
上記の各実施形態では、バスケットの中心軸線を鉛直方向に向けた状態で配置する縦型の遠心分離機に本発明を適用したが、バスケットの中心軸線を水平方向又は水平方向に対して僅かに傾斜した方向に向けた状態で配置する横型の遠心分離機にも本発明を適用することができるのはもちろんである。
上記の各実施形態では、ケーキ掻取ロータ11を構成するコイルCLと中心軸20との間に隙間を形成しているが、中心軸20の径を太くして、中心軸20の外周にコイルCLを隙間なく嵌合した状態で(中心軸20の外周にコイルCLを巻き付けた状態で)配置するようにしてもよい。このように構成する場合には、中心軸20をフレーム13A及び13Bに回転自在に支持することにより、コイルCLを回転自在とする。
上記のように中心軸を回転させるように構成する場合にも、多数のガス噴射孔を有する中空の中心軸20にロータリージョイントを介してガス供給パイプを接続するか、又は図6及び図7に示した実施形態と同様に中心軸20とは別個にガス噴射パイプ40を設けることにより、ケーキ掻取時にコイルにガスを吹付けるガス吹付け装置を構成することができる。
上記の実施形態では、コイルCLを支持するフレームを第1のフレームと第2のフレームとにより構成しているが、コイルの支持構造は上記の実施形態に限定されるものではなく、第1のフレームと第2のフレームとを一体化したフレームにコイルを支持する構造を採用することもできる。
上記の実施形態では、コイルの回転中心軸線に沿って中心軸20を配置しているが、コイルCLは旋回アームの先端に取付けられたフレームに回転自在に支持されていればよく、中心軸20は必ずしも必要ではない。例えば、コイルCLの軸線方向の一端及び他端にそれぞれ第1及び第2のコイル支持部材を固定しておいて、これら第1のコイル支持部材および第2のコイル支持部材をフレームに回転自在に支持することにより、中心軸20を設けずにコイルCLをフレームに回転自在に支持することができる。
上記の実施形態では、バスケット2の回転軸がケーシングの蓋板に取付けられた軸受け装置により支持されているが、バスケット2の支持の仕方は任意である。例えば、ケーシング本体の底部に固定された軸受け装置によりバスケット2の回転軸を支持する構造にすることもできる。
本願においては、前記の目的を達成するため、少なくとも以下に示す第1の発明ないし第16の発明が開示されている。
(1)第1の発明
本願に開示された第1の発明は、液分を通過させる透過孔を備えた周壁部を有し、中心軸線を中心にして回転し得るように支持されてバスケット駆動装置により回転駆動されるバスケットと、バスケットの周壁部の内側に配置されたフィルタと、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取るケーキ掻取装置とを備えた遠心分離機を対象とする。
本発明においては、上記ケーキ掻取装置が、回転自在に設けられてケーキを掻き取る際に回転中心軸線をバスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態でバスケット内に配置されるケーキ掻取ロータと、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータを少なくともバスケットの周壁部側に変位させる掻取駆動装置とを備えている。
ケーキ掻取ロータは、その回転中心軸線の回りを該回転中心軸線の長手方向に沿って螺旋状に延びるコイルを備えていて、回転しているバスケットの周壁部の内側に形成されたケーキを掻き取る際にコイルがバスケットの周壁部側に押圧されて該ケーキに接触した状態に保持されることにより回転駆動されるように設けられている。
(2)第2の発明
本願に開示された第2の発明は、上記第1の発明に適用される。本発明においては、コイルが、帯板状の金属材料を螺旋状に曲げ加工したものからなっていて、少なくともその外周寄りの部分は、外周側に向うに従って次第に厚みが薄くなるようにテーパが付けられた形状を有している。
このように構成しておくと、コイルをケーキに押付けた際にコイルをケーキに接触させた際に、コイルの外周寄りの部分をケーキ内に進入させ易くすることができるため、ケーキの掻取を容易に行わせることができる。
(3)第3の発明
本願に開示された第3の発明は、上記第1又は第2の発明に適用されるもので、本発明においては、上記掻取駆動装置が、ケーキを掻き取る際に軸線をバスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態で配置される掻取駆動軸と、該掻取駆動軸の軸線と直交する方向に伸びるように設けられて後端部が掻取駆動軸に固定され、先端部にケーキ掻取ロータを支持した旋回アームと、ケーキ掻取ロータを変位させるべく掻取駆動軸を駆動する駆動機構とを備えている。
(4)第4の発明
本願に開示された第4の発明は、第3の発明に適用されるもので、本発明においては、旋回アームの先端にロータ支持フレームが取り付けられて、バスケットの軸線と平行な方向に伸びる中心軸の軸線方向の一端及び他端がロータ支持フレームに固定される。この場合、コイルは中心軸の周りを螺線状に延びるように設けられて、コイルの軸線方向の一端及び他端がそれぞれ中心軸に回転自在に支持された第1及び第2のコイル押え部材に固定され、コイルと中心軸との間には、コイルの軸線方向に伸びる空間が形成されている。
上記のように、コイルと中心軸との間に、コイルの軸線方向に伸びる空間が形成されていると、コイルにより剥離させられたケーキをバスケット内に容易に落下させることができるため、ケーキ層から剥離させられてコイルの隣接ターン間に保持されたケーキが落下せずに該コイルに保持されたままの状態になって、ケーキの掻取動作が滞るのを防ぐことができる。
(5)第5の発明
本願に開示された第5の発明も第3の発明に適用される。本発明においては、旋回アームの先端にロータ支持フレームが取り付けられて、バスケットの軸線と平行な方向に伸びる中心軸の軸線方向の一端及び他端がロータ支持フレームに回転自在に支持される。この場合コイルは、上記中心軸の周りを螺線状に延びるように設けられて、コイルの軸線方向の一端及び他端がそれぞれ中心軸に固定された第1及び第2のコイル押え部材に固定される。またこの場合も、コイルと中心軸との間には、コイルの軸線方向に伸びる空間が形成される。
(6)第6の発明
本願に開示された第6の発明は、第1ないし第5の発明の何れかに適用される。本発明においては、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータのコイルにガスを吹き付けるガス吹付け装置が更に設けられる。
上記のように、ガス吹付け装置を設けておくと、コイルに付着しているケーキを吹き飛ばすことができるため、特にケーキが高い粘性を有していてコイルに付着して離れ難いような場合に、コイルにケーキが付着したままになって、ケーキの掻取動作が滞るのを防ぐことができる。
(7)第7の発明
本願に開示された第7の発明は、第5の発明に適用される。本発明においては、中心軸に、圧縮ガスが供給される中空部と、該中空部内に供給されたガスをコイルに向けて噴出させる多数のガス噴射孔とが設けられる。また中心軸の中空部内に圧縮ガスを供給するガス供給手段が設けられ、中心軸とガス供給手段とにより、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータにガスを吹き付けるガス吹付け装置が構成される。
上記のように中心軸を利用してガス吹付け装置を構成すると、部品点数の増加を抑えてガス吹付け装置を構成することができるため、ケーキ掻取装置の構成が複雑になるのを防ぐことができる。
(8)第8の発明
本願に開示された第8の発明は、第1ないし第7の発明の何れかに適用される。本発明においては、ケーキ掻取ロータが、バスケットの周壁部の内面の軸線方向寸法よりも短い長さを有し、掻取駆動装置は、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータをバスケットの周壁部に接近する方向及び該周壁部から遠ざかる方向と、バスケットの軸線方向との双方に変位させるように構成されている。
(9)第9の発明
本願に開示された第9の発明は、第1ないし第7の発明の何れかに適用されるもので、本発明においては、ケーキ掻取ロータが、バスケットの軸線方向に沿ってバスケットの周壁部のほぼ全体に亘って延びる軸線方向寸法を有し、掻取駆動装置は、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータをバスケットの周壁部に接近する方向及び該周壁部から遠ざかる方向にのみ変位させるように構成されている。
上記のように構成すると、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータをバスケットの軸線方向に変位させることなく、ケーキ掻取ロータにバスケットの周壁部側への変位を行わせるだけでバスケット内のケーキを掻き取ることができるため、ケーキ掻取ロータをバスケットの軸線方向に変位させる機構を省略して、掻取駆動装置の構成を簡単にすることができる。
(10)第10の発明
本願に開示された第10の発明は、第1ないし第8の発明の何れかに適用されるもので、本発明においては、上記コイルが、螺線の巻方向が互いに逆になっている第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとを有し、該第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとがバスケットの軸線方向に並べて配置されている。
ケーキ掻取ロータのコイルを回転しているバスケットの内周のケーキに接触させてケーキを掻き取る構成をとる場合に、コイル全体に亘ってその螺旋が一方向にのみ回転するように構成されていると、コイルによりケーキを掻き取る過程で、コイルがスラスト方向の推力を発生し、この推力はコイルの両端を支持している支持部材の一方に集中的にかかるため、該一方の支持部材にかかる負担が過大になってその寿命が短くなったり、支持部材の損傷によりコイルをスムーズに回転させることができなくなったりするおそれがある。
これに対し、第10の発明のように、コイルが、螺線の巻方向が互いに逆になっている第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとを有して、該第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとがバスケットの軸線方向に並べて配置されていると、第1のコイルエレメントにより生じる推力の向きと第2のコイルエレメントにより生じる推力の向きとが互いに逆になるため、第1のコイルエレメント及び第2のコイルエレメントの数を等しくするとともに、それぞれの長さを等しくしておけば、両コイルエレメントが発生する推力を相殺してコイル全体が発生する推力を零とすることができる。また第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントの数を異ならせた場合や、それぞれの長さを異ならせた場合でも、コイル全体に亘って螺線の巻方向を一方向とした場合に比べて、コイル全体が発生する推力を軽減することができる。従って本発明によれば、コイルの軸線方向の両端を支持する支持部材の一方に偏って大きな力が加わるのを防いで、ケーキ掻取装置の寿命を長くすることができる。また片側の支持部材に過大な力が加わるのを防ぐことができるため、ケーキ掻取ロータの回転を円滑に行わせることができる。
(11)第11の発明
本願に開示された第11の発明は、第1ないし第10の発明の何れかに適用される。本発明においては、ケーキ掻取装置が、フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際に掻取駆動装置によりケーキ掻取ロータと共に変位させられる掻取刃を更に備えている。掻取刃は、バスケットの周壁部側に変位する過程でその先端がフィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときにバスケットの周壁部側への変位を停止するように設けられ、ケーキ掻取ロータは、ケーキを掻き取る過程でコイルがフィルタに接触した状態になる位置まで変位し得るように設けられている。
(12)第12の発明
本願に開示された第12の発明は、遠心分離機のバスケットの周壁部の内側に形成されたケーキ層からケーキを掻き取るケーキ掻取装置に係わるものである。本発明に係るケーキ掻取装置は、ケーキを掻き取る際に回転中心軸線をバスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態でバスケット内に配置されるケーキ掻取ロータと、ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータを少なくともバスケットの周壁部側に変位させる掻取駆動装置とを備えている。ケーキ掻取ロータは、回転中心軸線の回りを該回転中心軸線の長手方向に沿って螺旋状に延びるように設けられてフィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際にケーキに接触させられるコイルを備えていて、コイルがケーキに接触した際にバスケットによりケーキ掻取ロータが回転駆動されて、コイルからケーキにバスケットの軸線に沿った方向の力が加えられることによりケーキが掻き取られるように構成されている。
(13)第13の発明
本願に開示された第13の発明は、第12の発明に適用されるもので、本発明においては、コイルが、帯板状の金属材料を螺旋状に曲げ加工したものからなっていて、少なくともその外周寄りの部分は、外周側に向うに従って次第に厚みが薄くなるようにテーパが付けられた形状を有している。
(14)第14の発明
本願に開示された第14の発明は、第12又は第13の発明に適用されるもので、本発明においては、ケーキを掻き取る際に掻取駆動装置によりケーキ掻取ロータと共に変位させられる掻取刃が更に設けられる。掻取刃は、バスケットの周壁部側に変位する過程でその先端がフィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときにバスケットの周壁部側への変位を停止するように設けられ、ケーキ掻取ロータは、ケーキを掻き取る過程でコイルがフィルタに接触した状態になる位置まで変位し得るように設けられている。
(15)第15の発明
本願に開示された第15の発明は、第12ないし第14の発明の何れかに適用されるもので、本発明においては、ケーキを掻き取る際に掻取駆動装置によりケーキ掻取ロータと共に変位させられる掻取刃を更に備えている。この場合掻取刃は、バスケットの周壁部側に変位する過程でその先端がフィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときにバスケットの周壁部側への変位を停止するように設けられる。またケーキ掻取ロータは、ケーキを掻き取る過程でコイルがフィルタに接触した状態になる位置まで変位し得るように設けられている。
(16)第16の発明
本願に開示された第16の発明は、第12ないし第15の発明の何れかに適用されるもので、本発明においては、ケーキ掻取ロータのコイルが、螺線の巻方向が互いに逆向きの関係を有する第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとを有して、該第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとがバスケットの軸線方向に並べて配置される。
1 ケーシング
2 バスケット
201 バスケットの周壁部
202 バスケットの底壁部
203 バスケットの端部壁
2a バスケットの開口部
207 バスケットの回転軸
3 軸受け装置
4 フィルタ
5 電動機
6 ケーキ掻取装置
7 掻取駆動軸
8 旋回アーム
9 第1の掻取刃
10 第2の掻取刃
11 ケーキ掻取ロータ
12 掻取駆動装置
13 モータ
14 変位変換機構
15 軸線方向駆動装置
16 モータ
17 変位伝達機構
21,22 ブッシュ
25A,25B 板バネ
40 ガス噴射パイプ

Claims (16)

  1. 液分を通過させる透過孔を備えた周壁部を有し、中心軸線を中心にして回転し得るように支持されてバスケット駆動装置により回転駆動されるバスケットと、前記バスケットの周壁部の内側に配置されたフィルタと、前記フィルタの内側に形成されたケーキ層からケーキを掻き取るケーキ掻取装置とを備えた遠心分離機において、
    前記ケーキ掻取装置は、回転自在に設けられて、前記ケーキを掻き取る際に回転中心軸線を前記バスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態で前記バスケット内に配置されるケーキ掻取ロータと、前記ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータを少なくともバスケットの周壁部側に変位させる掻取駆動装置とを備え、
    前記ケーキ掻取ロータは、前記回転中心軸線の回りを該回転中心軸線の長手方向に沿って螺旋状に延びるコイルを備え、
    前記フィルタの内側に形成されたケーキ層からケーキを掻き取る際に前記コイルが該ケーキに接触した状態に保持されて、前記バスケットの回転が前記ケーキ層を介して前記コイルに伝達されることによって前記ケーキ掻取ロータが前記バスケットにより回転駆動されること、
    を特徴とする遠心分離機。
  2. 前記コイルは、帯板状の金属材料を螺旋状に曲げ加工したものからなっていて、少なくともその外周寄りの部分は、外周側に向うに従って次第に厚みが薄くなるようにテーパが付けられた形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
  3. 前記掻取駆動装置は、前記ケーキを掻き取る際に軸線を前記バスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態で配置される掻取駆動軸と、前記掻取駆動軸の軸線と直交する方向に伸びるように設けられて後端部が前記掻取駆動軸に固定され、先端部に前記ケーキ掻取ロータを支持した旋回アームと、前記ケーキ掻取ロータを変位させるべく前記掻取駆動軸を駆動する駆動機構とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心分離機。
  4. 前記旋回アームの先端にロータ支持フレームが取り付けられ、
    前記ロータ支持フレームに対して回転自在に支持された第1及び第2のコイル支持部材が設けられて、該第1のコイル支持部材及び第2のコイル支持部材にそれぞれ前記コイルの軸線方向の一端及び他端が支持され、
    前記コイルの内側に前記コイルの軸線方向に伸びる空間が形成されていること、
    を特徴とする請求項3に記載の遠心分離機。
  5. 前記旋回アームの先端にロータ支持フレームが取り付けられて、前記掻取駆動軸の軸線と平行な方向に伸びる中心軸の軸線方向の一端及び他端が前記ロータ支持フレームに固定され、
    前記コイルは前記中心軸の周りを螺線状に延びるように設けられて、前記コイルの軸線方向の一端及び他端がそれぞれ前記中心軸に回転自在に嵌合された第1及び第2のブッシュに固定され、
    前記コイルと前記中心軸との間に前記コイルの軸線方向に伸びる空間が形成されていること、
    を特徴とする請求項3に記載の遠心分離機。
  6. ケーキを掻き取る際に前記ケーキ掻取ロータのコイルにガスを吹き付けるガス吹きつけ装置を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一つに記載の遠心分離機。
  7. 前記中心軸は、圧縮ガスが供給される中空部と、該中空部内に供給されたガスを前記コイルに向けて噴出させる多数のガス噴射孔とを有し、
    前記中心軸の中空部内に圧縮ガスを供給するガス供給手段が設けられ、
    前記中心軸とガス供給手段とにより、前記ケーキを掻き取る際に前記ケーキ掻取ロータにガスを吹き付けるガス吹付け装置が構成されていること、
    を特徴とする請求項に記載の遠心分離機。
  8. 前記ケーキ掻取ロータは、前記バスケットの周壁部の内面の軸線方向寸法よりも短い軸線方向寸法を有し、
    前記掻取駆動装置は、前記フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際に前記ケーキ掻取ロータを前記バスケットの周壁部に接近する方向及び該周壁部から遠ざかる方向と、前記バスケットの軸線方向との双方に変位させるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  9. 前記ケーキ掻取ロータは、前記バスケットの軸線方向に沿って前記バスケットの周壁部のほぼ全体に亘って延びる軸線方向寸法を有し、
    前記掻取駆動装置は、前記フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際に前記ケーキ掻取ロータを前記バスケットの周壁部に接近する方向及び該周壁部から遠ざかる方向にのみ変位させるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  10. 前記コイルは、螺旋の巻方向が互いに逆になっている第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとを有して、該第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとが前記バスケットの軸線方向に並べて配置されていることを特徴とする請求項1ないし9の何れか一つに記載の遠心分離機。
  11. 前記ケーキ掻取装置は、前記フィルタの内側に形成されたケーキを掻き取る際に前記掻取駆動装置により前記ケーキ掻取ロータと共に変位させられる掻取刃を更に備え、
    前記掻取刃は、前記バスケットの周壁部側に変位する過程でその先端が前記フィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときに前記バスケットの周壁部側への変位を停止するように設けられ、
    前記ケーキ掻取ロータは、前記ケーキを掻き取る過程で前記コイルが前記フィルタに接触した状態になる位置まで変位し得るように設けられていること、
    を特徴とする請求項1ないし10のいずれか一つに記載の遠心分離機。
  12. 液分を通過させる透過孔を備えた周壁部を有し、中心軸線を中心にして回転し得るように支持されてバスケット駆動装置により回転駆動されるバスケットと、前記バスケットの周壁部の内側に配置されたフィルタとを備えた遠心分離機の前記フィルタの内側に形成されたケーキ層からケーキを掻き取るケーキ掻取装置において、
    ケーキを掻き取る際に回転中心軸線を前記バスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態で前記バスケット内に配置されるケーキ掻取ロータと、
    前記ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータを少なくともバスケットの周壁部側に変位させる掻取駆動装置とを備え、
    前記ケーキ掻取ロータは、前記回転中心軸線の回りを該回転中心軸線の長手方向に沿って螺旋状に延びるコイルを備え、
    前記フィルタの内側に形成されたケーキ層からケーキを掻き取る際に前記コイルが該ケーキに接触した状態に保持されて、前記バスケットの回転が前記ケーキ層を介して前記コイルに伝達されることによって前記ケーキ掻取ロータが前記バスケットにより回転駆動されること、
    を特徴とする遠心分離機用ケーキ掻取装置。
  13. 前記コイルは、帯板状の金属材料を螺旋状に曲げ加工したものからなっていて、少なくともその外周寄りの部分は、外周側に向うに従って次第に厚みが薄くなるようにテーパが付けられた形状を有していることを特徴とする請求項12に記載の遠心分離機用ケーキ掻取装置。
  14. ケーキを掻き取る際にケーキ掻取ロータのコイルにガスを吹き付けるガス吹付け装置が更に設けられている請求項13に記載の遠心分離機用ケーキ掻取装置。
  15. 前記ケーキを掻き取る際に前記掻取駆動装置により前記ケーキ掻取ロータと共に変位させられる掻取刃を更に備え、
    前記掻取刃は、前記バスケットの周壁部側に変位する過程でその先端が前記フィルタの手前の位置に設定された限界位置に達したときに前記バスケットの周壁部側への変位を停止するように設けられ、
    前記ケーキ掻取ロータは、前記ケーキを掻き取る過程で前記コイルが前記フィルタに接触した状態になる位置まで変位し得るように設けられていること、
    を特徴とする請求項12,13又は14に記載の遠心分離機用ケーキ掻取装置。
  16. 前記ケーキ掻取ロータのコイルは、螺線の巻方向が互いに逆向きの関係を有する第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとを有して、該第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとが前記バスケットの軸線方向に並べて配置されている請求項12ないし15のいずれか一つに記載の遠心分離機用ケーキ掻取装置。
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